○
政府委員(
永山時雄君)
栗山委員から
お話しの、法文が難解過ぎるという御指摘は、私
どももはなはだ申しわけない点であると、かように
考えておりますが、ただ、こうしたいささか
一般の
国民に難解だと思われるような書き方になりましたことにつきましては、いろいろとわれわれもこの点については苦心をしてきたのでございます。ただ、この
法律が、一面におきましては非常に数多くの
繊維を
対象にしており、また数多くの人を
対象としておるという
関係から、書き方に疎漏があるために不必要に範囲を広げるということになりますことはむろん困りますし、また大きな穴が出てくるということも困る点でありましたので、従って、そういうような
意味で、法令技術の上からいろいろと検討を加えてもらったのでございますが、しこうして、また一面におきましては、
お話のように、これを
一般の
国民にわかりやすくするというととも大事な要請でございますので、その
意味の検討をいたしたのでございますが、どうも今日までの段階におきましては、遺憾ながら、この
程度にしか書けないというふうな状態なのでございます。ただ、われわれといたしましても、今申し上げたように、この点については遺憾な感じを持っておりますので、従って、今後機会あるごとにこれの改善方策、あるいはまたこれのもっと平易なわかりやすい解説、
PRというものをできるだけいたして参りまして、
一般の
国民に不便、支障をかけないように
努力をして参りたいと、かように
考えておる次第でございます。あしからず御了承を願います。
それから
古池委員の
お話の、政令の
関係でございますが、この政令委任事項が多いという点も事実でございますが、大体は手続的なことが多いのでございまして、ただ、特に実体的な
一般の
国民の利害に
影響のあるというような問題につきましては、その政令は
お話のような
品質表示審議会というものに付議をいたしまして、その
意見を聞いた上で
政府としてきめるということで、手続としてはできるだけ慎重な手続をとっておるのでございます。内容としては、しからば、どういうようなことを
考えておるかということでございますが、この御指摘のように、
表示審議会というものの結論を得ませんと責任のある確定的なことは申し上げかねるのでございますが、私
どもの
一つの私見といいますか、私見あるいは
参考的な
意見という
意味で若干御説明を申し上げたい、かように
考えます。
第三条で「
繊維製品の
品質を示す文字であって政令で定めるもの(以下「指定文字」という。)」その「政令で定める」という
意味は、たとえば「混紡綿織物」とかあるいは「純毛生地」とかいうようなものが指定文字になるのでございます。それで「指定文字ごとに政令で定める
品質」というのは、純毛というのは一〇〇%毛のものだ、
スフの全然入っていないもの、あるいは混紡綿織物という場合には、綿がたとえば五〇%以上のものが混紡綿織物と、そういうような
品質をこの政令できめるのでございます。こうした純毛生地というような名称、あるいは五〇%以上
スフ綿が入っておる場合に混紡綿織物という、そうした
品質はいずれもこの
表示審議会にかけまして、五〇%がいいか、四〇%がいいか、八〇%がいいかというような点の審議を受けまして、
政府で政令できめるということになるのでございます。
それから第二項では、一番最後に「ただし、
通商産業省令で定める場合は、この限りでない。」とれは
表示をする場合には氏名、名称を必ず
表示しろということが第二項の本文でございますが、そのただし書きに「
通商産業省令で定める場合は、との限りでない。」ということがございます。これはたとえば
商品についての商標、そういうようなものをかわりに用いるということを認めようという趣旨でございます。それからなおその他に工場番号等も便宜代用として認めるというような趣旨が入っておるのでございます。
それから第四条で、「製造業者又は販売業者は、次の
繊維製品のうち政令で定めるものについては、」
表示をしなければ、「販売し、又は販売のために陳列してはならない。」という、いわゆる強制
表示の問題でございます。これは従来からの御説明で申し上げておりますように、われわれの方といたしましては、強制
表示を発動いたしまするのは、
任意表示制、できるだけ自発
表示を業界にやらして、それで効果が上らない、なかなか実効が上らないという場合に、初めて第四条を発動するつもりでございますが、従って、今からどういうような
繊維製品についてこの強制
表示を用いていくかということは、これは全然私
どもとしては今予定をいたしておりません。
任意表示、自発
表示で目的が達し得ておるというものでありますれば、第四条を用いる限りではございませんので、従って、現在のところでは品目の予定しておるものはないのでございますが、ただ、さしずめのところで、一応予想して
考えますると、綿糸あるいは綿織物、特に綿糸につきましては、すでに業界におきまして合理化カルテルというようなことで、自発的に一種の強制
表示、強制
検査が行われているのでございます。ただ、どうも合理化カルテルというような業界だけの申し合せでは、必ずしもその実効確保が十分でないというような
意見がだいぶあるようでございまして、せっかく業界としてはある
程度までまとまってきておることであるから、この第四条の裏づけをしてもっと完璧なものにしてもらいたいという
意味の希望がかなりあるようであります。従って、それらの点を十分せんさくをいたしまして、支障がなければ、あるいはそうしたものに一部発動して参るということになろうかと思います。
それからカッコ書きで、たとえば「その
品質のうち政令で定めるものについては、
通商産業大臣がその
通商産業省令で定めるところにより指定文字を用いて
表示したもの」、これは本来は、強制の
表示の場合はいずれもそれぞれ業界
関係者がみずから
表示する
メーカーなら
メーカーが
表示する、あるいは問屋なら問屋が
表示するという建前でございますが、ある種の
品質のものについては、通産大臣が、これは結局
検査機関でございますが、
検査機関がみずから
表示をするこういうふうに
表示をする主体を分けましたのは、このカッコ書きの中は大体通俗にいわゆる
検査の問題をいったのでございます。ある種の
品物については、強制
表示というだけでは必ずしも的確に正確な
表示が行われるかどうか疑問がございますので、大事な
品物については
検査を受けさせる、国の
検査なり、あるいは
民間の
信用のおける一定の
検査機構の
検査を受けさせる、ただしその
検査を受けた場合に、結果において間違った
表示が行われたときに、
表示者が責任を負うのか、あるいに
検査機関が責任を負うのか、その辺がかなり責任の所在があいまいになりますので、むしろその場合には、常識的に
検査機関が
検査をしてしてパスさせたものでございますから、
検査機関が責任を負うのが正しいという
意味におきまして、この
表示を直接
検査機構がやるということに書いたのがこのカッコ書でございます。従ってこの
検査を受けさせる
品物は、強制
表示の中でもまた特に限られたものございまして、たとえば純毛ものとか
純綿ものとかいうような、比較的間違いが起りやすいものを
検査制度にひっかけたものでございます。みずから称して混紡綿織物とか、あるいは混紡毛織物だとかいう
表示する場合には、比較的間違いが少いと思いますが、純毛あるいは
純綿という
表示は、とかくうそが起りがちがでございますので、従ってそういうものは
検査制度に場合によってひっかけようというのが、このカッコ書きでございます。そうしてこの四条の
一般の強制
表示の場合の品目、あるいはカツコの中の
検査にかける品目、いずれも実体的に利害の相当
関係の強いものでございますが、
表示制度審議会というものにかけて決定をするということにいたしておるのでございます。
それから四条の三項目でございます。第三項に「第一項の規定の適用に関して必要な経過的措置は、政令で定める。」、たとえば一月一日なら一月一日からある
品物、綿織物なら綿織物について強制
表示が発動されたという場合に、
メーカーでもあるいは小売商でも、いずれもそのときに相当手持ちの
商品があるわけでございます。一月一日から発動されますと、その日から
表示がなくては売れないということに理論的にはなるわけでございます。そこでそれを直ちに全部の
品物について、
表示がなければ売れないということの効果を発生させることは酷でございますので、その場合に、たとえば三カ月間は問屋ついては免除するとか、あるいは小売商については六カ月なり一定の期間免除をするという、あるいは
表示なくしても売ってもいいという証紙を張らせることによって、その経過的措置を及ばせるというような、そうした措置をきめようというのが第三項の政令でございます。
それから第五条は、すでに御説明を申し上げた事項と同じでございますので、これは省略いたします。
第六条は、
表示制度審議会、先ほどから申し上げております
表示制度審議会についての規定をしたものでございますが、その第四項における政令は、専門
委員会あるいは部会というようなものを政令できめるということでございます。
その他の事項では大体実体的な事項はないのでございまして、おおむね手続的な問題のみである、かように
考えております。