○河野謙三君 今、
栗山さんからのお尋ねは、私が何でも官業に反対しているかのようなふうなことを申し上げたようにお取りになったかもしれませんが、私はそう言っておるのじゃない。官業には官業でなければならぬ
理由があるわけなんです。これは公共の利害に非常に影響があるとか、また一部官業にすることによって民間工業を刺激し、もしくは民間工業の暴利を牽制するとか、こういうことでおのずと官業には官業の
理由があるのですが、今の
アルコールの専売につきましては、先ほどからの御
説明ですと、一番専売をこのまま持続しなければならぬという大きな
理由はコストの問題にかかっておるようでありますから、コストの問題だけのことになってきますと、私は必らずしも官業というものにとらわれないでいいのではないか、こう思うのです。余談ですけれども、たとえば官業でなくても、澱粉工場で民間の人が民間の個人の
企業でやっている澱粉工場と、農業
協同組合がやっている澱粉工場と、この一体成績はどうなっておりますか。これはすでに御
承知のように、農協のやっている澱粉工場というのはみんなコストが高いのですよ。これは大体原料の仕入れがまずいのです。それから固定費がよけいかかっている、人件費がよけいかかる。でありますから、民間の個人もしくは
会社がやっている澱粉工場に対して農協がやってさえも、しかも
競争ができない。しかしこの農協が澱粉工場をやるというのは、もうかる、もうからぬという直接の利害以外に、農協がイモの処理を澱粉工場においてやるということによって、イモの価格をある程度コントロールするというところに大きな
理由があってやっておるわけです。だから私は能率という点から言えば、
栗山さんはいろいろおっしゃるけれども、能率そのものからいっても農協と個人と比較しても農協の方が悪いのであって、これを官業にしたらさらにもっと能率が下るのは当りまえです。能率以外の
理由があれば別でありますけれども、能率だけからの
理由によって官業の方の能率がいいからという結論を出されても、民営に対して検討をする余地がないというような
通産省の態度であってはならないと思います。私は官業をやめろというのではない、もう少し両者検討されるだけの含みがあってしかるべきじゃないか、こういう
意味ですから、
栗山さん、どうぞ誤解のないように……。同時に私がお尋ねいたしました、又
要求いたしました
資料はぜひ御
提出願いたい、こう思います。