○
政府委員(
記内角一君) お
手元に
中小企業金融関係資料というものがお配りしてあるわけでありますが、この
最初の
ページは、
一般金融及び
財政状況、これは昨
年度の
一般金融及び
財政状況の概略が示されております。これは省略いたします。
次は、
全国銀行の
企業規模別貸出推移表がございます。その次の
ページで三
ページに、第三表といたしまして、
全国銀行中小金融機関貸出推移表、これについて去年の
動きを御
説明申し上げたいと思います。
これを
全国銀行といたしまして、十一大
銀行、
債券発行銀行、
地方銀行、
信託銀行というふうに分けまして、それぞれの
全国銀行の
合計があるわけでございます。ところがこの十一大
銀行の二十九年三月を見ていただきますとわかりますように、これが
貸出総額は、一兆四千四百九十一億というふうに相なっておりますが、そのうちで
中小企業向けの分といたしましては四千五百十三億というふうになっております。ところがその次の六月に参りますというと
貸出総額は一兆四千四百三十六億、若干全体として減っておりますが、
中小企業向けには、これは四千三百十七億というふうに相なりまして、約ここで三百億ばかり減っておるわけでございます。九月末になりますというと、これがさらに十五億ばかり減って参っております。十二月になりますと、さすがに年末でございますので、これがふえて参りまして約四千四百八十五億、ここで二百億ばかりふえ、三十年の一月ではこれが
回収が進みましたので減って参っております。四千三百七十三億とありますが、しかし十二月から比べますと減っておりますが、九月末と比べますと約七十億ふえておるわけでございます。それから二月末におきましてはこれが四千四百十七億、ここでまた若干ふえて参っております。こういうふうにこれが一番大きな数、それから
地方銀行は大体
増加いたしておりますが、
トータルといたしまして
全国銀行合計を見ますというと、二十九年三月末が九千六百五十六億ありましたものが、六月には九千二百九十五億、約ここで三百五十億ばかり減少しております。それから九月になりますと九千三百七十七億、若干ふえて参っておるわけです。その十二月、一月、二月それぞれございますが結局二十九年の三月末九千六百五十六億に対しましてこの二月末しかわかっておりませんが、
中小企業向けとしましては九千六百六十三億、約七億ばかりがふえております。結局去年の
銀行の
貸し出し推移を見ますというと、三月から六月の間に急激に
中小企業向けのものが減っておりまして、これが大体九月ごろまで漸減して参りましたが、九月以降これがふえまして、
最初に三百五十億も減ったものが、
年度末には約とんとんというところまで回復して参りまして、去年一年間の
金融状態を見ますと、初めに
一般金融引き締め、特にそれが
中小企業に著しく現われたのでありますが、後半に至りましてやや回復して参ったという
事情でございます。ただし総
貸し出しの中で、
中小企業向けの分はどうかということになりますと、やはり漸減いたして六月、九月
あたりには相当減って参っております。二月ごろやや回復はしましたが、きわめて微々たるものに相なっております。その下にございまする
商工中金、中小
公庫、
国民公庫、
相互銀行、信用金庫、信用組合、これらはいずれももともと
中小企業向けの
資金でございますので、これを総計いたした次第でございます。それの
合計額が約去年一年で六百五十億ばかり
増加いたしております。ところがこれを二十八
年度の
増加を見ますというと、これが三千億というふうに相なっております。三千億の
増加から六百五十億まで急激に昨年は
増加額が減って参っておるということでございます。
あとは次の
ページでは
手形交換高不渡発生状況でございまして、まん中のところに
不渡手形の枚数、
金額、一枚当というのが出ております。一枚当が大体十万円足らずということに相なって非常に、上からごらんいただきますように、零細化しておるということでございます。また一日当りの
不渡手形の
発生件数は、
終りから
二つ目の欄にございますように、千百件から千五百件というふうな
動きを示しております。一月、二月はやや減少して参りましたが、三月に至って若干ふえて参っておる、この辺に
年度末の
支払手形が、三月
あたりに集まって来ておるというような
状況を物語っておるかと存じておる次第でございます。
それから次は、
中小企業金融公庫の三十
年度の
資金運用計画、二十九
年度分は、その次の
貸付決定……二十九
年度計というところにございますように、
貸付件数、これらの小計、計とございますが、一番下の欄でございますが、
件数にいたしまして丁度一万件、
金額にいたしまして二百二十七億という数字に相なっております。そのうちの
設備と
運転に分けますと、百八十一億が
設備、四十六億が
運転資金ということに相なっております。これを、今
年度はどうなるかと申しますならば、第五の、その前の
ページでございまして、
昭和三十
年度資金運用計画といたしまして、
一般会計から、今度
法律案の増資により十五億円の
出資が入り、
資金運用部からの
借入金九十五億、
回収金及び
利恩が百三十五億、
合計いたしまして二百四十五億というふうに相なります。これを
四半期別の
計画といたしましては、その行でございます、第一
四半期五十五億、第二
四半期六十億、年末を控えまして七十五億まで持って参りたいというように考えております。これを昨
年度の
運用と、今
年度の
資金貸出の
計画を対比いたしますと、昨
年度の
一般会計の
出資は二十五億に対して今年は十五億、その下の欄でございます。
運用部の
借入が去年百五億に対して九十五億で、いずれも十億ずつ減少いたしておりますが、
自己資金というものは去年の九十五億に対しまして三十
年度におきましては百三十五億、
合計四十億が
増加いたします。従いまして
トータルにおきましては、
貸付予定といたしまして、二十九
年度の
実績でございますが、二百二十五億に対して三十
年度は二十億ふえまして、二百四十五億という
計画に相なっております。
中小企業金融公庫貸付決定業種別内訳、あるいは
金融機関別貸付状況は、その次二枚、
府県別が三枚目、ずっと続いておりまして、九
ページに
国民金融公庫資金運用計画というものがございます。これは
金融公庫法の
改正は目下
大蔵委員会の方に
提案になっているかと思いますが、
中小企業に、ことに零細企しましての
関係の深いところでござい業に対ますので、一括御
説明申し上げたいと思いますが、三十
年度の原資といたしましては、
一般会計から
出資金二十億、
資金運用部からの借り入れ八十五億、
回収金は三百九十五億、
合計五百億になっておりますが、
資金運用部に
——2のところにありますように、そのうち三十八億は
運用部資金として
返済いたしますので、今
年度の
貸し出しの
可能額は四百六十二億というふうに相なっております。そのうちでその下の欄の中にありまするように、
国民公庫が御
承知の
通り遺族国債担保貸付、
恩給担保貸付、
更生資金貸付——引揚者の
更生資金というふうなものとかいろいろあわせて実施いたしておりますので、いわゆる
普通貸付、
一般中小企業、
零細企業に回って参りますものが上の欄に
二つございまして、本
年度は三百九十億、去年の
実績が三百八十四億というふうになっておりますが、それからその次が
特別小口貸付で、これは五万円以下の金を単位に貸そうということでございます。去年は三億、
予定は相当しておりましたが、実際に
貸し出しましたものが、これが三億四千万、これを今年は二十四億円まで持っていこうという
計画に相なっております。従いまして昨
年度と比べますというと、
普通貸付におきましては約六億の増、小口
貸付につきましては二十億の増、
合計いたしまして二十六億の増というふうに相なっております。
次の頁は
商工組合中央金庫の
運用状況でございます。二十九
年度と三十
年度の比較がございますが、まず第一は
出資金でございまして、組合
出資には変りございませんが、
出資金のうちで
政府の優先
出資が毎年償却をいたしておりますので、二十八
年度、九
年度末に比べますと五億五千四百万円の資本の減少を見ております。そのかわり債券発高額におきましては、総
トータルにおきまして約八十億
増加しております。預金の点につきましては、組合の預金は十四億ふえておりますが、
政府機関からの指定預金が十三億七千万円引き揚げられましたので、現在残っておりますのは三十七億ということに相なっております。それから府県市
あたりが、預託いたしておりますのが現在十八億で、昨
年度末よりも三億四千万円減少しておるということに相なっております。
借入金につきましては、いろいろな形で
借入金がございますが、結局おもなところは
日本銀行の欄でございまして、二十八
年度末に十八億の借り入れでございましたが、二十九
年度末にはこれが二億七千万円というところまで減少いたしておる次第でございます。そのかわりといたしまして、
貸付金の額におきましては、一昨年末が四百六十四億ということでございましたが、昨年末は五百三十五億、約七十一億の
貸し出し増ということに相なっております。今
年度の
資金継りといたしましては、
商工中金で考えておりますのは、お
手元に
資料がございませんが、大体
出資金は
政府の
出資を十億、それから債券を八十四億、今年が債券として八十億
増加しておりますが、これを八十四億までふやして参りたい。それから一般預金が十億というふうに考えておりますが、指定金をば二十七億、これが
大蔵省の方といたしましては、これを引き揚げる
計画をいたしておりますので、これを
見込み、あるいは十億を
公庫に
返済する
予定になっております。それから一般府県あるいは市町村等の預託金が三億くらい減るだろうということで
合計いたしますと、約四十億ばかりふえる、すなわち
増加いたしますものは、
出資の十億、債券の八十四億、一般預金の十億、
合計百四億に対しまして
返済分は、指定預金を全額
返済いたしますれば、約四十億になるわけでございますが、そのうちの何ぼか残るといたしますれば、それだけ
資金量としては助かって参るということになります。
貸し出しといたしましては、約七十億増ということに
見込みまして、三十
年度末
——来年の三月末の
貸し出し残高としましては、今
年度の五百三十五億に対しまして約六百五億ということを
予定いたしております。そういたしますというと、日銀の
借入金はどうしてもここに十二、三億の
借入金を持たなければ、七十億までの
貸し出し増が
見込み得ないというふうなことにもなろうかと思われるわけであります。一般的には指定預金の引き揚げがどういうふうに動いて参るのか、われわれとしてはできるだけこれを延ばして参りたい、据え置きたいというふうにも考えておりますが、これの
動きのいかんによりまして、日銀の借り入れの高がまた増減いたして参るかと思うわけであります。これは一応の
貸し出しの
見込みでございまして、
資金需要のいかんによりましては、さらに
貸し出しを七十億からふやすというふうなことも考えなければならぬかと思いますが、そうなりますと、勢い現在の
状況におきましては、日銀の
借入金の
増加、あるいは債券の発行高をふやすというふうなことによりまして、この辺を調節して参りたいというふうに考えておる次第でございます。
大体最近の
金融状況の
内容は、以上でございます。