○
政府委員(
鈴木義雄君) 大体
提案の
理由で
要点だけは申し上げたと思いますが、若干補足しまして申し上げたいと存じます。
この
提案の中に申し上げました
通り、第一は
計量法の
改正でございますが、第二は
計量法施行法の
改正でございます。
計量法の
改正の第一点は、第五条第十九号の
改正でございますが、騒音の大きさを現示するホンの
標準器は、現在
日本電信電話公社が保管をいたしておりますが、これを
通商産業省の
電気試験所で保管することに改めようとするものでございます。これは従来
日本電信電話公社が保管いたしておりましたが、何と申しましても
計量の
標準を維持することは国として重要な任務でございまして、これは国が保管するという
建前をとるのが適当と存じますので、そのようにしたい、こういうわけでございます。
第二点は、
製造事業の
許可に関する
規定を
整理いたしまして、
手続の
簡素化をはかりましたので、
改正案の第十六条、第十九条及び第二十六条中の
改正がこれであります。これの
要点は、
現行法では
製造事業の
許可に関しまして
製造設備中「主要な
設備」をすべて別記いたしまして、その変更につきましては、その都度
許可を要することにいたしておりますが、これを
手続の
簡素化をはかる
意味から申しまして、
事業許可に必要な
設備を限定いたそうというふうな
趣旨でございます。
第三は、第三十七条、第三十八条、第四十二条の
改正でございますが、これは
修理事業者の
設備について、
製造事業者と同様の
趣旨でその
範囲を
通商産業省令で定めようとするものでございます。
第四番目は、第七十九条の
改正でございますが、これは単に用語の表現の問題でございまして、特に御
説明するまでもないと思いますが、御
質問がございますればお答え申し上げますが、問題はないのではないかと存じます。
それからその次は、
比較検査に関する
規定の整備でございます。現在
比較検査は
検定対象器種の全部について行うように解釈できるのでありますが、この
検査の性質上、高度の精密さを必要とする
計量器についてのみこれを行えば足りるという考え方により、これを政令でその
範囲を定め、
事務能率の向上をはかろう、こういうためのものでございます。
その次の問題は、現在二百十六条の
関係でございますが、これは現在
政省令の
制定もしくは改廃を行おうとしますときは
公聴会を開かなければならないことになっておりますが、すでに
計量法に基きます
政省令の
制定はほとんど終了いたしまして、今後は部分的から技術的な一部の
改正が行われるにとどまると存ぜられますので、各界の有識者を
構成員とする
計量行政審議会への諮問をすることによりまして公正を期することができるものと考え、
行政簡素化の
趣旨からこれを改めようとするものでございます。
その次は第二百二十一条の
改正でございますが、国が都道府県に貸与すべき
検定用具に
証印等を追加しようとするものでございまして、従来の
規定によりますと、この点が明確でない点がございますので、これを明確ならしめようという
趣旨のものでございます。
次が第二百二十二条でございますが、これは
提案理由にもはっきり申し上げました
通り、今度の
改正の
要点の
一つの主なる点でございまして、
検定等の
手数料を
地方公共団体に帰属せしめようとするものでございます。この点については、若干御
説明申し上げますと、従来
計量事務は国の
事務としまして行なって参った。従いまして、国及び、一部は、相当部分は
地方に委譲してこれを
実施してきたのでございますが、その
経費は全部
国庫の
全額負担によって
昭和二十四年までやって参りました。ところが二十五年以降、これが
地方平衡交付金制度に変りまして、さらに二十九年度におきましては
地方交付税交付金制度にこれが変ったわけでございます。これが実はこういう
制度になりますと、いわゆる俗にいいますと、
ひもつきでないという
関係上、
地方交付税の
ベースにおいては、
地方に度量衡としてある
程度の
経費が
ベースとしては計上されておりますけれ
ども、
ひもつきでないというために
十分地方の
計量に関する
経費が確保されない、こういう問題が生じましたわけでございます。従いまして、この二、三年がた非常に
地方の
計量行政についてこうした点で問題が出てきた、こういうことでございまして、われわれといたしましては、でき得れば
全額国庫負担というのが理想的な
制度であるとは存じまするが、
地方自治の
建前あるいは
財政の
現状から見て困難がございますので、このたび次善の策といたしまして、現在
検定等の
手数料を国で取っておりますものを
地方に帰属させまして、これによって
地方の
計量行政の円滑を期したいというのがこの
改正の
要点でございます。
その次は先ほど申しました
計量法施行法の一部を
改正する問題でございますが、これは
計量法施行法によりまして、この九月から十一
種類の
計量器の
検定を開始することになっておるのでありまするが、これがやはり
財政経済の
現状から、これらの
検定を開始する
準備が十分できませんため、これを三年間延期したい、こういうことの
趣旨でございます。
大体そういった点から見てこの
改正案を提出したわけでございます。