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藤田進君 私は厚生大臣に対して
質疑をいたさんとするものでありますが、先ほどの
委員長のお計らいで若干の時間を限定してということになってかような事態になったわけでありますが、私
どもが了解いたしました限りでは、まず当事者に近い
高野さんの御
質問を受け、さらに
提案者、別途
修正案をお
出しになっておる山下さんの御
質問を許し、その
あとそれ以外の者がやろうというのが理事会の決定であるということでありますために、一貫した御
質問をなさるためにはおじゃまになると思って控えて関連
質問もあまりとらないで進めてきたわけであります。もとよりわれわれは御
承知のようにこの
医薬分業の今日出された
修正案については鋭意党としても検討して、ここらで何とかこの論争の終止符を打って、真に国民、
患者に奉仕することができるようにという熱意から進めてきているわけであります。ただこの際ただすべきは十分ただしてこの
修正案が立法化せられ、施行せられるに当って間違いがあったり、いやしくも
患者に迷惑がかかったりしてはならないので、そういう意味合いも含めて十分なる
質疑をし、かつすみやかなる成立をはからなければならぬという基本的態度であったことをここに
質問に先だって態度を申し上げておきたいと思います。遺憾ながら
質問の時間も非常に差し迫っているようでありますから簡潔に私は申し上げまするからそれにお答えいただきたいと思います。
総括的に申し上げと、昭和二十六年の
法律第二百四十四号、すなわち明年四月一日から施行になりまするこの
改正案に対して一部修正が出たわけであります。この
法案が骨抜きであるかないかということは、あげて今後の運営に大きくかかっていると私は思うのであります。今後の運営にかかっていると思います。
加藤修正案提案者の御
答弁を同僚
委員の
質問に関連して聞いておりますと、
暗示的効果の期待という御
説明を聞いてみても、これをもっと
日本語へ当てはめていえば、悪い言葉でいえば、ごまかし療法のきき目を期待する、こういうことになろうかと思うのであります。しかしそれで病気がなおれば
一つの手段でありましょうけれ
ども、その効果に対して必ずしもプラス、快方に向う効果というだけでなしに、幾多のその逆効果が私はあることを事実をもって知っております。ことにガン
患者のような場合に胃薬を長期間盛っていたけれ
ども、とうとう手の及ばないようになり、次の
医者を変えてみたところ、また
暗示的効果をその方がねらって最後に県病院に行ったときにはどうにもならないという事例を私はよく知っておるのであります。こういう逆効果を逆効果たらしめないようにするのもかなり今後の運営にあろうかと思います。そこで厚生大臣にお伺いしたいのは、さようなこの
法案が、かかって厚生大臣、あなたの運営、その判断、処置にかかっていると、こういう帰結から責任ある御
答弁をいただきたいのでありますが、第二十二条について申し上げてみますると、本人が
処方せんが必要としないという、こういうケース、これについてすなおに
考えればそれで問題はないでしょう。先ほど、しかし幾多の
質疑の中にありますように、
処方せんは必要としますかしませんか、この問い方
一つで、必要とする者が必要としない
意思表示をせざるを得ないということもありましょう。これは一応留保するとしても、まあすなおに
解釈すれば、一応解決したと、こう
解釈しても、次の段階の、あの手でいかなければこの手、この手でいかなければあの手という形で大体八つのあの手この手がここに書いてあるように、やり方によってはまずその第一に私が危惧いたしますのは、次の各号のどれかに該当すれば、この限りでないというのですから、その一番を見ると、
暗示的な効果を期待する場合、その
あとは
処方せん々
交付することがその目的の達成をさまたげるおそれがある場合、こうなっております。その場合にしからばだれが判定する。お役所に問うて許認可事項になっているのじゃないと私は理解する。今後の運営にどういうふうになさるのか、これはあげて
処方せんを出すか出さないかをおきめになるお
医者さんが御判定になるじゃないだろうかと、こう
考えるのであります。しかもこれが心霊的な、心霊、つまり物的証拠に残らないそういう精神的なものであるがために、捕捉しがたい問題で立証はおそらくできないでしょう。絞殺されて死んだ者でも後日問題が起きて調べてみれば、これは他殺であったという事例はたくさん出ているじゃありませんか。そういう間違いはあるのであります。間違いであればいざ知らず、故意にこの第一項が使われるということになれば、この
暗示的効果を期待したということで解決されてしまう。また第二の場合を
考えてみましても、るる
質疑の中で明らかにせられたように、これまた「
処方せんを
交付することが診療又は疾病の予後について
患者に不安を与え、その疾病の治療を困難にするおそれがある場合」、これまただれが判断するか。やはり
処方せんを出そうとするお
医者さんが判断せられることになるだろうと思う。こういうふうになって参りますから、私は山下義信
委員から
厚生省のこれら八項目に対する資料を文書で出すということになってお
出しになったものに期待をかけていたわけですが、これはまことに私の杞憂を解決する役には何も立たない。ますます
心配がふえるということでありまして、ここに
川崎厚生大臣とされては、これら取扱いについてどういう確信と指導的な具体案をお
持ちであるか、こういう点をまず第一点お伺いいたしたいと思います。
それから第二の点でありますが、以上申し上げたようにかなりこの問題に対する事案の証拠的な判定、把握はむずかしいだろうと私は予想いたします。
大橋提案者からの御
答弁を聞いてみても非常にむずかしいことがわかりました。しかし、これは監督官庁である厚生大臣の御
答弁いかんでは解決するかもわかりません。これら事案について、一から八までとりあえずどういう立証のやり方をするか、実際の問題が起きた場合。あるいはまたこの法の、立法の精神のように運営せられていくかどうか、末端の業者の方で。そういうことを常にチェックせられなければならないと思いますが、そのチェックの仕方はどういうふうにするか。いつもお
医者様の窓口に出ばって監督するわけにも参らぬと思います。しからば、これが別に
厚生省の通達なりその他適切な方法でこれの運営が万全を期することができるかどうかについて疑問がりますので、これらの立証について、そういう事実があるかないかという、その把握についてどのような具体案をお
持ちであるか、これを第二点としてお伺いいたしたいと思います。
第三の点でございますが、罰則については、御
承知のように、特にカッコに入れて除外せられました。これには行政罰が残るのみで、刑事罰については除外せられたと、こうなって参りますと、この除外した趣旨については、私もまだ十分納得いたしかねるのでありますが、厚生大臣におかれても、この罰則を取ったことによってその心理的な、お
医者さんに対して心理的な影響から——今の点は訂正いたします。
質問をしてみなければだめなんだね。(笑声)そこで第三の点でありますが、当初厚生大臣におかれては、昭和二十六年に決定をし、昨年一カ年の
延長を見ましたが、これについて、その施行を遅滞なくできるような
準備がなされつつあったということであります。ところが、四党等によって
衆議院においてはこれが修正をみたという、かかる上はこの線でいきたいということでありますが、しかし従来の立法例にならってみて、私はまだその事例をよく知らないのでありますが、こういうことでもみにもんで、そして昭和二十六年に決定をし、さらに昨年その上に立って
延長ということでいろいろな問題が解決せられてまだ間のない今日に、かような、四党が
出したその
立場も私はわからないことはありませんが、
原案を、つまり
法律第二百四十四号の修正しないその前のこれを支持なさっていた厚生大臣とされては、過去やはり立法例としてこういうやり方があるかないか御検討願っているだろうと思うわけであります。こういうふうに
延長もし、そして施行を見、経験して、この法の運営をしない前に、さらにかように修正を加えるというようなことは、おそらく事例にまれなんではないだろうか、それだけに過去の立法者においてはいろいろ論議はあったけれ
ども、一たん決定すればやはりその施行を見て、さらに改善を加えるというのが、その態度でなければならぬかと私は思うのであります。四党会談に加わっている党の党員であると同時に、私は第二院のこの
参議院に席を置いておりますから、党できめたならば、いやおうなしにこれはのむという態度は捨てたいと思って今申し上げているわけでありますが、こういう
立場から、厚生大臣の御経験からして、あるいは省の御
調査によって非常に修正を加え、
延長をし、施行を見ないままに事態が遷延していくという事例が一体あるのだろうか、どうだろうか。あるとすればどういう
法案についてあったか、事後の運営がそれがうまく行っているか、行っていないか、こういう点についてお答えをいただきたいと思います。
以上三点について御
答弁をいただきまして、許されれば続けて
質問をいたしたい。