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1955-06-21 第22回国会 参議院 社会労働委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十一日(火曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            竹中 勝男君            山下 義信君    委員            榊原  亨君            高野 一夫君            谷口弥三郎君            松岡 平市君            横山 フク君            森田 義衞君            河合 義一君            山本 經勝君            相馬 助治君            有馬 英二君   国務大臣    厚 生 大 臣 川崎 秀二君   政府委員    厚生政務次官  紅露 みつ君    厚生大臣官房会    計課長     堀岡 吉次君    厚生省公衆衛生    局長      山口 正義君    厚生省医務局長 曾田 長宗君    厚生省薬務局長 高田 正巳君    厚生省社会局長 安田  巌君    厚生省児童局長 太宰 博邦君    厚生省保険局長 久下 勝次君    厚生省引揚援護    局長      田邊 繁雄君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君    常任委員会専門    員       磯部  巌君    常任委員会専門    員       高戸義太郎君   説明員    厚生大臣官房総    務課長     小山進次郎君    厚生大臣官房国    立公園部長   森本  潔君    人口問題研究所    長       岡崎 文規君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○社会保障制度に関する調査の件  (昭和三十年度厚生省関係予算に関  する件)  (厚生行政方針に関する件)   —————————————
  2. 小林英三

    委員長小林英三君) ただいまから委員会を開会いたします。  本日は前回に引き続きまして社会保障制度に関する件を議題といたしまして、昭和三十年度厚生省予算並びに厚生行政に関する質疑を行います。
  3. 榊原亨

    榊原亨君 この際お聞きいたしたいのでありますが、国立公園指定について、毎年数カ所の国立公園指定されつつあるのでありますが、国立公園指定につきましては、何か基準が設けられてあるのでありますか、その点を承わりたいと思います。
  4. 森本潔

    説明員森本潔君) お答えいたします。国立公園指定につきましては、国立公園選定要領というものがありますが、法律の上におきましては別に規定はございません。厚生大臣国立公園審議会意見を聞いて指定するという文句だけでございますが、実際の扱いにおきましては、公園選定要領というものを作りまして、その方針に従って指定しております。その選定方針と申しますと、大体わが国風景を海なら海、山なら山、高原なら高原というように分類いたしまして、それぞれの代表的なものを一つずつ取り上げましてこれを公園にする、しかもその景観が諸外国国立公園に比して遜色のないものであるというものを選んで、かつまた利用上の点も考慮して指定しておるのであります。
  5. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますると、毎年山なら山、海なら海、高原なら高原の代表的なものを一カ所ずつお選びになって、毎年三カ所ずつ御指定になろうという御意思でありますか。
  6. 森本潔

    説明員森本潔君) 選定方針は今申した通りでありますが、実際の状況を申し上げますと、現在十九の国立公園がございます。そのうちの十二は戦前におきまして、昭和十二年ごろまでに指定されております。それから終戦後におきまして五つばかり指定になりました。それで合せまして終戦後におきましては十七の国立公園ができたのであります。それによりましておおむねわが国の各風景の代表的なものは国立公園指定されております。なお検討いたしますれば、若干、この際と申しますか、従来の選定に漏れたものがあるじゃないだろうかという状況考えられましたので、昭和二十五年以後それらのものを検討したのであります。従いまして昭和二十五年以後におきましては国立公園指定ということはしておりません。昭和二十五年以後におきまして全国景勝地を一応全部網羅しまして検討いたしたのであります。そうしてその中で三カ所でございますが、さらに三カ所につきましては、国立公園指定していこう、こういう結論になりまして、そのものにつきまして指定を進めて参る。ただいま二つ指定を終り、残り一つなんでありますが、大体この辺で国立公園指定というものは終るという考えを持っております。
  7. 榊原亨

    榊原亨君 ただいま承わりますと、今あります国立公園のほかに二、三カ所を指定されれば、大体日本としてはこれ以上は国立公園が必要じゃないという御意見のようでありますが、ところが国立公園指定されないからといって、今度は準国立公園と申しますか、何か名前を私は記憶しないのでありますが、これに準ずる国立公園というようなものが次々と出てくる。御承知のようにヨーロッパ、あるいはアメリカと比べましてどうだというようなお話がありますが、これは全然日本の地形というものが違う。言いかえますならば、氷河時代を経ていない日本の国といたしましては、非常に各種の植物があり、その景観というものは世界に冠たる所でありますが、ほかの所と比べてどうだということになりますと、結局日本じゅう国立公園にしなければいけないということになると私は思うのであります。そこで、大体国といたされましても、国立公園なり準国立公園というものは何カ所あったら外客誘致する上から申しましても、日本国民保健衛生の上から申しましても、いいというめどをつけておやりになりませんと、これが利権にからみまして、毎年々々国立公園指定審議会というものが、ここもよろしい、あそこもよろしい、ここは今年入れたからあそこもまたやろうということになりますと、日本じゅう国立公園にしなければならぬということになるのではないかと思います。従いまして地下資源の問題から申しましても、この点は一つ確たる国立公園指定というものをされまして、その指定されました国立公園につきましては、もう徹底的な整備ということをなさるということが必要なのではないかと思うのでありますが、すでに国立公園指定されたるものを私ども調査に行ってみましても、その設備は非常に不完全だ、にもかかわらず国立公園審議会というものがあって、それが勝手気ままに次から次と——、利権にからんでくるとは私は申しかねるのでありますが、次から次と地方要望にこたえて国立公園並びにこれに類する指定をなさる。そういうことでございますならば、さっきお話し申しましたように、この弊害というものは非常なものだと思うのでありますが、その点についての厚生次官の御意見はいかがですか。次官がお答えできなければ、大臣に聞きます。
  8. 紅露みつ

    政府委員紅露みつ君) これはただいまの国立公園選定の経緯、あるいは外国との比較の問題等にとらわれてやるべきでないという御意見はごもっともだと存じます。なおそれに利権がというようなお言葉がございますけれども、そういう点は私どももまだ聞いておりませんが、もしそういうようなことがございますならば、これは厳に戒めなければならないことでございますので、そういうことはないと信じておりますが、十分そういう点は監督して参りたいと思っておりますし、今の御意見、その調子で行ったら日本じゅう山紫水明でこれは国立公園になるのじゃないかというような御意見は十分伺うべきものだと存じますめで、十分御意見を尊重して調査にも当りたいと存じまするし、今後の方針もきめて参りたいと、かように存じております。
  9. 榊原亨

    榊原亨君 この際、事務当局に承わりたいのでありますが、国立公園というものはあと二カ所だ、三カ所だというお話でありますが、それはどこどこの公園と大体めどをつけておられるか、あるいはこれに準ずるものとされまして、今後何カ所ぐらい御指定になるというような御意思であるか、この際はっきりさせておいていただきたいと思うのでありますが、事務当局のお答えができますか。
  10. 森本潔

    説明員森本潔君) ただいまの点につきましてお答えいたしますが、国立公園として予定しておりますのは、先ほど申しました昭和二十五年ごろまでに十七ございました。それを二十五年以降検討いたしまして、昨年の八月に一応の今後の国立公園及び国定公園指定についての方針がきまっております。それによりますと、従来十七ありましたものに新しく加えたのが陸中海岸、これは岩手県の三陸付近にございますが、それとそれから長崎県の平戸付近から五島にかけましての西海、それから鹿児島県の南にございます屋久島でございますが、この三カ所を予定しておりまして、この三つ国立公園考えております。そのうち陸中西海につきましては、すでに指定をいたしましたので、残り屋久島だけということでございます。  それから国定公園につきましては、これも昨年の八月に決定したものでございますが、従来三つ国定公園を持つ。なおこの際、国定公園ということについて御説明しておきたいのでありますが、国立公園は先ほど申しましたように風景の中の一流のものでございますが、それに準ずる風景地がたくさんあるわけでございます。それをたまたま国立公園の選に入らないというので風致保護もはからぬ、あるいは利用についての何らの考慮もせぬというのも適当でないと考えますので、国立公園に準ずる扱いというので一応国定公園という名称をつけております。これは国立公園法風致保護に関する規定を準用いたしまして、都道府県知事がこれを管理し、また監督するという扱いにいたしております。この国定公園でございますが、これは従来より三つございまして、それを昭和二十五年以後検討いたしまして、新しく十四を加えることといたしました。これは数が多うございますので場所は省略いたします。一応その十四で国定公園考えられるものはおおむねいいだろう。ただ少し気になりますのは、その利用上の配置の点から申しまして、大都市の周辺、たとえば東京付近、それから名古屋付近、あるいは京阪神付近という非常に利用の多い地区周辺にただいま申しました国立公園国定公園というものがないのでございます。今の十四の追加の分にはございませんが、そういう地区の近くに利用者の便をはかるために、なおこの際そういうものに限って考慮する必要があるのじゃないか、しかしおおむね十四の追加をすれば、わが国のすぐれた風景地保護また利用ということは足るのじゃないか、こういうめどを持っております。一応当分この方針で参りたいと思っております。  それからなお、この既設の国立公園につきましての若干の区域の変更ということでございますが、これは利用状況の変化その他によって若干の変更を、そのつど新設と離して考慮せねばならぬと考えております。
  11. 榊原亨

    榊原亨君 ただいまもお話がありましたように、国立公園選定に落ちたから、そこで国定公園にするんだというそのお考えそのものに私はどうかと思うのでございます。これは国民保健衛生の上から申しまして、また外客誘致する上から申しまして、わが国として必要であり、十分であるという数をまずおきめになりまして、そしてそれを御指定になるというのならわかるのでありますが、国立公園指定に落ちたから国定公園にするんだというそのこと自身が、その国民保健衛生とか、あるいは外客誘致という観点でなしに、地方要望地方の申請、請願というものにこたえて国定公園あるいは国立公園としようというお考えであろうと思うのでありますが、その点を私は強く追及いたしたいと考えておるのであります。従いまして国定公園となりました以上は、やはり風致地区でありますから、地下資源があればそれは開発できるしかけになっておると存じまする。しかしながら風致地区だから木も切ることができないということにもなると思うのでありますが、従ってこういうことにつきましては、十分一つ細心の注意をお払い下さいまして、そうして必要にしてかつ十分なるものを指定して、その指定された地区に十分なる施設を施されるということでなければ、大体官僚でも自分の家を建てましたり、施設を作ったりする方には御熱心でありますが、いずれも作ったものに対しまして、これはいかに改善し、いかにこれをよくするかということについては、何ら御関心を示されないということは、この国立公園国定公園指定にも如実に現われておると思うのであります。私はこれ以上追及したくないのでありますが、どうか一つ、十四地区も私は多いと思うのでありますが、これらの点につきましては、国民保健衛生と並びに外客誘致という観点についてだけ十分な御選定お願いいたしたいと考える。またこの国定公園指定だけではありません。国立公園範囲を広げるという点につきましても、地方利権ということを中心としてなされるということについては、私は、絶大なる監視をしなければならぬのでありますが、特にこの点は細心の御注意をわずらわすようお願いをいたす次第であります。
  12. 竹中勝男

    竹中勝男君 関連して。京都御苑のことですが、最近京都で知りましたわけですが、京都御苑の一部を自動車をパーキングする所に使う請願京都府から厚生省に出しておるということを伺ったのですが、そういう動きがあるということを伺ったのですが、聞いておられますか、何か……。
  13. 森本潔

    説明員森本潔君) これは京都府から出たということでもございませんで、実情を申しますと、あすこには各地から観光客が参ります。大体同時に四、五十台くらいの観光バス京都御所に詰めかけるわけであります。そういたしますと、あの付近御存じ通り周囲道路が狭くて車が置けない。さよういたしますと御苑の中に適当な空地を求めて秩序正しく同時に四、五十台もの駐車をさせなければならぬという問題が起ります。それでこれはむしろ厚生省の方でこれは何とか、それを放置するわけにいかぬ、ちゃんとした場所を作ってやる必要があるじゃないかというので、いろいろ検討したいと思って検討しておるところであります。
  14. 竹中勝男

    竹中勝男君 私は京都なんですが、われわれはたびたび京都御苑児童公園に一部を開放していただきたい、京都中心部であって、相当人口がある所で、そういうことも計画してお願いしたことがあるのですけれども許可になっておりません。またメーデーに京都御苑の外苑を使用させていただきたいということを毎年お願いしておるのです。これは労務部長を通して……。これも一度も許可にならない。そういう際に、まだまだ京都御苑京都市民のために、府民のために相当あすこは開放していただきたい点があるのですけれども、ほとんどそれがまだ許可になっていません。一部運動場に使っている所がありますけれども、しかし観光会社京都御苑を、そういう用に使うということは、私ども京都市民として、どうもあすこが非常に輻湊すればなお御苑の中が荒れてくるわけです。京都府民意向を聞きますと、特定の観光団体あすこ駐車場を作る、しかもそれは一番大事な表の入口の近くのようです。調べたら……。それについて厚生省許可される御意向ですか、どうですか。
  15. 森本潔

    説明員森本潔君) 最初児童遊園の問題でございますが、これはいつでございましたか、一部でございますが、差しつかえない範囲でできております。  それからまあその他の集会の問題でございますが、これはまああすこ管理上の方針といたしまして、最初あれが国民公園として設定されました事情から申しますと、とにかくあの由緒ある現状を変更せずに、国家的な記念物と申しますか、というような意味も兼ねまして、しかも国民全般公園として、単に京都市民だけでなくて、日本全国、あるいは広く外国の人までもあるがままの昔の由緒ある姿で見せたい、こういう趣旨で設定したわけであります。そういう趣旨で設定しておりますので、あすこに参りまして静かに鑑賞いたしましたりすることが第一の本来の使用方法であると思います。従いましてあすこでいろいろな催しものをするというようなことは、あすこの本来の用法ではないという考えもございますが、できるだけこれは育成して参りたい。  それから駐車場でございますが、これはただいま申しましたいろいろな催しものをするということとは違いまして、現実に大ぜいの人が来ますと、便所を作らなければならぬとか、あるいは休憩所が要りますとか、現在の交通事情から申しますれば、多くは車で参ります。これはむしろ私はあそこを利用するためにどうしても許すべきであるというふうな考えを持っておりますが、むしろ利用するために、やむを得ないところの必要な施設じゃなかろうかと考えております。そういう意味駐車場のことも考えて参りたい。あちこちの沿道にめちゃくちゃに駐車するということは、これは最初からできませんので、やはり一定の区画を区切ってやる必要があると思っているわけでございます。その場所につきましては、いろいろとどの場所がよろしいか、あるいは風致の上、景観の上、あるいは利用の上から申しても一番支障のないところを選ばなければならぬという気持で実は非常に苦慮しております。  それからこれは大体まあそういうことでありますれば、御苑管理する当局が、ちょうどあの便所でありますとか、庭を作るとか、電灯を引くとかというようなことで整備しなければならないと考えております。これを作りましたあとで直接国が何と申しますか、管理いたしますか、あるいは他に適当なものがあれば委託するというような問題は第二の問題でございますが、ただいまのところは、場所自体を検討しておるという状況でございます。
  16. 竹中勝男

    竹中勝男君 京都御苑東側は今まで駐車をする大きな道があるのです。東側にはずっと人通りのない道路がある。そこは十分五十台でも百台でも駐車ができるのです。ところが御苑の中に入れますと、御承知通りおととしも小御所が焼けたりしております。ガソリンを積んだバスが六十台も京都御苑の、しかもあれは子供の遊園場になっておる所です。そういう所に駐車場を作るということは、これはいかにも御所を見せものにして、芝居でも見に来るような、映画でも見に来るようなふうで、そういう所にぞろぞろ駐車場を作って店を出したり、便所を作ったり、御苑の中の芝生をこわさなくちゃならぬ。芝生をこわさない限りは駐車場はできません。京都御苑の中にはせっかく東側道路があるのです。駐車場に使っておる道路にまだまだ余地があるのですから、そういう実情をなぜもっとはっきり見られないのでしょうか。
  17. 森本潔

    説明員森本潔君) ただいまお話東側のあき地でございますが、これがあることも承知いたしております。まあそのどちらをとるかということで、あるいはその他の場所でございますが、それを検討しておるわけでございます。なお東の、今のお話の点につきましては、これも御存じかと思いますが、その前には元の府立第一高女と申しますか、鴨沂高校と申します。あるいは立命館大学等がございます。御存じ通りあそこには広場が、運動場がないわけでございますので、それでまああそこでいろいろ遊戯をしましたり、そういう広場にも使っておる。それから仮にあそこを駐車場にいたしますと、学校のすぐそばでございまして、しょっちゅうブーブーバスが通ったり、あるいは何とか呼び出してマイクがかかったりするようなこともございましょうし、学校との関係も相当考慮しなければならぬのじゃないだろうか……。
  18. 竹中勝男

    竹中勝男君 その半分の北の東側が全部あいているのです。これは何もないのです。学校もなければ、住宅が少しあるだけです。
  19. 森本潔

    説明員森本潔君) 北の道路でございますか。
  20. 竹中勝男

    竹中勝男君 道路です。
  21. 森本潔

    説明員森本潔君) 道路の点につきましては、これは実は私どもの方で直接所管をしておりません。
  22. 竹中勝男

    竹中勝男君 人通りが全然ない道路です。
  23. 森本潔

    説明員森本潔君) そういう点、これはまた非常に、京都道路管理者、あるいは公安委員会とも打ち合すべき余地があろうと思いますが、一応そういうことが不可能な場合を前提といたしまして、どこがいいかということをいろいろ苦慮して検討しているところでございます。
  24. 竹中勝男

    竹中勝男君 もうちょっとこの点は慎重にやっていただきたい。京都市民が非常に今それを問題にしております。ことに府庁の府職労働組合、そういうところから強い反対があります。私に。昨日実は総評の大会で、地方大会でそれを追究してくれるようにと私に話がありました。それくらいとにかく京都御所はもう市民が今までいろんなことを、京都御所御苑を使わしていただきたいということをお願いに上っておって、それを許可がないのに、一観光会社が相当大きな土地を使って駐車場を作る、御苑の中に。なおバスを五、六十台も入れて、そこへ駐車して置くということについては、相当強い反対があるということ、それから慎重にやっていただきたいということを……。
  25. 森本潔

    説明員森本潔君) 駐車場の設置は、これは国として私は考えなければならぬと思うのであります。観光会社に許すとか、そういうことでなくて、御苑管理者として、ほかに場所がなくて、やむを得ずあの中に作らにゃいかぬ場合には、管理者として使用上必要なものをどこへ作るか、こういう気持考えなければならぬと思っております。ちょっとその辺あるいは観光会社とか、バス会社にそういうものをさせるというような印象を受けましたので、そういう考えではございません。ちょっと申し上げます。
  26. 竹中勝男

    竹中勝男君 事実バスは全部観光会社バスなんです。観光会社が営利的にあすこに人を運んできていますから、いろんな地方地方人をあそこに入れているわけでございます。ことにバスについては非常に火災の危険があるのです。そういう六十台も京都御所の中に、奥深い所にそういうバスを入れるということは、非常に危険だというふうに私は見ております。御所管理される立場から、御所の中に、御苑の中に六十台、七十台というバスをとめるというような駐車場を作るということは非常に危険じゃないかと思っております。   —————————————
  27. 榊原亨

    榊原亨君 次に、予算に関しましてお尋ねいたしたいのでございますが、人口問題研究所につきまして、この前ちょっとお伺いいたしたのでありますが、わが国人口問題が重大なことは当然でございます。資料としていただきましたものを拝見いたしたのでありますが、この人口問題研究所が、昨昭和二十九年度において御研究になりましたものを拝見いたしますと、統計調査ということに重きが置かれておりまして、わが国人口をどうしたらいいかというようなことについての御見解の御研究が拝見できないのでありますが、この人口問題研究所というところは、そういう方の統計をされるところでございましょうか。あるいはわが国の当面いたししておりますところの人口問題をいかに処理するかということについての御研究はどこでされるのでございましょうか。そのことについての厚生省当局、あるいは人口問題研究所のお方の御見解を承わりたいと存じます。
  28. 岡崎文規

    説明員岡崎文規君) 御指名によりましてお答え申し上げます。人口問題研究所厚生省組織規程の第五条ないし八条によりまして、人口問題及び人口政策調査研究をいたす機関でございます。従いまして総理府統計局厚生省統計調査部及び私どもで実施に調査いたしましたその資料に基きまして、統計的な解析をいたします。その結果を厚生省を初め経済審議庁、それから通産省、農林省、それから戦後は司令部なんかにいろいろの資料を命ぜられるままに提出したのであります。しかし研究所任務といたしまして、人口政策そのものを策定したり、また人口問題及び人口政策の宣伝に努めますことは、研究所任務の外にあると思っております。しかし私どもの作りました資料は、ただ数字をひねくっているだけではございませんので、たとえば将来人口の推計だとかいうようなものもいたしまして、国策の、人口政策の基本資料として十分に活用していただく価値のあるものだと私は信じております。
  29. 榊原亨

    榊原亨君 資料としてお出しを願いました「厚生省人口問題研究所要覧」というものを拝見いたしますと、五ページのところに、第五条といたしまして「第一科においては、人口問題及び理論、人口史、人口政策、」云々というふうに政策の面が明らかに出ているのでありまするが、六ページの人口問題研究所の機構というところを拝見いたしますると、第一科におきましては、人口政策ということがどこにも出てないのでありますが、これは活字の間違いでございますか。故意に政策だけを落して、ここに要覧をお作りになったのでありますか。いかがな点でこうなっておりますか、承わりたいと存じます。
  30. 岡崎文規

    説明員岡崎文規君) お答えいたします。第五ページのところにございます今御指摘の第五条でございますが、五条は、人口問題、人口理論、人口史、人口政策、それから人口統計学的調査研究、さらに人口政策調査研究でございます。これは六ページにそれが落ちているのは、これは私の方の間違いだと思いますが、確かに私ども人口政策研究もいたしております。
  31. 榊原亨

    榊原亨君 間違いかと思いますじゃ困るのでありまして、議会にお出しになる資料は、確実なる根拠に基きました資料をお出し願いませんと、ここにおきまして委員から指摘されまして、それは間違いだったというお話では通らないのでありますから、その点は普通の場合と違いますから、慎重な御発言をお願いしたい。  ところが、そういたしますると、厚生省のお方がこの人口問題を具体的にどうするか、日本人口問題をどう処理するかということの御決定をされますところはどこできれるのでございますか。厚生大臣一つ承わりたいと思うのであります。
  32. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) 人口問題の最終的対策決定は内閣においていたします。
  33. 榊原亨

    榊原亨君 内閣で最終的施政の方針をおきめになる。その前段階はどこでその試案、方針をおきめになるか。
  34. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) 厚生省としての人口問題対策の最後的な取りまとめは、省議で決定いたすわけでありますが、官房総務課においてこれを取扱い厚生省の対策がきまりますれば、当然この経済六カ年計画とも関連がありますので、経済審議庁、並びに労働人口等の関係もありまするから労働省とも協議をいたしまして、しこうして後内閣において対策を決定することとなると、私は考えておるのであります。
  35. 榊原亨

    榊原亨君 人口問題審議会はその場合どういう立場にございますか。
  36. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 便宜私から説明させていただきます。先ほど申し上げましたように、人口問題研究所人口現象なり、あるいは一定の人口現象に対応いたしまするいろいろな政策のあり方ということについての科学的な研究を常時いたして材料を整備いたしておりますが、こういう材料を用いまして、厚生省の本庁において、いかなる人口政策を現在の状況では持つべきかということについての政策の立案をするわけでございます。実情を申し上げますと、実はここ数カ年の間、きわめてありていに申しますというと、日本の政府には、はっきりした人口政策というほどのものが確立されておらなかったのでございます。そういう事情でございましたので、昭和二十八年から、やはりこの際はっきりした人口政策を立てるべきだという朝野の御意見によりまして、人口問題審議会を設けまして、この審議会の審議の結論を得まして、それに基いて最終的な政策の立案にかかるということで、まあ今のところ、人口問題審議会でそのような政策決定をするための内容について御論議を願っておる、こういう仕組みになっております。
  37. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますると、人口問題研究所は、人口問題政策に関する研究をされるということも一つの課題であると考えてよろしいのでありますか。
  38. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) ただいま先生のおっしゃいますように、人口政策についての科学的な研究をすることは、これは人口問題研究所のきわめて重要な役割の一つでございます。
  39. 榊原亨

    榊原亨君 昭和二十八年、二十九年度においてこの方面の研究されました具体的の課題を一つお示しを願いたいと思うのであります。
  40. 岡崎文規

    説明員岡崎文規君) お答え申し上げます。御承知通り、最近出生率が非常に下って参りましたが、そのおもな原因は、受胎調節も作用しておりますけれども人口妊娠中絶が非常に盛んでありまして、府県別に人口妊娠中絶がどういうふうに行われてきたか、またその弊害も多少ございますので、そういうものもどういうふうに現われておるかというような調査をいたしました結果が出ております。これは一例でございますが、それからまた日本人口は、最近ふえ方が弱っては参りましたけれども、引き続いてなお増加しております。特に生産年令人口、及び労働力人口がだんだんふえて参りまして、これはどれほどふえるものであるか、そういう人たちにどうして就業の機会を与えるべきであるか、そういう調査もいたしたのでございます。いずれ、その結果が出ておりますのでお手元に差し上げることができると思います。
  41. 榊原亨

    榊原亨君 ただいまお話しになりましたことは、わが国人口問題に対する現象の統計的御観察であると私は考えております。従いまして、この日本の国の人口をどうしたらいいかという政策の比較検討というものが一つもなされておらぬ。一面におきまして青ケ島のようなところの御調査を第四科でしておられるのでありますが、これは日本人口問題とどこに直接のつながりがあるでございましょう。こういう問題を大学でやることは私どもはわかります。科学技術の振興ということからいいましても、科学の進歩ということが直接わが国の現状に有益な結果をもたらさなくても、これは私はその問題として尊重してやるべきだと思います。私どもはそう思います。さしあたりこの人口問題研究所わが国の政府が作りましてこれに予算を出しているという以上は、これが施策の面においてどういうことであるかという、その政策の検討ということを怠れば、これは人口問題研究所というものはなくてもいい、大学にまかしておけば、大学の先生が学問としておやりになればいいけれども、さしあたりこの場合は四つの島に一億に近い人が集まってひしめき合っておる、これをどうするかということの比較検討、御研究ということをもって、そうしてわれわれはこういうような検討の結果、調査の結果、こうだという政策の調査研究というものを強く厚生省なり、審議会に反映することによって、審議会なり厚生省が初めてこういう人口問題というものを施策の上に現わしてくる。今お話し申しましたことを申しますならば、今受胎調節が盛んに行われて、政府も受胎調節を盛んに言っておられるのですが、昭和四十年、六十年後になりますると、御承知のようにわが国人口年令が老年に入ってしまうのじゃありませんか。そういうことをもって見ましたならば、これはこの際はどうしたらいいかということの施策の面にこれは現わすことはもう学者としても急務であると考えるのでありますが、一青ケ島の研究をいたされましたり、福島県の一農村におけるところの就業状態、労働状態を研究されるというようなことにおきましては、わが国人口政策の根本的施策を立案することは私はできないと思うのでありまするが、こういうことは大学の先生でもやっておればよろしい。私ども国民の大きな税金をもってまかなって、そうして厚生省のない金をしぼって、人口問題研究所というものを立ててこれに流している以上、施策の面において有効な御研究が行われなければ私は何にもならぬと思うのでありますが、この点はいかがですか。
  42. 岡崎文規

    説明員岡崎文規君) お答え申し上げます。御指摘のように私どものやっております仕事で御不満なものもございましょうけれども一つ二つ日本人口政策の向う方向について指示を与えるような研究もいたしましたので、それについて一つ申し上げてみたいと思います。これは私自身がやった仕事でございまするが、日本人口の現状と将来につきまして統計的に分析いたしました結果から、日本人口問題はどうあるべきかということ、これは研究所自身として発表いたしませんでしたが、昭和二十七年でございました。二十七年に日本人口問題と人口政策という相当長い論文を書きました。それを発表いたしました。それは日本語だけでなしに、フランス語でも発表いたしました。外国人口学者の批判も受けておるのであります。それでもちろん人口問題審議会で検討をされまする場合に、その資料も提出いたしたいと思っております。まあそういうこともやっておりますので、全然学問的遊戯だけに終っておるものではございません。
  43. 榊原亨

    榊原亨君 私が申しますのは、そういうアルバイトがフランス語にならなくても私はいいのであります。直接日本の国の現状をどうしたらいいかという各種の御検討が強力に厚生省当局なり、あるいは人口問題審議会に持ち込まれるということにおいて、初めてこの人口問題研究所というものの主要なる意義があると私は思う。ほかのアルバイトをされることもけっこうであります。全部が今すぐにこれが利用されなくてもいいとは思うのでありますが、少くとも大学でなしに、こういう問題の研究所を作ったという政府の意図がそこにあるということを少しお考えおきを願いたいと私は思うのであります。この点につきまして、厚生大臣のお考えはいかがでございましょうか。
  44. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) 先ほど来御指摘のことは、十分ごもっともな点が多々あると思うのであります。私も人口問題に関連をいたしまして、厚生省の持つ役割というものは非常に重要なことにつきまして、特に関心を深めるとともに、閣議でもしばしば発言をいたしておるのでありまするが、現在国会におきまする総合的な委員会である予算委員会、あるいはまた本会議等におきまする議論を見ますと、目前の経済問題と結びついた人口政策のみが論ぜられまして、従いまして、人口問題の質疑というような問題についても、たとえば経審長官あるいは労働大臣の答弁を求めるようなことが多いことは、はなはだ私は遺憾に思っております。というのは、人口問題に対する終局的な基本政策、あるいは対策というものは、やはりこれらの問題について総合的な政策を立てるべき厚生省にあることはもとよりでありまして、ことに今日の大問題は、人口をいかにして抑制をしていくかということに一応の対策があると思うのであります。しかりといたしますれば、受胎調節あるいはその他の具体的な諸問題をかかえておる厚生省中心にならなければならぬのに、国会の論議にいたしましても、ややもすれば経済問題にのみ集中をされる関係で、ただいま私が申し上げたような議論が多いのでありますが、こういうことよりはむしろ厚生省が表面に乗り出して、そうして裏打ちとしての経済政策というような観点から人口問題を片づけていくことが適切ではないか、かように感じておりますので、将来とも人口問題研究所並びに人口問題審議会の活用の仕方につきましては、一そう留意をいたしまして、御趣旨に沿うて前進をいたしたい、かように存じておる次第であります。   —————————————
  45. 榊原亨

    榊原亨君 先日来高野委員が社会保険の診療についての監査の結果並びに経過の資料をお出し願いたい、続けてその際、各病院の経営別の御資料お願いいたしておるのでありますが、これがいつごろまでに出るのでございましょうか、一つ承わりたいのであります。
  46. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) お手元へ、一部ではございましたけれども、健康保険を中心にいたしました資料、これは配布したそうでございます。
  47. 榊原亨

    榊原亨君 高野君の御要求になった点に合致しているかどうか私は知らないのでありますが、少くとも私がお願いをいたしましたのは、厚生年金病院、社会保険病院、あるいは国立病院、そういうものの経営主体別にいたされました監査の事実と、その結果と、処罰の方法についての資料を要求しておるはずでございますが、そういうようなのが出ておりませんが、いつごろまでにそれが出ますでしょうか。
  48. 久下勝次

    政府委員(久下勝次君) 私からお答え申し上げますが、ただいま御指摘の資料調査中でございます。数日中にはでき上りましてお手元に差し上げられる模様でございます。
  49. 榊原亨

    榊原亨君 数日中でございますならば、私のこの点についての質問は保留いたします。
  50. 高野一夫

    ○高野一夫君 私はただいまのお話にもありました通りに、この保険医の監査の内容について資料をもって御説明を願いたい、こう実は頼んであるわけです。と同時に、さらに最も大きな問題といたしまして年々数百億の医療費が激増しつつある。このままで行けば、果てしない医療費の地獄に陥るわけでありますが、これを何とかしなければならない。そこでどういうわけで一カ年に四百億前後も医療費が激増していくのか、この内容について分析して一つ資料について御説明を願いたい、こう思って、これも要求してあるわけです。  ところで、ここで「健康保険年度別医療給付の診療種類別諸率」、これがその一部の資料のつもりでお出しになっているのだろうと思いますけれども、どうも不敏にしてわれわれこの資料を見ただけでは一向見当がつかない。そこでたとえば抗生物質を使うことになったから医療費が上ったとか、入院患者に対する入院期間が長くなったから医療費が上ったとかどうとかいうようなことがいろいろ言われているわけですが、この一カ年に数百億の金が増高していくということについて、もう少し何かわかりやすく、こうこういうわけでふえてきたのかというようなことがないかどうか。先般も厚生大臣からお話があった通り、保険の監査をすれば一カ月に一億五千万円金が浮いてくる。そうすると、それで見積っていけば一年で十八億、二十億の金が浮いてくることになる。そういう点もあわせ考慮したいのでありまして、そこで厚生省の方として御調査になった結果から考えて、どういうわけでこれがふえてきているのか、こういう一つ私は分析的な話をかいつまんで伺ってみたい。この資料がそうであるならば、この資料についてかいつまんで御説明を願いたい。
  51. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) この資料につきまして、実は今正直な話を申し上げますと、私、ここへ入る前に久下局長から説明を受けたのでありますが、重点的に御説明をいたしますれば、問題の焦点でありまする政府管掌の健康保険組合の医療給付費の増大したことについての統計的な資料はこれに出ておると思うのであります。従って説明が非常に重点的にかつ要約をしてわかりやすく行われれば十分、十分間くらいで御納得がいけるものと思いまするから、私がただいま申し上げましたプロローグに基きまして、しばらく御清聴をいただきましたらばよろしいかと思うのであります。非常に長くわたりますと、かえってわからなくなると思いますけれども、五、六分ないし十分間で、重点的に、ことに抗生物質を中心にして申し上げればわかるかと思いますので、最初に申し上げたいと思います。
  52. 榊原亨

    榊原亨君 議事進行について。ただいま厚生大臣お話でございまするが、これは私もこの点について十分質問をいたしたいと考えております。高野君もおそらくそうでございましょうから、この問題については、この次の機会に資料が十分そろいましてからお願いいたしたいと私は思っております。
  53. 高野一夫

    ○高野一夫君 せっかく今説明ができるのだから、聞くならば一応その内容だけでもちょっと聞いてみて、さらにまたそうすれば資料……御質問になる点から文書がさらにほしいという点が出てくると思うから、一つ概略聞こうじゃないですか。
  54. 久下勝次

    政府委員(久下勝次君) それでは御指名によりまして私からこの資料につきましての概略の御説明を申し上げることにいたします。なお一括して差し上げましたもののほかに、別に高野委員からの御要求がございまして、結核医療費が全医療費中に占める資料、これは政府管掌の健康保険だけでございますが、これも一枚別に差し上げております。これは先刻追加してお配りしてあるはずでございますが、念のために申し上げておきます。  ごく簡単に申し上げることにいたしますが、お手元に差し上げました資料は、政府管掌健康保険の医療費の内容を分析をいたしましたものでございまして、特に文章による説明を省略いたしましたのは、この内容は精細にごらんをいただきますと、いろいろな解釈が成り立つと思いましたので、あえて実は説明を省略いたしたのであります。このうち特に御注意願いたい点を、まず私からおもな点だけを申し上げたいと思います。  まず第一枚目の被保険者の受診件数のところでございますが、ここで御注意願いたいのは、入院受診率が各年別の数字が出ておりますが、非常に増大をしておる点でございます。昭和二十四年度に被保険者千人当りの受診件数が八十二件でございましたのが、昭和二十九年には百八十八件に上っておるわけであります。その増加率は約二・三倍くらいになっております。これに比較いたしまして、入院外はそれほどふえておりません。それから一部負担のございます被扶養者につきましては、同じ入院がふえてはおりますけれども、一部負担のない被保険者に比較いたしますと、そのふえる率はわずかに五割程度でございまして、非常に差が少いという点に御注意を願いたいのでございます。この傾向は組合管掌健康保険につきましても同様でございます。  それからその次の表は診療一件当りの点数、言葉をかえますれば金額でございます。これもごらんをいただきますると、最も顕著なのはやはり入院でございまして、入院の一件当りの点数が昭和二十四年度に五百八十一点でございますのが、二十九年度には一千二十二点になっておりまして、約二倍に増加をいたしておるのでございます。これまた被扶養者の方と比較をしていただきますると、その増加の比率は、被扶養者の方におきましては比較的に少いということも御注意願いたいのであります。  それからもう一つ被保険者の歯科診療の点数が、他に比較いたしまして一件当りの点数が五割程度の増加を示しておりまして、これもこの表の顕著な事例でございます。  なお組合管掌健康保険と同じものが比較してございますが、やはり同じような傾向でございますが、組合管掌健康保険は組合財政の関係もございまして、政府管掌よりも一般に前から高かったということもこれでごらんをいただけると思います。医療費のそれぞれの原因につきましては、たとえば入院のふえたのは、ベッドの増加、あるいは新しい抗生物質その他の高価薬の使用がふえた、入院点数の引き上げ、完全看護、完全給食の増加というようなことがこの原因であるということも御了承いただけると思います。  第三表は一件当りの金額でございますが、これはただいまの点数と同様のものでございますから説明を省略いたします。  第四表は、完全看護、完全給食、寝具設備の年次別の増加の傾向が数字で示してございます。完全看護の欄の一番下に増加指数というのがございまして、昭和二十五年度を一〇〇といたしますと昭和二十九年度は二八八になっておりまして、二二・九倍に近い増加を示しております。これが先ほど申し上げました入院の点数増加の一つの原因でございます。完全給食の増加比率も、やはりその完全給食の欄の一番下に二十五年を一〇〇として二十九年が二三五で二・三五倍の増加であるということが示されてございます。寝具設備というのは昭和二十八年の暮から実施しているものでございますので、二十八年はごくわずかで、二十九年に非常な率としては大きな増加を示しております。  それからその次の表は昭和二十八年十月の精密調査の結果をごらんに入れたのでございまして、これは全政府管掌健康保険の各診療行為別の点数、件数を入院、外来に分けまして書いてございます。これはごらんをいただきますると、まず一番左の入院というところの点数をごらんいただきますと、点数に(1)、(2)と区別がございますが、(1)の項は、ずっとその欄をたどって参りますと、合計一〇〇となっております。これはそのすぐ上に入院料が六二%七、入院料を除く入院患者に対する治療関係が三七%三ということで、その合計が一〇〇になるわけでございます。つまり言葉をかえますと、入院の患者のために支払っております総点数のうち、いわゆる入院料として支払われるものは六二%——六割二分でございまして、入院料を除く入院患者に対する投薬あるいは注射、手術等の経費は三割七分にすぎないということが示されるのでございます。その右の欄の、入院料を除いて——六割二分を占めまする入院料を除きまして入院患者に対する治療行為だけをやはり百分比で表わしたものがこの点数の欄の(2)でございます。これをごらんいただきますると、入院患者の治療に対して一番大きな部分を占めますものは注射料の四割一分である。それからその次に大きなものは手術料の二割六分であるというふうなことをごらんを願いたいのであります。以下同様の意味昭和二十八年十月の各診療行為別の比率を示したものでございます。これは一年だけの数字でございますから、これで御了承願いたいと思います。  それからその次に結核関係資料の御要求がございましたので、二十四年五月、二十五年十一月、二十八年十月、この三表の同じ形式のものを差し上げてございます。これは結核患者に対しまして入院、外来に分けて百分比を示したものでございます。これは年次別に変っております傾向が御了解をいただけると思いまして差し上げたものでございまして、たとえば薬治料が昭和二十四年にはこういうパーセントを占めていましたのが二十五年にはこう、二十八年にはこう変っているというようなことをいろいろな角度からごらんをいただけると思いまして差し上げたのでございます。このうち特に御注意を申し上げたいと思いますことは、昭和二十四年五月にはいわゆる抗生物質というものがきわめてわずかでございます。これは注射料の欄の結核非特異抗菌性製剤というのが、入院の点数、先に(1)(2)に分けてございますが、そのいずれも〇・五九%、一・八二%にすぎないのでございますが、これがもう一枚の二十八年の数字をごらんいただきますと、この注射料の中のストマイだけが、すでに、入院患者に対する治療の面だけで見ますと、二八%を示すように激増しておるというのに御注意を願えると思うのでございます。その意味合いの資料で、各入院と入院外に分けて診療行為別に示したものでありますので、これを詳細に傾向をごらんいただきますれば、いろいろな結論が出てくると思いまして差し上げた資料でございます。  それからその次に、同じような資料を歯科につきまして差し上げたものがございます。「全国平均一件当点数及び診療行為別点数百分率」というのが、歯科について昭和二十五年、二十八年、二十九年の三カ年に分けまして、百分比の傾向を示してございます。ここで御注意をいただきたいと思いますことは、一件当りの平均点数は、ごらんいただきまするように、七十六、百四、百二十四点と順次上っておりますけれども、その上っておりますもののそれぞれの中で占めております各診療行為別の比率の傾向が書いてございます。この比率の傾向で御注意いただきたいと思いますことは、上の薬治料でございます。あるいは抜髄、根管充填等のいわゆる治療行為と申しますか、これは各年ほとんど変化なく、むしろ逆に減っておる傾向を示しておりますけれども、インレー以下の補綴保全等に類する行為は、たとえば最も顕著なのは鈎でございますが、昭和二十五年八月にはわずか七・二%の比率にすぎなかったのが、昭和二十九年十月には一六%を示しましたように、ふえております。インレーは八・六%から一一・三%にふえておるというような工合に、この方面のいわゆる補綴的な行為が歯科におきましては漸次ふえておるということに御注意を願いたいと思うのであります。  それからその次には「治療指針等の設定経過」、これはいろいろいわれております診療費が上った要素にもなっておるものでありますから、各年次別に治療指針として正式に厚生大臣の告示で出ましたものと、その解釈的な通牒で示したものと、それぞれの通牒、疑義解釈等を示したものを各年次別に掲げましたものでございます。  それからその次には、「診療内容の中抗生物質及び結核化学療法剤の占める割合」というのを差し上げてございます。これは抗生物質と結核化学療法剤というものを、全内服薬と全注射とにつきまして、どの程度のこれが比率を示しておるかということをごらんいただきますために、入院、入院外に分けて書いてございますが、一例を申しますと、入院の被保険者分につきまして点数をごらんいただきますと、最も内服薬で一番大きな要素を示しておりますものはパスでございます。全内服薬の四〇%はパスが占めておるというのが、ごらんをいただくとわかるのでございます。それから注射薬でごらんいただきまして、ストレプトマイシンが全注射薬の三四%を占めておるということに御注意を願いたいと思うのでございます。こういうような意味で差し上げました表であります。  それから最後が「社会保険医療担当者監査の実績、年度別実施数及び処分内容」と、それから返還金額等を加えましてお示しいたした表でございます。  別の一枚刷りの資料は、先ほどお手元に差し上げてございますが、これは結核とその他の疾病件数、日数、点数のそれぞれを比較したものでございます。それから医療給付費の中で結核の占める部分は、昭和二十八年の十月の精密調査の際の数字を示してございます。これもいつも言われておりまするように、入院が全入院の場合には、結核患者のための入院料は六二%を占めておるのだということをごらんいただけるわけであります。  きわめて簡単に要点だけを申し上げたのでございますが、こういうような点に御留意をいただきまして、この資料をごらん願いたいと思います。
  55. 高野一夫

    ○高野一夫君 そこで一応部分的の比率、点数による御説明は今なされたわけでありますが、そこで私が知りたいのは、先般来繰り返しておる通りに、たとえば厚生省から出ている資料に基きますと、昭和二十六年に病院、診療所に支払われた額が九百五十二億である、二十七年はさらに三百四十六億増加して千二百九十八億になる、昭和二十八年はさらに四百七十七億ふえて千七百七十六億になる。そこで、どうしてこういうようにふえたかということを総括的に、たとえば抗生物質が何%ふえた、何億ふえたのだ、それから入院がどうなったからこれは何十億ふえたのだ、それから結核が何千何億ふえたのだというようなことが、この資料から出てこなければならぬはずだと思う。この一カ年に三百数十億から四百数十億ふえている。この内容が、何ゆえにふえてきたかというと、今点数で見ますれば、たとえば入院の点数がふえた、あるいは抗生物質がふえた、注射料がふえた、いろいろありますけれども、これはただ比率だけで、ここにこういうふうにせっかく厚生省統計された結果の金額が出ているのだから、この金額に当てはめて総括的に私は知りたい。  それともう一つは、これはこの次でもけっこうですから、一つそういうような意味資料を整えてもらいたい。  それからもう一つ要求しているのは、最後についている資料がその意味であろうと思うのですが、この保険監査をやったその結果の内容を私は要求している。たとえば指定取り消しをやる、戒告をやる、あるいは金を返させるとかいろいろあるでしょうが、書類の不備によって違反行為というか適正ならざる点があったとか、金をごまかしたとか——ごまかし方にもいろいろあるでしょう。架空の人物をおいたとか、あるいは実在の人物であるけれども点数をごまかしたとか、いろいろあるだろうと思う。この全国的に監査された結果の内容、たとえば架空の人物をおいてごまかしたのが何十パーセント、金額においてどのくらい、それから患者は実在するがいわゆる水増し請求をやって、不正の金を受け取ったのが何十パーセントであって、金額はどのくらい、それから違反行為といわれたけれども、それは単なる書類の不備であった、こういうようなふうのことが知りたいわけなのです。その書類が出ておらない。これはこの次までにともに一つ書類を請求しておいていただきたい。なるべく早く御提出を願って、先ほど私が申し上げて要求をした資料と御一緒に御提出を願いたい。あらためてそのときに詳細に時間をかけてお尋ねしたいと思います。
  56. 小林英三

    委員長小林英三君) 皆さんにお諮りいたしますが、厚生大臣は十二時前までと約束しておりますから、本日はこの程度にいたしたいと思います。(「まだ質問ありますよ」と呼ぶ者あり)
  57. 山下義信

    ○山下義信君 議事進行について発言をするのでありますが、今委員長は、厚生大臣が出て行かなければならないから、本日はこの程度で終りたいと思うがどうかということでお諮りになったのですが、先ほどから榊原委員がおっしゃったのが大臣に対する質問であるならば、大臣は退席することはできない。ですから、事務当局に対する質問をお続けになるのか……。
  58. 榊原亨

    榊原亨君 十二時まででしょう。だから、まだ十分ほでありますから、その間……。
  59. 小林英三

    委員長小林英三君) 大臣に対する質問ですね。
  60. 榊原亨

    榊原亨君 先日この赤痢ワクチンの製造につきましていろいろお尋ねをいたしましたところが、結局、これは光工場で作ったけれども、これはあくまでも予研の責任において作ったというお話があったわけなんであります。それはよくわかりました。そこで、それでは今年度の予算におきましては、その光工場を借りられる費用は幾らここに出ておるのでありますか、あるいはその人員を借りられると申しますか、あるいは厚生省の方が行っておられるでありましょうが、これは厚生大臣がおわかりにならなければ事務当局でけっこうでありますが、この予算の中にどのくらい出ているのでありますか、それをちょっとお知らせを願いたい。
  61. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) これは先日も社会労働委員会が、どこでありましたか、この会議場でなしに開かれたときに、あれは予研の博士が答弁をいたしておりましたときに、私も疑点がありましたので、その際に本人にも聞きました。ただいま薬務局長にも聞いてみますと、これは今日、光工場を借りるための費用がないそうでありまして、現在は無償で借りておるということになっておるそうでございます。
  62. 榊原亨

    榊原亨君 人員はいかがでございましょうか。作業員はいかがでございましょうか。
  63. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) それは薬務局長から答弁いたさせます。
  64. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) お答えいたします。作業員の費用、それとも人数という御質問でございましょうか。
  65. 榊原亨

    榊原亨君 作業員に対する費用です。
  66. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) それも同様でございます。無償で提供していただいておるわけでございます。
  67. 榊原亨

    榊原亨君 そこで私は厚生大臣にお尋ねいたしたい。こういう大きな工場を今年も無償で借りて、人も無償で働かせて、去年もそうだった。これは何としましても、そういう慈善が行われておるのでございましょうか。厚生省は、それではよろしい、ただで貸してくれということでやっておるのでしょうか。それはどうもおかしい話です。そういうところで大事なワクチンが作られるということでありますが、この点は決算委員会においてもはっきりさせないといけないと思いますが、この点は厚生大臣いかがでございましょう。
  68. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) それは厚生省の今日持っておる予算関係からして実施ができないことに相なったと思うのでありまして、いわゆる過渡的な措置でありまして、将来はできる限り、直接やるということになりますれば、直接予防研究所がやるということになりますれば、予算に組んで、そうして人も充足してやらなければならぬと私は考えるのであります。しかしながら、今日そういうようなことになっておりますのは、それにもかかわらず、赤痢予防の重要性からいたしまして、しかも国が相当の責任を持つ必要からいたしまして、過渡的な措置として行なっておるものと考えておるのであります。
  69. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますと、その光工場をお借りになったのは、いつから、何年からただで借りて、ただで人を使っておられるのでしょうか。これはどうもおかしい話だと思います。
  70. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) いつから借りたということにつきましては、私今詳細に存じておりませんけれども、もちろん光工場を借りたと申しましても、光工場ではいろいろなことをやっておるわけであります。その中の生物学的製剤部門のさらにその一部の作業であります。そのために、もちろん先生が御指摘のように、予研がパイロット・プラントを持ちまして、それについての設備も人員も擁してやることはこれは理想でありまして、さような状態に今日ございませんので、さような措置をとった次第でございます。なお、期間につきましては、取調べまして、後ほどお答えいたしたいと思います。
  71. 榊原亨

    榊原亨君 薬務局長がいつから工場を借りたかわからぬ、よく調べなければいつから借りておるかわからぬ、しかもその工場で何十万人というワクチンが作られて、そうしてその作業員の費用もただでしてもらっておる、その場所もただで借りておる、こういうことがほんとうに、厚生大臣、どういうふうにお考えになるのでございましょうか。厚生大臣はこのごろ就任されたのでございますから、これは前からのことでございますので、厚生大臣一人だけの責任としては追及しないのでありますが、こういうことはひいては業者とのくされ縁と申しますか、そういうことはないと私は信じておりますが、そういうものをただで借りてそこでワクチンをただで作って、作業員もただだと。そうすると、その予研の責任責任というと、予研の方から実際人は行っておられるということで、結局、それだけのことで大事なワクチンが作られておるところに、なるほどこれでは副作用がああいうふうに出ても申しわけがつかぬと思いますが、それは今後——過ぎ去ったことはもう仕方がありませんから、これ以上追及したくないと思うのであります。厚生大臣はこの予算の上でどういうふうに表わそうと、相変らずただで借りて、ただで人員を使って業者と一緒にやろうと、こういう考えでございますか、その点を承わりたい。
  72. 山下義信

    ○山下義信君 大臣の答弁の前に私関連して聞いておきたい。この赤痢ワクチンの問題は結論を出そうじゃないかということになって日程も組んでおるのですが、今日特に念を入れて御質問があった。それで私も関連して念を押しておきたい。  先ほど厚生大臣がほかの席で聞いたように思うかというのは、この席なんだ。それで福見細菌部長が、厚生省は民間の工場を借りて作らしていると、こういうことを言った。借りてというのは、どういうふうに借りているのか、賃貸借しているのかどうしているのか。もしその工場を借りたというのならば、厚生省から係官でも派遣してその製造の監督をしておるのか、その工場を借りた借り方というのはどうなっておるかと、こういう質問がでた。私もした覚えがある。そうすると、細菌部長は、いやそういうふうな意味の借りたというのじゃなしに、こちらから規格を示して品物を作らして納めさせておるので、なお民間の工場を借りて作らしておるという、言葉の説明ですと言わんばかりの答弁があって、速記にも残っておる。本日の榊原委員の質問に対する厚生当局の答弁を通じてみると、いかにも工場を借りて、人も借りて、ただそれが無料であるというような答弁のやり方をしておる。あくまでも工場を借りたという建前にしなければ、そこに建前の上で困るところがあるのか。予研の細菌部長は、工場を借りたとか、製造を監督に行くとかするのじゃなくて、厚生省が示した基準によってできた品物を納めさせて、それを検査して異常がなかったらば予研が作ったという建前にして、どこで作ったかと言われると民間の工場を借りて作ったと説明をするのだ、こういう意味の答弁をした。それならそれで、答弁としては一応、そのことがいいか悪いかは別として、答弁になる。ところが、本日の答弁はそういう弁明をしておるのじゃなくして、工場を借りて、人を借りて、ただその借り賃を払うていないのであって、あくまでも工場を借っておるのだというのならば、その答弁で通すというのならば、これはまたそれで一つの答弁。どちらをおとりになるか。前回の御答弁とは少し違うように思いますが、私の聞き間違いか、速記も残っておるから、厚生省見解を一定して御答弁を願わなきゃならぬ。
  73. 高田正巳

    政府委員(高田正巳君) 私の承知をいたしておりまするところでは、先般福見部長からお答えがありましたように、二カ年間赤痢病菌班が厚生省の科学研究費で研究をいたしまして基礎的な研究を成就した。これを予研が取り上げまして、そうして予研がそれらの人々の、研究班の方々の助けを借りて、予研がこれを作った。それで、その作る際には、自分のプラントがございませんので、武田の光工場で作ってもらった、こういうことでございます。  なお、先般福見部長がはっきり申し上げましたように、予研の職員は武田工場に実地に参っておりませんけれども、その研究班の助けを借りた。その研究班の方々は、その責任者は事前にときどき参り、なおもう一名研究班員の先生はそれを、ずっと向うに滞在をいたしてこの製造についての監督をいたしておる。かようなふうに私は承知をいたしておるのでございますが、これが真相でございます。  ただいま山下先生が、借りたと言わなければ何か困ることがあるのかという御質問でございまするが、別に困るということは何もないのでございまして、今の実情、真相というものをさようなふうに申し上げた次第なのでございます。
  74. 山下義信

    ○山下義信君 私が得ましたただいまの薬務局長の答弁では、いわゆる世間の社会通念でいう借りた、その工場を借りた、人を借りたというような範疇には入らないと思う。ただこれは便宜頼んで、政府の手持ちの工場がないから、仕方なしにこの研究関係者の関係の工場に頼んで作ってもらっておったというのであって、工場とかその製造関係者の職員とかいうものを借りたという形にはならぬと思うのでありますがね。本日の御答弁では、借りたのだとおっしゃる。そうして無償だとおっしゃる。それならばいつ借りたのかと、私が前回の質問では、借りた契約でも何でもあるのか、借り方はどうなっておるのか、こう聞かなければならぬことになっている。何にもないのです。何にもないなら、借っておるのではない。借ったという形式がありますか、約束をしたというその貸借関係の何か跡形が残っておりますか、そう追及していかなければならぬことになる。借りたのではなくて、頼んだのでしょう。民間の工場に頼んだのでしょう。頼んだというのと、工場とか人を借りたというのとは違う。私はそう思う。これはささいのようでございますけれども、これは明確にしておく必要がある。答弁があいまいです。
  75. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) 先ほどから、榊原委員の御質問にいざなわれまして、いろいろ私並びに薬務局長が答弁をいたしたのでありますが、従来の経緯もあり、福見部長が答弁をいたしたことが正確だと私も考えております。しかして誤解がありますれば一掃いたさなければなりませんし、私も事情をもっと掘り下げて責任ある答弁をいたさなければならぬと思いますが、本日はまことに恐縮でありますが、お預かりをいただきます。  それから先ほど、ささいなことでありますが、私がこの委員会ということを言ったのでありますが、これは速記録に載っておると思いますけれども、ほかの委員室であるということで——、第二委員室で社会労働委員会の赤痢ワクチンに対する参考人を呼んでの討議の際に承わったのでありまして、これは訂正する必要はないと思います。
  76. 榊原亨

    榊原亨君 この問題につきましては、金曜日に結論を出すことになっておりますので、それまでに、大へんごめんどうでありますが、統一したお考えをお知らせ願いたい。  もう一つ、この際はっきりさせておきたいのは、先ほどお話しになりました赤痢研究班と申しますのは、厚生省の中にできたのでありますか、厚生省の外にできておりますものですか。その辺も、今は時間がございませんからよろしゅうございますから、その辺をはっきり、責任の所在をはっきりさせていただいて、金曜日の決議に間に合うように、審議に間に合うように一つ、御通知をお願いいたします。
  77. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) そのようにいたします。
  78. 小林英三

    委員長小林英三君) お諮りいたしますが、本問題に対しまする本日の質疑はこの程度にいたしたいと思いますが……。他は次回以後に譲りたいと思います。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 小林英三

    委員長小林英三君) 異議ないことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三分散会