○藤原道子君 私も今日は
質問を申し上げるつもりではないのでしたが、ちょっと関連して一点だけお伺いしておきたい。もし
お答えができなかったら、資料といたしまして御提出を願いたいと思うのでございますが、
先ほど来質疑応答を伺っておりまして、私非常に不満足なのでございます。きれいごとでは私は解決できない事態に立ち至っておると思います。しかも今の政治の悪いしわ寄せ、その犠牲は弱い面へ、弱い面へと集約されております。賃金が不払いであるため、あるいは失業者の家庭であるため、今どんな困難な
状態であるかということは、ここで質疑応答をしておるような
状態ではないと思うのです。妻を売り、子供を売り、まことに悲惨な
状態になっておるということは、もう
大臣も御
承知だろうと思うのです。だからこうして
質問応答をしておるときにも、何人かの人がその肉体を売られ、あるいは生活苦から自殺していっておるというような今日の差し迫った
状態だと思うのでございますが、私は今日お伺いしておきたいのは、そうした政治の貧困の犠牲になって、さらに生活の最終の犠牲になっておる身売りされた女性たち、この間も福岡では身売りをした妻のところへ行って、夫がその遊廓でダイナマイト心中をしておる。ここまでも犠牲はそういう深刻な
状態まできておるわけでございます。ところがその一番最後の弱い犠牲者の肉体を搾取する業者の存在することは
大臣も御案内の
通りなんです。ところが従来は、芸者置屋というものに対してあまり手が打たれていなかったと思うのですが、
昭和二十九年の十月十三日ですか十五日ですか、
労働省の職業安定
局長から指令が出ておりますが、従来芸者置屋ですか、検番ですか、これをいわゆる有料の職業安定事業として
許可の対象として
おいでになる。けれどもその実情がこの安定事業の
許可を悪用して、合法の陰に隠れていろいろ好ましくない行為が顕著になってきたというような理由で、これを職業安定事業の対象からおはずしになる、そうして将来は、これを芸者の保護とか何とかというような意味からして、労働基準監督機関がこれを扱うというような指令をお出しになられているのでございますが、今後は
許可の対象にしない、これはわかるのです。ところが今日厳然として置屋というものが悪質な周旋をやっておることも、また御案内の
通りです。今まで
許可したものは認めて
おいでになるのか、これももう認めないで処罰の――取締りの対象にされるのか。今日その後の置屋、検番なるものがどういう
状態にあるかということを御調査になられておるか、そうしてそれに対してどういう手を打って
おいでになるかという点をお伺いしたい。
それから労働基準監督局でどの程度に芸者を保護して
おいでになるか。ことに児童福祉法違反が続々として起っております。これは調べればどんな置屋でも出てくるだろうと思うのですが、どの程度の熱意をもってこれに当って
おいでになるかということについて私はお伺いをし、もし調査が不行き届きでございましたら、
一つ資料としてお出し願いたい。