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国務大臣(
竹山祐太郎君) ただいまの学会の御意見は結論から申せば、いずれも尊重すべきことであって、非常にわれわれの今後の
政策実行の面においてすべて取り入れなければならない問題であると
考えております。御
批判が十分いただけなかったということは残念でありますが、あらかじめ
政府の具体的な
計画等を差し上げてあれば、あるいはそういうことができたかとも思いますけれ
ども、
公団法の
法案だけではなかなかその具体性が的確に御
批判していただけなかったということも無理がないと思うわけでありまして、今後さような点については
注意をいたしたいと思いますが、今御意見のありました三点について今後
考えていこうと思いますことを申し上げるならば、狭小過密
住宅とでも言うべきものが多くて、質的な低下であるという御
批判はもう今日までたびたび御
注意をいただいた点でありまして、われわれは決して悪意と言いますか、知りつつやっておる
意味ではありませんが、もう言いわけを申す必要もないので、できるだけこういう線を
実行の面におきまして、今
年度の
予算の範囲内におきまして御
注意のような点を改められるだけ改めて参りたいと
考えております。
それから耐火構造の問題は、これもしばしば申し上げておりますように、われわれとしては最大限の
努力をいたすつもりでありますが、これも今後の
実行の面におきましてそういうふうにもって参りたい、御
趣旨については何ら異議を差しはさむ点はありません。
それから高層の集団
住宅を作れという御
趣旨も、これもわれわれは
考えて参っておる点でありまして、これは主として今後の
実行の場合におきまして、
公団住宅においてさようなことの
実現をはかるべきであって、
公営住宅等ではなかなか
費用の関係上思うにまかせないと思いますから、
公団住宅の
計画は一応四階建
中層アパートということで
予算の
基礎にいたしておりますけれ
ども、これは
予算の
基礎でありまして、その年の
情勢に応じまして、
費用の許す限り高層集団
住宅の
実現をはかっていきたいという念願を持っております。
それから三本立の
計画に一元的な
計画性を持たせなければならぬという御
注意、これもわれわれの一番憂慮いたしておる点でありまして、三本立とはいいながら、相互みな関連性を持っておることは重々心得ておりますので、今
年度の
実行にあたりましても、これを
地方的、
都市的に、またこまかく言えば
都市内においても中央と周辺と、いろいろな点につきまして、もとより
建設省が企画をいたすべき責任でありますから、これを三者ばらばらにならぬようにする点については最大の
努力を払って御
注意の点を守って参りたいと思います。
同時に、総合的な近代的構想ということに進んでいく点につきましては、実は御
承知の
通り首都
建設委員会というものがありまして、首都圏構想というものについて今日までだいぶ時間をかけて研究
審議を続けて参っておりますが、私は就任以来この問題はきわめて重大だと
考えまして、ある
意味においては
一つ一段と飛躍した構想を打ち立てたいと思いまして、最近もしばしば会合なり準備を進めておりまして、御
承知のロンドンの
都市計画等を
一つのモデルに
考えたりいたしまして、この際全国の
都市計画はもとより
建設省の当面の仕事としてやってはおりますが、首都
建設については特に
一つ力を入れて進めて参りたいと
考えて、今日も
委員会散会後都知事初め
東京都側と首都建の関係者が寄りまして、今原案作成中の首都圏構想について相談をいたすようなことにいたしておりますように、
お話の
通り今度
公団等を中心とするこの
住宅計画は、ただ一面においては急速に
住宅を建てなければならぬという当面の
要請にこたえなければなりませんが、同時に、国家が莫大な
負担をしてやる以上は、これを総合的な、
お話の近代
都市構想に積極的に効果をあらしめるように、この
住宅政策と首都
建設構想というものとがタイアップするように今準備を進めておるような次第でありまして、なかなか現在の中央
地方の財政の状態からいたしまして、理想の
実現には容易でないとは思いますけれ
ども、これは長い目でみて、首都
建設構想というものを今日こそしっかりとしたものにいたして参なければならぬということを
考えておりますので、いずれこの点につきましては、大体の構想なりできましたら、ぜひこの
委員会にもまた御
批判をいただきたいと思っておりますが、中はまだ十分に自信のあるところまで参りませんので、もっぱら準備を進めておるような次第であります。