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1955-06-21 第22回国会 参議院 建設委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十一日(火曜日)    午前十時三十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 榮一君    理事            石井  桂君            赤木 正雄君            近藤 信一君            武藤 常介君    委員            小沢久太郎君            西岡 ハル君            宮本 邦彦君            横川 信夫君            北 勝太郎君            村上 義一君            湯山  勇君            田中  一君            永井純一郎君            堀木 鎌三君   国務大臣    建 設 大 臣 竹山祐太郎君   政府委員    警察庁警備部長 山口 喜雄君    自治庁財政部長 後藤  博君    大蔵省主計局次    長       原  純夫君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省河川局長 米田 正文君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    国家消防本部長 瀧野 好曉君    建設省河川局水    政課長     国宗 正義君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○水防法の一部を改正する法律案(内  閣提出)   —————————————
  2. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  前回に引き続きまして、水防法の一部を改正する法律案を議題に供します。そうして第三十四条の二の「報賞」の条文につきまして質疑をお願いいたします。  この際ちょっと申し上げます。今出席されておりまする政府委員は、竹山建設大臣米田河川局長説明員国宗水政課長警察庁の方から、齋藤長官はまだ見えませんで、中川刑事部長が参ることになっています、まだ見えませんが。国家消防庁瀧野本部長が出席されております。
  3. 田中一

    田中一君 今委員長が第三十四条の二の報賞の点と言いましたが、その前に、今消防庁が来ておりますから、同じ類型の仕事をしておるという関係上、消防団並び常勤消防士といいますか、これに対する質問をしてよろしゅうございますか。
  4. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 水防関係がいたします点に関しましてだけなら、よろしゅうございます。
  5. 田中一

    田中一君 消防庁の方に伺いたいのですが、大体、水防団並びに水防団員というものと、消防団並び消防団員というものが、一人が二役を兼ねておるというものが何パーセントぐらいになっておるでしょうか。
  6. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) お答え申し上げます。私の承知いたしておりますところによりますと、純粋水防団員が大体二十四万程度現存するというふうに聞いておるのでありますが、消防団員全国で大体二百万程度おります。でありまするから、その割合で——消防団のその御質問の点は、一人が二役のその点は、今データを持っておりません。
  7. 田中一

    田中一君 河川局長に伺いますが、今私が消防庁の方に伺った点です。いわゆる消防団員水防団員を兼ねているという大体のパーセンテージといいますか、どのくらいありますか。逆に聞きますと、水防団員消防団員を兼ねておる、消防団員水防団員であるというのです。
  8. 米田正文

    政府委員米田正文君) 現在の消防団は、今お話のございました二百万程度という数字に対しまして、水防団のものがそれは大部分入っておるわけですね。そのほかに、大体水防団員は二十四万でございますから、それ以外大体一割二分程度のものが専属ということでございます。
  9. 田中一

    田中一君 水防団員が兼ねておるというので、純粋水防団員だけのものと、消防団員水防団員になっておるものを伺っている。従って、水防団員だけをやっているもの、それは何パーセントですか。従って、残りは全部消防団員だということになるわけですね。消防団員水防団員を兼ねておるもの……。
  10. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 今両方聞いてみますけれども、どうもその統計は、観念的には想像つくけれども、はっきり申し上げるものはこちらにはないようです。これは重なっているものも相当あると思うし、まあ地帯によってなんじゃありませんかな。水防団員は、消防団の方が厳格に年齢等制限等からいって、それ以外のものも地方的には水防団に出ておるものもありましょうし、それから重なっている部分と重なっていない部分と、お話のように両方あると思いますが、それを統計的には用意していないから、どうも明確にこちらも申し上げかねるのであります。
  11. 田中一

    田中一君 私は大体、消防団員水防団員を兼ねておるところが市町村には多いと思うのです。どうでしょう、河川局長水防団員を握っているのだから、大体のところわかりませんか。
  12. 米田正文

    政府委員米田正文君) こまかい数字はわかりませんけれども、大体今申し上げましたように、消防団は全部水防を兼ねておる、これは今申し上げた数字でございます。そのほかに水防専属でやっておるというのが二十四万でございますから、大体一割強のものが専属、こういうことでございます。
  13. 田中一

    田中一君 委員長にちょっと伺いたいのですが、委員長埼玉県の水防団連合会長をやっておるそうですが、そこで埼玉県の場合はその比率はどうなっておるのでしょうか。
  14. 石川榮一

    委員長石川榮一君) お答えします。埼玉県は、消防団のうちの精鋭の人をすぐりまして水防団員を作っているのが大部分です。消防団水防団は重複しております。消防団の中に水防団がある。水防の方は消防よりももっと精鋭をすぐって、一騎当千の士を集めている。そうして暗夜防風雨の中を突破して、数昼夜にわたって戦うのですから、もちろん消防団全部を動員する場合もありますが、第一次には、水防団員というものを別にきめまして、それが手に負えなくなりましてから総動員をやるという態勢をとっております。
  15. 田中一

    田中一君 埼玉県の場合は、水防団員は全部消防団員であるということですね。
  16. 石川榮一

    委員長石川榮一君) そういうことです。
  17. 田中一

    田中一君 消防団の場合は、県単位に大体消防災害補償組合あるいは非常勤消防団員公務災害補償組合とか、いろいろな自主的な災害補償を完全になし遂げようというための団体があるように承知しているのです。そこで、こういうものが全国でどのくらいありまして、私の手元にある資料から見ますと、三十六、七、八府県の分を集計したもので、二十九年度の都道府県消防災害補償組合財源として一億三千五百万というものを計上して、いつでも災害補償の、いわゆる不幸な人に迷惑をかけないような態勢を整えているというように承知しているのですが、消防本部の方ではその点はどういうような指導をなさっているか、伺いたい。
  18. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 昭和二十六年に消防組織法を一部改正いたしましたときに、その消防組織法の第十五条の四というので、市町村消防団員災害の場合の補償義務を負わされたのでありますが、各市町村によりましてその能力のあるところもあるし、多くのものは相当大きな災害の場合には完全な補償ができない。財政措置に非常に困っておりますので、国がこれを援助することも必要でありますけれども、まず県単位で、消防は全部市町村にございますから、それぞれ各市町村が適当な分担金を醵出いたしまして、そしてその補償義務を共済するという互助制度を作らせるように主張したのであります。それは私たちの方では、今おっしゃいましたように、県単位非常勤消防団員災害補償会という申し合せ団体かあるいは地方自治法に基きます一部事務組合というような法的に根拠のあるものによるか、そういうのはいずれでもよろしいが、とにかくそういったものによって互助組織をきめまして、そして県内の一部に災害がありました場合に、これを補償する補償会から市町村にこれが給付をするというような制度を推進奨励いたしまして、自後今日に至るまで、全部ではありませんけれども、数府県を除きまするほかは、大むねそういう組織ができているようであります。大体概略さようでございます。
  19. 田中一

    田中一君 これは法律で定めてある災害補償組合でしょうか、それとも任意団体ですか。その比率はどうなっていますか。
  20. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 今ちょっと手元にございませんけれども、そういった申し合せのような団体法律に基かない団体、いわゆる災害補償会というようなものと、それから先ほど申しました地方自治法による一部事務組合の形で事務を行なっているその形と、大体半々くらいだと思います。
  21. 田中一

    田中一君 私の手元にある資料を見ますると、事務組合としてある方が多いと思うのです。そこで消防本部としてはこうしたものをやはり、消防協会その他の任意団体でなく、法的な根拠のある事務組合的なものを推進していく、奨励していくというつもりですか。あるいは、どうでもいいから、金さえ払ってくれればいいんだというような形でもっていくつもりですか、指導方針ですね。
  22. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) この補償会の方ですね、申し合わせ団体である補償会の方は、市と町村全部がやれるような形でもって盛り上っておる。それから一方の一部事務組合の形の方は、大体町村、市は参加しないで、町村というような形でありますので、一長一短があるわけでございますが、私の方はいずれを非とも是とも今きめておりません。
  23. 田中一

    田中一君 内容を見ますと、だいぶ、その全市町村が入っているというものと、市は抜いて全町村という分と、二つになっておるのですが、これはそのほかに市としては市のこうした補償組合があるということなのでしょうか。それとも、そこにはできていないということなんでしょうか。
  24. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) まあ御承知のように、大都市あたりはもう、こういうことによってこういうのをやらなくとも大体やっていける所もありますし、それから市だけの、いわゆる市だけのこういう組織を持っておるものもございます。
  25. 田中一

    田中一君 たとえば北海道のような所は、先般岩内町ですか大火があったときに、あのような場合には、大火があったという実績から、掛金といいますか、分担金というものの増減があるんですか。それとも、そうでなくて、一律に地方財政負担し得る範囲というものに限定されておるものか、分担金はですね。
  26. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 私の承知いたしておりますところによりますと、大体一律であります。消防団員一人幾ら、大体百円以上の所は少かったと思います。年間一人当り、頭数一人当り百円、少い所は五十円、三十円くらいの所もあります。そういうことになっておりまして、大体市町村によって格差を設けるということはございません。
  27. 田中一

    田中一君 そうすると、それは町村負担ですか、消防団員個人負担ですか。
  28. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 市町村であります。
  29. 田中一

    田中一君 お手元にあるかどうか知りませんけれども、この水防法に基くところの費用というものは、全部水防管理団体がこれを負担するということになっておるのです。で、消防の場合を見ますと、一応その制度は変りはないと思いますけれども、少くともそうした災害に対する費用負担というものを、こうした団体が、今言う掛金消防士一人に対する幾らというものできめておられるわけなのですが、このような形でもって、消防団というものは消防団員公務または通常災害に対しまする補償金財源があるわけなのです。そこで、建設大臣は、消防法に基く消防団員に対してはこのような形のものは持っておられる、水防法の今日のこの改正案というものが通りまして、一応その公務災害補償並びに通常一般災害補償というものを市町村がしなければならないというような場合には、このような消防団が持っておるような形のものを指導するつもりであるのですか。それとも、そのまま何もせずに、ただ市町村はお前の勝手でやれというような態度で出られるのですか、どちらですか。またもしも、先般から論議になっておりますところの地方財源というものはどういう形でもって持っていこうとするか。先般の質問で、金がない場合にはやむを得ないから長期債短期債でもって補っていこうということだったのですが、その点はどういう構想をお持ちですか。
  30. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは、今の質疑を通じてですが、消防団ほど水防団整備をいたしておりません実情でありますから、今回の改正を通じまして、一挙にすべてを消防団並み、またそれ以上にするということはなかなか困難であると思いますが、漸次さような段階に進めますように、いろいろな方面からの御意見等もとにいたしまして、十分考慮をいたして参りたいと考えております。
  31. 田中一

    田中一君 そのほかに、消防団がどういう工合に常勤非常勤消防団員に対する公務災害の補助をしておるかということの資料は、私の手元にあるのでありますが、財源がここまであるので、相当十分にやっているようなんです。たとえば死んだ場合、大体五、六十万円程度補償をしているようなんです。そこで私の心配するのは、結局、消防団は歴史がございますし、このような形でもって安心して消防活動に挺身できるという形をとっておりますけれども、水防団が、まあ新しく今度こういう形でもってりっぱな立法をしまして、少くとも水防団員の身分、いわゆる後顧憂いのない措置をとっていくということは、大賛成なんです。で、それに対しましては、やはり裏づけになるものを、考慮されなければならぬと思うのです。そこで、今後そういう形に持っていくのではなかろうかと思いますけれども、しかしながら、御存じのように、火事と違いまして、火事は人為的なものが多い、しかし水害というものは大体天災で来るものでありまして、政府がいろいろ財政上の点から当然しなければならないところの治山治水というものに大幅な予算を組むことができないために、年々歳々災害というものが起っている。そうして当然国がしなければならないのに、部分的な末端において水害という不祥事が起きてくるわけなんです。  これは結論を急ぎますけれども、大臣にもう一ぺん伺いたいのは、このような形で一億三千五百万もの財源を持つところの災害補償組合ができております。従って、何もこれは建設省が所管するところの水防組合である、あるいは消防が所管するところの消防団員だというようなことでなしにして、この組織を、これは消防団にすればはなはだ御迷惑ではあるけれでも、今伺ってみますと、埼玉県においても、水防団員は全部消防団員であるというようなことになりますと、ただここに消防団員公務災害補償組合でなくて、少くともそうした意味の市町村負担しなければならないところの、財源確保のための補償組合の中へ、水防団員の分も市町村負担して、そこへ乗っかっていく。そうして単一な公務災害補償組合というものを作っていくというような構想は、この消防の方あるいは建設省の方は、ともにどういうお考えをお持ちでしょうか。
  32. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 今回の改正意図しました現実的な問題も、今御指摘のように、消防団員後顧憂いのないような備えがいろいろな歴史的な経過を経てある、同じような立場の水防団員がいざというときにそれの備えがないということは、非常にいろいろな面において困ったことでありますので、今回はまず今の消防団並みのことができますようにというのが、今回の改正意図でありますが、これも今申し上げたように、漸次その線にできるだけ早く近づけて参るだけのいろいろな万般の処置を講じたいと考えますが、今御指摘のように、消防団の方の御厄介をかけることがいいのか、また決して分派的な考えというわけではありませんけれども、水防団水防団として小さいながらも自分らの力でできるだけの処置を講ずべきであるのか、それらはよく実情考慮いたしまして、地方実態に沿うようにこの改正意図に沿いまして、できるだけ早く整備をいたしたいと考えておる次第であります。
  33. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 消防が非常にこういう面に対しまして歴史的に相当後顧憂いがないというふうなことでありまするけれども、地方の実際面につきますというと、必ずしもそう後顧憂いが絶対ないというわけじゃないのであります。これはやはり建設大臣お話のように、水防とともに同じような方法で協力していくべきじゃなかろうかと思うのです。私の個人意見はそうでありますが、またこれは十分研究いたしまして、建設大臣お話のように、お互いに協力し合っていくべきものか、あるいは消防消防だけで今の線でいくべきかという点は、十分研究して参りたいと思っております。
  34. 田中一

    田中一君 今の水防法の一部改正法案では、水防管理団体災害補償するということになっておるのです。この水害予防組合法組合連合というものじゃないわけですね。もし、かりにここに六条の二を見ましても、当該水防団長または水防団員の属する水防管理団体は、これは損害を受ける。管理団体のほかに、団体上部組織であるところの連合体水害予防組合連合というものがこの補償をするというとになりますと、今大臣が今後考慮したいと言っているところの都道府県単位連合体というものが補償するということになるのです。この法律はどこまでも、当該水防管理団体ということは市町村単位のものと私は考えておるのです。従って、それでは先ほど私の申し上げたように心配がまことに大きいわけです。もし、かりにここにもあります水防組合連合というものが負担するということに一応なりますと、府県単位で、今の消防がやっておると同じように、一人当り百円なり五十円なりというものが集まってきて補償するということになりますと、非常に親切で、それ以上突っ込めないほど安心した法案になるわけなのです。そういう点で、消防実態から見ましても、水防法の一部改正のこの案文だけではまだ足りないところがあるのじゃなかろうかと思うのです。この連合体というものがはっきりと水害予防組合にある、新六条に。ですから、もう一歩そこに連合がそういう補償のものを作るということになりますと、自然都道府県はこれを指導してそういうものにさせなければならないということならば、もう目に見えて雨期に入るところの現状としては、これが、今私が申し上げたように消防法に乗っかったらどうかということと別に、親切な法文の改正の仕方じゃないかと考えるのですが、建設大臣、どうお考えですか。
  35. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは、実態はその先輩である消防の方の例をモデルにして立てた建前でありまして、お話のような補償の一部は管理団体ということでありますが、財源処置等は、今消防団がやっておるように、県全体の建前を作るというふうにこれは進めていく考えでもありますし、それが今の実態でありますから、お話のように進んでいくものと考えております。
  36. 田中一

    田中一君 消防団の場合には二百万の団員を持つ、それが月額百円程度のものを市町村負担していく。そうすると、水防団の登録された水防団員は百万人くらいおるのですか、河川局長に聞きます。
  37. 米田正文

    政府委員米田正文君) さっき申し上げましたように、二十四万以上おります。それからちょっと先ほどのを訂正しておきますが、消防は、先ほど消防の方から御説明のありましたように、二百万、これに対して二十四万でありますから、水防は一割二分であります。さっき二割と申し上げましたが、訂正をいたしておきます。
  38. 田中一

    田中一君 その二十四万のうちで、これは石川委員長埼玉の例を聞いても、全部が全部埼玉の場合には消防団員であるということになりますと、屋上屋を架すような、結局、二重負担になるわけなんですね。結局、いわゆる消防団に加入しない純粋水防団員だけの掛金を先ほど言ったような単一な災害補償組合にかけて、一緒にやるということになれば、市町村負担も重くはならぬわけです。ですから、そこのところを伺ったのですが、こまかい資料がないとおっしゃったのでわからないかしれませんけれども、二十四万のうち大部分が、消防団員ではないのでしょうかね、河川局長
  39. 米田正文

    政府委員米田正文君) その点をもう一度はっきり申し上げておきますが、消防団は今の二百万の消防団員、これは消防任務と同時に水防任務を持っておりまして、全部が水防任務を持っておるという建前。そのほかにプラス二十四万でありますから、その点は御了承願います。
  40. 田中一

    田中一君 むろん、災害補償の額というものは、水防団員に交付する額と消防団員に交付する額とは径庭があってはならぬと思う。差異があってはならぬ。同額とすれば、二百万で負担するものと二十四万で負担するものと、負担する額が実際に違っております。そういう点は建設大臣どうお考えですか。そういうように考慮をしても八分の一になるわけですね。同じような額の災害補償負担する場合には、どうなりましょうか、可能でございましょうか。市町村だけの負担では百円なら八百円ということになりますね。
  41. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは消防と違って地帯的にどうしても起りますので、かりに個人は今お話のように重なっておるといたしましても、それ自体が水防であった以上は、消防団の方で同じ人間だからといって負担していただくわけにも参りませんし、これがためにこういうことが起きてくるわけで、数が多いほどお話通り負担率が少くて済むと思います。けれども、これはそれだからといって無理に引き延ばすわけにもいきませんし、できるだけ整備をいたしまして、しかし起こるケースというものは、水防の方が今までの経過から見ても少いわけでありますが、相手は天災でありますから予測はつきませんから、起ったときにおいて考慮するということで、これは消防団に準じた体制を整えて参りまして、非常に大きなケースをはずれた問題が起りますれば、またそのときに特別に考慮をいたすということで、消防団に準じたやり方を今の段階としては考えて参りたい。
  42. 田中一

    田中一君 消防団の方では、何ですか、消火に従事してくれといって頼んだ者、一般市民といいますか村民いいますか、そういう方々には災害補償考えておるのですか、おらないのですか。
  43. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 消防団員あるいは消防吏員というものは当然、消防任務を持っておる者以外の一般第三者、現場におる第三者の協力を求めました場合、その死傷に対しましてはやはり市町村補償任務を負うことになります。
  44. 田中一

    田中一君 そうすると、その場合には、団員としての一名当り百円程度負担金というものは、その人がかけないでもいいわけですか。
  45. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) それはかけておりません。
  46. 田中一

    田中一君 じゃ、まあ財源の問題につきましては、今消防団が行なっているような措置をこの水防団にも、人間は少いけれども、とろう。ただ、とっても、現在の消防団のように月額百円程度のものを出しておいて二千万、従って一億三千万ですか。あるいはもっとあるかもわかりません。二億円くらいあるでしょうけれども、そうすると、二十四万に対してどのような措置をとって、分担金市町村にかけさせようという意図ですか。またそういう考え方を現在政府としては持っておるのですか。持っておるなら、具体的にどういう形のものにする、そうして掛金はどのくらいになり、また消防災害災害の率というものと水防災害災害の率というものとは、どのくらいになっておるかというような、本質的な問題まで考究なさったことがございましょうか。
  47. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) もちろん考究はいたしておりますが、今申す通り、一挙に理想の形に強制をして持っていくということも実情に沿わない面もありましょうと思いますので、実情もとにいたしまして、漸次整備をいたしたいと考えておりますが、今までのところでは、それでさしたる大きな食い違いはなかろうと考えております。
  48. 田中一

    田中一君 先ほど河川局長から、消防団員は全部水防活動をしなければならない義務があるんだという御説明があったんですが、そうすると、今の災害補償を支払う機関として、水防団員消防団員も一つになって、いわゆる役所の派閥主義をやめて一本になってやるという方が理想的であって、かつまた町村負担も少い。そうして両方の団員も安心してやれるという形が生れてくるんじゃないかと思うのですが、一つそういうような今後協議をして、一本化する。そうすれば、まあまあ余分な仕事も減ってきますし、またその支払いもスムーズにいくというようなことになると思うんですが、その点を一つ両所管責任者の間でもって話し合いを進めていくというような、言明といいますか、御答弁は得られましょうか、竹山建設大臣
  49. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 財政的には決してむだをするつもりもありませんし、従来も別に消防団水防団といさかいがあったわけでもないのでありまして、これには長い歴史と経過を持っておるわけで、必ずしも役人のなわ張りでできたものとも考えておりません。しかし御注意の点はよく事情は了承いたしますので、十分に話し合いをいたしまして、不必要なむだや、その間において連絡の不満足なようなことのないように努力はいたしますが、今といたしましては、私はこれを一つにしてしまうことが本来の使命を速成するためにいいのかどうか。むしろやはり従来の長い伝統、歴史を尊重して、水防水防としてその地方の諸君の協力を求めるし、消防は、これも国民全般の問題でありますから、その備わった制度を進めていくということの方が私はいいと考えておりますが、しかし御意見の点はよく研究はいたしますが、統合をするという考え方は私は今日考えておりません。
  50. 田中一

    田中一君 消防の方から一つ、今の同じ質問ですが、お答え願えませんか。
  51. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 大体今建設大臣お話しになりましたような考え方を持っております。もっとも、両者のよりよき能率を期するための連絡なり相談は十分いたしまして、スムーズにやっていきたい、こういうふうに考えております。
  52. 湯山勇

    ○湯山勇君 今の問題で消防の方へお尋ねしたいんですが、従来消防団が出動して水防に当った場合の災害補償ですね、それは一件当りの発生率は、火災消防の場合とどんなふうになっておりますか。そういう資料は今ございませんでしょうか。
  53. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 火災による殉職と水災による殉職との割合は、死亡の場合は、大体水防の方が六割で、あと残りが火災のような大体概略の数字になっておりますが、負傷の場合はむしろ逆に水害の方が四割で、火災の方が六割、大体かようなふうになっております。
  54. 湯山勇

    ○湯山勇君 今お話しのように、むしろ死亡は水防活動による死亡の方が多い。今度この水防法ができました場合、消防団員水防団員を兼ねているような者が死亡した場合は、消防庁の方では、やはり兼務している場合も消防団員としてこれは死亡の場合なんかの災害補償される御予定ですか。これができれば、もうそれは水防団員だから建設省関係の方でやってくれ、こういうような御予定ですか。そういうことについておきまりになっておりませんか。
  55. 米田正文

    政府委員米田正文君) その場合については、消防団員であります者は、消防そのものが火災と水防との両方の任務を持っておりますから、当然の措置として、消防団員でありまする場合には、消防団でその災害補償をするという建前をとり、それ以外の者の、水防団だけの立場の者がこの水防法にある補償を受ける、こういう建前にいたすことになっております。
  56. 湯山勇

    ○湯山勇君 水防出動の場合、これは命令を出す人が違うわけですから、今委員長の所のように、両方兼ねておる場合、水防団員として出動命令が出て、そうしてまあ実質は消防団の人が出てゆくというような場合は、やはりこれは水防団の方、つまり本法によって補償されるんじゃないかと思うんですが、それはどうでしょうか。
  57. 米田正文

    政府委員米田正文君) その場合につきましても、なるほど水防活動の出動の命令を水防管理者である市町村長が出しました場合でも、やはり消防管理者である市町村の下部機構である消防団員でありますときには、その消防団員としての補償を行うという建前になっております。
  58. 湯山勇

    ○湯山勇君 水防団及び消防機関の出動というので見ますと、水防団の出動と消防機関の出動ということとは必ずしも一致しない場合があるのではないか。つまり水防団に出動命令が出る、時間の前後があって、あとで消防団にも出動命令が出る、責任者が違えばこれはあり得ると思うんです。水防団にまず今の出動命令が出て、それで消防団に命令が出ない場合において災害が起った場合、しかもその災害を受けた人は身分上は両方兼務しているというような場合も、やはり消防団として措置されるわけでしょうか。
  59. 米田正文

    政府委員米田正文君) 実際の問題になりますと、水防団組織しております市町村については、その水防団を構成しているメンバーは、今お話しのように、消防団員水防団員と二種類になりますが、実際の数から申しますと、その水防団の大部分の人は消防団員であります。そこで、身分関係から申しますと、水院団員でありかつ消防団員というダブった場合は、やはり本然の系統であります消防団員消防団補償を受けるという建前をとっております。
  60. 湯山勇

    ○湯山勇君 消防庁の長官にお尋ねしますが、消防の方から命令が出ていなくても、そういう場合に、やはり身分がそうであれば、消防庁の方では補償なさいますか。
  61. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 私の方も大体、その構成している身分によって、その補償義務が発生すると思っております。
  62. 湯山勇

    ○湯山勇君 ではもう一つ。訓練中に負傷した場合ですね、消防庁の方では補償しておられますね、消防訓練中の災害については……。
  63. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) さようでございます。
  64. 湯山勇

    ○湯山勇君 そこで、水防団水防訓練中の災害補償については、これはどういうふうになるでしょうか。
  65. 米田正文

    政府委員米田正文君) これも消防と同じく、われわれの方で最近もやっておりますが、水防訓練の事故の場合についても、この六条の二の公務災害補償を適用することになっております。
  66. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうすると、水防団消防団兼務の人が、純然たる水防団じゃなくて、水防団として訓練を受けていた、その場合の災害補償は、これは水防団がするわけですか、消防団としてするわけですか。これはどちらからでも一つ……。
  67. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 一応身分の点で消防団員でありまする者は、消防団でやる。そうして市町村補償するというふうな建前をとるかと思います。
  68. 湯山勇

    ○湯山勇君 そうしますと、これは災害補償についてはすべて消防団が優先すると、こういうふうに解釈していいわけでございますね。
  69. 米田正文

    政府委員米田正文君) 先ほどから申し上げましたように、結果はおっしゃられる通りでありまして、私どもは身分の所属するところで補償するという建前で、消防本部とも連絡をとってやっておる次第であります。
  70. 湯山勇

    ○湯山勇君 そこで大臣にお尋ねいたしたいのですが、今応答の間に明らかになりましたように、非常に極端な言い方をするようですけれども、結局、今のようになりますと、水防団だけの命令で出ておっても、身分が消防である者は消防団災害補償を受け、消防団の消火訓練じゃなくして水防団として水防訓練中でも、団員である者については消防団の方から補償を受けるということになりますと、まず非常に極端に言えば、水防団災害補償というのは消防団災害補償に寄生していると、こういう言い方もできるのではないかと思うわけです。こういう建前が直らないのに、あえて二本建にしなくてもいいのではないかというような感じがいたしますが、そういう点について大臣はどうお考えでございますか。
  71. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) お話通りと思いますが、実は今まで困りましたのは、実情を申し上げると、先ほどの埼玉の例は全部が一致しておるというお言葉でありましたが、全国的に見ますと、そうじゃない場合のケースもあり得るわけでありまして、そのときに一方、何らの根拠法規を持ちませんので、消防団に寄生してお願いするということも、これはできません。そうすると、同じケースに起った災害の中で、一方は消防団員なるがゆえに、当然正規の補償を与えられるが、一方はたまたま正規の消防団員でなかった、活動は同じにしたのですけれども、そういう場合に、今まで非常にお気の毒なケースが起ったのでございますから、まあそのためにやったというとはなはだ語弊がありましょうけれども、そういう事態をこの際一つ整理をいたしまして、両方が歩調を合せていけるようにということが、一つの改正の現実的な目標でありますので、寄生をしておるというお言葉、まさに実態を表わしておるかもしれませんが、事実は歴史的にさような経過でありますので、今申し上げましたように、両方の制度を歩調を合せることによりまして、起った場合に人によって差等の起らぬようにいたしたいというのが、改正の要点でありますから、今の御質問の点はこれによって合理化するものと考えております。
  72. 田中一

    田中一君 僕は最後に伺いますが、先ほど言ったように、連合体にさせないで、どこまでも管理団体単位に補償の責任を持たせるということになっておりますが、そこで消防組織法ですか、この方でも、今言う法文で災害補償組合等を作るという措置法律ではとっていない。水防法もとっていないわけであります。そこで市町村実態からいって、もしも、先ほど大臣が言われたように、そのような指導をそる場合、受け取る方の市町村消防の方と一緒になって、あなた方の命令じゃないのです、自分の方でこの法律に規定するところの災害補償というものを完全にすみやかに実行するには、それには何かやはり機関を持たなければならぬ。従って、現在あるところの消防本位の災害補償組合というものと、水防だけの災害補償組合というものを新しく作って、それを一つにして、市町村が自発的にそのような形で運営していくという場合には、それに対して、建設省並びに国家消防庁はそれに対しては制肘を加えますか、そのまま自主的に、地方公共団体の、市町村の自主的な判断にまかせますか、どちらでしょうか。
  73. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは私から両方の空気をそんたくして申し上げるならば、お話通り、なるべく簡素化して、必要以上の繁雑をすることは望むところでありませんから、お話のような場面が起るであろうということも予想されます。私らは決してそういうことを制肘する考えもありませんし、実態がよく実情に合っていきますことであるならば、けっこうなことだと考えております。先ほど申し上げました水防団という組織をしっかり整備していくということと、何らその点は矛盾をいたすとは考えておりませんので、御注意の点はよく実態に合うようにいたして参りたいと思います。
  74. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 建設大臣がおっしゃった通り、別に制肘を加えるとかそういうことは考えておりません。
  75. 田中一

    田中一君 この問題は十分でございますから、報賞の方に入ってよろしゅうございますか。
  76. 石川榮一

    委員長石川榮一君) それから政府委員として、警察庁から山口警備部長が出席しております。
  77. 田中一

    田中一君 最後に一点だけ総括して伺いますが、建設大臣は、本年六月十三日に全国町村会が決議しましたところの水防法の一部を改正する法律案、いわゆる実態的には、今いう地方自治団体町村が事実上、今建設大臣が言明されまた消防本部長が言明されたと同じように、同じ災害補償であるのだから、自分らの方では一つの災害補償として扱いたいという希望なんです。地方町村会議の決議事項なんですね。こういう点は十分御尊重下さるというような御答弁を伺ったんで、おそらく前水防組合法に基く水防組合をますます強化して、建設大臣がねらっているような効果を上げ得るような措置がとられると思うのです。これは今両方の御答弁を伺いまして、非常に喜びにたえません。これを最後の言葉にします。
  78. 米田正文

    政府委員米田正文君) 私からかわってお答えいたしますが、町村会側からの要望につきましては、ただいまお話の趣旨のように、最近補償について互助会のような制度を、分裂しないように、別個に立てないように、一本でやらないと、まあ全体の統制を乱すというような趣旨のように存じます。私どもの方としてもよくその趣旨については尊重いたしまして、善処いたしたいと思います。
  79. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 私からもちょっとお伺いしたいのですが、消防災害に対する財政的な裏づけが、互助的な機関ができてそれによってある程度まで補償しておる、こういうことを伺っておりますが、その災害補償は、今の状態のいわゆる財政措置の、組合財政措置によって完全な公務災害的な補償が行われておるのでしょうか。その点を瀧野本部長から伺いたい。
  80. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 建前は、私の方で大体の基準を示しまして、この線でやってほしいという勧奨をいたしておるのでございますけれども、先ほどちょっと申しましたように、全国都道府県単位に見ましても、まだこの補償組合なりそういったものができていない数府県があるような状態でありますし、またかりにできました県におきましても、各市町村がこれに対しまして負担する掛金と申しますか、分担金というふうなものも、団員一人当り何がしと申しましても、団員相当の数になりますので、その金は相当負担になるわけであります。その掛金がなかなか容易にまとまらない、多額のものはかけられないというふうな状況でございまして、その裏づけがありましても、私たちの調べました実績によりました、私たちが希望しておる基準の補償を十分いたしかねておる実情でございます。すなわち、一応満足する線まで市町村は十分まだ補償し得ない現状でございます。
  81. 石川榮一

    委員長石川榮一君) さらにお伺いいたしますが、その災害補償を今支出されておる県もあり、あるいはまたまだ組合もできておらないところもあるということになりますと、公平ないわゆる均一な、全国一般にわたったところの均一な補償というものはまだ生れて参りませんか。
  82. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) そうでございます。まあ性質から申しますれば、そういった死傷に対しまする、公務に対しまする補償でございますから、同じでなくてはならぬのでございますけれども、建前市町村補償金となっておりますので、市町村ごとにこれが解決をつけるという建前でありますと、おのずから市町村財政というもののそれに即応した補償しかできない。でありますから、まあ府県単位組合を作らして、少くともその府県の中では、各市町村とも同じ、何と申しますか、そろった補償ができるというふうなやり方をまあ私たちが希望しておるのでございまするけれども、府県が違えばまた補償——市町村に対しまする給付の裏づけが、給付が少い。従いまして、給付が少ければ市町村の本人に対しまする補償義務の遂行が十分できないという、おのずから差が出てくる。こういうふうなのが実情でございますので、理想といたしましては、もちろん同じような足並みで、そろって全国同じような補償をいたしたいのでありまするが、そういう建前をとっておりまするので、漸次市町村別の差等をおのずからならして、府県単位にする。また府県同士はそれぞれ話し合った上で、将来同じように補償するようなところに持ってゆくのが理想じゃないかと思っております。
  83. 石川榮一

    委員長石川榮一君) もう一つお伺いしますが、消防本部長のお考えとしますならば、形式的には一応消防に関する災害補償制度はできておるようでありますが、実質的にはこれに伴っておらないというお話のようですが、そこでどうしても町村がその支出にたえられない状況にあるならば、ある程度まで可能程度町村から負担金をさせまして、でその足らぬところは国が埋める、いわゆるある程度の助成をいたしましまして、公平な補償ができるような仕組みにすべきではないかと思いますが、これに対して本部長のお考えはいかがでしょう。
  84. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) これは消防界といたしましても数年来の希望でございまして、なるほど法律災害補償義務づけられておりまするし、いろいろそういった互助組織は作ってやっておりましても、なかなか地方財政実情補償の助成がつけられない。ですから、国も相当の援助をすべきであるというふうに、その助成を数年来希望し、陳情あるいは請願等もしばしばするのでございますが、私たちも及ばずながら努力して参ったのでありますが、現段階におきましては、政府財政上の都合によりまして、遺憾ながら、まだこの方面の助成はいたしかねておるような実情でございます。
  85. 石川榮一

    委員長石川榮一君) そうしますと、要するに、今の段階では不完全補償もやむを得ない、やっておるというのが現実の姿のようでありまするから、さらに一つ努力をしまして、これは水防団員に関する問題ばかりじゃありません。消防に関する公務災害が各地においておのおの違った額が出たり、あるいは支給されなかったりすることは、はなはだ遺憾だと思います。この点につきましては一つ極力努力をせられまして、公務災害が一本の線から、水防もあるいは消防も、その他の公務災害も、一本の線が打ち出せるように、ちょうど陸軍における、あるいは海軍における戦死者に対する待遇等を考えても、こういう点まで前進をさせていただきたいと思います。(「賛成賛成」と呼ぶ者あり)
  86. 田中一

    田中一君 建設大臣に二点だけ、記録に残しておくために御答弁をお願いしますが、この水防活動の限界は、どこから始まってどこまでの程度を示すものか。これは速記に残したいですから、御答弁願いたいと思います。水防活動ということはどこから始まって、それから水害があった場合にどこまでを水防活動とみなすか。いわゆるその費用負担の方に関連があるものですから、伺っておきたいのです。
  87. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 管理者が活動を命じてからそれの終了するまでと考えておりますが、なお私こまかい点につきましては間違うといけませんから、政府委員から申し上げます。
  88. 米田正文

    政府委員米田正文君) ただいま大臣から御説明申し上げましたように、水防活動は、まあ狭義の意味になるかもしれませんが、水防活動として私どもがこの事務をとってゆきます場合のものは、水防の管理者である管理者が、水防の準備を命じ、出動を命じ、その終了まで、これが水防のほんとうの事態の場合であります。その他一般水防事務として、水防訓練もございますし、それから種々の水防事務もあります。そういうように、公務によって管理者が行動を命じた場合は、すべて水防の中に含まれる、こういう解釈をとっております。
  89. 田中一

    田中一君 たとえば小貝川の決壊の当時のように、あれから何週間か水浸しになっている。そして跡始末、消毒その他を全部終了したのは、約一カ月半くらいかかっておりますが、これは決壊を防ぐばかりが水防活動でなく、決壊して、その第二段階の決壊を防ぐための活動も、管理者が出動を命じて終了するまでということになりますと、ある場合には二ヵ月、三ヵ月になる場合もあることと思います。こういうものも全部水防活動の中に入るのですか。
  90. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは水防管理者としてなすべき義務のあるもの、その行動については、全部包含をする建前でございます。
  91. 田中一

    田中一君 もう一点伺いたいのは、洪水の場合の災害救助法の発動というもの、これはケースとしてはあの救助法に書いてございます通りの条文と思いますけれども、この場合災害救助法が発動されて、その予算なら予算が出た場合に、その予算の中には今言ったような水防団員災害補償というものも含まれるべきものか、含まれておらないものか、伺いたいと思います。
  92. 米田正文

    政府委員米田正文君) 御承知のように、大水害の場合には災害救助法が適用になります。しかし、その中には消防関係あるいは今度整備されました水防法関係のものはこの対象に含まれない、除外をしておる、こう考えております。
  93. 湯山勇

    ○湯山勇君 この災害救助法で災害救助に出動した者のたき出し、そういうものはあの中に入るのではありませんか。
  94. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは水防事務そのものと区別されて、一般災害救助という問題になりますので、今お話しのように、一般避難者に対するたき出し等は、これはもちろん災害救助法の中に含まれております。
  95. 湯山勇

    ○湯山勇君 今、ちょっと違いますので……その災害救助に出動していって護岸をやるとか、そういった者に対するたき出しは入るのではありませんか。
  96. 米田正文

    政府委員米田正文君) 私どもの今の建前といたしては、水防団として水防管理者が行動をした場合については、水防費という費目で支出していく、それ以外の一般避難者についてのものは災害救助法と、こういう分け方をいたしております。
  97. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 大蔵省から原主計局次長が見えられております。
  98. 田中一

    田中一君 これも締めくくりで建設大臣に御答弁願いたいと思います。第三十二条の二、受益者負担の問題ですが、これは先般から、前回の委員会でも河川局長、困難です、困難ですというお言葉ばかりだったのです。これは実際に、具体的に、市町村では迷惑がっておるのです。とてもたまりませんと、いたずらに地方の末端に紛争を起すばかりです、こういって嘆いておるのです。どうしてもこれは困ると言っておるのですね。そこで、そうしたことのないような措置というものは、ただ都道府県知事のあっせんだけでは解決されるものではないのですよ。たとえば、前に伺ったように、水防活動に基く費用負担ということになりますと——範囲はなるほどわかりました、管理者が発動し収拾するまで、それをとめるまでは範囲とする。この費用は莫大なものになるのですね、一ヵ月、二カ月になります場合には。そういうものを事実において、アイデアとしては大賛成なんですが、実際において具体的に町村負担させるということが私は非常に困難だと思うのですよ。  そこでもう一ぺん伺いますが、町村はそうしたトラブルを末端で起さないように、政府はあらゆるケースを想定して、受益者負担の基準を——範囲とそれから行動のケースですね、それから地価とか作物とかいうものの評価、そうしたものも妥当なる線で基準を示して、そうしてなおかつ、ただ都道府県知事だけにそれを頼むのじゃなくして、自発的に別個の審議会、審議委員といいますか、評価委員といいますか、そういった機関でも設けるような措置を政令でおとりになって、あるいは省令でもけっこうです。何かただ都道府県知事だけのあっせんでもってこれが決定するという——「協議」になっておりますけれども、決定するのじゃなくて、何とかそのような町村が困らないような形のものを打ち出すということができるならば、その点を一つ明らかに速記録に残しておきたいのですから、大臣の御言明を願いたいと思います。
  99. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) この点は、今度の立法が従来の沿革や制度を根本から無視し改めるという建前のものではないと心得ておりまして、現在までの歴史的な制度をだんだんと合理化していく。その中には、先般の御発言もありましたように、時代の変化に伴って地域の変更等も起って参りましょうし、負担のかけ方等の合理的な調整等も起って参りましようが、これはいずれも現実の問題でありまして、法律建前としては、今田中委員お話のように、一応川の管理者は知事でありますので、建設省としてもできるだけそれらの調整に向って、指導と努力を惜しみませんけれども、法の建前上知事がすべての河川の管理者である以上は、知事にこれらの裁定をしてもらうものという建前で法を考えておりますわけでありますから、実際の運営の面におきましては、今の御心配のないように、法律ができてもことさら紛糾をいたすというようなことは少しも予想をいたしておりません。しかし何と申しても、負担がかかれば文句が出るという事実はこれは避けられませんが、これは必要の場合にはできるだけ理解してもらいまして、急激な負担の増加とか混乱等はもとより予想しておりませんから、できるだけ御趣旨に沿うようにわれわれも努力をいたしますし、府県知事をしてさような努力をいたさせるつもりであります。
  100. 田中一

    田中一君 それから原君に、大蔵省に伺いますが、今ここで水防法災害補償負担について非常に論議をやっているのです。われわれは、これは大蔵省はほかの方に金を持っていって、そうして人命に関する大きな災害の場合ですよ、水防団員その他の者が挺身して命を落すような場合、あるいはかたわになるような場合に、補償しようというような改正案を審議しているわけなんです。そこで、建設大臣もこれは治山治水の当面の責任者として、非常に努力して仕事はさせる、なおかつそうしたものに挺身する者の生命財産を少しでも、安心してやらせようというところにねらいがあるのですけれども、どうも大蔵省が治山治水を忘れちゃっているのじゃなかろうかと、こう思うのです。高度の水防というものは結局治山治水なんですね、高度の水防というものは。これなくしては、末端においてはどういう水防組合ができようと何しようと、それはもう一つの小さい現象にすぎないのですね。大きな問題はやはり国が国費を相当投入してやらなければならないと思うのです。どうもそうした面で、ほかの農林大臣にしても、建設大臣にしても、みな苦労しているのをよそ目に見ているような形が大蔵省にあるのですがね。これは今まで予算委員会その他でもってあなたもずいぶん答弁しておられますから、もう大蔵省の御意思というものはきまったでしょうから、その点についてどういう考えを持っているかという点を、一つ御説明願いたいと思います。
  101. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 水防法改正に伴いまして、特にその補償を命じました市町村負担について、財政的な手当をやってほしいというお考えでございますが、われわれもこの財政全般の見地、ないし補償に関する全般の見地から、できるだけのことはいたしたいと思いますけれども、ただ何でもかでも国が持つというわけにも参りませんので、事柄によってやはり分けて参らなければならぬということであろうと思うのであります。そういう意味で考えますと、水防は国の大事であります。と同時に、少なくともそれと並行していわゆる郷土的な、共同社会的な面があるというふうに思います。そこで、そういう意味で市町村補償いたしますのは、国に言いつけられたから国のかわりに補償するのだという考えでなく、やっていただきたい。それは財源問題で言いますならば、一般財源でやっていただきたいという考えであります。  なお、一般財源でやることがあまりにもえらい負担であるというような場合に、国が見て見ぬふりをすることはいけない。これは何も補償だからという問題でなくて、やはり財政上の需要額と地方財源額とのバランスにおける問題になるというふうに考えております。本件におきまする所要額は、従来の実績、二十五年度から二十八年度までの実績を私ここに表で持っておりますが、一番多い年でも、負傷、死亡を通じて支給額が、水防消防を通じまして、一番多い年で五百万円ちょっとでございます。このうち水防団員水防関係の分は、推定でございますが、おそらく一割程度であろうというようなことでございますが、ただいま申しましたような趣旨から、またこの所要額の大きさからいうて、地方財源でやっていただくように御努力願うということで一応はよろしかろうと。ただ、特定のある市なり村なりに非常に多額の負担がかかったという場合には、また一般財源補給の問題として、いろいろな制度がございますから、そういう面でおそらく主務省と自治庁との間に交渉がありましょうし、そういう場合にわれわれもわきから、何と申しますか、それのできるように応援するような気持を持っていることはもちろんであります。
  102. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 私からも原次長にお伺いしたいのですが、今のお話は一応わかりますが、水防法の一部改正のねらいとするところは、水防の強化、整備をねらいといたしまして、それに随伴してこの改正が行われるのですが、事態は終戦以来今日まで、直轄を別にいたしまして、府県災害だけでも、資料を取りますと、現在の物価指数にいたしましても八千三百四十七億に達しております、府県災害だけで。これは建設省関係だけで、これに国の災害を入れましたら、おそらく一兆五千億程度に行くだろう。これに農林省を加えますと、少なくとも二兆を下らない。これに民間のを加えますと、三兆、三兆を突破するのではないか。これは十年間の損害の実績です。この線に沿いまして治山治水対策の完全実施が叫ばれているわけですが、どうも思うように財政困難のためにその手配ができませんで、現実の姿では、かように八千億以上の金を投じましても、現在の段階では、本年の予算が通りましても、二十八年度災害のごときは五五%しか仕上らない、二十五年、六年、七年は七七%、二十九年度は四七%、かように残っておりまして、これらのものの総額が約一千億残っている。これが本年の災害等に直面いたしまして、増加していくわけです。災害が激化していく。これを防ぐために方法はないものですから、物心両面から水防活動を活濃化して、そうしてこの損害を軽減しようというねらいであると思います。こういう大きな国土防衛の第一線に立つ、しかもほんとうに身を捨てて、数昼夜にわたって暴風や雨中を冒し、暗夜戦い抜く水防団員、この水防団員補償をする場合に、単にわずかなことであるからというようなことで、末端の市町村あるいは小さな水防管理団体災害補償の完全を要求するという法案を出しましても、これは非常に無理だと私は思う。むしろこれは国があけて国土防衛の立場から、防衛庁の経費と同じように私は考えていただきたいと思うのです。その観念がなければ、災害は絶対に防除できないというように考えられるわけです。  今のお話を聞きますと、五百万円程度だから、一割で五十万円だというお話ですが、それは水防活動の士気高揚ということもあると思います。あるいは町村がこれらに対しまして、公務災害の一端としまして助成いたしましても、金がないものですから、財政困難なものだから、仕方がなくて、見舞程度で済ましているのじゃないかと思う。決して五十万程度のもので水防の死亡、負傷に対する手当がまかなえていくとは思えない。それがために泣いているところの犠牲者、いわゆる公務災害をこうむった方々の苦悩がどれくらいあるか想像いたしますると、この水防法がねらっておりますように、国ができるだけ厳格に、少いとかなんとかいうことは考えませんで、大災害を未然に防止し、軽減するという建前から、これに率先して活動する水防団員に対しては国家はできるだけの手を差し伸べて、これらの援助に完璧を期すべきじゃないかと思う。  これが結局、災害防止の根本をなす基本的な考え方でなくちゃならないと思うが、どうも、ややもしますと、本年の災害関係に関して政府の盛りました予算も、昨年度よりふえておりません。災害は年々激増して参ります。災害亡国を私は憂えているくらいですが、それには治山治水費を、思い切った予算のつけ方をしていただく。ことに直轄河川のごときはわずかに二千四百億あれば、現在やっております七十六本の直轄河川の全部改修が済む。一年間に二千億、三千億の災害が起きているのに、この二千四百億程度で……。直轄河川に対する予算の措置は、わずかに百億程度のものしかない。二十年かかるだろう、二十五年かかるだろうというような予算のつけ方です。こういうことでありますならば、私はこの水防法ができましたら、おそらく今のこの法律が実施されまして水防精神が浸透して参りますれば、犠牲者は必ず出てくると思う。  特に申し上げたいのは、末端の水防管理団体あるいは町村等がこの公務災害の責任を負うということになっておりますが、大ぜいの犠牲者が出る所では非常に災害が多いのです。この公務災害に全力をあげるほどの余地はないと思う。他に非常な災害がその土地においては起っている。家は流され、あるいは田畑も荒廃に帰しというような状況に追い込まれてしまう。そこに犠牲者がたくさん出てくるというので、そこへ持ってきて単一の町村なりあるいは町村組合、あるいは漂たる水防管理団体に、公務災害の完全補償をさせるという義務づけをするということは、私どもは何にもあたたかみがないように思う。  そこで、この報賞の問題になりますが、報賞という言葉でございますが、この報賞という文字自体がすでに語っておりますように、「ほう」という字は「報」という字を使って、「しょう」という字は「賞」という字を書いてある。これは国家補償とすべきであるけれども、今の段階では国家補償が多くなって困るというので、こういうふうに書いたのではないかと思います。「ほう」という字がこういう字を使ってあります以上は、私どもは単なる報賞とは思いません。ある程度の予算の裏づけもあるようでありますが、そういうような観点から、この法律を実施する場合に、この法律がねらうところの、水防精神の浸透をはかろうとするねらいがあるならば、この報賞における予算措置が、先刻来質疑をしておりますが、約三十五万円出ております。ほんとうにわずかなものであります。しかしながら、三十五万円という金は決して紙代ではないでありましょう。ある程度のお見舞金は含んでおると思うのです。  そこで、この立法の精神は私ども非常に賛成なんですが、災害防除のための余儀ないところの水防法一部改正と思いますので、この法律の趣旨には賛成なんでありますが、政府においては、特に大蔵省におかれましては、この点御勘案を願いまして、公務災害の場合あるいは一般普通災害の場合に、その町村あるいはその水防組合が非常な災害をこうむったがために十分なる補償ができないというようなことがありましたらば、ある程度思い切ったこの報賞の名前において助成をしていただく必要があるだろう。その心組みがなければならないと思うのですが、とれに対する大蔵省側のお考えをこの際伺っておきたい。
  103. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 基本的な考え方といたしましては先ほど申し述べた通りでございますが、同時に、その際申し述べました通り、ただいま委員長お話のありましたような特定の村なり町なりに非常にできごとが多かったというような場合に、できるだけの手を尽すということにつきましては、全くお気持の趣旨の方向とわれわれも同じ気持でやって参りたいと考えております。
  104. 田中一

    田中一君 報賞の問題になりますが、ちょっと伺いたいのですが、警察、消防の方の方にも聞いていただきたい。この報賞制度といいますか、こういうものはどの立法例を見ても出てこないのです。それで、私はどうもこういう形のものは、もしも実際にしなければならないのなら、褒章条例と同じように、単行法であるいは作るべきだという考えを持っておるのですが、水防団にだけこのような形のものが出るということにつきましては、警察並びに消防の方ではどういうような感じ方を持っていらっしゃいますか。  この報賞に含まれている内容というものは、省令でこのようにきめるそうです。お手元にないと思いますから読み上げますが、  一、水防法第三十四条の二の規定による報賞は、この省令によって行うものとすること。  二、報賞は、建設大臣が、都道府県知事の推せんに基き、賞状を授与して行うものとすること。  三、報賞を行うに当っては、記念品を賞状に添えて授与することができるものとすること。  四、報賞を受ける者が、当該水防により死亡した者であるときは、その者の遺族に対し、十万円を限度として報賞金を授与することができるものとすること。  五、報賞を受ける者が当該水防により不具廃疾となり又は負傷し、若しくは病気にかかった者であるときは、その程度に応じて相当報賞金を授与することができるものとすること。  この五つの点を省令できめようとこういうことになっております。その額は三十六万円だそうであります。本年度予定しております、予算に組み込んであるのが三十六万円だそうです。  この同じような類似の用語のある法令の例としては、憲政功労年金法、それから警察法の第七十条「警察職員の礼式、服制及び表彰に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める」というもの、それから地方税法に税を完納した者には報奨金を交付するというゆき方、それから遺失物法の「百分ノ五ヨリ少カラス二十ヨリ多カラサル報労金ヲ拾得者二給スヘシ」という法律ですが、そのほかに現存する褒章条例、これだけあるそうです。  そこで、水防団体に対してこのようなことが法文化されることにつきまして、あなたのほうで所掌する警察官あるいは消防団員の諸君はどのような考え方を持つか、またあなた方はそれを所管する長として、これに対する感じ方を伺いたいと思うのです。
  105. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) ただいまの御質問に対してお答えいたしますが、御指摘のように、警察といたしましては、警察法の七十条に基きまして、警察表彰規則というものを国家公安委員会の規則として制定いたしております。これは種類が二つありまして、警察官で特殊の場合に表彰を受けるものと、警察官でない、警察に対しまして部外の方がいろいろと協力していただきました場合に、それに対して授与するものと、大別して二つあるわけであります。今回のこの水防法の一部改正によりまして、水防関係につきましてもこういう功労のある方々に報賞制度が設けられるということでございますが、私どもといたしましては、特に水火災その他災害変事におきましていろいろと力を合せてやっているものでございまして、こういう制度水防関係にできましたということによりまして、私どもといたしまして非常に、警察官あるいは警察に協力していただいた方に対する取扱いの関係上、困るということは今のところはないと考えております。
  106. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 水防団員とよく似たのは御承知のように消防団員でありますけれども、消防の方といたしましては、ただいま警察の方でお話がありましたように、警察官の非常な挺身、抜群の功労というような場合にああいう表彰制度がありますので、大体それに準ずるような運び方を地方に奨励して参っております。御質問水防団員報賞金というような、建設大臣という国の代表者が何がしかの報賞をなさるということは、別に今消防の方で問題として困るとかいうふうな問題はないと思います。
  107. 田中一

    田中一君 同じ地区の同じ地点の水防活動に挺身した消防団員水防団員とが、同じようにやって、そうして水防団員はほうびをもらう、消防団員はほうびをもらわなかったという場合を想像するときには、どうお思いになりますか。
  108. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) この報賞金に関します条項は、ここに条文で明らかなように、水防で活躍なすった方に対しまして政府がその労に報いる、そういった気持の現われでありますので、消防団員でありましても水防に活躍した人がかような報賞金を受けるということでありますので、受けなかった消防団員、受けた水防団員というととは、水防に関します限り、一応ないというふうに了解しております。
  109. 田中一

    田中一君 この法律が成立しまして、こういう制度が法文で明らかになった場合に、消防法にもこれと同じようなケースの条文を議員提案で出した場合には、あなたの方は賛成いたしますか、どうですか。
  110. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 国としてかような報賞金というふうなものの制度消防、いわゆる水防でない消防の方にも御考慮いただくことに対しましては、私の立場といたしましては賛成でございます。
  111. 田中一

    田中一君 じゃ、警察の方に伺いますが、警察官に対しましても、法律で明らかに、警察法の中にこのような法律で明らかに条文を入れるような改正案を議員提案で法律として出した場合には、それに対して賛成いたしますか、反対いたしますか。
  112. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) これは警察官としての警察活動についてでございますか。
  113. 田中一

    田中一君 ええ。
  114. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) 御質問の点は、私といたしましては、大体ただいまの警察表彰規則でカバーできるのではないかと考えております。なお、具体的な御提案によりましてお答えをさしていただきます。
  115. 田中一

    田中一君 原次長に伺いますが、この三十六万円の報賞に対する予算というものはどこに入っておりますか。それで従来は、この成文化する内容の金というものは、二十九年度にどこに入っておって、幾らであったか。同じ性質のものがあると聞いておるのですが、どうなっておりますか。
  116. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 警察本省の方に入っております。
  117. 田中一

    田中一君 それでは、その使途はどういう形になって使われておりますか。前年度は幾らでありましたか。
  118. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 前年度額は四十五万円。使途は、この表彰対象が団体である場合は記念品、個人である場合は功労章ないし殉職の見舞金というような形で計上しておるのであります。
  119. 田中一

    田中一君 そうしますと、前年度は四十五万円、この第三十四条の二と同じような目的で使っておった金が予算に計上されておった、それが本年度は三十六万円になった、そうしてそれを法文化するというのが今の提案した形でございますか。
  120. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 大体そうでございます。
  121. 田中一

    田中一君 四十五万円が三十六万円になったということは、昨年度は四十五万円使えなかった、使わなかったというところから、三十六万円に減ったものですか、どっちです。
  122. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 実績等を参酌して毎年の予算を組んでおりますので、実績の動きによったものと考えます。
  123. 田中一

    田中一君 建設大臣に伺いますが、今昨年度四十五万口計上したところの予算が、実績等を勘案して、三十六万円が本年度は妥当であるという見解で組まれたと言うのですが、この点は御承知でいらっしゃいますか。
  124. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 予算のことでありますから、一応さように考えて間違いはなかろうと思います。
  125. 田中一

    田中一君 今消防並びに警察の方も続いて伺うと、この報賞制度は望ましいという御意見、それから警察の方では別の面でこのようなことを行なっておるというような御答弁のようですが、警察の方ではどういうところに、どういう形でやっておるのですか。それでそれは法律できめているのですか。この今の第七十条の国家公安委員会の規則というものは、どういう形になっておりますか。それからその金はどういう形で予算に計上されておるのですか。
  126. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) もとは警察法の第七十条でございます。それに基きまして国家公安委員会の規則を作りまして、警察表彰規則というのがございます。で、この表彰の種類は、先ほど言いましたように、警察官に対するものと部外の御協力をいただいた方に対するものと、二つの種類があるわけであります。  警察官に対しますものは、これは種類を申し上げますと、警察功労章、警察功績章、賞詞、賞状——賞状というのはこれは団体、部隊ですね。警察署というようなそういう団体、部隊に対して賞与する。それから賞与、これは賞詞よりも軽いものに対するもの、大体これが警察に対する表彰でございます。これらのものの表彰には賞金その他の副賞をつけることができるようになっております。  それから警察協力章と感謝状というのがございまして、これは警察に御協力を頂いた部外の方にに対するもの、たとえば犯罪の予防、鎮圧、捜査、被疑者の逮捕、人命救済、水火災その他の災害または変事における警戒、防護、救護、あるいはその他まあ警察あるいは警察職員に御協力をいただいた方で特に顕著な功労があると認められる方に贈っておるのであります。感謝状はそこまでいかないが、やはり功労があると認められる部外の方に贈っておるのであります。  予算は警察関係の予算の項目の中に計上をされております。
  127. 田中一

    田中一君 今どのくらい、二十九年度、三十年度どのくらい……。
  128. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) きわめて正確なことを覚えておりませんが、数百万円じゃないかと思いますが、報償金として計上されております。
  129. 田中一

    田中一君 そうすると、三十六万円の財源をもって——法律に掲記せず、数百万円のものはお手盛りで何でもできるようになっておるということなんですね、結局。お手盛りというのは自由裁量でできるということなんですがね……。
  130. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) 金額の程度でございますか。
  131. 田中一

    田中一君 そう。
  132. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) この殉職若賞じゅつ金という制度がもう一つございます。これを御説明申し上げておきます。賞じゅつ金といいますのは、これは警察職員が危害を加えられ、または災厄をこうむることを予断できるのにかかわらず、これを顧みることなくその職務を遂行したことに基いて災害を受け、そのため不具廃疾となり、または死亡したような場合に、警察功労章、警察功績章というようなものを授与される場合において与えられる。すなわち死亡したあるいは不具廃疾になったというような場合に与えられるものであります。これは規則におきまして、国家公務員の災害補償法の規定に準じまして細目が定めてございます、そういう賞じゅつ金につきまして。それから表彰の副賞のようなものにつきましては、規則等におきまして基準は定めておりません。予算の範囲内において処置しておる、こういうことであります。
  133. 田中一

    田中一君 死亡の場合には最高どのくらいになっておりますか。
  134. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) 抜群の功労があり一般の模範となると認められるもの、これは最高百万円でございます。
  135. 田中一

    田中一君 消防の方でもそういう内規というか、規則がございますか。
  136. 瀧野好曉

    説明員瀧野好曉君) 消防は、御承知のように、警察などと違いまして、市町村の運営でございますので、市町村条例でかような警察に右へならえしたような、準ずるような条例ですね、市町村の賞じゅつ金条例というふうなものを作らせるように指導して参っております。中身は大体警察の立て方と同じような考え方で、それは賞じゅつ金制度というのは特殊な、先ほどのおっしゃったような、まことに災害をこうむることが当然予想されるような場合にあえて挺身殉難する、不具廃疾になるというようなまれなケースの場合にそれに適当した賞じゅつ金を支出するがごとき制度を立てるように、私たちの方も市町村に対して指導奨励して参っております。
  137. 湯山勇

    ○湯山勇君 警察の方ですね、報償費というのは該当件数は大体どれくらいですか。というのは、先ほど数百万とおっしゃったのですが、本年度報償費というのは二千八百八十万円ですが、そうすると、件数は大体どれくらいのお見込みでしょうか。
  138. 山口喜雄

    政府委員(山口喜雄君) まあその年によりまして非常に違いますが、犯人逮捕やなにかで死亡するという例は、年にいたしまして十件以上はございます。
  139. 湯山勇

    ○湯山勇君 大蔵省の方へお尋ねしますが、まあ十件程度の殉職者がある。で、今のように二千八百ちょっと……二千九百万。それにしますと、この水防の方はせっかく法律ができたのに、前年度より低い。しかも一件——まあ一件というわけじゃないでしょうけれども、とにかく三十六万円というものはいかにも少いようですが、これはもしこの額の増額の必要があった場合、そういうときには大蔵省として何か御考慮の余地があるのでしょうか。
  140. 原純夫

    政府委員(原純夫君) 警察が自分の持っている組織の内部でいろいろ仕事のために死んだという場合に、国がその組織の主体として見舞以上の考えを持って金を出すということになると思います。水防の場合は、やはり先ほど申しましたように、郷土的な団体のこれは機能として考えられておるわけであります。従って、それの見舞と申しまするか、そういう措置は、まず第一にはそういう団体がやる。従いまして、ただいまの単価、まあ最高百万円というお話がございましたが、これを国の出します国からの見舞とすぐに結びつけてお考えになるのは、ちょっと事由が違うというふうに思いますのですが、まあそういう点を考えた上で、権衡についてはいろいろと御意見も出るでありましょうし、われわれも随時研究はいたさなきゃいかんと思います。これは私ども長くいろいろな権衡を見てやってきておりますので、ここにこまかい資料を持ち合わせておりませんが、権衡はとれておると思っておりますけれども、実際に権衡が間違っておるということでありますれば、だんだん直して参るというふうにいたしたいと思います。  まあ直して参る場合に、その財源をどうするかというような問題につきましては、やはりそういう制度的に変えるのは年度を区切ってやるというのが当然だろうというふうに思いますが、そのほか災害が非常に多いというために死傷者がよけい出たという場合の措置としては、これはまあ予期すべからざる事態によってよけいの死傷が出て、補償が要るということになりますから、予備金支出を考えて差しつかえない事態であるというふうに考えておるのであります。
  141. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 暫時休憩いたします。    午後零時二十四分休憩    ————・————    午後一時五十七分開会
  142. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ただいまから委員会を再開いたします。  午前に引き続きまして、水防法の一部を改正する法律案質疑を続行いたします。附則の1から十二ページの最後までを一括審議をします。  質疑のおありの方は逐次御発言を願います。
  143. 湯山勇

    ○湯山勇君 ちょっとお尋ねしておきたいのですが、建設本省の予算の中に、公務災害補償費というのが六十八万四千円組まれておるのですが、公務災害補償費というのはこういう水防活動なんかには使えないのでしょうか。
  144. 米田正文

    政府委員米田正文君) この建設本省の中にある公務災害補償は、これは建設省の身分を持っております職員が傷害を受けた場合の補償費でございまして、これは水防によって事故を起しましても、あるいは他の道路事業を見にいって事故を起しましても、全体としての職員の補償の経費でございます。
  145. 湯山勇

    ○湯山勇君 これには別に基準とか規定というものはないんでしょうか、補償の。
  146. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは国家公務員全般に適用する災害補償の規定がございますから、これによって実施いたします。
  147. 田中一

    田中一君 この三十五条の二ですが、「勧告及び助言」というのを一つ質疑が残してあるんですが、よろしいですか。
  148. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 一応それは済んだつもりで附則の審議をやっておりますが、しかし……。
  149. 田中一

    田中一君 「勧告及び助言」というのは質疑していないのですが……。
  150. 石川榮一

    委員長石川榮一君) この前上程いたしましたのは最後まで……。
  151. 田中一

    田中一君 「報償」だけでしょう。
  152. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 「報償」から最後まで上げてあったのです。ですから……。
  153. 田中一

    田中一君 午前に引き続き、この条文の質疑をしていいのですか。
  154. 石川榮一

    委員長石川榮一君) いいでしょう。
  155. 田中一

    田中一君 この第三十五条の勧告及び助言というのは、従来ともに建設大臣は出しておった例はないのですか。それとも、あったけれども、それを今度は成文化しようというつもりのものなのですか。
  156. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 今の後段の趣旨に御理解をいただきたいと思います。
  157. 田中一

    田中一君 勧告及び助言は、たとえば三十二条の二の受益者負担というものに対しましても、勧告及び助言はできますか。
  158. 米田正文

    政府委員米田正文君) これはもちろん、今の御趣旨のようにこれにも適用いたします。
  159. 田中一

    田中一君 ここには、受益者負担のところには知事のあっせんということがあるわけですね。それで、あっせんという問題と、ここにある勧告及び助言ということの強さの問題ですがね。あっせんというのは、相互の間の橋渡しをすることがあっせんだと思います。あっせんすることよりも、勧告及び助言の方が強いわけなんですね、結局。そう私は解釈しますけれども、そうしてなおかつ勧告及び助言というものに対しては、受ける方の側はどのように受け取られ、また解釈をしたらいいのですか。
  160. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 先ほどの負担の問題は、言葉はどっちが上か下かということよりも、実態が知事のいわゆる所管事項内、内輪の問題でありますから、この場合はやはり知事がやることの方が第一順位でありまして、それに必要な勧告または助言を行うというふうに考えておりますが、全般を通じて、勧告及び助言はいわゆる勧告及び助言でありまして、これは強制力を持っておるとは考えておりません。
  161. 田中一

    田中一君 水害予防組合法にはこうした意味の勧告及び助言ということ、並びに水防法には、そういう点は今まで明記していなかったのですか。
  162. 米田正文

    政府委員米田正文君) 従来大臣水防管理者に対する、あるいは水防に関して都道府県知事に対する勧告及び助言等は、何らの条文はございませんでした。今回ここにあげてあります三十五条の二は、おおむね現在の消防法建前によりましてこういう条文を今度は入れたのでございます。
  163. 田中一

    田中一君 受け取る方は、これは強制力はないという御説明ですが、勧告及び助言でものが解決されない場合、どういうそれ以上の方法を考えて、事態を収拾するというようなことはどう考えておられるか。
  164. 米田正文

    政府委員米田正文君) これはもはやこの法律外の問題として扱いたいと思っております。この法律建前は、この法律そのものが水防の責任は水防管理者にありというところに原則をおいておりますので、法としては建設大臣は勧告助言の程度になりまして、それ以上に必要なものは行政運用によって適当な措置を講じたいと考えておる次第であります。
  165. 田中一

    田中一君 附則の十四条の二の2ですが、前段において、前段といいますか、前の十条の四のときに、大体気象台は十二河川を現在協力するということを建設省で約束しておる、こう言っておりますが、この十条の三項に盛られた河川を伸ばす、数をふやすというような方途が考慮されておるのですか。
  166. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは逐次各河川の洪水予防施設の整備に伴いまして、漸次増加をさしていく予定にしております。
  167. 田中一

    田中一君 附則の4ですね。4の場合を説明してもらえませんか。
  168. 米田正文

    政府委員米田正文君) これについて、じゃ、国宗説明員から御説明申し上げます。
  169. 国宗正義

    説明員国宗正義君) 附則第十四条の二の第四項について御説明申し上げます。「第二項の規定により中央気象台が建設大臣と共同して予報及び警報をする場合における建設大臣については、第十七条及び第二十三条の規定は、適用しない」とあります。  気象業務法第十七条と申しますのは予報業務の許可に関する規定でございまして、「中央気象台以外の者が気象、地象、津波、」今回改正せられまして「高潮、波浪又は洪水」の「予報の業務」「を行おうとする場合は、運輸大臣の許可を受けなければならない」ということになっております。この運輸大臣の許可の規定を適用しないという意味でございます。  同じく気象業務法第二十三条の規定は「中央気象台以外の者は、気象、地象、津波、」今回改正せられまして「高潮白波浪及び洪水の警報をしてはならない。」警報の禁止の規定がございます。この警報の禁止の規定をも建設大臣が中央気象台と協力して予報及び警報をする場合は、この規定を適用しないという趣旨でございます。
  170. 田中一

    田中一君 第十七条と第二十三条はこの水防法の第十七条、第二十三条でしょう。
  171. 国宗正義

    説明員国宗正義君) この附則の第十四条の四項に規定されております十七条及び二十三条というのは、気象業務法の第十七条及び第二十三条のことでございます。
  172. 田中一

    田中一君 気象業務法の第二十三条ですか。
  173. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) それは附則の2というのが、以下気象業務法の改正というやつでずっと列記してある事項ですから……。
  174. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 御発言ありませんか。
  175. 田中一

    田中一君 北海道開発法に、これは一号を加えるのですか。
  176. 米田正文

    政府委員米田正文君) これは北海道開発法の中に、今度は北海道開発局は水防事務建設大臣の指示のもとに実施をいたしますので、開発法の中に、この所管事項として一項目入れることになったのであります。
  177. 田中一

    田中一君 これは建設大臣が指示するのですか。
  178. 米田正文

    政府委員米田正文君) そうです。
  179. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  180. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記をつけて下さい。  他に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めまして御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  181. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 御異議ないと認めます。  それではこれから討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにして、お述べを願いたいと思います。
  182. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 私は、最近非常に水害がふえてきた、水防活動ということはますます重要になってきたと思うわけでございます。今回政府水防法の一部を改正するということをやられたのは、その事態を認誠されたというようなわけでありまして、われわれといたしましては、この法律改正を一応了承するわけであります。しかし地方実情というようなことも考えまして、私は次のような要望を付しまして、賛成するものでございます。  まず第一が、公務災害補償、それから水防法第十七条により水防に従事した者に対する災害補償でございますが、これは水害予防組合会の議決または市町村組合市町村の条例をもって損害補償をすることとしておりますが、こういうような犠牲を生ずる水害は、従来の経験によりますと、大てい僻陬の地に生じまして、弱小なる予防組合または市町村をもってしては、その補償負担にたえ得ないというような実情であります。また地元の負担能力に従いまして、補償額に公平を失することも生ずる可能性がある。よって政府は、これら災害補償に関して適切なる指導及び国家財政による負担考慮し、右のごとき事態を生ぜざるように処置せられたいということが一つでございます。  その次には、報賞の問題でございますが、報賞に関しては、これは一歩前進たることを認めますが、政府はこれにつきましても十分なる財政措置を講じて、精神面だけでなく、物質的にも報賞の実をあげられたいということでございます。  それから第三として、水防費用の補助については、施設のみを対象としておりますが、水防費において資材費がその大部分を占めるわけでございます。かつ、資材なくしては水防活動の不可能なる点にかんがみまして。資材に関しても十分なる国庫負担あるいは補助の道を講ぜられたいということでございます。  われわれはさようなことを要望いたしまして、賛成するものであります。
  183. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 私は、この法案は今までに比べて一段進歩したものと認めます。ただし、この法案の中に盛られております「利益を受ける市町村費用負担」については、これは非常に慎重に検討してもらわぬと、かえって弊を招きますから、この点特に法の運用上御注意をお願いいたします。
  184. 湯山勇

    ○湯山勇君 私はこの法案に対しまして、次のような要望を付して賛成いたしたいと存じます。  すでに各委員から御指摘がありました点は重複を避けますが、それらの点については、同様十分なる措置を要望いたしたいと存じます。  さらにそのほかに、この法案の審議の過程において明らかになりましたことは、建設省と気象台とで、用語の概念等に相当食い違いがあるように感じます。もしこれをこのまま放置するならば、せっかくの水防活動にも支障を来たすおそれがありますので、十分な連絡をとって、そういうことのないように善処願いたい。これが第一でございます。  第二は、本年度予算を見ましても、この法案で重視している洪水予報施設については四百万円の減額になっております。さらにまた本法で規定されました水防施設に対する補助にいたしましても、前年に比べて三百七十幾万の減になっております。こういうこと、並びに水害対策全般に後退が見られるような本年度の予算状況におきまして、このように水防活動のみを強化する法案を実施した場合には、この運営を誤まる場合には人命軽視というような危惧さえも生ずるおそれがありますので、この法案を適切に実施する前提としては、予報施設なりあるいは水防施設の補助なり、さらに根本的な水防対策についてさらに一段の強化が必要でありますので、この点につきましては十分御考慮の上善処を願いたいと存じます。  以上要望を付して、本案に賛成をいたします。
  185. 田中一

    田中一君 従来の水防法の欠点を、ことに団員ならびにこれに努力する土地の者たちのための災害補償制度の盛られたことに対しては、全く賛成でございます。同時に、かずかずの賛成する点、またわれわれが審議の過程において大臣質疑をし、またその答弁においてわれわれが納得するような線が大体見られるような状況でありますので、これを十分われわれは今後の運営について監視をするつもりでおります。従って、精神としてはまず賛成するつもりでございます。  ただ、この運用につきましては、受益者負担の問題、あるいは報賞の問題等、相当大きな障害があるような点が多々ございます。ことに、先ほどの質疑の間におきましても、消防庁あるいは警察庁その他同種類の現業、生命を賭して職務を遂行するところの現業員がございます。これらと不公平のないような扱い方をするように進めていただきたい。ことに、報賞制度につきましては、これが単に水防法の上にのみこの規定をとどめるだけでなく、他の類似法案の中にもこのような形を織り込むようなことができないならば、近い機会に単行法としてそのような困難な仕事に携わるところの団員たちのために考慮するようにお取り計らい願いたい。  私は重ねて申しますが、この法案に賛成するに当りまして十分に質疑の過程において尽くされたところの答弁を尊重し、かつ実施に対しては責任を持っていただきたい、かように強く要望いたしまして、賛成する次第でございます。
  186. 武藤常介

    ○武藤常介君 私は民主党を代表いたしまして、簡単に賛成の討論をいたします。  水防法が実施せられましてから水防に対する認識が一段と強調されまして、今日重要な施政に対する部面を占めて参りましたが、これが実施いたしてみまするというと、やはり改正の必要を生じまして、その改正が本案によって現われたので、私は本法案の提出は当然なことと存じます。実施に当りましては中央気象台ならびに報道機関等と密接なる連絡をとりまして実施されますと同時に、報償その他の規定等この法の精神を十分に生かして、水防法の一段と完備を期されんことを切望いたします。これをもって賛成の討論といたします。
  187. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 他に討論の御発言のかたはございませんか。——他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めまして御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  188. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。水防法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案の通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  189. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すベきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりまして、これを委員長に御一任上願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  190. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とせられた方々は順次御署名を願います。   多数意見者署名     石井  桂  赤木 正雄     近藤 信一  武藤 常介     小沢久太郎  西岡 ハル     宮本 邦彦  北 勝太郎     湯山  勇  田中  一     永井純一郎  堀木 鎌三
  191. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 今日は、これをもって散会いたします。    午後二時三十二分散会    ————・————