○宮本邦彦君 私は
水防法非常にけっこうだと思うのです。ただ現実の問題として、常にこういう新しい
法律ができても、現実の忘れた問題がむしろ大事なことが多いのではないか。たとえばここにあるこの災害の
補償ということも、賠償までいかなければ、なかなか適切な
活動というか、そういうことが困難になってくるのではないか。先ほど小澤先生から
お話があったのですが、私は
建設省として、この
水防法をお出しになると同時に、もう一段ほんとうは現実の問題をもう少しとらえて、そうしてそれを解決されるようなことをされたら、非常にこの
水害を防ぎ得るのではないか。都城へ実は私行ってみたときに、あそこの発電ダムは県の方の水利権許可のときには、排砂門を開いて年々河床の上昇を防ぐということに条件がついておったんです。ところがあすこの発電所の閘門の排砂門というものはかって開いたことがなかった。一昨年の
洪水のときにまあ開いたということです。そのためにあの下流がその土砂によって非常な災害を受けているのです。私はあの
河川流域をずっと見て回った。で、御存じのように、あのときには地元からあのダムを撤廃しろという運動まで私は起ったように覚えているのです。で、こういう
水防法ができると同時に、この
水防法をより以上強化するためには、私は平常のそういう行政的な実は扱いが案外緩慢になっているというか、まあ発電会社が、今の場合発電会社なんですが、発電会社が実行しない、それを実行させないというようなところにも大きな一つの
欠陥があるんじゃないかというふうに湛えられます。で、これを一つ励行されることと、それからもう一つは、私ここで一つ先ほど私が申し上げましたこの
補償ということを
建設省で将来お考えになっていただいたらいいんじゃないかという気がするもんで、私が考えていることをちょっと申し上げて、そして御意見を承わりたいと思うんです。で、実は、私はこの
洪水のときに一等おそろしいのは、やはり
洪水の山の高くなったときだと思う。で、渡良瀬の沿岸で
建設省が遊水池を重要視されておるのは非常にけっこうだと思うのです。それと同じように、私は今日
日本の国の重要
河川で、上流の方で早くかすみ堤みたいなものを作って、耕地へ溢水されれば
洪水の被害が大きくならないということがみすみすわかっているけれ
ども、おそらく
建設省としてもやりたいんじゃないかと思うのだけれ
ども、そういった場合の
補償の
措置がとれないということで、耕地には溢水できない、あるいは原野には溢水できないというようなことのために、
洪水被害を非常に大きくしているのじゃないか。私は
全国を見て回って、今日
堤防を高めるという仕事はなかなか困難なことである、それから
河川幅を広げるということもなかなかこれは困難なことである。そういうようなことを考えるときに、
場所によっては当然かぶってしまうようなところへ、その
洪水の山を人工的に導くようなことを
計画されると、これは私
洪水被害を非常に低減できるものじゃないか。その場合に、一つ
補償といいますか、そういうような
規定さえできれば、実現できるように思うんでございますが、
建設省は今そういうことをお考えになっておいでになりますか、どうですか。