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国務大臣(
竹山祐太郎君) だいぶそういう御疑問を世間に与えているようでありますが、私の気持は、公庫というものを決して軽く
考えておりません。という
意味は、私はずっと前
内閣まで相当の歴史をもって住宅の中心機関として発達をしてきた公庫というものは、本来の性格がやはり、別の形において申せば金融機関である。将来これは永久に、住宅
建設を中心とする不動産金融機関に発達をすべきものじゃないか。そうしますと、これにあまりいろいろなものをつけ足して、どっちが主体だかわからぬようにするのは、当初作られた方の精神を私は没却をすることになっては相済まぬと思いますから、住宅金融というものを本体にした公庫の発展というものは、どこまでも私はやらなければならぬ。そういう
意味で今度も、御
承知のように、住宅の金融保証は住宅公庫の
一つの
仕事としてこれをやってもらって、これを拡大をしていこう。そうすれば、金貸しのほかに住宅の金融保証というものを合せ拡大をして参れば、
一般金融機関と住宅公庫とが
一体になって、住宅金融というものに全体的な網をかけていく機関に発展をしていくであろうという
意味で、私は、今までいろいろな芽ばえを住宅公庫の中で作ってもらっておりますけれ
ども、大きな大筋を申せば、
政府ができるだけの
財政負担をして、低額所得者に供給すべき公営住宅というものは、まあ希望すべきじゃないかもしれぬけれ
ども、できるだけ安い家をたくさん供給していく。そうして公庫ではできるだけの金融と金融保証によって、一定の所得のある人に住宅を供給する。ただ今
お話の、いかにも融資率を極端に下げたかのような御印象を与えたかもしれませんが、下げたものもありますし、下げないものもあるし、それから土地を持っているものには土地の融通をせぬでもいいというふうに、実際に合うようにいたしたために、変ったところから言えば、いかにも悪くなったように御印象をつけられたかもしれませんが、決して公庫の実体を悪くする
考えは毛頭持っておりません。
そういうことから
考えていきますと、従来公庫で発達しましたところの、進歩したアパートというものを公営でやれることに、それは反対はないのでありますけれ
ども、何しろ金のかかるものであってこの中層、高層アパートというものを公営の
予算で作っていくということになりますと、勢い人情としてりっぱな家の方をたくさん建てたがる。そうすると、低額の小さい家というものはだんだん押されてきはしないか。それだから、公営の方では決してアパートを拒否するわけではありませんけれ
ども、公団のような民間資金を合せたもので相当のアパートはむしろ別口で建てていけば、公営の中でそういうアパートが
一般の小さい家を圧迫するようなことにならぬだろう、こう私は
考えましたので、公営はできるだけ安い家を作る。そこで従来発達しつつあったアパートを公団の方へ移していくということになりますので、従って中心をなす公庫というものについては、何ら私は従来の
考え方を変えないでこれを伸ばしていく。ただ限られた財源でありますので、そういう三つにある
程度バランスのとれた配分をいたしたつもりであります。公庫の方へ非常に金額を増額をしたということにはならなかったことは、これは遺憾でありますけれ
ども、三つのある
程度のバランス、従って公団が非常に将来中心になって何万戸もどんどん作っていくということは、なかなか
財政的にも金融的にも困難であると思いますから、むしろ土地造成とか、東京その他の一番住宅の緊急必要な地帯に、こういう
制度で、
地方財政を極端に圧迫しないようにするために、民間資金を取り入れた公団がこれもお手伝いをするというやり方が、何か
制度をことさらふやすようにも印象づけたかもしれませんが、従来の公営で
地方負担を必ず伴っていくやり方は、これは
道路、
河川も同様でありますけれ
ども、幾らわれわれが熱意を持って
計画をいたしましても、これを受け入れる
地方財政の力がありませんから、ついそれが思うように進捗していないのでありますから、私はやはりそれもやらなければなりませんが、別口でこれを補う
方法を立てなければ緊急の要請にはこたえられないということから、民間資金を相当重く
考えた公団
制度をとったという
考え方でありますので、いろいろこれについては御批判もありましょうから、よく伺いまして、間違った点は決して改めるにやぶさかではありません。