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1955-05-10 第22回国会 参議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月十日(火曜日)    午前十時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 榮一君    理事            石井  桂君            赤木 正雄君            近藤 信一君            武藤 常介君    委員            石原幹市郎君            西岡 ハル君            宮本 邦彦君            横川 信夫君            北 勝太郎君            村上 義一君            湯山  勇君            田中  一君            永井純一郎君   国務大臣    建 設 大 臣 竹山祐太郎君   政府委員    建設政務次官  今井  耕君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省計画局長 渋江 操一君    建設省河川局長 米田 正文君    建設省道路局長 富樫 凱一君    建設省営繕局長 木村 恵一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査の件  (昭和三十年度建設省関係予算に関  する件)   —————————————
  2. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ただいまから建設常任委員会を開会いたします。  昭和三十年度建設省関係予算に関する件を議題といたします。今日は建設大臣が午前中本委員会に御出席になりまして、午後は衆議院の建設常任委員会に御出席予定になっております。なるべく十二時まで、大臣のいらっしゃる間に、御質疑を願いたいと思います。大臣がお帰りになりましてもそこでわずかの時間でしたら、局長等には御質問が願えると思います。そういう意味合において、なるべく大臣の御出席中に、御希望の通り、御質問を願いたいと思います。  今日は竹山建設大臣、八、井政務次官石破官房長米田河川局長渋江計画局長富樫道路局長木村営繕局長等の諸氏が出席しております。これから質疑に入りたいと思います。
  3. 赤木正雄

    赤木正雄君 昨日、三十年度の建設事業の大体のワクは承わりました。私まずお伺いしたいのは、政府減税政策、ことに一兆円のワクということを言っておりますから、あるいは今後事情のいかんによっては、すべてのものの節約とか、あるいは現在の予算でもなお事業そのものは経費を減じてもできはせぬかというふうな考えをお持ちになるかもわからない。そういうことに関連しまして、私お伺いしたいのは、これは前内閣の責任と考えるのでありますが、二十九年度の建設一般予算をお示しになって、その後緊縮財政の結果、災害復旧事業費を除いて、他の事業に対しては一割を節約する。ただし事業量は、労務費資材その他が非常に安くなっている関係上、事業量は初めのものと変らないのだと、そういうことをその当時の建設大臣からこの委員会で承わったのであります。そこで実際、その一割の節約はまた七分に減じられたということも承知していますが、あの七分の節約の結果、初め予算委員会にお出しになった当初の事業そのものが遂行されたのかどうか。と申しますのは、私はこの委員会でもそういうふうに、大蔵省あるいは建設省のお考えになっているように、労務費その他は低下していないから、この一割の節約によって、当初お示しになった予算は遂行できないものと考えるのだと強く言いましたが、いや、それはそうじゃない、必ずできるのだということを、大蔵当局建設当局お話しになりました。そこでこの点を、果して二十九年度の予算に対して、節約の結果、初めに計画された事業はできたかどうか、それを伺いたい。
  4. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ただいまの問題はまことにごもっともな点だと思いますが、何分事務的なことでありますので、私がむしろ総括的に申し上げるよりも、事務当局からなるべく具体的にお答えを申し上げる方が適切かと存じますので、どうぞお許しを願いたいと思います。
  5. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お話通節約ということが、御承知のようにその後三%はまた戻って参り、従って七%の節約になっておりましたが、この分もできるだけ調弁価格引き下げ、たとえばセメント価格引き下げというようなことは実際に行いました。それから入札制度も極力予定価格等を適正にすることによって引き下げるというような努力も払いましたので、ある程度工事量は伸びたというのは事実でございます。まあ見当にしてどの程度かと、こう言われると、どうもまだ困るのでございますが、おそらくやはり二、三%程度河川関係では工事量が減っているのではなかろうかというような見当をしております。しかし実際の結果になりますと、あるいは丁度できたかもしれませんし、あるいは多少の、私が申しました二、三%というのはまだ相違が出るかもしれませんが、ごく率直に私どもの見解を申し上げた次第であります。
  6. 富樫凱一

    政府委員富樫凱一君) 道路事業につきましては、昨年は七%分が緊急就労事業になって、節約はなかったわけでございますが、大体官房長及び河川局長が説明されましたと同様なことでございまして、道路事業につきましては、所定計画は九三%において実行できたものと考えております。ただ集計が今まとまっておりません。ただいま実施中でございますので、数字的にはっきりしたことは申し上げかねますけれども、大体において既定計画が実行できたものと考えております。
  7. 渋江操一

    政府委員渋江操一君) 計画局所管関係につきましても、ただいま全体的の問題としましては、官房長から申し上げたことに尽きると思います。その他、事業執行の具体的な措置の上においては、資材調弁方法、あるいは請負に付された際の予定価格その他の努力積算面努力といったような問題等については、これは河川局長から申し上げたことと大体同様でございます。まだこの一割節約、七%節約の具体的な影響の結果をはっきり、正直に申しまして、つかんでおりません。つかんでおりませんが、現在までのところ、私どもの所管いたしておる関係におきましても具体な、地方その他からこれによって所定事業量が遂行できなかったという具体的な反証をあげて、事実を申し出ている問題もございませんので、大体当初予定した通り事業量の遂行は確保し得るような方向になったのじゃないか、こういうように推察をいたしておるわけでございます。
  8. 赤木正雄

    赤木正雄君 そこで承わりたいのは、昨年度の仕事がまだ完成していないようなお言葉を承わるのでありますが、一体二十九年度の予算は二十九年度内に完成させるべきがほんとうの筋だと思うのです。そこで今のように、もしも二十九年度の予算が実際に二十九年度に使い切れなかったということならば、予算要求をする場合にも、あれほど血眼になって、少しの金でも要求する必要はなくなってくる。そこで私は、その観点から、一体二十九年度の予算が、どの局では、どの課ではどれほど使われて、実際に使われなかった、まだ二十九年度の予算が残っておる仕事は、三十年度にはあるかないか、それを承わりたい。
  9. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 二十九年度予算執行状況でございますが、金を使わずに残っておる、つまり三十年度に繰り越された額のお尋ねだと思いますが、まだこれもすっかりわかっておりません。現在までにわかっておりますところでは、大体公共事業費におきまして十七、八億見当が三十年度に繰り越されたものと、かように考えております。
  10. 赤木正雄

    赤木正雄君 二十九年度の予算を千七、八億まだ残しておるというお話でございますが、それは特別の災害でも起って仕事ができない、またその他いろいろな関係で、特に二十九年度内に二十九年度の予算を使い得なかった。これは特別な場合でありましょうが、筋道としては、私は二十九年度の予算は二十九年度内に使う。そういう年度内予算を使わぬために、大蔵省に強く予算要求をすることができない。こういう結果になって、大蔵省建設省へまだ前年度の仕事が残っておるじゃないか、それに対して三十年度の予算云々と言われても、一つは非常にまずいことになる。のみならず、国民といたしましては、二十九年度の予算はどうしても二十九年度に使うべきである、こういうように思いますのに、今の十七、八億余り残っておると言われることは、以前にもそういうことがあったように思いますが、しかし終戦後特にそういうふうに前年度の予算を繰り越された。これは私は非常に悪いことだと思うのです。この悪習をこの際、大臣において特に是正してもらわぬことには、ほんとう建設省で、どういう仕事に対しても、国民ほんとうの期待に沿うような仕事をしていただくことは、実際期待できないと思うのでありますが、この点を私はいろいろな事情を知っておりますから追及いたしませんが、とにかく年度内仕事がし切れなかった。これはあまりほめたことではありませんし、あまり大きな声ではおっしゃりがたいことと思いますが、この委員会としても、やはり筋道としては、年度内仕事を完成するというのが、ほんとう筋道だと思うのです。そういうことがないから、暫定予算に対しても事業量が少くても云々大蔵省はいろいろなことを言うのです。前年度の仕事が残っておるからいいじゃないかということを言いますから、これはこの際、特に大臣におかれましても、年度内仕事は必ず年度内に遂行するというふうにお願いしたい。  それからなお、ある局においては二、三%残っているかもしれぬ、またある局においては大体遂行できたというふうな話も承わりました。しかしこれは当初二十九年度の予算が成立した場合に、少くとも予算が成立してからその金を方々に使い分けなさるのと違いまして、これこれの仕事をするために予算要求しているというのが本筋と思うのです。ほかの省では予算ができてからその金を方々に分けるというふうなことを聞きますが、これは私は本筋ではない。いわゆる一定の計画があって、それに基いて大臣はじめ非常に苦慮して予算をおとりになるのでありますからして、何といっても、計画はあると思います。その計画は、二十九年度の予算が成立した場合に、すでに確定しておられるはずなんです。それからしてあの七分の予算減がありましたからして、その結果初めの予算通りにできているかできていないかということは、もうその当時におわかりになると思います。  しかしそういうことを今言っても、もう水かけ論になりますから、もうやりませんが、そうしますというと、これは非常に御迷惑なことと思いますが、実は昨日いろいろな各事業について大体の説明を承わりましたけれども、そうしますと、今後またどういうふうな関係で、政府がまた緊縮財政をする、しかし七分の緊縮をしても事業量そのものは少しも変らぬというふうにおっしゃるかもしれませんから、それに備えて……。ずいぶんありますが、河川事業にしても直轄河川九十河川の名前をおっしゃいましたが、全部であります。河川でも、道路でも、都市計画でも、今の計画を全部知りたいのです。参考資料として。そうしてもらうならば、果して今後その予算節減がありましても初めの計画通りできたかどうかということも、この委員会は知り得るのですが、今それが私の手元にないのですが、果して初めの計画通りにしておられるかどうかわからなくなっちゃうのです。非常に御迷惑のことと思いますが、一つどんなお考えでしょうかね。
  11. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 前段の予算使い残りの問題については、これは赤木先生お話通りであります。私もこまかく事務的には検討をいたさなければならぬと思いますが、おそらく、想像をいたしますのに、もちろん本省の手元予算を残しておくということはほとんどないと思います。これは地方補助金を流した、その受けた地方団体財政やりくり等仕事がおくれまして、年度を越えて仕事か片づけなくちゃならなくなったために、繰り越しの形式をとらざるを得なくなって、やむを得ず政府がそれを承認するということが累積をして、今のような額になったと思いますので、政府が当初の予算を、計画が不確定のために手元予算を残しておいて、やれなかったということはないと考えております。しかし今御注意の点につきましては、これは地方財政の問題とも関連がありますけれども、特によく注意をいたしまして、さようなことのないように心がけたいと考えております。  それから今、後段のお話はごもっともでありますが、これも予算確定をいたしますれば、直ちに御趣旨のような実施に移れるような準備を整えなければならないということは、よく心得ておりますので、できるだけ早く具体的な内容決定ができますように努力をいたしたいと考えております。
  12. 赤木正雄

    赤木正雄君 この予算使い方の詳細を特にお願いしたのは、実は私も、河川事業にしても、道路事業にいたしましても、この費用をどこどこに使うということはなかなか、そう一朝一夕にできないと思います。そういう関係からして、今までの委員会でも、すぐそういう詳細をお出し願ったらどうかということを委員諸君からもお話がありましたが、しかしそれはなかなか無理なことだから、いよいよきまった場合には精細なものをみんなもらおうということになっておりましたが、実はここ一、二年、一度もそういう精細なものを建設省からもらっていない。せっかく今まではそういうような方針建設省のほうにも御無理のないようにこの委員会としてやってきましたが、一向実行されませんから、特にこういう点をお願いしたわけなんです。  もう一つ大臣に承わっておきたいのは、これも前内閣関係でありますが、例の二十八年の大水害に関連いたしまして、災害復旧だけやってもだめだ、根本措置をしなければいけないというので、二十八年の八月二十四日の内閣治山治水対策協議会というものができまして、そのとき緒方さんが会長になって、やはり学識経験という者も入りまして、一応の治山治水に、今後日本でどれほど要するか、一兆八千億だと思いますが、そういう線を出しております。これはむろん内閣がかわっておりますが、しかし内閣がかわっても、日本に及ぼす災害状況はこれは内閣の問題じゃありませんので、この決定に対して現大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。これは私は当然、もう社会党内閣だろうが、まあ現内閣でも、自由党内閣でも、当然治山治水対策についてはもう重要視されておることと思いますが、どの程度まであの決議をお考えになっておりますか、一応承わっておきたいと思います。
  13. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) この点は前の委員会のときにも私は申し上げたと思いますが、今お話治山治水計画のみならず、道路の五カ年計画にいたしましても、その他、前内閣がというよりも、あらゆる各界の方々によって技術的、科学的に立てられた計画というものは、これはいろいろ政治情勢変化があろうとも、私は少くとも尊重をいたし、またそういう科学的な計画というものは変えるべきじゃない、変える原因が新たに発生をすれば改めてかかり直してやるべきだという考えで、今日、今後も参るつもりでおります。従って治山治水計画につきましても、それを基本に最大の努力を払って実現をいたしたい。それには、この前にも申し上げたと思いますが、私はやはり一つ方法としては、予算継続性というものをとらないと、毎年々々の一年こっきりの予算にさせた占領政策というものに私は間違いがあるという考えで、大臣就任以来、少くともこの治山治水道路建設関係の深いものは、継続予算制度をとれということを主張して参り、また大蔵大臣大蔵当局にも理解をしてもらってきたつもりであります。  で、今度の予算の編成に当りましても極力そのことの実現をはかりたいと思いまして、全面的に、これをただ形式的に言うたってもいけませんから、まず直轄河川を第一の着手として、事務当局にこの継続予算内容になる計画を立ててもらったわけであります。それを今度の予算の成立に当って最後までがんばりましたけれども、実は私も多少手ぬかりと言いますか、不用意だったのは、この査定が川一本に一週間かかる。利根川だけについても、大蔵省査定が一週間かかるということを、実は予算最後段階に至って知ったようなわけで、事はまあ大体計画をのみ込ませ得るものだと軽く考えたわけじゃないのですけれども、知っておったのですけれども大蔵省も誠意を持って継続予算にするという建前には賛成をしておったものですから、何とか私はものにいたしたいと考えましたが、そんなわけで、予算折衝がごらんのようにだいぶごてつきましたために、ついあと回しになりまして、この継続予算を事実上、事務的に全部の査定を終えるためには数週間予算決定がおくれるというようなことになったのでは、これは国会との関係上、川だけで考えているというわけにもいきませんような事態に追い込まれまして、実に残念でありましたけれども、この三十年度予算には実現をすることができませんでした。しかしこれは大蔵省との話でも、三十一年度には必ず実現をさせるという確約のもとに、今引き続いて準備をいたしておるようなわけであります。  災害予算につきましても、実は私はそういうことを同様に生かしたいという考えで、これもなかなか中身準備は短時日にできませんけれども、引き続いて用意をいたしまして、法律的に継続予算制度をとれるような構想を、今大蔵省折衝を続けておりますが、できるならば一つ、今国会で御審議が願えればと思っておりますが、まだ今、今日の段階においていつということを明言できませんけれども、その線に向って進んでおるようなわけで、その基本になるものは今赤木先生お話になりました、かつて御決定をいただいた計画実現のために、まず私は今の経済情勢変化から言うならば、第一次三年継続予算というようなことにいたして、それが終ったところでまた続いてやっていく。一つの川を、全部を継続予算にするということが、今のような経済情勢において果して、損得を言っちゃ相済ませんが、経済情勢変化というものがなかなか読みとりにくいのですから、今の経済、一兆円のワクをベースにして一つワク決定をするということが、果して仕事のために適切であるかどうかということを考えますと、これは三年ぐらいのところがいいのじゃないか。拡大均衡に転ずるということも考えられますから、まあ幸か不幸か、あるいは来年度予算においてやることのほうがいいかもしれないと思って、あまり無理に今年強引に、ただ形継続性だけをとるということは実はよく考えて避けましたが、御趣旨の線に沿いまして、予算安定性というものを一つ努力をいたしたい。これによって、今お話計画実現に一歩を進めたいと考えておるようなわけであります。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 どうも大臣が、治山治水根本計画を策定したものに対して留意をするという言明をされたことは、私は本当にありがたいと思います。どうかその御方針でやっていただきたいと思います。  もう一つ、これは局長でも結構ですが、失業救済道路あるいは河川事業ができることはいいと思います。しかしこれを、場所によりまして、たとえば呉市のごとき、あるいは神戸市のごとき、これは相当の失業者もあります。また河川道路、あるいはそれ以上の重要な事業もあると思います。一つの例をとるならば、呉の砂防工事でございます。これは、あそこは御承知通りに、砂防がなくてはどうにもできぬという状態であります。こういうものに対しては、失業の方からは予算は行かないということになっておりますが、今までも失業救済として、これは内務省時代でありますが、砂防のために、砂防予算をとった例があるのです。それを思うならば、ことにそういう都市においては、これはそういう事業に対しても失業としてとるべきだと思いますが、これに対するお考えはいかがでしょうか。
  15. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ごもっともでありまして、実は失業対策事業考え方は、前国会のときと多少変えましたのは、この前には、前内閣がとられたいわゆる緊急失業対策事業というものを私も必要だと考えて、四、五月暫定予算に計上をいたしたのであります。ところが、いろいろ検討をいたして、また労働省ともだんだんと話し合いが進みました結果、むしろ現在労働省に盛っております失業対策費のうちから^約十億円くらいは建設省の方へ実質的には移して、事業効果をあげるような運営をする方がいいという、逆に言えばそういう構想のもとに、昨日御説明申し上げたような三十数億の特別失業対策事業というものを考えたわけであります。  で、この特別失業対策事業というものはそういう意味でありますから、一面から言えば、三十数億のうち十億余は、従来の労働省所管予算をむしろ建設省仕事に振り向けたというような中身を持っておるようなわけでありますので、これをどういうふうな仕事に持っていくかということについては、実は慎重に考えたわけでありまして、そういう両省の性格を組み合せたことから申すと、緊急失業対策事業は、建設省の本来の予算建設省考えのもとに、できるだけ失業対策に振り向けたわけでありますから、現場諸君もその使い方については非常に努力はいたしますけれども、自主的にやり得たわけでありますが、今度の特別失業対策というものはそう簡単にはいかないと私は思いますので、これはやはり仕事仕事として建設省がやりますけれども、やはり失業対策の面というものも相当濃厚に考えなければなるまい。そうなりますと、これは仕事の種類、場所等についてもよほど慎重に考えませんと、どこへでもこれを振りまくと、実際その仕事をやらなければならぬ現場諸君に、必要以上の苦労をかけなきやならぬというようなふうにも考えましたので、あまりに方々へこれをばらまかないで、河川についても直轄は一切避けまして、中小河川に昨日も申し上げたように五億、それから道路街路事業と、こう三本建にいたしまして、ダムとか砂防という方面へはこの仕事を持っていかないことにいたしましたのは、仕事性質がやはりごく綿密に、またその地方仕事性質をよくのみ込んでやってもらわなければならぬダムとか砂防に、形式的な失業対策仕事を持ち込んだために、仕事がかえって御迷惑をかけるというようなことに相なっては私としても相済まぬと思いましたので、むしろこの際は、額は不十分でありますけれども特別失業対策事業から持っていくことを避けまして、砂防及びダムの本来の予算を増額をして、できるだけその方面仕事を進めていくというふうに考えたわけであります。しかし今、赤木先生お話通り地方的に言えば失業対策として適切な仕事であるということは、私も了承をいたしておりますので、今後また事態変化等に応じて、さようなことについては努力をいたしたいと考えております。
  16. 赤木正雄

    赤木正雄君 決して砂防のことを固執するわけではありませんが、やはり河川にいたしましても、道路にいたしましても、むろん失業者を使う場合に、都市ばかりに限りません、相当不便な所も使います。今言う通りに、神戸市のごとき、呉市のごとき、これはそれこそ都市の中ですぐその前にいる失業者、しかもそれをどういう仕事に使うのが一番いいか。これは需要の方面から言いまして、こういうことを労働省で知らないのです。建設省が強くおっしゃって、労働省の知らぬことを明らかに向うにわかるように説明なすって、こういう失業者に対しても、こういう都市にはこういう仕事があるのだからというふうに、広く仕事の範囲を説明なすった方が、効果的でもあるし、またその土地に対しての一般の喜びも多いと思います。また失業者それ自身も喜んで、あまり遠くに行かなくても自分の地元で仕事ができるということがありますので、あまりに河川に、道路に、あるいは都市計画の一部に限定されることが、これはかえって場所によっては失業者を真に使う意味じゃない。また事業効果をそう発揮できない点があるのではないか、こう思います。この前の失業救済として内務省でずいぶんやった仕事に対しても、決して悪い仕事はしなかった。ずいぶん山間部においていろいろの仕事をしましたが、みんな相当立派な仕事をしております。でありますからして、どういう事業でも、失業者を使う以上は、事業性質関係せず、立派な仕事をさせなければなりませんから、もう少し仕事の範囲を大きく地域的にお考えになった方が、国としていいと思うんです。大臣はこれに対して、なおこれを考えるとおっしゃいますから、これ以上追及しませんが、その点を、これは特に、今後もこういうことばあろうと思いますから……。  もう一つは、内務省時代に、やはり失業救済としてやった事業はどういう方面に使ったか、それも十分検討なすったらはっきりわかっていくのです。今緊急失業対策として、砂防昭和七年、八年、九年の農村救済と違いまして、失業事業としてやっております。そういうことがありますから、特にこの点をお考え願います。
  17. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) よく了承いたしました。なお私の申し上げ方があるいは足りなかったかと思いますが、特に面倒な特別失業対策事業というものを拡げなかったという意味は、むしろ従来もやって参りましたように、建設省のそれぞれの公共事業費の中で、緊急就労的な失業対策を十分のみ込んで仕事をしていくということの趣旨は、捨てたわけではないのでありますが、それを予算制度上、非常に窮屈な拘束を受けることは、現場諸君に気の毒だと思いますので、それぞれの予算をできるだけふやして、そうしてその中で今お示しのような点を一つできるだけ協力をさして、強調をしていく方が、建設省予算執行から言ったら、私はよりベターじゃないかというふうに考えたわけでありますが、決して狭く失業対策を限定する方がいいと考えたわけではありませんので、どうかその点は御了承をいただいて、しかし今お話の御意見はよくわかりましたので、今後努力いたします。
  18. 赤木正雄

    赤木正雄君 まだ質問ありますが、ほかの委員諸君が待っておりますので、大臣の時間は限定されておりますから、一応私の質問は終ります。
  19. 石井桂

    ○石井桂君 私は大臣に特に住宅の量産ということを伺いたいと思いますが、この中に示された住宅対策は、量と質の問題の中で、むしろ量を重点的に考えられているようであります。そこで、まあ財源の問題は非常に知能をしぼられて最大限に利用しておられるようですが、ロー・コストの家をどっさり作るということは、同じワクの中で量をふやすもとになるだろうと思うんですが、そこで従来のような生産方式によらないで、原始的な、現場で大工さんがかんなをかけたりのこぎりで切ったりということによらないで、多くは工場生産によって量産をするという方策をとれば、非常にコストが安くなって量がふえるだろうと思います。住宅政策のまあ一つの解決策としては、どうしても量産ということを考えなければいけないのですが、今回の住宅政策には量産ということは考えられておられるかどうか、あるいは研究中であるかどうか、どういう方面に進んでおられるかということをお示し願えたら……。
  20. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 今後の住宅計画の進め方については、いろいろわれわれとしてもできるだけ検討はいたしましたが、何しろ困難な事業でありまして、なお今後実行上いろいろ御意見を伺って、実際に合うようにいたして参りたいと考えておりますが、今後の全体的な考え方といたしましては、量だけをふやせばいいという考えだけで参ったつもりでもありませんし、そうかといって、質だけをというわけにも参りませんから、それをどう調和をするか。また別の言い方をすれば、低家賃の家を非常に要求されておる反面に、程度のある程度進んだアパートも、不燃率を高くしろという考え方もありますので、そのへんのかね合いというものが非常にむずかしいし、また苦心をいたした点でありまして、大体の気持を申し上げますと、これにはいろいろ御批判がありますが、私のしろうとの勘といたしましては、公営住宅というものは何としても政府の最も負担をかけてやる住宅でありますから、これはできるだけ低額所得者に数多く、どうせ足りないのでありますけれども、数多く供給をするためには、勢い低家賃の家をたくさん作るということをいたさなければなるまい。そうすれば、従来の公営の家で多少気のきいた程度のアパートというものを減少をしなければならぬという結果にも相なる。これは減らしたくて減らすわけではありませんが、むしろ公営の家において、無理をしてそこへ財源を集中するよりは、それをほかの形において少し程度のいいアパートを建てて、公営はできるだけ低家賃の家を数多くするという方面に集中、重点を置いて、そうして公庫は従来の制度をできるだけ伸ばしていくということにいたしますと、ここに公団のような少し程度のいいアパートを作る制度を別に考える方がいいということになりまして、公団、公庫、公営という三本建にいたして、従来のバランスを全体に広めて、そう均衡の破れないようにいたしたようなわけであります。  そういう結果、今のお話の量産をする方法等についても、いろいろ今までの各位の御意見等も取り入れまして、建築研究所の研究等も織り込みまして、今後は一番安いのは八百円台の家賃の簡易アパートを相当量入れたなどは、今の御趣旨の一端を取り入れたようなつもりでおりますけれども、しかしまあ技術的なやり方等につきましては、なお規格の統一をしなければならぬ問題とかいろいろあろうかと思いますので、これらはまた実施に当りまして十分に一つ、御趣旨のような点を実現をいたしたいと考えております。
  21. 石井桂

    ○石井桂君 そういたしますと、量産住宅の建設ということにはもう一歩踏み出しておられるというお答えに、受け取ってよろしゅうございますか。
  22. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 実は私もしろうとでありますから、御趣旨がよくのみ込めませんけれども、あるいはピントのはずれた答弁をしておるかもしれませんが、一部はそういう心持でやっておるつもりであります。
  23. 石井桂

    ○石井桂君 実は、たとえていえば、コンクリート、現場で直接鉄筋コンクリートを作るより、工場で作ったコンタリート・ブロックを、しろうとでも重ねられるような建築が、だいぶ進んでおりますですね。これも一つの量産住宅という形でありますが、あるいは鉄骨な型でもって作りまして、あらかじめ工場生産にして建て上げるというのも、一つの量産住宅の方式だと思います。それからまた、現在やられている木造の柱と壁を一緒にしたパネル式のやつがある。これも工場であらかじめ作って建て上げれば、一週間くらいで建ち上る。鉄骨でも、コンクリートでも、木造でも、いろいろこれはいいところも悪いところもあるでしょうけれども、御研究になれば、おそらくいいところだけを取り上げて、従来の建築費よりも安く早くできる方策があると思うのですが、そういうことをもうすでに実施に、この計画に移されるのかという質問なんでございますが。
  24. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 大へんのみ込みが悪くて恐縮でございますが、お話のような点は、私の知っている限りでは、この計画の中に技術者の諸君が苦心をしておってくれると、私は考えておる。ある程度一つはそれは今申し上げた公営住宅の場合、それから一つは公団の直接建設をしようという考え方の中には、お話のようなことをくみ取って、安く上げようということも大きなねらいだと思います。それについては、一番の簡易アパートはブロック建築でやりますから、お話のような問題がもう必然的に起ってくると思います。このごろ窓ワクも規格統一をしたらどうかというようなことも、なかなか業者の関係で、役所が言ったのですぐにできるものかどうかわかりませんけれども、今度やるに際しては、御趣旨のような点を一つできるだけ取り入れて参るように、またお知恵を拝借したいと思います。
  25. 石井桂

    ○石井桂君 ただいまの、大臣が公庫と公営住宅、公団ですか、この三本建で行きたいという御方針ですが、私どもそれについてちょっとお聞きしたいことがあるのですが、金融公庫の住宅を建てる融資率を下げられるということは、結局、それでなくても金融公庫の住宅は評判が悪いのです。頭金がかなりどっさり取られる。むしろ金のない人は公営住宅へたよるという、こういう従来の方針であったようですが、公営住宅も数もあまりふえないし、金融公庫の方は融資率を下げるということになりますと、住宅に困っている人がどこへ入るかという問題が出てくると思うのですが、で、それならば今度も公団へ入ればいいじゃないかというと、それは今までの公営住宅の家で鉄筋がたとえば一戸二千円で入れるものが、公団で作ると四千円くらいになるものですから、これも入れない。むしろ入れない。つまり比較的困っている階層の方よりも、余裕のある階層に住宅を供給する結果になりはしないかというようなことをおそれるのと、それから金融公庫の方も、ほんとうに三本建で金融公庫も伸ばしていくという御意思なのか。金融公庫の方はつぶしてもいいから、公団の方を伸ばしたいという御意思なのか。その辺が、融資率を下げるということはやはり非常に困っている階層の利用する機会が少くなるわけですから、そうすると、それを公営住宅で引き取ってくれればいいが、それも数も少くなるということになると、何かお金のある人の入る機会の方が増すような結果になりはしないかというおそれがあるのですが、その点について大臣のお考えはいかがですか。
  26. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) だいぶそういう御疑問を世間に与えているようでありますが、私の気持は、公庫というものを決して軽く考えておりません。という意味は、私はずっと前内閣まで相当の歴史をもって住宅の中心機関として発達をしてきた公庫というものは、本来の性格がやはり、別の形において申せば金融機関である。将来これは永久に、住宅建設を中心とする不動産金融機関に発達をすべきものじゃないか。そうしますと、これにあまりいろいろなものをつけ足して、どっちが主体だかわからぬようにするのは、当初作られた方の精神を私は没却をすることになっては相済まぬと思いますから、住宅金融というものを本体にした公庫の発展というものは、どこまでも私はやらなければならぬ。そういう意味で今度も、御承知のように、住宅の金融保証は住宅公庫の一つ仕事としてこれをやってもらって、これを拡大をしていこう。そうすれば、金貸しのほかに住宅の金融保証というものを合せ拡大をして参れば、一般金融機関と住宅公庫とが一体になって、住宅金融というものに全体的な網をかけていく機関に発展をしていくであろうという意味で、私は、今までいろいろな芽ばえを住宅公庫の中で作ってもらっておりますけれども、大きな大筋を申せば、政府ができるだけの財政負担をして、低額所得者に供給すべき公営住宅というものは、まあ希望すべきじゃないかもしれぬけれども、できるだけ安い家をたくさん供給していく。そうして公庫ではできるだけの金融と金融保証によって、一定の所得のある人に住宅を供給する。ただ今お話の、いかにも融資率を極端に下げたかのような御印象を与えたかもしれませんが、下げたものもありますし、下げないものもあるし、それから土地を持っているものには土地の融通をせぬでもいいというふうに、実際に合うようにいたしたために、変ったところから言えば、いかにも悪くなったように御印象をつけられたかもしれませんが、決して公庫の実体を悪くする考えは毛頭持っておりません。  そういうことから考えていきますと、従来公庫で発達しましたところの、進歩したアパートというものを公営でやれることに、それは反対はないのでありますけれども、何しろ金のかかるものであってこの中層、高層アパートというものを公営の予算で作っていくということになりますと、勢い人情としてりっぱな家の方をたくさん建てたがる。そうすると、低額の小さい家というものはだんだん押されてきはしないか。それだから、公営の方では決してアパートを拒否するわけではありませんけれども、公団のような民間資金を合せたもので相当のアパートはむしろ別口で建てていけば、公営の中でそういうアパートが一般の小さい家を圧迫するようなことにならぬだろう、こう私は考えましたので、公営はできるだけ安い家を作る。そこで従来発達しつつあったアパートを公団の方へ移していくということになりますので、従って中心をなす公庫というものについては、何ら私は従来の考え方を変えないでこれを伸ばしていく。ただ限られた財源でありますので、そういう三つにある程度バランスのとれた配分をいたしたつもりであります。公庫の方へ非常に金額を増額をしたということにはならなかったことは、これは遺憾でありますけれども、三つのある程度のバランス、従って公団が非常に将来中心になって何万戸もどんどん作っていくということは、なかなか財政的にも金融的にも困難であると思いますから、むしろ土地造成とか、東京その他の一番住宅の緊急必要な地帯に、こういう制度で、地方財政を極端に圧迫しないようにするために、民間資金を取り入れた公団がこれもお手伝いをするというやり方が、何か制度をことさらふやすようにも印象づけたかもしれませんが、従来の公営で地方負担を必ず伴っていくやり方は、これは道路河川も同様でありますけれども、幾らわれわれが熱意を持って計画をいたしましても、これを受け入れる地方財政の力がありませんから、ついそれが思うように進捗していないのでありますから、私はやはりそれもやらなければなりませんが、別口でこれを補う方法を立てなければ緊急の要請にはこたえられないということから、民間資金を相当重く考えた公団制度をとったという考え方でありますので、いろいろこれについては御批判もありましょうから、よく伺いまして、間違った点は決して改めるにやぶさかではありません。
  27. 石井桂

    ○石井桂君 住宅金融公庫をかなり、住宅について長い期間にお考えになっていることはよくわかりましたが、住宅金融公庫の今日までの経過を見ますと、今度政府で融資率を下げようとしたその融資率で出発したように、記憶しているのです。それを民間の、国民の要請で、ようやく一割、二、三年かかって上げたわけです。それをまた財政事情で下げられたわけですから、もし大臣が金融公庫をずっと住宅政策を解決する一つの機関とお考えになっておられるならば、近い将来に財政のゆとりがあれば、前の融資率のように七割を八割五分に上げるとか、九割に上げるとかいうお考えはありますか。非常に庶民としては、私は利用価値が多くなるだろうと思うのです。そういうお考えがありますかどうですか、お聞きしたい。
  28. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは公庫に限らず、どの面においてもそうでありますが、財政力が伸びて参りますれば、お話通りよくすることに決して躊躇するものではありませんし、来年度予算は一兆円のワクを破ってもよさそうな政治情勢でありますから、できるだけ早い機会に御意見のようにできることを、私も希望しております。
  29. 石井桂

    ○石井桂君 もう一つ最後に、公団とそれから地方にありますところの住宅協会ですね、これの関係を……。吸収するようなお考えで公団をお考えになってもおりますか、あるいは併置する考えでおられますか。これは大きな問題であると思うのです。それは地方によって事情が異なるかもしれませんが、地方の住宅協会というのは大がい今まで、金融公庫から七割五分、地方の公共団体の金を二割五分、こういうものを借り入れている。公団の方を見ますと、政府の出資金が七割でございましたか、それから地方が二割、民間が一割、こういうふうになっているようでありますから、地方と国からいえば総じて一割だけは、公共団体なり政府の金が少くて済む。しかし民間団体の一割というのは、かなり高い利息を払わなければ借りられない金だと思うのです。そこで今度出てきた住宅のいわゆる家賃に、これが響くわけです。建設費から家賃に響くわけです。その場合に、詳しい計算をやらないからわかりませんが、従来の方の計算は、地方出資金というのは大がい無利息です。そうすると、国の七割五分に対する利息と、それから年に均等償還する金で、家賃が出てくる。公団の家賃はちょっと高くなるのじゃないか。こういうことで、併置するかあるいは吸収するかによって、今度は家を作る家賃に響くものですから、どういうお考えになっておりますか、それを一つお聞きしたいと思います。
  30. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは協会というものが必要に応じてできたものでありますから、私もしろうとで途中から、沿革を十分知らずにかれこれ申す必要はないと思いますが、やはり必要の前にはこれが発達をしていくべきものだと思っております。しかし一方、今言う緊急に造成をしなければならぬということで公団を作りますのですが、これはしかしそれぞれ地方の実情に応じて、いろいろなものがごてごてすることが能でもない。しかし当初作ります場合、これを一緒にしなければならぬというようなかたまった考えは、毛頭持っておりません。そうかといって、相対立さしていいとも考えておりませんから、これはむしろ地方の実情に応じてそれぞれ協力をしてやっていく。  それから今いろいろこまかい家賃の問題も出ましたが、これはもちろん予算上一定の標準が出てくるわけでありますけれども、これは実行に当ってやはり、地方と東京とはまた違いましょうし、できるだけ矛盾の起らぬようによく検討をいたしたいと考えておりますが、決して私は、いずれともまだきまった考えはむしろありません。というのは、これはいろいろ今までの経験のあられる方々の御意見を伺って、どういう連絡協調をしていくことがいいのか。しかし作ることによって、必要以上に混乱が起るとは私は考えておりませんから、十分協力していけるものだとは考えております。
  31. 石井桂

    ○石井桂君 私もだいぶどっさり質問を持っておりますが、他の委員の御都合もございましょうから、一応これで終ります。
  32. 田中一

    ○田中一君 先ず伺いたいのは、本年度も昨年度と同じように、八十億の予備費を計上しておりますほれども、昨年の発生の災害、これがどのような形になって計上されておるか。それをちょっと、資料があれば資料で説明願いたいのです。
  33. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 去年の災害の……。
  34. 田中一

    ○田中一君 発生災害、昨年の、二十九年度の……。
  35. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) それじゃ河川局長から……。
  36. 米田正文

    政府委員米田正文君) 昨年の、二十九年度災害は総額で三百十七億円でございます。そのうち国費として支出すべき分が二百二十三億、それを、二十九年度に支出をいたしました金額が、事業費にして四十六億、国費にいたしまして……。補助額にいたしまして五十一億であります。
  37. 田中一

    ○田中一君 本年度の予算を見ますと、過年度分の災害費が二十九年度六百二十六億円が五百十四億に減っておる。非常に大幅に減っておる。そうして昨年度の発生災害が三百十七億、これに対する今御説明願ったように五十一億の国庫補助といいますか、二十九年度には交付しておるはずなんです。そこで実際に、さっき私がおらなかったのですが、赤木さんから御質問があったかどうか知りませんが、実際五十一億の仕事というものは完全に施行されたかどうか。原形復旧程度まで——原形復旧と言いますか、応急対策というものが完成されたかどうか、これが一つの問題。  それから、こういうことを伺うのは結局、過年度分を昨年度も非常にちょん切っておるのです。古いものは。御承知のように……。そうして実際の実情というものは、そういうものがなくていいのかというと、本年度八十価の予算を計上しておりますが、どの程度災害が今日、日本というか、国を襲った場合に、昨年二十九年度は災害が少いという年だった、それに五十一億の支出になっております。八十億の予備費でもってまかなえるかどうかという問題。それが一つと、それからガソリン税の税率一万三千円のものを一万一千円に軽減して、二百五十九億というものを見込んでおる。このうち地方にやるのがどのくらいであって、二千円というものを地方にやるのか、その点を明らかにしてほしいのです。  そうして結局申し上げたいのは、地方公共団体が財政上非常に苦しんでおるという現状で、かつ過年度分の大幅な予算の減というものが地方財政にどういう響き方をしているか。それから一方においては、住宅公団ですかには、地方負担のものが約十六億見込んである。どういうような操作をしてそのような地方財政というものを、災害地方財政というものの考え方を持っているか、伺いたいのです。
  38. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 災害に伴う……。
  39. 田中一

    ○田中一君 ええ。
  40. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) いろんな問題が入っているように思いますが、第一の災害の問題につきましては、これは実際にできたかどうかは、またあと局のほうから御報告をさせますが、災害予算の、お話通り今年度、昨日も申し上げたように、災害予算が前年度よりも減っておりますが、これは昨年幸いに災害が少かったためでありまして、残事業の進捗率は、昨年の予算と今年の予算では、今年の方が若干よくなっております。なお、数字的に申し上げてもよろしうございますが、そういうことで、今年の予算で去年よりも地方財政を圧迫するということはないと考えております。  それからもう一つ道路の問題は、お話通り二百六十三億三千万円というものが全体のガソリン税の収入であります。で、これはお話通り、一万一千円を四月からとるものとして計算をいたしましたガソリン税の総額であります。これは全部道路費として、その中には街路のほうへ計上をいたしておるものもありますけれども、全部道路として二百六十三億を使うわけであります。それから地方のほうへやりますものは、一万一千円を今言う国の道路費として使います以外に、御承知通り一万三千円のうち二千円を昨年地方へ回したわけでありますから、その二千円と今回増税を考えております二千円を合した四千円分、即ち七十二億を地方道路税としてこの二百六十三億三千万円のほかに地方に流すというわけでありまして、合せたものが或る意味においては全ガソリン対象のものであります。  もう一つ。これはいろいろ御意見はありましょうけれども、今度二百六十三億を道路費で使う場合におきましても、各段階におきまして実は国庫の補助率を引き上げました。要するに地方負担をそれぞれ少くいたしました。これは仕事をやる方の面から言えば、それだけ分量が少くなるんだからいけないじゃないかという御意見もあるわけで、現局の諸君は、率直に申し上げると、あまり積極的ではなかったかもしれませんが、私は今田中先生のお話通り地方財政の破局の現状から見て、この際五カ年計画をくずさない範囲において補助率を上げて、地方道路税と重ねて、この際道路を急速に改良するということの方がガソリン税創設の趣旨でもあろうかと考えて、補助率を上げる点と、地方道路税四千円を裏打ちする点で、二百六十三億が道路に使われていけば、従来御苦心をいただいたガソリン税の本旨に沿うものだと考えておりますから、そういう両方の面から、地方財政への圧迫は、建設省に関する限りは、道路の面においては思い切って軽くなっている。  それから住宅の点につきましては、今お話の十六億の地方の負担というものは、考え方によっては多いじゃないかということでありますが、私はこれはやはり公団というものが地方と遊離してはいけないという考え方が一つ。そこで一つ応分の出資をして、公団が勝手にやるんじゃないという趣旨からいっても、十六億程度はそれぞれの県で持ってもらう。これは多額のものじゃありませんから、持ってもらうというふうに計画をいたしたので、もちろんこのほかに約九十億近い住宅の地方起債の分があります。これは昨年のことを言うと何ですが、十分に裏打ちがしてなかったことも事実でありまして、そのために東京に建たなかったというようなこともあって、最後に十億近く起債を出しましたが、ことしはそういうことにならぬように、この十六億を住宅の起債と合せて地方財政計画の中には完全に織り込んでありますので、まあ決して楽とは申せますまいけれども、優先的に住宅起債は扱うということにいたしておりますから、まあ苦しい地方財政の中でありますから、全部が、ゆうゆうとあらゆる事業ができるとも申しませんが、知事会議等では公共事業を削れという強い要請がある中で、建設省としては、今言う道路河川、住宅というものの地方財政の面における確保については最大の努力をしたつもりでありますから、まあこれでやっていけると考えております。
  41. 田中一

    ○田中一君 そうすると、過年度分の災害というものと、それから仕越し工事のことについて、これは昨年の暮に緊急質問をしたときに、そのときにも大幅に昨年末に支払いをすると言って支払いをしたようであります。しかし地方の持っている仕越しの債務というものが一向に解決されておらないんです。これは大きなものです。そういうものは当然、県単位のものだから政府は知らないということであってはならないと思うのです。むろんそれは補助工事もありますし、県単独の仕事もありましょう。従って国の予算上の措置が十分に行っていない面があるんじゃないか。それからその他に、また仕事をやり過ぎた面があるんじゃないか。この点を全国的にお調べになったことはございますか。
  42. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは私はこまかいところまで承知しておりませんが、今お話の中の仕越しは約百億と聞いております。それからこれはできちゃったことでありますから、過去のよしあしを言っても仕方ありませんから、これを一ぺんにことしの予算で片づけろとおっしゃられても、そうすれば今までのやつができないというようなことにもなりますので、できるだけ早い機会にこの問題をなしくずし、片づけたいと思いまして、努力をいたしているようなわけで、ことしは相当に片づけるつもりでおります。
  43. 田中一

    ○田中一君 まあ地方財政が苦しいんですから、借金をしてそのまま仕事をして、金を払わないのは、今おっしゃる通り百億あるわけです。そういうものは結局国民の、あるいは業者と言いますか、負担になってくる。業者でも、末端においては労働者の負担になっているということが多いのです。この際、地方業者でもあるいはつぶれる人がありますし、あるいは信用があって市中銀行から融資を受けた人もあるでしょう。しかしそういうものは金利を払っている。そういう場合に国としては、百億の膨大な金を国並びに地方公共団体が借りておって、金利を全然払わないということも、ありようはずがない。そこである県などでは、必ず市中銀行程度の金利を払うということを言明している所もあるそうです。これは話し合いの程度でありまして、何ら法的な権限があるわけでもない。そこで例の支払遅延防止法ですか、ああいうものを百億に対して発動して、何か善処するという方法をとっておりますか。
  44. 米田正文

    政府委員米田正文君) ただいまの金利を補助するという問題については、現在のところまだやっておりません。ただ仕越し工事が、ただいまお話しのございましたように、約百億に達しておる。その後だいぶ支払い済みになっているものもあるようでございますが、まだ相当にあることは事実です。そこで、これは原則としては、予算でもって返還をしていくのが本筋でございますが、できるだけ県全体の予算を融通することによって、なるべく金利の高いものを払っていくというような方針をとるようにいたしたいと思っております。特に和歌山だとか、愛知、三重だとかいうような所が、非常に多額の起債をいたしております。これらの所は、今大蔵省と返還の方法について、なるべく延ばすということに、むしろ延ばすように交渉しておりまして、県としては融資を受けた預金部資金の金利の程度ならば、県としては何とかやっていける。むしろ一般の農協等から借りた金が相当にある。そういうものが相当金利が高い。そのほうが非常に心配だから、その方をなるべく安くするようにしたいというような考え方をしております。
  45. 田中一

    ○田中一君 百億については、今年度の予算面では解決されないということになるわけですね、現在では。今河川局長お話を聞くと、全部が……。そうするとそれに対して支払遅延防止という法律がある。今まで一ぺんも金利を払ったことがないそうです。借金した金利を払って返金している場合がないそうです。積極的にそういうような指導をするつもりはありませんか。
  46. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 百億全部を……。実は私はこの百億というのはだいぶ前の数字でありますから、今になれば百億より減っていることは事実でありますが、現在のやつがどのくらいになりますか。これがそのまま解決されないという意味じゃありませんので、ことしの予算からでも、また資金の措置においても、できるだけ解決をいたしますし、それから御承知のように、地方財政の赤字全体の問題として、短起債を長起債に借りかえて、これをたな上げするという面は数百億、これを今度はやることに今予算全体として構想をしているわけでありますから、そのことも当然その中に含まれておりまして、決してこれを放置するというわけではございませんが、いまの法律を適用するかどうかという点につきましては、なおよく研究をいたして、また適当なときにお返事をいたしたいと思います。
  47. 田中一

    ○田中一君 これはまたあとて伺いますが、一つ伺いたいのは、公団の民間の借入金というものは、どこから出て、どのくらいの金利で借りるのか。それから地方出資に対しては出資に対する金利が……。出資ですから金利がないはずだと思います。しかしこれは何かしなければ困ると思うのです。これは地方出資を起債でやるのではない、自分で出すのだというお話ですね、九十億は起債……。
  48. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 必ずしもそうではない。
  49. 田中一

    ○田中一君 これを合せた起債というのが、起債ならばやはり六分五厘という金利は払わなければならぬ。それから民間資金はどこから幾ら、どういう利率で借りているか。ちょっと御説明願いたいと思います。
  50. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 民間資金につきましては、五十二億のなかで四十億は生命保険、それから十億は損害保険ということに、それぞれ保険協会と今話し合いがついて進みつつあります。なおそれにはしたがついておりますのは、銀行方面の資金を予想いたしておりますが、これはふえることはあっても減ることはないつもりで、最少限度を見込んでおりますが、出得ることになっております。金利は今のところ九分五厘ということで一応考えておりますが、実行の場合いろいろこまかい変化はありましょうけれども、そういうことであります。  それから十六億の分につきましては、県によっていろいろ違いましようが、今の一般起債と住宅起債と合せて起債をする場合もあります。起債の必要のない場合は、県に持っていただくということも考えております。起債のことも用意をいたしております。
  51. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 関連して……。県は大体、どういう県が予定されておりますか。
  52. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは実はとりあえず、今年の分は大都市を、一番必要度の強い大都市から手をつけていくという意味において、東京とか、大阪とか、名古屋とか、あるいは北九州とかということを考えておりますが、これも決してコンクリートのものでないので、実際やっていって、必要な所にまた御協力をいただいていこうというふうに考えておりますが、全国へこう、ばらまくということは今は考えておりません。
  53. 田中一

    ○田中一君 そうすると、これは一戸当りどれくらいの建設費になるのですか。そうして賃貸住宅はどのくらいの家賃で貸すのですか。
  54. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 大体の考え方は、公営が一番安い。公庫はどうしても、個人のものですから、高くなると言っては悪いですが、高いことになるかもしれないが、公団はその間をねらいたい。先ほど公団のほうが高くなりはせぬかという御意見もありましたが、公団はその間をねらって、従来の産労住宅を引き延ばしたものにしたいということで、そこで今御注意もありましたが、民間資金が入りますためにどうしても高くならざるを得ない面もありますが、これは会社が一つのクッションになりまして、会社で一応短期に資金を回収してもらえば、個人にいく場合にはこれを長期の金にしていこうというようないろいろ計画も立てておりますが、具体的な点は官房長からお答えいたします。
  55. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 一戸当りの建設費でございますが、これは具体的に建てる場所によりまして、いろいろ土地代の相違等によりまして、違いは出てくると思いますが、一応この予算の基準といたしましては、一戸当り賃貸住宅の方につきましては約七十九万円、それから分譲住宅につきましては一戸当り七十三万円という、一応予算の積算の基礎にしております。家賃につきましては、賃貸住宅の方は家賃という格好で入りますが、分譲住宅の方は分譲代金という形で回収するわけですが、賃貸の方の家賃につきまして一は、これはいろいろむずかしい問題がございますが、正直に申し上げまして、一般民間資金を償還中はこれはどうしても家賃が高くなる。その次に資金運用部資金を返す間は安く、それからまた出資金もこれも回収することになると思いますが、これはずっとあとのことでありますが、そうすると家賃はずっと低くなります。この間の関係等はまだはっきりきめておりませんが、一応当初民間資金償還中、これは五カ年間ぐらいに償還したいと思っておりますが、その間は四千二百円見当ということに一応考えております。  それから分譲のほうにつきましては、先ほど大臣からお話し申し上げました通り、これを分譲を受ける個人が直接分譲代金を払っていくといたしますれば、やはり民間資金を償還する間は分譲代金も高くなるわけでございます。しかしそうしますと、これを実際に利用する勤労者の方には負担が大きくなり過ぎますので、その間事業主の方で一時立てかえて払っていただく。長い間にこれを実際に利用する勤労者は、均等で分譲代金を払っていく。こういうような格好をとりたいと思っておりますが、その際、先ほどの建設費に対応いたしますと、大体月五千円見当で二十年間程度で、利息も全部払ってしまえるのではなかろうか、そして二十年間には自分のものになってしまうのじゃないか、こういう一応の計算をしております。
  56. 田中一

    ○田中一君 二十年間で、五千円ずつ払って、七十三万円ですか……。大体倍ぐらい、百四十六万円ぐらい払わなければだめになりはしないでしょうかね。どうなんです。金利を平均にして、幾らなんです。金利は。
  57. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 民間の借入金につきましては年九分五厘、それから資金運用部資金につきましては六分五厘、それから政府出資金その他出資金につきましては無利子、こういうことになっております。
  58. 田中一

    ○田中一君 では、家賃の算定の表を資料としてお出し願いたいと思います。  この公団は結局、事務費というものは利ざやでかせごうということになっておるのですか。それとも、別に別途予算に計上することになっておるのですか。
  59. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 事務費その他諸経費につきましては、公団の内部の計画できめるわけでございますが、一応まだそれをはっきりきめておりませんけれども、家賃で償還し、あるいは分譲代金で償還するという考えを持っております。
  60. 田中一

    ○田中一君 公団の経営費のそれは、どこから生み出すかということを伺っておるのです。
  61. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 結局、個人にかけないように、政府の負担でやっていくということになりましょう。今土地造成等もそういうふうに考えておりますから……。
  62. 田中一

    ○田中一君 いや、今——そうすると、公団の運営の経常費というものは国庫負担だということでいいのですか。
  63. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 公団全体の費用でまかなうわけでありますが、今申したように、個々の家へなるべくかけないようにやっていくということでやりますから、大部分は国庫の負担でやるということになります。
  64. 田中一

    ○田中一君 じゃ、もう一つ伺います。住宅金融公庫は今日、経常費というものを何でまかなって、どういう形でまかなっておりますか。
  65. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) こまかい資料は別に提出いたしたいと思います。その資料によって御説明申し上げたいと思いますが、住宅金融公庫は、御承知通り、回収金、それから政府の出資金等の利息などもあるわけでございますし、それらの関係が入り組んで参っておりますので、別に機会を求めまして、資料で御説明申し上げたいと思います。
  66. 田中一

    ○田中一君 経済課長いませんか——一体、住宅金融公庫はどういうもので運営しているかどうか、わからないようなものじゃ困るのですよ。実に恥かしい話ですね。どういう金でもってやっておるか。今大臣はこういう重要な発言をしたのですよ。公団の経常費というものは国庫が負担するということを、大臣が発言した。速記に残っている。これは非常に重要なものです。公団と国というものが、どういう関係にあるか。これは単なる財政支出にすぎない。それに民間資金が入っている。どういう法案が出るか、まだ存じませんけれども、少くとも経常費というものを国庫が負担するという発言は、重要なものだと思う。ほかにいろいろなものに関係がございます。大体独立採算制でやるのが私は建前だと考えられる。こういう点は、もしも御訂正になるならば、御訂正になる機会に御訂正願いたいと思うのですが、もう少し本体を、現に五年もやっている住宅金融公庫の実態というものを、官房長が知らない。大臣が知らないのはやむを得ないが、そういったことじゃ困ると思うのですがね。
  67. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 慎重に申したものですから何ですが、官房長の言う意味も、公庫が政府の出資でできている以上は、私が先ほど申したことと同じ意味だと考えますが、私はそれを別途の予算政府が負担するという意味で申したのではなくて、大部分が政府の出資でやっていきますから、だれがその費用を結局持つのだと言えば、国民の家を建てる人にかけるのか、あるいは政府が持つのかということになれば、多くの分量というものはやはり政府が持っていくという意味において、私は申したわけでありまして、その点は公庫も同様であろう。ただ御要求が、数字的に正確に、何は何というふうに、事務当局としてはお答えをしなければ相済まぬと思って、慎重に申し上げたわけでありますから、私のしろうとの考え方で申しても、その趣旨は同じだろうと思います。なおよく数字的にお答えをする方がよかろうと思って、申し上げているわけであります。
  68. 田中一

    ○田中一君 もう時間も何ですから、私はこれであとに譲ります。
  69. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 大臣は午後衆議院の委員会に御出席のようですが、まだいいですか。ほかにありませんか——それじゃ、この程度で……。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  70. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記をつけて下さい。  来週の火曜、木曜、将来そういうような定例日をきめまして、午前十時から建設常任委員会を開きたいと思います。その他緊急を要する場合にはまた会議を開きますから、建設常任委員会に付託されています法案は大きな法案でありますから、現内閣の生命にも関係するものでありますから、つとめて大臣は精励恪勤をしていただきたいと思います。  きょうはこの程度で散会いたします。    午後零時二十二分散会