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1955-07-25 第22回国会 参議院 建設・大蔵委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月二十五日(月曜日)    午後二時五分開会     —————————————  委員氏名   建設委員    委員長     石川 榮一君    理事      石井  桂君    理事      赤木 正雄君    理事      近藤 信一君    理事      武藤 常介君            石原幹市郎君            小沢久太郎君            酒井 利雄君            西岡 ハル君            宮本 邦彦君            横川 信夫君            北 勝太郎君            村上 義一君            大和 與一君            湯山  勇君            田中  一君            永井純一郎君            堀木 鎌三君            遠藤 柳作君   大蔵委員    委員長     青木 一男君    理事      西川甚五郎君    理事      山本 米治君    理事      土田國太郎君    理事      平林  剛君            青柳 秀夫君            岡崎 真一君            木内 四郎君            白井  勇君            藤野 繁雄君            宮澤 喜一君            片柳 眞吉君            小林 政夫君            杉山 昌作君            前田 久吉君            岡  三郎君            菊川 孝夫君            野溝  勝君            天田 勝正君            松澤 兼人君            鶴見 祐輔君            中川 幸平君            最上 英子君            木村禧八郎君            鮎川 義介君     —————————————  出席者は左の通り。   建設委員    委員長     石川 榮一君    理事            石井  桂君            赤木 正雄君            武藤 常介君    委員            小沢久太郎君            酒井 利雄君            宮本 邦彦君            北 勝太郎君            村上 義一君            湯山  勇君            田中  一君            永井純一郎君            堀木 鎌三君   大蔵委員    委員長     青木 一男君    理事            西川甚五郎君            山本 米治君            土田國太郎君    委員            青柳 秀夫君            木内 四郎君            白井  勇君            藤野 繁雄君            宮澤 喜一君            片柳 眞吉君            小林 政夫君            岡  三郎君            中川 幸平君            最上 英子君   政府委員    大蔵省主計局次    長       正示啓次郎君    大蔵省主計局法    規課長     村上孝太郎君    建設大臣官房長 石破 二朗君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       木村常次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設業法の一部を改正する法律案  (小沢久太郎君外二名発議)     —————————————   〔建設委員長石川榮一委員長席に着く〕
  2. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ただいまから建設大蔵委員会連合審査会を開会いたします。  慣例によりまして、私が委員長の席を汚さしていただきます。何とぞ御協力をお願いいたします。  建設業法の一部を改正する法律案議題に供します。  本案小沢久太郎君ほか二名の発議にかかる法案でございまして、去る二十日建設委員会に付託せられ、二十一日に提案理由説明を聴取し、発議者及び政府に対し若干の質疑を行なった次第でございます。この際発議者から本案提案理由及び内容の詳細の御説明を聴取した上で、発議者及び政府に対して質疑を行なったらどうかと思いますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 御異議ないと存じます。さよう取り計らいいたします。  それでは、発議者から提案理由及びその内容につきまして、詳細な御説明をお願いいたします。
  4. 田中一

    田中一君 ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  建設業法は、昭和二十四年五月、第五国会において建設工事の適正な施工の確保と建設業の健全な発達をはかるために制定されたものであります。  御承知のごとく、終戦後、復興事業の急激な増加あるいは駐留軍関係工事発生等により建設業者の乱立は著しいものがあって、本年三月現在におきましても、建設業法に基く登録業者はなお、六万以上にも及んでいるのであります。  最近、これらの工事の一段落による工事量著減経済的逼迫事情は、業者数に比して工事需要量の僅少なことから、業界に激烈な競争を引き起し、ダンピング入札の弊害を生じつつある現状であります。  著しい低額入札の結果は、必然的に工事施工の粗悪化を来たすのみならず、ひいては業者の破産、あるいは労働者に対する賃銀不払い等を生ずる事態に至りますことは明らかであります。  ことに、国または公共企業体あるいは地方公共団体の行う公共工事は、その財源を国民の租、貯蓄に仰ぎかつ公共の福祉、利益に重大な関係を有することを考えますならば、その工事の良否は看過することのできない問題であります。  公共工事につきましては、古くは大正九年、道路工事執行令第十一条において、予定価格の十分の八から三分の二の範囲内の制限落札価格を定めており、また公共工事前払金保証事業に関する法律に基く保証会社は、予定価格の八割五分を下らない落札価格の場合においてのみ前払金保証を行う方針をとっておりますし、また地方公共団体においてはすでに大半が地方条例に基いて最低制限入札方法を採用している状態であります。  本改正案は、かかる現状にかんがみまして、国または日本国有鉄道等公共企業体もしくは地方公共団体等が、公共工事請負競争入札に付す場合には、予定価格の十分の八以内の最低落札価格に満たない価格による入札を無効とし、公共工事の適正な施工をはかろうとしたものであります。ただし、軽微な工事または特殊な方法によるもので政令で定めるものについては、適用を除外し、運用の円滑を期した次第であります。  以上が本法案提案いたしました理由でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるよう御願いいたします。  簡単でございますが、続いて法律案の要綱を御説明申し上げます。  第一点といたしましては、国、日本国有鉄道日本専売公社日本電信電話公社、今度新しくできますところの日本住宅公団もしくは地方公共団体発注する建設工事請負契約について競争入札を行う場合のみでございます。競争入札を行う場合だけ、政令で定めるところの公共利益に重大な関係のある建設工事注文者、大体電源開発等考えておりますが、その建設工事について最低落札価格制度を採用することとして、最低落札価格に満たない価格による入札は無効とすると、こういうふうに規定してございます。  第二の点は、予定価格の十分の八を下らない範囲注文者が定めることとして、注文者が特にこれを定めない場合は予定価格の十分の八というようにされております。これは御承知のように、予決会計令にありますところの競争入札の場合に対する制限であります。  第三、軽微な建設工事請負契約の場合または設計付入札等の特殊な入札方法による場合は、最低落札価格制度を適用しないことにいたしております。これは、大体三十万から五十万程度の一件の工事随意契約でやっても差しつかえないような扱いをしておるものと思いますから、そういうものはこれに該当しない。ことにまた設計付入札、これはたしか道路執行令にあったと思いますが、これの例外も設けております。  第四は、第一に規定する国等または政令で定める建設工事注文者が、その建設工事とその他の土木建築に関する工事とを一括したものの請負契約について、競争入札を行う場合においても、第一から第三までに規定するととろに準ずることにいたしております。これは建設業法の第二条に、土木建築のうちの建設工事とは何かということが別表で表わしてございます。一から二十二までございますが、この中で、この工事のうち建具取付工事を除いております。同時に、四の石工事のうち石碑、庭石類工事を除いております。この二つを除いておるために、大体どの建設工事にいたしましても建具取付工事は含まれております。従いまして、これだけを除いて工事発注する例はございませんので、この一の分、四の分、いわゆる除外例を設けておる分も、一括請負に出す場合には、全部これが含まれると、こういうように規定したわけでございます。  第五の問題は、これは公布の日から、六十日を経過した日からという経過規定でございます。  以上でございます。
  5. 石川榮一

    委員長石川榮一君) それではこれから質疑を願いたいと思いますが、ただいま政府から出席しておる方は建設省宮内建設業課長大蔵省村上法規課長会計検査院小峰検査第三局長、この三氏が出席されておりますが、逐次竹山建設大臣石破官房長大蔵省森永主計局長参議院法制局腰原第二課長等が出席することになっております。腰原君は出席しております。順次御質疑のある方は御発言を願います。
  6. 小林政夫

    小林政夫君 今内容説明された中で、公共利益に重大な関係ある建設工事政令で定めるもの、こういうのは電源開発等を予定しておるということでしたが、そのほかに具体的な御腹案があればお聞かせを願います。
  7. 田中一

    田中一君 御承知のように、この公共工事前払金保証事業に関する法律により、土木建築に関する公共工事の指定、これが前払金保証事業に関する法律の中に、建設大臣公共工事とは何かということを指定しております。この指定しておりますのはこういう業種になっております。電源開発その他電気事業設備拡充に関する工事電信電話工事鉄道軌道工事日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留するアメリカ合衆国軍隊発注する工事製鉄業石炭採掘業、鉱業、石油精製業合成繊維工業硫安工業及び造船業設備拡充に関する工事森林組合農業協同組合漁業協同組合及び塩業組合並びにこれらの連合会発注する工事。国または地方公共団体が出資している法人発注する工事及びこれらの法人耐火建築促進のために貸しつける資金にかかわる工事国家公務員共済組合法に基く共済組合日本専売公社法第五十一条第一項、日本国有鉄道法第五十七条第一項及び日本電信電話公社法第八十条第一項の規定により日本専売公社日本国有鉄道及び日本電信電話公社に設けられた組合を含む。)またはこれらの連合会発注する工事ガス事業設備拡充に関する工事放送事業設備拡充に関する工事道路法規定により道路管理者以外の者の行う道路に関する工事及び道路運送法規定による自動車道工事。国または地方公共団体から補助金の交付を受けている公益法人発注する工事健康保険組合及び国民健康保険組合並びにこれらの連合会発注する工事。国、日本国有鉄道日本専売公社日本電信電話公社または地方公共団体その他の公共団体直轄工事の用に供する目的をもって発注する機械類の製造。厚生年金保険積立金還元融資にかかわる工事。この十五を建設大臣公共工事土木建築に関する公共工事、こういうふうに規定しております。  そこで、これを全部政令できめるような希望は持っておりません。大体考えておりますのは、一つ電源開発会社及び電力会社発注する工事国家公務員共済組合法に基くただいま御説明申し上げました日本専売公社日本国有鉄道及び日本電信電話公社に設けられた組合またこれらの連合会発注する工事。それから健康保険組合及び国民健康保険組合並びにこれらの連合会発注する工事厚生年金保険積立金還元融資にかかわる工事。大体この四つくらいに考えております。法律の上で明記しましたものは同様でございます。そしてあとで、現在国会において審議されております愛知用水公団ですか、ああいうような類のものは今後建設大臣内閣でよくお考えになって、これは当然それに該当するものと見られるならば、政令にゆだねるべきではないか、かように考えております。
  8. 小林政夫

    小林政夫君 それから第二項の「政令で定める軽微な建設工事」というのは、先ほどの御説明で三十万ないし五十万以下の軽工事ということでありますが、大体三十万ないし五十万というのでございますが、どの程度に予定されているか。それからちょっと田中さん、ゆっくり説明して下さい。あなたは早口で聞き取れない。また「政令で定める特殊な方法」というのはどういうことか。先ほど御説明があったようですれども、ちょっと聞き取れなかったのです。
  9. 田中一

    田中一君 軽微な工事を言っているのですね。これは私に聞くより、政府に聞いてもらった方がいいと思うのですが、大体三十万ないし五十万円程度工事は、競争入札に付さないで、随意契約でやっていることが多いのだそうでございます。そういう点がありますので、いわゆる現在やっておりますところの各公共工事発注の形式のうち随意契約でやれる分は除く、こうきめておりますのでこの点につきましては政府並びに会計検査院あたりにお聞き願いたいと思います。
  10. 小林政夫

    小林政夫君 大体御提案になった建設業法改正する御提案内容はわかりましたが、私はこの御改正趣旨は、会計法競争による最低落札者契約を締結する、こう会計法に定めておる。第二十九条の会計法の定めるところの例外規定を設ける、こういう趣旨のようでございますが、従って建前といたしましては、本来会計法自体において、もしこういうような御提案趣旨にする必要があれば、会計法修正考えるべきであって、この建設業法でこのような取り計らいをするということは、少し筋違いではなかろうかと、こういうふうにわれわれは思うのでありますが、その点は提案者においてはどのようにお考えになっておるか。
  11. 田中一

    田中一君 小林さんにお答えする前に、なぜわれわれがこの法案を本国会提案しなければならないかという点につきまして、歴史的な経過を御説明したいと思うのですが、よろしゅうございますか、お聞き取り願えますか……。  第十六国会におきまして、ちょうど建設業法改正案がわれわれ建設委員会に付託となりまして審議いたしておりました。当時、御承知のように、占領軍が大体駐留軍と変るような段階になりまして、工事量も、戦災後、戦災復興事業というものも一段落し、なおかつ傾向としまして、朝鮮特需はございましたけれども、傾向としては、もう一般の建設工事というものが減ってきた、こういうな状態になっておりました。そこでその際に、ちょうどここに速記録がございますが、これは自由党鹿島守之助さんが御提案でございまして、この方からもずいぶん強く、今日ではこのような性質の法律の制定が望ましい、これは建設業界全部の意思であるというような発言もあり、また石井桂君からも発言があり、小沢久太郎君からもあったわけなんです。私詳しく全国的な実情をいろいろ調べますと、昭和二十五年に、政府建設業法実施とともに、中央建設業審議会というものを作りまして、そうしてその審議会に対して、この法律にありますような、建設業法にありますような建設業の育成という面から、いろいろな諮問をいたしております。たとえば建設工事入札制度の合理化問題についてどう考えるかという点、それから建設工事標準請負契約約款はどういうものがいいかという点、建設請負工事経費算定資料というものも研究せよというような数々の諮問がございまして、その中で、建設工事入札制度合理化対策という問題の答申建設大臣に向って中央建設業審議会からなされたわけであります。政府は直ちにこの審議会答申に基きまして、この通牒の形を私よく存じておりますけれども、各地方都道府県に向って、この合理化対策並びに建設工事標準請負契約約款等々の審議会の結論を流しました。そしてその当時から、地方公共団体はおおむねその答申に基いた合理化対策を実行して参っております。この昭和二十五年九月十三日の答案申にこうなっております。第五の問題としまして、   「落札価格制限、現在における入札ダンピング状況に鑑みるとき建設工事の適正な施行を確保すると共に建設業全般の健全な発達を図る為には暫定対策として落札価格制限をなすととは不可欠であると考えられる。よって左の如き方法によることが適当である。   入札価格発注者の定めた予定価格について一定率未満価格(例えば予定価格から固定費と利潤を減じた額未満価格)の場合はその入札は採用しないものとする。但しその入札者の提出する見積内訳書を審査して、入札価格算定が正当な理由に基くと認められる場合はこれを採用することができる。  こういうものを、前記の趣旨規定予算決算及び会計令臨時特例として設けていただきたい、このような案だったのであります。これはいわゆる十分の八程度、二割が——今の建設請負工事経費算定資料というもの、これは大蔵省主計局建設工業経営研究会最高裁判所事務総局経理局電気通信省施設局建築部日本建築学会建築経済委員会日本国有鉄道施設部法務省法務総裁官房経理部郵政大臣官房建築部会計検査院事務総局建設省営繕局全国建設業協会東京建設業協会東京建築局日本建築設計管理協会物価庁第四部、文部省管理局教育施設部、この十幾つかの団体が集まりまして、さて一体請負工事の諸経費算定はどうなるのかということを研究しました。その結果、いわゆる二割弱程度がこれに当る。従って、十分の八ならばまあほかの仕事とも勘案いたしまして勉強して、別な仕事でもって勘案してまあ勉強してやれるという線が出たのであります。  こういうことから、二十八年の七月二十三日です。ちょうどわれわれ社会党両派並びに労農党木村君がおりましたので、一緒になりまして、建設業法の一部改正法律案修正意見を出しました。修正案を提示いたしました。不幸にして当時は、政府の方の考え方が、待ってくれ——たしか戸塚建設大臣ですか、待ってくれ、この事実は自分がよく知っておるから、次回の国会、十九国会には必ず政府提案いたして、そうして実施をはかりたい、このような発言があったために、今申し上げました自由党鹿島君、石井君、小沢君等も政府のお言葉をおそらく御信頼になったと思います。そうしてわれわれの出しました修正案は否決になりまして、十九国会を迎えたのでございます。  ところが、戸塚さん御病気で国会に出て参りません。とうとう国会に出ずじまいで退官してしまうという現状です。ことに速記録がございますが、戸塚建設大臣が何と言ったか残っております。そしてやむを得ず政府の、吉田内閣公約を、おそらく建設大臣公約をやっておったのですが、提案なされないものですから、昨年の五月末ですか、再びこの法案をわれわれの方から提案いたしまして、ところが、御承知乱闘国会によりまして、そのまま流産のうき目を見たわけでございます。  このような経緯をもって、今回三度目の提案ということになったのでございまして、今言った通り、この中央建設業審議会予決会計令臨時特例として認めてほしい、こういうような答申でございますけれども、これが会計検査院並びに建設庁当局に話をしておりますけれども、なかなか聞いてくれない。しかしながら、事実において、地方公共団体はどんどんこれを採用しております。私のところにも調査がございます。大体全部といっていいくらいなのです。それから国の部分も、国鉄はこれを採用してございます。一方において、このような政府は通達か通牒をもちまして、地方公共団体実施せられておる現状にかかわらず、今言う予決会計令にこれを直そうということも考えずに、また閣僚の一人としての戸塚建設大臣もその公約をいまだに果しておりません。まあわれわれは、ここで左派の近藤君、私、それから小沢久太郎君の三名が提案者になっておりますが、自由党の諸君、同僚議員は全部賛成者になっております。従って、大蔵委員皆さんにはお話しするのが初めてでありますが、建設委員会としては、今までの歴史的な経過並びに現在の建設業界のおかれているところの現実というものから見まして、これは妥当なりというような形で提案されたものでございます。  今御質問の、なぜ建設業法に入れたかと申しますと、これは私が小林さんに申し上げるまでもなく、もしも予決会計令をもちますと、これは当然大蔵委員会の所管になります。そしていまだにここにいらっしゃる小峰君なども、自分からは予決会計令立場からいってこのような特例は困る、こういうような意思表示がございます。政府建設大臣の意向はまだ聞いておりません。おりませんが、私はかえって、小林さんの御質問は、われわれがこのような経緯でもって出したものでございますから、会計検査院並びに建設大臣の方に御質問願えば、もっとはっきりするんじゃないか思うのです。そこでなお御質問があれば、現状はどうなっているかという問題、それから先般の日本経済新聞に載りましたところの、この制度は再び汚職の温床になるんじゃなかろうかなどというような新聞記事が見えております。こういう点についても、御心配な点がありますならば、それはそうではないのであって、ここに原因があるんだ、東京都の汚職というものはここにあるんだということを指摘してもよろしゅうございます。従って、今のなぜ建設業法でやったかというのは、なるほどすっきりしないものもございます。しかしながら、合法的ないわゆる立法権と申しますか、そういうところから、苦しみながらやっておるので、その点を小林さんに指摘されましてはなはだ申しわけないと思いますけれども、この際は一つ今までの経緯を御理解願いまして、その点については会計検査院並びに建設大臣の方に御質問願いたいと思います。
  12. 小林政夫

    小林政夫君 何とか政府の言明もあったことだから、こういうふうな方法で助成をしたい、こういうようなことで、これを実現するのには、大蔵委員会では提案が少し難航するかもしらぬ、建設委員会ならば従来の事情もわかるし、皆さん御理解もあるから、建設委員会にかかる法案の形において出そう、こういうのが提案者苦心の結果のように拝聴いたしましたが、御苦心のほどはわかりますが、ただ国会審議立場から申しますと、われわれは従来からそういうことを痛感しておったのでありますけれども、どうもこの種の予算等に関する問題、減税であるとか、あるいは予算の増額を伴うとか、あるいは会計関係特例であるとか、あるいは国有財産の払い下げの問題であるとか、こういうような問題について、いろいろ専門的な実体をやられる委員会において特殊な例外規定を設けようといたしますと、本来そういうようなことを主管しているのは大蔵委員会であり、国の財政全体をながめての決定をやらなければならぬと思いますが、こういうその担当建設あるいは商工、農林というような各現業担当委員会において、個々ばらばら財政の原則の例外、あるいは特別な措置をやっていくということは、これは国会議員として、田中さんはあまりいい方法ではないというお考えのはずだと思いますが、今の言明でもなかなか苦しい御言明だったが、本心はそうお考えになっておると思いますが、どうですか。
  13. 田中一

    田中一君 おっしゃる通りでございます。しかしながら、これは小林さん御承知のように、われわれは道路整備五ヵ年計画というものをもちまして、これはわれわれの会派にも非常に問題がございました。そのような目的税的なものを、ガソリン税を全部道路に持っていくということはおもしろくない。大蔵委員会にもずいぶん反対があったようでございました。ところが、これは通りました。通りましたが、一ぺんも実施しないで、直ちに大蔵委員会は、われわれの立法精神というものをじゅうりんいたしまして、そうして昨年度は地方譲与税というものに持っていく、本年度はまた税金を上げようとし、なおかつ、地方道路税または譲与税として、これをわれわれの目的を全部じゅうりんいたしまして、これははっきりじゅうりんしているのでございます。これは小林さんよく御存じでございます。たった三億八千万しか通常経費予算道路整備に組まない。そうして全部ガソリン税そのものを向け、なおかつ、そのうちから増税をして地方へ流す。国会における立法者の精神というものをじゅうりんしてはばからないのが、大蔵省一つの例でございます。私はあえて自分のことを申すのではない。小林さんの方がよく御存じのはずでございます。大蔵省のとの態度は、御賛成であるはずがないと思います。従って、私は立場を変えますならば、このような大蔵省自分の権限をもちまして、建設委員会におけるところの立法精神というようなものをじゅうりんするというような形のものもあり得るということを、小林さんに申上げまして、私の苦しい答弁といたします。(笑声)
  14. 小林政夫

    小林政夫君 まあ道路整備関係については、田中委員も御承知通り、やはり建設、大蔵連合委員会をもちまして、相当われわれ異論を申し立てたことは御承知通りでございますが、まあだいぶ本論から離れますから……。  そうすると、政府の方へ伺いますが、今の田中委員説明だと、従来戸塚建設大臣はこのような方法が必要である、ぜひ次回に政府提案考えたい、こういう言明をしたと言われるわけでありますが、建設省においてはどのようにこの提案についてお考えになっておるか。また先ほど私が提案者に指摘したように、本来これはいいことであるならば、堂々と会計法あるいは予決会計令等の改正でもっていくべきではないか。そういうような点について、建設省当局としてはどのようにお考えになっておりますか。
  15. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 建設省としての意見を述べるようにという御要求でございますが、目下政府におきまして意見調整中でございます。内輪を申しますと、大体意見がまとまりまして、あす午前中までには政府としての意見がまとまると思いますので、それまで建設省としての意見表明も差し控えさしていただきたいと思います。  なお、前々国会でありましたか、当時の戸塚建設大臣の言明云々の点がありますが、詳しくは覚えておりませんけれども、建設省としては、この建設業法改正するとかなんとかという具体的な問題でなしに、はなはだしく不当と思われるような入札があった場合に、それを適正な方法で適正なものに直す手段について研究してみたいというような趣旨のことは確かに大臣も申し上げたと思いますが、私どもも当時そういう考えでおりましたことには間違いございません。
  16. 小林政夫

    小林政夫君 非常に不当な入札をして、国の所期する工事の施行が危ぶまれるというようなことについて、何とか防ぐ方法考えたいということと、この提案に盛られているこれは、まあ提案者一つのその方法としてお考えになっておるようでありますけれども、具体的な内容とは、必ずしも一致しないのではないかと思うんですが、これは当時の戸塚さんが今おられぬから聞いてみてもしょうがありませんが、さて、本法案提案者が心配をされているところの予定価格の八割を下回る入札者はいわゆる安かろう悪かろうで、ほんとうに過去の実績等において、予定価格の八割以下の入札をした者のやった工事について安かろう悪かろうという結果が現われた実績をお持ちであるか、どういうような状態であるか、この点について御説明願えれば幸いです。
  17. 田中一

    田中一君 政府が、たとえば二十八年度の台風のように、予算も何もないのに仕事をさせる実態が多い。御承知通り、これは私は昨年の暮に本会議で仕越し工事について緊急質問をいたしました。その際に、大体百二十億業者の貸し越しになっているということを言っております。ところが、当時の建設大臣の小澤さんでしたか、八十億だと言っておりました。現在も相当仕越し工事が残っております。それで国が金を払わない、予算がない、つぶれる。これはこの際には大体実態は競争入札でなく、大体において政府の方が進んで随契的な契約を結んでおります。業者を何人か呼びまして、業者がやって来る。急にしなければ間に合わぬというので、応急工事をどんどんやっております。これは私は中部地区の立神君を呼んでみればわかると思いますが、形式は踏んでおりませんが、一種の特名工事なんです。これはなぜかというと、工事の緊急性からそういう手を打ったのです。なおかつ、金がないのです。財源がない。財源がないのにかかわらず、請負人をだまして特名工事でやらせる。形式的にはなるほど入札のような格好をしたものか私知りませんけれども、そういうことをやっております。そういう事例もあります。また和歌山県の相当大きな会社がつぶれております。応急工事だからといって、まあ随契的な、お前やってくれと頼まれて、やっても金をくれない。こういう事例が一つ。それから六割とか五割とかというようなことで仕事をやっているが、損する損しないよりも、その会社がつぶれれば、これは良心的な請負人であるけれども、自分が持ち出して仕事を完成したと一応見られることもあるでしょう。しかしながら、おおむねつぶれない場合、これは不正工事をしたとは言いませんが、先般も会計検査院小峰第三局長に聞いてみますと、堰堤なども穴をえぐって検査をするというような事例もあると言っております。それについては会計検査院で批難されるものもございましょうし、また建設工事というものは、一ぺんでき上った建物を基礎をハッパをかけてぶちこわして中の検査をしなければ、実際の仕事はわかるものでない。従って、私はあえて不正工事をしているとは言いません。言いませんが、しかし満足な、十分な工事になっていないような危険が多分にある、こう考えております。だから、倒産、破産した例については私は資料を持ち合わせません。従って、石破君からお聞き願った方がいいと思います。
  18. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) ただいまの御質問の安かろう悪かろうという事例があるかどうかというお尋ねでございますが、実は詳しい資料を持っております。御要求によりまして資料として提出いたしたいと思いますが、建設省直轄工事、これを請負にしました際の過去の実績を見てみますと、必ずしも予定価格の何割とか、ずっと下回ってとったものが必ずしも工事が悪いという結果に相なっておりません。予定価格一ぱい一ぱいでとったものの中にも、相当成績の悪かったものもありますし、むしろ率から申しますと、予定価格一ぱい一ぱいで上の方でとったものの中に、いわゆる粗悪工事が多いのではなかろうか、こういう結果になっております。
  19. 小林政夫

    小林政夫君 その資料をいただきたいと思います。それから資料を拝見すると、今官房長の言われたような結論になるのでありましょうが、その点については提案者田中委員はいろいろ引例なされたけれども、どうもあなたの言われるのは抽象的であって、必ずしも、倒産したからといって、それが安工事を引き受けて倒産したかどうかということも、その会社の経理の実態に入ってみないとわからないのではないか、こういうこともございますので、広範に国の直轄事業についての資料に基いて、建設省において調査した結果を数字的に考えて、安かろう悪かろうというようなことは言えないという結論のように拝聴したわけです。しかし、一応提案者の心配されるような安かろう悪かろうというような心配も必ずしもなきにしもあらずですが、これが現行の国の会計制度のもとにおいて、提案者の心配されるような安かろう悪かろうというような点を防ぐというか、防止する何か制度的なものがあるのではないか。そういう点について大蔵当局から、こういう法規を引用すれば大体いけるということがあれば、説明していただきたいと思う。
  20. 村上孝太郎

    政府委員村上孝太郎君) ただいま建設省の官房長から実績に基いてのお答えがございましたが、われわれ国の注文しました工事の悪質化というものが一体どこから起ってくるかということを考えてみますと、まず第一には、きわめて不誠実なあるいは不信用な業者入札に参加する。従って、その資本力あるいは生産手段等々から見ますと、十分に引き受けた仕事ができないのにもかかわらず、これに参加するというふうな場合が顕著な例かと思います。あるいは過去においてきわめて不信用なことをしておる、あるいは金融機関筋からほとんど見捨てられておるというような実績を持っておりますれば、こういうような外形的な基準から見まして、あまり良質な工事を完遂する能力なしと見られる業者をまず防止するというのが、まず第一番に問題かと思います。この点につきましては、現在の予決令の百二条第五号ロというところに、もしそういうふうな業者が入ってきますおそれがあるというときには、入札方法というものを一般競争から指名競争に切りかえて、そうして、そうした不誠実、不信用な、外形基準から見ておもしろくない建設業者を排除するということができるようになっております。まずこうした外形基準からの点はこういう方法によって防げるのではないかと思うのであります。  その後の問題になりますというと、結局コストとその工事という関係になるのでありましょうが、それは先ほど実績の御報告にもありましたように、それぞれの事業においてそれぞれ特殊な生産条件をもっております。たとえば非常に立地的に安くできるとか、あるいは以前に非常に安い資材を買い込んでいるとか、あるいはきわめて自分には特殊な生産能率があるとか、こういうことになりますと、それぞれの業者のコストというものは千差万別であって、従って、その業者予定価格に対してきわめて低い価格でできるという客観的なあるいは経済の条件があることになるのではないかと思います。そうしますと、その後の問題において結局粗悪工事というものが介入いたしてくる原因は、まず第一には、工事を監督すべき監督官庁の指導監督というものが果して十分に行われているかどうかというふうな問題になるのではないかと思うのであります。これは私の方で申しますよりも、建設省の方のことになるのでありますが、その指導監督というものに十分な手がなければ、その外形基準においては十分良質な工事が提供できるであろうと思われるにもかかわらず、現実には非常にずるけて手を抜くというふうな問題も起るだろうと思うのでありますが、現在のところ、建設省の各地建の能力その他から、私はこの点についてはできるだけのことが行われておるのじゃないかと、こういうふうに考えております。  第三番目の問題は、実際に工事が完了いたしまして、それを国に納入しますときに、国がこれを厳重に審査をいたしましても、その審査の結果につきまして、入札の条件にもし少したりとも反するところがありますれば、厳重な改修命令をいたしまして、十分この入札の際の条件に合うような工事をさせるということが必要でないかと思うのでありますが、この点につきましても、予決令の規定の中に完了いたしましたときにはその検収をしなければならぬという規定が第七十五条にございます。  こういうふうなことで、この入札の際の外形的な不誠実、不信用と申しますか、一見してきわめて粗悪工事の原因になるような業者を除き、かつその工事の途中におきまして厳重な監督をいたし、かつ納入いたしますときに厳重な検収をいたしまして、その誤れるところを指摘するというこの三つの方法がありますれば、私はこの粗悪工事の相当な部分というものは防げるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  21. 小林政夫

    小林政夫君 建設省に伺いますが、この七十五条の検収を十分にやるということは、従来自信を持ってやれておりますか。
  22. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 検収を確信を持ってやっておるかというお尋ねですが、できるだけのことはいたしておりますけれども、監督なり検収というものが、正直に申しまして、従来十分に行われておったとは言い切れない点が相当あるんじやなかろうか、かように考えております。  なお、先ほどちょっと御説明申し落しましたが、安かろう悪かろうという具体的の事例は数字としては出てはいませんけれども、やはり私どもといたしましては、自分工事請負に出して工事を完成するという立場と、それからもう一つ建設業界の健全な育成発達をはかるという両方の立場を持っておるわけでございますが、工事面で安い札を入れたからといって、必ずしもそれが粗悪工事になって現れるという数字は出ませんけれども、全体としてながめてみました際に、いやしくも政府において責任を持って予定価格というものを立てておるわけでありますが、それの六〇%とか、はなはだしいのは五〇%というようなことで、いろいろその事情はありましょうけれども、そういうことで適当な工事ができるわけはないだろう、かように考えておるわけであります。つまり最近の実情を見てみますと、建設業者の実情というものは、相当工事をやっていかないと成り立たないような状況にもあるようでございます。無理をしてでも工事をとろうというのが、建設業界の全般の状況じゃなかろうかと思います。従いまして、具体的な数字はもちろん出ませんけれども、安い札を入れてとった工事、それは何とかやっていく。しかし会社の全体の経営としては、そういうととが積り積って、業界の健全な発達という面からいけば、逆の方向に行かざるを得ないというような実情もあろうかと思いまして、御参考につけ加えておきます。
  23. 小林政夫

    小林政夫君 前段の検収が自信を持ってやっておられるかという質問に対して、必ずしもどうも完璧ではなかったという答弁でありますが、これは意外であります。もちろん完璧を期せられないとか、会計検査院の方において相当指摘された不十分な工事が出ておる現状において、あなたの方でそう言い切ることは、かえって何と申しますか、事実と違う結果になるので、そういう御答弁であったと思いますけれども、しかし、いやしくも工事を請け負わして、その一定の設計に基いてこの程度工事をやれということをいって仕事をやった以上は、その請負人が適正に仕事をするかどうかということの跡づけをする責任は、国の金を使って工事をする責任者として、当然全力を尽さなければならぬことである。それがやれないというようなことでは、実際何に原因があるのか。人手が足らないのか。そういうようなことについて、われわれに訴えがあったということも聞いておらない。会計検査院において指摘されれば、はなはだ相済みませんでした、決算委員会等において問題になっておりますけれども、そのつど、済まなかった、済まなかったというだけのことである。大いに本来の趣旨に沿うて、十分に検収に格段の努力をするということによって、そういうような、簡単にいって規格に合わない工事の出現を防ぐことができると思いますけれども、どうして自信を持ってできないということが言えるわけですか。
  24. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) ただいま議題になっております、入札価格が安かったか高かったかというようなこととは、直接の因果関係はないと思いますが、従来とも建設省におきましては、直轄工事の監督なり検収には力を入れておるつもりでございます。おかげさまで、終戦直後に比べますと、だんだんよくなって参っておると思います。しかしながら先ほどは、これで絶滅を期する自信があるかというような意味に御質問を受け取ったものでございますから、必ずしもそうとは言い切れない面がありますと率直に申し上げたわけでありますが、われわれといたしましては、ただいま議題になっております法案とは無関係に、お話の通り工事の適正化につきましては、全力をあげて、一件も批難工事が出ないように努める所存であります。
  25. 小林政夫

    小林政夫君 今の答弁なら満足をいたしますが、ぜひそうあってほしいと思うのであります。  後段の、どうしても予定価格の五〇%というようなことでは、なるほど工事自体は、国の要求した通り工事になったとしても、その事業者の金繰りというか、経営内容としては、その工事はどうにかやり切ったとしても、非常に赤字をかかえて行き詰まりを来たす、こういう意味のお話があった。また提案者の方も、この法案提案理由一つとして、業者のダンピングによってその経営が不如意になり、ひいては倒産をし、労務者等に対する給与の不払いも防止したいのだ、こういうような、一面建設業を擁護し、またこれに働くところの労働者の保護をするというようなこともねらっておられるようでありますけれども、これらそういう企業を擁護する政策、また従ってそれに従事しておるところの労働者を擁護する政策と、国の会計制度というものは、これは別でなくてはならぬ。非常にこの建設業というものが乱立しておって、どうも共倒れになるということであれば、そのこと自体こそ建設業法考えられて、今の登録制度というものを免許制度にするとか、こういうことが建設業法としては考えるべき筋である。この国の工事は、なるべくいい工事が安くできるように考えるのが建前であって、そういう意味からいえば、これは会計制度の問題、あるいは企業政策、あるいは社会政策、労働政策の問題とあわせて、この請負制度関係して解決しようということは、これはちょっと会計制度自体についての混乱を来たすことになるのではないか。その点について提案者及び建設省大蔵省はどういうふうに考えますか。
  26. 田中一

    田中一君 その点はまことに御説の通りであります。しかし、まあ予決会計令というものが今日の段階で万全なものではない、あるいはこれがこれでいいのだという前提のもとに考える場合、これは現在われわれもそう考えております、この法律がございますから。しかしながら、業者が多いから、多い業者は減らせばいい。その方の整理をしていかれるなら、あるいは登録制にしたらいいじゃないかというような御議論は、ちょっとこの問題と別なんです。ということは、われわれがこれでもって規制するのは——御指摘と同じように、請負業者は御承知のように多い。登録業者は六万ぐらいおるでしょう。そのほかにまだ未登録の人が何十万おると思います。これもみんな将来の清水とか大林とか、大業者を目ざして働いておると思いますけれども、何といっても現在六万以上の者があるということは現在の事実なんです。従って、多い問題につきましては、この人間をもうやめさすか、あるいは何というか、制限をつけて失格さすかということ以外にはないと思うのであります。従って、その問題は一つ、私は現在憲法できめられたところの職業選択の自由というものは、依然として憲法にございますから、どう請負人が幾らふえようとも、一向差しつかえないと思います。しかしながら、制度そのものが悪いために業者がふえるという場合なら、先ほど小林さんの御指摘の通り、その面で規制する。しかし現在の請負人の持っておる業態自体が正しい仕事をして正しい利潤をあげたい、あるいは下請その他に対して正しい報酬を支払いたいというような純粋な考えからいった場合に、制度上の欠陥があるならば、この欠陥を直すのは当然だと思います。もしそうでないならば、二十五年の九月十何日かの中央建設業審議会答申をそのまま地方に流して、地方全部やっておるのです。やらせておるのです。地方公共団体に対してはその資料を流しまして、実行させておるのです。私の手元にあるだけでも相当ございます。あるところでは十分の九、建築工事の場合には十分の九以下は無効であるという条例を定めてきめておる所もございます。またこの建前は、会計令の建前というものは、どこまでも、自由競争であり、最低入札制度をとれ、こういうことを言っておるのであります。ところが、今言う最低入札もできますし、また大正九年に道路執行令を作りまして、十分の八または三分の二以下の価格というものは、入札価格というものは無効だということを宣言しておるのです。これは私はたしか三年前だったと思いますけれども、この不当をなじりまして、執行令を廃止さしたことが記憶にございます。これも速記録に残っております。現に最低制限をつけるということのよしあしは、会計令とは背反しております。背反しておりますが、大正九年から政府は実行しておるのです。それが三分の二が正しいのであって、十分の八は不正だということにはならぬと思うのです。ましてや、政府は責任をもって地方公共団体に対しまして、これは国の補助金を流しておるところの工事担当者、知事、各地方の長に回って、この答申に基いて善処しろというような形の通告をしたでございましょう。正確な資料を持ちませんが、おそらく全部がこれをやっておると思います。もし詳細を言えと言われれば申し上げますけれども、やらぬ府県はまずないと見てよろしいのでございます。現にやらしておるのです。  それが非常に疑問に思うのは、たとえば先般の日本経済新聞における汚職の温床になるのじゃないかというようね点が新聞に書かれておりますけれども、これは全然問題外です。御承知のように、今石破官房長が言っておるように、業界の育成のために前払金保証制度を立法化いたしました。そうしてこの保証会社保証するならば、三割以内の前払金をこの会社が保証するならば、国あるいは地方公共団体、あるいは先ほど読み上げました十四の業種というものは、会社が保証するならば前払金を出してやる、こういう法律も出ております。この法律は現在では、予定価格の八割五分以下というものに対しては保証いたしません。では、予定価格を何で発見するか、これは会計令にはっきり書いてございます。予定価格というものをもって入札場なりに臨んで、そうして本来なら面前開札をして、そうして示すのが正しいのであります。これは会計令にございます。そういうことをしないで、特定の自分の好きな者、弱い者やなんか入札の資格のない者を、これはたしかクラスがありまして、一級から五級ぐらいまであるわけです。弱い者も縁故でもって入れてやらすということが、不正なりあるいは汚職を生むものでございます。東京都の場合は、この前払金保証制度というものがあるにもかかわらず、東京都はこの前払保証制度を採用しておりません。そうしてこの制度を承認いたしますと、だまって請負に金が集まっていきます。請負人ばかりではございません。全部が金融梗塞になっているけれども、それに入っておりますれば、その会社の保証があれば金が借りられる。ところが、この貸し付けに加入しておらないのです、東京都は。そうして自分の特定なりあるいは、私はここで東京都の汚職問題をばらすわけではございませんけれども、知事とか知事の兄弟とか、特定な縁故者の請負人には前払金を払っている。そういう問題が汚職を生むのであって、このような最低入札制度そのものが汚職を生むのじゃないのです。前払金保証会社制度を利用しない東京都が、自分のふところ勘定で縁故には前払金を払う。ある場合にはやらない。業者育成の法律を利用しないから汚職が生まれる、こう私は見ておるのであります。  従って、いろいろ申し上げましたが、私は会計令の本当の精神というものと違っている措置を、通牒として政府は全国の地方公共団体に流しております。すでに大正九年には最低入札制限というものを執行令でもってきめております。また国鉄は十分の八までロアー・リミット制を採用しております。しかし補助金を受けておる地方公共団体にそれをさせておきながら、国がなぜできないというのでございましょう。そうしてまた安い値段でとってもむろん工事の間違いがない。りっぱに契約通り、図面通り完成しているということは、これはその請け負ったととろの業者の力であって、国が幾ら考えても、三割安いものをとったものが、それが業態の何といいますか、五〇%になる場合には、これは欠損でつぶれるのは当然でございます。そういう危険な状態に追い込まないようにとの法律を作ったというわけでございます。従って、会計令に違っているのじゃないかということの御議論は、大正九年に道路執行令で、はっきり前もって実行しておりますから、その非難は当らぬと考えておるのであります。
  27. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 先ほど建設業界の健全な育成発達をはかるために、例をお上げ下さいまして、私どもの意見をお尋ねでありましたのでありますが、もちろんわれわれはこれを所管するものとして、かねて検討はいたしておりますが、問題は政府なり一般民間の工事の量に比べて、それと建設業者の数との問題がやはり根本の問題であろうと、かように考えておりまして、これが根本的な解決をはかることはなかなかむずかしい問題であろう、かように考えております。ただ、今後これをどうしていくかという問題につきましては、この法案と関連します政府の意見等もあろうかと思いますので、今日のところでは一つ差し控えさしていただきたいと思います。あす中には政府の態度をはっきりきめたいと思います。
  28. 村上孝太郎

    政府委員村上孝太郎君) 大蔵省立場から一言御答弁をさしていただきます。  まず第一に、国の会計制度といたしまして、現在の予決令は古くさくて間に合わんのだ、こういうお説のようでございますが、われわれの方も会計制度予算制度というものにつきましては虚心に、もし真実の事由があればこれに対して改正をいたしますことにやぶさかでないのであります。ただ、従来まで一般競争入札方法につきまして、各省から最低価格制度に改めてくれという要求を受けたことはございません。それは私がはっきり申し上げておきます。  それから第二に自治庁が地方に通牒を流してやらせておるというお話でございますが、現在の地方自治法二百四十三条には明瞭に、地方公共団体が請け負わせるときには一般競争入札を原則とする。ただし、臨時急施を要するとき、入札価格入札に要する経費そのものをも満たさないというふうな非常に零細な工事案件のとき議会が同意したときには、特例を設けてもよろしいという規定になっております。従って、それと相反するような通牒を自治庁が出せるかどうかというのは非常に大きな疑問を持っておるのでありますが、これは私はっきり調べておりません。昭和二十四年に愛知県の建設部長から自治庁に対して、問、答の形でこの点についてちょっと触れたような例がございます。それは地方自治法には落札決定といって、工事入札においては通常予定価格範囲内で最低価格のものをもって落札するのであるが、特に重要な工事等々の場合においては、落札決定については契約担当者において特別の規定を設けてもよいかという問でありますが、それに対します答としまして、最低価格を定めるには地方自治法二百四十三条一項のただし書きの規定により議会の同意を要するという法律の解釈を回答いたしております。中央建設審議会答申の結果どういうふうな通牒を流しましたか、私は、それは通牒ではないので、建設審議会の結論を各地方公共団体に紹介したといいますか、もしそうでなければ、昭和二十七年に旧道路法が廃止されてから、その旧道路法の根拠でもってそうした通牒を流したかもしれないのであります。この点については私の方で調べたいと思っておりますが、現在の地方公共団体における請負の基本原則は地方自治法第二百四十三条によって律せられるものと私は考えております。  第三に、一般競争というものをやりましたときに、いわば出血入札といいますか、不公正な競争方法が行われまして、その結果倒産する業者もあるという場合に、国の調達行為でもってそうした社会的あるいは経済的混乱を是正するか、あるいは別個にそうした独自の法体系あるいは法領域があるべきかという問題については、私はやはり会計法でやるのが最もいいんじゃなかろうかというふうに考えております。一兆になんなんとしまするところの国費というものの執行につきましては、ただでさえ非常に大きな問題になります。そこで国といたしましては、その資金効率を最も高く確保するためには、いわゆる競争の利得というものを享受する方法でやれ。いわゆる契約をする個人が自分の勝手な意思判断に基いて契約の相手を選ぶということは非常に弊害がある。またその際相手の競争というものを十分にさして競争の利得を十分に享受するという方法によってやるのが、国の予算の執行に当って最も資金効率を高めるゆえんであるというふうな原則に基いておるのであります。ただ競争した場合に、競争する業者の方は適正な利潤、適正なコストでもって契約をいたしたいと思うにもかかわらず、それができないような業界がある場合に一体どうしたらいいかということが問題になると思うのでありますが、それはいわゆる経済民主主義という新憲法の精神から申しますれば、いわゆる不公正な競争方法というものを排除して公正な競争というものを確保するところの、たとえば独占禁止法とか、そういう民主主義的な経済立法によって達成されるべきではなかろうかというふうに考えるわけでございます。かつての旧道路法というものがその中に最低価格制の問題を取り入れておったということは、私は新憲法下におけるそうしたもののあり方としてはやはりおかしいのじゃなかろうかとそういふうに考えております。大蔵省としましては、もしこうした競争の利得を十分に享受できない右に代金を持ち、左に補助金を持つという制度になりますというと、もしこの法案建設業に対して正しいとするならば、それはほかのものの調達その他いわゆるデフレなりあるいは景気が悪くて非常に業界競争が激しい出血受注の見られる業界にも、また当然同じ規定を設けるべきだという結論になるわけでありまして、そうした場合にいろいろな現在の競争入札制度というものの原則がくつがえされるということにつきましては、われわれは会計原則の統一をはかる財政当局といたしまして、あまり自信がないということを申し上げたいと思います。
  29. 木内四郎

    木内四郎君 先ほどから同僚の小林君からの質問に対して、提案者の方も、これは全く会計法例外規定であるということをよくお認めになったようでありますが、それにつきまして、私は常々国会におきましては、会計法の問題ならばこれは大蔵委員会の所管だ、その他建設関係ならこれは建設委員会の所管だ、こういう問題はあまり混乱させたり混淆させない方がいいのじゃないかと考えております。そういう点につきましても、さっき田中さんは、全くその通りだ、そういう御意見であったのです。もしそうであるとすれば、会計法例外規定だけをここに規定されておるのだから、提案者の方は一応との建設業法改正ということを取りやめて、会計法の適用特例として提案される御意思はありませんか。
  30. 田中一

    田中一君 先ほどはいろいろと余分なことを申し上げまして、今日までに至ったところの歴史的な経過と現実というものを御説明申し上げました。そこで従って、この採決がどうなりますか存じませんが、取り上げる意思はございません。
  31. 木内四郎

    木内四郎君 内容の問題はとにかくとしても、今あなたの言われたいきさつの問題はわかりますけれども、それは明らかに会計法例外規定であるということは、先ほど来小林君の質問に対してお答えになっていたようであります。その考え方は取りやめないでも、形を、普通の国会審議の常識からいって、会計法改正として出される御意思はないかということで、内容の問題じゃない。
  32. 田中一

    田中一君 重ねて申し上げますけれども、歴史的な事実がございまして、これが契機として、今大蔵省村上君の言うように、実際に予決会計令を再検討するというような意思が生まれてくるならば、それは非常に捨て石としていいと思います。しかしながら、契機としてこの際一石を投ずるという意味におきまして、御了承願いたいと思います。
  33. 木内四郎

    木内四郎君 それから、いま一つだけ小林君のに関連して……。さっき道路何令ですか、あなたさっき提案理由説明された施行令ですか、道路工事施行令においては、あなた方の提案されておる十分の八というものでなしに、十分の八と三分の二の範囲内において道路管理者の指定するととろの最低価格、こういうものをきめておったようにあなたの御説明で伺ったのです。それはすなわち、十分の八なら十分の八というふうにきめることに何らか弊害があるという考え方からきておるのじゃないか。
  34. 田中一

    田中一君 これは古い立法例であって施行令を作ったのですから、私は立案者の意図はわかりません。わかりませんが、大体競争入札だけに依存してやったんでは、やはり工事の施行上、何といいますか、不十分なる工事をされるのではなかろうかというようなことから生まれたのではないか。それで、これはなぜ廃止になったかということは……。
  35. 木内四郎

    木内四郎君 廃止になったことはいいんですが、今の、どうして十分の八なら十分の八を……。
  36. 田中一

    田中一君 やった理由は、今言う通り、私が立法者でございませんので、何分古いことでございますから、存じません。
  37. 木内四郎

    木内四郎君 その点について、大蔵省あるいは建設省の方で何かお考えにならないですか、御承知ないですか。それでは私伺いますが、十分の八なら十分の八というようにきめられて、たとえば予定価格なら予定価格というものを探り出したことに骨を折る。まあ探り出したと、そうして、まず最低の比率というものを全部推計されて、きまるわけですね。ところが、それではいかぬから、十分の八というものを置くが、同時に三分の二というものを置いて、その範囲内において、管理者が指定するところの比率の最低の一つの値段というものを置いて、それによって、十分の八なら十分の八にするということで、一本にきめるということの弊害を防ごうという配慮が私はそこにあったのではないかと想像をするのですが、そういう点についてはどうですか。
  38. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 今木内さんのおっしゃったところの十分の八一本でやろうということは、私は弊害が生ずると思うのです。それで今度われわれの案といたしましては、十分の八ということはしておりません。十分の八以上においてその施行者が適当なところを選ぶ、そういうふうにしたわけでございます。
  39. 木内四郎

    木内四郎君 十分の八以下に下げるということはできないだろうと思うのですが……。
  40. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 ですから、たとえば一千万円の工事がある。一千万円というものを一応課長が、そうしてさらにその局長か何かが一千万円が適当であるか、あるいは九百五十万円にするか、そうしたものの八割以上というものを、たとえば八割三分にするかあるいは八割五分にするかは、いろいろのそのときの情勢、たとえば土木請負建築の方は一応人工がきまっておりますから比率は高くなるというようなことによりまして、大体八割三分がいいか、八割五分がいいか、そういうように適当にきめてもらうというふうにしまして、八割なら八割という一本にはきめない、そういうことに今度の立法ではいたしたのであります。
  41. 木内四郎

    木内四郎君 関連して。さっき提案者田中さんのお話だと、道路何とか建設業審議会、この答申においても、十分の八ということだけにとらわれないで、もし積算その他が適当であるならば、それ以下でもよろしいということの重大な付言をしておるようにあなたの御説明で伺ったのですが、そういう点をあなたは軽く説明されたように思うのですが、私はその点は重大な点だと思うのですが、それは間違いではないでしょうか、その御説明は。
  42. 田中一

    田中一君 当時の記録がございますから、それを忠実に読み上げたものでございます。
  43. 木内四郎

    木内四郎君 そうしますと、十分の八とするが、それ以下でも積算その他が適当であると認めるならば、それ以下の入札者契約をしても差しつかえないということになるわけですね。
  44. 田中一

    田中一君 一応予定価格というものは必ず発注者が持たなければならぬことになっております。予定価格というものは会計法にちゃんと出ております。従って、どこに線を引くかということは発注者が速めるべきだと思うのです。予定価格を必ず持っております。持っていて、一件の工事を指名入札に付する場合、この持っておるところの予定価格というものを、幾らに自分落札価格をしょうかということを発注者の最高というか、最低というか、当事者が、秘密の保てる人がきめればいいのです。
  45. 木内四郎

    木内四郎君 私の伺っているのはそうではない。建設審議会答申によりましても、いろいろなことを考慮して、十分の八ならいいだろう、ただしそれ以下の入札をする場合においても、その積算の見積りその他が適当であるならば、あえて十分の八にとらわれないで、それ以下の入札者契約してもいいという趣旨建設審議会答申に盛られておる。その辺はあなた方の御意思と違っている重大な点だと思いますので、そのあなたの御説明に間違いがないかということをお伺いをしておるのです。
  46. 田中一

    田中一君 落札価格制限をしてくれという趣旨でございまして、もし私の説明が悪ければ、一つこれを本内先生にごらんになっていただきたいと思うのですが……。
  47. 石井桂

    石井桂君 今の小林委員並びに木内委員の御質問に関連することですが、建設業法でロァー・リミットの制限をすることは筋がいささか違ってくる、会計関係の法令でするべきではないかという御意見が出たようですが、私は実は賛成した者ですからそうは思っていない側なんですが、建設工事というものは現場生産でありまして、ことごとく生産費が違う。幾ら同じアパートを作るにしても、地盤が違えばまるで工事費が違う。そういうようなことですから、一般の製品を購入する場合だとか、あるいは印刷物購入とか発注というものとまるで違う性質のものでありまして、建築物に関する私は十分な会計法の方面の規定ができておるかどうかは研究しておりませんからわかりませんが、とにかく現在の建設業のダンピングがひどいこと、その原因は、業者も多いというものの、とにかく不当にまで利潤を食いつめてダンピングをやっている結果、なかなか営利を見込んだ商売の側としては、おそらく入札価格でいいということはできないということはもう当然でありまして、私どもも長い間現場監督の側に立って苦しんだわけです。そしていつも現場監督者の罪にそれがなすられるということで、いかにして落札価格に上回る製品を確保するかということは、現場監督の人の非常な努力をしてもなおかつ及ばないことが非常に多い点。このことはやはり私はロァー・リミットというような規定を、まあいずれかの法律に盛り込まれれば非常にけっこうなんですが、私は一時も早く、建設業法でも何でもいいですから、その規定が盛り込まれることを要望しておるわけであります。会誌法が正しいか建設業法が正しいかというととは、むしろ、私から逆にいえば、大蔵関係の方々に、ことごとくの場所によって違うととろの現場製品である、現場製品を作るというものが建設業であるということを十分御認識しておられての御答弁かどうかを疑うものなんでありますが、その辺大蔵省の方から明快な御答弁を願います。
  48. 村上孝太郎

    政府委員村上孝太郎君) 建設業というものがきわめて普通の市場生産を目的とした業界と違っているということは、確かにそうでございましょう。ただ、私はここで感じました点は、そうした生産条件における相違というものはございますが、要するに、競争する業界が非常にたくさんあって、いわば供給が非常に多くて需要が少いという点から生ずるところのいわゆるキャット・スロート・コンペティションでございますか、食うか食われるかという競争、これは必ずしも建設業がいわゆる注文生産であるからということだけでもって一般の競争条件と違っているものではなかろう、こういうふうに考えているわけでありまして、そうした点から申しますというと、建設業におきましてもいわばそうした競争の秩序の乱れというふうなものを是正します法律というものは、おのずからたとえば独占禁止法の十九条に不公正な競争方法は違法であると規定し、審決をもって差しとめられるようになっている、その不公正な競争方法の中に、不当に低い対価でもって競争するのはいかぬとちゃんと規定してございますが、そうした法律で現在はつきり禁止している法律があるのに、一方国の調達行為でもってそうした二兎を追うごときことをやるのはおかしいだろうと、こういうことでございます。  それからもう一つ理由にしておられます安かろう悪かろうというのは、これは日本の古来、何百年か知りませんけれども、常識的な巷間伝えられる言葉使いでございますが、この安かろう悪かろうといったものは何も建設業界に専門の言葉ではないのでありまして、われわれは普通のいわゆる店屋で、縁日の店先で安いからと思って買った品物が悪かったといった場合に、むしろその言葉を使っているのでありまして、こうした条件から申しますれば、必ずしも安かろう悪かろうということと、それからいわばこの競争の秩序化というものが必要だという、この二つの条件は建設業における特殊な生産条件によって異なるのではなかろうというふうに思っております。
  49. 小林政夫

    小林政夫君 私も、大体今の石井さんのまあ政府委員通じての私に対する質疑のような御発言については、村上君と同様の見解を持っております。物品製造販売業等においても相当買い手市場に変っておって、倒産者続出、特に最近のようなまあデフレ経済界においては相当犠牲者が出ておるわけでございます。これはやはり現経済体制が自由競争を建前とする限りにおいてはやむを得ない。まあわれわれとしてはできるだけそういう事態の起らないような配慮をしなければなりませんが、また一面自由競争という建前からいけば、ある程度、そういう犠牲者があってはならぬけれども、まあ現実の姿としてはやむを得ない現象でもあろうかと思います。しかしそういうような弊害がはなはだしくなれば、たとえば中小企業については中小企業安定法の定めがあるし、また輸出入取引については輸出入取引法を制定して、過当競争、まあ対外取引については相当そういう自由取引を規制しておる法律も制定され、また今度の国会においては大幅な独禁法の適用除外を考えてやっておるようなものもあり、この建設業についてもそういう非常に過当競争状態であるということであれば、その業自体についての何か、そのために非常な犠牲者が出るということであれば、その建設業に対する対策は別途の方法考えられてしかるべきで、中小企業法あるいは輸出入取引法のごとき、まあこれは一例にすぎませんけれども、そのような非常に過当競争で困るということであれば、それは建設庁あるいは建設委員会等においてしかるべき御工夫をなさっていいではないか。ただ、国の会計制度としては、その会計制度としてそのような経済政策あるいは社会政策を織り込むということはいかがなものであろうか。国の経理に混乱を来たすのではないか。助成なら助成するという一方の別の措置で、予算措置その他において考えるべきではなかろうかと、こういうのが私の主張というか、意見なのです。  田中さんもそういう点についてはわかっていただかなきゃならぬと思うのですが、まああなたは建設については非常に造詣が深いし、建設業が非常にかわいいというお気持はわかりますけれども、われわれは国全体の産業について公平でなくちゃならぬ。建設業だけに対して温室に入れるような措置というものはどうかと思うのであります。著しく弊害が起った中小企業等については、中小企業安定法を作ってその自由競争の原則をある程度制約をして参っておる。こういうとともあるわけでありますから、そういう意味において、この過当競争建設業界にあるということなら、そういう別個の法体系でもって考えてもらうと、こういうことにはお考え願えないものであろうか、御意見を伺いたい。
  50. 田中一

    田中一君 小林さんの御意見ごもっともなのです。そこで万事了承しておりますが、御承知のように、建設業というものの実態はあなたは御存じのはずだと思うのです。たとえば前払金保証会社制度があり、また政府機関の金の支払いがおくれた場合には早く払えという法律もあるのです。ところが、との法律は、建設省に聞きますと、一ぺんも適用したことがない。建設省がですよ。そういう法律がありながら適用しないのです。そしてもしもその金の請求をしょうものなら、今度はお前は指名に入れないぞと、こういうどうかつをやっておるのが例なのです。非常に弱い業者なのです。今六万あるから……。ですから、一般の入札制度をとっておるのじゃないのです。全部指名競争入札をやっておるのです。特定の数名あるいは十数名の者を対象にして入札をさしております。こういうところから非常に弱い業種であるというため、自分で持っている法律できめられた権利すら行使できないような弱い業種である。これは私よりも小林さんがよく御存じである。  そこで、そのいろいろうんちくを傾むけられた法理論はお説の通りでございます。何も私は申すことはございません。われわれの投じました一石によりまして、この大蔵委員会委員の良識によって、次の国会ではこれが一石となってそのような全く国民が安心して国と契約をされるような法律の立法化こそ・私がひたすらお願い申し上げる次第であります。
  51. 小林政夫

    小林政夫君 どうもお説の通りだと言われると二の旬がつげないのでありますが、先ほど来、まあ私はその点についてお尋ねをしたいと思っておりましたが、田中さんの方から積極的にお話があった。たとえば東京都の最近の汚職問題について、あれはロアー・リミット制が別に原因ではない、こういう御説明でありましたが、大体予定価格の八〇%以内で制限をしたとこういって、この限度の上でもいかぬ、下でもいけない、こういうことになると、この最低価格というものを知った者は非常に入札について有利な態勢に立つということは、何人も異論のないことと思う。従って、この最低価格を知りたいと、こういうことに業界がなろうと思う。そうしてそのためにはいろいろ百方手が尽されると思うし、こういうことが私は汚職というか、相当主管官庁、担当者がいろいろな、非常に意思の強い人がなっておればあやまちは起らぬけれども、かなりここに問題が起ることになるのではないかということが心配されるわけですが、まあ東京都の例はそうでない、そうおっしゃいますが、しかし東京都も、日経の報ずるところによれば、ロアー・リミット制をやめようというようなことになったように報ぜられております。その点は実際にどうなったのか、直接東京都から聞いておりませんが、その点について絶対大丈夫なんだと、こういう御意見のようでありますが、もう一度お聞かせ願いたい。
  52. 田中一

    田中一君 東京都の場合はです。十分の八というのを一応考慮しようということになったそうでございます。しかしながら、これを全部やめるという意思ではないように伺っております。条例を読み上げますが、現在活きておる条例でございます。全部廃止するという意図ではないように伺っております、現在も条例でもってロアー・リミット、最低入札制限をきめております。それから汚職の温床になる、あるいは秘密を知る。との秘密というものは価値が非常に高いものですから、どの場合でも非常に秘密というものの限界がむずかしいのですから、しかしながら秘密というものは価値が高いのです。そこでこれは秘密を漏らす人間が刑法上の罪人であり、秘密を漏らさないあるいは秘密を漏らすということの限界は、すればする、しなきゃしないのです、そのために秘密を漏らす、あるいは秘密を知るからといって、汚職の温床になるとは考えられません、これはたくさんございます、秘密というものは。ですから、秘密を漏洩するから汚職になるとは考えられない。それよりも、国家機関で法律できめてある制度を利用しないで、自分のふところ勘定で工事を好きな者にやってみたり、特定の者に前払いをするところに、いわゆる役人といいますか、発注者側の方の権力にこびるということが汚職の原因じゃなかろうかと、かように考えております。
  53. 木内四郎

    木内四郎君 今のそのロアー・リミットをこしらえることについて弊害があるかどうかということについて…。
  54. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 大きな声で願います。
  55. 木内四郎

    木内四郎君 小林委員から質問があった今のあなたの御答弁では、十分に私は満足しませんけれども、私の聞くところによれば、東京都は今度あれをやめた。やめたことによって、最近の入札においては、ある大きな電気の機械をこしらえる会社が、千万円とか二千万円とか大きな工事について、七割くらいで落札した。これは決して安かろう悪かろうというような機械をこしらえるような会社でなくて、著名な非常に信用のある会社が入札したのが、予定価格の七割幾らであったということを私は聞いておるわけです。そういうことになると、直ちに、ここに八割という制限を撤廃したことによって莫大なる利益が国家あるいは公共団体に浮いてくるということに私はなると思う。そういう方面に対しては、あなた方どういうふうにお考えになるでしょうか。
  56. 田中一

    田中一君 適正な御答弁にならないかも存じませんけれども、やはり工事入札契約というのはいろいろございます。会計令にも、随意契約もできるのでございます、随意契約も。従って、これも指名競争入札する際の一つの便法でございまして、扱いでございまして、いろいろな方法がございますから、従って、そのためにどうこうという問題があります。それから特定なる機械を買ったところが、それが制限なしの入札でもってよかったという。どういうものか存じませんけれども、いわゆる土木建築事業というものは、だれでもできるような商売なんです。自分がやるのじゃなくて、下請けをするので、だれでもできるというようなな商売なものですから、機械の据付工事あるいは製造工場というものとはおのずから違うと思うのです。ダンピングをする危険が多分に土建に関する限りは多いということが言えると思うのです。
  57. 木内四郎

    木内四郎君 今私が伺ったのも建設工事であり、しかもそれは随意契約でなくて競争入札によってやった。ところが、八割の制限を撤廃したら、直ちにそれが——直ちにであるかないか、有名な会社が七割近くで入札して落札したということがある。そこにおいて約一割の違いがあるということは、これはやはり国家、地方公共団体利益にしたら莫大なものだと思う。そういう利益を守るのが会計法のさっきから小林君の言っておるところの競争入札制度のねらっておるところだと思う。そういう国家、公共団体利益、そういう点についてはどういうふうにお考えになるでしょう。それは滅却してもかまわぬというお考えですか。
  58. 田中一

    田中一君 それは見合いの問題でございますけれども、明らかに不正競争、いわゆるダンピングをするのだという場合、そうして国が利益になる場合は、これは国民が損をするのでございます。それから談合しまして、予定価格が一千万円のものを談合して一千百万円にするという場合には、これは業者が悪いことをしまして国に損害をかけるということになりますから、ですからやはりどこかに線があると思う。政府でも、政府関係発注者も、全部大きな経験と体験と、それから積算の上に立って、正しい見積り価格というものができ上ると思うのです。これがそのまま出ても国の損ではないのです。国の損ではございません。当然その積算するととろの国家公務員が自分の良心に従って、又現場の立地条件その他を勘案しまして、又同種類の工事が出たという前例も、その価格も勘案いたしまして、そうしてきめる予定価格であります。何も一本調子に、実行予算の昨年のものとか今年のものでなくて、実際そのときの価格というものを算定して出すものでございまして、このロアー・リミット、最低入札制限をしましても、国に損を与えるということは全然ございません。十分の十は正しいその対価でございます。その工事の対価というものはやはりりっぱな技術家であり、りっぱな経験者が積算したものがその工事の対価であって、これを上回って予算を増額せよということじゃなくて、その十分の八程度のものを考えたものでございまして、国に損をかけるとは考えられません。また一面、国が不当なるダンピングをやらして、国が利益をとるかわりに、国民が損害を受けるということは、やはり、これは相当考慮しなければならぬような問題ではなかろうかと、かように考えます。
  59. 木内四郎

    木内四郎君 どうも私はあなたの考え方とは根本的に違うように思う。私はあなたの考え方は正しいとは思わないけれども、予定価格でやっても国は損をしない。安く買えるものを、国が安く工事を請け負わせ得るものを、予定価格まで行っても国は損ではないのだという考え方は、私は承服しませんけれども、私はこの点についてはこれ以上議論をいたしません。
  60. 田中一

    田中一君 じゃ、木内先生に私言い過ぎるか知れませんが、現在多くの国際入札、これは全部談合をやっておる。先般私は予算委員会でしたか、国際入札の談合は是か非かと言ったら、国が利益になるなら、たとえばビルマ方面あるいは海外の入札をする場合には、日本の業者が日本の利益を守るために相談し合って、一本の価格で出すととが正しいように考えるという答弁が政府委員からございました。私はそれが一つの原因。それからやはり談合問題がずいぶんやかましくなっておりますが、談合、あれは犯罪じゃありません。これは牧野博士その他の談合論から見ましても、犯罪といっておらない。不正なる談合が犯罪と言われております。従って、業者そのものが不正談合をして云々ということをされるのでなく、一応考えられる線、いわゆる業者自分利益、諸経費というものを戻したもの、そのものの実体が大体十分の八程度だ、十分の八ちょっと上回っておるように聞いております。この程度と思います。こういう案でございますから、そこから何ら利潤が生まれないという表面的な会計になり得るのです。従って、あまり強く言いますと、業者は自衛上不正談合をする危険があると思います。ことでもう一つ木内先生よく御承知と思いますが、そういうことのないように立法措置を考えていただくことをお願いいたします。
  61. 木内四郎

    木内四郎君 今あげられた程度と、さっきの御説明と、まるで違うのですが、これ以上私は申しません。
  62. 小林政夫

    小林政夫君 まあその点、秘密は非常に高価であるという御説でありますから、だいぶ私が心配しておる点もなきにしもあらずだということはお認めになっておるようであります。  そこで次に移りますが、このようなロァー・リミットで最低落札制度というものは、今田中委員のおあげになった地方でやっておるのだ、あるいは日本の道路工事執行令に前にあったというお話もございましたが、地方の問題については少し政府の方と見解が違うようでありますので、また別な機会に地方自治庁等からも出席を求めて聞きたいと思いますが、外国ですね、日本以外の国でこういうような最低落札制度を採用しておる所があるかどうか。この点について提案者及び政府、まあ建設省大蔵省等でお調べになっておれば、御聞かせを願いたい。
  63. 石川榮一

    委員長石川榮一君) この際、先ほど小林君から建設省に要求いたしました資料ですが、その資料はわかりましたら、この際官房長から説明してもらいたいと思いますが……。
  64. 赤木正雄

    赤木正雄君 その資料はわれわれにも配付していただきたい。
  65. 石川榮一

    委員長石川榮一君) その資料はいつごろ出ます。なるべく急いで下さい。
  66. 田中一

    田中一君 今小林さんの御質問に対しては、昨年八月に調査立法考査局で調べてもらったものでございますが、イギリスの場合はとうなっております。原則として指名競争入札方法をとり、これに参加する請負業者公共事業省にある政府工事適格請負業者名簿中より適当に指定して決定される。そうしてこの指名競争入札が行われたときは、一般原則に基き、最低価格入札した者を落札者とする。ただし、最低価格入札した者が指定期限内に工事を完成することができないときは、次に低い価格入札した者を落札者とすることがある。また最低価格入札した価格があらかじめなした公共事業省の認める価格より著しく低いと認めたときは、当該入札者にさらに入札価格の再検討を求め、その結果訂正した入札価格が他の入札価格より低いときはその業者を落札者とする、ということになっております。従って、今われわれ考えておりますのとちょっと似ていると思います。(「似てないよ、違うよ」と呼ぶ者あり、笑声)  それからアメリカのことを申し上げます。アメリカは州でいろいろ違うと書いておりますけれども、連邦政府分は、予定価格予算確保等行政上の便宜のため定められるが、最高価格または最低価格としての基準とはならない。落札決定は、その値段が合理的なものであり、合衆国の利益として受理することができる限り、入札公告の条件を順守した最低の責任ある入札者に与えられる。ただし、政府は合衆国の利益のために入札の全部または一部を拒否し得る権利を留保する。それからニューヨーク州の場合においては、最低入札者財政状態が健全と認められる者を落札者とする。
  67. 小林政夫

    小林政夫君 もういいですわ。その調査は私も持っている。(笑声)
  68. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 今田中委員から御説明のありましたのと、大体出所は一緒でありますが、(笑声)端的に申しまして、現在御審議のような立法例をとっている国はないようであります。ただ、お話の中にありましたアメリカにおきましては、前提として指名競争入札ということをやっておりません。原則として一般公開入札でございます。従いまして、国の利益に反するものは最低でも拒否することができるというような方途を残しているのではないかと思っております。  なお、イギリスの制度はよくわかりませんが、どうも日本の登録とは若干性質を違えておるように思います。公共事業に携わる、公共事業に参加させる業者の名簿というものは、一般の建設業登録という制度をとっているかどうか知りませんが、国からある程度のむのをセレクトして公共事業を担当する業者はこれだけということをきめて、その者に入札の機会を与えておるというようなことをやっているのではなかろうかと思います。
  69. 村上孝太郎

    政府委員村上孝太郎君) 大蔵省の持っております資料も大体同じでありますので、一々については御説明いたしません。  ただ、先ほど建設省から御説明がありましたように、現在の制度でございますと最低入札者というものと必然的に契約ができ上ることになってしまうわけでございますが、その場合に相手が非常に変な相手であった場合にどうかというとき、たとえ最低落札者であっても、もう一度誠実さ、信用状態、あるいは生産能力というものを審議する機会があってはどうかというふうねことを、一度建設省から討議の材料として申し込まれたことがございます。それにつきまして私どもの方では、そういうふうに最低入札者がきわめて粗悪な工事の原因となるような相手であるというふうな場合、これは大体その判断というのは先ほど申しました外形的基準と申しますか、資本力、あるいは持っております機械力というようなことから判断できるだろう、それは現在の指名競争入札の資格条件として規定してございますところの予決令百二条第五号ロを最初から適用すればよかろうじゃないかということを言ったととがございます。  ただ、われわれの方としても、現在入札制度現状というものが実際どう動いているか、非常な弊害があるということはまだ聞きませんけれども、たとえば東京都の例のごときいろいろ御議論があるようでありますが、現在司直の手によって裁かれている現状でもありますので、いろいろデータを見まして、今言ったようなことの必要があるかどうかということも検討いたしたいと思っております。
  70. 小林政夫

    小林政夫君 大体私の持っている資料と同じようだから、まあ諸外国には例がない、こういう結論になるのであります。国内の場合について、先ほど田中委員は、運輸省でやっているようなお話があったわけでありますが、これはまた後刻運輸省担当官を呼んで事情をただしたいと思いますが、ただ、田中委員は御承知かどうか、たぶん御承知だろうと思いますけれども、わが国において、検査院においてはこういうような措置は不当であるということをはっきり論難しておる事例があるのであります。それは明治二十四年——六年の検査報告にうたっているのであります。御承知なら読み上げませんが、それでだいぶ古い話ですが、非常に端的にいかぬということを言っているのであります。それを申しますと、逓信省において最高最低の入札制度を設けてその制度以下の低い値段は採用しないということに対して、検査院が不当として抗議し、その措置を停止せしめた事例があるのであります。田中委員は知っておられるようだからこれ以上述べませんが、こういう事例がわが国にある。  大体以上で本日の私の質疑は終りたいと思いますが、この際委員長に希望を申し上げておきたいととは、今の私と提案者その他政府委員との間において質疑応答をかわした経緯から考えましても、相当これは世界各国に実例のないことでもあり、われわれとしても慎重に考えたい。また政府側の意見も明日になればきまるということでございますので、連合委員会はどうなりますか、あとで相談をして、もう一回連合委員会をするように申し入れをするかどうか、こちらとしても重要な案件もありますから、必ずしもその通りにいくかどうかわかりませんが、なるべく一つ慎重に審議をしていただきたい。われわれの方でも十分確定的な意見を申し上げたいと思いますので、それを待って結論をつけていただくようにお願いいたしたいと思います。その間、先ほど申しました自治庁の方の関係、運輸省等についても、今後、田中委員せっかくのお申し出でありますから、私の方も実情を聴取して態度をきめたい、こう考えます。
  71. 石井桂

    石井桂君 今小林さんのおっしゃった中で、各国で例を見ないということでありましたが、別の機会で政府説明員の御説明によると、イタリアではそれと同じようなことがあるという御説明があったので、御参考までに申し上げておきます。
  72. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ただいま石井委員からイタリアにはその事例があるという答弁を聞いた事実があるというのですが、それを確認が願えませんか。
  73. 田中一

    田中一君 フィリピンもこの制度を……(笑声)
  74. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) いろいろ御意見があるようでございますけれどもフィリピンにつきましては、私の方は最低制限制をしいていることは承知いたしておりません。なおイタリアについてのお話がございましたが、これは非常にこみいった方法をとっているようでございますが、少し意味合いが違うようでございますので、もうしばらくしますれば資料が参りますから、それによって……。
  75. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  76. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記を始めて下さい。  本日の連合審査会はこの程度で散会いたします。    午後四時二分散会