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政府委員(
増原恵吉君) 今
委員長のお述べになりましたことは、私どもそれぞれ研究をいたすべき
事項であり、また
相当に研究をいたしたこともございます。大量に買うもので、昔の軍でありましたならば自家生産をやっておりましたようなものについてどうするかということは、実は発足の当初から一応研究題目といたしたのであります。当時は
繊維製品
関係、そういうものが
最初の討議題目に上りましたのでありますが、
購入の当初はまだ割当のありました当時でありますが、その後割当がなくなりまして、
一般市場から
指名競争もしくは
一般競争で買うという状態になりました。当時
一般市場は、ごくまれな場合を除いては、こういうふうな
品物につきましては製品の技術、質、量におきまして少しの不安もないと申しまするか、量においてはあり余っておるというふうな時代でございました。この場合に生産設備の十分ありまする日本の生産機構の中においてその一部を買収する、生産機構自体を買収するということはもとより考えられますが、そういうことで
防衛庁自体で
調達をするよりも、
一般市場から製品の
規格を定めて
購入することの方がむしろ適当であろうという考え方に討議の結果落ちつきまして、今までそういうことをやって参っておるわけであります。
油の問題につきましては、特にこれは先行きを考えまして、また従来の軍の経験等も考えまして、これは
相当に何と言いまするか、いわゆる自家製造、自家
調達ということを考える意味において研究をいたしてみましたが、これも現在の量におきましては、
一般市場から
購入をいたしまして、
価格、質等の点で特別の不自由を感ずるほどのことはないということで、やはりこれも現在のような
方法で
購入することが適当である。
一番問題になりますのは
武器類であります。
武器類については、なお最後的な結論を申し述べる段階に至りませんが、一応私どもの所要いたします
武器は、現在はまだその大
部分を米国のMSA供与によっておりまして、しかし米国側もだんだん
修理部品、あるいはリプレース等は日本自体の手でなし得るものが多いから、そういうものは自分の手でやってくれないかという意向もございます。こうしたものの中で、いわゆる商業採算に乗りますものは現在においてもやはりそうした工場方面の生産品を買うことで行くことがよくないかというふうに考えております。
ただ
一般の採算に乗らないもの、もとより法外に高い値段で買えば採算に乗らないということはないわけでありますが、常識的な普通の
原価計算等に基いてやりまして、採算に乗らないようなもので防衛上はぜひとも
調達をし備えつけなければならないようなものについてはどういう
方法でいくべきか、この資金の特別融通なり、あるいは工場施設等の国による施設、これを民間に貸与して、いわば国有民営のような形でもっていく、あるいは工廠的な国有国営という形でもっていく、この点については実はまだ残念ながら防衛についての長期計画というものが策定されておりません状況でありまして、従いましてそういう
武器類の需要の量の長期的な見通しというものが立ちかねておりまするので、結論に到達しがたいのでありまするが、ものによりましてはやはり国有民営的なものも考えざるを得まい。しかし場合によりましては国有国営的なものも必要ではないかと考えておりまするが、現在まで
防衛庁のとっておりまする考え方は、やはり可能なる限りは民有民営の形でもって生産されたものを
購入をする。もとよりただいま御
指摘のありましたように、その場合特に大量のもの、あるいは製品の
規格その他が
相当むずかしいものにつきましては、
防衛庁の方から適切なる監督官、指導官等も出しまして、製品の製造過程において
検査、監督をするということはもとより行いたいと考えております。船舶の製造につきましては、現在もいろいろ監督官とか艤装具というようなものも出しまして、請負をいたしました造船
会社と一緒となりまして、現在艤装に当っておるわけでございます。特来もっと効率的に
予算を使用いたしまして、安くりっぱな
品物をどういうふうにすれば入手できるか、しかも特殊の
規格のもので防衛の目的を適切に果し得るものが入手できる場合については、なお一そう研究したいと思いまするが、大体の考え方は、
一般市場から民有民営の形のものを
購入をする、やむを得ないものについて国有民営なりあるいは国有国営の形を考えておる。私どもの方から
検査官、監督官等を派遣をして、製造過程において適切なる
検査、監督をしてりっぱなものを作るということは、現在においてもこれを実行しておる、こういう状態でございます。