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1955-07-11 第22回国会 参議院 決算委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十一日(月曜日)    午後二時九分開会   ―――――――――――――    委員の異動 本日委員八木幸吉君辞任につき、その 補欠として市川房枝君を議長において 指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            野本 品吉君            岡  三郎君            中川 幸平君            石川 清一君    委員            石井  桂君            小沢久太郎君            大谷 瑩潤君            西川彌平治君            白井  勇君            宮田 重文君            飯島連次郎君            久保  等君            白川 一雄君            市川 房枝君   委員外議員            八木 幸吉君   政府委員    防衛政務次官  田中 久雄君    防衛庁経理局長 石原 周夫君    防衛庁装備局長 久保 龜夫君    建設省営繕局長 木村 惠一君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    防衛庁調達実施    本部長     武内 征平君    会計検査院事務    総局検査第二局    長       上村 照昌君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○昭和二十八年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   ―――――――――――――
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまから第二十七回決算委員会を開会いたします。  議事に入る前に本日の理事会におきましてお諮り申し上げた事件について御報告申し上げます。  第一には当委員会の今後の日程の問題でございます。本日は保安庁、ただいまの防衛庁関係審議いたします。それから十二日の火曜日は農林省関係、それから十五日の金曜日の午後一時から日本開発銀行並びに厚生省の部を審議して頂きまして、それから来週の月曜日の十八日午後一時から国鉄関係審議いたすことにいたします。それから各省警告決議審査報告書議決でございますが、これを十九日を二十一日の木曜日に繰り延べまして、各省に対する警告決議及び審査報告、本会議における報告は、二十二日となっておりますのを二十七日の水曜日の本会議にいたす、大体かように理事会の方で申し合せをいたしました。その間来週中に防衛庁関係の横須賀の海上自衛隊の方の視察をするということになっておりますが、これは防衛庁の方と打ち合せをいたしまして、日程をきめて御報告申し上げる、こういうことになっております。なお、この間、日程がとれますれば、国鉄関係で問題になっておる鉄道会館民衆駅の問題につきまして、これはもう数時間でもって視察できるような日程で、来週あるいは再来週中に御視察を願う、かように理事会におきましての申し合せができましたので、御報告申し上げて御了解を得たいと存じます。  それから決算報告審査の結果、各省に対する警告決議というものでございますが、これは各行、あるいは特別会計、あるいは三公社のうちでどれに対して警告決議を発するかということにつきましては、目下専門員室等におきましていろいろ研究していただいておりますので、これが具体的にどことどこをやるべきかということが大体案ができましたら、委員会にお諮りして決定いたしたいと存じます。  なお、閉会中にも引き続いて継続審査いたすべき事案についてもお諮りを申し上げたわけでありますが、従来より継続しております国鉄民衆駅、外郭団体日本郵便逓送株式会社、虎の門の土地の件、内部監査等がございますが、なお、これに加えて、防衛庁関係、ことに防衛庁調達関係農林脚農業共済保険補助金等に関する事項につきまして継続調査事項としてきめておいたらいいじゃないか、こういう御意見がございまして、大体理事会で御了承を得たような次第でございまして、御報告申し上げます。  以上申し上げました理事会の申し合せ事項につきまして御異議ございませんですか。
  3. 白井勇

    白井勇君 私、経験が浅いので、決算委員会審議最後取扱いの問題はどういうふうに扱うものか、はっきりしない点もあるのですが、今お話のような日程によりますと、継続審査になりますものは、今お読み上げになったようですが、そのほかのものは、警告決議とか、審査報告というような格好で、一応委員会議決をして、本会議にかかるわけですな。そうしますと、今委員長からお話継続審査以外のものは、何と言いますか、何か条件付きかもしれませんが、何か完了したことになるわけですな。
  4. 山田節男

    委員長山田節男君) 承認することですね。
  5. 白井勇

    白井勇君 そういう扱いで決算委員会というものの建前としていいものか悪いものか。私は非常に疑義を持つのですが……。
  6. 山田節男

    委員長山田節男君) それは先ほどもちょっと理事会で申し上げたんですが、決算報告書審査の結果、いわゆるこれは承認議決するわけですな。ということは、会計検査院法によれば、会計検査院がこれを一応検査して、そうしてこの決算確認――確認という言葉がある、確認して内閣に出すわけです。内閣はこの決算報告書国会に出すわけです。内閣はこの決算報告書国会に出す、それが当委員会に付託になるわけです。当委員会ではこれをどういう取扱をすべきかということは、これは、会計検査院で行い得ない、いわゆる政治的立場からこれを批判して、その所管の者に対しては政治的な責任を追及するということになっております。同時に、是正せしめる。これが当会のいわゆるわれわれが今やっておることなんです。なるほどこの会計検査院報告書というものは、会計検査院が、一般会計特別会計、あるいは政府関係機関特別会計ですか、一応調べて、それで確認する、これまで確認はされておるわけです。しかし、それでは十分でない、やはり国会に提出しなければならぬというものは国会に提出して、国会批判を仰ぐ。国会としては、大臣に対し、あるいは所管の者に対して政治的批判を加えて、是正しろというということをやっておるわけです。それをやりまして、この決算報告書というものを当委員会承認するかしないか、これは先ほど私説明を省きましたが、ただいまの理事会でも、たとえばここでやった全部のものを承認すべきかどうかということについて、たとえば、その中の二、三のもので、いろいろな調査審議が完了しないものは、これはこの国会においては報告書に間に合わないかもしれない。そういうものは、これはたとえば次の臨時国会あるいは通常国会になってもやむを得ないじゃないか、一応これが完了して、是正もなし得る、それから政治的な責任追及も一応われわれがしたあと承認するということを会議報告してもらうようにしたらどうか、これを一律に全部やるということはどうか……、今あなたのおっしゃったように、継続調査、その他全体的に見ても重要な部分審査が完了していないものは、それだけは残してもやむを得ないじゃないか、こういう意見がありました。この点は各理事も大体御異議がないわけです。ですから、われわれとしては、先ほど申し上げたように、やはりこの決算報告書というものは、会計検査院内閣に出しただけで、これがすべて終るわけではない。さらに、この法律に定めてあるように、国会に出しまして、われわれがこれを承認しなければ、所管大臣あるいは公社最高責任者責任が解除されない、こういう建前です。今までもそういうふうになっておりますが、少くとも、今日われわれとしては、それだけの明確な線を通していくべきじゃないか、かような御意見がありました。私もこれはきわめてもっともだと申し上げたので、実はそういう取扱い建前で先ほど申し上げたわけです。
  7. 白井勇

    白井勇君 私の考えとしましては、決算委員会というものは、まだ何と言いますか、継続審査の場合はもちろんですが、店は閉じちゃいかんという考えです。店はいつでも開いておかなければならぬ。この間からずっと聞いておりますと、会計検査院が非常に弱いですね。二十七年度の場合に特に注意をした問題があって、五百何十件か一応再調査してみますと、わずかに三割だけは会計検査院から事後処理に行くからということであわててやっておる。ほかのものは多少手をかけておる程度で、最後の三分の一というものは全然ほったらかしだ、こういう格好ですね。二十八年度の分でもこまかい問題というのは、これからこうさせるというのばかりで、こうしたというものは少いですね。だから解決しないものが多いわけです。私たちは少くも一通りやったわけですが、これは重要なことを今委員長お話しのように、継続審査もちろん大事でありましょうけれども、ほかの問題も、その後の各省事後処理経過というものをずっと見きわめてもらいたい。そうしておりますと、いずれ二十九年度の決算というものが出てくるだろう、そういう段階と見合せて、この今御予定になっております各省に対する警告決議とか、承認云々という問題は、そういう段階になってからあげるべき筋合のものであって、一応二十八年度のは七月のなかばにおいて、特殊なものを除いては、一応完了して店なをしめるのだと、こういうことになっては、会計検査院としても、もうなかなかあと事後処理の問題を出した場合に非常に弱いのではないか。とにかく各省では決算委員会においてまだ承認がされないのだからと、こういう格好に、やはりここはいつも店を開いていて、いつでも何と言いますか、情勢判断において、仕事がやれるようなことにしておきませんと、どうもまずいのじゃないかと思います。
  8. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の私の説明が足りなかったかもしれませんが、一応二十八年度の決算報告をここで承認するしない、そういうことについても先ほど申し上げたように、不明確だ、承認しないものも、承認できないものもある。承認するにしてもこれは次の国会においてまたやらなければならない。もう一つ先ほど委員から強い発言がありました。たとえば会計検査院早期検査をやっております。早期検査ならば、これは先ほど申し上げましたように、休会中も決算委員会を開きますから、この決算委員会はずっとあるわけです。休会中にも、早期検査を取り上げて、二十八年度の一応われわれが承認し得るものは承認しておいて、残るものは残さざるを得ないのだ。そういう残っているものについては、今のような継続調査で、いろいろそういう問題を究別して、たとえば還付金の問題であるとか、その他ここで特に問題になっているものが順次実行されてくれば、その時期にきて、その省なり公社に対して承認しよう。こういうようにしたわけです。ですから今の私の申し上げたのは、決してこれで報告してしまえば決算委員会の機能が休むのじゃなくて、ずっと休会中もやるわけです。先ほど申し上げたのですが、昨年のごときは十日間もやったような気がするのですが、少なくとも五日ないし一週間はやってて、この問題点はやはり、ことに会計検査院が非常に実績をあげた早期検査、これはどうしてもわれわれも並行的にここへ出してもらってそれも審議していく、そうすれば二十八年度は終えてすぐに二十九年度の実態がどうだということがわれわれは把握できますから、そういうようなことはもちろん当委員会で継続してやるという意味で、実は先ほど申し上げたわけです。ですから今あなたのおっしゃるように、これはごもっともでもあり、先に理事会でも同じような御意見がでまして、もちろんこれはそれを承認して先のような申し合せになったので御了承願います。
  9. 白井勇

    白井勇君 くどいようですけれども、しまいの方の今の二十一日、二十七日の予定のこういうことは、まあ大体二十九年度の決算が出てくる段階に入ってやる方がどうも妥当じゃないかという、私はそういう気持ですが……。
  10. 山田節男

    委員長山田節男君) 二十九年度のやつはおそらく早くて年内に内閣へ出して、われわれの手元へは一月。昨年は会計検査院が勉強をされて、昨年末にこれはできて、われわれのところにたしか一月末にここへきたわけです。今年も非常に会計検査院が努力してくれましても、おそらく二十九年度の決算報告は来年の早々一月に出てくるでしょう。それではどうも、それまでこれをほっとくわけにはいきませんから、一応承認すべきものは承認して、それから今国会承認しなかったものも、できれば特別国会、あるいは通常国会には承認できるまでにいろいろ残された審査をやりたい。そうしてその間に今の早期検査でもって、二十九年度のやつは会計検査院でいろいろ報告を出させますから、二十九年度の決算報告が出る前に、締めくくりをするまでに、少なくとも早期検査はこっちへ報告をさせて、二十八年の承認した事項と、二十九年度と合せて比較検討できるのじゃないか、私はそういうように思うのです。ですから議事進行上、そういうようにはかっていきたい……。
  11. 白井勇

    白井勇君 私は経験もありませんから、くどく申し上げる必要はありませんけれども、事前検査とか早期検査というものはごく一部しかやれない。今やっておりますのはわずかに補助金だけなんですし、ほかのものを一応まあ二十一日なり二十七日までにやられるという、この事項にありまするこうします、ああしますというのは、全部わかって、大体見通しがついているという段階に入っている現状であれば、私もこういうものに特殊な条件をつけてお上げになるということもけっこうだと思いますが、大部分のものは未解決なんです。やはり事後の解決をいかにつけるということが少いものだけなんです。そうすると、大部分のものは完了しておらぬ、そうするといくら会計検査院事後処理の問題について督励してやってみても、一応国会の方で――これは衆議院の方でも上げましょうが、そういう格好になるということが、どうも芳ばしくないのじゃないかという私は気持だけです。
  12. 山田節男

    委員長山田節男君) これは先ほど来、いわゆるおざなりではいけない、それから政府あるいは政府関係機関も、ただここへ来て頭を下げればいいのだということでは済まないのだ、そうすべきじゃないということが強く言われて、いろいろ論議がありました。あなたのおっしゃることもまことに同感です。だけれども、一応けりをつけて、未完成のものをけりをつけるのじゃなく、やはり今申し上げたように、この中であるものに対しては、特にこういう点がいかぬ、これをなるべく早く是正しろという警告決議をつけて、所管大臣も呼んでやり、それほどでもないわれわれ一応審議を終って見通しのつくものは直ちに解決する、残るものは継続していく。そうして次の国会承認することはやむを得ないのじゃないか。それですから大体今あなたの御希望の線に沿って、理事会として申し合せたものは、あなたの御趣旨に反しないと思い捜す。どうぞその点で御了承願いたいと思います。
  13. 久保等

    久保等君 私も理事会でいろいろ検討されて満場一致で、きまったということなら、あえて固守はしないのですが、やはりこの日程を見て私の感ずることは、今白井委員の言ったようなやはり気がするのです。当決算委員会が非常に精力的に二十八年度の決算報告を扱って今日に来たのですが、しかしあの膨大な二十八年度の不正不当事項、の内容の点について、やはりわれわれ振り返って今日までの審査考えてみた場合に、どうしてもやはり時間が十分でない関係から、非常にたくさん何十件と不正不当事項とされているところが、数件程度にとどまっているわけです。大体同じ事件がせいぜい二日か――三日にわたったところもあまりないと思いますが、そういう程度審議でひとわたりやって来た。しかしやはり継続審査なり継続調査あとへ問題を残すのだと言っているけれども、二十八年度の決算報告の中では実はそういう問題こそ最重要問題であったと思うし、検査の対象として――いや、そういう問題は継続するが、やはり決算報告にはそういう問題に対して承認を与えたのだ、そこにやはり何か私は形の上から言っても、若干どうもつじつまが合わぬのじゃないかという気がいたします。やはり決算報告承認を与えたということになれば、あとはほんの特殊の問題をとり上げて、それを継続調査するのだということなら話がわかるのだけれども、一、二でなくて主たる山になっている問題はすべて今後の継続調査なり二十九年度の決算報告に関連してやっていくのだという点では、ちょっとその点が不分明のような気もするし、ここでわれわれが完全に承認を与えられないような問題は補助金問題等についても非常にたくさんあるわけです。そういう問題を一応切り離して、今後に残すのだということも言われて、二十八年度の決算報告承認を与える問題というのは、まあどちらかと言えば、そう大した、決算委員会で問題にしなくてもいいような問題だと思うのですね、しかし国会において承認を与えたということになれば、各省立場からすれば二十八年度の決算報告国会承認を得たということに少くとも私はなると思うのでありますが、先ほど来、いろいろ御意見も出ておりますが、私はやはり本来ならば決算委員会というものは、この決算委員会審議の過程を通じて、訂正させるものは訂正させるというやはり措置がある程度とられて、しかしこれの完全に完結を待っておった、のでは二年も三年もかかる、そんなものに国会審議のすべてを委せるというわけにいかぬから、ここらで一つきまりをつけて、その特殊問題について時機を見て報告を求めるという形で是正をさせる措置をとってゆくのが本筋じゃないか、ここで一わたり問題を審査をしたのですが、現状を聞き、不正、不当事項についてかくかくの件はこうすべきじゃないかという非常に強い当委員会としての決意を表明したと思うので、そんなことによってその後どういう措置をとられたかということについて、時間的にも主管各省に対してはちょっと無理だと思う、そういう注文をすることは。直ちに右から左というわけに参らない、ある程度改善の状況等もにらみ合せながら、やはり決算委員会としては最終的に承認を与えるならば、国会における最後審査をする機関だけに、十分にその点は審議していって、いいのじゃないか、次の決算報宵も来年早々にならなければ出ないという状態であれば、必ずしも形式的な面までも完結してしまっておかなければならないという一体特別な事情というものはどういうことかということになってくると、ちょっとどうもせっかくここまで審査してきておるのですから、私ももうちょっと時間をかけて審議してもいいのじゃないかという気がするのです。というのは今までの審査経過を見てみましても、非常に広範にわたり、不正、不当事項の問題のある省についても一応、一日きりか、特殊な場合には二日、あるいは三日にわたったところもほとんどないと思いますが、その程度審議だったと思いますが、そのつど申し上げておるように、一応のほんとうの……一応本日のところ審議を打ち切るという程度にしてもらってということも、二、三回申し上げたこともあるのです。この日程を見ると一応きまりをつけるという形になっているのですが、きまりをつけて国会において承認されてしまったあとで、特殊な問題といっても、それが第何号、第何号という問題については、これはとにかく継続審査でやるのだということをはっきりしておればいいのですが、補助金の問題を初めとするという程度になってくると、ちょっとその辺ぼやけるという気がするのですが。
  14. 山田節男

    委員長山田節男君) だから最初申し上げたように、継続調査としての案件を従来のやつにまた四件分を加えて、これに関してたとえば補助金ならば各省と共通した問題であり、防衛庁、運輸省、農林省、たとえば農業共済保険と、こういう特殊なものについては、一応それ以外においては承認するけれども、一応そういうものについてこれは二十八年度の決算報告承認と別個に離して根本的な問題としてやろうというのであって、それからこれは急いてやるじゃないかということを言われますが、これは従来の決算報告を見ましても、なるほどこれはもう少しゆっくり一年春かけてやればいいじゃないかと思いますが、休会中に継続調査だけでも相当になるのです。特別国会ということになっても、これは非常に短い、通常国会といいまして毛、来年一月末にならなければ軌道に乗らぬ、そのうちに二十九年度は出てくるのじゃないか、こういうことになるのですから、実際議事進行上、こういうふうにしたらいいということと、それからもう一つ報告申し上げたいのは、例の補助金適正化に関する法律案を明日の閣議で一応決定して、今週中にこれをもう一度出すというわけです。そうすればこの間大蔵委員会にかかるか、どこにかかるかわかりませんが、必ず連合審査を、一回二回の連合審査をしなければいけない、こういうことになりますから、ここに特にブランクができるのも、視察もありますし、それから補助金法律案を今週中に出せばこれに対する審査もあるだろうしというので、そこを、ブランクを、特にあけたわけです。そうして二十九日までということにして、ですから、これは何も私が委員長をしておるだけにけじめをつけたいというのではなくて、けじめをつけるべきものはけじめをつけてやって、そのかわり基本的なものを、部分的でも重要な問題は不正事項と見なくちゃいかぬものはやはり取り上げて、おそらく今度の継続調査で、全部で九件になります。
  15. 久保等

    久保等君 たとえば今ちょっと委員長が言われた農業共済保険の問題にしても、本来ならばもう少し僕ら、政府そのものが、一体これほどまで当委員会でいろいろと意見が出ておる問題について、政府そのものが今後の問題についてどうこれを解決していこうという一体考え方を持っておるのかという問題についても、たまたまこの前の委員会農政局長が出ておったので、農政局長なり、関係担当官から話を聞いたのですが、それで、ある程度納得というか、事情がわかったというところまではちょっと行きかねているのです。ところがその問題は継続調査でやるのだからいいじゃないかというのですが、そうなってくると、二十八年度の問題について、決算委員会審議して一応ピック・アップして問題のあるのは一応出して、ピック・アップしていくのだという状態であるとすれば、なおさら二十八年度の決算報告書については審議が終ったというよりも、問題点を非常に強く抜き出してみるという状態にあるのじゃないかという気がするし、十分に審議して、それでかりに最後のここで議決をするとか、あるいは本会議報告するという状態までのところへもっていっておけばいいと思うのです。それでたとえば次の通常国会の初頭にやるのだ、しかし実質的には審議はある程度終えたのだという状態にしておいてもいいと思うのです。ですから必ずしも国会の本会議にまで上げてしまうということを考えたところで、一月ならば一月いっぱいに必ず本会議まで上げてしまうのだという状態にするのは、いささかどうかと思ってね。自分自身長い過去の経験はありませんけれども、去年あたりから、二十六年度、二十七年度。二十八年度を今上げるという直前までに来ているというので精力的にこれは審議をしてきたわけですけれども、昭和二十八年度だけの一会計年度の分をとってみても、もう少しやっぱり重要なポイントそのものについてもお互いに審議する問題があるのじゃないかという気がするものですから、あえてそういうことを申し上げるのですがね。
  16. 山田節男

    委員長山田節男君) そのお考えもっともです、私過去の経験からみても。ただこれを来年に入るまでやって、そうして休会中は継続調査をやり、またこれをほじくり出して臨時国会特別国会あるいは通常国会、年末早々通常国会に入ると、すぐやれるかというと、実際それはなかなかだらだらというわけじゃないのですけれども、議員ももう非常に一つの何と言いますか、いつまでもやっておると……だからやはり思い切ってぱっとやって、つくところはつくというふうにしないと、政府の方もだらだらしたような気持になって、むしろ今のような警告決議かなんかで早急にこれを改めろと、そのかわりこれはわれわれも承認するけれども、こういう条件付だと、こういう工合にした方がしまるのじゃないか、こういうようなことで、私はこれから来年度までじっくりゆっくりやればいいじゃないかというけれども、実際やる上において……。
  17. 白井勇

    白井勇君 その委員長のお気持よくわかりますけれどもね。これは今日理再会でも御審議願ったわけでしょうが、どうですか、もう一ぺん次の理事会かなんかで、おしまいの方の扱い方の問題だけで……、そうして全員で懇談会でも開いていただいて、もう一ぺん御相談願った方がやはり一人私だけでなしに、ほかにもやはり私と同じような考え方がありましょうし、考えた方がいいのじゃないかという気もするのですが。
  18. 山田節男

    委員長山田節男君) 政府としてはやはり、何と言うか、二十九年度も検査進行中であるし、それから問題はもう同時に二十九年にこれは入っておるわけですから、やはり事務を整理するという立場からすれば、これはもう二十八年度きりしかない問題ならば別問題として、二十九年度、三十年度まで進行している問題ですから、これだけ一生懸命にやって二十九年度はどうするのだと、これっきりじゃなくて、三十年度まで全部これは継続しているのですから、一応ここではその線については取り上げて、この問題はいかぬぞという警告を発する程度にしておいて、一応政治的な責任上、われわれがいろいろ審議したものの結果について承認せられるものは承認してやるというけじめをつけてやる、これは各省大臣も、ただそれは何と言いますか、解除されたというわけじゃないけれども、われわれとしても、これはずっと来年の一月までやって、二月までやって、果してどれだけの成果が二十九年度の……。
  19. 白井勇

    白井勇君 役所では解除されたと、一応参議院で通ったということは、これはもうほっとしてしまいますよ。それは幾ら会計検査院がなんとかと言ってみたって、それはだらだら、だらだら……、従来こういうふうに早く扱ってしまったという例があるのですか。
  20. 山田節男

    委員長山田節男君) ありますね。ただ二十六年度、二十七年度は、これはとにかく一緒になっちゃった、二十六年度、これは前から延ばされたのです。これはしかし私は決して――私もずいぶん長いことやっておりますが、これは前々回ぐらいの東君のときからでしたか、これも非常に決算がいろいろな問題が起きてしまったものですから、熱心になりまして、それから小林君、それから非常にこれは能率も上がるし、熱心になって来たんですよ、各委員が非常に熱心にやった。ことにまあこの国会においては、非常に皆さんから御協力していただいて、だから、さっさとやったというけれども、内容においては速記録を見ても予算委員会より多いのです。ですからそういう点御協力願ったということを感謝しておるわけです。ですから問題は、ただ、だらだらやって日にちをかけた方がいいか、あるいはもう急所だけを一応突いて、そうしてその他のものはどうのこうのといってみたところで、これはやっぱり根本的な問題に触れているものは、政府がとにかくこれはやってくれなきゃしょうがない。これは二十八年度について警告を発しておいて、二十九年度の決算報告するまでには、われわれはどういう結果になるかということをこれを非常に注視している。三十年度になったら実行予算においてこれはほんとうに一生懸命やれというくらいなことを言った方がむしろいいんじゃないかと思うのです。これはわれわれ見ておって、二十九年度はどうだ、三十年度になったらこれはもっとこの点を気をつけろというくらいなことをいった方が、これはむしろダイナミックで、この間の過去の死児のよわいを数えるようなことではいけないのであって、やはり過去を調べると同時に現在を有利にするようにした方がいいのじゃないか、決算委員会は生きるのじゃないか。
  21. 白井勇

    白井勇君 全員で懇談会をやって下さい。
  22. 山田節男

    委員長山田節男君) それはいいですよ、だから、そういう御意見があれば。
  23. 白井勇

    白井勇君 皆さんそれでいいというなら、われわれもそういうふうにいたしますし……。
  24. 山田節男

    委員長山田節男君) ではこの問題については、さらに懇談会でまた御協議願うということにしてよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 山田節男

    委員長山田節男君) それから次は御報告事項ですが、八日の例のいわゆる補助金の不正使用に関する法律案――鳩山総理以下五人の閣僚が見えまして、本委員会補助金行政に対して非常に固い決意を持っているということを目の前に見て、そうしてあの法律案も実は新聞にもありましたように行政罰にしてあの法案を出そうというような意見もどうやら消えかかって来て、明日の閣議に法案を、体刑を、七年を五年にして出して、大体これが閣議で承認をされて、今週中には国会に提出の運びになる見込みが多分にある、こういう実は報告がありまして、同時にこの参議院の決算委員会が、こういう方面について非常に間接、直接に応援したような形になっていることについて、実は非常に感謝しておるということを承わったわけであります。これが出ましたのちは、付託委員会は、どの委員会でありましょうとも、本委員会においてまた連合審査に加わる、こういうことも実は御了承得たわけであります。大体以上が理事会におきまする申し合せ事項報告でございます。   ―――――――――――――
  26. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは議事に移ります。  昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十八年度政府関係機関決算報告書を議題といたします。  本日は保安庁の部を審議続行いたします。なお、検査報告事項は第十八号から第四十七号までであります。  ただいまお見えになっているのは防衛庁の田中政務次官、石原経理局長、武内調達実施本部長、建設省から木村営繕局長、なお、会計検査院側は、上村検査第二局長がお見えになっております。  それから、石原局長にお尋ねしますが、この間この批難事項については概略御説明があったように思うんですが、なお、何か補足して御説明の必要がございますか。
  27. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 前々回でございましたか、総括的に長官からのお話がございました。事務的に多少私どもが補足して申し上げましたけれども、特に今日追加して申し上げることはございません。
  28. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは各委員の御質疑をお願いいたします。
  29. 久保等

    久保等君 この不当事項の中で十八号ですが、これについてこの報告書に載っておりますところを見ますと、工事を実際やって完成をしておらなかったんだけれども、その代金の至福が早く支払われたという案件なんです。しかも会計検査院での検査当時にもまだ工事が完結しておらなかったというような報告になっておるようですが、この十八と、それから二十三ですか、やはり大体内容は同じような内容になっておるようですが、これについてのその後の事後措置といいますか、経過について御説明をもし何だったら伺いたいと思うのです。
  30. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) この本件の会計検査院に指摘を受けましたことが生じましたのは、ただいま御質問の点よりはずれることになるかと思いますが、順序として申し上げておきますると、この年の十二月の三十一日を工事期間といたしまする契約をいたしまして、この年は比較的雪が早かったものでございますから、十二月三十一日以後の状況におきましては、相当積雪の深い状況でございまして、そのためにここに御指摘を受け、私の方で御説明をいたしておりますような工事の竣工につきましての精密なる検査をいたすことが不可能に相なったわけでございます。それで当庁といたしましては、その点につきましての若干の疑問があったものでございますから、もし雪が解けてまして十分にできていないということの場合におきましては、当然請負者の負担におきまして工事をいたすという念書を取りまして処理をいたしたわけであります。とけてみますると、そういうようなことでございましたので、その後工事をいたしたのでありますが、ちょうど留萌のキャンプといたしましては、この射撃場を使う以外に射撃場はございません。この射撃場の状況におきまして、すでに使用可能だったから演習訓練に使っておりまして、そのために工事専の竣工がおくれまして、会計検査院指摘の日までには竣工いたしてなかったわけであります。これは十月のなかば頃にでき上っております。それから締めくくりという意味でお尋ねの中に含まれておるかどうか存じませんが、関係者の処分といたしまして第二地方建設部長を戒告にいたし、工事検査の担当官を戒告にいたし、工事監督官を訓戒にいたしております。
  31. 久保等

    久保等君 この十八号のただいまの説明のあった留萌の射撃場の新設工専の問題ですが、これはこの国会に対する政府説明書では、九月の末に至って完成したというようになっておるわけなんですが、それもどういう事情であったか、もう少し御説明願いたいと思うのですが、会計検査院で九月のいつごろですか、いずれにしましても九月に至っても進行していなかったという説明があって、えらいスピーディにものごとが運んだようでして、その月末には工事が完成したというような報告になっておるわけでございますが、会計検査院検査せられた当時の実情について、会計検査院の方から御説明を願いたいと思います。
  32. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 十八号につきましては、二十九年の九月の五日ごろに行って見たわけでございますが、そのときのでき工合はここに書いてございますように、千六百三十一立米、工事費にしまして五十七万九千円ばかりが不足しておったという、こういう事態でございまして、先ほど御説明のように、九月末完成したということが政府説明書に書いてございますが、時期的に言いますと、九月の初めでございますから、やろうと思えばおそらくできたのじゃないかと思いますが、現実にできたかどうかということは、その後確認しておりませんが、おそらくできたのではなかろうかと思います。
  33. 久保等

    久保等君 その点、なお経理局長の方から御答弁を願いたいと思いますが、さらに代金の一千万六千円ばかりですが、こういったようなものについては、少くとも工事の未完成の状態で前金をやったということなんですが、そういった方面については何ら措置しなくてもそれは当然だというお考えなんでしょうか、どうなんでしょうか。
  34. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) ついでに先ほどの御答弁に、十月の半ばごろということを申し上げましたが、ちょっと今調べておりまするので、正確な点は後ほど申し上げますから、それで御了承願いたいと思いもす。  金を払いました点は、これは竣工いたしたものとして全額払ったわけでございまするので、できておりますればこれは問題ございません。御指摘のようにできておりませんので、その点の竣工の検査というものに不届きの点があったと、こういうことでございますので、その点につきましての責任を有するわけでございます。先ほど申し上げ、ましたように、竣工検査ということの物理的と申しまするか、積雪のために現実の見方ができなかったわけでございます。しかしながらそういう場合におきまして念書をとってございまするけれども、金を払っておりまするのは、これは不適当でございますので、先ほど申し上げましたような処分をいたし、また会計検査院からも御指摘を受けたわけでございます。
  35. 久保等

    久保等君 先ほど私最初にあわせて質問をいたしたのですが、二十三号の問題についての、会計検査院の指摘せられた後の状況というものは、この会計検査院の指摘された当時と変らないような状態でしょうか。御説明がなかったので、その後の経過の状況を御説明願いたいと思います。
  36. 木村惠一

    政府委員(木村惠一君) お答え申し上げます。この工事は十月の五日まで工事を中止いたしました。十月五日に緑地解除の指定があったものでございますから、十月の六日から各工事に着工いたしました。その後工事は順調に進みまして、本年の六月三十日現在、現場につきまして調査いたしましたところが、前払い金十四件、工事件数十四件前払い金をやっておりまするが、そのうち竣工いたしましたものが五件ございます。その他の工事もほとんど順調に参りまして、九〇%、八〇%の工事の竣工率が大部分でございます。
  37. 久保等

    久保等君 会計検査院の方へお尋ねしたいと思うのですが、もちろん責任者に対してのそれぞれの責任問題というものは、これは当然起きてくると思うのですが、ただ請負業者に前渡し金で支払いをやってしまっておるのですが、事実工事は予定の期日までに竣工していないというようなことで、本年にまたがってなお工事続行中というような状態になっておるのです。そういう場合に、少くとも延滞金というか、あるいはまた前渡し金の返還をさせるとかといったような、会計、経理上の問題が当然問題になっているのじゃないかと思うのです。特にこの二十三号のごときは、非常に金額にしても莫大な金額になっているのですが、こういった面に対して特別、具体的に何か会計検査院で御指摘になった点がおありですか、どうですか。
  38. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 二十三号は年度末に契約をいたしまして、工事に着手する見通しがないのに、契約と同時に前金払いをしたと、こういうことでございまして、契約して前金払いをすること、それ自身は一応法的には別に差しつかえないわけでございますが、着工する見通しがないのに契約して、しかも前金払いをやるということは、その着工するという見通しが確定しないのにやるということは、それとの関連においておもしろくない、こういうことでございまして、契約その他からすぐ前金払いをしたものを、工事着手できないから取り返えすということは、必ずしも契約面からは出てこないと思いますが、その後におきまして、工事の着工を見合わして、二十九年の十月ごろに工事の着工、着手を命じられておりますので、あるいは場合によれば前金払いしたものを、業者との話し合いで一応返えしてくれということも言えるかもしれませんが、しかしその間全然前金払いをしたものを使わないということでもございませんので、多少は、幾分使っておりますので、その辺の事実関係から見まして、解約させる方が適当かどうかという点については、なかなか実際問題として判定困難な面がございますが、ただ実際適当な工事期間に対して契約をして、前金払いをするのであるから、そういう点を考えてやるならば、契約を延ばして、見通しがついて、適当な工事期間を見て前金払いをやれば、前金払いが眠ることがないんじゃないか、こういう趣旨でございます。
  39. 久保等

    久保等君 この二十三号の案件は、本年度に入ってだいぶまだ工事続行中のものもあるような、先ほど御説明があったのですが、そうすると、昨年の三月の末に契約がなされて、それに対する代金の支払いもあった。年度にして見れば二十八年度ですが、それがさらに二十九年度中にも完成しなかった。そこで昭和三十年度の年度に入って、現に工事を続行中だというような状態だとすると、相当契約の内容そのものとしては、契約をした当時の実情とは条件がうんと違ってきているのじゃないかと思うのです。従ってその当時、おそらく二、三年工事が継続するだろうというような見通しがあったとすれば、そう大した条件の変更はなかったんでしょうけれども、少くとも三カ年にわたって工事が継続してなされているというような状態で、しかも契約当初に全額支払いが行われたということになると、どういう契約を締結しておられるのか知りませんけれども、金額も相当莫大な金額に上っておりまする関係から、私はいわば不当な契約がなされているのじゃないかという、一応推測がなり立つと思うのですが、どういうふうに当時の保安庁の方でお考えになっておったのでしょうか。その点を一つ説明願いたいと思います。
  40. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 工事を現実に担当せられましたのは建設省でございまするから、営繕局長の方から別にまた御説明があると思いますが、防衛庁といたしましては、大体この年度に当初予算がございまして、いろいろ計画をいたし、この旧駒沢の重砲兵連隊のあとでございますが、ここの接収解除は非常に長い間でございましたので、私どもの方としては非常に長い間の準備をいたしておる。そこで、この接収は大体解除せられまして、残りました問題が二つございまして、一つは当時の中に入っておりました耕作者、もう一つはここに指定にございます緑地の指定問題であります。  前者につきましては、耕作者の離作交渉の問題につきましては、これは建設省と大蔵省の関東財務局など中に入っておられまして、いろいろ相談いたしまして、この二十九年二月十九日をもちまして一応離作の承諾を得た。ほかの地域におきましては大体離作承諾を得ますれば工事を着工しておりますので、第一の障害は、当該年度に、二十九年度中に工事を着手するの問題は一応除去せられたわけであります。  第二の緑地の問題でございますが、これはその前から建設省が計画局その他と御相談をいたしまして、実体問題と形式問題と二つある。実体問題といたしましては、あの地域を緑地から解除いたすということにつきましては、大体におきまして異論がございませんで、その後に実は委員会を開きましても、その点の御論議が実はないわけでありまして、大体各方面委員諸公みんなよろしいということであったわけであります。これは事後のことでございますが、事前の計画局との相談におきましても、大体その点はそれが支障があるまい。形式的に、ここには書いて、ございませんが部市計画審議会がございまして、その審議会の議を経なければ緑地の解除ということはできない。それで緑地の審議会というのが毎年開かれる建前でございますが、年々四月早々には開かれる例でございますので、計画局と相談いたしまして、大体四月早々囲かれる、そうすれば実体について論ないのであるから、おそらく簡単に通るだろうというようなことを、関係者といたしまして、一つは長年の問題でもあるものでございますから、それと、こういう大きい工事でございますると、契約をいたしましてから現実の工事の着手いたしますまでに、資材その他の準備が相当かかるわけであります。従いまして、従来の例にいたしましても、落札いたしましてから工事に着手まで一カ月の時日がかかっておりますので、大体これらの問題も離作の問題も一応解決いたしましたので、ここら辺で着手できないかと考えておりましたところが、一つ見落しました問題は、委員の改選の時期になっておりまして、委員が改選をせられますので、四月早々に委員会を開くことほ不可能になりました。そこで、この改選が終りましたのが七月でありましたが、そこで新メンバーをもちまして委員会を開きまして、それが結局九月までに三回の審査がありました。その三回の審査におきましては、いずれも、教育施設をどうする、あるいは住宅施設をどうするという議論でありまして、緑地を解除する反対は一つもなかったようでありますが、いずれにいたしましても、委員が改選をいたされましたが、そのために非常に委員会の決議が遅れまして、従いまして、ここにございますように九月までできませんで、十月の五日をもちまして工事を開始いたした、防衛庁といたしましては、今申し上げましたような見落しの点があったわけでございまするが、当時の状況におきまして、今申し上げましたような見通しから、大体年度内において仕事の性質から見まして、でき上るのではないかと考えまして、大体二十八年度に着手いたし、二十九年度中にでき上る、こういうふうに考えておりました。ところが先ほど申し上げましたようなスタートが遅れました関係で、御指摘のような今年度にかかるというような状況でございます。
  41. 久保等

    久保等君 ただいまの問題については何ですか、会計検査院でももちろん三十年度にも継続しております問題ですから、終局的なそれに対する措置等の指示を与えるということもできかねると思うのですが、少くとも二十九年度の末に二億六千万円余りといったきわめて多額の前払い金が実際支出せられておるのですが、しかし二十九年度中には、ただいまの御説明のあったようないろいろの思わない事態も出て参って、着工がおくれるというようなこともあって、工事がさらに本年度に継続されておるというような状態になってくると、私は金額が金額であるだけに、相当な、少くとも当初の契約通りで支払いがなされたことについては、まあ事情も変更されたということで、一部契約の結び直しというような、あるいはまた金額の面で、あるいは利子その他の金額にしてもこれは相当な金額になると思うのですが、そういう経理上の問題について、やはり別の結び方、契約の仕方を改訂しなければならないような事態が十分予想されるのじゃないかと思うのです。会計検査院の専門的な立場でこの問題を考えられてみた場合に、その場合でも、やはり前渡し金というようなことであるから、さしたる、まあもちろん当初の予定よりも非常におくれたという点で、ここでもちろん指摘されておるのですけれども、そういった支払いのなされた金額の内容にまで立ち至って、解約その他の措置を取るほどの問題にもならないのじゃないかというように御判断なさっておるのかどうか。専門的な立場一つ説明を願いたいと思います。
  42. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 先ほどの説明が実はあまり明確でございませんでしたのですが、前金払いをいたしましたものは、実はこれは保証会社が保証しておるわけでございまして、現実には一応銀行預金をさしていたすわけであります。それに対しまする金利、それから保証会社に対する支払関係がございます。で、それを大体目の子で見ますと、そう両方の金利と、それから保証会社に対するものが、それほどの開きがないように実は考えておるわけでありますが、ただいまお話のように、この問題の実体的な検査はまだ十分やっておりませんので、そこらの面は十分考えた上で処置したいと、かように考えております。
  43. 石川清一

    ○石川清一君 私も今の件について、これは一般論としてお尋ねをしたいのでありますが、部隊はそれぞれ訓練計画を持っておると思う。その訓練計画をやはり変更しない場合には、やはり工事も強行するような措置をとらなければならぬし、演習場のあるいは土地等の買収等もやはりその線で進まなければならぬと思う。その点について、この特に射撃場のような場合に、やはり一応全部完成をしたと、こういう形で、問題はあとへ残して、訓練に支障ないようにする、こういうことがまあ非常に苦しいけれども正しいのか。それからまた、営舎にしましても、一部分の工事が相当大きく資材やその他の関係で残る、しかし部隊は編成もされておるし、そこで訓練をせんければならぬので入っていく、そういう場合に、やはり一部分の工事ができないということにすれば入ることができない。やはりできたということにして残さなければいかぬと、こういうような形でとられるような場合は、この部隊の施設が完成するまでには相当問題になるようなことがあるかないか。お尋ねいたします。
  44. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) ただいまの石川委員の御指摘になりまするような、あるいはほかの実例がありましたかどうか、私、今正確に記憶していないのでありますが、理論的と申しまするか、抽象的に申し上げれば、おっしゃいますように、施設の関係は相当大きなものがございまするので、全部でき上ってからということに相なりますると、私どもの方の施設に入れまする人間の関係、あるいは訓練の関係というような点で支障が出て参ることは予想にかたくない。そこでそれに対してどういうようなことを考えるのかという点でございまするが、契約の大きいものにつきましては、これは契約をある程度切りまして、これは建物別に切ることもございまするし、工事別に切ることもございます。工事別に切りまする場合には、建物はできたが、内部の電気、水道が通っていないという場合には、ちょっと使用に困難かとも思いまするが、建物が幾つかのブロックに分れておりまして、一つのブロックができたという場合には、これは訓練、それから全体の周囲の状況からみまして、その引き渡しを受けましてそこに入るということは考えられまするし、多くの場合そういうふうにいたしているのではないかと存じております。ただ、ここにありまする場合のように、射撃場としては実際使えるわけでありまするが、やかましいことを申しませんければ。しかしながら工事としては、こちらの設計通りいたしていないという場合におきましては、向うの引き渡し前にこちらが使うという場合には、これは契約上もちろんそういうような契約ができないわけではございませんが、危険負担その他いろいろな問題が出て参りまするので、実行上におきましてはなかなか考えにくい問題ではないかというふうに考えております。
  45. 石川清一

    ○石川清一君 今質問しましたように、非常に工事の竣工が急ぐ、その場合に、強行する場合には、請負業者の工事能力というものが非常に問題になりまして、通常の場合と違った点があるのでございまするが、そういうような場合には特にいわゆる訓練その他の関係で非常に突貫工事をしなければならぬ、こういうような場合には、特別に何かお考えになるようなことが今まであったのでございまするか。その点はどうでありまするか。
  46. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) ご指摘のようなことが二十七年度におきまして北海道にキャンプを作りましたときに、あるいはあったかと思っております。その際にどういうふうな、石川委員のおっしゃいますような特別な契約をいたしましたか、私、当時関係してございませんでしたので、ちょっと存じておりませんが、このときには相当に急いで、冬が来るまでに工事するというような事情はあったようでございます。
  47. 石川清一

    ○石川清一君 それから演習場その他の一応の目的を持ちまして土地等を買収した場合、そのときと違った施設を持つ場合、さらに買収をするときのいろいろの条件を検討すべきものと思いますか。すべきでないと思いますか。初めはこれこれを作るのだ、こういう考えで土地その他を買収したところが、そのときに話しをしてなかったものを建てるようになった、その作ったためにいろいろな影響がほかへ当ってきた、その場合には、損害賠償というような、その他について改めて協議をするようなことがあるかどうか。
  48. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 御指摘のような場合が具体的にどういう場合に起りまするか、いろいろ想像いたしますると、いろいろな場合があるかと思うのでありまするが、何か非常に特段に激しい影響をもちまするものでございません限りは、買収いたしますときに考えておりました使い方と、買収いたしましてからののちの使い方とに違いがございました場合に、そのために法律上相談をいたさなければならないというふうには考えないのであります。ただ当該施設が非常に有害であるという影響を持ちますものにつきまして、それが何らか法律上の筋合いから見ましても、補償いたさなければならないというようなものにおきましては、これは当然そういう御相談をいたさなければならない問題かと思います。
  49. 石川清一

    ○石川清一君 最近の新聞であったかと思いますが、佐久間ダムの土地補償については、問題点が若干あったけれども、これはやはり工事を突貫工事として強行しているので、あとで問題が解決いたしまして、土地その他に対して追加補償といいますか、するように新聞に出ておりました。これは真偽を確かめておりませんけれども、大体ある程度の金額を払うように出ておりましたが、今、私が申し上げましたように、今度の演習場あるいはキャンプ敷地等、その他について、かような今申し上げたような考慮を、前の条件があるなしにかかわらず、特別の問題が起きた場合に進んで払って、今の演習場その他のものをやはり好意的に解決をするというような考えがあるか。非常に問題が多くて解決ができないのが大分あるようですが、従ってそのような措置をとるのが妥当であるかどうか、その点についてお伺いいたします。
  50. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 私の今承知をいたしておりまする範囲内におきましては、石川委員が御指摘になりますような事態が防衛庁の施設において起っているということは承知をいたしておらないのであります。佐久間ダムでどういうような事態が起っているか存じませんのでございますが、今私どもやっておりまするような施設でございますれば、非常に私どもの部隊の施設がございますることのために、たとえば鉱山の鉱害のようなものが生ずるというようなことはちょっと考えられませんので、そういうような補償あるいは追加補償というような形におきまする話し合いをしなければならないというようなことは、ちょっと想像せられないのでありますが、もし具体的にそういうような事態が起りまして、われわれの方で補償をしなければならないような筋道に相なりましたならば、これはあえて相手方の御相談を待ちませんで、私どもの方から積極的に相談を申し上げてもいいかと思います。ちょっと今のところ実例が想像せられないわけであります。
  51. 山田節男

    委員長山田節男君) 調達実施本部長にお伺いいたしますが、今度防衛庁の調達に関しては、あなたの方で全部統一しておやりになるということですが、これを見ますと、随意契約それから指名入札、こういうように分れているのですが、たとえば指名入札にするか、あるいは随意契約にするかは、もちろんこれは、ものによるのでありますが、ものによって、ことに随意契約でやるということの基本条件といいますか、他にたとえば製造するものがないとか、他にそういう技術がないので、それだけにやらしめる、こういったようなことがなければならないと思うのですが、大体あなたの方で随意契約にするというのは、一体どこがそういうことを企画し、それから最後決定はどこでおやりになるのですか。これは総括的な問題として承わりたいと思います。
  52. 武内征平

    説明員(武内征平君) 私の方におきましては、指名随契審査会というものがございまして、原則的に一般競争に付す以外のものは全部この指名随契審査会に付しまして決定いたすのであります。しかしながら、指名随契審査会に付します以前におき、残して、このものにつきましては随契ができるという、きまったものが二、三ございます。たとえば輸入品でありましてその品物を国内の商社から買う場合におきましては、その商社が唯一のエージェンシーと申しますか、代理権を与えられているというような場合におきましては、それはその会社を対象といたさなければその品物が買えないことでございますので、たとえばメンター練習機、すなわちT34機というものは富士重工と契約いたしました。これはアメリカのビーチクラフトと富士重工が契約をいたしまして、ここで組み立てたもの、組み立て権は富士重工が持っている、こういうわけでありますから、この社としか契約できない、こういったような場合がございます。それから、自動車等につきましては大体の生産分野がございます。たとえば大きいトラックにつきましては、六トン以上のものにつきましては三菱扶桑が作っておりまするから、それ以上の大きいものを買う場合におきましては三菱扶桑と契約しなければそのものは入手できない。あるいは四トン型のものでありますならば日野重工が作っておる。従ってこれらの需要が出ましたときにはここと契約する。あるいはニトン半型でありますならば、日産、トヨタといったように、輸入品を買う場合、あるいはただいま申し上げましたように生産分野の確定しておりまするもの、しかもそれが一社であるといったような場合におきましては、いわゆる特命随契という形で契約をするということになります。その他、会計法の示す範囲におきまして、艦船等につきましては、従来はその契約の性質上、随契ができるものであるというふうに解釈して、特命の随意契約をいたしております。こういうような、ある極のものにつきましては、プリンシプルができておりますが、それ以外のものにつきましては、各幕僚監部から個々の物品購入、装備品購入の要求がございました際に、先ほど申し上げました指名随契審査会に諮りましてきめるのであります。しかも、その金額が一千万円以上でありますとか、あるいは、ものによりますと二千万以上といったような場合におきましては、この指名随契審査会の議を経まして、長官の決裁を得まして、相手方をきめ、随契をするというような運びになっておるのであります。  以上が大体のプリンシプルでございます。
  53. 山田節男

    委員長山田節男君) そうすると、たとえば具体的に申しますと、ジープを購入する場合、ジープは、たとえば倉敷のフレーザー、それからトヨタもたしかジープを作っている。それから日産もたしかジープをウイリスと契約して、技術提携か何かしりませんが作っておるわけであります。そうすると、ジープをこうして大量に購入する場合、ジープというものは、やはりウイリスの何か、技術提携か。ハテントかしりませんけれども、おのおの三社ないし四社もある場合、その特定のたとえば倉敷フレーザーなら倉敷フレーザーのジープにするのだということは、何か基準があって決定するのか。たとえば二つ以上の同じものを作っているものがある、今あなたのおっしゃったように、ただ一つのエジエンシーである場合は、これはやむを得ない。しかし同じものを作っている工場が二つ以上ある場合、その一つをきめるという場合は何が標準になるのですか、具体的にいいますと。
  54. 武内征平

    説明員(武内征平君) 御指摘のように、ジープは国産では日産、トヨタがあります。当時問題になりましたウイリス、いずれを入れるかということにつきましては、当時防衛庁内部、陸幕を中心にいたしまして、内局で各方面から検討いたしたのでございます。御承知のように、日産、トヨタは、今幾らかずつジープを作っておりますけれども、ジープ用のエンジンというものは、ただいまウイリスのジープはたしか七十一馬力を使っておりますが、ただいま、日産、トヨタのジープに付いておりまするエンジンは九十馬力の二トン半のトラックと同じエンジンを使っておるわけであります。そういたしますと、小さいジープにパワーの強いエンジンをつけている、従って登はん力は強いのでありますけれども、ある場合にはアンバランスができるというような技術の面からいろいろ検討いたしまして、しかも日産、トヨタは二トン半のトラックを作るラインになっております。さらに、あそこに新しくジープのラインを入れますことは、これらのマスプロの状況をこわすのじゃないかというような製造の面、それからウイリス・ジープの特徴その他、あれは十二年半の経験をもちましてできているのであります。一面また貸与になるジープは、ウイリス・オーバランドのジープでございまして、部品の交換性といったようなもの、あるいは自衛隊が買いますジープと米軍から貸与せられますジープ、それに使います部品というのは、同じ種類のジープを使っておりますと、そこに部品の補完性と申しますか、そういうものができるといったような点、それからさらには当時価格の面等もさんしゃくいたしたのでありますが、悲しいかな、やはり日産、トヨタでいたしました見積りは、ウイリス・オーバランドよりも十万乃至十五万円、やはり生産します数の問題からくるのでありましょうが、高かった。すなわち性能でありますとか、あるいは価格でありますとか、それから米国の貸与のジープとの部品の補完性といったような各般の点から検討いたしまして、これは最後には庁議で長官の御決裁をいただきまして、ウイリスのジープを採用しようということにきまったのであります、そういうようにきまりますと、ウイリス・オーバランドのエジェンシーは、やはり当時は倉敷フレーザーしかなかったということで、ここと特命随契をした、こういうような関係であります。
  55. 山田節男

    委員長山田節男君) 久保装備局長にちょっとお聞きしますが、航空機は、T33、F48とか、その他、航空自衛隊に必要な航空機ですね、これは日米行政協定あるいは安全保障条約のようなもので、何かアメリカ以外のもの、たとえばイギリスとか、あるいはフランス、イタリア、より日本人に適性であり、かつ経済的でもあるというようなものがあっても、そういったようなものは、防衛庁で購入するとか、あるいは日本のそういったような会社に技術提携せしめて、性能のいいものを日本に入れるというような自由が、現在の防衛庁としてあるのかどうか伺いたい。
  56. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 今、委員長がおっしゃいますように、これほ航空機に限りませんので、航空機でも、あるいは欧州その他、眼を広くしていろいろな機、種を検討してきめるのほ当然でありますし、もちろん従来その線は持っておったわけでありますが、何と申しましても、航空機の関係をとりましても、当分完成機を向うから供与を受ける、それから、それとの部品の補完性、それから向うの教官の訓練を受ける、現在F60について訓練を受けております、といったような工合で、いろいろな関係から、やはり当初米国製と申しますよりも、米軍で使っておりますものを採用していくということが初めに出て参りまして、御承知のように現在T34メンター機、初級練習機でございますが、これは今国産化に入っているわけですが、これを採用いたしましたときも、かなり広範に、たとえば英国系統とかそういったようなものも検討いたしまして、その結果、今申し上げました訓練の系列、それからまた性能も当然ですが、主として訓練の系列、あるいは供与品の部品との補完性ということから、T34メンター機が一番適当であると判断をいたしたわけであります。また今年から計画を始めましたF86F、T33のジェット機につきましても、やはり完成供与の関係、それから部品の補完性、それから、その他この部分につきましては、現実の製造権、あるいは部品治具等を米国側援助資材としてよこしてくれる、こういったような状況もありまして、経済要件あるいは訓練の効果から見て最もいいのではないかという結論に至ったわけであります。  ただ、たとえば私の方で新しく考えたいと思いまして、これは本年度予算に出しておりますが、中間ジェット練習機をアメリカでも研究中でありますが、われわれとしても考えたいということで、これは国産化の計画を始めておるわけであります。これにつきまして、むしろアメリカでは従来T33が中心でありました。欧州では推力一トン前後の中間ジェット練習機を使っておりますので、実はこれなども三機予算にあげておりますが、こういったものを輸入いたしまして、こういった面を検討して、あるいは経済的な練習機ができるのではないかという点も検討いたしておりますが、趣旨といたしましては委員長のおっしゃったようなことは実は考えておるのですが、今日までの結果は、ただいま申し上げたような事情でございます。
  57. 山田節男

    委員長山田節男君) そういたしますと、こっちで、防衛庁の方で、たとえば欧州物で日本人の性能に合い、あるいは経済的にしかも性能のいいというものがあれば、これはもう日本が自由に、自主的にそういうものは契約し、あるいは注文するということは、これはできるわけですね。
  58. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) さようでございます。  たとえば射撃指揮装置等につきまして、これも本年度の予算に載せてございますが、オランダのヘンケルとか、あるいは英国のビッカースとか、こういったところの輸入品を試みに用いてみたいと思いまして、今その計画を進めております。これは一例でございまして、その他にも若干さような例はございます。
  59. 白川一雄

    ○白川一雄君 航空機は遺憾ながら日本の技術は非常にレベルが低いと思うのでございますが、これが発展を期する防衛庁の方針は、自由競争から、せりあってよくなるというところをねらっていかれるのか、あるいは必要な範囲のメーカーに力を入れて育成していこうという御方針か、その御方針を承わりたい。
  60. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) その点につきましては、昔はいざ知らず、今日あるいは近い将来の自衛隊の保有する航空機は、まだ別段計画がきまっておりませんが、膨大なものでないことはたしかであろうかと考えられますので、それぞれの機種に従って、ジェット機の中でも戦闘機、あるいは訓練機、あるいはプロペラ機、数種類ございますが、できるだけ海陸空を通じまして機種を統合して少くする。同時に、その機種につきましては、非常に大きな数でもございませんし、できるだけ自由競争によってむだができること、それもある一面から言えば好ましいのでありますが、規模から言いまして、むしろそれよりも、生産系列を機種ごとになるべく早くきめまして、そしてそれぞれの機種を、研究改善をその系列に従って各航空機会社で研究改善を進めていただく、こういう方針が一番望ましいのではないかということで、今日が一番大切な時期であり、そういった線で検討して結論を得ようと努力いたしております。
  61. 白川一雄

    ○白川一雄君 現在の状況は、どちらかというと、自由競争の形になっておるようで、日本の防衛計画というものの航空機の需要も、日本の国力から見ますと、私は限度があると思いますけれども、こま切れに分けたのでは各メーカー自体の経営が成り立たんではないだろうか。自由の原則を重んじなければいけませんけれども、国防に関するような事柄は、重点的な力の入れ方をしなければいかんのじゃないか。特に航空機につきまして、先ほどメンターのお話がありましたが、あれの、ビーチクラフトの交渉を私はやって参ったのでありますが、その間に痛切に感じましたことは、アメリカとのライセンスの交渉というものを、日本の商社なりメーカーなりがまちまちにやるということは、非常に日本が損をしておる、アメリカがあれだけ航空機が発達しておりましても、軍用に使うものは、国が製造権を持って、たとえばB47というあの飛行機でも、政府が製造権を持って、各有力なる会社に機数をきめて製造させているというようになっておりますので、その部品等も、下請工場が計画生産でいきますから、工場がいいものを安く作るという研究もできる余裕を持っているという実情であるにもかかわらず、日本では、乏しい資金でやり、しかも乏しい資力でやり、各会社を分散させて、しかもその部品を作る工場というのは計画生産ができない、いつ注文があって、いつ注文が切れるかわからんというような行き方では、日本の航空機製造ということは、私はなかなか成り立たんのではないだろかという点から、相当これは根本的に考えていただかなければならない。特にアメリカの古をもらって日本の防衛体制の中に入れることを第一義にしますと、日本の経済というものは、戦争前も軍需産業が日本の経済の中心になっておったという実情から考え、今日反対されておる防衛計画も、見方によれば、失業者救済の産業というものからくれば、失業救済にもなる性格のものであるということを考えれば、できるだけ国産品の生産で防衛計画を満たしていくという線で確定していただかなければいけないのじゃないか。その苦い経験一つ申し上げますと、メンターでございますが、私はライセンスの交渉に行くときには、大体一カ月十二、三機ずつを製造するというような建前で行ったのでございますが、その後アメリカから、T6というアメリカでも作っていない古の締盟機を日本にやると言えば、すぐこのメンターの生産が月二機や三機になるというのでは、御承知の通り飛行機は治具だけでも何方という治具を必要とする性格の生産工場は、そんな数儀ではとても採算がとれるものでないということからいきますと、うまくリードしてもらいませんと、日本の産業をどんどん、どんどんつぶしていくという結果になりやせんだろうか、最近T33、F86とか、その他いろいろメーカーが細かく分かれていきつつあるということは、結局どのメーカーも最後にはお手あげになるのじゃないかというような心配を持っている一人なのであります。その点は、国内の防衛生産ということに最重点を置いて考えていただかなければならないのじゃないか。この決算事項と関連性がないかもしれませんけれども、たまたまその問題、調達の問題が出ましたから、一言われわれの非常に憂慮している点を申し上げたい。こう思うわけでございます。
  62. 山田節男

    委員長山田節男君) 八木幸吉君から委員外としての発言を許していただきたいという申し出がございますが、許すことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 山田節男

    委員長山田節男君) どうぞ。
  64. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) ここに調達業務系統図がございますが、すべてものを購入するために注文を発するときに、在庫量をお調べになる関係はどこでおやりになるか。これで見ると在庫品の現在数量をお調べなくて注文をするように見えますけれども、決算報告自体にも、在庫があるのにどんどん注文して、物が非常に余ったというようなこともしばしばこれに出てくるわけ、ですが、どこでそれはおやりになっていますか。
  65. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 在庫品の調査、それから使用量の調査は、その図面では実は各幕僚長のところから上に、一番上の線で支出負担行為計画要求書、それから一番下に調達要求書と出ておりますが、一番上の計画要求書はこれは全体の計画であります。下のは個々の要求書でございますが、この予算計画を作り、それから個々に調達要求書を出すに際しまして、各幕僚長で、幕僚監部の関係、各部課で調達要求を出すにつきまして、四半期ごとの在庫状態、それから四半期における消耗の従来の実績等をそこで調査しまして、それに基いて各幕僚長から調達実施本部へ調達要求書を出すわけであります。
  66. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) 民間会社なんかの経験から申しますと、今の御説明を伺っていますと、在庫数量を調べるところがあまり上部機関過ぎるので、今度の決算報告でも寒冷地等の予算も出ておるようですが、従来ともに非常にたくさんある物を、しかも注文してストックをこしらえて、国損がたくさん出たという事例があるわけでありますから、もう少し下部組織、つまり業者に注文を発し、もしくは契約をする、この図面で見れば支出負担行為担当者というようなところでもう一ぺん在庫数量をチェックしてみるというふうに、私は機構をお改めになる方が国損を少くし、予算を効率的に使う上においていいのじゃないか、こう一つ考えるのですが、きょうは政務次官もお見えになっているようですから、一つ十分その辺もうちょっと下の組織で手持ちと、ほんとうに一体注文する必要があるかどうかということをもう一ペンチェックしてみるという組織を一つ御研究をいただかんことをお願いしておきたいと思いますが。
  67. 田中久雄

    政府委員(田中久雄君) 従来も御指摘のようなことにつきまして改善の方法はいろいろあろうかと思いまして、各担当部課に研究をしてもらうように私からすでに話をしております。いずれ成案を得てそういう不当な買付けをするようなことがないようにいたしたいと考えております。
  68. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) もう一つお伺いいたしますが、この決算報告の二十三号、つまり地面の問題が解決しないのに金を二億六千七百万円前払いした、こういう事件がここに取り上げられておりますが、先ほど引用いたしました調達庁の業務系統でも、この場合は納入というのは建築に当るわけですが、実際建築ができたかどうかということを見るところと、それから代金支払いの支出官との連絡がどうもやはり不十分のようにこの計画で思いますが、担当の係、どこでこれはチェックするのか、承わってみたいのですが。
  69. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 具体的な御指摘の二十三番は建設省の方でございまするので、あるいは建設省からお答えを願った方がいいかと思うのでありますが、私どもの方の建設本部の系統におきましては、これは建設本部の中でやはり支出負担行為の担当官と支出官とを分けておりますので、今の御指摘のような点につきましては、やはり現実に検収をいたしまして、でき上ったという報告、あるいは契約を結んだという連絡を受けまして支出官が払いをいたしております。ただ具体的にこれの起りました二十三番の問題、あるいは十八番の問題につきましては、これは検収自身が何と申しまするか、積雪のものについて不可能だったのでありますが、従いましてある程度そこのところを、俗っぽい言葉で申しますならば、山をかけてやったものでありますからこういう食い違が起った。二十三番の方もそういうわけでございまして、そこら辺の検収、あるいはこの二十三番の契約をいたしまする事前の取得関係が十分であるかどうかという、そういう八木委員御指摘のような、支出官と支出負担行為担当官との関係という点よりも、むしろそういう事前の手続が完了しておるかどうかということにつきましての当事者の注意が足りなかったという点にあるわけでありますが、実際の支出官と支出負担行為担当官とは御指摘のような点は十分注意してやらなければならんと考えております。
  70. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) 二十三号ですが、地面が解決しないうちに請負業者に金を払う、端的に書ってどこがうそを言ったか、でたらめを覆ったか、どこが一番悪いのですか。
  71. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) これは実は先ほど八木委員おいでになりまする前にいささか詳細に御説明申し上げたのでありますが、端的に申し上げますると、防衛庁の側におきまして緑地の指定解除をしまするための都市計画審議会の議決の点につきまして、当時の建設省と相談をいたしました予想に基きまして、非常に急速なる議決があるというふうに考えました点は誤りがあるというふうに考えております。
  72. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) これはまあ緑地帯の決定といった、いろいろな今のお話の都市計画施設審議会ですか、そこの関係もあったのでし、ようが、要するに金を払ってくれ、払いましょう、支出官が金を払うのには支出官自体もこれは建設にかかっていないのを知って払ったならば、非常に悪い言葉で言えば、支出官も共犯関係になるわけなんですが、これは支出官は知らずに払ったのか、事情を知って払ったのか、事情を知って払ったとすれば、支出官自体としても非常に何といいますか、がんこで困るといったような立場が普通の支出官でありますが、その辺はどこがあまり融通をきかしたのか、そこのところを私突っ込んで承わってみたいのですが。
  73. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) これを私がお答えをするのが適当かどうか存じませんが、もし間違っておりましたらほかの方から御訂正願いたいと思いまするが、この場合におきましての支出官の何と申しまするか、判断をいたしまする事項といたしましては、契約が正当に締結をされておるかという点にあると思います。契約が正当に締結せられておりまする限りにおいては予決令によりまして一定の前払いが許されておるわけでありまするから、契約が正当に締結せられておるかどうかという点についての判断が要るかと思いまするが、それではこの場合におきまして、契約を締結をいたすことが適当であったかどうかという点であるかと思うのでありまして、まあ私のまた個人的意見でありまするが、その私の感じを申し上げますれば、契約を締結いたしまするのに、御指摘のように用地の関係等が解決をせられておったかどうかという点であろうと思います。これは先般も申し上げたのでありますが、大きい工事に相なりますると、契約を締結いたしましてから工事に着手いたしますのに通常相当の準備期間が要るわけであります。従いまして他の多くの例におきましても、契約を締結いたしましてから工事に着手するのに一定の期間がありまするから、もっとも私一の方ではございませんが、建設省の方でございまするが、おそらく支出負担行為担当官といたしましては、従来の例から見まして、一月や一月半くらいの余裕はあるだろうと考えていたろうと思います。この場合におきまして防衛庁側といたしまして建設省側に、用地の取得の点はこれは私どもの方で解決するということを申しておりまするので、そこのところは建設省側で御留意を願いましても、まあ大体普通の期間内に解決し得るのじゃないかといろふうにお考えを願ったのじゃないかと思います。ところが先ほど来申し上げましたように、私どもの方のその見当をつけましたことが、都市計画審議会の委員の改選がございましたためにおくれまして、ふたをあけてみますると、やはり大体御異存がなかったというのでありますが、全く形式的な、委員の改選ということがありましたために、時間がおくれましてこういうような事態に相なった。  従いまして、八木委員のお尋ねのような、支出官が十分に詮議すべきを詮議しなかったかどうかという点につきましては、私の個人的な感じから申しますれば、そこのところではないのではないか。やはり責任と申しまするか、その点私どもの方が、これは建設省の方の計画と、いろいろ十分御相談しての話でありますが、その当時立てました見通しを誤まった点もあるのじゃないかと思います。類似いたしましたいろいろの例がどうなっておりまするか、私も仔細に承知しておりませんので、離作というような問題が各地に起っておりまするので、そこらへんのところは離作者との和議で、一月以内にどくということでございますが、これは工事がそうでなくても相当遅延をいたしておる場合がございますので、これはほかにもおそらくそこらへんの、契約当時には必ずしも離作者がまだどいていない、しかし大体いつごろまでにどくんだという話し合いだということで、そういうことに信頼をいたしまして契約をいたしておるという場合は、これは私どもの方でも実はあったと思います。多くの場合にはそれが大体見込み通り参るわけでありますが、この場合におきましては、ちょっとそういうような見込み違いがございましたので、御指摘のような結果になったと思います。
  74. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) つまり契約書にも誤まりがなければ、契約に基いて金を払う方にも誤まりがない。契約書を作る前提になった用地を早く調達ができるといって防衛庁から建設省にいった、防衛庁のその判断にそごがあったと、こう見ていいわけですね。もう一つ伺いますが、ジープ購入の問題が起っていますが、結局あとの方で安くなったので、一億三千万円ばかりの、倉敷フレザー・モーターですか、会社から、金を払い出したということが書いてありますが、この会社は一体この商売でどのくらい手数料をもらっているわけですか。
  75. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 会社の手数料は、第一回と第二回と第三回で違いますが、第一回は手数料と、それからこれは単なる代理店ということでなくして、三菱の下請といたしまして、相対の契約の責任者であったわけでありますが、一両当り二万円、それから二回目は三万六千円、三回目が二万七千円、一両当りそういうことになっております。
  76. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) ジープ全体の商売高と、そのもうけは結局幾らで、何パーセントになりますか。
  77. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 率にしますと、平均しまして三%弱になります。
  78. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) 金額は。
  79. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 金額は総額四十三億ばかりでございますから、一億ちょっとに相なります。
  80. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) それくらいがこういう仕事には手数料として、妥当だと、こういうふうにお考えになっていますか。あるいはもっと値切れるんだとお考えになっていますか、いかがですか。
  81. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) もちろんこの点については当時いろいろ折衝いたしたわけでありますが、大体通常の単なる代理店、つまり商売上のリスクを伴わない代理店は、大体三%前後というのが、マージンといいすますか、コミッションの常識でございます。それでこの場合単なる代理居でなくして、商売上のリスクを持っておる。この場合たまたま値下りのために利益を得たということになっておりますが、そういうことをあわせ考えますと、このことは決して不当ではないと今日においても判断いたしております。
  82. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) このリスクの一番おもなものはどういうところにありますか。
  83. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 結果は別といたしまして、リスクのおもなものは、輸入品の値上り値下りの関係、それからこの場合は、先ほど申しましたように、新三菱の下請という形になっております。ですから新三菱が、防衛庁で否定いたしました予定価格の中で、つまり製作費より相当高く経費がかかりますれば、それは一つのリスクとなって現われると思います。この二つがおもなものだと思います。
  84. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) 被服の関係ですが、陸上、海上、航空合せて年間大体八万五千着持つのが妥当な数字だというようなことを先般予算委員会で承わったのですが、年度末にアメリカからきた新旧の服は三十五万着ある。なお、九十八万ヤールのストックがあるんだ、こういう数字を承わったんですが、この九十八万ヤールを服にしますれば、これまた三十万着ぐらいになると思いますが、そんなにたくさんあれば、新しく一体作る必要はないような気がするんですが、何か型が変るとか、また新しく作らなければならぬというような理由がどっかにございますか、それを簡単に伺いたい。
  85. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) その点は御疑問のお出になるのはもっともでございまして、現実に米軍の供与品が新たに入りましたのは二月の上旬から五月の中旬までに、今お示しのような数字で入荷いたしております。実はこの話が出ましたのは昨年の八月に、初めは有償ということで、つまり金を払ってもらうといったような話が向うから出まして、その理由は、向うが制式を変えるというようなことから出たようでございますが、そういう話が出ましたが、こちらは金を払ってまでもらうというのは望ましくないということで断わったわけであります。ところがその後向うの内部でいろいろ話しをした結果でありましょう。九月から十月にかけて無償で渡していいというような、これは向うとの口頭の話でございますが、話が出まして、無償ならこれはもらってもよかろうということで、どれくらいの数量であるか、あるいはどういうものをくれるのかといったような話を実は現実にしておったわけであります。ところがちょうど朝鮮の米軍からくるのがかなりあったようでありまして、釜山の被服廠が火事になったりしまして、また向うの担当者が変ったりしまして、話がわからないまま推移しておった。大方針は変らない、しかし具体的な内容はわからない。そういう状況下において、九月から十月にかけて、今お話しがありました冬服の七万着を契約いたしたわけであります。それで、その七万着契約いたしましたのは、一つには、ちょうど十月ごろには、夏の間に入りました欠員補充に対する冬服貸与と、それから一月から二月にかけて、当年度の増賃二万、これが入隊してくる。こういったようなことで、ここで三、四万はどうしても要る。それからもう一つは、陸上自衛隊の冬服は一着三年ということになっておりまして、七万五千の警察予備隊のできたころからちょうど来年で六年になりますので、その取りかえの準備をしなければいかぬ。それが同時に三万五千の取りかえの準備が、ひいては現物としては本年度の増員分に事実上当る。それから増員分の用意を要しますのは、何しろ数が多うございますから、十月に配給するためには、七月、八月から現地に発送の手配をする。そういうことをいろいろ勘案いたしまして、十分私ども相談にのりまして考えたのでありますが、向うの会計年度関係から、六月までにくれることは間違いなかろうが、いつごろから入ってくるかわからぬ。しかもそれは新旧どのくらいの割合であるか、どういっだサイズをどういったふうに改良したらいいかわからぬ、その点補給の責任者として非常に不安がありました。そこで最後の判断といたしまして七万軒を発注いたしました。そのかわりよけいなことでございますが、三十年度の予算にはこれはみる必要はない、そういう結論で七万着の発注をいたしたわけであります。  余談でございますが、現在改造の準備をいたしておりまして、やはり相当数改造いたしますのは、やはりこの年内一ぱいかかるような模様で着手いたしております。
  86. 白川一雄

    ○白川一雄君 二、三日前の新聞にアメリカ軍から防衛庁の方に移管された弾丸の膨大な数字が載っておりまして、カッコして十年分とあったのですが、戦争もなし、何もなしに十年分もあれはたまはもう作らんでもいいと思うのですが、この砲弾に対してはもうこれから作らん方針でいくんでございましょうか。たまを作る工場がだいぶあるわけなんで、相当みなハッパをくっているようですが、あれをみな大蔵省が払い下げしたときには、たまを作るという目的のほかに変更できないという条件で払い下げしている実情から見ますと、非常にそこに矛盾したものがあるのでございますが、防衛庁の方ではこの弾丸に対する今後の御方針はどうでございますか。まあしばらくは生産はストップされる御方針ですか、やはり生産は続けていかれる御方針ですか。
  87. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) お話しの通り弾薬の生産の問題は非常に重要な問題でございまして、御承知のように、米軍の特需発注ということから育成されて参りまして、今日では金額にいたしまして六千万ドル程度の生産設備を持っている。この中には今お話しの払い下げ設備も入っていると存じますが、米軍の一九五五年度の発注はいわば一千万ドル若干増加の見込みをしてあるようでありますが、非常に大きな期待はおそらくできないのじゃないか、かような状況でございますが、自衛隊で使いまする弾薬類は大体平時では一年に一万トンというような状況でございますので、一万トン前後であろうかと思います。それで今お話しのございました六月末に入りましたのは約十三万トン入りまして、これは有事の際のある一定期間の備蓄、こういう考え方でございますので、毎年度消耗します弾薬は、これは米軍の貸与、供与との関係もございますが、やはり毎年庭作っていかなければならないということでございまして、私どもといたしましては、もちろん六千万ドルまでの生産設備というものは必ずしも必要であるかどうかということは疑問でありますが、防衛庁の防衛計画に伴って将来増強の所要最、それからまた有事の際のある程度の拡張し得る余地、こういったものをいろいろ数字的に検討いたしまして、六千万ドルでなくても、その中のある部分は生産設備としては適当な方法で、あるいは国有というような方法もありましょうし、あるいは国の費用で維持するというような方策もありましょう。ことに若干基礎的な発注はこれは予算との関係もございますので、今日明言はできませんが、そういった考え方で、ただいま最低限度の規模は防衛生産として維持していかなければならんのじゃないかというふうな考え方をもちまして、今日通産省、その他関係省と至急結論を得るべく相談をいたしているところでございます。
  88. 白川一雄

    ○白川一雄君 よくあれを見てみますと、やはりメーカーの方も先物買いの見誤まりというものが相当あるのじゃないかという感じも非常にするわけでございます。朝鮮事変があったときに、えらい軍需景気でも起るかと思って払い下げを受けて見通しが違ったものがありますが、そのあやまもはあやまちとして、今度国防上砲弾を作る工場が必要だというならば、必要の最小限度のものは確保しておかないと、従来大蔵省が払い下げていくような方法においてやっておりますと、非常に莫大な金を戦争前にかけたものをめちゃめちゃにして、また大きな金をかけて今度作らなければならないというようなばかを見はせぬかという考えから、早く弾丸に対する防衛庁の方針を睨らかにして計画をお立てにならないと荒廃してしまうおそれがあるのではないかという点がありますので、ただいまのことを新聞で見てびっくりしたわけなんです。早く一つこの方針を明らかにしてやっていただきたいと思います。
  89. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 監査業務について一、二点お伺いしたいと思います。  これは昭和二十八年度の監査業務の実績調べ総括表というのがありますが、これを見ると、七十一名の人員で二千九十四万余りの予算を使用して、そうして監査を実施しておいでになるようです。ところが二十九年度の同様の監査業務の実績を見ると、予算額それから実際の使用額等が百三十万円あまりになっている。一割にも満たない非常に予算が激減をしております。これは一体どういう関係になっているのか。
  90. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 今取り調べましてお答えいたしますが、なお立ちましたついでに、先ほど久保委員のお尋ねになりました十八番の留萌射撃場の検査でありますが、これは会計検査院検査がお済みになりまして、九月の上旬の末ごろに、町着手いたしまして、九月の末をもって大体工事を完了した。先ほど十月と申しましたのは、工事が完了いたしまして、当方として再検討をいたしまして、こちらで引き継ぎまして再出発いたしましたのが十月中旬、そこらが混乱いたしましたので訂正いたします。  今の点ば取り調べましてすぐ申し上げます。
  91. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 経理局長でなしに、ほかの方でもよろしゅうございますからお尋ねいたしますが、私どもがいただいたやはり今と同じ資料の二枚目に陸上自衛隊に関する関係者の処分調べということだろうと思うのですが、件数で十八件、それから処置をされた人員で二十七名という表が載っております。たしか私の記憶では、五月二十五日の委員会で氏名やあるいは内容等を提出していただきたいという資料を請求しておきましたが、私の不注意かもしれませんが、今日までその資料を私どもは手にしておらない。ただ六月十五日の日付でいただいた関係者処分調べという表をいただいておりますが、この表を拝見すると、この前にいただいた同じ題目の資料ではほとんど検討中ということであったのが、今度いただいた資料によると、多少それが進捗を見ておるように拝見をいたしますが、しかし肝心かなめの五月二十五日に私が要求した資料と、最近いただいた関係者処分の表と照らし合せて見ても、どうもこれがどこのところに該当しているのか、ちょっと該当の個所がないように思う。従って私の資料請求に対しての答えになっておらないように思う。その点は請求に対してお調べになったのですか、それとも私の資料の請求したことの意味がよくおわかりになっておらないのですか、その点一つ伺いたい。
  92. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 処分に関しまする資料で御提出をいたしましたのは二種類あると思います。一つはただいま御指摘のありまする決算検査報告事項に関します処分でございまして、この方はただいまお話しがございましたように第十八号以下四十七号でありますかに至りますその件数につきましての処分者の調べ、この方につきましては、差し上げましたもので御覧を願って足りるかと思います。飯島委員の問題にしていらっしゃいます方のものは、これは監査の関係につきまして、この間飯島委員あるいは市川委員でございましたか、御要求がございましたものかと思いますが、これは差し出したように私承知いたしておりますのですが、いっておりませんでしょうか。
  93. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 ありました。
  94. 山田節男

    委員長山田節男君) 木村営繕局長に伺いますが、防衛庁の建設木部ですか、これはその当時は批難事項の中にも建設省の関係でありますが、今日においても建設本部とそれから建設省の、たとえば飛行場を作るとか、道路、橋梁を作る場合、かなり建設省としての建設事業というよりも、むしろいろいろな企画、計画からいっても、建設省とそれから防衛庁と、相当私はむだを省くためにも、いろいろ相互的に密接な連絡がなければいかんと思うのですが、防衛庁の建設本部とあなたの方とはどういう……、相当大きな建設事業に関してはいろいろ密接な連携をとっておやりになっておるのですか。
  95. 木村惠一

    政府委員(木村惠一君) 今お話しの件でございまするが、ちょうど建設本部ができる前から、一番当初の方はほとんど全面的にわれわれの方で、初めのあらましの工事の計画を、その当時の保安庁でございますが、保安庁からお受けいたしまして、われわれの方で具体的な計画をかなりこまかくお作りして、そうして防衛庁の方に提出しておりました。それで建設本部ができましたときも、当然その問題が起きまして、今度は向うでも機構がございますのですが、発足当時はとてもこまかな計画が立たないので、われわれの方がそれに対して協力いたしまして、何と何と何については一つ建設省の方で、あれはこうだ、これについて立案はこの程度だから、これから先計画してくれ、部分的に話し合いいたしまして、おもに各キャンプ関係、特にそれが学校関係のいろいろな組み合せがございまして、何十種類かの組み合せがあったわけであります。そういうものを全部われわれの方で御協力申し上げまして、案を作りまして、それが一応のところ昨年度一ぱいぐらいで大体の形がまとまりました。現在その案に基きまして両方でそれぞれ分担いたしましてやっております。ただ私の方は土木関係の仕事というものを直接いたしておりまして、ただ構内の土木については、これは建築に付随したものとしていたしました。飛行場、それから構外の水源の獲得関係は全部防衛庁の方でやっております。
  96. 山田節男

    委員長山田節男君) そうしますとたとえば道路、それから橋梁というような場合に、防衛庁防衛庁として、こういう工合にこういうふうに作りたいといった場合に、建設省としてもその地域に対して協力をするいろいろ計画があるのじゃないかと思いますが、そういう場合は、建設省もこれに対する非常なる関心を持つというか、これに対する何か金を、出したり何かするというような場合に、これは防衛庁の負担でやるのか、あるいは建設省の負担でやるのかということ、これはどういうふうにするのですか。
  97. 木村惠一

    政府委員(木村惠一君) 今委員長のお尋ねの件は、建設省全般についての、たとえば建設省の道路局所管の道路についてとか、河川局所管の橋梁についてとか、大きな国道、府県道、そういうものに関係する道路とか橋とか、そういう関係の御質問だろうと思うのでございますが、実はそれについて私の方は営繕局関係として所管外だものでございますから、詳しいことは存じませんので、お答えいたしかねます。
  98. 石川清一

    ○石川清一君 先ほど八木委員から若干触れた質問があったようでありますが、不急物品を購入した事例が出ておりますが、これは米軍に範をとっている編成装備表に従ってそれぞれ購入しておるようであります。聞くところによると中央ですっかり支出、契約等握っておりまして、昔の軍隊のように、今の管区内で独立した経理で行なっていない、こういうように聞かされておるのでありますが、こういう形でずっと進んでいく場合に、どうしても私は中央集権的になって、その部隊の演習、訓練、その他の事情によって装備の消耗等が何といいますか、つかみにくい。従ってどこまでも装備の編成表に従って物品を購入する、こういうような線が強くなっていくのでありますが、管区等に相当権限を委譲する、昔のように返っていった方がいいといったようなお考えは持っておりませんでし、ようか、どうですか。
  99. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 装備品なりあるいは器具を中央で調達するか、あるいは地方に調達させるか、この点につきまして私どももいろいろ議論もし検討もいたしておりまして、ただ非常に複雑な性格のもの等につきまして、それから部品等によりまして、ものによりますとやはり大量で地方で調達する方が経済的に調達できる、こういったいろいろな要素もありまして、私どもはどちらかというとできるだけ地方に調達の権限を持っていきたい。実は国会でもそういった御意見がときどきございまして、昨年度来いろいろ検討いたしまして、ちょっと今数字を持っておりませんが、二十八年度から二十九年度にかけましては地方調達の割合が相当ふえております。たとえば部品等につきましても、ただいまのようなマイナスの点もありますけれども、現実に要るものはすぐ入るといったようなことも、ございまして、部品についてはかなり地方に委譲いたしました。それで現在でも常にそういった地方訓達への委譲ということについては検討を怠っておりません。  それからもう一つ、この会計検査院から御指摘を受けた事項の中で、乾電池が非常に大きなものでございますが、これにつきましては昨年度来いわゆる地方、各地方という意味ではありませんが、通信補給処、これは地方に一カ所ございますが、そこで現地に在庫も持っており、地方部隊への配給の状況を最もよく把握しておりますので、そこへ予算をおろしまして、そこで四半期ごとに調達して配給する、中央はそれを監査益するといったようなことに乾電池については実は改めまして、その他のものにつきましては、可能の範囲では御趣旨のような方法に進んで参りたいと思っております。
  100. 石川清一

    ○石川清一君 それじゃお尋ねしますが、大体聞くところによりますというと、演習場その他相当完備した管区もありまして、編成に従った訓練がどんどん行われている。そういう部隊では相当物品資材の消耗もしていると思いますが、そうでない部隊、そういうところはこの間次長の話にありましたように、災害に出動するとか、あるいは道路をつけるとか、部隊の編成と違ったようなことをやむを得ずやっているようでありますが、そういう点について、やはり物品の購入あるいはその消耗等について手かげんを加えたことが今庄でありますか、どうですか。
  101. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 部隊の装備の割合いによって消耗品の関係を、配付を変えているかというお尋ねでございますが、演習の関係につきましては、これは演習関係の経費は別になっておりまするので、これは演習をやりまする実情に応じまして、名所要部隊に配付をいたします。  お尋ねの点の、たとえば経常的なものについての食糧のごときは、これはどうせ食べるわけでありまするから、演習加給食というような関係になりますと、これは演習と関連をして考えられるわけです。配付ということを申し上げまするのは、これは金で各部隊が買うという意味ではございません。加給食として、配給をいたし、あるいはガソリンとして配給をいたす、こういうことであります。そこでそれ以外の一般的な消耗品の額につきまして、演習関係以外のものにつきましてのこまかい配給の仕方につきましての知識を私今ちょっと持っておりませんけれども、演習の関係に伴います関係は、今、申し上げましたように、演習の実態をある程度つかみまして、それに基きます部隊配付を考えているというふうに御承知おきを願います。
  102. 石川清一

    ○石川清一君 大体こういうことが予想されるのでありますが、最近は相当機械化されておりまして、自動車あるいはトラック、ジーブ等を持っている。ガソリンの消費というものはこれは莫大である。これは補給廠から現品給与を受けているように存じておりますが、やはり編成、装備表に従って訓練をする場合に、いわゆる訓練ができていない場合でも、部隊の何と申しますか、それだけの所要量を消耗しないというと次にもらえないというので、何というか、やみに流すとか何とかいうような傾向が現われてくるのじゃないかと想像するのですが、そういう点は間違いありませんか。
  103. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 実は部隊に対しまするガソリンの配給は、この二、三年間にわたりまして相当引き締めております。一番問題になりますのは連絡用と申しますか、これは部隊から上級部隊に対する連絡、近いところでございますと当然ジープを使ったりいたしますので、この連絡用をこの二年間にわたりまして相当切りました。それはかつてはもっと潤沢であったではないかという御議論もありますが、私ども現地の部隊に参りまして見て参りますと、最近におきまする部隊の油の使い方は相当強く締めております。必ず各駐屯地ごとに一人のガソリンの切符と申しますかを出しまする配給責任者がおりまして、そこへ行って、たとえば近所へいって連絡をしてくるのでも、その責任者の承認を得なきゃできないということでやっておりますので、今非常に油が余って、その使用実績がないと来年の割当が減るということは、配船制度は、これは今御承知のように駐屯地に業務部隊というのがございまして、おりまする部隊と一応別の系統の業務部隊というようなものがあるわけでありまするから、今御指摘のような、部隊が各部隊単位に自分の実績を持ちたがるということにつきましては、相当これは有効にチェックし得る形勢にありまするし、しかも物件費の節約も行いまして、油の値段もそう下っておりません、しかも相当節約をいたしておりまするので、部隊の油の配給の状態というものは相当きつく締めておりますので、御心配のような点はないと思います。
  104. 石川清一

    ○石川清一君 今度は給与の方でちょっとお尋ねしたいのですが、米は今政府が統制をしておりますから、これは競争入札というようなことはないと思っております。従って特定の業者というものはそれときめなければならぬのでありますが、それはどういうようにしておりますか。米を、いわゆる主食の買入れ、特に米でありますが、この部隊の購入はどういう形でやっておりますか。
  105. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいま白米につきましては、内地米につきましては三百二十グラム配給を受けておりますが、そのほかに、やはりそれの三割余りになります外米の配給、あとは麦あるいは代用食、全部で六百九十グラムというのが一日分の自衛隊の基本的な配給量になっております。そして、この内地米につきましては、これは全部中央で総体の割当をいたしまして、地方の食糧事務所へ流しまして、推定の配給所から受けております。ただ価段につきましては、若干手数が少なうございますから、キログラム当り三円ばかり安いかと思っております。  それから麦につきましては、これは指名入札をいたしております。各地、これは全部地方調達でございますから、全部指名競争入札をいたしております。それから、最近は御承知のように一部人造米を、ちょうどその外米の半分に当りまする量を試験の結果一応使って入ようということで、その半分の人造米を使っております。この人造米は、これは農林省にお願いしまして、適当なメーカーを推薦してもらいまして、その推薦した業者の中からそれぞれの地方でもよりのメーカーから指名入札を冬、部隊でやる、こういう方式をとっております。生鮮食料品等につきましては、これはもっぱら全部それぞれの地域で入札をいたしております。
  106. 石川清一

    ○石川清一君 その統制をしておる内地米、主食でありますが、これは今おっしゃるように食糧事務所に流す、しかし食糧事務所に流して、食糧事務所でどこそこの配給所から買うべしときめるのでありますか、管区の経理課長かだれかが、いわゆる契約担当官になるのでありますか、そこら辺はどういうものでありますか。
  107. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 食糧事務所で指定しておると記憶いたしております。
  108. 石川清一

    ○石川清一君 じゃ、食糧事務所の指定のままきめるということになっておりますか。
  109. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 内地米についてはさように存じております。
  110. 白井勇

    白井勇君 関連して。今のお話ですが、あれは統制になっても政府で持っている内地米を買います場合に、あなたの方としましてはなぜ一つの卸し業者というものの手を通じなければならぬのか。農林省の方でさえ差しつかえなければ、あれは昔の陸軍のように、政府から直接あなたの方の担当しまする者が買いますれば、それだけ手数というものはなくなってくるのじゃないかと思う、それでいいのじゃないかと思いますが、あなたの方はどういう都合ですか。
  111. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) その点は現在の配給機構を一応利用しておるということでありまして、手数がかからぬということで、先ほども申し上げましたように一般の家庭配給米よりはキロ当り約三円、そういった費用を差し引いてございますから、末端で買っておる値段よりはそれだけ経済的には買っておることになると思います。
  112. 白井勇

    白井勇君 これは私あなたの方の御都合を伺っておるわけですよ。これはあなたの方じゃ場所によっては、今私聞くところによりますと、まあ一定の価格があるわけですね。その範囲内においてまず安いところから買っておるところもあるらしいのですね。これは私は買う方にしますれば、まことにその通りだと思うのですが、昔は御承知の通りに、軍には政府が直売をしておって、間に入らなかった。もし農林省が差しつかえないといえば、あなたの方にしたって、昔のように直接受け取った方がいいのじゃないかという気がするのですが、そこは防衛庁としては工合が悪いのかどうか。
  113. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 御指摘の点の、昔の機構がどうなっておったか、私正確に承知をしないのでありますが、今私どもの方は、農林省の食糧事務所指定の農業協同組合が動いておると思うのでありますが、納入者から納入を受けておりまするのは、簡単に申しますれば、食糧事務所の所員がトラックか何かを頼んでくれ、納入をする、その実費をこちらが払うという建前も可能なのかもしれない、おそらく御指摘の点を考えますとそういうことになります。そういうことも可能なのかもしれません。御指摘の点もございますから検討しますが、今までのところは、そういう農協というような代行者がございまして、これはもちろん家庭配給と違いますが、家庭配給よりも安いマージンをとった値段で安く売っておる部隊へ持ってきてもらうということが、それをどういう方法で確保するか、食糧事務所の倉庫からわれわれの部隊まで、そこまでの運び方の問題かと思います。今までのところは一番それが簡単だということで、おそらくは食糧事務所の指定いたします農協その他の団体、あるいは卸売商もあるかもしれない、主として農協と聞いておりますが、そういうような扱いをいたしておりますので、御指摘の点、私ども検討してみます。しさいは、別に深いことはないと思いますから、食糧事務所の倉庫からわれわれのキャンプにどうして運ぶかということかと思います。
  114. 白井勇

    白井勇君 昔は御承知の通り、農林省から糧秣廠が直接に買っておった。間に卸なり何かということは入りません。今三円とか何とかいいますが、そんなばかばかしい手数料はなくて済んでおる。現在は一応中間のマージンをくれておるような格好にしてやっておるわけであります。そういう必要がないじゃないかということを私は申し上げておるのであります。
  115. 石川清一

    ○石川清一君 私はいろいろ具体的なことで質問するのはいやなのでありまして、ついでに白井さんからそうういう質問がありましたから質問しておきますが、部隊が新設され、あるいは人員にある程度の大きな異動がある場合には、そういう諸般の給与関係事情を私は当然調査されると思うのであります。ところが一応調査に参りまして、いわゆる生産状況であるとか、工場の能力等が調査されるのでありますが、調査された日よりも、その前にきめておった日が早かったという事例がある。調査に来たというのは名目だけであって、調査に来るより前にすでにきめておったという、こういう事例もやはりあるのであります。だから、これからも給与その他については十分注意をしないというと、初めにきめておいて、まあごまかすために、あとから調査に来た、こういう事例もあるのでありますが、やはりそういう点については十分御注意をしておくべきであると私は存じております。できるだけやはり生産者と直結して、新鮮なものをやはりもらう。しかし、その変動が価格にあった場合、やはり生産者と直結した場合は、あとで、ある程度訂正もできるのだ、こういうような形にすることが、自衛隊の地域社会で住民と経済的に一体になる一番いい点ではないか。  私は今度方々歩いてみまして感じたのでありますが、特に食糧等の新鮮なものをやはり食べるという意味において、十分昔と違った考え方を持つべきではないか、こんなことを考えております。
  116. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 さっき質問したことで資料が入手できましたから新しい資料についてほんの一、二伺いたいと思うのですが、こういった内部監査で不正不当事項を発見した場合の処置は、どういう機構でなされておるのですか。
  117. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 内部監査でできましたことの処分は、これは人事局というものが内局にございまして、各所属の幕僚監部と相談をいたしまして、どういうような処置をいたすかという案を立て、庁議としてきめるということであります。
  118. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 二十八年度の内部監査であげられた案件は、この資料によって拝見をすると、糧食の横領とか、あるいは糧食の窃取、それから石炭の不正搬出等々といった、非常に、きわめて糧食、燃料等に関する件が多いようでありますが、こういうきわめて幼稚な不当不正経理、の傾向は、二十九年度のそれではどういうことになっておりますか。
  119. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 今ちょっと手元に持ちませんので、監査の結果がまとまっておるかと思うのでありますが、ちょっと今手元に持ちませんものですから、お答えを保留いたします。
  120. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それではまとまったら、いずれ後日でもけっこうですから資料として提出を願います。  それからもう一つ伺いたいのは、監理機構のところでいろいろ説明を拝見すると、注のところに記してあるのは、会計検査院関係事項とか、あるいは会計諸法規の整備に急で、本格的な内部の監査は実施していないということが記されておるわけであります。まだやはり内部検査にはなかなか手が回りかねておるというのが現状でありますか、私が指摘したのは別表の三です。
  121. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) おそれ入りますが、別表の三というのはどこら辺ですか。
  122. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 注のこの下のところです。
  123. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 注の二に書いてございますのは、防衛庁内局の経理監査課の説明でございまするので、監査課といたしましては非常にまだ人手も足りない状況にございまするので、全体につきましての内部監査はできておりません。ただ一番問題のありまする陸上幕僚監部の監査、あるいは調達、実施本部につきましては、内部に監査室というものを設けまして、これは各機関内部における監査につきましては、これは本格的という言葉が当るかどうか存じませんが、もっと多くの人手も持っておりますので、十分な監査課に比べますれば力を持っているということになっております。
  124. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると次に、さっき質問して、予算関係のことに触れてくるわけですが、まだ内部監査は充実の段階にあるように私どもは今までの決算委員会の質疑を通じて承知をしておりましたが、また予算の経済的なあるいは効率的使用という面からすれば、会計検査院からかれこれ指摘される前に、内部監査というものは相当やはり防衛庁としては充実し、厳正を期する要が多分にあるように思うわけです。ところがそういうわれわれの期待に反して、なぜか昭和二十九年度の内部監査関係の予算を見ると、先ほど私が申しましたように、二十八年度に比べて一割にも満たない百三十万円という程度に減額を見ているのは一体何か特殊の理由がありますか。
  125. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 先ほど御指摘の大へん表の作り方が、まずくて、まことに飯島委員御指摘のような御疑問を生ずる問題を聞きまして大へん恐縮いたしたのであります。これは表の作り方が非常に下手なんでございまして、二十八年度は、この従事いたしております人件費を含んでおります。それから二十九年度の方は使いました旅費だけを見ておる。従いまして今ちょっとそれを比較いたしまして、人件費を落しまして金額がどうなるかということを今ちょっと見てもらっておりますから、それで申し上げます。従いまして二千三百万円が一ぺんに百三十万円に減ったということじゃなくて、二千三百万円のうちの千七百万円を百三十万円と比較して陸上幕僚監部の経費を調べます。それにいたしましても千七百万円と百三十万円を比較したものでは申し上げられませんので、人件費を除きましたもので申し上げます。それを今調べてから申し上げます。旅費だけでは百七十万円ほど金額が減っておりますのは、再度にわたりまして節約をいたしました関係上金額がやや落ちて参ります。
  126. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると先ほどの内部監査に関して、昭和二十八年度に比べて節約して旅費が減ったということではあるけれども、監査そのものについては昭和二十八年度に劣らず力を注いで監査には充実を期しているということは、事実そういう方針でおやりになっておるわけですか、その点を……。
  127. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) さようでございます。
  128. 岡三郎

    ○岡三郎君 会計検査院の方にちょっと伺いたいのですが、まあ本年度の検査においては三百九十四億円を占める物資、器材の調達に重点をおいて調べた、大体四〇%程度調べた、こうありますね。一体この会計検査院の方としてはまあ物品を、物資、器材の調達、そういったものを、特に物品の検査ですか、そういったような点をどの程度……、まあ四〇%といっていますが、どの程度これを調べるのか、各倉庫について一つ々々やるのか、その実際に検査しておる状況をちょっと聞かせてもらいたいと思う。
  129. 上村照昌

    説明員(上村照昌君) 調べましたといいますのは、ただいまお話しのように現品その他の全部について当っておるというわけではございませんで、一応調達関係が果して適正な数量であるか、価格は一体どうであるかというようなことを根本といたしまして、必要な場合に物品に当っていくという程度で、物品全部に当っておるという趣旨ではございません。
  130. 岡三郎

    ○岡三郎君 だいぶ金額が伸びているわけで、従って他の官庁と比較にならないほど多量の物資をそのつどつど購入するわけです。これは今後部隊の人員が増加すればするほど多量になると思うのですが、結局編成装備表というか、それが生きて編成されているかどうかという問題にもなると思うのですが、この乾電池の問題、もうすでに触れられておられるかもしれませんが、この乾電池の問題、あるいは四十七の「毛布の混毛率が著しく低いもの」、こういった事例を見ると、いかにも裕福な防衛庁の経済状態がうかがえるように私は推測されるわけです。ほかの官庁でも相当日本は裕福であるという錯覚に陥るような金の使い方をしておるわけですが、この乾電池を見るというと、まあ一時に大量購入したといってもあまりにもばかばかしく感じられるわけですがね、これでこの処分の中の該当事項を見ると、これは三十四です、この課長が減給三カ月三十分の一、こうあるわけです。戒告が三名、この処分の調書をずっと比べてみると、減給になるものはこの一名、あとは戒告か訓告か訓戒で、この中ではこの乾電池の問題を一番重く見て、処罰したといっても減給一カ月三十分の一程度です。こういうふうな物資の購入の仕方というものを反省して、一体防衛庁としてはどういうふうな程度物品の監査といいますか、物品の在庫調べをしておるのか、それをちょっと伺いたいと思うのです。どの程度実際に当って、そうした物資調達をする方の人間がそれを、この調べの状況をキャッチして物を買い付けているのかどうか、これから見るというと無計画に買っているようにとれるわけです。こういう点でいろいろと早々の間においては購入する方法その他もなかなか連絡不十分で、思うにまかせない点があるとしても、非常に多量の買い付けをし、多量の金を使うのだから、その点において非常にロスが大きいのじゃないかと思うので、どういうふうにしてその間におけるところの連絡をやっているのか、それをちょっと聞かせてもらいたい。そうしてそれがどうしてこういうふうな大量購入になってしまったのか、もう一。へんよく聞かしてもらいたいと思います。
  131. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 現在では各部隊及び補給廠から三カ月ごとに報告をとりまして、在庫品、そのうち使えるもの、あるいはいたんだもの、それから各四半期の所要政量、消耗数といったものを、先ほどもちょっと申し上げましたが、各幕僚監部の各課、一課とか通信課とか、そこでとりまして、そこで所要量を、予算とにらみ合せて所要量をきめまして、調達実施本部へ調達要求を出す。それからまた年に一度、年度末から年度初めにかけてたなおろし、現品総ざらいをやっております。そういったことで現品の所在の把握と、それから使用実績の所要量の想定の確実ということをまあ期しておるわけですが、この乾電池についてこういった大幅な使用不可能品が出ましたのは、当時米軍からもらったのをずっと使っておりまして、その消耗の実績についても実はわれわれの方としての正確なデータが実はなかったのであります。まあその中に米軍から供与を受けたものも若干不良品もあったようでありますが、そこで私どもは米軍側での実績、の四分の一、所要量の四分の一というものをこれを一応まあわれわれとしては相当内輪目に見たつもりですが、で、計算いたしまして、半年分として五万個を調達したのですが、実際にはまあ演習場の利用の関係等々からは消費実績が四分の一でもなおそれでも多過ぎたといったような結果を来たしたのと、当時は各部隊での、あるいは補給廠での格納施設も完璧ではなかったといったような事情が合せ市なりまして、こういった結果になりまして、遺憾に思っておるわけであります。乾電池につきましては、非常に消耗の程度が多い、激しい、かつ大量のものでありますので、実は先ほどもこれもちょっと申し上げたように、これは立川の通信補給廠、現品を各部隊に配給します通信補給廠におきまして、各部隊から報告をとり、在庫数と見合せまして、三四半期分を補給廠自体で契約する、そして帳じりを毎日見ていくというようなことに今日いたしております。
  132. 岡三郎

    ○岡三郎君 一カ月三十分の一というこの減俸したのは、どういう点をもってこういうふうなあれをやったのですか、罰を……。何か申しわけ的にやったとしかとれないのですがね。どういう点をあやまちと認めてこういうふうな罰を与えたのか。そこのところを一つ防衛庁のいわゆるこういう事件に対する評価基準というものを一つ言ってもらいたいと思うのです。
  133. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいま申し上げましたようないろいろな事情が相重なっておるわけでありますが、今の消費の実績がさだかでなかったということで、四分の一と見たところが、これは結果においては日本の使い方から見れば多かったという点は、行き届かなかったということはありますが、若干やはり事情としてはしんしゃくしなければならぬのじゃないか。むしろその後に及びまして、不良品が出てくるということがわかってきた際の処置等も、やはり若干これはもっと適切な処置が……、もっともこの間にどこが悪いか、物が悪いのかといったような調査もいたしておりまして、これに時日を食ったような実情もございまして、しかしこの点にも適切な処置を欠いておる。こういったようなことをいろいろあわせ考えますと、相当私どもといたしましては、率直に申し上げて、厳罰というか、たとえ事情はあろうとも、やはりその結果の、重大性ということをあわせ考えて、どうしても減給程度にしたければならぬ。しかし大幅な減給には、今申し上げたような一部の事情をあおせ考えますと、そこまではいかんのじゃないかといったような判断をいたしたわけであります。
  134. 岡三郎

    ○岡三郎君 で、これ六ヵ月分の予定で買って、検査院の方は実績から見ると、ほぼ一カ年分の所要冠に相当する、まあこういう食い違いもあるけれども、ちょっとその幅があり過ぎる食い違いだと私は思うのだがね。そういった点で見るというと、この通信課長ですか、桜という方が、一カ月分三十分の一というと一日分ですな。まあ厳罰にせいとは言わんけれども、これでは何か申しわけ的で、まあ実際ちょっと漫画的だと私は思うのですね。これを見てね、これで機構を整備して、そうして綱紀を振粛するという分には、これではどうもピントが合わんと思うのですが、そのほかの問題についても、最後の毛布の混毛率が著しく低いもの、四十七の事例ですが、「うち一枚だけについて判定した」と、完成品三万枚ですよ。三万枚の購入をするのに、四百五十枚を抽出したと称しているが、実際は「うち一枚だけについて判定したにすぎず」、そんなばかな買い方がありますかね。そんなばかな買い方をしている人に対して、一体どういうふうなことをしているかというと、戒告、原誠という人がまあ戒告ということになって、あと訓戒、注意、三万枚のその毛布を買うのに四百五十枚検査したと称して実際は一枚しか検査していない。なぜ四百五十枚検査したというふうに言ったのか。こういうふうなことを考えてみれば、いかにこの物資の購入の仕方についていいかげんであるかということの一例を見せられたような気が私はするのですがね。こういう買い方をした者に対して単に戒告、こんなものでいいでしょうか、これはちょっと政務次官に私は聞きたいと思う。こんなことで防衛庁の士気が高められるかどうかということだね。三万枚のやつを、三万枚の毛布を買って、四百五十枚検査したと称して、その中でたった一枚、これも私はさっきの減給一カ月三十分の一という例と、まあ極端に言えば精神状態が似通っていると思います。これを一つ政務次官に、こういう状態について一つ見解を聞きたいと思う。
  135. 田中久雄

    政府委員(田中久雄君) この問題について調達実施本部長からもう少し詳しく御説明を申し上げます。
  136. 武内征平

    説明員(武内征平君) ただいま御指摘の点でございますが、ここにも書いてございますように、この検査官はでき上りました毛布の外観検査をするというふうに任命されておるのでありまして、その組成、染色堅牢度等につきましては、ここに書いてござていますように、財団法人毛製品検査協会にこの組成、染色等につきましては委託をいたしまして、この組成につきましては、この検査協会の検査がよろしいという……、検査官が必ずしも当時そろっておりませんので、検査機関に委託して、そうしてその結果を待って最後の製品検査を、この検査官が三月三十一日にやると、こういう事例でございます。そしてこの完成品三万枚のうちから四百五十枚を引き抜きましたのは、これは外観検査を、いわゆる乱政表によりまして、これだけとりまして、これにつきましては外観検査をやったわけであります。そのうちの一枚につきまして組成の検査をやった。組成につきましては、この財団法人毛製品検査協会に一応委託してそのオーケーを……、検査協会の検査もやはり抜き取りでやったのでございますから、もっと広く抜き取りをすればその混毛率が不適であったということは発見できたかもしれませんが、少くとも防衛庁におきましてはここに委託したものですから、その組成につきましてはその報告書に信頼をいたしまして、製品検査のみを四百五十枚やり、そのうち一枚につきましては協会の方に委託したものに信頼を置いた。そこがわれわれの方の不手ぎわであったと思うのでありますが、従いまして、今後といたしましては、できるだけ、私どもの試験室というのがございます。まだ設備も十分でございませんけれども、かようなものにつきましては外部委託はなるべくやめて、できるだけの範囲におきましては私どもの方の検査機関でいたしまして、かようなことのないようにいたしたいと思います。さようなわけでございまして、いずれにいたしましても不手ぎわでございますが、検査の構成はそういうようになっておったのでございます。さようなことで御了承願いたいと思います。
  137. 岡三郎

    ○岡三郎君 今の点について会計検査院の方から一つ見解を聞きたいと思うのです。これで見ると四百五十枚を抽出して検査をしたとしているが、うち一枚だけ外観検査……、今の説明でいうと、外観検査を四百五十枚やって、そのうち一枚だけどういうふうな質のものかやったと言うけれども、この四十七の事項を見てみると、なるほど毛製品検査協会の関西検査所から云々と書いてあるが、この点どうなんですか。
  138. 武内征平

    説明員(武内征平君) ここに書いてあります通りに三万枚のうちから四百五十枚を抽出いたしまして外観検査を一応やったわけでございますが、検査といいますと、相当内容に立ち入ってやらないとほんとうの検査にならないということが考えられるわけですが、そのうち一枚だけは染色、堅牢度、組成のことについてやったということでございまして、そしてこれは業者からこの毛製品検査協会の検査成績書がこういうふうにあるのだということを付けて出してきておるわけです。それで、よろしいかということで提出されておるわけでございますが、ただ実際の問題といたしまして、かような大量の物を買う場合に、やはり買う方の側といたしまして、自分から相当積極的に内容的な検査をするのが当然ではないか、かように考えて、私の方で調査したわけでございまして、その結果、まあかような事態が一件ほど出てきた、こういうことでございます。
  139. 岡三郎

    ○岡三郎君 それで今も製品検査協会に品物の検査を信用してまかした。しかしこの検査官は外観だけやれ、一体外観というのは色のことだけですか。
  140. 武内征平

    説明員(武内征平君) いや、手でさわった……。
  141. 岡三郎

    ○岡三郎君 どうもそういうところを見ても、まあ非常に金がだぶついて、大量に買って、中身はどうでもいい、だれかにまかせる。大体財団法人にまかせたということについては、これは一面信用したということもあるけれども、大体毛がこうやって見てよくもわからない者、こんな者を検査官にしておるのですか。大体おうようすぎると思うね。大まかすぎると私は思う。三万枚という大量のものをやるのに、外だけやって、あと外へ検査を出してしまって、中ではようしないというようなやり方だったらば、逆に言えば業者が検定所――毛製品検査協会と結託して、何とでも言ってくれば、実際受け取る方が検査をしないのですから、何とでもなると思う。この損害賠償というものを一体どこから取ったのですか、藤井毛織株式会社から取ったのですか……。その場合において藤井毛織株式会社から罰金を五百万円程度取ったと言っておりますが、関西検査所に対しては一体どういう措置をとったのですか。
  142. 武内征平

    説明員(武内征平君) 御指摘のように私の方の検査設備その他も整わなかった関係から、財団法人毛製品検査協会を信頼したということにこれは誤まりがあったと思います。それでそれ以後は外部に出すことはやめておりますが、中の組成につきましては、この点一応これは関西の相当なるわれわれは信用のあるものと思っておったのであります。また現に相当信頼されておるものだと思うのですけれども、そういうような結果になったのですが、藤井の方からは御指摘のように五百十三万円というものを瑕疵担保責任から賠償させまして、しかし藤井の方から賠償さすことによりまして損害を補てんされたのでありますが、毛製品協会の方からは賠償は取っておりません。
  143. 岡三郎

    ○岡三郎君 検査を依頼する場合に、こういったような不確実な検査の仕方をして、それを納入してしまったということになれば、財団法人毛製品検査協会というものに対して単に信頼できないという程度ではなくて、やはりこういうものにまかせるならば、この検査協会というものがマージンか何か取っていないですか。
  144. 武内征平

    説明員(武内征平君) これは私どもから委託契約して金を支払ったという案件ではないと私は考えております。私の方から委託契約をいたしまして、それに対する代価を払ったのではなくして、藤井の方から検査協会に依頼して、その検査を通ればというふうに了解を得ておるという関係でございます。
  145. 岡三郎

    ○岡三郎君 そこのところがおかしいと思います。自分が買うのにですね、自分の方でやはり信用がある者に検査させるというのならばいいのだけれども、業者が検査を指定してそこから物を運んでくるということになれば、かりに財団法人が正確にやっておるといっても、また現実にこういったような具体的な問題が出てくるということになれば、自分の方で検査ができない場合には、自分の方でほんとうに信用した者に検査させるということでなければ、物を買う私は資格がないと思う、この点どうですか。
  146. 武内征平

    説明員(武内征平君) その点は御指摘のようにまことにわれわれの不明でございまして、当時われわれはこれを信用しておったものですから、その点間違いでございまして、その後は外部に出さない方針で自分でやっておりますけれども、その点に間違いがあったと思うのであります。
  147. 岡三郎

    ○岡三郎君 それで四千七百七十万円でやって、そうしてこういう質の悪いものが購入された。五百万円の弁償金をとったといいますが、防衛庁としては私は賠償金を取るということよりも、これを規格に合っているように毛が八〇%、それからスフ二〇%という規格のものにかえて出せと、こういうふうにやるのが私は正当だと思うのですよ。規格が毛が八〇%、スフ二〇%ときまっておるのを、六〇%のものを入れさせて、五百万円で賠償金を取るということよりも、中身が違っておったならば、規格通りこれを納入させるということが、私は適切ではないかと思うのでありまして、その点はどうでしょう。特に防衛庁としてはこういったような規格というものを私は相当厳正に励行していかなければならぬところだと思うのですが、その点どうですか。
  148. 武内征平

    説明員(武内征平君) まことに御指摘の通りでありますが、実際の状況は次のようであったのであります。三万枚納入させまして、こういう問題が起ったときには、すでに各部隊に配給いたしまして、残りが千二百枚しかなかった。三万枚のうち千二百枚を残しまして、あとは全部部隊に配給いたして、部隊で使用中でございます。その残りの千二百枚が宇治の補給廠と松戸の補給廠に残っておった。従いましてこれを全部回収いたしまして、御指摘のように藤井に返して、さらにこれを毛八のものを入れさすという方法ももちろん確かにございますけれども、これを各部隊に、全国に数十ある部隊から間違いなく集めるということ、またこちらで返すものがさらのものであればよろしいのでございますけれども、相当着古したものを何しますと、今度は向うとの決済関係をどのように見るかというような関係もございまして、実はこの中で約三分の一が不適格な品物でありまして、三分の二はやはり毛八のものであったわけであります。そういうふうに認定いたしたわけでございます。その方法はどうかと申しますと、藤井と当方と立ち会いまして、残っております千二百枚につきまして、一定の乱数表によりまして、百枚に一枚という乱数表によりまして、千二百枚から百枚に一枚の割合で引き抜いたのです。従って十二枚をとって分析をやって出た比率で、三万枚の中に適正なものと不適正なものとの比率を推定するということでよろしいかということで、両者相談のもとにやったわけであります。その結果四枚が不適格、八枚が正しいもの、こういうことになりまして、その三分の一、すなわち三万枚の中の一万枚が不適格ということで、この五百十三万円というものを賠償させたのであります。実際いろいろ聞いておりますと、もっと少い。工場の実態も調べたのでございますが、そのとき混合率を一部誤ったというのが実態のようでありまして、何かスフの山が少くなっておったということを……。その当時、いろいろな種類の衣料品と、それから保安隊に納める品物と同時に工場では動かしておる。そういうことがあったということでありますから、その混合率を誤ったというのが実態のようでございます。しかしながらすでに納まった三万枚をさように集荷いたしますのは非常に困難であります。また全部を検査してしまいますと、その品物が全部半端物になってしまうというようなこともございまして、この際はやむを得ず両者の合意のもとにさような方法で適正なものと不適正なものを分けまして、そうしてこの解決をいたしたいというようなことでありますので、もちろん御指摘のような方法もあったと思うのでありますが、実情においてさようであったものでありますから、そういうふうに御了解いただきたいと思います。
  149. 岡三郎

    ○岡三郎君 結局これは会計検査院検査してわかったのですか。そうでしょう。
  150. 武内征平

    説明員(武内征平君) そうです。
  151. 岡三郎

    ○岡三郎君 ということになると、会計検査院検査しないというと、毛六ですか、毛六が毛八という形で隊員に使われておる。そうしてみすみすそれだけの高額な金を支払わされた。まあそういうことになったのです。それで藤井というこの会社が混合率を間違ったというけれども、私がまあ推定するならば、大量の品物だから、少々中へ変なのを突っ込んでもわからんだろう。大体保安隊はろくに検査もしないで、何でもかんでも潤沢にものを買ってくれるのだから、そういうふうなことで中へはさんで入れたというふうにしか私は考えられないのですが、それはあなたの方は、買う方としてはばかに好人物過ぎますよ。自分の金で買うなら、そんなばかげたことを私はしないと思うのです。自分の金でですよ。自分の金で買うならば、やはりずっと検査されますよ。たとえどんなことがあったって、それを検査したところが千二百枚のうち三制近く、十二枚のうち四枚が毛六で、あと毛八だった。だからこれは向うの方で間違ったので、悪意がないというふうに、あんたが買うことがおかしいと思う。買う当来者がですよ、大量だから粗悪品を一突っ込んで、何もろくすっぽ検査もしないのだから、それで通る。ぼろもうけだ、そういうふうな商人根性というものが、私はここへ出ているという気がするのですが、そんなことはありませんか、本当に。
  152. 武内征平

    説明員(武内征平君) この藤井という会社は泉大津にありまして、毛布といたしましては中の上の会社でございまして、そんなに技術も悪くはないのであります。というのは倉敷とか、そういうふうなところの下請をいたしておりまして、かなり信用のある会社のように聞いております。一流ではありませんけれども、二流の上というところでありまして、大阪附近におきまして、この藤井と申せば毛布の方では相当の会社、もちろんどういう意思であったか、これは最後の点はわかりませんけれども、そういうような点もございまして、過去において納めたものは必ずしもそういう無いものはなかったようでございます。そういう点から、やはり指名競争の中に入れて、そうして落札した、こういうようなことでございます。しかし今後はいかに信用ある店でありましても、こういう手落ちをし、あるいは悪意をもってやる場合があると思いますので、この点につきましては十分気をつけまして、かようなことはないようにいたしたいと思います。本件につきましては、さような考えのもとに契約をいたしたのであります。
  153. 岡三郎

    ○岡三郎君 内部監査の問題もありますが、処分の調書を見るというと、ほんとうに私は形式的にやっているのではないかという感じがするのです。それで同じ係の人がずいぶんやっている事例も、ここに出ているわけですが、これではやった当事者は、どの程度これは反省するかということを考えてみた場合には、これは全然そういう気配が、私はここから見られないと思う、実際問題として。そういうふうな点について自衛隊では、米を持ち出すとか何とか、泥棒でも何かしないと処分しない、こういうような問題については割合に目をつぶって、そのまま戒告という程度で済ましてしまうというふうに見ているのですが、もう少し綱紀を振粛するために処分をもっと厳格に励行するという意思がなりませんか。
  154. 田中久雄

    政府委員(田中久雄君) 不正に対しましては、かなり厳重に扱って参りましたが、昨年までは調達実施本部というものもできておりませんで、経験者も不なれでございまして、いろいろな点で実情やむを得ぬものもありましたので、そういう不当の面につきまして、十分な処置をいたさない感がありますけれども、昨年来付属機関としての調達実施本部が独立をし、かなり人員も充実しておりますので、今後の問題につきましては、かなり厳重な処分をもって臨んでも不当でないのではなかろうか、さように考えております。引き続いてそういう問題につきましては、御趣旨はよく持ち帰りまして、庁内においてできるだけの今後の手落ちのないような処分をするような方向に持って行きたいと存じております。
  155. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) 今の四十七号のことですが、工場の検査をしたようなお話だったのですが、工場へ直接防衛庁からいらして、組織表なり、工程なり、いろいろ実地についてお調べになったのですか。ついでにもう一つ、株式会社の工場へ行って調べたというお話がありましたが、この毛布を作ったときの組織表なんてのは、むろん工場にはあるはずですが、その組織炎を見たり、製造工程を実地に当って調べたり、どこでどういう間違いがどうして起ったかということを実地をお調べになったか。ただ行って事務所で話を聞いて、ふんふんと言ってお帰りになったか。そこはどうですか。織物には組織表というものがあって、組織炎の中にはちゃんとその割合が書いてありますがね。
  156. 武内征平

    説明員(武内征平君) この藤井毛織を指名に入れますときには、業態調査に行って、もちろん入れたのでありますが、本件が起りまして、特に人を派しまして、どういうところに間違いがあったかということにつきましては、御指摘のような点も円満に当りまして、調査いたしました。その結果やはりこのスフの山がちょっとそのときに少くなっておったというようなことも、その工場で働いていた者からの聞き込み等によりまして、そういうときに間違ったのじゃないか。その他の推定からすると、われわれがこの一万枚につきましてそれは責任を追及いたしましたが、それから見ますと、だいぶ低いようではありますけれども、われわれの判定としてはその方法しかなかったものですから、一万枚につきまして調査をして、行政査察をした、こういうわけであります。
  157. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) 織物のくろうとを、連れていってお調べになったのか、ただ事務屋が行って向うの話しをただ常識的にお聞きになったのですか。
  158. 武内征平

    説明員(武内征平君) もちろん織物検査官は一応繊維の専門家でございまして、検査官は専門家を出して調査いたしております。
  159. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) 専門家を連れておいでになったというのですか。専門家の調査ですか。
  160. 武内征平

    説明員(武内征平君) 私どもの方の検査官には専門家が一応……、非常なる専門家であるかどうか知りませんけれども、織物につきましての検査官は、一応織物についての経験者であり、また学校等も、高等工業の染織科といったようなところを出た者がおりますから、さようなものを検査官に吟味しております。さような人を出しております。
  161. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) もう一点。先ほど一年に一回たなおろしをするというお話と、三カ月ごとに報告をとると、こういうお話もありましたが、たなおろしをやらないで、ただ出た報告では、十分信憑性がないのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
  162. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 三カ月ごとの在庫と、払い出し、受け入れの結果あるいはこういう不良品が出るといったようなことの差し引きの在庫数をそのつど報告してくるわけでありまして、もちろん絶対にそのものがあるかどうか、絶対に正確かというお話になりますと、一々原品をそのつど当っておりませんから、絶対正確とは言えぬと思いますが、何しろ大へんな作業になりますから、一年に一度以上はむりではないかと存じております。
  163. 八木幸吉

    委員外議員八木幸吉君) たなおろしは全部年に度だ、それ以上はおやりになることばないのですか。
  164. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) これは物によりまして、札当消耗度のひどい物、乾電池などはこれはこういった例もございまして、年に一度以上製品調査をいたしておるようであります。
  165. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 今の四十七の問題の今までの質疑応答を聞いておって、ふに落ちないのは、その一点は、本部長お話では、毛製品検査協会を信用したのが悪かったというお話だけれども、少くともこれは財団法人で、協会としてある程度の権威と信頼のある機関じゃないかと思うのですが、そこがれっきとした検査成績書を附して出してきているわけでしょう。すると当然この検査機関は、いかに藤井毛織という業者からの依頼があったといえども、その検査の成績書というものには、これは一つの何というか、れっきとした信用の裏づけがあるはずです。それを信用したのが悪かったというだけで聞き捨てるというのは、私は防衛庁の注文の仕方があまりに甘いというか、無責任で、この成績証明書というのは、どの程度ですか、検査成績証明君は。  それからもう一点。会計検査院と立会検査をされた場合に、混毛率が八〇%以上ということであったのが、実際調べてみたら、いずれも六〇%に及ばなかったというのです。というのが検査院の報告に出ております。その毛のつまり混織率が二〇%以上の開きがあるというのは、これはしろうとが検査したって、ちょっと織物というか、繊維に関係のある人なら、ただちにこれは発見できる程度のことじゃないかと思います。それを、しかも需品補給処の品物を抜き検査しても、同様だし、それから関西地区の補給処のやつを調べても、いずれもその六〇%以下であったと、こういうのですから、これはいかにこの品物が何だか毛織の山が云々というようなことをさっき回答されたけれども、どうもわれわれにはそれは言い逃れとしか受け取れないけれども、一体毛製品の検査協会というものの実態、この検査成績書というものと、それから会計検査院の立会検査をおやりになっての、この検査の成績書というものは、われわれに提出できますか。今のは私資料として正規に提出していただきたい。
  166. 久保等

    久保等君 この検査協会というのは何ですか。どういう性格のものなんですか。紡績織物会社等の団体の自主的な検査機関ですか。どんな性格のものなんですか。
  167. 武内征平

    説明員(武内征平君) この毛製品の検査協会は、やはり協会の方に出資をいたしまして作りました機関のようでございます。輸出品は検査いたさないようでありますけれども、内地製品は、大体毛布等はここの検査を経たものを出す、こういう機関のようでありまして、現在ではかなり信用のある協会と思うのであります。それから私の方に提出されました検査協会のレポートがございます。検査いたしましたピース……、その結果といったものが私の方にございますので、その結果を報告といたしまして提出いたします。
  168. 久保等

    久保等君 そうすると、藤井株式会社というものも一応会員になっておる機関ということになるわけですね。
  169. 武内征平

    説明員(武内征平君) その点につきましてはあとで調査いたしましてお答えいたします。財団法人でございますから、それ自身が一つのなにでございますが、あるいは出資したとか、寄付したとかいうことはあるかもしれませんが、会員かどうかということにつきましては、ちょっと今何とも……。
  170. 久保等

    久保等君 だからそういったこと自体がはっきりしないで、それでこの検査協会というものは相当権威があるんだと、先ほど来の御説明を聞くと、いかにも権威のあるような検査協会であるような、私ども印象を受けたのですが、そういうものの実態が実ははっきりしないものに、一応の業者に言わせれば信用があるという話だったから信用したというのでは、いかにも先ほど来いろいろ質問もあったようにルーズ過ぎるにもほどがあるのじゃないか。言いかえれば、業者の――もちろんこれは人格そのものは別個の財団法人になっているのは当然だと思うのですが、その元をただせば業者の、お互に出資し合っておるかどうか、どうなっておるか存じませんけれども、とにかく業者の作った検査協会、業者のいわば自主的な検査機関にすぎないのじゃないかということになると、これは実は権威があるどころではなくて、業者の立場で業者があまり、何といいますか、業者の品位を落すような品物を粗製乱造し、て売られたんでは、業界そのものの信用にもかかわる。従ってそういうものを取り締るという意味で自主的な検査機関を作っておられ、こういうことについて検査をやろうというような趣旨で作られておるのじゃないかというような推測もするのですが、そうなるというと、権威があるのじゃなくて、保安庁そのものが自主的な第一、一考機関というものを検査をするなら話はわかるのですが、そういうものを信用されたということになると、これは権威のある機関とはちょっと考えられないのてすがね。しかし実態その毛のについてのお話も、あるいは御説明も十分にお伺いできないから、決定的なお話をここで申し上げることもいかがかと思いますが、先ほど来、少くとも権威のある機関で信用のある検査協会だったと言われるのですが、その本体がもう少しはっきりしてから決定的なことは申し上げたいと思いますが、こういう実態をもう少し明確にされてから信用されないと、実態のはっきりしないままに、ただ巷間のうわさあるいは業者の言われるところを信用せられたところは、非常に軽率じゃなかったかという気がするのですが。
  171. 武内征平

    説明員(武内征平君) その点につきまして御説明申し上げておきますが、これはビッドいたしますときには、指名競争に付しますときに、製品を納めまず際におきましては、この財団法人の毛製品検査協会の試験を。パスして納めるというのであって、藤井にきまってその検査協会が指定したのでなくて、納品の条件といたしまして、この協会の検査を経て、そうして最後の製品検査防衛庁でやる、こういうふうに入札の条件としてさようにしたのでございます。従って藤井に落ちたの一であって藤井に頼んでこれをやった、そういうことではないのであります。さらにわれわれの方で実態をよく調べまして御報告申し上げますが、さようになっておるのであります。
  172. 久保等

    久保等君 まああまり詳しい質問をしませんが、のお話だと、これもちょっと先ほど来の御説明とも多少違うと思うのですがね。でき上った品物を、業者の藤井会社の方から、そういった検査協会の検査を、してもらったその検査成績書をつけて、持ってきたというお話だったと思うのですが、経緯はそういうことでも、今言われたようなその製品を作る前の最初の素材といいますか、そのものが今言った検査協会の一応検査に合格した品物を使って、それで製品を作る。従ってそうするとそこに、検査をして四百五十枚云々というお話も先ほどあったけれども、その松任はこれはもう全く何といいますか、形式的な検査で、でき上った品物を、納入を、受ける保安庁の立場に立って検査をするというよりも、そこを最初パスした品物は、弔うあと作った品物はそのまま納入されておる。納入されたときには、検査証明書をつけて納入されたというような結果にたっているのじゃないかと思います。そうすると、ここで言われている検査というものは、全く形式的な検査であって、やはりそうなると、保安庁そのものが相当な検査をやらなければならぬ性格のものじゃないかと思うのですが、今のお話だと、品物を作る前の大体素材というものは、検査協会の規格に当てはまった品物を使って作らなければいけないのだというような定めになっているということになると、なおさらでき上り品そのものについては、検査というものは、保安庁で相当十分にやらなければならぬことになるのじゃないかと思うのですがね。まあいずれにいたしましても、その権威ある検査協会というもの自体は、きわめてだれが客観的に考えましても、権威があるとは受け取りがたいし、また権威があるという根拠を、どこに一体どういう根拠をおいて判断されるのか、非常に了解に苦しむ点があると思うのです。なお一つ、その内容のはっきりしたところは資料でお出し願いたいと思う。
  173. 山田節男

    委員長山田節男君) どうでしょう、大分時間も経過したのですが大体このくらいにしておきまして次回に……、資料提供を要求された大倉委員がきょう見えておりません。大倉委員の要求によって非常に膨大な資料もせっかく出していただいておるのでありますが、今回はこれで……  それではまだ御質疑もあると思いまするが、本日はこのくらいで打ち切りまして、次回に資料に基く質疑をいたしたいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは本日はこれをもって散会いたします。    午後五時三十六分散会