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1955-06-20 第22回国会 参議院 決算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十日(月曜日)    午後二時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            岡  三郎君            中川 幸平君            石川 清一君    委員            石井  桂君            西川彌平治君            白井  勇君            白波瀬米吉君            長島 銀藏君            島村 軍次君            大倉 精一君            近藤 信一君            小林 亦治君            木島 虎藏君            市川 房枝君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大沢  実君    日本専売公社総    裁       入間野武雄君    日本専売公社審    査部長     内藤 敏男君    日本専売公社販    売部長     石田 吉男君    日本専売公社塩    脳部需給課長  高村健一郎君    日本専売公社塩    脳部塩業課長  大谷  浩君    日本国有鉄道総    裁       十河 信二君    日本国有鉄道経    理局長     石井 昭正君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和二十八年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまから第十八回決算委員会を開会いたします。  昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算並びに昭和二十八年度政府関係機関決算報告書を議題といたします。本日は日本専売公社並びに日本国有鉄道の部を審議いたします。  まず日本専売公社の部から始めます。批難事項は第二千二百六号から第二千二百九号までであります。  なお、本日は日本専売公社から入間野専売公社総裁内藤審査部長西山生産部長石田販売部長大谷醜業課長高村需給課長が見えております。なお検査院側大沢検査第四局長が見えておりますが、まず日本専売公社間野総裁から説明を求めます。
  3. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 会計検査院から不法行為もしくは不正不当事項として指摘せられましたことはまことに遺憾に存じております。第一段不当事項につきましては、塩の補助金に関する問題であります。不注意の結果かくのごとき指摘を受けまして、まことに相済まんことであると思います。御指摘もありましたので、第一段東京局管内の問題につきましては、多く渡しましたのを回収し、なお直接これに関与いたしました者を減給し、さらに課長から普通の職員に降下さしております。  第二段の問題は、能率の上らぬという点におきましては、まことに申しわけない次第でありますが、この事態としては違法行為というものはありません。私どもの不明を遺憾に存ずるところでありますが、別に問題といたしまして職員の処分はいたしておりません。  不正行為につきましては、まことに申しわけないと申し上げるよりいたし方ないのであります。就任以来かくのごときことのないように、常に綱紀の粛正に配意いたしておりますけれども、ときどきかくのごときものが出まして、一般国民に対しましてもまことに申しわけない次第であると思います。ことに橋本事件のごときは、関係いたしておる者ほとんどすべてが数年にわたってかくのごときことをいたし、しかもその額千六百万円、そのうち四百万円余りを補てんいたしましたにしましても、千万円以上の迷惑をかけていたことに気付かずに来ましたことは、まことに残念に思っております。これらの関係につきましては工場長を戒告し、さらにこれに関係した七名の者は懲戒免職いたし、その跡始末をいたしておるようなわけです。私といたしましては、今後かくのごとき事態のないように、局長会議を初め各部長会議におきまして常にこれを強調し、常に注意を喚起いたしておるような次第でございます。簡単でございますが……。
  4. 山田節男

    委員長山田節男君) 入間野総裁に対する質疑に入る前に、会計検査院側説明を要求します。
  5. 大沢実

    説明員大沢実君) 三百二十五ページ以降の検査報告記述のうちの最初に事業概要及び事業損益について記述しておりますことは、お読みいただけばわかります。大体概要を申し上げただけであります。ただこの中で三百二十六ページのまん中ごろに「塩田流下式転換等を奨励しているが、災害にわざわいされたとはいえ、まだその成果はみるべきものがない。」何か記述が、流下式転換をあまり効果がないようなふうに読まれるように記述に発表になっておりますが、そういう趣旨ではありませんので、流下式転換というものはきわめて適切な措置だと思っております。災害に災いされましたためにまだ効果は上っておりませんですが、二十九年もちょうど中国にかけまして災害がありまして、結果はあまりはかばかしくないようですが、方法としましては、これは流下式転換によって相当将来の増産は見込まれるだろうと思っております。ちょっと記述が不十分な点だけ御説明申し上げておきます。  次に三百二十八ページの二千二百六号は、これの出来高不足の点につきましては、ただいま総裁からお話しのありました通り出来高不足に相当する金額を回収しておりますが、その最後に、なお書きに書いてありますところの本件塩田が非常にヘクタール当りの塩の生産見込み量が少くて、あまり補助金を交付してもなかなか目的を達しないような塩田ではなかろうかという危倶であります。これは二十九年度実績を見ましても、全体で四十二トン程度、つまり本件が七ヘクタール程度でありますので、一ヘクタール当りにしますと六トン程度というきわめて収獲量の少い塩田であります。まあこれは収獲量が少いのは塩田自身が悪いということよりも、労力の不足で採鹹の稼働力が少いということにはなると思うのでありますが、せっかく補助金まで交付してやったのでありますから、何とか会社の方を指導をされて、もうう少しヘクタール当りの収獲量を増すように努力する必要があるのではないかと考える次第であります。  次の二千二百七号のやはり塩田補助の問題でありますが、これは補助金の中に従来個人所有であった塩田組合が買い取って、流下式塩田にするというその組合買い取り費までも補助対象に入れているのでありますが、もともと塩田というものは塩田以外には使えないのでありまして、たとえ所有権がかわってもその所有権移転費用補助対象に入れるのは少し行き過ぎではなかろうかと考えた次第であります。なお本件につきましては、その後公社側におかれましても、そうしたものは、補助対象から除くのだということで整理されるようになっております。  次に二千二百八号と九号の不正行為でありますが、二千二百八号の青森の分は在庫調査をすればすぐわかったような問題でありまして、なぜこれがわからなかったかと言いますと、たまたま期末在庫調査にはこの不正行為をした当人がいわば補助者としまして在庫調査数量点検に当っているのでありますから、自分が幾ら不足さしているかわかっておりますから、その分をつけ加えた数があるかのごとく報告して、在庫調査を符合させておったということで、約二年間判明しなかったという次第であります。最後の二十九年分三月末ピースの値上げするために徹底的な在庫調査をやるということで、もうこれはこれ以上隠し切れぬというので、当人の自首によって発覚した次第でありますが、期末在庫調査あるいは時々の在庫調査におきましてもう少し何と言いますか、人をかえて在庫調査をするという方法をとっていたならば、もう少し早期に発見されたのではないかと考えられる次第であります。  次に二千二百九号はこれは橋本工場、高野山のふもとの小さなたばこ工場でありますが、ここで経理係長以下相当な人数が結託したり、あるいは単独で相当長期間にわたってつけがけしたり、あるいはもう現金をそのままごっそりと横領したりして、こうした多額の金額亡失を来たしたわけであります。長期間にわたって発見し得なかったということに対しまして、会計検査院といたしましても、この期間ここに検査に行かなかったということは、はなはだ手落ちだったと思っております。この事件の当初の二十四年の十月からわずかたちましたときに一度参っておるのでありますが、そのときはこうした事態も発見し得なかった。その後ずっと検査に参っておりませんので、こうした長い間多くの金額亡失を来たしたことは、われわれとしてもはなはだ遺憾に存じておりますが、また同町に内部監査におかれまして、もう少し意を用いられたならば、もう少し早期に発見できたのではないかと考えられる次第であります。  以上であります。
  6. 山田節男

    委員長山田節男君) まず委員長からちょっと入間野総裁に御質問いたしますが、入間野総裁総裁に御就任の年月日はいつですか。
  7. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 昭和二十八年六月二日です。
  8. 山田節男

    委員長山田節男君) 御承知のように、従来政府所管であった、すなわち大蔵省所管であった専売事業公社経営にする、これは国鉄専売、それからついで日本電信電話公社を作る、この公社を作る際にこの国会におきまして、相当これは議論がございましたが、しかしながら国直営でやらないで公社経営の方が経営を合理的に能率的にこれは経営できる、これが公社にする根本趣旨であったわけです。初代の総裁秋山氏も特にああいう実業界から経営的な才能をわれわれは非常に嘱望しまして就任されたわけであります。現に電信電話公社を作る場合にも、秋山総裁は非常な有力な参考人としてしばしば国会に出てもらって、専売公社の経常に対して率直なあり方というものを聞いたことがあるのであります。入間野総裁はかつては大蔵省におられたわけでもあり、専売企業については多年経験、識見を持っていらっしゃる。まず第一に総裁として、公社としての専売事業経営をいかに合理的に能率的にやるか、これは昨年もこの抱負を伺ったわけですが、もうすでに二年有余の経験を持たれて、具体的に専売事業公社経営としていかに効率的たらしめるかということについては抱負があるだろうと思う。一般委員の御質疑のある前に、総裁として持たれる所信と申しますか、具体的の方策をお示し願いたい。  それから二十八年度決算に関連いたしまして、二十九年度事業損益、それから納付金等実績、これがどうなっておるか。三十年度見込みはどうなのかということを一応審議の参考としてお示し願いたいと思います。  それから、ことに第二千二百九号の場合は、多数の者が共謀してかなり長期間にわたってこういう不正行為をしておったにかかわらず、なかなかこれは摘発できなかった。われわれの手元にも専売公社内部監査機構、また実績等参考が出ておりますけれども、しかしながらこういうような長期にわたって多数の者が共謀して不正行為を続けて、しかも経営者責任がわからなかった。これは現行の専売公社内部監査機構に多少の欠陥があるのじゃないか、こういう疑いを本委員会として持たざるを得ないわけであります。こういう事態を再び繰り返さないために内部監査機構を将来どうするのかということ、ことに国鉄電信電話公社とは違いまして、専売公社は物を扱う、生産をし、しかも配給するという物を扱う公社でありまするから、こういう点についてはこれは経営責任者として厳密におやりになって、やり過ぎということはないということが、国会のことに決算委員会としての意向なんであります。こういうところをごしんしゃく願って、この三点に関する総裁としての具体的な御所信を伺いたいと思います。
  9. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 就任以来、二年間考えましたことは、公社としての根本の方針といたしましては、何せよその大宗をなすたばこ来業が国家歳入に貢献しなければならぬという建前にありますので、収益を上げてできるだけ多くの納付金を納めるということが一つ目的であり、もう一つ一般需要者に対しまして、なるべくよいたばこを安く売っていく、値下げの問題につきましてはなかなか困難と思いますが、せめて同じ値段でもよいものを作って一般需要に応じていきたい。その意味におきまして、あるいは技術向上なりあるいは能率の増進なり、かくして経費を節約してできるだけいいものを安く作るということに骨折っておる次第であります。  なおお尋ねの昨年度益金は大体補正予算の額に対しまして二千四百万円程度増加いたしておりまして、千二百四十八億円、これを一般会計に繰り入れております。それから地方消費税といたしまして、昨年から新設されたのでありますが、これは結局私ども考えからいたしますれば、益金と同じ性質のものでありまして、その額が二百七十二億円、合せまして千五百二十億円、これを国及び地方財政に繰り入れておるのであります。さらに本年度におきましては、一般会計に納める納付金のほかに、交付税等特別会計に入れます額を合わせて千二百十六億円、それに地方財政に入れますところの消費税三百九億円、合わせまして千五百二十五億円という益金を上げておるのであります。もちろん消費税予算の形式から申しますれば、歳出に立っておりますが、私どもの普通の考えといたし策して、やはりこれも益金考えておるわけであります。大体本年度予算は昨年度予算に比べて大差ないという数字を示しております。  なお内部監査についてのお尋ねでありますが、橋本工場につきましても、内部監査はいたしましたが、大ぜい通謀してやられましたために、なかなか発見がむずかしくて、こういう不始末をしでかして申しわけないと思っております。二年この方、私どもの方は内部監査審査部でやっておりますが、審査部の充実をはかり、かくのごときことのないように、常によき人を選んでよき検査をするということを心がけております。今後できるだけこういうことのないようにいたしたいと考えております。
  10. 山田節男

    委員長山田節男君) 入間野総裁に対する御質疑をお願いいたします。
  11. 白井勇

    白井勇君 今企業概要につきまして総裁からお話があったわけですが、食用塩を、国内で消費されるものは国内生産をするという増産計画関係はどういうことになっておりますか。
  12. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 昨年度実績についてみますると、大体内地生産されましたところの塩が四十五万トンでございまして、海外から輸入いたしました塩が百九十四万トンに及んでおります。そうしてその中を分けてみますると、約百万トンというものは、国内食用塩であると考えております。公社といたしましても、できるだけ塩の増産をはかりまして、国内塩の確保をいたしたいと考えておりまして、いろいろ塩田改良をはかり、あるいは加圧式製塩を奨励いたしまして、その目標に進んでおりますが、またあまり国内の塩が多くできますると、綿価引き上げをしなくちゃならん、消費者に対する塩価引き上げをしなければなりませんので、この輸入塩内地塩とのバランスをどこでとるかということが非常に問題であります。これを数字について申上げまするならば内地の塩は一トン一万三千六百円で購入いたしておりまして、外国の塩は昨年度におきまして大体九ドル三十三セントでございますから、三千五、六百円という状況でありますので、あまり内地の塩が百五十万トンもできますようになりますと、勢い消費者に対する塩価引き上げるという結果になりますので、いずれ政府とも相談いたしまして、どの程度に線を引いて将来の増産をはかるかという問題について、ただいま研究中でございます。
  13. 白井勇

    白井勇君 そうしますと、国内塩需要の百万トン、こういうものは全部将来国内産の塩でまかなえるというような安い生産費考えられないということですか。
  14. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) ただいまも申し上げましたように、内地塩外国塩との購入価格の値開きが多いので、こういう状態になっておりまして、これが引き続いていきまするならば、とうてい外国塩との太刀打ちはできぬと思う。従いまして、私ども理想といたしましては、塩田改良技術改善能率の増加をはかりまして、できるだけ塩の生産費を安くして、いつ実現するかわかりませんが、将来の理想といたしましては、ある程度塩価の引き下げができるような状態を作りたい、こういうふうに考えております。
  15. 白井勇

    白井勇君 もう一つ伺いますが、たばこ先ほどお話のように何といいますか、まず国庫納付金をできるだけ上げること、それから需要者に対しまして品質のよい、しかも安いたばこを供給しているということでありますが、これは具体的に将来どういうところに重点を置いてやってゆかれるのですか。
  16. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 巻上機装置機、つまり製造に使う機械機械化ということをはかりまして、生産費を落すということが一つ、それから内地たばこの葉が非常に最近よくなりまして、できるだけ品質のいいのばかりじゃなく、数量も増していけば、農家のふところもうるおうと思います。内地の葉の改善もはかってゆきたい、それからただいま申し上げましたように、製造の方の技術向上をはかり、能率の増進をはかって、その方で生産費を安くして、そうしてできるだけ消費者に満足を与えたい。現に近ごろ新生が御承知のように非常に売れております。新生どもおそらく二、三年前から見ましたら、味も非常によくなっていると思います。ただ安いばかりじゃなく、品質もよくなった結果、需要が増加して参ったのじゃないかと思いまして、私どもといたしましては、大衆のたばこもよくして、多くの人に喜んでもらいたい、こういうふうに考えております。
  17. 白井勇

    白井勇君 たばこにつきまして、将来耕地を相当拡充してゆくというような具体的の案があるわけですか。あるいはまたそう耕地を拡充しなくても反収がふえてゆくという見込みでございますか。
  18. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 本年度におけるたばこ耕作地の面積が約七万四千町歩、それからとれたたばこが一億二千余万キロ、こういうふうでありまして、これはやはり需要と見合いまして、たばこ需要がふえてゆきますれば、やはりたばこ増反もしなくてはならない。私ども考え方といたしましては、できるだけ日本たばこ日本の葉で作りたい、なるべく外国の葉を買いたくない、これが私ども生産面における理想でございます。従いまして反収が多くなりますれば、増反をしないで済むかと考えますが、反収が現在のままでありまして、しかも需要が増加することがありますれば、やはり増反の必要があろうかと思います。実は私もたばこ売れ行きその他が懸念であり、また公社職員勤務状態も見たいと思いまして、昨朝出張からもどって参りましたが、北陸地方を回りましても、増反希望はなかなか多いということは、換金作物としてたばこが非常にいいということじゃないかと思います。もちろんそこにおられる島村さんの方なんか、ある程度飽和状態にきているほどよく作っておられるのでありますが、北陸地方から新潟にかけての砂丘地帯でも非常に作りたがっている様子であります。御承知のように砂丘地帯でございますからサツマイモしか、そういうものしかできませんので、たばこにかえますれば、反収が非常に多くなりますので、またたばこがそういうところに比較的適しておりますために、増反希望は非常に多いようであります。ただ私どもといたしましては、この売れ行き製造方面とかね合いまして、明年度の反別もきめていくようになろうかと考えております。
  19. 白井勇

    白井勇君 外国たばこが入って参りますのは、味なり、においなり、質の問題だと思うのですが、量を向うに期待するところはそうないのじゃないか、それからどのくらい大体一年に外貨を使いますか。
  20. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 原則としてお話しのように味つけだけのために入れております。これはアメリカの葉でありまして、日本の全生産量の二%半ぐらい入れております。そうしてピースに入れておりますし、光に入れております。それからもちろん富士にも入れておりますが、大体その程度で済んでおります。ただ御承知のように昨年、一昨年が非常にたばこの作柄がよくなかったために、輸入たばこも量の問題で必要を感じまして、インドから少々入れておりますが、これは幾らでもありませんで、値段日本たばこよりむしろ安いくらいのたばこを入れておりますので、大した影響はないと思います。結局どうしても入れなければならんのは、アメリカたばこでございます。これがまあ二%半、日本のたはこがもっと品質がよくなれば、漸次減らしたいと思いますが、なかなかそれはむずかしいのじゃないかと考えております。
  21. 白井勇

    白井勇君 外貨の額でどのくらいですか。
  22. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) アメリカインド等を入れまして大体二十二、三億円程度でございます。
  23. 白井勇

    白井勇君 二千二百六番の何といいますか、生産能率が上っていないということに対しまして、公社としましては異論があるわけですね。むしろ将来いいんだということ、これはどういうことなんですか。
  24. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 塩田がまだ熟してない、将来には期待できるじゃないか、こういう考えでございますが、大体十州方面と違いまして収量が少い、こういう所をつぶしてしまう方がいいかどうか、これは一つの問題でございます。がしかし従来やっている所をつぶすということはなかなか困離でございまして、そういう関係でこういうものにも補助を出してつながしているというような状況かと思います。やはり塩は十州地方が主産地でございまして、ことに香川県、岡山県あたりは相当いい塩田を持っております。香川県のごときは、日本の約四割ぐらいあそこで生産しているかと思います。ですからそういう所に金をつぎ込めば非常にいいのでございますけれども、まだやはり各地にぼちぼちありますのですが、それが災害を受けたときに、もうお前の所はつぶしてもいいぞということも言い切れんので、こういう結果になってきておると思いますが、将来塩田が熟して参ればある程度増産は見込める、こう考えております。
  25. 白井勇

    白井勇君 ですから、会計検査院としまして、こういう所にこういう判断を下しますことは、私は多少行き過ぎと言うと、語弊があるかしりませんが、そういう感じはないのでございますか。
  26. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 会計検査院のお見方もまた一理あると思います。何も好んであんな収量の上らぬ所へ金を出さんでもいいじゃないか、ごもっともだと思います。ただまあ専売公社といたしましては、おつき合いもありますのでいたし方ないことじゃないかと、こう考えております。
  27. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 内地塩でなければならぬという数量はどのくらいあるんですか。
  28. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) これは別に内地塩でなければならぬというものはないと思います。外国から輸入いたします塩にしましても、たとえば中国から来ます塩は非常に悪いのでございます。これに二千円ぐらいかけて再製しますと、内地塩と同じようなものができてしまうのです。これだけは内地塩でなければならぬ、これだけは外塩でなければならぬということは言えませんが、ただソーダ工業塩につきましては、ただいま三千六百円で売っておりますので、中共塩を入れなければソーダ工業が立ち行かぬし、私どもふところも工合が悪い、こういうことになっております。また、漁業用塩鹹蔵に使う塩などは、スペインとかアメリカとかの良質塩を粉砕しまして、それが一番いいということになっておりまして、おのおのその用途で異なっておるようでございます。なおまたしょうゆなども原塩でそのまま使っておりますし、どこまでが内地塩でなければならぬという線の引き方が非常にむずかしい。また内地塩と同じようなものを外垣に加工してできる、こういうふうに考えております。
  29. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 ずいぶん価格の差が多いわけですが、内地塩でなくていいんだということになったら、えらい奨励してやる必要ないじゃないか、多少の差は、国内の産業をふやすとか何とかいうことはあるけれども、そういうふうに考えられるけれども、なおいま一つあわせて、内地塩はいろいろと製造方法改良されてどれくらいまで安くできる可能性があるのですか、それをあわせて……。
  30. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 内地塩を全然やめて、極端に言えばやめて外塩に仰いでもいいじゃないかということにつきましては、平和の時代で輸送が完全にできるころならばそれでもけっこうだと思います。ただ御承知のように終戦前後のあの塩の不足した時代を思いますと、内地塩田、内地製塩を壊滅してしまうことは国民生活の上から忍びないことであると脅えまして、普通よく七十万トンくらい作れ、あるいは百万トンの食料塩を作れとかいうような声がありますことでありますから、にわかに内地塩をやめてしまうということは困難であろうかと考えております。なおこの内地塩の価格の引下げの問題でありますが、具体的数字考えておりませんが、できるだけ下っていくことを希望いたしております。
  31. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 そうすると何ですか、内地塩生産は非常時に備える意味においての生産であって、現在の用途の上からいくと、別に内地塩でなければならぬということはないということになるわけですか。
  32. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) お説の通りであります。ただいまの状態から言いますれば、内地塩でなければならぬということはないと思います。ただいくさがあるかどうか、そういうことは私どもわかりませんが、この近所でいくさでもあり、船が自由に日本に入ってこないというような状態になりますれば、やはり内地塩生産しておかなければ、日本の食生活の上に重大な危機をもたらすと考えますので、その意味においてはどうしても内地塩を奨励して、ある程度まで作らせることが必要であろうかと考えております。
  33. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 たばこの販売の問題ですがね、ずいぶん——今多少減ったのか、私はよくパチンコのことはわからぬが、パチンコでずいぶん賞品としてたくさんだばこを扱っておるのですが、あれはあなたの方から指定された販売所のみから買っておるのですか、いかがですか。
  34. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) パチンコのたばこは私どもの方でどこから買えとあえて指定しておりません。これもやはり私どもの方から見ますれば一つ消費者と見ておりますので、どこの小売居から買いましょうとも、私の方は干渉いたしておりません。
  35. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 そうすると、たばこの小売販売のところからのみ買っておると解釈していいのですか。
  36. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) お説の通りであります。
  37. 石川清一

    ○石川清一君 今の塩田のことについてもう少し突っ込んでお聞きしたいのですが、先ほど千葉県等の塩田改良にもおつき合いというような気持で国内産業の分布上において正常な形と申しますか、配分を適当にするという気持で補助金を出されておる、それが現在は生産はずいぶん低いけれども、熟田になっていけば相当採算がとれるであろうというお話でありましたが、今買い上げておるところの一万三千六百円という一本の建値についてこれを分析してみても、おそらく四国のこの長い伝統と言いますか、熟田地帯は相当コストが安いんではないか、産業の正常な保護というような建前、特に専売公社の性格から見て、そういう地帯を特に指定、集中指導をした場合には最低生産コストはどのくらい下りますか。それとその場合に資本利子あるいは減価償却等は何パーセントくらいに生産費のうちで当っておるか、お尋ねいたします。
  38. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 私の言葉が少し不適当で、おつき合いというような言葉を使ったようでありまするが、そういう意味ばかりではございませんで、とにかく過去に塩業をやっていた者が災害にあってその塩田がこわされた。それをお前のところはもう塩田がこわされたから、やめてしまえというわけにはなかなか参りませんので、やはりこわれたものは、既存のものは、それをめんどうをみてやる、補助金もある程度出してやるということは、これはいたし方ないのではないかと思います。  なお、十州に集中するということは、理想としては最も望ましいと考えます。また、あの地域が日本における塩業の中心であり、最大の産地であります。従って、もしほかのところが何ら不平不満なく消えていくならば、それもけっこうだと思いますが、ただいまのところまだあちこちに多少の塩田が残っております。従いまして、十州だけで、ほかの塩田をつぶすというわけにもいきませんので、はなはだ不徹底なようではございますが、既存のものはやはりそのまま塩業者としてみていくと、こういう心持ちを持っております。  それから、十州地方の熟田でどの程度買い上げ値段を下げられるか、ただいまのところまだ幾らと具体的に申し上げかねるのを遺憾と思います。なお、償却、金利等につきましては塩業課長から御説明申し上げます。
  39. 大谷浩

    説明員大谷浩君) 先ほど総裁から説明があったのでありますが、ただ現在増産ということは、単に数量だけをふやすということを目的にしておらないのであります。会計検査院の最初のところに流下式の問題が掲げてありましたが、現在の実績だけから申し上げましても、入浜だけでも大体百トンくらいの平均になっております。流下式は人間も要らなくなるのでありますが、百五十トンは平均取っております。従って、いろいろな経費が少くなってしかも増産がなるという状態になるので、将来といたしましては相当なコスト引き下げか可能であるかと思っております。ただ問題は、塩業者が過去におきまして、やはり賠償金といいますか、大きなもうけをさしておらないのでありまして、従って資本的な蓄積はなくて、たとえば補助金の一部、あるいは国家資金ではありますが、漁業資金といったような返さなければならんような金をこちらであっせんいたしまして、それらのあっせんによりまして流下式への転換をやっておるのであります。従って、大体このくらいの程度いきそうだという見通しの金額に今直ちに金額を下げますと、実質的には相当下ると思いますが、元本を返さないようなことになるのであります。従ってある程度元本を返すような状態になりました後を考えますと、相当程度下ると思うのでありますが、問題は塩田改良の方は、将来的には必ずしも償却は要らないのでございます。たとえば昔作った、徳川時代に大ていできておるのでありまするが、入浜のような現在から考えましたら非常に割高な不能率塩田でも、現在の塩業者の帳簿の中ではほとんどゼロの価格という計算をされております。それと同じような意味におきまして、相当の国家資金を注ぎ込んででき上ってはおりますが、相当元本の回収を考えてやれば、あと管理費などがヘクタール当り十一万くらいかかると思いますが、そういったことを考えてやれば、ほとんど償却を考えなくてもやっていけるという状態になるのではないかと思います。ただ煎熬関係の方はほとんど真空式になっておるのでありまして、この方はトン当りどうしても千円くらい償却費がかかると思います。
  40. 石川清一

    ○石川清一君 結局、塩田はほかの企業に転換ができない。しかも年数を経るほどコストが下ってくる。公社政府から性格が変ったのですから、この際需給等を考えて、塩田公社自身が買い上げられるか、それともある程度の資本を公社でめんどうをみて、この流下式にかえることが非常にいいのであれば、そういうように一つの方向への切りかえをするという御研究か何かしておりますか。
  41. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 現在の塩田から取ります塩につきましては、先ほど塩業課長が申し上げましたように流下式が非常にいいのであります。従って、私どもの方といたしましては、補助金も年々幾らかずつ出しております。また農林漁業資金も借り入れのあっせんをいたしておりまして、漸次流下式に転換していく方向に進んでおります。現に今年度におきましても約四百町歩ぐらい、四百ヘクタールと申しますか、ぐらいを流下式にかえていくという考えでおります。ただ、お尋ねがなかったのでよけいなことかもしれませんが、日本の塩業全体から見て、将来塩田をどしどし拡張していく必要があるかという問題があります。現に私どもの方で研究いたしまして、海水からすぐ塩を取る設備を福島県の小名浜でやっております。ただ電力事情が悪いために、予定の収量をあげることができませんですが、これも漸次改良していきましたならば、むしろ塩田構築のために莫大な資金を投ずるよりは、その方が安くあがるのではないか、また民間といたしましても、三井塩業なり、三菱鉱業なり、あるいは住友鉱業なりが希望いたして参りまして、それぞれ海水直煮の加圧式製塩をやりたいという計画を持っておりますので、塩田に莫大な金をかけるよりは、資力のある者に加圧式製塩を許す方法一つの行き方ではないかと、こういうふうに考えておりまして、ただいま新規塩田の開拓につきましては足踏み状態でありまして、主として改良工事に力を入れておるような次第でございます。
  42. 石川清一

    ○石川清一君 この指摘されておる二件を見ますというと、二千二百六号は五割の補助であり、二千二百七号は四割のように見ますが、現在改良するために、あるいは転換するために補助金を要求しておるような塩田が相当たくさんあるかどうか。さらに、将来これを積極的に続けていくお考えを持っているか。
  43. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) この二件は災害復旧に関するものであると思います。片方は改良だそうでありますが、片方の千葉の方は災害復旧でありまして、これにつきましては、法律でたしか規定がありまして、どれだけ出せということになっております。現に堤防の決壊などにつきましては九割の補助を出しております。私どもといたしましても少し多過ぎるのではないかと思いますが、何しろ法律でおきめを願っておりますので、その通り実行いたしております。
  44. 大倉精一

    ○大倉精一君 ちょっとお尋ねしておきますが、二十八年度の輸入数量の百三十七万三千トンですね、これの輸入先をちょっと知らしてくれませんか。
  45. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 二十九年度の塩の輸入が百九十四万トンでございます。
  46. 大倉精一

    ○大倉精一君 二十八年度です。
  47. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 需給課長から説明いたさせます。
  48. 高村健一郎

    説明員高村健一郎君) 二十八年度の輸入は百三十七万トンでございますが、おもだったところを申し上げますと、中共地区から二十三万トン、台湾が八万三千トン、タイ六万二千トン、インド二十九万九千トン、アデン十一万一千トン、エジプト二十四万一千トン、スペイン十二万七千トン、こういったところがおもだったものであります。
  49. 大倉精一

    ○大倉精一君 私はこういうふうに聞いたと思うのですが、外国塩にばかり頼っておると、戦争が起きると困る、戦争のときに非常に内地塩も作らなければならぬということを聞いたのですが、この報告で見ますると、輸入が百三十七万三千トンに対して、内地塩わずかに五十万トン、こういうことになっております。これで戦争が起ったらというようなこと、戦争が起って五十万トンないし七十万トンでゆけるのでしょうか。
  50. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 私が戦争が起ったらと申しましたのは、あえて日本が参戦する意味ではございません。外国にいくさが起って船が非常に困るようなときになりますれば、日本に持って来る塩も従って困る、また内地で五十万トンで足りるかとおっしゃいますが、もちろん足りません。現に私どもの方は本年三月末には六十六万トン手持ちを越しております、備蓄用として越しております。そういうものを合せて、ただいまのところは十分な消費をしておりますが、消費も節減してもらいまして、何とか間に合せていきたい、現に塩の生産は昨年度、一昨年度は大体四十五万トンでありますが、昭和十一年度ころには六十七万トンくらいできたこともあります。従いまして六、七十万トン内地でできるということは、私は必ずしも夢ではない、できるだけ努力してその程度までは持って行きたい、こう考えております。
  51. 大倉精一

    ○大倉精一君 二十八年度販売数量が二百十七万七千トン、そこで国内生産が五十万トン、十一年には六十七万トン、輸入が百三十七万三千トン、こうなって行くと、備蓄の余力というのはどこから出てきますか。
  52. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 二十八年度から二十九年に越しました塩も六十万トンくらい越しております。それから二十七年度から二十八年度には九十何万トンを越しております。何にせよ専売公社だけで全国の塩の配給をしたければなりませんので、ある程度の塩の手持ちも必要でありまして、従いましてそれらのものが全国に散在しているものを寄せ集めまして、備蓄用として残っている、こういうことになろうかと考えます。
  53. 大倉精一

    ○大倉精一君 それで先ほどのお話は、私は日本が参戦するとかしないかとかいうことは別にしまして、そういう非常用のために内地で作らなければならぬ。こういうことになれば、将来に向って大体日本の目標生産量といいますか、そういう計画がおありだと思います。それに対するところの増産計画なり何なりをお持ちになると思いますが、それはどうでございますか。
  54. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) ただいまのところ七十万トンくらいがいいのじゃないか、百万トン全部作らんでも七十万トンくらいまでいけば一応達成するのじゃないか、それでまた七十万トンできるときが来ましたら、またそこで新しく考えてもいいじゃないか。私どもはできるだけ七十万トンくらい作りたいという希望を持っております。別に具体的に計画はいたしておりませんが、年々入浜塩田を流下式に転換する、あるいは加圧式製塩を認める、これによって漸次増量してゆきたい、こう考えております。ただ、昨年度も一昨年度も四十五万トンで、むしろ昨年度はその下の数字は減っておりますが、これは昨年異常な災害がありまして、今まであまり災害のなかった香川、岡山の両県の塩田がひどくやられましたために、当初の予定では四十万トン切れるのじゃないかと懸念しておりました。幸いに塩業者の努力によりまして、また流下式塩田に転換したがために増産になりまして、どうやらこうやら一昨年と同じ四十五万トンを維持することができたと考えております。従いまして将来といたしましてはどうしても流下式塩田の方向に進んでゆきたい、こう考えております。
  55. 大倉精一

    ○大倉精一君 年間の絶対必要量というのはどのくらいですか。
  56. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 食料塩といたしましては大体百万トン、工業用塩としましては昨年度あたりは百四十万トンでありますが、この工業用塩はソーダの好況不況によりましても違いまして、必ずしも一概にどれだけということは困難と思います。食料塩は大体百万トン、工業用塩は百四、五十万トン、その業況によって多少の増減はある、こう御了承願ったらいいかと思います。
  57. 大倉精一

    ○大倉精一君 この絶対量に対しまして、大体戦時あるいはその他の非常事態におきまして年間七十万トンくらいの生産量を確保すれば絶対に心配ない、こういうような見通しでございますか。
  58. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 私は絶対に心配ないとは申し上げかねると思います。もちろん七十万トンでは不足なことは明白であります。従って工業用塩の方もむろん押えなければなりますまい。またソーダなんかのように輸出産業もありますので、船が苦しくなって輸出ができないなんということも考慮しますれば、また工業用塩も減ると、こう考えております。従いまして七十万トンですべてをまかなって十分であるとは申し上げかねますが、まずまずそのくらい持っていたならばいいのじゃないか、こういう程度考えております。
  59. 大倉精一

    ○大倉精一君 ではこの問題はその程度にしまして、この際もう一回お尋ねしますが、やみたばこですね、やみたばこというのは全国で一体どのくらいになっておるのですか。
  60. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 昭和二十九年度に横挙いたしましたたばこ関係の違反事件の検挙件数でございますが、約四万件でございます。そのうちで外国たばこ関係の事犯が約六六%、それから偽造のたばこがございます。これは割合にわずかでございまして、〇・〇七%くらいの割合でございます。
  61. 大倉精一

    ○大倉精一君 あとのものはどうなんですか。
  62. 石田吉男

    説明員石田吉男君) そのほかのものは耕作者の事犯がございますが、これはたとえば耕作者が自分で手きざみでのんだとか、あるいは納付すべき葉たばこを隠しておったとか、あるいはそれを横流ししたとか、そういうものがございます。それからパチンコの景品として取りましたたばこをさらに販売をするという無指定販売というのがございます。そういうものとか、その他たばこの箱を偽造しますと、その箱を作ったことだけでも専売法の違反になります。そういうようなものがいろいろございまして、それぞれ一つ一つのパーセントは非常に少いのでございますが、そういうものを含めましたものが残りの分になっております。
  63. 大倉精一

    ○大倉精一君 パチンコの無指定違反というものですが、これは大体どのくらいになりますか、先ほどの御答弁ですと、どこから入ったかわからないという答弁があったのですが、このたばこのパチンコ屋におけるところの横流しというものはどのくらいありますか。
  64. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 一七%くらいになろうかと思います。これはただいま申し上げました景品の売買ということだけでございませんで、パチンコ関係につきましてはいろいろなその他の違反事件も起りますので、それを全部含めてそのくらいになると御了承願いたいと思います。
  65. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは大体パーセントで知らしていただいたのですが、耕作者の分を除いて、あるいは箱の偽造を除いて本数で伺うわけにゆきませんか、何万本、何十万本くらいですか。
  66. 石田吉男

    説明員石田吉男君) これは検挙いたしました関係のものでございまして、いろいろな形態がございますので、一応本数に換算をいたしておりますが、二十九年度では製品に換算しまして大体一億四千五百万本くらいになろうかと思います。
  67. 大倉精一

    ○大倉精一君 こういう違反に対する取締りといいますか、これはどういう方法でやっておられますか。たとえば外国たばこあるいは偽造たばこ、パチンコ屋の無指定、これに対する取締り方法はどの方法でおやりになっておりますか。
  68. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 専売公社ではこういう関係の取締りを専担しております専売監視という職の者がおりますが、全国で約一千三百人くらいございます。この専売監視があるいは密告を受けましたり、あるいは自分で巡回をいたしましたり、警察あるいは税関、そういう方面から連絡を受けましたりしてそれぞれ取締りに従事しているわけでございます。まあどういう方法と申しましても、結局よく警察官とか、あるいは酒の密造とか、そういう酒の密造を取り締っております税務署員とか、そういうようなのと同じようなやり方で、密告、巡回、内偵というふうな方法で取締りに従事いたしております。
  69. 大倉精一

    ○大倉精一君 違反件数の四万件というのは、大体想定される総違反件数の何%くらいになりますか。
  70. 石田吉男

    説明員石田吉男君) なかなかむずかしい御質問でございますが、二%もつかまえられればいい方じゃないかと思っておりますですが。
  71. 大倉精一

    ○大倉精一君 この二%、四万件で金額にして大体どのくらいですか。
  72. 石田吉男

    説明員石田吉男君) これもなかなかむずかしいのでございますが、一応計即いたしまして四十億円から五十億円くらい販売額に影響があるということを申しております。
  73. 大倉精一

    ○大倉精一君 今のは二%で、四万件で四十億円というのですか。
  74. 石田吉男

    説明員石田吉男君) さようではございませんで、私どもが発見できないいろいろなやみの行為全部の被害がそのくらいではなかろうかと、こういうことでございます。
  75. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは相当大きな被害額になるのですが、全国この広い国土に千三百人くらいの人でほとんどこの取締りが不可能だと思うのですが、わずかに二%である。将来に向って——一つの国損だと思うのですが、四十億円にも上るところの大きなこの損害に対しまして、特に将来にわたって措置されんとする何かお考えなり意見がありましたら、この際聞かしてもらいたいと思うのです。
  76. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 先ほど申し上げましたように、一番大きい違反事件外国たばこに関するものでございます。それでこの外国たばこ関係いたしますものは米軍、それから国連軍、こういう軍の駐留基地から兵隊が流すのが非常に多いのでございまして、これにつきましては、それぞれの憲兵隊あるいは駐留軍の司令部、そういうところと連絡をとりまして、軍自体においても取り締ってもらうようにいろいろ協力をお願いしております。ここ一、二年の間は、たとえば番兵が兵隊が遊びに出るときにポケットを調べて、あまりたくさんたばこを持ち出すのは押えてくれるといようなこともやっております。それから米軍、国連軍とお互いに刑法上の犯罪などにつきまして合意事項というのができております。専売法につきましてもそれの適用がございますので、駐留軍の違反事件につきましては私の方でも罰金がとれる、警告処分ということをいたしまして罰金をとっている例も幾つかございます。そういうことで、これは駐留軍が存在します限りは、なかなか減るというわけに参りませんので、ただいま申し上げましたように、私の方でも取締りを厳重に努めてやる、それから軍の方でもいろいろそれに協力してもらうというふうなやり方でやっておりますが、まあこの駐留軍がいなくなるというふうなときが参りますれば、この外国たばこの問題は一挙にして片づく問題だと考えております。それからパチンコ関係の事犯でございますが、これは御案内かと思いますが、昨年からパチンコが非常に景気が悪くなりまして、ことにこの四月、五月、六月連発式のパチンコから単発式に切りかえられたということで、だいぶパチンコ方面の業績もよくないようでありまして、従ってたばこ関係の動きも減ってきております。ややこういう関係の事犯が自然に衰えつつあるというふうなことでございます。それから耕作者関係の事犯でございますが、これにつきましては、私の方でいろいろ耕作地に入りまして専売法の内容をよく説明して防犯に努めていろいろな宣伝をやっておりますが、防犯宣伝ということをやっておりますが、経済事情も変ってき、また社会道徳と申しますか、そういう点においてもだいぶ、四、五年前にはかなり厳重な処分もしたことがございますが、最近はむしろそういう処罰をすること自体よりも、一応名前は悪いのでございますが、検挙をいたしましても、そのまま将来こういうことをしないようにというふうな手軽な措置をとっております。先ほど申し上げました件数も、そういうふうに調査をいたしました件数でございまして、これ全部が処罰された件数ではございません。そういうようなことでだんだん社会が落ちつくに従いまして、むしろ事犯の方は減ってきておるような状況でございます。予算あるいは定員、そういう制約もございまして、まあ公社全体といたしますと、取締りばかりに力を注ぐというわけには参りませんので、そのほかのいろいろの事業とバランスをとりながらやっていくというふうな状況でございます。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは私は公社だけで取り締ろうと思っても不可能だと思うのですが、警察方面なり、その他の方面との協力が必要だと思いますが、そういう方面の協力関係はどうなっているか。それからもう一つは、駐留軍の憲兵隊との協力は、今のお話ですと、やってくれるときもあるという程度だと思うのですが、果して憲兵隊あたりでも協力があるのかどうか、状況をちょっとお知らせ願いたい。
  78. 石田吉男

    説明員石田吉男君) お話通り、警察、それから検察庁、税関、そういう方面からは非常に絶大なる御協力を得ております。今あがっております件数も、私の方の監視だけがやった件数ではございません。警察官があげて下された件数が相当入っております。非常に大きな御協力をいただいておるわけであります。それから駐留軍につきましても、軍がときどき交代するときがございますので、新しい軍が入りますと、日本たばこ専売制度ということはよく知らないのでありますが、少し落ちついております幹部将校には、私の方の地方の機関から常時連絡をいたしておりまして、この方面からも十分な御協力を得ておる状況でございます。
  79. 大倉精一

    ○大倉精一君 じゃ、その問題は総裁に一応ちょっとお伺いしておきたいのですが、四十億円という被害は相当大きなものだと思うのですが、この違反被害ですね、これは今のお話ですというと、駐留軍がなくなれば自然に減少していく、あるいはパチンコもだんだん景気が悪くなっていくからいいだろうという、こういうお話で処置ないというように聞えるのですが、総裁としては、私はこの四十億円は大きな国損だと思いますが、これに対する将来何か対策があったらお聞かせ願いたいと思います。
  80. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 大体予想いたしまして四十億円程度だろう、こういうことであります。私どもといたしましては、千有余人の監視員によって極力そういうことのないように、反則のないように取り締っております。また先ほど販売部長の申しましたように、検察庁なり税関なり税務所なり、各方面との連絡を十分とりましてやっておりますが、ただいまの定員をもってしましては、これ以上監視の方に人をさくということは至難だと思いますので、現定員をもってできるだけやっていくという方向に進みたいと考えております。ただここで私はよく監視の諸君に言うことでありますが、反則のない世の中を作ることを理想にして、検挙ばかりに没頭しないで指導をする、防犯に努めるということをやっていく、そうしてその防犯の面は主として耕作者に対する部面であります。御承知のように全国四十五万の耕作者がおりまして、これらの人々もやはり専売事業の一翼をかついで特にこの事業をやっておると私は考えておりますので、これらの人の反則を聞きますことが私は非常に身を切られるような遺憾な心持ちを持って見ております。従って外国たばこのこの反則は大体知識階級に多いのでありまするが、葉たばこの違反は耕作者に多いのでありまして、これらの人はやはり公社の仕事の一翼をかつぐ人でありますので、善導してなるべくかくのごときことのないように、また年々よくそういう事犯を起す地方には監視を常駐さして指導するというような方向に進めまして、何と申しましょうか、耕作者の検挙ということは、あまり悪質以外のものはせぬで、できるだけ事前に防犯的に指導をしていくというふうにやってもらいたいと思いますが、私は地方に行きまして監視の諸君にも、諸君はあげるばかりが目的じゃなく、あげないで済む世の中を作ることが理想なんだから、そういうふうにやってもらいたい、ことに耕作者については、そういうふうにしてくれんか——ただ販売部長も申しましたように、外国たばこにつきましては、アメリカその他の外国軍のいる限りはなかなかむずかしいと思います。むずかしいがしかし十分連絡を、向うの司令部その他憲兵隊と連絡をとりましてで、きるだけ防ぐことには努力いたします。また密造たばこも、ここで申し上げていいかどうかわかりませんが、朝鮮人に多いのでありまして、朝鮮人のいる限りなかなかこれも絶滅は困難であります。ことに凶暴な行いをやられる場合がありまして、中には反則を検挙してふん尿をかけられたなどという事例があります。朝鮮人部落のこの密造たばこの手入れは相当生命の危険もありますので、十分陣容を整えてこれに臨んではおりますが、これらの人人のいる限り、密造たばこはなかなか絶滅は困難であります。できるだけ減少さしてゆきたい、こういうことで各地に検察庁なり警察なりの御協力を願って、その方向に進めております。
  81. 岡三郎

    ○岡三郎君 これはちょっとまあ別のことですが、ピースと光と新生とパットですか、この原価と税金の割合をちょっと教えてもらいたい、大体でも……。
  82. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) この問題につきましては、昨年参議院のたしか大蔵委員会の御希望もありましたので、予算書に参考としてつけております。ただいまそれを申し上げます。
  83. 岡三郎

    ○岡三郎君 簡単に言って下さい。
  84. 内藤敏男

    説明員内藤敏男君) 三十年度の予定原価でございますが、おもなものだけを申し上げます。  ピースで工場の原価が、九円九銭それに販売及び管理費が加わりまして、総原価といたしまして、公社の手を離れるまでにかかります価格が九円六十四銭、これは十本当りでございます。それから新生になりますと、工場原価が四円四十四銭、それから総原価になりまして四円九十九銭、この程度になります。
  85. 岡三郎

    ○岡三郎君 光は。
  86. 内藤敏男

    説明員内藤敏男君) 光は工場原価が七円四十三銭でありまして、総原価では七円九十八銭になります。
  87. 岡三郎

    ○岡三郎君 大体本年度、まあ昨年度でもいいですが、総収入に対するパーセンテージは大体どんな程度ですか。ピース、光、新生その他大体収入に占める売上高……。
  88. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 三十年度予算では、これはちょっと金額に換算しておりませんので、本数で申し上げますが、ピースが七%、それから光が一七%、それから新生が三九%。
  89. 岡三郎

    ○岡三郎君 今度はちょっと話が変りますが、アメリカ等で巻たばこと医学の関係で肺臓ガンだか何だかということでずいぶん一時問題になったことがあるのですが、肺臓ガンだか何だかちょっと忘れたけれども、そういった点でアメリカあたりでは一時売り上げが減って大体だいぶ問題になったということが書いてあるのですが、専売公社でニコチンというものについていろいろと研究せられておると思うのですが、そういったようなガンとの関係についてどういう見解を持っておるのでしょうか。
  90. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 昨年ニコチンの量を調査いたしまして新聞にも発表いたしたのでありますが、それとガンとの関係は、医学上まだ確立した意見はないようであります。アメリカにおきましても、いろいろのデータを集めてたばこのみに肺臓ガンが多いというようなことを言っておりますが、結局たばこのむ人の死ぬ率の多いことはこれは当りまえでありまして、(笑声)何と申しますか、だんだん年とってくれば、たばこをのむ人で死んだ人の割合からいえば、男は大体成年以上八割くらい吸っておりますから、そういう意味におきまして、たばこをのむ人が死んだ率の割合で占める率が多いと、こう考えております。肺臓ガンは、日本におきましてはまだそうあまりたくさんないと聞いておりますので、公社といたしてましては、肺臓ガンとニコチンの関係につきましては、特に調査いたしません。アメリカの文献等を見まして参考にいたしておるような状態であります。
  91. 岡三郎

    ○岡三郎君 このたばこの葉の成分によってニコチンの含有率が違ってくると思うのですが、これは私昨年も質問したのですが、その前には新生ピースのニコチンの含有量で、あるときはピースの方がニコチンが多かったのじゃないか、あるときには少かったのじゃないかといろいろと聞くわけなんですが、昨年聞いたときには、新生の方がニコチンが多くてピースの方が少いということを、これは現在でも変りないですか。
  92. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 昨年秋調査いたしました結果によりますと、光が一番多くてその次は新生、その次がピースでその次がパットであります。その後まだ調査しておりませんので、その格差はそのまま今日に及んでおります。
  93. 岡三郎

    ○岡三郎君 最後一つ、未成年者の喫煙ですね、これはまあいろいろ法律で取り締まられておるのですが、これは非常に多い。こういう点で未成年者の大体喫煙をどの程度見ておるのですか。こういう研究をされたことがありますか。
  94. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 未成年者の喫煙は法律で禁止しておりますので、私どもの立場としましては、そういうものはないだろうと考えまして特に調べておりません。
  95. 岡三郎

    ○岡三郎君 最近のもう一つの特徴は、婦人の喫煙者が非常に増加したと思うのですが、これが相当消費量に影響してゆくと思うのですが、どのように見ておりますか。
  96. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) ただいま婦人の成年者のたばこを吸う人は約二〇%、二割くらいじゃないかと見ております。男は逆でありまして、これは漸次増加していくのではないかと考えております。現に昨年度あたりにおきまして、日本におけるたばこの消費量は、これを紙巻たばこに換算いたしまして、大体人口一人当り、老若男女を通じて五百本以上、イギリスあたりでは二千本近いようであります。アメリカは四千本と申しております。結局婦人層の喫煙者が少いということが、これらの国に比べて日本たばこの一人当りの消費量が少いのではないか、こういうふうに考えております。
  97. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の岡委員の質問に関連して、私ちょっと一つお尋ねしますが、さっきのたばこの肺臓ガン、これはアメリカそれからデンマーク、まだ定説はなく、これは相当研究されておるわけです。ことにアメリカでは、ああいったように私営で、私の経営たばこの大きな事業会社がある。それでたばこ会社でも金を出していろいろと徹底的な調査をやっておる。それから一説によればニコチンそのものではなく巻きたばこの紙に原因がある、現にこれは日本人で害を少くする巻たばこ用の紙をですね、まあ考案してといいますか、研究して、これはパテントをとって莫大な金をもらっておる、こういう例もあるわけです。これは日本人と外人と体質が違うとか、そう本質的には違わないかもしれませんけれども、先ほど申し上げたように、これが公社になったからには、国民の保健というものに対して、どういうこれはほんとうに関係があるのか、ただ外国の資料を見るということだけでは、最初私が申し上げたように、専売公社としてですね、そんな消極的なことじゃいかぬと、たばこが売れようが売れまいが、そういうことが一般的に一つ頭に入ってきた以上は、やはり専売公社としても相当にこれは研究さるべき問題である。ただ外国の結論を待つというのでは、先ほど申し上げたように、経常ですね、これは金を何億円使うという必要があるから、おやりにならぬのかもしれませんけれども、ただ今のように、外国の結論を待つんだというようなことでは少しあきたならないのじゃないか、かように思いますので、これはたとえ文献あるいは研究の結果を外国のものをお集めになるというだけでなくて、もっと本質的にほんとうに巻たばこの紙が悪いならば紙をどうするかということが、国民の保健上からまたあなた方の立場からこれは今後真剣に研究をおやりになって、今のような問題が提起された場合には、もっと積極的な所見が述べられなくちゃならぬわけです。こういう点を、これは特に総裁以下首脳部が来られておりますから、これは単なる決算委員会としてでなく、国民の代表という立場から、専売公社も現在許す限りは真剣に取っ組んでもらうということが私は国のために必要じゃないか。あえて答弁を求めませんが、強く要請しておきます。
  98. 小林亦治

    ○小林亦治君 総裁に伺います。たばこ販売所というのがありますね、その販売所に専売公社が販売の数量か、あるいは金額かわかりませんが、何か内規のようなものがあるかどうかしりませんが、ともかく販売の義務というものを与えておるのですか。義務というものを与えておらぬでも、その販売の量いかんによって、販売所の成績に影響が及ぶというようなことは何かありますか。これは規定でなく実際の方をお聞きしたい。
  99. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 本年度におきまして二千百億円以上の売り上げをいたしますので、これを分けまして各地方局に割り当てております。そうしますと、各地方局が各販売所に、前年と申しますか、過去におけるその販売状況を勘案いたしまして、これをお前のところの目標はこれだけである、もちろん目標をこすのもあり、引っ込むのもあります。大体の過去における事例を勘案して目標をきめ、これを出張所なり、支局なりに割り当ててやらしております。従いまして公社といたしましても、その売り上げの非常に成績のいいところに対しまして、はやはり一年一度、何と申しますか、ごほうびをやっております。
  100. 小林亦治

    ○小林亦治君 そのことにからんで、今見えている石田部長に特に御配慮を願ってお骨折りを願ったことがあるのでございますが、具体的な問題はこれは遠慮しますが、先ほど白波瀬委員からも御発言がありましたように、パチンコ屋が営業用に使うたばこが直接小売の方からだけとは限らないように見えますので、一つそういう点について、何か総裁がお聞きになり、その善後措置についてお考えになったことがあると思いますが、これは非常に問題になっていると思いますが……。
  101. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) パチンコ屋に対しましては、小売は許しておりませんので、パチンコ屋のたばこは全部小売業者から買っている、こう私は考えております。また小売業者以外から買っているということは密造たばこ以外にあるまいと、こう信じております。ただそこで問題の起りますのは、大量に買うから小売業者に割引しろというような問題があるようでありますが、私どもの方は、専売品でありますので、小売業者が売りますのは、割引すれば違反になりますので、その点において取り締っておりますが、そういう問題がありますが、小売業者以外から買うということは考えられないことである、こう存じております。
  102. 小林亦治

    ○小林亦治君 もう一点ですが、大倉委員からも質問があったようですが、私は大倉委員とは違って、この検挙というようなことはもってのほかだと思います。まず何よりもたばこに関する事犯を防ごうと思えば、今のたばこ、これをうまくしていく方が一番いいので、その点で先においでになったときも、総裁に他の委員からなるべく一つたばこをうまくしてもらいたいとお願をしたところが、総裁いわく、富士はうまくしちゃいけないのだ、あまり売れるとかえって困るので、むしろこの程度で若干辛くしておいて、売れないようにしなければ、専売の総合成績に反するのである。ただしピースその他についてはなるべく研究をしてうまくしたい、しますというようなお約束があったように記憶しておりますが、その後いろいろ私も各種のたばこを吸ったのですが、一向うまくなっていない。そこで検挙が手柄のようにおっしゃるのはもってのほかで、何とかピースなり、各種たばこをもう少し御研究なり、あるいは資料をもっと追加してうまくしてもらいたいと思います。私も実は、これはほんとうのことを申し上げるのですが、外国たばこが好きでちょいちょい吸うのであります。しかし誤解なさっては困るのですが、決してやみたばこを吸っているのじゃない。百三十円というもので買って吸っているんです。宇都宮へ参って一ぺんつかまったことがあります。けしからぬ話だ、名前を言え、お前に名前を言う必要はない、じゃあんたのカバンを探してみましょうか、お前捜索権がないのじゃないか、探すなら探してごらん、断わりながら、あまり執拗なので人がみな見ているので、みっともないので、僕は出して見せたんです。見ろ、ちゃんとまるい青色のマークがついている、これを吸っている、こういったところが、はなはだ迷惑であったんですが、これはインチキだとこうおっしゃる。まぎれもない松坂屋の販売部で売っておるのです上野の……。そこから買っていって五、六本も吸わないたばこであった。そのときに何かの事故で五分か六分しかとまらない汽車が十五分もとまっておったので、これ幸いにその監視員をつかまえて、よく恥を知らなければいけないのだ、まずいたばこを出しておいて、うまいたばこを自由に吸っておるのに、頭からどうも極悪犯罪人扱いだ、今つかまえたと言わんばかりの手柄顔でゼスチュアたっぷりにやっておる。そういうことが間々あって非常に私どもも迷惑しておるのです。そこで先ほども他の委員から質問があったように、これは検挙などするということは、密造たばこはこれは別なんです。そうでない嗜好上たまたま外国たばこを手にしておった、あるいは吸っておったということを取り上げて犯罪人扱いされるということは、これはおのれの恥を知らざることなんで、そんなことであるならば、むしろこれはうまくしていただくにこしたことはないのです。今伺うというと、四十五円のピースがわずか九円、十円足らずでできるとおっしゃる。これはもう二、三円もコストを考えていただけばはるかにうまい。それはもう外国たばこを吸えと言ってもまずピースの方に手がつくようになるに相違ない。その根本考えていただかぬとこれは間違いもはなはだしいのである。どうか一つ去年のお約束通り、もう少しうまくしてもらって、外国たばこを自然に遠ざけるようにしてもらいたい。そのことで一点伺っておきたいと思います。
  103. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) ただいまのお説を承わりまして、宇都宮駅における事件につきましては、まことに申しわけないと思っております。  たばこをうまくする問題につきましては、私は必ずしも従来通りではない、ピースにいたしましても、昨年夏ごろから外国アメリカ葉を増しております。光にも新しく入れまして葉組み等を変えて漸次よくしているつもりでございます。ただ御承知のようにたばこは嗜好品でありますので、その人人のお吸いになるいかんによって違うかとは思いますが、私は自慢するようで申しわけないと思いますが、ピースになりますれば、世界水準に達していると常に申しております。ヨーロッパに参りましても、ドイツ、フランス、イタリアあたりのたばこは全くまずいのであって、日本ピースの方がはるかにうまいのじゃないか。また先般のICCのありましたときにも、記念たばこピースを出しましたが、比較的評判がよかったのであります。ただ評判がいいからといって、その上にあぐらをかいておるわけではありません。私どもといたしましても、できるだけ味をよくし皆さんの御期待に沿いたい。  なおこの機会に申し添えておきますのは、日本たばこは比較的重い、軽いたばこがほしいじゃないかという御意見も各所にありますので、ただいま製造部において研究いたしておりまして、国会の御承認を得ましてそのうち軽いたばこを出したい、こう考えております。多分年内には何とか目鼻をあけたいとせっかく努力中でございます。御了承願います。
  104. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の小林委員の質問に関連して、日本ではなぜこのたばこを十本単位でパッケージするのか。新生、バットも二十本入りである。最もポピュラーな光とかあるいはピースが十本単位になっている。それから先ほども外国たばこの比較で小林委員からも言われましたが、富士、これはたしか二十本入りで百二十円だ。これは私にしましても富士を買うよりももう十円足してフィリップ・モーリスのあのバージニアを吸った方がいい、何といったって非常に質がいい、軽くて。そうして富士は巻き方が少し固くていけない。従ってせっかくのバージニアが何といいますか、味がすっかり出ないのです。ここらあたりが質の非常にいいものを使いながらも、国際的に見て、これはシガレットは全く国際商品ですから、だから万人の嗜好に向くと、こういうものを作らなければならない。ピースのことを威張られましたが、私バンコックに昨年二回行きました。あそこには代表的なりっぱなバージニア巻たばこがあります。値段からいっても日本の富士に比べればはるかに安い。だからこれはただたばこの不正事件をなくするということを、検挙じゃなくて、やはり日本の、ことに巻たばこの質を国際的な嗜好に向くようなものにする。しかも二十本のパッケージですね。そうしてこれはまあアメリカ人が買えばラッキー・ストライクは酒保で買えば十セントです。市場で買っても十二セントで、これを換算しまして日本で百三十円で売っておりますが、富士の百二十円よりも、ラッキー・ストライク、特にフィリップ・モーリスを吸った方がいいという私経験を持っております。まず質を改善することが一番大切じゃないか。これはまあ決して国営であるということで安易に流れて改善しないとは申しませんが、国際的品として輸出もできるのだというくらいな意気込みをもってやってもらわないと、四十億というような国損を来たすという結果になる。最もいい例は、たとえば今ドイツのものは悪いとおっしゃいましたけれどもドイツ、それからイギリスのごときは、これはもう盛んに——向うのドイツに行っている、あるいはイギリスに行っているアメリカ人がスリーキッスルを吸う、あるいはドイツではドレスケというパッケージのいいのがありまして、むしろその方に傾くという傾向すらあって、日本のようにアメリカたばこがやみに横行してまで売られるというようなことは、これはやっぱりたばこ生産技術からいえば、非常に何と申しますか、得策ではないと思います。この点は一つ間野総裁としても、今日は非常に地球が小さくなって、日本たばこの品位というものも国際的なレベルに行っている。それだけポピュラリティを持つだけのものを作る努力をするのが当然じゃないか。それがやはり事犯の積極的な防御の施策になるのじゃないか。この点についての御所信はいかがですか。
  105. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 富士の話をさっきお答え漏れいたしましたが、何も売れない方がいいというわけじゃございませんで、あまり売れますと材料に困るという意味で申し上げたのです。その点もあわせてつけ加えておきます。  なお日本たばこは高くてまずいというお言葉であります。公社だけの立場から申しますれば、値下げはできないことはないと思います。ただ国家財政のにらみ合いの上からいいまして、これ以上下げることが不可能ではないか。ことに昨年四月ピースを上げるときは、ほかの消費税とのおつき合いをしろという話で、私どもの方もやむを得ず応諾して五円上げた、そういうふうな状態でありまして、先ほど申し上げましたように、製造費は比較的安いのでありますが、結局もうけと申しますのが消費税の変型でありますので、この消費税をどこまで取るかということによってたばこ値段はきまると思います。今日までの歳入から見まして、もう少し歳入でもふやす必要があって、たばこをもう少し益金を出せとおっしゃられれば、あるいは場合によって値上げをしなければならぬかということも考えられますので、現在の千五百億程度では、まずまずそういうこともなくていけるのではないか。しかしそれにはことしは非常に売れ行きが感心しませんので努力を要すると考えております。  なおアメリカたばことの御比較がありましたが、なるほどアメリカたばこをお好みの方は日本たばこはお気に召さぬことは私どももう了承いたしております。大体アメリカたばこはトーストしておりますので、日本たばこはトーストしておりませんから味が違いますが、日本たばこはどちらかと申しますと、イギリスのたばこに近いものだ。しかしてイギリスにおきましては御承知通りたばこはちっともできない。自分の必要は種類の葉たばこアメリカなりカナダなりローデシァなりから買って、気にいったような葉組みでたばこを作るのでありますが、しかし日本におきましては泣き言を言うようでおかしいわけではありますが、私どもの方では優等から八等まで耕作者が作ったたばこは全部買い入れまして、そのたばこは捨てないで全部使わなければならぬような状態でありますので、その全体のたばこをいかに配合して味を出すかということは製造関係の者の日夜苦心をしているところであります。そういうことから考えまして、ピース程度のものができ、外国人も好んで吸ってくれるというようなたばこができるということだけでも、ある程度お認め願いたいと考えております。アメリカのようにたくさんのたばこを会社が買いまして、残ったものを政府が買い上げる。会社は自分の好きなたばこを買って好きなたばこを作るということですと、割合に気にいったものができるかと思いますが、先ほど申し上げましたように、耕作者の作ったたばこはすべて買って、これをすべて使うというところに日本専売公社の悩みがあるのであります。この点はどうぞ御了承を願いまして、私どもといたしましては現在よりも漸次よりよきものという念願を持っております。その点を御了承願いたいと考えます。なおその意味におきまして、新製品の研究も着々実りつつありますので、あるいは年内ぐらいには皆様にも吸っていただけるかと楽しみにいたしております。どうぞその点を御了承願いたいと存じます。
  106. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の十本のパッケージという問題は。
  107. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 十本のパッケージの問題は、やはり比較的値の高いものを十本にいたしまして、富士を二十本にいたしましたが、少し売れ行きがあまり芳ばしくありませんので、近く十本入りをこれも出すつもりでおります。今度の新製品もまず光程度のものにして十本入りにしょう、こう考えております。ちょうどバットが三十円、新生が四十円、光は二十本にしますと六十円になります。ピースが九十円になりますが、まず光を三十円、ピースを四十五円、この辺に値ごろを置きたい、こう考えております。
  108. 近藤信一

    ○近藤信一君 この前、地方専売公社の名前でちょっと広告を見たのですが、ここにこうたばこが売れ過ぎたとか、売れないとか、先ほどから問題になっていますが、ちょっと新聞の広告を見まするとピースを十個買った者に対して、何かマッチを一つくれる、そのマッチに番号が入っておりまして、それが抽せんをやりまして一等か特等に当った者は一年分のたばこを差し上げる、こういう広告が出ておったのですが、日本専売公社としてはこれを全国的にやらしておられるかどうか。
  109. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) ただいまお説のことは専売公社としてはいたしておりません。販売協同組合の方の施策としてやっておるようであります。販売協同組合の方におきましてもやはりできるだけ多く売りたい、できるだけ専売公社に協力したいという気持がありますので、販売協同組合の方においてそういう施策をして、あるいは温泉に招くとか、そういうことをやっておるように聞き及んでおります。
  110. 近藤信一

    ○近藤信一君 はっきりとそこには地方専売公社の名前が出ておったのですが、もしそう地方専売公社でやっておる場合には、日本専売公社は何かそれに対する責任を持たれるのですか。
  111. 石田吉男

    説明員石田吉男君) もちろん販売協同組合がいたしますときは、私の方の地方局とか支局とか出張所とかその組合の所在地のところとよく連絡をとっておりますので、公社の方から多少の宣伝費を出している場合もございますし、あるいは組合が全部その経費を負担してやっている場合もございます。
  112. 近藤信一

    ○近藤信一君 二十八年度のあれを見ますと、前年よりこの三百二十七ページのたばこ事業益金がふえてきておる、こういう、ピース売れ行きがよかったのだと、こうなっておりますが、昨年ピースが五円値上げされてからこれからもうこちらにずっとピース売れ行きが悪いので、今度まあ販売か何か知らぬが、そういう点からそのような計画を立てられたのかどうか。
  113. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 二十八年度は非常にたばこの売れた年でありまして、ことにピース、光が非常に売れたのであります。昨年値上げをいたしましたのと、世の中が不景気になりましたがためにこの両々相待ったのと、先ほど来お話のあった肺臓ガンの宣伝等が加わりまして、高級たばこの消費が非常に落ちて参りました。新生級のたばこと移動して参ってきております。そういう次第でありまして、昨年はそれでも数量から申しますならば、二十八年度に比べて二十九年度は六十億本ぐらいふえております。金額はむしろ減っております。そういう状態でありまして、昨年は一昨年に比べて非常に私どもとして苦労いたした年でありますが、一昨年は異常の年であります。しかし下ったからといって別に一生懸命無理をするというようなことはありません。これはやはり大衆たばこが売れれば大衆たばこを売っていく。できるだけ作って品切れをしないように骨折るというふうにいたしておりまして、がしかし、何せよ千五百二十五億という一般会計繰り入れ並びにたばこ消費税を抱えおりますので、一生懸命になって全国の販売関係職員が動いておることは事実であります、従いまして、先ほど耕作者が私どもと一緒に専売事業の一翼をになっておると申しましたように、全国十四万の小売人諸君はやはり私どもと同じ専売公社の仕事をし、その一翼をになっておるのでありまして、これらの諸君もほとんど専売公社の人のように一生懸命やってくれておるのでございまして、常に盛謝しておるようなわけであります。
  114. 近藤信一

    ○近藤信一君 そこでもう一つお尋ねしたいことは、二十九年度年度末で一体ピースがどれくらいのストック、また製造高、手持品がどれくらいあったか。
  115. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 製造計画は常に販売の動きと合せて計画を作り直してやっておりますので、大体操作上はまあ一月から一月半程度のストックがありますと、たばこが切れずにうまく回りますので、販売数量の一月分ないし一月半分ぐらいが常時の在庫高というふうにお考え願ったらけっこうと思います。
  116. 近藤信一

    ○近藤信一君 私どもはよく小売店で聞くのですが、新生をくれと言いますと、新生はないのだ、特に高級たばこピースや光だけがよけい並べてあって、これはあまりこちらが売れないからこっちを早く売らなければならぬ、ピースを早く売らなければならぬから新生は回ってこないのだ、こういうようなことをよく聞くのですが、実際先ほどのあれを見ますると、製造のあれは、新生が三九%ですか、三九%の生産高になっておるのだから、相当新生が回ると思うのですが、それでもいなかの方へ行きますと、ときどきピースかばりしかない、こういうようなこともあるのですが、これは実際そういうふうに新生が回らないのですか。
  117. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 昨年の五月ごろから急に新生が売れ出しまして、製造の準備が間に合わなかったのですから、五月、六月ごろは新生はちょいちょい切れるところがございました。八月ごろからは製造の方の準備も整いまして八月以降ではあまりそう新生が切れたということはないように記憶いたしております。
  118. 近藤信一

    ○近藤信一君 もう一つお尋ねいたしたいことは、僕のいない間にだれかお尋ねされたかもわかりませんが、たばこ小売店、このごろもう世の中が不景気になってきて相当たばこの小売店の競争が激しいわけです。方々からたばこの小売庭の申請を出されるわけなんです。私も二、三回行ったことがあるのですが、こんなにたくさん書類がたまっておりまして、なかなか思うように許可にならない、私どもここにどうしても許可してくれれば相当この辺では売れる、近所にたばこ屋もないからと言って話をしてみましてもなかなか許可にならない。まあこれには販売の許可に基準があるだろうと私は思うのですが、一体それはたばこの販売高に基準を置いてそういう小売店の許可をやるのですか、その点お尋ねします。
  119. 石田吉男

    説明員石田吉男君) 基準はいろいろございまして、販売高もございます。土地によりまして、ここはまあ大体一カ月十万円くらい売れてもらわないといかぬとか、あるいはこの地域なら十九万円とか、そういうような販売の方の見込みの基準がございます。それから距離の基準がございまして、東京都内の非常に繁華なところですと、五十メートル間隔、それからもう少しにぎやかさの落ちるところですと百メートルというふうに距離の方もいろいろ町の繁閑に従って基準を置いてございます。そのほかに位置としますと、やはり、常識でございますが、角店が一番いいとか、あるいは位置がいいけれども裏町になっていてちょっと目につかないようなところ、そういうような位置の制限がございます。そのほかの、たとえば洗たく屋さんであるとか、とうふ屋さんであるとか、こういう水けのものを使うところはたばこをいためますので、幾ら条件に合ってもそういうところはいかぬと思います。それから、まあ場所その他の条件がよくても、ある程度資金が要りますので、その買い入れの資金の不十分のようなところはいかぬというふうな、その他いろいろそういう基準がございまして、大体その基準に当てはめて審査をいたしております。
  120. 近藤信一

    ○近藤信一君 運転資金の面も基準がありますか。
  121. 石田吉男

    説明員石田吉男君) これは先ほど申し上げました標準取扱い高、これを基準にいたしまして、これもその場所によって違うのでありますが、大体まあそのお客さんが来ましたときにたばこが切れていては困るというので、一週間から十日分ぐらいを持てるだけの余裕の資金を置いてもらうことになっております。そういうことで一応この標準取扱い高で申し上げました基準より五万円なり場所によって十万円なり高いくらいの運転資金を持っている人というふうな基準を置いてございます。
  122. 島村軍次

    島村軍次君 最後一つ希望を申し上げておきたいと思います。それは大体最近の情勢が、消費の情勢が変って参ったので、三十一年度生産計画をお立てになるのに、ただいまお話のように相当いろいろな御調査をされていることだと思うのです。しかし特に私、お願い申し上げたいと思いますることは、要するに、たばこは御案内の通りに貯蔵をいたしますと相当品質がよくなる、その割合がどの程度であるかは別に承わるといたしまして、それらとにらみ合わして、たとえば総裁お話しになったような東北地方ではまあ増反希望もある、しかしまた砂丘あるいは砂地の土地、開拓地等における希望も黄色種の産地が相当あると思う。そこで農業経営の立場からこれらの地方におきましても、ある程度増反希望があるわけなんでありまして、予算全体を通じて考えられる時分にはなかなかむずかしい問題があるのですが、きょうはその方の方が全部おそろいでありますから、特にこの貯蔵をして、そして品質をよくするということを特に御考慮の中へ入れていただきまして、まあ輸出等の問題は価格の問題がありましょうが、全体を通じて一つ総裁が今の点を十分御考慮の上で生産計画を立てていただきたいことを希望を申し上げておきます。
  123. 入間野武雄

    説明員(入間野武雄君) 島村委員の仰せごもっともと存じます。私どもといたしましては大体適地適作ということを主としまして、これにその地方における農地経営状況等を勘案してきめておるのでありまして、来年度どういう結果になりますか、あるいは増反することになるか、現在のままということになるかまだわかりませんが、もし増反する場合にはただいま島村委員お話のようなことを十分考慮いたしまして善処いたしたい、こう考えております。
  124. 山田節男

    委員長山田節男君) ほかに御質疑ございませんか。  御質疑はないと認めます。では、昭和二十八年度決算日本専売公社の部、検査報告批難事項第二千二百六号から第二千二百九号までの質疑は一応終了いたしたものと認めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。   —————————————
  126. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは次に、日本国有鉄道の部を審議をいたします。検査報告批難事項は第二千二百十号から第二千二百二十四号までであります。  ただいま国鉄当局からの出席者は、十河総裁石井理局長、唐沢営業局長、佐藤施設局長、小林資材局長、篠原臨時財産管理部長、会計検査院側大沢検査第四局長が出席されております。  まず、国鉄総裁説明を求めます。
  127. 十河信二

    説明員(十河信二君) 国鉄は申しわけのない事故を引き起しまして、長崎総裁の退陣となり、はからずも私が老骨をひっさげてこの大任を拝することに相なりました。まことに恐縮に存じております。大任を拝しましたことにつきまして一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。  私は、国鉄を退職いたしまして長い年月を経ておりますので、国鉄はその間いろいろな重大な変化を経過いたしております。私の在任中とほとんど別な国鉄の感じがいたすのであります。従って、日なお浅い今日、国鉄のいろいろなことをまだ具体的によく存じておりません。はなはだ申しわけありませんが、その点はあらかじめ御容赦いただきたいと存じます。私の国鉄総裁就任いたしますにつきましての決意は、過般就任の際に職員にも一応申し述べておきましたのでありますが、第一に、私は国鉄の地に落ちた信用を回復することにまず全力をあげたい。国鉄は困難な輸送業務をあずかっておるのでありますが、何分にも施設は老朽化いたしております。貴重な生命、財産をあずかっておる従業員がだいぶくたびれておる様子も見えます。どうすれば事故をなくすることができるかということにつきまして就任後苦慮いたしておるのであります。  第一に、私は職員の家庭に要望いたしまして事故をなくすることに協力してもらいたい。家庭で十分に安息のできるように、毎朝元気よく楽しく職場に出かけることのできるように、そうすることが事故をなくする大切な要件ではないか、こう考えましてそういうことを申し述べたのであります。  第二に、私は今日、日本は敗戦後内外ともに、国鉄のうちも外も、公の経済においても、家庭の私経済においても足らずがちで不自由がちであります。私はこの不自由をがまんをして、何とかしてその使命を完遂するように努力をしなければならぬ。不自由の中にただいたずらに不平を言わないで気を引き締めて職務に精励することが祖国再建の根本要件であるということを従業員に強く戒めておいたのであります。もちろんその際に国鉄の綱紀の粛正すべきこと、いやしくも私利私欲を目的とするいわゆる国鉄一家というようなものは厳にこれは打破しなければならぬということを強く要望いたしておきました。  第三に、私は責任感を強調いたしたのであります。国鉄の仕事は国民の貴重な人命、財産をあずかる大事な仕事でありますから、従業員は誇りをもってこの職務に従事すると同時に、責任の重大なことを痛感して決死の覚悟でもって臨まなければならず、自分もそういう覚悟で臨むからどうか自分に協力してもらいたいという、この三点を強調いたしておきました。私はそういう覚悟をもって就任いたしましたのでありまが、何分にも私、微力、非徳でありましてその使命を全うすることがすこぶる困難であることを深く反省いたしておりまして、皆様の力強い御指導御鞭韃によってこの大任を果すことのできますようにこいねがってやまない次第であります。  就任に際しまして一言ごあいさつを申し途べさしていただきました。ありがとうございました。
  128. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいま十河総裁から御就任に際しての決意の御披瀝があったわけでありますが、ただいま当委員会としては昭和二十八年度国鉄決算告書を審議いたしております。ここにあげられております十五件につきまして、会計検査院から批難事項として議案があげられているわけであります。これにつきまして総裁としての今のごあいさつに関連して、今、当委員会に議案として示された問題についての総裁のお考えをお伺いしたいと思います。
  129. 十河信二

    説明員(十河信二君) この案件を一通り私調べまして、少し職員の間で気がゆるんでいる点がありはしないか、また相互の間に連絡の不十分な点がありはしないかというような点を感じたのであります。そういうことにつきましては、それぞれその職員は処分を受けているようであります。なお今後そういう点を厳重に取締りをいたしいと存じております。  それから海陸運輸の問題がここに議題になっているようでありますが、これは国鉄におきましても海陸運輸が事実上独占しているような形になっていることは好ましくないというので、全国一括を改めて六ブロックに分けましてそうして希望者をつのったのであります。不幸にしてこの会社が一社で引き受けるようなことに相なって、事実はやはり独占のような形になっております。全体を見ますると、ある個所では幾分高いような気味の所もあるらしいのでありますが、他の個所においては安くなっておって、全体としては不当に高い請負賃金になっていないように承知いたしておるのであります。なお、これらの点につきましても、今後十分注意をいたして、疑惑を受けることのないようにいたしたいと存じております。
  130. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に本議案に対しまして会計検査院側説明を伺います。
  131. 大沢実

    説明員大沢実君) 三百三十一ページから簡単に申し上げたいと思います。まず最初に事業損益について書いてありますことは、ただ事業損益の内容を申し上げたのでありますが、ただ一言お断わりいたしておきますのは、三百三十二ページに回りましたところに、各部門別の、鉄道、船舶、自動車の部門別の損益記述したのでありますが、これは国鉄の方も正確な部門別の計算をまだされていないので、取替補充費というのは二百七十億あるのでありますが、それを減価償却の配分した結果はこういう数字になるのであります。これを見ますと自動車は非常に損しているという格好になっております。しかしながら国鉄の方で言われるのは、自動車の方は取替補充費がそう違ってないので、さほど大きな損は出てないと言っておられます。正確な数字は出ておりませんが、傾向としましてはやはり自動車が損になっておるというのは確かでありますが、傾向としましてはここに出ている金額はそうした仮定上の計算から出ておるということをお含みおき願いたいと思います。  次に連絡運輸収入及び貨物後払運賃の未収金の問題を掲げてありますが、これは二十七年度検査報告にも掲げまして、ここでいろいろ御意見のあったところでありますが、二十八年度末の状況を見ましても、二十七年度末を見まするとさほど好転しているとは思えない、何とか抜本的な処置を講ずる必要があると思うのでありまして、このうち後払運賃に関しましてはこの前もこの席でお話がありましたように、昨年の暮に国鉄とされましても相当強硬な回収措置と申しますか、おくれれば後払契約を取り消すという処置をとられたので、将来こうした事例は減ると思います。ただ問題は現在この未回収額を早期に回収するというのが残された問題だと思います。連絡収入の方はまだなかなかいろいろな問題がありまして、依然としてはかばかしくないように思います。  次に三百三十三ページに工事の進捗状況についてというのが書いてありますが、これは大体におきまして予算の配付といいますか、こういう仕事をするという本庁からの予算の配付は比較的早く出しておられる、年度の前半期にほとんど大半のものが予算の示達は出しておられる、ところが実際に各現場現場で契約をする、その他債務の負担をする実績を見ますると、これが第四・四半期におきまして全体の三六%というものがようよう債務負担されておるという状況でありまして、年度末工事におそ出しということが依然として改まっていない、これはせっかく予算の示達もありますのですから、もっと設計その他を急がれて、予算の適正な使用にもう少し努力される必要があるのじゃないかと思っております。この頃の最後に、なお書きで書いてありますのは、たとえば一つの建設線の工事をするという場合には、一人の請負業右が長いトンネルを掘ったりいたしますのに、その年度予算だけではとてもできない。ところが国鉄におきましては現在継続費制度を法令上は認められておりながら、予算上まだ計上しておりませんので、やむを得ずといいますか、一つのトンネルを掘るのに一括しまして入札しまして、そのうち当該年度予算のある分だけを切り離しまして契約しまして、あとは覚書を締結しまして、この分でこの段階を将来やるのだという覚書をかわして工事を施行しております。しかしこの覚書制度というのは別に予算上、あるいは法令上認められた制度ではなくて、ただ便宜上、ほんとうに分割してしまえばあるいは契約が高くなる危険があるので、一括して入札してみてやって行くという便宜の方法をとっておるのでありますが、むしろそうするならば一歩進んで、特に建設線のような重要な施行は継続費として要求されて、そして翌年度分も合せて正規な入札をして、正規な契約を締結して行くことが、予算執行上適正ではないか、こう考える次第であります。  次に三百三十四ページから五ページにかけまして、災害応急工事の請負契約についてとありますが、これは特に痛感しましたのは、二十八年の九州災害あるいは和歌山の災害というのを見ますと、どうしてもこれは一日も早く復旧しなければならぬというので、即座に請負人を選定しまして工事に着手しました。そしてあとになりまして予定価格を算出しまして、そして契約するという手続をとっておるわけであります。これはやむを得ないかと思いますが、われわれから考えますと、その場合に予定価格と言いましても、これはどうしてもはっきりとつかめないのでありますから、工事が始まりましたら概算契約でどこそこを誰に請負わせる、大体このくらいの金額であると、昨年の結果によるというか、概算契約をさせて、そして工事現場に監督を派しまして、材料の搬入状況あるいは人夫の出づらというものも実際に監督させて、そしてそれに適正な単価を付して、いわゆる実費精算、それに適正な経費率と利潤を加える形で最後に精策する、こういう方法をとらなければこの災害応急工事の請負というものがまあいわばいろいろな危険といいますか、思わない出費を内蔵しておりますので、そういうのを全部予定価格に繰り込んで、一括予定価格で契約するということになりますと、請負人も勢い危険率を多く見て契約価格に応ずることになりますので、かえって不利になるのではないかというふうに感ずる次第でございます。  それから次に三百三十五ページから六ページにかけまして、工事施行に関する部局間の連絡についてと書いてありますのは、各部局間でもう少し連絡をよくすればあるいは施行をおくらしてもよかった工事もあったろうし、重複してしなくてもいい工事もあったろうということでありまして、具体的にはのちほど述べます二千二百十二号などがその例でありますが、そのほかにもたとえば建設線の予算が来たので、まず事務所のいろいろな工事施設、現場の詰所とか倉庫などを契約する、ところが実際におきましては契約した年度末におきましては翌年度予算が計上されましてばっさりと新線建設の予算が削減されて、おそらくその新線は継続施行の見込みは当座のところはないんだということが本部の方がわかっておったであろうころに契約されて、いろいろな倉庫や詰所を作る、それが結局予算が打ち切られたために、そのままになって、何といいますか、一つの未稼動の施設のままで残ってしまうというような事態があります。また同じ線を電化工事のために工事しまして、直ぐあとこれをレールを長尺化するためにまたせっかくした工事を直ぐ取りはずしてしまうというような事態もありまして、こうしたものは長尺化ということを計画的にするならば電化と並行してレールの長尺化をはかっておけば二重工事の必要はなかったと思われるような例もあるのであります。  次に資材の過大調達について、これは全般的な問題でありますが、大黄観察をしました結果によりますると、東京、関東方面あるいは大阪を中心とした関西方面の資材部の手持ち材料を見ますと、一年間の払い出し以上に年度末の在庫をしているという例が相当あるのであります。この例をここに計数的に掲げてあるわけでありますが、これは需給計画をはっきりしてこの過大調達にならないようにという努力、これは相当されてはいるのでありますが、さらに一そう努力が必要であるのではないかと、こう考える次第でございます。  以上総論的に掲げてありますことの御説明を終りまして、次には相当件数もありますが、おもなものだけ御説明したいと思います。最初に三百三十七ページに書いてありますもので、二千二百十号は、関東地方資材部で、購買課の職員一人がほとんど契約から支払いから全部を担当しておったために、いろいろな支払い関係番数を偽造するなどしまして架空払いをしまして、この報告には三百四十一万三千円と書いてありますが、その後調べました結果、正規に決議があって契約をして物が入ったというものが、確認されましたものが、このうちの五十一万二千円ほどが出てきまして、結局、実際に架空払いをしたのは二百九十余万円ということになっておりますが、こうしたものが一職員のために消費されてしまった。これは、結局、内部における牽制組織が十分に行われていなくて、一人が全部の仕事をやっておったためにこうした結果になったのでありまして、われわれ検査のときに、あまりにもいろいろな帳簿が、あるいは鉛筆書きで書いてあったりして、おかしいので調べた結果出てきたのでありまして、はなはだ遺憾なことであると思っております。なお、この二百九十万という金額は、たしか三月末でありましたが、全額当人から回収しました。これは家屋を売ったり、あるいは親戚から出して回収したそうでありますが、当人は懲戒免職になっております。なお、その他の関係者の懲戒処分もされております。  次に二千二百十一号は、読んでいただきまして、なお必要に応じましてあとから御説明することにしまして、二千二百十二、十三は飛ばしまして、三百四十一ページの二千二百十四号、これは名古屋の電気工事事務所で、電化した電線を引っぱるための装置を、滑車式張力自働調整装置という装置を浜松から名古屋のそばの稲沢の間に施行したのでありますが、まず、その材料におきまして、滑車の材料というものを図面計算したのでありますが、その計算を誤まったために、まず根本的に滑車に要する銑鉄材料というものを誤まって計算した。そして、その価格も当時の市価に比べると高いもので単価を算定した。そのために材料費が相当高くなった。またこれを装置するための歩がかりというものも他の例から比べますと、他の例といいますのは、ここに例にあげておりますのは、東京の山手線を電化しましたときに、同じような工事をやったわけでありますが、その例から比べると、歩がかりが相当甘いのではないか。本件が大体一個当り金額に換算しまして一万六千円程度の労務費を見ておるのでありますが、山手線の場合には一万円程度のものでやっている。もっとも、これは山手線と東海道線ではちょっと違いまして山手線の方は夜間が完全に電車が運行を休止する時間が数時間あります。その間は何ら電車に心配なく工事ができる。ところが、東海道の方は夜間でも貨物列車や客車が運行しておりますので、とうてい数時間も工事ができる時間がないという違いはありますが、あまりにもその開きが多いのではないかと考える次第であります。これは少し予定価格の算定が甘きに失したのではないかという感じがするのでありまして、検査院の計算では、七百四十万円くらい違うのではないかというように計算しましたが、これはあとから考えますと、多少きつ過ぎる計算でありまして、たとえば浜松から稲沢の間の工事でありますから、その間は人夫は宿泊をしなければならぬ場合があるのであります。これも一応歩がかりに計算しなければならぬ。東京の場合は、これは宿泊を要せずに、山手線ですから、工事ができるというような関係がありまして、これは多少七百四十万円という金額がきつ過ぎたと思うのでありますけれども、少くとも数百万円は高価に失したのではないかと考える次第であります。  次の二千二百十五号、十六、十七は一応省略いたしまして、三百四十七ページの二千二百十八号、これがただいま総裁からもちょっとお述べになりました石炭荷役でありますが、これはどういうようにして契約をされているかといいますと、各港で、これは大体石炭荷役をしておる港が三十六カ所ほどあるのでありますが、その各港の石炭荷役の予定価格というものを作られて、そして、予定数量、どのくらい扱うという予定数量をそれにかけて、それを全国の金額を合せたものを一つの予定価格としまして、そして、入札させるのであります。全国のものを全部扱うという入札でありますので、結局参加者は、日本海陸運輸株式会社、日本通運が参加しかかってやめたように記憶しておりますが、結局、これ一社がほとんど入札して契約したという状態でありますが、その内容を各港について調べようと思いまして、二十八年度におきましては、全国三十六ヵ所のうち十六カ所、個所にすると約半数でありますが、取扱い数量にしますると約七四%の取扱い数量を扱っている港港を一応実情を調査したわけであります。その結果、特に著しいと思いましたものをここに掲げたのでありまして、そのほかの点も、これは安過ぎると思われる点、安いと思われる点はちょっと見当りませんでした。このうち(1)に書いてありますのは、国鉄川崎埠頭、そこの荷役を見ますると、国鉄機械で船から貯炭場まで持ち上げて落しているのでありますが、その予定価格をつくるときには、船内荷役料、いわゆる港湾作業法に基いてきまっておりますところの船内荷役料と沿岸荷役料、これを加えたものに一応基準として、それから機械荷役の方の割引を幾らというようにして計算されているのでありますが、これは国鉄機械を使って一貫作業をしているのだから、もっと安い料金で、いわゆる特別料金と言いますか、そうしたものを設定してやる余地があったのではないかというように考える次第でありまして、隣の三井川崎埠頭におきましては、一貫作業の分を、船内荷役と貯炭場までの料金と合せまして、トン当り三十三円であった。まあ直接それに行かないとしても、相当安い料金を設定して、予定価格をもっと引き下げる余地があったのではないかというように考える次第であります。  次に(2)は、隣の三井川崎埠頭でありますが、これは今のように、機械荷役の方は料金を安い値段にしておるのでありますが、今度は、夜間荷役というものを非常に大きく見ておる。全体の数量七〇%以上のものを夜間に荷役するということで予定価格をはじいておられます。これは、夜間荷役料を払うというのは、荷主の都合によって夜間荷役を要請するという場合に夜間荷役は割増しがあるのでありますが、国鉄の場合として、そうまで夜間荷役を要請する必要はないのじゃないか。会社の実態は、何か仕事の都合で夜間に荷役をしているようでありますが、それは会社の都合でありまして、予定価格積算の場合には、そうした点は、そういう七〇%以上の夜間荷役というような考慮をする必要はなかったのじゃないか。それからもう一つは、一応、揚げるのに、本船から直接引き揚げるのと、一度、はしけ取りをして揚げるのと両方の荷役方法があるので、はしけ取りで二三%揚げるという計算で荷役料を計策しておるのでありますが、実際に行なっているのを見ますると、七%程度のものしかはしけ取り荷役は行なっていない。そうした点からも予定価格は甘いのではないか。こういうふうに考える次第であります。  それから(3)の西戸崎港における船積炭、これは九州の例の志免鉱業所から出てくる炭を船積みする荷役でありますが、これは全部出てくる炭は中塊炭の沿岸荷役料を一応計算の基準としてやっておられる。ところが志免鉱業所の石炭というのは、非常に粉炭が多いのであり産して、実際に二十八年度のここで荷役した炭を見ましても、その四〇%は粉炭だけを扱っておる。そうすると港湾作業の料金できまっております荷役料というのは、中塊炭と粉炭では粉炭の方が非常に安いのでありますから、むしろ実情に応じた予定価格、つまり粉炭の率が多いということを考慮した予定価格をもって臨むべきではなかったかと、こういうふうに考える次第でありまして、(1)(2)(3)を総合しまして、多少われわれの計算はきついかと思うのでありますが、それによって見ますと、約二千二百万円程度のものはもう少し引き下げ得たんではないか。必ずしもこれに引き下げなくても、そうした予定価格を置けば、もっと有利な契約ができたんではないかというように考える次第でございます。  三百五十ページに右のほかとして、(1)、(2)、(3)に書いてありますのは、今まで申しました具体的な事例を全般的に及ぼす必要があるのではないかと考える次第でありまして、(1)に書いてありますのは、夜間荷役は全体で三一%もの夜間荷役を全国平均やっておるのでありますが、これをもっと夜間荷役の率というものを引き下げ得るのではないか。それから機械による一貫作業による場合には、特別な料金というものを設定するように交渉して、料金を引き下げ得るのではないかというような点を記述してあるわけであります。  それから次の三百五十一ページの二千二百十九号石炭がらの処理当を得ないもの、これは東京鉄道管理局管内の各個所で発生する石炭がらの取り捨て作業でありますが、これを見ますると、大体において貨車に積み込む、それから貨車からおろすと、その料金を一応計算しまして、この取り扱いの数量の中の二五%相当額のものは一立米六十円でその請負業者が売れるであろうということを想定しまして、その金額を、基準としました金額から差し引いたものを全体の所要経費と見まして、それを取り扱い数量で割って、一応予定価格を策定した、大体その予定価格と同じくらいな金額で契約しておると、こういう事態でありますが、いろいろと話を聞きまして、この近郊の実情を調査してみますると、この請負人の方はその鉄道から出た石炭がらというのはほとんど全量を需要者に売却しておるような状態であって、自分が捨て場を持って捨てているという例はわれわれの調べたところではないような状態であります。結局この東京近郊は住宅の敷地、埋め立てその他に相当石炭がらの利用が多いのでありますから、これは全部売れてしまったのではないかというように考えております。もしもこれが全部六十円で売れたという計策になりますると、この石炭がらの処理の請負料金というものは相当低価になったのではないか、われわれの計算でしますると約三百二十円ほど低価に契約できたのではないかというように考えられる次第であります。なお、これに関連しまして各駅の実情を見ますと、まあいわば簡単に言いますれば請負人まかぜになっておる。保線区長が証明すべきものを請負人が証明していたり、駅長が発行すべきものを請負人が勝手に発行していたりというように、ほとんど請負人まかせにして石炭がらというものが処理されておるという状態でありまして、もっとはっきりした契約をきめて、この石炭がら処理というものの根本的な対策を講ずる必要があるのではないかと考える次第であります。なお本件につきましては、その後東京鉄道管理局におかれましてもわれわれの考えを相当考慮に入れまして、この点は相当改善をはかっておられるようでありますが、まだわれわれとしては十分満足し得られないところがありまして、二十九年度も引き続き本件については検討を重ねておるような次第であります。  次に二千二百二十号に書いてありますのは、これは大阪の方でございますが、これは結局石炭がらを請負人が積み込んで持って行って取り捨てるといいますか、所要の所へ持って行くという契約をしながら、実際におきましてはその積み込みを国鉄職員国鉄機械を使って積み込んでおる、それに対して価段の減額をしていないという事態でありまして、契約のときにもっとはっきりして、国鉄職員が積み込むものはそれだけの積込賃は払わぬのだと、当然こうすべきであったかと思うのでありますが、つっくるめて積込費はこれだけだという計算をしておりますために、その分まで請負人に払っておるという結果になっておる事態でありまして、契約の方法あるいはその検査方法というものが妥当でないと考えられる次第であります。  次の二千二百二十一号は、これは高砂工場といいまするが、もとの陸軍の造丘廠でありましたか、それの跡を国鉄の工場にしておるのがあるのでありますが、そこの倉庫のはいがえ作業というものを見ますと、非常に事実とかけ離れまして、一年の間に数回も物を動かしておる。その程度ならいいのでありますが、はなはだしいのになりますと一月の間に全数量を三十五回もはいがえしたというようなはいがえ料を払っております。これは事実に全然合わないではないかというので調べてみたのでありますが、実際に何に使ったかということは記録がないのでわかりませんが、ただ工場側で言われるのは、その他の庫入れだとか庫出しだとかいろいろな作業がある、そういうものを全部一々正確にしておけばよかったやつを、皆はいがえというようなことでやってしまったからこうなってしまったのだということですが、事実の点がはっきりいたしませんので、経理としてはきわめて妥当でない経理である。というように考えた次第であります。  あとの点はお読みいただけば大体おわかりいただけるものと思います。なおまた御質問に応じてお答えいたすことにいたしまして、大要だけを簡単に御説明申し上げた次第であります。
  132. 山田節男

    委員長山田節男君) この批難事項に関しましては、十河総裁の御説明以外にまた詳細に当局の方から御説明があると思いますが、本日は総裁のごあいさつがあったわけでありますから、総裁に対する質疑をお願いしたいと思います。
  133. 島村軍次

    島村軍次君 せっかく総裁御出席でありまするが、だいぶ時間も経過いたしましたから、次回にもう一回御出席を願って、本日はこの程度で打切っていただくことを希望を申し上げます。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  134. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは今の検査院側批難事項に対する説明に対して、経理局長以下見えておりますが、あなたたちの方で総裁説明に対して補足する必要はありませんか。
  135. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 御時間がいただけますれば補足説明さしていただきたいと思いますが、御都合によりましては次回でもけっこうだと思います。
  136. 山田節男

    委員長山田節男君) そうしますと、やはり御苦労さまでも、次回二十三日の午後一時から開始いたしますから、総裁にも御出席願うことにいたしまして……。
  137. 近藤信一

    ○近藤信一君 さっきの連絡運輸収入及び貨物後払い運賃の回収状況ですね、これはたくさん後払いがあるわけなんですが、一件百万円以上でこれだけの件数があるので、この件数は一体どこの会社が滞納しておるかというデータを一つ資料にして出して下さい。
  138. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは委員長から重ねてお願いしますが、今の二十八年度及び二十九年度の資料がほしいそうでありますから、当委員会にお提出願います。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会