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1955-06-06 第22回国会 参議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月六日(月曜日)    午後二時十二分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            青柳 秀夫君            岡  三郎君    委員            石井  桂君            大谷 瑩潤君            西川彌平治君            白井  勇君            白波瀬米吉君            飯島連次郎君            島村 軍次君            三浦 辰雄君            亀田 得治君            久保  等君            近藤 信一君            木島 虎藏君   国務大臣    農 林 大 臣 河野 一郎君   政府委員    農林大臣官房長 安田善一郎君    農林大臣官房会    計課長     武田 誠三君    農林省農地局長 渡部 伍良君    農林省農業改良    局長      小倉 武一君    農林省畜産局長 原田  伝君    農林省蚕糸局長 塩見友之助君    食糧庁長官   清井  正君    林野庁長官   柴田  栄君    水産庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○昭和二十八年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)     —————————————
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまから第十二回決算委員会を開会いたします。  議題に入る前に、本日理事会におきまして御協議願った結果を御報告申し上げます。  先ず第一に、決算委員会開催期日の問題でありますが、従来月、水、金としておりましたが、本会議も将来予定通りに開かれるということも想像できますので、水曜日は当分休みまして、その代り木曜日に、ですから月、木、金と、このように三回やはり従来と同じように開く、かようにいたしたらどうかということに理事会は決定いたしました。  それから、来たる木曜日には、先ほど申し上げましたように決算委員会定例日でざざいますが、この日は内閣委員会会計検査院法の一部改正法律案、これの連合審査をいたすことになりましたので、木曜日は十時から内閣決算連合審査会を開会いたすことになっております。  それから議員派遣の問題でありますが、まだ各省の審議の過程でありますので、とりあえず専門員室の方におきまして、委員が派遣されまして調査する事項、これをあらかじめ調査願う、かように話がまとまりました。なお、現地調査の問題でありますが、電々公社防衛庁、それから国鉄鉄道会館、民衆駅の問題がありますが、過日防衛庁の本庁並びに練馬の陸上自衛隊の第一管区本部を視察いたしましたので、それと並行いたしまして、横須賀の海上自衛隊施設を視察いたしたらどうかと、かようになった次第でございます。なお、電々公社並びに国鉄関係の方は、これがすみまして、いずれまた大体の日程をきめて皆様にお諮りしたいと存じます。  それから次には二十八年度の国有財産の増減及び現在額総計算書外一件の議案でございますが、この案件につきましては、過日大臣から議案提出の理由の説明があったのみでありまして、質疑が残っているわけでありますが、これは来たる金曜日十日に、林野庁決算関係の御審議を願う日に、この議案につきまして、質疑、採決ということにいたしたらどうだろうと、かように理事会において決定いたしましたが、これにつきまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議ないものと認めまして、さように取り計らうことといたします。     —————————————
  4. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に、  昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算、  同じく昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算、  同じく昭和二十八年度政府関係機関決算報告書、  を議題といたします。  本日は農林省所管の分を審議いたします。  実は農林大臣が今しばらくこちらにお見えになれないそうであります。政務次官出席を求めておりますが、これまた十分間ぐらいしたらば出席できるという連絡がございましたが、農林大臣あるいは政務次官出席されるまで会計検査院のこの農林所管決算報告につきましての御説明を求めます。小峰検査第三局長
  5. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 農林省関係検査報告事項について御説明申し上げます。何分件数が非常に多いものでございますから、ごく端折って御説明いたしますが、もし御質問がございましたら、続いてお答えいたします。  まず検査報告の百五十四ページ以下に全体の検査概況——食糧、林野を除きまして一般会計検査概況が書いてございます。従来は御承知のようにいわゆる公共事業災害復旧とか農業土木施設関係公共事業だけに検査全力をとられておったような実情にございます。昨年から、公共事業ばかりやっておりましても、その他のものが非常に多いわけでありますので、全般的に手を広げまして検査をやったわけであります。  まず第一に従来からやっておりました公共事業のうちの農林省直轄でおやりになった仕事補助事業としておやりになった分でなしに、直接におやりになった仕事、これも従来はあまり手が及ばなかったのでありますが、昨年、全国八十四事業所ございますが、このうち三十五事業所を選びまして検査をしたわけであります。そういたしますと、補助事業で従来問題になっておりましたのに類似の事項相当に出てきておるわけであります。工事出来高不足とか、あるいは数年前に建設省で問題になりました架空経理幽霊人夫予算を現金化いたしまして、それをまた工事費に還元する、あるいは他の用途に使う、こういうような架空経理ども出てきたわけであります。  それから第二に、公共団体あるいは農業協同組合、これが行いました災害復旧とか土地改良に対する補助検査でありますが、これは従来先ほど申し上げましたように、ほとんど検査能力全力をあげて検査していたわけでありますが、昨年も従来に引き続きまして検査をしたわけであります。何分にも工事個所が七万一千個所ばかりございまして、私どもとしてはようやく六%ぐらい、四千三百個所ほどしか検査ができなかったのでありますが、従来と同様の不当事項というのがたくさんに出ております。代表的なものを申し上げますと、事業主体自己負担をする、これを嫌いまして請負代金を値切る、その結果、工事が非常に疎漏になってすぐにこわれてしまったようなものさえあるのでありますが、そういうものが相当に出ております。それから公共事業補助工事でありますが、これは御承知のように検査院検査事後検査であります。工事をやってしまって補助金が行ってからあと検査に回るというのが普通のやり方でありますが、従来これをやっておりましたが、何年たちましても、どうもあまりよくならない。はなはだ遺憾でありますが、そういう実情にあるわけであります。これを大体大ざっぱに分けますと、査定のときに、査定がうまくいかないために出る不当事項、それから査定はいいが、工事施行がまずいために起きる不当事項、こういうふうに大ざっぱに分けて二通りになるわけでありますが、従来はこの査定の欠陥による不当事項というものはなかなかあとで参りまして毛わからない。たとえばわかっても、あとから文句を言っても始まらない。便乗工事なんかは、もうせっかく工事をやってしまって、でき上ってから、これは便乗じゃないか、補助金を返せと言うわけにも実際問題として参りません。それでこれは早目検査をした方がいいのじゃないだろうか、こういうふうなことを考えておりましたところが、御承知のように、二十八年災害というのは未曽有の大災害で、しかも特例の法律がたくさんに出まして、国庫負担率が非常に高くなる、こういう事態になったわけであります。そこでこれはぜひ早目調査をして、かりに過度の便乗だとか、あるいは水増しだとか、そういうものがあるならば、早目に振り落してしまった方がいい、こういう観点から災害の多かった県を選びまして、たしか十六府県だったですか、このうちのこれがざっと五万六千カ所くらい災害査定がついたわけでありますが、これを選びまして、そのうち二万三千カ所ばかり早期の調査をしたわけであります。そういたしますと、非常に意外だったんでありますが、二万三千のうち一万六千余りについて、われわれとして直してもらわなきゃいかぬのじゃないだろうかというようなところが出てきたのであります。いろいろ査定は、農林省査定権限をお持ちなので、私どもとしては、農林省に御注意して査定を修正していただく、こういう方法をとったのでありますが、今の一万六千七百カ所、全体の工事費にいたしまして八十七億円というものが減ってしまったわけであります。これは非常に大きな、私どもの予想していた以上に大きい金額なので驚いたのですが、今年は昨年の経験にかんがみまして、二十九年災害、それから二十八年災害で、昨年私どもが見られませんで、しかも工事に着手していないという個所相当にあるわけでありますが、この未着手個所、二十八年災の未着手個所と、それから二十九年災に対する新らしい査定、これを選びまして、一月から四月までの間、災害の多かった所を歩いて見ました結果、今年はこの金額がずっと減りまして、それでも十五、六億円は減るのじゃないだろうかという、こういう予想を立てております。  それから農林省補助金は御承知のように種類が非常に多うございますし、金額相当にかさんでおるのであります。二十八年度は災害が多かった関係もありますが、補助金が七百二十六億円という大きな補助金が出ておるのであります。この七百二十六億円のうち、五百億というのが今申し上げました公共事業関係、主として災害復旧でありますが、災害復旧、それから土地改良、こういう公共事業関係補助であります。残りの二百二十六億ばかりが公共事業でない、私ども俗に一般補助と言っておりますが、牧野改良とか、あるいは農薬補助、こういうような工事関係土木工事公共事業以外の補助、これがいわゆる二百種類ほどあります。そうして金額にして申しますと、今申し上げた二百二十六億と大きなものになりますが、これは従来は公共事業関係補助検査に追われまして全然手をつけていなかったのであります。昨年はこの方面にも手を伸ばしまして、全国ばらばらに、なるべく各ブロックごと全国にわたって歩いたわけでありますが、約九千八百くらい町村がございましたが、当時はそのくらいあったのでございますが、そのうち二百八十カ町村、一県について大体二十カ町村を見て歩いたのでありますが、そうすると、わずか二百八十くらいだったのですが、二億円ばかり補助不当払というものが見付かったのでありますが、本年も昨年の経験にかんがみまして、一般補助検査というのは一月から現在まで引き続きやっております。  大体総括的な御説明はそのくらいにいたしまして、今度個別的なもので代表的なのを一つ二つずつ拾いまして御説明いたします。  まず先ほど申し上げました農林省直轄工事補助でない、国が直接におやりになった直轄工事の中から出ました不当事項、九百三十号でありますが、これは佐賀県の有明干拓建設虚業所、ここで架空経理をやっていたわけであります。これは幸い不当な使い方・たとえばこの前問題になりました北海道開発庁で飲み食いに使った、こういうような使い方は比較的少い。工事費幽霊人夫なんかで落しまして、予算を落して現金化して、それをまた工事に還元をするという、架空経理としては典型的なあれでありますが、金額相当に大きくなっております。  それから九百三十二号、これは直轄工事施行が非常に粗漏だったという代表的な案件であります。これは阿武隈川の上流でダムを作っているのでありますが、ここでダムの表面に水が入る所は石を張ったわけであります。その石を直接張りますと、いろいろすき間が出たり何かしていけないものでありますから、土と石の間に砕石を入れるわけであります。砕石の質が非常に悪いために、入れて間もなくもう全部風化してしまっている、こういうケースであります。全部これは手直しをしてもらうことになっております。  それからあとずっと同じようなケースがございますが、これは共通的に気がつくことは、今申し上げましたのもこれは間組であります。日本の土建業者としては一流中の一流であります。で、この表にしておりますが、ずらっとごらん願いますと、五大業者と言われるような、皆一流中の一流業者工事手抜きとか、そういうのが目立つのであります。これは建設省関係ではこういうことはあまり身受けないのでありますが、農林省直轄工事では一流業者相当手抜きをやるということが昨年わかりまして、私どもとしては驚いたのであります。今年もこの直轄工事につきまして、昨年検査のできませんでした約五十カ所、五十事業所というのを中心に検査を進めております。昨年検査をしましたところも合せて見ておるのですが、昨年検査を済ませたところは非常に経理がよくなっております。問題がぼつぼつ出ておりますが、これは昨年検査しなかったところが大部分でありまして、今年やりますれば、直轄工事経理というのは相当に改善されるのじゃないだろうかと、こう考えております。  それから少し飛びますが九百五十号、これは印旛、手賀沼のあの大きな干拓工事をやっておりますが、あそこで使うということで、とてつもなく大きな機械を作ってしまったわけであります。あそこは地盤の非常に悪い所でありまして、大きな機械を持っていっても使いものにならぬ、こういうので、結局これは全体で二千九百万円ばかり金をかけましたが、使いものにならないので、現在はほかへ移してしまった、こういうケースであります。  それから次は補助事業の代表的なケース一つ二つ拾いまして御説明いたします。何分にも数が非常に多いものでございますから、一覧表にしてございますが、この中から代表的なケースを幾つかここに並べたわけであります。代表的なケースも二十件以上はございますが、この中から一つ二つよって御説明いたします。  百七十二ページの(3)というのでありますが、これは災害を受けていないものを含めて査定がついてしまったわけであります。架空工事とわれわれ言っておりますが、最も質の悪い工事になるわけであります。災害を受けていない部分を含めて補助申請をして、それがそのまま通ってしまった。それで金が余ったものですから、これを村の一般経費に使っている、こういうケースであります。  それから次の(4)の飯田のケースでありますが、これはやはり工事出来が非常に悪いのですが、これは二十八年災害で、御承知のように九割の国庫補助ということで、非常にこれは二十八年災害に対しましては国庫補助率を上げたのでありますが、依然として工事費の六割五分ぐらいで工事をやめてしまって、ここにございますように全然市は負担をしていない、こういうふうになっておるわけであります。  (6)の名張、三重県の名張でありますが、これは建設省農林省と同じ一つ災害に対しましてダブって、査定がついてしまった、補助金二つ分もらって、そのままにしておった、検査の結果これがわかって返えさせる、こういうケースであります。  それから百七十七ページの、(11)山口県の佐波郡出雲村のケースであります。これは昨年の検査報告にも書きましたのですが、今年で大体二十六年災害は終りますので、総まとめにして書いたのであります。これは新聞なんかに出まして非常に有名になってしまったケースでありますが、一つの貧弱な村に対して七億二千万円、それから裏にございますが、八坂村、これは出雲村の隣村でありますが、これに四億九千六百万、こういう大きな査定がついたわけであります。そして村としては、一億円余り負担しなければならん。この村は大体村税が四千五百万円という貧弱な村でありますが、こういうようなところで一億円以上も負担しなければいかんような査定がつくということに、いろいろ間違いのもとがあるわけであります。工事出来余りよくない、それから自己負担もしていない、こういうようなことになっておるわけであります。  それからもう一つ、(17)の大分の玖珠郡の森町でありますが、これも先ほど申し上げましたように、請負代金を非常に値切ってしまった。その結果これは自己負担しないで、百七万円いった中で二十七万円を町の一般経費に使っている。その報いといいますか、工事が非常に雑で、ほとんどこわれかかっていた、こういうケースであります。  今まで申し上げました内容農業施設でありますが、漁港ケース一つ申し上げておきます。  百八十二ページの二であります。愛媛県のケースでありますが、防波堤の災害復旧をしたということになっておりますが、工事出来が非常に悪い。そのかわりに三百八十四万円いった補助金のうち九十八万円余らしちゃったこういうケースであります。  それで大体公共事業事後検査というものについてはざっと申し上げたわけでありますが、先ほど申し上げた査定事前調査のことが百八十六ページ以下にまとめてございます。この中から一つ二つ、代表的なケースを御説明しておきます。  まず百八十九ページの、(2)熊本県阿蘇郡小国村であります。これは御承知のように、山の中の寒村でありますが、ここへ三億六千六百万円という大きな査定がついたのであります。災害相当にひどかったのでありますが、これの内容をみて参りますと、建設省とダブって査定がついていたり、あるいは設計が非常に過大になっていたというのが相当に出てきたわけでありますが、それでダブった一番ひどいのは、あの村の中で北里川という小さい川がありますが、この復旧事業五千百万円、これは小さい川でありますが、川一本そっくりダブっておった。農林省建設省との両方から五千万円以上の復旧費がついておった、こういうケースになっております。それで先ほど申し上げました三億六千六百万円という査定の三五%、一億三千万円減ってしまった、ずいぶん大きな減り方であります。  それから百九十二ページの(6)、これは舞鶴の漁港災害復旧でありますが、御承知のように写真をつけて災害復旧を申請いたしますが、その写真がにせものだった、よその写真をつけて出して査定がついてしまった、こういうちょっと珍しい例であります。  それからその次の百九十二ページの(3)、これは和歌山県の御坊、ここもずいぶんひどく災害を受けたのでありますが、この土砂の排除ということにずいぶん大きな査定がついたわけであります。ところが行ってみますと、排除しなくてもいい耕土に非常に向いた土が入っておる所があります。それから被害が軽微でわざわざ復旧事業をしなくてもいいという所がある、それから町営住宅の敷地にする、そこまで農林省災害復旧費査定がついていたというので、これも相当に減ったわけであります。  以上で公共事業関係の御説明は終りますが、最後に一般補助公共事業関係でない補助金、これは昨年初めてやってみまして、先ほど申し上げましたように全国で約二百八十町村を選んでやったのでありますが、これが私ども想像していた以上にどうもよくないというので、二億円ほど昨年は出たわけであります。二百三十億のうち、全国約九千余り町村にばらまかれたわけでありますが、しかし私ともが二百八十カ町村検査しましたら、不当だと思われるものが約二億あった、こういうことになっております。これは非常に小さいけれども、国の予算としては相当に大きいのであります。末端の補助金受給者というところへいきますと、非常に小さいものになってしまう、ひどいのは、これは静岡であった例ですが、農家一軒の農薬補助金が一円なんというのもあります。こういうのは全くのむだ金になってしまうわけであります。そういう非常に小さいものもかなり出ております。百円以下というのは相当にあるようであります。それからこれは特に昨年は御承知のように、災害冷害対策とか凍霜害対策とか、こういう災害関係補助金棟類金額もかさんだのでありますが、この災害関係一般補助というのが特に悪いようであります。経常的なものについては、かなりうまくいっておるものも多いのでありますが、こういう臨時的な冷害対策とか何かは予算の成立が非常におくれたりなんかした関係もあったのですが、これが成績がよくない、こういうことになっております。  大体ざっとごく大ざっぱでございますが、御質問がありましたら、お答えすることにいたします。
  6. 山田節男

    委員長山田節男君) 農林省関係で今日出席をされておるのは河野農林大臣、それから向って右から前谷水産庁長官柴田林野庁長官渡部農地局長清井食糧庁長官塩見蚕糸局長、ほかに小倉農業改良局長武田会計課長及び原田畜産局長見えております。  それでは次に、河野農林大臣から二十八年度の農林省所管決算について説明を求めます。
  7. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいま御審議を願っております二十八年度の農林省所管決算につきましては、二十八年度が御承知通りに非常に災害が多うございまして、そのために災害関係予算復旧費もしくはこれが善後処置の支出につきまして、会計検査院の御調査の結果、非常に不当もしくは遺憾の件数が多かったことは、まことに残念でございますが、私といたしましては、これらの善後処置につきましては、それぞれ責任者帰趨を明確にいたしまして、責任をとるべき者につきましては、それぞれ責任をとらせ、今後再びこういうことのないように十分注意、監督をして参るつもりでございます。なおまた、詳細につきましてはお尋ねによりましてお答え申し上げることにいたしたいと思います。
  8. 山田節男

    委員長山田節男君) 河野農林大臣委員長からお伺いしますが、今あなたがお見えになる前に、会計検査院側から二十八年度の決算報告について説明があったのです。これはもうあなた衆議院においても御承知のように、衆参両院とも決算委員会におきまして、やはり金額、それから扱い件数、こういう点から言いまして、農林省政府官庁の中で最も金額件数も多いわけです。従って会計検査院から批難事項として国会に報告される件数金額も非常に多いわけです。これにつきましては、もうすでに昭和二十六年、七年以後におきまして、当決算委員会としましては、何とか一つこういったような批難事項を減らすように最大の努力をしなくちゃいけない。またそうしますと、これはあなたの前任者大臣をはじめ、各官庁政府委員として出ておられた人が、口をそろえて責任をもってこういう件数を漸減するように努力いたします、かように言いながら、依然としてこういったような事態を起さなくちゃならないということは、まことに遺憾に思う。ことに二十八年度につきましては、先ほど大臣もちょっとふれられましたが、例の未曽有災害がありましたために七百三十億に近い国庫の金を出しておるわけです。その中で五百億はそういう災害関係復旧費公共事業費として支出しておるわけです。それに対しまして会計検査院がこれを未然に、工事着手前にこれを検査してみますると、八十七億余というものが減額されなくちゃならん、こういう事態が発生しているわけなんです。こういう事態が、今日またあらためて二十八年度の決算報告に出るということは、これはまことにわれわれとしては遺憾きわまることで、今大臣がきわめて簡単にあしきことはあしきと反省して、責任帰趨を明らかにする、こうおっしゃいましたが、これはもう当然のことであります。これはいずれまた各委員から御質疑があるかと思いますが、一応私から河野農林大臣に対して、ただここで謝罪をするとか、またしかるべく善処しますというだけでは、ことに参議院の決算委員会としては、それだけでは了承し得ない。ことに河野農林大臣は御就任以来、きわめて積極的な農林行政をおとりになっておる。それを裏付けする、こういったような予算の執行に関して、これは私は十分一つ積極的にやってもらわなくちゃならぬ。で、今これについては十分善処するとおっしゃいましたけれども、たとえば内部監査で、あなた御就任以来、いろいろこういう方面の御報告をお受けになっておると思う。しかし今後これを具体的にどうするか、また公務員等の懲戒の法律によりまして、懲戒の処分であるとか、行政的な処分であるとか、あるいは予算執行に対して罰する法律もあるのでございます。こういうような事態を、今後これは絶滅することはもちろん、他の省を例にとりますと、たとえば建設省のごときは、きわめて顕著なる改善の結果が現われてきておるわけです。農林省におきましては、いろいろな事情がありましょうけれども、こうした多数な件数、多額な予算が国民の負担となっておるものが不適当な、あるいは不正な使途に向けられておる。これは大臣としても十分私は政治責任をおとりになっておるだろうと思いますが、今の簡単な御説明はこれはまあ一応私は概論的な御説明であろうと思う。ここに出席されておる政府委員説明を聞くまでもなく、大臣として今後こういう点をどうして改善するか、これは所信がおありになれば、一つ二つの具体的なあなたのお考えはあるだろうと思う。もしあれば、一応各政府委員質問する前に、大臣の口から具体的な御所信を伺いたいと思います。
  9. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 大へん適切な御指示を頂きまして、この機会に私から一言申し上げて、御注意を頂戴いたしたいと思うのであります。  御承知通り農林省予算の編成から考えてみましても、私は実は大臣に就任いたしましてから、たまたま予算の編成もある程度進んでおる中間に就任をいたしました。その後御承知通り選挙を済まして、第二次鳩山内閣となり、あらためてここに予算を編成いたしたのでありますが、予算を一朝一夕にして抜本的にこれを再編成するということは、なかなか困難なことは皆さん御承知通りでありますが、ただいま農林省予算を極く大略ごらん頂きましてもわかるように、三百余種類にわたる補助金になっております。この補助金になっておるものが農村のわが国の実情からみて、むろんいらんものがあるわけでもございませんし、むだなものがあるわけでもないことは御承知通りでございます。たまたま敗戦から占領政治、この大きな変革にあたりまして、そのつどそのつど必要な額をつけ加えて参って、今日のような予算になっておることも御承知通りであります。従いましてこれらの予算の運用に当りましては非常に細分化されまして、それがこまかな面に施行するようになっておりまする関係から、非常に手が余計かかったところから、監督するにも、それが末端の非常にこまかな面に参りまして、これが農村振興の助けになっておるというような関係になっておりますので、まま御指摘になるような、また今日の決算の状態になって現われてきておることも一つの原因だと私は思うのであります。  その次には、急激に災害等が出て参りますと、この災害に対応するために人の配置をいたしておりませんので、にわかに災害の復旧をいたさなければならぬ、災害の跡始末をいたさなければならぬということになりますと、限られたる人手で、そこに急激に膨張した予算の運用をしなければならないということになりますので、どうしてもずさんになりがちになり、そこにこういう結果を生んでくることになるんだろうと思うのであります。これらの原因結果について深く私は考えまして、できる限り明年度予算の編成は従来の予算の編成とは抜本的にこれを改革いたしまして、あり方を変えて参りたい。今までのようなこまかく分割された予算の数字でなしに、もう少しこれを集約して、そうして日本の農業のあり方に合致するような予算を組んでゆくことがいいことじゃなかろうかということを考えまして、せっかく明年度予算については、そういう方向で現在の農林省予算を根本から変えて考えるようにやっていきたい。もし私がその衝に引き続いて当ることになりますれば、私はぜひそういうことにして、今御指摘を受けておりますような結果の生れませんように、よく筋の通った、太い筋で太く筋を通して、しかも農村にこれが影響して参ることのできるような補助助成の方法を行ってみることにしてみたい。  また災害等の起った場合につきましても、今までのようなやり方で参りますれば、どうしても私はここで今後いかに十分に監督いたしましても、災害の発生と現在の農林省の機構との関係から、どうしてもこういうことが起りがちでありまして、さればと申して、これをこのままにしてよいということはありませんでございますから、私はこの国会が済みましたならば、直ちにこれらに対して対応策として十分な一つ決意をもって当って参りたい。私も在野時代にこの予算の運用に当ってこういうふしだらな点があり、しかも国民に非常に重い負担をかけておりまする金の使途が、しかも有効的に使われなければならない農村に対する金の運用が、こういう状態になっておることは、非常に遺憾に考えておりました一人でありますので、この点につきましては深く反省をいたし、深く決意をいたしまして、十分監督をして善処いたしたいと思っておる次第でございます。  申し上げますことは、はなはだ取りとめのないことでございますが、現行の予算をそのまま生かして参りますれば、細分化されておりまする予算の形態から、これを施行いたしますのにはどうしてもその運用が地方に多くかかって参るようになります。たとえばこの中にもたくさん御指摘を受けておりまする現在の災害保険の問題にいたしましても、これらの運用に当りましては、各町村と中央との関係において遺憾な点が多々あるようでございます。従いまして農業災害の問題にいたしましても、これを現行のまま続けて行くがよろしいかどうかということにつきましては、府県の委員会等においても御審議願っておるようでございまするし、私は今申し上げますように、農村関係におきましては終戦後のどさくさから、さらにまた農地改革以後の農村のあり方等からいたしまして、ここにそのつど必要な角度においていろいろな施策が講じられて、その累積が今日のあり方になっておりますので、これをやや安定いたそうとしておりまする農村の現状にかんがみまして、もうここらでもってほんとうに農村の振興の方式等については考え直さなければならぬときがきているのではなかろうかということも考えておりまして、これらについて抜本的に考えてみたいと考えております。その際に、今決算委員会で御指摘になっておりますること等につきましては十分配慮を加えまして、善処いたして参りたいと考えておるのでございまして、はなはだ遺憾なことでございますが、この点につきましては深く事務当局の反省を促しまして、必ず御期待に沿うように私はいたしたいと考えております。よろしく一つ御了解願いたいと思います。
  10. 山田節男

    委員長山田節男君) ちょっと各委員にお諮りいたしますが、鳩山総理大臣出席いたしまして、間もなく本会議が始まるようでございます。総理大臣出席しまして、午前の本会議出席できなかった事由が了承できれば、続いて石炭合理化法案の趣旨を説明する、こういうことになっておるようでございますが、ただいま河野農林大臣説明をされまして、各委員から続いて総括的御質疑を願うことになっておりますから、今のような事情で本会議が開かれましても、このまま本決算委員会を続行するかどうか、このことをお諮りいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか、ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  11. 山田節男

    委員長山田節男君) 速記を起して。それでは本委員会を続行いたします。  ただいま農林大臣から一般的な御説明があったわけでありますが、各委員から河野農林大臣に対しまして総括的御質疑をお願いいたします。
  12. 亀田得治

    ○亀田得治君 私ちょっと中座するということになりそうですから、一点だけ大臣に直接お伺いします。  先ほど農林大臣から非常にたくさん農林省関係不当事項が出ている。これに対する今後の取扱い方等についての基本的な考え方を一応聞いたわけですが、私は、大臣が言われるようなやり方で、今までの補助金の流し方等をもっと変えるなり、実情に即したものにしていくというふうなこともこれは必要ですが、もう一つやはり何か欠けておるものがあるのじゃないかという感じを、これは農林省だけじゃないですが持っている。それは公金に対する考え方ですね、これがどうも少しルーズな感じがするのですがね。何か災害が起きた、金を取っていく、政府が出す、一部の金を使って事業をやって、残ったものは、自分が私的に使うんじゃない、やはりそこの市町村のために使うのだから大して違わないのであるというような、この非常にルーズな考えが根底にあるように思うのです、関係者の……。こういう点が、これはおそらく補助金を流す農林省の方にはないかもしれませんが、やはり何かそういう感じが無意識のうちにあるのじゃないか。そういうことが、これは流す方自身としてもよほどいろいろな面で気をつけられると思うのです。これをずっとこまかく一々これは議論をいたしますと、お話にならないようなことがあるわけなんですが、こういう点で相当考えなければならぬ点が私あろうかと思うのです。そういう点河野さんはどういうふうにお考えになっておられますか、一つ全般的な考え方を聞かしていただきたい。
  13. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えがちぐはぐになるかもしれませんが、私は現在二つ考え方があると思います。  一つは、地方財政が非常に窮迫しておりまして、そこに中央から流しまする補助金と、地方負担になります分とが必ずしも合致しない。財政的に合致しない場合に中央で……、地方はただ事業の施行を非常にその局地片々で要求する。それが県の財政計画と中央の財政計画、これが必ずきっちり合って、そうして受入れ態勢が十分できているところでは、こちらから流してやればいいのでございますが、そうでない場合がある。国の補助金がきまったから、地方の方は無理してこれを受け入れていく、そのために多少やりくりの関係があって、地方負担をなるべく少くして、中央の補助金にある程度の負担でものをでかし上げようというような場合にもおもしろくない結果が出てくるという場合も一つはあると思うのであります。  それからもう一つの考え方としては、どうしても終戦後一般行政が多少便宜主義に流れて参りまして、今お話しのように、決して自分で使うのじゃないのだ、公けに使うことならば、要するに間に合わしてうまく仕事をやる方がいいのだというような、正しく予算を執行していくというようなことに欠けている点が、そういうことに反省が足りない点が累積している。これは御指摘の通りと私は思うのであります。でありますから、先ほど私が申し上げましたように、できれば一つこういう点について根本から農林省の農林行政のあり方というものについて深く反省をしまして、そうして全額とまではいかんでも、従来のように三分の一負担であるとか、もっと少い国家が補助金を組んで、そうして幅広くこの目的を達成して、地方が負担する能力がないのに、ただ上がそういう予算を組んで、そうしてこれが全国の農村に向っていくのだというような考え方そのものについてこれは考え直さなければいかんのじゃないか、これは何と申しましても非常に農業経営の状態が違っておりますし、北から南に状態の違う日本でございますから、私がそう申しましても、必ずしもすっきりした姿にはなかなかなりにくいと思います。なりにくいと思いますけれども、どうしても私はその点について地方財政と中央の行政のあり方とについて考え直していかなければ、うまくいかないのじゃないかという点を考えるのでございます。で、もしそうでなしにいくならば、今さえこれだけの多い官公吏の数を、さらにふやしていかなければいかんということになりまして、これは必ずしも実情に沿うものじゃありませんので、一つそういう点について考える必要がある。  もう一つは、これははなはだ私は独断で申すことは少し行き過ぎるかもしれませんけれども、一ころたとえば農林省予算にしましても、終戦後のあり方が非常に片寄っておった。そうしてこれを復旧するのに思い切って、インフレ時代に膨張してきたそれが、順次正常化されようとしておりまする農林予算と考え合してみまして、人の関係相当に膨張しておるというようなことから、ここに予算の運用が今御指摘のようなことが起ってくるようなこともあるのじゃなかろうかというような点を、いろいろな面からどうしてもある程度抜本的に考えてものを処理していかなければならん時期にきているのだ。それが今二十八年度、おそらく二十九年度においても会計検査院の結果を見ますれば、私はいろんな面にいろんな御批難が起るようなことがきていると思います。そういうことでございますから、これらにつきましては、農林省におきましてもすでに食糧庁及び林野庁の考査機構を数年前より置き、官房に考査室を昨年より設け、これによって省内自身で会計検査院の事前にいろいろな面を取調べておるわけでございます。これも相当に効果をあげまして、そうしてすでにこの方面で摘発というのでございますか、どうでございますか、調べ上げましたものを出して、これについてみずから処分をしておるものもあるわけでございます。こういうもの等につきましても、さらに十分督励をいたしまして、あやまちないようにいたして参りたい、参らなければならんものだと、こう思っておるわけでございます。
  14. 亀田得治

    ○亀田得治君 いろいろ補助金の流し方等を変えて改善していくと、これは非常にけっこうですが、これはいかに合理的にやりましても、実際の現場における仕事と、それから補助金を流すについての前提になった計画といいますか、そういうものがぴっちり合うということは、私はこれはあり得ないことだと思うのです。必ずそこに多過ぎるか、少な過ぎるか、何らかの食い違いというものは、どんなにこれは制度を変えても私は出てくるものだと思うのですよ。だから従って、もう一つ私が何かこう欠けておるものがあると感ずるのはそこなんですね。制度を、大臣が言われるように、いろいろ検討して適正なものにしてもらうことは、もちろんこれは大前提、大事なことですが、たとえば、もし幾らかの予算でこの仕事を始める。それが初めは実際それだけかかると思って関係者が全部やった。地元の方で仕事をやってみると、その二分の二で済んだ。そういう場合には当然これは金が返ってくるべきなんです。公金なんですから。だからそういうことが、私まあこれはあるいはうかつもしれませんが、こういうことを聞くのは、そういう事例がたくさんここへ出ているわけですね、悪いのばっかりここへ書いているわけですが、従来のこの関係者の中でそういう金を返してきたようなのがあるかどうか。全く計画そのものは善意であったのだが、実際やってみたらそんなにかからなかった、これだけ余ったから返しますと、こういうことが、たくさんの事業の中ですから、ほんとうにこの各関係者が公けの金だということを大事に考えておれば、二つや三つはそういう事例があっても私は少しも不思議じゃないと思う。これは河野さんが農林大臣になってからあったかどうかわかりませんが、そういう点どうでしょうか。これはまあ官房長でもいいですが、あるいは検査院でもいいです。
  15. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 毎年決算報告が参りましてから返還するものがございます、最近においても……。
  16. 亀田得治

    ○亀田得治君 それはこちらからいろんな不当事項等を指摘されてからでなしに、予算の見積りが過大であったという立場から返還されてくるものが相当あると、こういう意味ですか。
  17. 安田喜一郎

    政府委員(安田喜一郎君) ただいま申し上げましたものは、予算額が決算額に比しまして同じ年度において差がある額のことでございます。
  18. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは自発的に返されてきたというんですね。
  19. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) そういうわけでございます。
  20. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは件数にしてどれくらいありますか、そういうのが。
  21. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 年々多少の差がございますので、別途資料をお出ししたいと思いますので、件数よりは金額の方で調べているものがございますから、必要でございましたら、内訳がございますから提出したいと思います。
  22. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあ本日は農林大臣に対する一般質問のようですから、あまりその点にはこまかく入るのは遠慮いたしますが、資料としてこの点一つ出してもらいたいと思います。私はぜひ、その全体の金額だけでなしに、個別的に一件片々、どの点についてどの程度返ったか、これは非常にいいことですから、そういう点も一つ検討してみたいと思う。  それで私はさらに大臣に聞きたいのは、ともかくそういう点では非常に私どもルーズな考えがずっとあると思うんです。これに対してはまあ公務員の立場から引き締めていくということも、これは大事なんですが、と同時に、この起きた事件については私は厳重に処分をしていく、どうもこの点が同じ公務員同士でありますと、かばい合いをするというふうなことがあって、普通の民間の事件であれば、あの程度の金を横領したりすれば、相当な刑にいくんですね、という場合であっても、この公金の場合には割合その点が強く取り上げられておらんと、私はいろいろなものを見て感じておるんです。で、そういう点からの一つ見方といいますか、全体として注意の仕方が、そういう面から抜けておると私は確信しておるんですが、大臣はそれはどう考えておりますか。
  23. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいま御指摘のようなことは、前の問題にさかのぼりますが、災害復旧のような場合には、一方において非常に急がなければいかんというような関係から、予算の立て方がルーズになり、決算と数字が変ってくる。これはぜひ御指摘のように十分注意しなければならんと私は考えております。で、一般のものにしましても、近時とかく調査が不十分であるにもかかわらず、これに着手する場合があると思うのであります。で、十分調査を済まして、そうしてそこに予算を立てて工事に着手していくということをしていかなければならんものを、調査が十分に済んでいないうちに実行に入るというようなことから、今御指摘のようなことが起ってくるというような場合も相当例があると思うのでありまして、これらにつきましては十分に私は監督をして参りたい、自分でも強く取り締っていきたいと思うのでありますが、結果につきましては、私はこれは遅滞なく、十分に一つ御意思の通りに取り締っていって、責任のある者については、事のいかんによりまして、厳重な処罰をもって臨むべきであるというように考えております。役所の中のことでありますから、内々で適当にしかるべく済ますというようなことはよろしくないと思いまして、私も官僚出身でございませんので、こういう点につきましては必ず御期待に沿うように善処するということをはっきり申上げることにやぶさかでございません。
  24. 亀田得治

    ○亀田得治君 ただいま農林大臣のお答えの通りでありますと、今までのこういう不当事項に対する責任のとらせ方ですね、こういう点が相当きつくなってくる、こういうふうに私は解釈をしたいと思います。  そこで一点だけ、あまりこまかいことをたくさん聞いちゃ何ですから、一点だけこれは大臣の直接考え方を聞いておきますが、先ほど会計検査院から指摘された報告書千八百六号の中の(二)の(6)、ページでいきますと百九十二ページ、舞鶴市の千歳漁港災害復旧の問題ですね。これは全然災害が起きておらない、写真だけほかのやつを持ってきて、そして農林省の方から金を取った。これなんか民間でこんなことをやったら、直ちにこれは詐欺であります、明確に。相当重いです、悪質ですから。何か問題が、実際に災害が起きておって、見積りをずさんにしたというなら、主観的な違いとか何とかいえますが、これは全然そうじゃないのですから、こういうものについて、私はこの関係者というものは、ほんとうに厳重な、行政上はもちろん、刑事上も処分を受けてしかるべきものと思うのですが、これは大臣どういうふうにお考えですか。
  25. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私も同様に考えます。
  26. 亀田得治

    ○亀田得治君 この程度で……。
  27. 山田節男

    委員長山田節男君) ほかに御質疑ありますか。
  28. 島村軍次

    ○島村軍次君 農林行政のあり方について大臣の御意見がありましたが、私は大臣のお考えそのものについてはある程度まで共鳴をいたしますが、また一面から申しますると、日本の農業は、私が申し上げるまでもなく、非常に広範であって、その経営規模も非常に違っておる。従って重点的にどれを取り上げるかという問題に関しましては、たとえば輸出振興のための施策をここでうんとやりたいというような場合におきましては、それに伴う予算は、ある程度まで零細なものまでやはり取り上げるという施策が行われなければならんと思う。従いましてこれはお言葉もありましたが、一律にさように論ずるわけには参らんということを一言申し上げておきます。これは私もまた機会がありますれば考え方もお話し申し上げたいのでありますが、直接関係ありませんから、この際はその程度にいたしまして、特にお伺いいたしたいと考えますことは、会計検査院決算報告を見まするというと、他の省は総体的に年次の経過するとともに、終戦当時の不当事項等がだいぶ減って参っております。農林行政は非常に広範にわたっておりますから、なかなか思わしく参らんということはわかるのでありますが、そこはやはり機構上に関する問題が非常に重要なポイントをなすものではないかと思うのであります。そこで考査室のお話がありましたが、考査室が果してどれだけの現在成果を上げておるかという問題については、まだ私は疑念があると思う。また他の機会においてその内容等も承わってみたいと思うのでありますが、要するに内部機構の内部監査といいますか、そういう点についてはもちろん、機構の活用という問題について十分な考え方を持たなければならんと思うのでありますが、私は昨年この決算委員会が全会一致で決議を行い、さらに本会議において数項目をあげていろいろ審査の結果によって指摘いたしました事柄については、この際十分御検討を願うと同時に、この際内部のいわゆる不当事項、不正事項に関する処置についての熱意の点が不十分ではないかと思うのであります。  例をあげて申し上げれば、現在の公務員に対する処置は、長い間の一つの伝統的なそのままが各省ごとによって行われておるということでありまして、広い意味からいきまして、これは全体を通じて、そういう問題に関する措置が抜本的に考えられて、初めて全体の公務員に対するこれらの問題に関する措置がはっきりして参るのじゃないかと思うのでありますが、これらに関する大臣の所見を一つ承わっておきます。
  29. 山田節男

    委員長山田節男君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  30. 山田節男

    委員長山田節男君) 速記を始めて下さい。  それで十五分間休憩いたします。    午後三時十七分休憩      —————・—————    午後三時三十三分開会
  31. 山田節男

    委員長山田節男君) 休憩前に引き続きまして本委員会を開会いたします。  先ほど本委員会に御出席河野農林大臣以下各政府委員の御紹介をいたしましたが、なお安田官房長、武田会計課長原田畜産局長見えております。
  32. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 先ほどのお尋ねにお答えいたします。先ほど私が申し上げました点に不十分なところがございましたので、これを一部補足いたしますが、終戦後の今日までの経過からして、農村の安定もしくは振興につきまして、あらゆる角度から細分化された補助施策を講じて参らなければならなかったことは御了承いただけると思うのでございますが、これを私は先ほどのようなことでお答えをしたのでございますけれども、できることならば農業施策におきまして、いつまでも同じ補助政策を続けて参らなければならない農業政策そのものについて考えなければならないのじゃなかろうかと思うのでございます。そういう意味からいたしまして、ここで申し上げることは適当であるかどうか知りませんが、私といたしましては、流通過程について改善を加えるとか、ないしはまた生産費の引き下げにおいて、予算の面におきましては、ともかくとして、生産資材の引き下げに努力をいたしまして、生産そのもの、農業経営そのものが成り立ってゆくように施策を講じて行くということに力を尽してゆくことのほうが、個々の補助政策を続けて行くということよりも優先的に考えるべきことであって、そういう基本的な施策の足りない面を補助政策によってこれを補ってゆくというふうに、順次できることならば変えて行きたいというふうに思うのでございます。ただ私の申し上げましたことはごく大ざっぱなことを申し上げたのでありまして、たとえば輸出振興についてわずかなものでも考えなければいかんのじゃないか、これは国際情勢と見合って考えてゆかなければならないことは申し上げるまでもないことでございまして、これは御指摘の通りでございます。  次に、そういうふうなことからして、現在の政策を続けて行くうちにおいて、われわれとして十分に反省をしなければならない、たとえば考査室の点についてもそうでございます。これは先ほどお答え申し上げましたことについて、調べました結果訂正をさしていただきたいと思いますが、考査室は昨年の七月から始めたことでございまして、現在職員は七名でやっておりまするが、これを今年から充実をして増加してやってゆくようにしてゆきたいということにいたしております。これらについてもし必要があれば、参考資料として、従来の考査室の活動状況について別の機会に申し上げることにいたしたいと思うのでありますが、ただ私は、ここに先ほどの御意見にお答えいたしまして、私といたしましても今なお踏み切れずにおるのでございますが、行政機構そのものでございます。農林省の行政機構が、占領政治下において、アメリカの示唆によって現在のような機構に一部なっておるものもあるのでございますが、これが果して妥当であるかどうか、こういう機構が今日のわが国の農村に合致しておるかどうかということについて、私は実は心ひそかに検討を加えなければならぬと思っておるのでございます。と申しますのは、非常に複雑になっておる。そんなに複雑にしておくから、金の出場所についても、予算の運用においても、面倒になっておる点がありはしないだろうか。これをむしろ横の関連においていろいろ行政施策の行われておりますものを、縦にすっきりと割ってしまって、たとえば畜産関係ならば畜産関係で、一本ですっきりと末端まで畜産の振興補助施策としてやるようにしたらどうだろうか。水産は水産、養蚕は養蚕ということにしたらどうか。これを今御承知通り、経済局、改良局というものがありまして、農業経済の点に重点をおきまして、横の連絡をとりつつやるようにしております。改良局またしかりでございます。そういう関係等からいたしまして、畜産の補助のあり方についても、改良局から出る場合もありましょうし、経済局からこれに対応しておる場合もあるでございましょうし、これらがいろいろな面から複雑になっておる点もありまするので、これらについては、むろん私ここで独断で言い切ることはできませんが、あらゆる方面の御意見を総合して、もし私の考えるようなことが農村方面の共鳴を得ることでありますならば、やったらどうだろうかというようなこと等につきましても、十分考えて参りたいと思っておるのでございまして、いろいろなさなければならないと思いますことは、この日本の独立完遂に向ってなさなければならないと思うことは非常に多いのでございますが、とりわけ、ただいまここで御指摘を願っておりまする予算施行について年々歳々一つことが繰り返されておるというようなことについては、遺憾の点も非常に多いわけですけれども、ことに今までは吉田内閣が非常に長く続いておりましたから、まだ決算を同一内閣責任を負うことになりまするから、まだ幾らかその点はよろしかった。これが戦前のようでありますと、決算をやる内閣は、必ず次の別の内閣がその決算の段階で責任を負うというようなことになりまするので、今にしてこれらについて十分に反省をし、十分な施策を講じておきませんと、なお一そう、これがだらしなくなっていくのではないかということについても、私はかなりこれらの点について在野時代に強く主張しておりました一人でございます。この機会に十分なる御検討、御批判を頂戴いたしまして、善処して参りたいと思う次第なのであります。
  33. 島村軍次

    ○島村軍次君 大臣の一般方針と申しますか、そういう点については、また別の機会で、お願いなり、あるいはまた、ただしてみたいと思うのでありますが、私はこの決算の問題につきまして、先にちょっと触れましたように、こういう事件があとを絶たないということばかりでなく、特に農林行政については格別その事項が多いということに対しまして、まことに遺憾に思うのでありまするが、要するにこれは、この仕事そのものが、ただいまのお話のような、アメリカの占領政策によって複雑化したということは考えられると思うのでありますが、むしろこれらは現在の施策そのものが縦割りであって、あまりに末端の農家を対象としたような仕事にまで直接タッチする。会計検査院の指摘したように、補助金を分けて見たら一農家一円であったというようなことになっておる結果が、こういうふうな指摘事項が非常に多くなって参ったその大きな理由だと思うのです。そこで、現内閣におきましては、大臣は非常に有力な方でありますし、ただいまの抱負を承わりまして、私は非常に心強く思うと同時に、その施策を一日も早くこの農林行政の実体に現わしてもらいたいという私の意見を持っておりますが、たとえば一つ仕事をやる場合に、こういうものを、あるいは零細なものまでに一々検査をするというようなことを省いて、中間においてその責任の帰属を明らかにして、そうして、そこで大ワクの是正をして行くというようなことが考えられるのではないか。たとえばこの団体等を利用して、この団体交付によってその仕事が円滑になし得る。もちろん、それにはあるいはボス的な存在があって、弊害が伴ってはいかんということもあると思うのでありまするが、そういう問題に関しては、現在の農林省施策を全体に改革されると同時に、直ちにその補助金なりあるいは多額の国費を一応有効に使う点に関して、もっと具体的な効率的利用について、はっきりした大臣のお考えがあるべきだと思うのでありますが、そういう問題に対してある程度まで具体的に聞かしていただければ、まことに結構だと思います。
  34. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お考えは具体的にお話しになりませんけれども、私と全く同じ考えだと思うのであります。それは私もかねがねそういうふうに考えておりましたので、それは戦争中から占領施策、この間において非常に官僚の力が強くなりまして、そうしてこれが民間にものをまかすことがきらいになった、そうしてすべて中央から府県、町村というところまで、自分でものをやらなければ承知をしないというようなことになると同時に、民主主義が叫ばれながら民間の力が非常に弱められまして、そうしてたとえば農村が、農林省関係におきましても非常にたくさんな団体がありますけれども、これはほとんど農林省の意のままに動く団体であって、これが自主的に動ける団体は非常に少いというような経過になっておりますし、力が弱められておりまするから、これを使って農林施策を運用するだけのものになっていないというような点が、非常に私は多く考えられると思うのであります。これらにつきましては、ただいまお話しの通りに、十分、民間団体を育成強化いたしまして、これらに農林行政の一半を一つ御協力願って、これらを通じて施策の完璧を期していくということになりますれば、そこの責任の帰属が明らかになってくる。そうして、その上層機関が責任をとっていくことができるようになるというようなことも、確かに私は一つの有力なる御見識だと思うのであります。これにつきましては私も全く同感でございます。ただわれわれが考えますことは、現在の情勢におきましては、農林省の行政そのものは、府県と町村末端まで、これがその責任は国が直接やりまする、金を使いまする場合はごく少いのでございまして、それが県の補助金となり、町村の実施主体になるというような場合があり、また末端がこれらの実施主体になる場合がありますので、それらに間違いの起る場合が非常に多いというようなことでございますので、これらにつきましては十分監督を厳重にして参りまするが、あまりこれをやかましくいいますと、たださえ仕事が遅れてしまいまして、実際は、なすべきときになされずして、金の地方に行く時期を失してしまうというようなこと等々も起ってくると私は思うのであります。その緩急のよろしきを得つつ参りますることは非常に困難なことと思いまするので、これらは民間の団体の強力なる御支持、御協力によってのみ私は可能であると思うのでございまして、ぜひこれらにつきましては十分なる施策を考えて参りたいと思う次第でございます。
  35. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 ただいま、だんだん島村委員大臣との間で、いわゆる流し方についていろいろ問答がありました。この今の決算の対象になっている二十八年度のときでありましたが、例の六月、七月の大風水害ができまして、そうしてあの特別委員会では、正確の名前は忘れましたが、建設関係災害復旧については、とうとういろいろな議論があったけれども、従来通り一カ所十万円というやつは、ともかく確保というか、変らずに、変えずに済ました。ところが、この農林水産の場合におきましては、対象の農家がきわめて環境も悪いし、事実、零細で、まことに見るに忍びない状況からいたしまして、いろいろ議論した結果、たしか五万円かあるいは三万円か、従来の十万円というやつを下げて、非常にそのためにいわゆる対象となる数が何万とふえたのでありまして、その当時、急にやらなければいけないこの復旧の仕事を、これだけ数多くしてやって行って、農林省としては責任が持てるか持てないかという問題が盛んに議論をされた。そんなことがあるわけでありますが、おそらくこの二十八年度の各種災害についてのいろいろ指摘が多かったという問題の裏には、非常に数多く小さく小個所まで補助の対象に新たに特別立法でなった。その施行に当って非常にまあ努力はしたのだろうけれども会計検査院が指摘するように、実地の踏査、実地検査というものがなかなか手が回らなかったのだという事実が、相当に影響しているのだろうと思う。そこで私はお聞きしたいのですけれども、今、大臣の民間団体に対する考え方との関連におきまして、現在のたとえば十万円以下、のみならず十万円というものも、今日の貨幣価値から言うならば、ずいぶん小さい工事なんですね。そこで農林水産業施設災害復旧に関する補助のあの規定を、この際再検討されて、ある程度額を上げちゃって、そうしてある程度額を上げちゃった以上のものについては、これはもちろん従来通りに、しかも厳密にできるだけ実地調査というものを御励行の上に、事あやまちのないようにお進めになると同時に、それ以下でありましても、今日の農林水産の関係からいたしまして、どうしてもやっぱり国がある程度めんどう見てやらなければいかんというような問題につきましては、府県等から上って来る資料を十分御検討なさって、御検討はなさるけれども、個々におきますところのある程度の異同あるいはその実施の責任というものは府県にまかして、そうして大づかみなところでそれを至急に流してやって行くんだ。もちろんそのために農林省が全然責任をのがれるというわけには参りませんけれども、その実施の責任というものは明らかにして早急の間に合わせるんだ。そのほうが生きた金が使え、また現実に復旧というものがすみやかにできて、効果的な施策になるんだ。こういうふうに私は思うんです。で、これについてどういうふうにお考えになられますか。今どうとは行かないと思いますが、考え方をお聞きしたいのと、それから、これについて、あわせて会計検査院のほうから見てどういうふうにこれを思うか。これを一つあわせてお聞きしたいのです。
  36. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 大へんけっこうな御示唆でございまして、その点につきましては十分研究いたしまして、ああいう非常な災害の起ったときにとりました処置、これをそのまま平年において続けて行くということは、むろん考えなければならんことでございますから、またこういうふうにいろいろ問題もあるのでございますから、これにつきましては、ただいまの御意見も十分に尊重いたしまして、至急検討の上善処いたしたいと思います。
  37. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) お答えいたします。二十八年災害のときに特例法が出まして、十万円から三万円に一時下ったわけであります。その後またこれはもとに戻りまして十万円でやっているわけでございますが、あの二十八年災害のときにも、これはいわゆる小災害ということで、農林省は直接査定をやらなかったのであります。全部、県にまかせまして、県がやった査定による工事に対して全額国が府県の補助金を肩がわり、と申しますと、ちょっとおかしいのですが、県が一応出したものに対して国があとから補助金を出すという方法をとりましたので、そう、このために、農林省査定件数が三万円に下ったのに、うんとふえたということはなかったのじゃないかと思います。何分にもあのときは前例のないほどの大災害でございまして、十万円以上の工事相当にふえたわけであります。それで査定の手が及ばなかったということは、これは考えられることであります。建設省を引き合いに出して恐縮ですが、建設省もずいぶんあのときは災害件数はふえたのですが、実査を非常にたくさんおやりになっているのであります。農林省は、ふえたのもふえましたが、実益率が非常に低い。その後も建設省は実益率が非常に高くなっておりますが、農林省はその割合に上っておらん、こういう関係になっております。
  38. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 ちょっと言い方が悪かったのですけれども、私は現行の十万円というやつを、今日の物価あるいは貨幣価値の観点から、もう少しぐっと引き上げて、そうしてやることが、こういったいろいろと御指摘を受けるようなことをなくなす一つの方法だと、こういうふうに思うのですが、この点についてはどうなんですか。
  39. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) これは私個人としては同感であります。現在の十万円と申しますと、昔で言うと三百円くらいになるのでありまして、こういうものまで一々補助の対象に取り上げているところにいろいろな禍根があるのじゃないかと思います。が、これはしかし、なかなか、一部には御意見のように上げたらという意見もあるのでありますが、なかなか実現できない。むしろ逆に逐次下ってしまう。二十八年災害のようなときには三万円というようなことになってしまったのでありまして、なかなか実現がむずかしいのでありますが、私個人といたしましては、その点同感でありまして、もっと上げればいくらかよくなるのじゃないだろうかと考えております。
  40. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 一応気持はわかるのです。私の言うのは、国自身が直接実査をして、そうして厳重にやって行かなきゃならない線と、それから二十八年の六月、七月のような、下げたは下げたけれども、その間が直接やって行かなきゃならない、今度新たに、かりに上った線との間は、これは今日の農林水産業のみじめな姿の期間は、ある程度これは、やっぱり補助の対象として行くものはつけるという考え方をもって、そうしていわゆる二段の形において、会計の見方から言えば二段の形、責任も二段の形、この形でやって行くという問題についてどう考えられるかということを……。
  41. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 結局たとえば五十万円なら五十万円以上の工事は国で実査をする、それから十万円から五十万円の間はほかの方法をとる、こういう御質問ですか。
  42. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 ええ。
  43. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) これはどこが一体査定をするかという問題だろうと思います。結局府県にまかせるかということになると思うのですが、全然査定ということをやらないで、申請をそのまま、うのみにするというのでは、現在の段階で弊害が非常に強いのじゃないだろうか。また、府県にまかせるというのも一つの考え方でありますが、現在の府県の農地部に、なかなかこれだけのものを査定をして行く能力が果してあるかどうか。これには相当疑問があるのじゃないかと思います。
  44. 山田節男

    委員長山田節男君) ほかに河野農林大臣に対する御質疑ございませんか。——それでは河野農林大臣に対する質疑は一応これで終了いたしたことにいたします。  続いて農林省所管一般会計の部、すなわち会計検査報告批難事項の第九百三十号から第一千八百五十七号までを審議いたします。  先ほど会計検査院の側からこの批難事項につきまして概要の御説明を承わったわけでありますが、農林省のほうで、なおこの点について御説明の希望があれば、概略御説明願いたいと思います。
  45. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 特別ございません。
  46. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは各委員の御質疑をお願いいたします。
  47. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 私は個々の問題に入る前に、農林省からお出しになったところの、この昭和二十八年度決算検査報告に対する関係者調というのがございますが、これを拝見しますと、関係者のお名前等がずっと出ておりますが、大ざっぱに言えば、ほとんど厳重注意という措置をおとりになったというので、いわゆる懲戒処分というものは何もなかったというふうに言えるわけですが、これに対してどうお考えでございますか、お伺いいたします。
  48. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 二十八年度の会計検査の結果に基きまして指摘されました事項についての責任者に対しましては、戒告処分を行なった者が七名、減給処分を行いました者四名、免職処分を行いました者六名、その他が厳重な注意を与えたものになっております。
  49. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 それはこの調書で私も承知しておるのでありますけれども、しかしそういう御処置をおとりになったのは、最もひどい刑事事件になったというような人を中心にやられたので、あとの人はまあ懲戒処分には付せなかったと、厳重注意ということは書いてありますけれども、これは行政上の平素の措置であって、別に懲戒処分とはいえないのでありますが、何も措置をおとりにならなかったのが大部分だということになるわけですが、しかし決算委員会としましては、この決算委員会の使命が、国の方々の非常によくおやりになったことをほめるという筋じゃなくて、あるいは不正とか不当とかいう問題が審議されますので、これは全くやむを得ず、その者に対するいわゆる綱紀粛正的のことを申し上げねばならん立場から申し上げるわけです。それは御了解願いたいのですけれども、少し寛大じゃないか。こうなりますると、農林省のように非常に、これにもありますように、補助金種類も多く金額相当大きなところでございますから、士気が弛緩して来て、結局幹部の皆様方も御迷惑されるのじゃないか、かように私は思うわけなんです。そこで重ねてお尋ねしますけれども、こういう厳重注意という方針を今後もこうやってとっておいでになるのであって、いま少し強くお調べになって、その情状によって、いま少し強く措置をおとりになるような気持はないものでございますか。その点をお伺いいたします。
  50. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 会計検査の結果によりますもの、あるいは私どもの内部でやっております考査室の関係から、いろいろおもしろくない予算使い方の結果も出て来ておりますが、これらにつきましては、先ほど大臣からお話しもございましたように、今後できるだけ責任者に対しましては注意を喚起して参りたいと思うのでありますが、お話しの、厳重注意以上に更に措置をとるかどうかということにつきましては、もちろんそれぞれのケースによりましての情状如何によりまして厳重な処置をとらなければならないというように考えております。二十八年度の決算におきましても、先ほど小峰局長から御指摘のありました直轄工事の有明干拓等の関係者に対しましては、一部戒告処分を加えておるのでございます。ごくわずかでありますが、こういうことがたびたび重なりますれば、ますます事業の執行も適正に行われなくなって参りますので、今後情状如何によりましては、更に厳重な処分も考えて参らなければならないと、かように考えております。
  51. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 大体の御趣旨はわかりましたけれども、私としては、できるだけ賞罰を明らかにしてお進みになることが、農林省とされても非常に省のお仕事をされるのに效果があると思って申し上げるのでありますが、話は別になりますけれども、最近は月給なんか上るのも、あまり勤惰と関係なしに一定の率で上って行くというような、昔から官庁はそういう傾向が多かったけれども、自然そうなると能率が下る。ことに仕事の上で少しぐらい落度があっても、なに、そんなことはかまわないのだというような悪い癖がつきますと、せっかく励んでいる人のほうが意味がない。そこで私は、別に刑罰を加えろというようなことを申し上げるのではないのでありますけれども、役所としての能率を増進して経理をはっきりして行く上からも、よく内容を御覧になって、もしそれが全く善意であり、やむを得ない過失からなら、これはとがめることはいけないと思いますけれども、非常に不注意であるとか粗漏であるとか、あるいは悪いと言っちゃあ言い過ぎになるかもしれませんけれども、心の弛緩から出るようなものには、相当注意以上の懲戒法による措置をおとりになることが、全体の人をむしろ奮起させることになるだろう、かように考えまして、くどいようですけれども、初めに申し上げるわけであります。  なお関連していま一つお伺いしたいのでありますが、省の関係の公務員の方については直接おやりになりますけれども、お仕事があるいは府県とか市町村とかいうふうに、こう関連しておることが多いように思いますが、そういう方に対する措置はどうなっておるのでございましょうか。たとえば、先ほど亀田君からお話しのあった舞鶴の写真の違うのを提出したというような場合の問題は、そのままになってしまうのでありますか。何か措置をおとりになるのでありますか、伺います。
  52. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申し上げます。  ただいま水産庁関係で御指摘のございましたのは、まことに申しわけないわけでありますが、この件は事前審査によりまして発見いたしましたもので、実際、予算を執行し、あるいは工事を実行した後の問題ではないわけでございます。それは不幸中の幸いでございますが、この件に関しましては、御指摘のように、府県特に市町村関係でございますので、府県を通じまして、厳重に注意を発して、県当局に対して今後の指導、その関係者に対しまする注意方を依頼いたしたわけでございます。
  53. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 いま一つだけ。それで前谷さん、水産当局では非常にお困りになったと思うのでありますけれども、府県を通じて注意したという程度で舞鶴のほうはいいのですが、いま少し、さつき言った通り、非常に悪性といいますか、悪い、これは内容が悪いから、お金等には直接影響なくても、やったこと自体は、かなりまあ、いいことでないから、舞鶴のどういう人がおやりになったか知らんけれども、その方の人に対しては、別の何か水産庁で直接おやりになるか、あるいはどこの関係がやられるか知りませんけれども、それ以上突っ込んだことはできないのでございますか。
  54. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 本件の場合におきましては、舞鶴の問題でございまして、直接、市に対する監督権という問題も農林省としては持っておりませんので、府県を通じましてこれに対して厳重なる注意方を申し込んだ、府県当局に対しまして、今後かかることが起らないように十分注意してもらいたいということを府県当局に対しては申しますが、直接、市に対しましては、府県当局を通じまして注意を促すということしかないのであります。
  55. 島村軍次

    ○島村軍次君 会計検査院に伺いますが、早期検査というものの法律上の根拠はどこにあるのでございますか。
  56. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 早期の私ども調査と言っておりますが、これは、検査は御承知のように事後の検査が原則であります。私どもとしては、検査に関連いたしまして資料を集めたり、調査したりする権限を認められているわけであります。で、二十八年災害補助金は、先ほども説明いたしましたように非常に多かった。それから従来の検査の結果、水増し的な要素が入る可能性が非常に強かったわけであります。と申しますのは、査定能力も未曽有の大きな災害に対するだけふえてもおりません。それから非常に急いでやった関係で、便乗的な要素あるいは水増し的な要素というものが入る可能性が非常に多かったわけであります。そこへもってきまして、国庫補助率が、これも前例がないくらい高い国庫補助になったわけであります。そこで私どもとしては、またこれをほっといて、あとになっていろいろのものを見つける、そして金を返すとか、あるいは手直しをするとかいう結果になるのは、これは相当検査を受ける方としても痛いわけであります。それよりも、早目に回って、そういう悪い部分があるならば、早目に落してもらった方がいいんじゃないか、こういう考え方から、先ほどの法律上の根拠も十分検討したのでありますが、今の調査資料収集、こういうことでやったわけであります。それで、私ども査定権を持っておりませんから、農林省なり建設省なりに勧告書を出しまして、こういう事実があるがどうか、それで農林省なり建設省査定申請をしていただいたわけであります。その金額が初め予想したよりもはるかに大きい、農林省だけで八十七億、建設省は、御参考に申し上げますが、二十億から出たのであります。両省と運輸省を合せまして百二十億という、とほうもない金額が出たので、びっくりいたしたのであります。そういう調査資料収集というのを根拠にやっております。昨年の災害にかんがみまして、二十九年災は比較的御承知のように災害が少かったのでありますが、やはりこれは続いてやっていく方がいいんじゃないかということで、今年もやっておる次第であります。
  57. 島村軍次

    ○島村軍次君 これに関して農林省の御意見を一つ
  58. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) これに関しましては、私どもの方でも、できるだけ早い機会に実地検査その他をやりまして、事前の査定に間違いがないように努力いたして参りますが、一方、会計検査院の方でいろいろ御調査をいただきますこともけっこうかと考えております。
  59. 島村軍次

    ○島村軍次君 農地局長の御意見を一つ
  60. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 二十八年度の場合は非常に件数が多かったので、農林省としても手が回らなかったのであります。その際、会計検査院の方から現地の調査を願っていろいろな示唆を得ましたので、どうしても初めの査定について力を入れなければいかんということで、三十年度の予算におきましては、災害復旧専任の担当官を配置転換によって十一名増すことにしまして、農林省の中でそういった査定の実効をあげる、こういうふうにすることにいたしております。
  61. 島村軍次

    ○島村軍次君 だいぶ飛びますけれども検査報骨の千八百六十五号から千八百七十一号の「農業共済保険事業の運営が適切でないもの」というので、検査院から指摘されておりますが、これに関するお考えをお伺いしたい。つけ加えますが、この検査院の指摘に関する農林省の答弁によりますと、「極力近い機会に制度の改正を行い、本制度を農家経済の実態に即応するよう改めたい。」というふうになっております。そこで、指摘された事項に関する、その改める方法を具体的に一つ聞かしていただきたいと思います。
  62. 山田節男

    委員長山田節男君) ちょっとお尋ねしますがね、武田君、このような今の島村君の御質問のようなことに関して答弁なさるのは、だれが一番適格ですか。官房長ですか。
  63. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 今の御質問でございますが、これにつきましては、技術的なこまかいものは農林経済局長からお答えいただくことが適当だと思いますが、今日はお見えになっておられないのですが、現在審議会で農業共済制度全般につきましていろいろ検討しておりますので、それらの結論とも相待って、共済制度が適正に運営ができるようにいたして参りたいというふうに考えているわけでございます。
  64. 島村軍次

    ○島村軍次君 関係課長おいでになっておらんのですか。
  65. 山田節男

    委員長山田節男君) 農林経済局のだれか、課長か、幹部の人おりませんか。
  66. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) ただいま出席いたしておりませんが……。
  67. 島村軍次

    ○島村軍次君 それでは次回に譲りまして、農地局関係で九百五十号の「機械の管理著しく当を得ないもの」、これに関する措置を一つ聞かしていただきたいと思います。
  68. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 九百五十号の印旛沼手賀沼干拓事業所のバンキング・マシンの件でございますが、これは二十五年、すなわち食糧増産の問題が非常にやかましいときに、緊急食糧増産という名目で、各地に大々的に食糧増産計画が実施されたときの問題でありまして、その当時こういう機械を、当時としては非常によかったのではないかと思いますけれども、その当時の資材の状況なりあるいは機械工業の状況から相当無理があったのであります。二十七年にこれを現地に入れましてから、いろいろ手を尽してみましたが、うまくいきませんので、これを一時たな上げして、さらに使えるものか使えないものか検討を加えていきたい、こういうふうに考えております。根本原因は、会計検査院の指摘しておる各事項でありますが、一番大きい原因は、先ほど申し上げましたように、機械の材質が十分検討されてなかったので運転がうまくいかなかった、こういうふうに私どもは考えております。地盤も悪い、あるいはまた彎曲のところがある、そういうことがあるのだから、なおさらこういう機械を手に入れるのには十分の検討をすべきであったのじゃないか、こういうふうに考えております。その後のこういう重機械を入れるのにつきましては、こういうことの二度起らないように十分各方面から検討を加えてきておるのでございます。
  69. 島村軍次

    ○島村軍次君 この機械は当時の農地局長がおやりになったわけですね。東京の農地局長ですか……。それで私、聞きたいのは、現在では、こういう問題に関しては、農地局自身で、この購入の場合に、何といいますか、査定といいますか、農地局長の委任事項として全部もう現在でも任しきりだということですか。その点どうですか。
  70. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 軍機械の購入につきましては、直接本局で買うことに二十六年からいたしまして、本局で諸般の検討を加えた上、買って、これを地方事務局に配属する、こういうことにいたしております。
  71. 山田節男

    委員長山田節男君) 前谷水産庁長官にお伺いしますが、先ほど青柳委員の指摘された舞鶴市の千歳漁港批難事項ですね、これはもう明らかに一つの詐偽だと思う。詐偽にひっかかって、補助金を減額したというのですが、この受けた主体が地方自治体である場合は、先ほどおっしゃったように、まあ厳重の注意を促したというのですが、ことに、こういったように個人の場合は、一つの詐偽行為をしておるものは、ただ注意したというぐらいのことでは、先ほど大臣も約束されましたが、補助金の乱脈というものを是正していくという、まあ水産庁関係はあなたが最高責任者としておやりになっておって、どうもそれでは徹底を欠くと思うのですがね。たとえば、あなたの方の考査室の制度あるいは今後何か機構をあみ出して、そういうようなものを、まあ刑罰にはしなくても、とにかくこういう事態が起らないようにすべきだという、強い、国家の決算委員会として、あまりにこれはどうも一極の詐偽行為をその程度でのんでしまうというようなことは、とうていこれは容認できないのです。現行法においては、何かの批難を受ければ、もっときつい、当然これは私は制裁をこうむるべきだと思うのです。現行法において、あるいは現農林省の監査機構をもってしては、それ以上のことはできるのかできないのか、この点を一つお聞きしたい。
  72. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 本件は、これは会計検査院の事前の審査の場合に発見いたしたわけでございます。その御注意によりまして、これはもちろん予算の面におきましても、事業の面におきましても実施をやらせなかったし、予算も、もちろん交付しなかったわけですが、ただ、この件については、御指摘のように事前審査をできるだけ励行する。また、われわれとしましてもできるだけ現地調査をやるということは、もちろん、従来以上にその点につきましては注意をいたさなければならないと思います。ただ御指摘のように、これは舞鶴市の問題でございますので、直接それの担当者に対してどう処置をするということには相なりませんので、府県を通じて、府県におきましては始末書をとるとかの処置をやられたと思うのでありますが、われわれといたしましては、府県を通じて厳重その監督方について注意を促した、こういうことに相なるわけでございます。御指摘の、今後こういうふうなことの起らないように、事前審査、これは事前審査によって発見できたわけでございますから、非常に不幸中の幸いでございましたが、こういう実態が、こういうことにならないように、現地調査なり事前審査を十分やりたい、こういうように考えております。
  73. 山田節男

    委員長山田節男君) それは不幸中の幸いと言われますが、会計検査院で事前審査をやったので、こういうことがわかったので、未然に防止できた、これらのことを私も不幸中の幸いだと思うのです。もしこの会計検査院の事前審査がなかった場合には、あるいは当然これは具体化していくと思うのです。そういったような場合に、たとえばこれは水産庁に関しては、水産庁の長官として、こういったような最も悪質な詐偽まで行なって補助金をとろうとしたようなものについては、水産庁長官としては、たとえば漁港の問題で、舞鶴市において、市の管轄外でそういうものが起きた場合、こういうようなものには、かような悪質な行為に対して補助金は出さぬ、これくらいな私は一つの制裁をしなければいけないと思うのです。現行制度は、水産庁長官、これは他の局長もそうですが、たとえば水産庁の長官であるあなたとして、そういうような制裁的な自由裁量が行えないのかどうか、この点、承わりたい。
  74. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) もちろん本件につきましては、これに対する補助をやらなかったわけでございます。舞鶴市に対しましては、その当時としまして他の水産庁の面におきましては、そういう不当な申請をしたわけでございまして、それに対しては一般的な行政の面においては、十分な注意を促し、またそれに対しては水産庁として処置をすることになっておりますが、ただ当時におきまして、舞鶴港その他におきまして、舞鶴市に対しまして直接水産庁が仕事補助をするとか、仕事をやるということがなかったものでございますから、今申し上げたような事情になっております。
  75. 山田節男

    委員長山田節男君) ですから、今、私のお尋ねしたのは、こういうような事態があったから、今後舞鶴市に実際災害というものが起きた場合、補助をしなければならぬという場合に、前回にこういうようなまことに悪質な行為をしたという、これは一つの前科です。そうなれば、実際やらなければならぬような場合が起きても、経済的補助金もやらぬという、むしろそういうような制裁的な行為をあなたとしてなし得ることができるのかどうか、これはどうですか。
  76. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 災害復旧等の場合におきましては、災害の実態に応じてやるわけでございます。一般的に自由に行政上におきまして補助をなし得る場合は、これは別でございますが、災害復旧等の場合におきましては、当然その災害の実態に応じてやはりその復旧をやって参らなければならないわけであります。まあその場合におきまして、そういう事実を考慮いたしまするが、同時に災害の実態に対しましてはやはりわれわれとしても考えて参らなければならないと、こういうことに相なるかと思います。
  77. 久保等

    ○久保等君 ただいまの問題とも関連すると思うのですが、農林省関係の非常に不正、不当事項案件が多いのですが、今度のこの事項に関連した関係者の処分の問題について、先ほど別冊をもらったわけなんですが、昨年あるいは一昨年あたりも、当決算委員会で、不正、不当事項に関連しての処分問題については、非常に従来軽視されているのではないかというような点がやかましく言われておったわけです。わけても昨年は決算委員会のみならず、参議院の本会議におきましても、厳重な処分を少くとも励行する必要があるのではないかというような決議もなされておるのですが、今度のこの昭和二十八年度の決算報告に関連しての責任者、あるいは関係者の処分問題は、少くとも昭和二十七年度の決算報告に関連した不正、不当事項に関連した者の処分と比較して、少くとも参議院の決算委員会あるいは参議院の意向というものに少しでも沿えるような措置をとったというふうに農林当局の方ではお考えになっておるのかどうか、一つお伺いをしたいと思います。
  78. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 先ほど御質問があってお答えをいたしたのでございますが、今回の二十八年度の決算報告に基きます処分といたしましては、戒告処分を七名、減俸処分を四名、免職処分を六名行なったのでございますが、勿論この中には刑事事件等に基くものも入っておりますが、有明干拓事業に伴います関係で、これは刑事事件に関係なく、戒告処分を二名、それからあと林野の関係で減俸処分を行なったもの、たしか二名であったと思いますが、行なっております。
  79. 久保等

    ○久保等君 まあその御説明は先ほど伺ったのですが、それで総体的な感じといっては恐縮なんですが、総体的に、昨年あたり国会で、特に当決算委員会での強い意向というものを、十分に意を汲んで農林当局としてこれらの処分に当ったのかどうか、このことを、総括的な非常に大きな質問で、どういう答弁をせられてよろしいか当惑されているかと思うのですが、しかし従来戒告は全然なかった、しかし今度の昭和二十八年度については戒告を行なったということであれば、まあ私ある程度質問に対する答弁になっておるかと思うのですが、しかし従来とても戒告という程度のものはまま私はあったと思うのです。それで今度の二十八年度の処分状況をお伺いしているのではなくて、二十七年度までの責任者なり、関係者に対する処分の考え方と、二十八年度の当決算報告に関連しての不正、不当事項関係者、それに対する処分問題については、十分に昨年あたり国会における意向等をしんしゃくして、一体処分問題について農林当局が当ったかどうかという問題としてお伺いしているわけです。少くとも件数が一千件に及ぶ膨大な不正、不当事項を出しておるわけですが、ただいまの報告はもちろん、この報告事項にも載っているわけですから承知をいたしておるわけです。だからあるいは会計課長の立場では、私は答弁できかねる問題であるかと思いますが、もしそうであれば、官房長なりあるいは次官等からなおまた別の機会にでも御答弁を願ってもいいと思うのですが、単に今度の二十八年度決算に関する処分状況をお伺いしているのではなくて、一体従来から強く決算委員会等で指摘せられたその問題について、どういう考え方でもって今度の二十八年度の決算報告に関連する問題について処理せられたかという問題です。もしその問題が決算委員会における考え方なり、そういうものについて、少くとも従来から、何回となく関係者の方から決算委員会の御意向というものも十分に今後考えてもらいたいという御答弁もあったように私記憶いたしておるのですが、具体的に従来と比してこういった問題については、まあ従来はこの程度であったけれども、今度の二十八年度においては、こういう処理をしたというような御説明でもあれば、なおわかりやすいと思うのですが、少くとも私のこの処分の調書を外観したところでは、きわめて悪くいえば、一片の口頭で厳重注意をしたという程度のものは、これは処分じゃないというようなことは、前々言われておる問題なんですが、ほとんど十中八、九というよりも九分九厘までは、ほとんど厳重注意を与えたという程度にとどまっておるように見受けるわけです。先ほども具体的な問題を取り上げられていろいろ御質問もあったようでありまするが、処分調書に関して、私は、外観受ける印象は、只今申し上げたような印象を持つわけなんですが、果してどういうふうな考え方でもって昭和二十八年度の問題を扱ったか、このことについて一つはっきりと御説明を願いたいと思います。
  80. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 大きな問題でございますのであるいは政務次官、官房長からお答えいただく方がいいかと思いますけれども、私どもといたしましては、もちろんこの決算委員会の御決議の趣旨等も承知をいたしておりまして、その線に沿って今後ともそれぞれの事件についての情状を十分しんしゃくいたしまして、適当な措置をして参らねばならないというように考えておるのでございます。今回減給処分を数名やっておりますが、こういうことは従来はやっておらなかったことでございます。
  81. 久保等

    ○久保等君 まあ会計課長の御答弁では、私の少くとも御質問申し上げておる点についての答弁としては十分でないと考えられますし、また別の機会にいろいろと考え方を承わってみたいと思うのですが、もちろん今度の問題について十分考えて行くというようなことは、常に従来から言われておる御答弁の絞切り型なんですが、私は少くとも昭和二十七年度までの決算報告に対する扱い方と、二十八年度以降の扱い方におきましては、相当のやはり違いがあっていいんじゃないかと実は思うのです。あるいはその点が農林当局としてやはり従来通りでいいんだというお考え方ならば、またそういったようなことについての御説明も承わりたいと思うのですが、ただいままでの御説明によると、とにかく結論的に言えば、従来の二十七年度あるいは二十八年度いずれも従来の方針というか、従来の考え方から、あまり改善というか、われわれの申し上げておりまする趣旨に沿った形の改善の跡は見られないんじゃないかというように私考えるわけです。また別に一つ官房長あるいはそれぞれの責任者から別途御趣旨の御説明を願うことにしまして、会計課長につきましては、私それ以上申し上げることを差し控えておきます。
  82. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 一つお伺いしたいのですが、決算検査報告書の百八十三ページ、長崎県の小浜町で漁港の設計過大、出来高不足事業主体負担不足という、この問題なんですが、その答弁を見ますと、国会に対する説明書、これを見ますと、この二百七十二ページのところを見ますと、千六百六十三号として一応載っているのです。この載っている、私、説明の読み方がわからないかもしれないのですが、これは補助工事費から除外すべき額百九十一万九千円とある。その下は同上に対する補助金相当額ですから、これはいい。そこで措置となって、この補助工事費から除外すべき額百九十一万九千円を二十八年度以降減額する工事費とあるのです。そこで手続中とあるのですが、この手続中というのはどういう意味なのか、この際、一つ説明願いたいのです。
  83. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申し上げます。本件につきましては、これは継続事業で数カ年におきまして事業が完成する工事になっておりますので、二十九年度以降におきまして相当額を減額して参る、こういうことでございます。
  84. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 私実は先ほど舞鶴の問題で、幸い事前だったからというお話があり、まさに幸いだったのですが、それに対して委員長から、何かそういったようなきわめて不徳な計画的なものに対して行政上の少くとも処置という問題がないかという問題があったのです。私これを見まして、何か継続事業というものの場合においては、できれば少し足を出すような行き方をしておくというと、間違いなく継続事業というものについて唾をつけることができるという、むしろ奨励的な感じがあるんじゃなかろうか。こういうような継続事業といえども、これだけのいわば潜水夫を使って崩れた石を持ち上げて、そうしてそこのところを使うのだといっておきながら、実は設計上練石積にする石とか、それから中に埋める石というものの単価に、これを採取する経費をも積算しておいたといって、いわば二重取りに当るようなことを初めから計画にしてある。従って非常に安くできており、その町の負担額も二百十三万一千二百円負担した。負担したというけれども、調べてみるというと百七十二万五千円しか負担していない。従っていわばかりにこの工事が終りの年であれば、ここに補助金百二十七万九千九百七十三円、こういったものは補助金自身としたって取れるに違いないわけです。しかもその負担分についてまた別の処置をしなければならんという性質を持っている。この仕事を継続事業であるからと、そこで途中でやめれば、せっかくそこまでできたのがまたもとの木阿弥になるという非常なマイナスも、これは考えられることでありまするけれども、私はこの点は皮肉な言い方をすれば、この継続裏業については多少問題を残して、そうして翌年度にやはりひっかかりをつけておいた方が間違いないのだ、こういうふうにさえとれるのです。私はこれを継続事業をやるのだから、次にやる場合において、そういったものを以降減額する工事費の中へ加えておけばいいのだという考え方が、前に委員長もたしかお尋ねになったと思うが、何かそういった悪質のことをやって、そうしていわゆるごまかそうとしたその気持、またそういうようなことをしようとするその人たちを、あるいはこらしめ、あるいは将来を戒める意味で何とかしたい、しなければならないんじゃないかということは同感なんです。そこで、ほかの方をずっと一通り見たのですが、これはいかにも何か一つの例としておかしいのですが、まあ簡単に御説明になったので、私にも誤解があるかもしれませんけれども、これは一体どういうふうに考えたらいいのか。またあとの方の行政的な、つまり二十九年度の割当においては、幾ら一体工事費をお出しになったのか、その点の御説明を願いたいのです。
  85. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 漁港につきましては、御承知のように漁港法に基きまして整備計画を作りまして、そうしてその整備計画を国会の御承認を得て逐次進めて参ることになっておるわけでございます。で、災害の場合におきましても、これを数カ年間で災害を復旧するということで、当初その復旧額につきまして全般的に査定するわけでございます。これは一年限りでございますと、もちろんその不当に受けました補助金は還付せしめるわけでございますが、当初査定しましたものから、事実上査定をいたしますので、還付と同様の措置をとるわけでございますが、業が数年にわたりまして、当初計画的に決定いたしておりますので、その査定額からさらにその額を落して参るということで、還付と同様な意味におきまして、ただ年度を次のものから差し引くと、こういう形をとったわけでございます。
  86. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 その取り扱いについては私も承知しているのですが、この小浜町の今問題になっている漁港の二十六年災の復旧に当って、二十九年度は一体幾らのいわゆる事業量を出したものですか。つまり検査院から報告されているですね。二十八年度は六百四十万円でありますが、それが一体幾ら出されたものでしょうか。
  87. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 二十九年度につきましては、今調べまして御報告いたします。
  88. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 ごもっともだと思うのです。そんなものを、二十九年度は幾らでしたかというのは知らないのもごもっともに見えるけれども、そのことは私はやっぱり二十五年災、六年災、七年災といえども、いわゆる三、五、二ですか、あるいは何とかといったような一応の復旧目標を立ててやっているけれども、大蔵省に行って削りに削られて、延び延びになっているのは御承知通りです。どこの漁港、どこの工場、事業も多くの場合、皆復旧当初の三年間といったような目標から、ずるずる延ばされてきているのは、既定の事実といいますか、もう事実なんです。でありますから、私は問題としたいのは、たまたま例を挙げて水産庁に対しては御迷惑の点かもしれませんけれども、先ほどの舞鶴の問題等との関連におきましても、私はこういったいわば計画的なと見られるような、悪質であると考えられるようなこの補助申請、そのことが事前にわかれば、もちろん舞鶴のようにけっこうともいえるけれども、これはまんまと一応やられちゃったのです。やられちゃったのですから、私はこれを当然あり余る。計画通りに少くともきている復旧費でないのだから、そこのところは将来を成しめるという気持を十分にお持ちになって、この点相当に私は手加減を明らかにしていかなければならない、こういうふうに私はつくづく思うものですから、こう言ったのです。今人もかわっておられますから、また係もおられないとすれば、二十九年度に一体幾らやった幾らやった、そんなこと知らないよで、こういった不正というものを防げるかなどと、大きな声をこの際張り上げようとは思いませんけれども、私は今日水産庁の一例をもって、他の各庁の皆さんに考えていただきたい、こう思って申し上げたのです。いずれ二十九年度はどれだけお出しになった、わかってから、場合によっては、また機会を見てお聞きすることにして、一応私はやめます。
  89. 白井勇

    ○白井勇君 会計検査院にお伺いしますが、先ほど島村委員からお話しになられました事前監査ですね。あれにつきまして、私は前に事務総長にお尋ねしたことがあるのですが、はっきりしない点もありますので、先ほどのことですね、法律の何条によってやるのですか。
  90. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 関係条文が幾つかあるのでございますが、主として根拠にしておりますのは、会計検査院法の二十六条であります。「会計検査院は、検査上の必要により検査を受けるものに帳簿、書類若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる」、主としてこれでやっております。ほかにたとえば、会計検査院は常時財政を監督するとか、いろいろ条文はございますが、直接の条文は今申し上げた条文でございます。
  91. 白井勇

    ○白井勇君 これは百ページにわたります膨大なあれですが、その後農林省からは、会計検査院の納得のいくようなその後の措置を受けたものは相当あるのですか、これだけの事項につきまして。
  92. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) どういう例ですか。
  93. 白井勇

    ○白井勇君 きょう列挙されましたが百ページ以上にわたっておるのですが、その後農林省から、こういうふうに処理したとか連絡があって、会計検査院としては、少くとも一応その程度やってもらえば了承できる、こういう格好に、何と申しますか、かたがついておりますか、そういうふうに運ばれましたものは全体のどれくらいありますか。
  94. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 査定調査のお話しでございましょうか。全般的なもの……。
  95. 白井勇

    ○白井勇君 全般的な。
  96. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 今年は先ほど申し上げましたように、従来やっていなかったところに全面的に手を広げて、検査をしたわけであります。中には査定調査のような異例のものもあったわけであります。査定調査から申しますと、査定権というのは、先ほど申し上げましたように、農林省がお持ちになっておるわけであります。私どもとしては査定権限を持っていないわけであります。ただ御注意する。それで農林省が納得されて、検査院の言う通りだと言って落したのが八十七億ほどになるわけであります。これにつきましては、私どもとしましては、当局の言い分を全部認める、あまり強く事後検査と同じような強い態度では臨まない。これは査定権者を尊重したわけでありますが、そういう態度でやっております。それから一般の事後検査、これは事後の分はものができておりますから、これはいやおうなしに直さざるを得ないわけであります。これについては当局の御処置というものは、私どもとしては相当強く見守っておるつもりでございます。大体は私どもとしても当局の処置が相当のところにいっておると、こういうふうに納得しておるわけであります。
  97. 島村軍次

    ○島村軍次君 今のに関連して、私は実際に事前検査をやられたのを見たことがあるのですが、これはまことによくできておるようです。しかし必ずしも当を得ておるかどうかというのには疑問のような問題があったのです。われわれが差図したわけではありませんが、たとえば水路を作るのに二カ所ばかり、これは出来高の方ですけれども、調べて、そして設計通りにやっておるかどうかということを見られた。ところがそれは設計には反しておったけれども、その一カ所の延長をもって全体の計数を出されて、そしてそれの金額を返納せよ、こういうような指示をされたようです。ところが地元へいって聞きますと、そうでないのだ。たまたま鍬を打ち込まれたところはそうであったけれども、しかしそれはほんの少部分であって、この箇所はそうでなかったのだとわれわれに説明されて、われわれにその判定を求められたことがある。それはわれわれは権限外であるということを、よく県の方なりあるいは農林省の方に相談をして、そして適当な措置をとるべきだということを申し上げたことがあるわけです。私はこれは御答弁は要りませんが、ともかくも会計検査院の実地踏査の場合には、ほとんど技術者の査定する以上の堪能な人がおいでになるということで一般的には非常に敬意を表しておるようですが、たまにこういうふうな非難的な問題をわれわれに聞かされるというようなことがあったということを、将来の検査の上に御参考に申し上げておきます。  それからついでに承わりますが、検査報告の中で、答弁によりますと、厳重なる注意を与えたとか、いろいろありますが、結局たとえば補助金の返還を命ずべきものだ、返還をさせるという答弁になっておるようですが、返還させるという問題のあった場合には、それをどう扱っておられますか、これは会計課長、全部は御存じないかもしれませんが、一々件数ごとにお調べになっておりますか。
  98. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 返還させると書いてありますのは、県庁の方に原則としては金が流れて、そこから各事業主体にいっておりますが、これにつきましては、各県の方と十分連絡をとりまして、それぞれの所要の手続によって国庫に返納を命じておるわけでございます。
  99. 島村軍次

    ○島村軍次君 そういうことを聞いておるのではないのです。実際各件数ごとに、これは返還を命ずべきものであるということがわかったものについては、実際に返還を命じた事実をあなたは報告としてお求めになっておりますかどうかということを聞いておるのです。
  100. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) それは一件ごとに報告を徴しております。
  101. 島村軍次

    ○島村軍次君 それでは千八百三十五号の臨時救農対策施設補助の返還を命ずるように処置するというのはどうなっておりますか。
  102. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) これは返還命令を出しまして、これにつきましては、六月の県会において県の方で議決をいたしまして、その上で返還する、現実の金は。こういうことになっております。
  103. 島村軍次

    ○島村軍次君 現在では六月の県会でやるということであって、まだ返還していない、こういうことですか。
  104. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) まだ現実には金は国庫に入っておりません。
  105. 島村軍次

    ○島村軍次君 千八百三十四号はどうですか。
  106. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) これにつきましては、納入告知書を発しまして、現実にその金がこちらに入りましたかどうかまでまだ調べておりませんが、納入告知書は出しております。
  107. 島村軍次

    ○島村軍次君 あなた御迷惑ですが、会計課で一応頭の御整理をされるために、返還を命ずべきものについては、どういうふうに措置したということの一覧表一つ御提出を願いたいと思います。
  108. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 調べまして、御報告をいたします。
  109. 白井勇

    ○白井勇君 会計検査院にもう少し伺いますが、九百三十号ですか、こういうものは経理上まことにけしからぬと思うんです。これは書いたものだけで見ますれば、これは予算の組み方でも非常に無理があったんじゃないかと思うんですが、その年度中に予定の工事をやるには、やはりそういうようなことをやらない限りにおいては、この工事というものは予定通りできないということで、現場の責任者が自分の責任において、こういうことをやって、これは全部金は工事に使っておるというような、まことにはたからみれば、同情してもしかるべきような面もあるように思うんです。たとえば比較はどうかと思いますが、九百五十号ですか、これはここに書いてあります通りだれがみても、これはもう当然前からおかしいじゃないか、こういう機械を買って放ってあったわけですね。しかも両方の人は、農林省の報告によりますと、ほかの関係もあったかと思いますけれども、両方の人いずれも退職しておる。この九百三十みたいな場合に、これは弁護する余地は、会計検査院としてはないですか。
  110. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 九百三十号は架空経理の問題でありますが、これは数年前に建設省でたくさん出まして、これは幹部以下必死になって現在直してしまった——全国的な傾向をなくしてしまったのであります。非常に広範囲でやっておったのでありますが、農林省も私ども昨年までこの大きな架空経理をやっておるのを気がつきませんでした。で、昨年検査に参りまして、これをみつけて、まだこんな大きなものがあったのかという工合にびっくりしたわけでありますが、これは有明の場合に、この所長が戒告処分になっているのでありますが、幸いにしてへんなところに金を使うという面がなかったのであります。ただこういう経理をしなければ、工事ができないという問題では決してございません。これはむしろインフレの盛んな時代、たとえば人夫もやみでなければ雇えない、材料もやみだというような時代には、当時こういうようなことをせざるを得なかった時期もあるのでありますが、現在ではそういうことはなくなっておりますし、ほかの同じようなことをやっております建設省直轄事業所——工事事務所あたりも、全部こういうふうなものはやめて、一向支障なく経理をやっておるのであります。有明だけ特に同情しなければならぬというような余地はない、かえってこういうことをやっておるために、現金がダブダブ現ナマで出ておるわけであります。非常に危険であります。とかく不正なんかの温床になるということで、非常にこれは嫌われておるところであります、
  111. 白井勇

    ○白井勇君 農林省にちょっと資料をお願いしたいと思うのですが、少しめんどうになるかもしれませんが、農林省で現在事業をやっておりまする、あるいは直接でなくとも補助金を出して事業をやっておりまする事業の今年度のその件数、経費、それから今後ことしのような予算では、何年間かかってそれが完了するのか、それを予算の項目別にもらいたいと思う。私ちょっと概算ですが、計算してみますと、今期が十五億か二十億になるのじゃないかと思いますが、さらにそのあとの方に、食糧増産というようなものも——増産上の事業計画のわかっておりまする概算がありますれば、非常にありがたいと思います。漁港のように今後十五年もかかるというふうに、ばっとしたものはわからないのじゃないかと思うが、そういう資料はできますか。
  112. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の白井委員からの資料の要求は御提出願えますか。
  113. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 御趣旨のようなものを至急に作って御提出いたします。
  114. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 簡単にお尋ねしますけれども、この農林省関係の各事項と申しますか、きょうの審査を見ていますと、二重査定という問題がだいぶ出ているようでありまして、それは農林省建設省関係及び農林省の部内における否定、これはまあ少し御注意になれば、こういった何といいますか、防除をするというか、防止し得るのじゃないかと思うのでありますが、何かこの農林省建設省の間で、査定をされるときの連絡についての事情、またことに農林省部内において二重査定をやることは、非常にまずいような気がするのですけれども、どういうふうにおやりになっているか、簡単でよろしゅうございますが、その点をお答え願いたい。
  115. 柴田栄

    政府委員柴田栄君) お答えいたしますが、これはほかの方にもあるも存じませんが、林道につきましては実は数件あったわけであります。従来実地検査をしないで、査定、決定ということをいたしました場合に、県から単独に出て参りますると、建設省の場合と農林省の場合と、実は気がつかずにやってしまうというような事例もあったわけであります。これは実地検査あるいは実地調査をいたしまして査定をするということが、誤りを防ぐ最も的確な方法の一つだと存じまして、二十九年度以降につきましては、全部を実地調査をいたしまして査定するということにいたしましたので、今後はさような誤りは実はなかろうと存じます。特に連絡をいたしましても、机上査定ばかりですと、実はこちらではわからないというようなことになりますので、どうしてもそういうことを実施するという建前をとるべきではないか、さように考えております。
  116. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 簡単に申し上げますけれども、この会計検査院からの書類によると、百八十九頁にはそういうものが五百八十件、金額で四億九千五百何万円となっておりまして、非常に多いように思います。そこで同じ質問といいますか、意見にもなるのでありますが、何とかこういう一つのところから同じことを農林省にも出せば建設省にも出すといいますか、ことに農林省のどの部局にお出しになるのだか、二つにわたっているために、ちょっと両方の査定金額がふえて来るというようなことは、非常に幼稚と言いますか、実に綿密にやればこういうことは起らないという気が非常にするわけです。もちろん農林省というのは非常に大きな省で、その局も幾つにもなっているから起るけれでも、小さなところならこんなことは起りっこないわけです。何か一つこういうことの起らないような方策をさらに一つ御研究願いたい。もしできますならば、五百八十件についての事情等もお調べ願って出ましたら、どういうためにこういうことが起ったかという事情だけでも報告していただきたいと思うのです。ぜひ一つお願いしたいと思います。
  117. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 この国会に対する説明書の二百三十五ページですね、検査報告の番号は千三百四十一、一番しまいのやつです。これを見ますと、補助工事費から除外すべき金額というのが百三十二万円なんです。そして同上に対する補助金相当額が八十五万九千円になっている。そこで下の措置を見ますと、返還する工事費という所が二十七万六千円になっている。正誤表が見付からないのですが、あるいは正誤表で正してあるかしれませんが、これを見ますと、数字が合わないのです。そうするとその差額というものは一体どうされるか、どういうふうにされるのか、その措置をお伺いしたいのと、あわせてもう一つ前の報告番号千三百四十です。これを見ますと、手直工事費、補強、補足分として二十三万四千円あるけれども、その額というものは補助金の余った額よりも少い。約三十万円近く少い。摘要を見ますというと、再施行となっている。これはどういうふうに解釈をしていいものか、またその裏の二百三十六ページを見ますと、検査報告番号千三百四十四、その次の千三百四十五、これを見ますと、手直工事費というものは、いずれも補助工事費から除外すべき金額相当する補助金額よりもそれぞれ少いにかかわらず、その措置を見ると、いずれもブランク、ゼロになっている。なんだかこれはおみやげをつけてやったようにも見えるのですが、前に申し上げたような意味から、私はどうもこのやり方というのが気に食わない、というのはおかしいが、非常にそういうことをやっても大目に見てあるのだ、また見ざるを得ないのだというようなふうに読めるのですが、これについても一つ説明をいただきたいと思います。
  118. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ただいまの御指摘の諸件につきましては、補助金が当該年度以降にわたって交付されるのでありまして、手直工事等を命じ、その上で後年度に交付する補助金の額を所要額だけ交付しない、こういうことになりますので、返還ということは起らないのであります。ただ三浦委員の仰せられる、そういうふうに設計なり工事施行方法が悪いやつには必要な分も全部やらんでもいいじゃないか、こういうふうな御意向かとも受け取れましたが、災害復旧という特殊なものにかんがみまして、必要の最小限度についてはみていかなければいかんのじゃないか、こういうふうな考え方で措置しております。
  119. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 まあ一応そうでも解釈しなければ何とも説明がつかないのですけれども、先ほど指摘した水産庁関係のところでは、しかもこのページにも二十八年度以降減額する工事費ということもあり、同上に対する補助金相当額という欄がありながら、一はそういうことを明らかにし、一はこれを明らかにしない、ゼロというふうにわざわざ書いてあるのです。私はここにたまたま指摘したのでありますが、よく見ればほかにもそういった数字のつじつまの合わないものがある。私は委員長もまた委員の諸君も前々よりこの決算委員会というものを非常に政府執行部の方に尊重してもらって、こういった不当な不祥な運用というものをできるだけしないように、年を追って改善されていくように非常に努力しておるにかかわらず、そして今回はようやくその初めと終りには大臣、やむを得なければ政務次官まで来てもらって、だんだんとものを是正しようという態勢をやっておるにもかかわらず、こういった事務的なしかも直接担当されていないかもしれませんけれども、少くとも責任担当者としての立場の人がこういう不備な資料を出して、そして疑い深く考えれば、それは説明だけだろう、ちゃんとそこに書く欄がありながら、そしてゼロにしておくといったようなことがある。しかも一つならば落したんですと言えるかもしれませんが、こうやってちょっと見たって四つある、こういうことは私は非常に遺憾千万であって、私はこういった事件というものを極力少くするために、先ほど来舞鶴等のことも何とか行政的にやっぱりそういったことをやる者は恐縮させなければならない。復旧はしたい、復旧はしたい、自分が担当している、ましてや増産の関係のことでありますから、しなければならないことはわかっておりますけれども、ああやってずいぶんがんばって原局としては大蔵省に再三徹夜を何日も重ねるようにして、涙ぐましい努力にかかわらず、思うような経費がとれないために、復旧年限というものはだらだらと長くなって困っておる際に、私はその使い方においてそういったことは考えてもやむを得んじゃないか、こういうふうに思うものですから、ここにいささかくどいような感がありますけれども、私はこの委員会としてのこの単に上げた事件、その事件そのものというよりも、全体の空気を是正していく上において大切な問題だと思う。ですから私はお聞きをしたのでありますが、その二十八年度以降にいわゆる減額する工事量、工事費として、あるいはそれに伴って出さなければならない補助費としてあとで精算するのだというならばけっこうですが、この機会に一つ資料をそれではこの分についてだけいただきます。そう多くしても困るので、この千三百四十号、千三百四十一号、それから千三百四十四号、千三百四十五号、この四つの工事の復旧に関する、いわゆる二十八年度以降の所要事業分量、これをお聞きするのと同時に、もう一つ合せて、前の長崎県の漁港の小浜のところの事業についても同様、二十八年度以降の残事業、これを一つ今度資料としてお聞きしたいのですが、委員長からよろしく一つお取り計らい願います。
  120. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の三浦委員の指摘された第一点ですが、これは私もまた各委員もおそらく御同憾だと思います。これは官房長、あるいは大臣説明からみても、今の御指摘された根本問題ですから、一つ御検討願いたい。  それから第二の資料は、いずれ本日をもって一応終了するかどうかわかりませんが、他にも資料を求めておりますので、いずれまた次回のスケジュールを作って審議をしたいと思いますから、ただいまの三浦君の要求の資料を至急御提出願いたいと思います。できますか。
  121. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ただいまの件でありますが、資料の説明が不十分でありますので、わかるように説明いたしますが、手直し工事だけのもので返還する工事費と掲げてない分は、これだけの手直工事を地元負担でやらせば当初の予定のものができるだろう、こういうふうなことでやっておるのであります。従いまして、ほかにもこれに類したものがたくさんありますが、ただい支御指摘のありました点について詳細に経過をわかりやすく資料として出させていただきたいと考えております。
  122. 亀田得治

    ○亀田得治君 水産庁の方にちょっとお聞きしたいのですが、先ほど私大臣に舞鶴の千歳漁港災害復旧のことを聞きましたときに、ああいう問題は、もう最大の懲戒厳罰に処すべきだ、そういうことに同意をされたのですが、本日配付されたこの昭和二十八年度決算検査報告に対する関係者調、農林省の方から出されたものだと思いますがこれの五十四頁を見ますると、この舞鶴の事件に対する処置の結果がここに書かれておるのですが、一番下段ですね、これによりますと、政府説明書記載の通り関係者に対してはそれぞれ厳重注意と、これだけしか書いてありません。国家公務員法による懲戒処分とも書いてありませんし、いわんや、これが刑事罰といったようなことも書いてない。単にそれぞれ厳重に注意したと、これだけのことなんでしょうか。そういたしますると、一応それだけですか、どうか。さきにまずお聞きします。
  123. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) この件につきましては、実は不正の申告をいたしましたのが舞鶴市になっております。で、われわれの水産庁といたしましても現地調査をいたさなかったということは非常に申しわけないわけでございまするが、直接に不正の申告をいたしましたのは舞鶴市の問題でございますので、府県を通じて市に厳重注意をいたしましたわけでございまして、直接その市の担当者に対しましてわれわれが措置するということも制度上できませんので、そういうことに京都の府を通じまして、また府に対してその監督上の注意を喚起したわけであります。
  124. 亀田得治

    ○亀田得治君 だからもちろんあなたの方は、そういう人を逮捕して起訴したり、そんなことをする権限のないことはもちろんわかっております。しかし公金がこういうむちゃなことによって引き出されたということであれば、ほんとうに公金というものに対しての鋭い良心があればですね、これはこういう事件は、どなたといえども告発は自由にできるわけですから、当然私はそこまで農林省として処置をとるべきものだと思う。私、実はこれを先ほどもらって外に出て、大臣のあの答弁を聞いたのちにこれを少し見てみたら、厳重注意をした、これだけに終っているものですから、これだとあまりにも大臣の答弁と実際なされている処置というものが大きく食い違いがあるわけなんです。今あなたの答弁を聞いても、相手は市がやったのだから市に対して注意した。これだけなんです。私はそれじゃ済まぬと思うのです、とても。それだけでもいいと思っているのですか、あなたは。
  125. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 本件につきましては、先ほど申し上げましたように、事前審査の結果判明いたしましたので、事実問題としましては、工事施行とか予算関係を実施したわけではなかったのでございます。まあ申し上げれば、不正の申告をした、申請をしたと、こういう意味でございますので、その事実が会計検査院の御調査によりまして事前に、補助金を決定する前にわかったのでありますので、実施する前にわかりましたので、現実には補助金等を交付いたさなかったわけでございます。また工事施行いたさなかったわけでございます。ただそういう不正の申請をしたものに対しまして、これはまあ告発ということもございますが、県を通じまして厳重な注意をいたした。まあ現実には政府としては実損がなかったということになります。
  126. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあ実損がなかったということなら仕方ありませんから厳重注意でいいでしょう。で、ちょっとこれは官房長の方が適当かと思うのですが、こういうにせの写真補助金をとろうとしたというような事例は、ほかにも今まで何かあったでしょうか。
  127. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 官房長おりませんので、会計課長でありますが……。にせの写真補助金がこういう形で決定されたということにつきましては、私はまだ寡分で聞いておりません。
  128. 亀田得治

    ○亀田得治君 これは私非常に問題だと思うのですね。なるほど被害はありませんけれども、これは単に被害がないということになれば、これは少し検討の余地はありますが、詐欺かどうかということは、これはそういう公文書が間違って作られてきておるという別な刑事責任というものはやはりあるわけなんです。で、こういうことは、これは実際国民が聞いたら、あきれる話ですよ。だからこれは、やはり厳重注意じゃ何かこれは物足らぬ、実際に金をとったとらぬということは大きな問題ですけれども、しかしそういう計画でやったというこの心情ですね、これは非常な問題だと思うのですよ。だからこういうことはもう少し考える余地が私あろうと思うのです。この通りでいいというのであれば、これはもう一ぺん大臣に来てもらって、こういうふうになっておるのだがどうかということをよく検討すべき問題だと思うのですね。私は公金についての考え方がゆるんでおるというのはここだと思うのです。やるやつもやるやつなんだが、こういうことをされて、ただ厳重に注意したと、それだけで済ましておく方も済ましておく方だと思う。どうも腑に落ちない。これは水産庁の責任者としては、もうこの程度でいいのだというお考えでしょうか、答弁によって私もやはりいろいろ考えたいと思うのですが……。
  129. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) この件につきましては、非常に私自身はけしからぬことだと思うのです。またそれに対しましては、今後こういうことのないように特に現地調査を十分にいたしまして、そういう査定の間違いのないということを期待し、また同時にこの件につきましては、各府県にも同様に注意を喚起したわけでございます。
  130. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまの亀田委員の御質問の件については、これは私も先ほど申し上げたように、補助金の行政が非常に結果において乱脈をきわめておる。それでこれは明らかに今亀田委員のおっしゃられた通りだろうと思うのです。そこで今現行法においては、これに対して制裁規定がない。しかも相手が地方の自治体という法人だから注意のほかはしようがないとおっしゃいますが、たとえば、これはほかのことですけれども、もしほんとうの災害が起きた場合に、やはりそういう前科者に対してはある一つの制裁を加える、補助金を支給しないとか、あるいは補助金査定において減らすとか、これは他に対するみせしめをするという意味で、たまたまあなたのところの問題でこういうことを指摘されておるが、これは他の局にもこういうことはあり得るので、もしあった場合にはこのみせしめということをやらぬことには、このガンになっておる補助金行政というものがうまくいかない。これは本委員会として、前々国会においては小委員会まで設けて、数カ月にわたって各省の補助金行政を実際に見ておるので、まことにこれは遺憾にたえない。実際の行政の衝にある者は、今いったように厳重に注意しました、それ以上にできませんというのでは、誠実な長官としてどうか、補助金の行政に対するもっと責任あることをやってもらいたいというのが、今の亀田委員その他の委員のこれは私は真意だと思うのです。この点は事前調査でもって露見して、国損しなかったのだからいいじゃないかというようなことでは了承できない。これは単に水産庁長官のみの問題ではないので、他の局にもそういったようなことを十分一つ何かの道でもって制裁を加えることがあってしかるべきだと思うのです。  それから会計検査院にお聞きしますが、事前調査においてかような事態が発見された場合には、これは明らかに詐欺行為なんです。こういった場合に、この場合には市長なら市長を検察庁に渡して起訴するとか、そういう処分はできないのですか。
  131. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 事前調査は、先ほどから申し上げております通り、昨年初めてやったわけであります。それで事の意外に私どもも驚いたわけであります。あまりに結論的にひどいという感じを受けたのでありますが、これは先ほど申し上げたように、まだ工事も着手していないし、補助金も一文もいっていないという段階で、なるべく早くというのでやったわけであります。まあいわばにせの申請はしておりますが、国は損害を受けなかったわけであります。これを単なる道義的の責任ということになれば話は別でございますけれども、それ以上の責任を追及するというまでにはちょっといかないのではないだろうかと、私どもとしては農林省に勧告書を出しまして、すぐ再査定をやってもらう、そうして補助金を全部落してしまうという措置でとるほかはなかったと、こういう状況であります。
  132. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の御答弁ですが、事前調査をやった、たとえばこの場合には舞鶴の市長の名前で農林省に対して正式な文書をもって申請をしてその査定を受けているわけです。そうして現にもし会計検査院が事前に発見しなかった場合には工事に着手しておるのです。そこに法理論的に考えて、今亀田委員の言われたように、事前に発見したのだから、引っ込まして、国損にならなかったからいいじゃないかということでは、会計検査院の権能からいっても、これは非常におとなしいと言えばおとなしいが、事補助金に関しては非常に会計検査院は困っているわけです。こういう報告を国会にして、これに対する是正を暗示しているわけです。それであれば会計検査院として事前調査をやって、こういうものを発見した場合には農林省に勧告をして、国損がなかったからいいじゃないかというようなことでは、これでは、会計検査院調査といわれますが、調査においても、こういったような正式な公文書として、しかも農林省がこれを査定して現地に出すばかりになっておったものを押えたから、まあ事前だったからいいじゃないかというのでは、どうも今日の会計検査院の権能を十分に発揮していないような気がするのです。それでいいのかどうか。これはまあ会計検査院長あるいは検査官の問題かもしれませんが、あなたは少くとも会計検査院局長として、第一線の責任者としてそれでいいのかどうか、伺いたい。
  133. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) ただいまお話しになっておりますのは事前調査の件でありますが、御承知のように、事後検査でも毎年たくさんにずいぶんひどいのが出て参ります。そうして二重取りをしたり、補助額に相当する工事をやらなかったり、いろいろなのがありまして、中には詐欺ではないかと疑いを持たざるを得ないようなものがあるわけです。ところがこの詐欺は、結局相手を欺罔するという意思と、相手に損害を与えたということが要件になるわけでありますが、大体において国となれ合いというとおかしいのですが、府県の機関が、府県の公務員が、国の機関としていろいろ検収をしたり何かしておるわけであります。そういたしますと、国の機関と結果においてはなれ合いでいったことになってしまうわけでありまして、どうも詐欺罪として成立するのはおそらくないだろうと、こういうような結果にもなるのであります。それでそういうふうに、もうすでに補助金をとっておるものでもそういうようなことになるのでありまして、今問題になっております舞鶴の案件のように、まだ補助金もいっておらぬというようなものは、道義的な責任は別といたしまして、法律上の責任というような点になりますと、ちょっと成立は困難ではないかと、こういうふうにわれわれとしては考えておるわけであります。
  134. 亀田得治

    ○亀田得治君 これはもうとても腑に落ちない答弁ですね。その前に一つ聞きますが、この不当事項なんかがたくさんありますが、全然何もないのに金をとろうとした、あるいはとったというのは、これだけですか、舞鶴のやつだけですか、ほかにも相当あるのですか、この報告書の中に……。
  135. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) この事後検査の場合、従来わかっておるのでありまするが、たとえば百六十八ページに大きな表がつけてございますが、この中に架空工事というのがございます。それから二重査定、こういうようなものは、災害を受けもしないのに災害を受けたことにして補助金をもらって、何もやっておらんというようなやつであります。一番上の欄であります。件数はあまり多くはございません。最近非常に減ってきておるのでありますが、従来は年々架空工事などが十件くらい見つかった年もございます。それからあと今のようなやつでも、なかなか詐欺罪の成立ということになりますとうまくいかない。で、私どもとしてはもちろん告発したこともございませんが、結局補助金を返させるということで今のところ処置するよりほか手がないように思うのであります。それから文書偽造という問題も起りますが、これはただの文書偽造というだけではなかなか裁判所、検察庁あたりで取り上げてもらえないというのが現在の実情でございます。
  136. 亀田得治

    ○亀田得治君 これはいろいろ問題がありますが、この表によりますと十四件ですね、で十四件といえば、事態が悪質なだけに、やはり数は相当あると見なければなりません。あなたの方で調べただけでこれだけ出ているわけですから。ところがこの十四件について一つもそういう刑事的な問題というものは起されておらないわけでしょう、全部について。
  137. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) この表は十四件のうち、架空工事が四件、それから二重査定が一件、それ以外の九件というのは、いわゆる便乗工事、程度のひどい便乗であります。この四件が一番質が悪いのでありますが、これは私どもとしては、現在のところ、補助金を返させるという方向に進んでおるわけであります。
  138. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうしますとこの書類のなかで、全然架空であったというのは、未遂のやつが一件と、そうして既遂のやつが四件、こうなっておる、それがなかなか詐欺罪にならないだろう、こういうことをおっしゃるのですが、これはとんでもない解釈ですよ。私も検察官にしてくれれば、こんなものは簡単に法律構成できますよ。ないものをあるとしたのですから。たとい相手の農林省のだれかと結託して、その人と了解づくであっても、出すのは国家が出すわけですから、農林省の人も共犯になるわけです。だからそれもひっくるめて起訴さるべき事案なんです。ところが農林省の人も知らなかったというのなら、その金を取った人だけが詐欺罪として起訴されるわけです。そんなことはおかしい。それから舞鶴のやつは、これは詐欺罪ははっきりしているのです。それからもう一つ、舞鶴のやつなんか被害がないないといわれるのですが、詐欺罪の刑法の規定は、二百五十条で未遂罪はこれを罰することにしているわけです。被害がない場合はほっておけという趣旨なら、未遂を特に罰する規定を詐欺罪に入れる必要はないわけです。たとえ未遂であっても、これが社会上ほうっておけんというやつはやはり問題にすべきだということでこれは入っておるのですよ。それが被害がなかったからまあ執行猶予にするとか、あるいは刑期を軽くするとか、そういうことはあり得ても、それが何でもないことになるのだということは納得がゆかないのです。だからその点、検査をされておられる検査院の方は、私どもまあ報告書を見ておりますと、相当熱心にいろいろやっておられるようですが、この締めくくりの点について、九仭の功を一簀に欠くというようなうらみがあるのです、あなたのお話を聞いていると……。そうじゃないので、もう一つ、そこまではっきりしてきたのなら、一つでも二つでもほんとうに悪質なやつはこれでゆくのだということをぴしっとやってもらわんことには、これはさっきの……、これは係が違いますけれども、あれは大臣なんかの答弁以下ですよ。監督する方がそれじゃあなた、監督される大臣の方がもう少しこれは良心的に考えているという感じです。これはとても納得ゆかんです。そんな法律解釈は改めてもらわんといかんですよ。どうでしょうか。
  139. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 国の機関として検収とか何かは全部やっているわけであります。府県の吏員なり何なりが国の機関としてそういう行為をやるわけでありまして、国の機関がやった行為は結局国に帰属するというのが、現在の法律解釈の普通の考え方でありまして、国と同一人が検収なり査定なりをやる、こういうふうに最後にはなってしまうわけであります。先ほど仰せのように、農林省の役人なり府県の役人が検収をやったことに対して、国がこれに刑事上の責任を追及するということはちょっとできないかと思うのであります。また現にそういうふうに考えているわけであります。  それから検査院が大へん甘いというお叱りで、まことに恐縮でございますが、現在の詐欺罪というのは、こういう場合にはなかなか適用が困難だ、こういうことで今衆議院にかかっておりますが、補助金の適正化に関する法律というのが現在法案が出ているのであります。大体これは詐欺罪、先ほど御引用になりました未遂罪を含めて詐欺罪と同じような取扱いをするという建前で、大体同じような条文が現在かかっているのでありますから、こういう法律を出さなければ現在では罰することができない、そこでこういう法律が出るわけでありまして、こういう法律が出ているということによりまして、決して私どもが不当に甘い、九仭の功を一簀に欠くうらみはございますが、現在のところどうもしようがないのじゃないだろうか。今の補助金の適正化に関する法律というのが、昨年の夏国会に出たのでありますが、これは衆議院は通らないのであります。今度なるべく私どもとしては通ってほしいと思っているのでありますが、この法律でも通りますれば、また取扱いが変ってくる、こういうふうに考えている次第であります。
  140. 亀田得治

    ○亀田得治君 それは非常に法律解釈が間違っていますよ。具体的な例を私幾らでも申し上げていいのですが、昨年やはり福井の地方検察庁では、これは見積りを過大にして補助金を多く取った事件です。これは詐欺罪として起訴しております。だからそれは、実際にその関係者が、ほんとうにこいつはけしからんやつだということになってくれば、検察庁だって扱うわけなんです。ところが肝心の検査院自身がそんな考えじゃ、それはとても検察庁はしんどい目をしてまで取り扱おうとしませんよ。法律的にはこれはもう明らかな詐欺罪なんです。これは判例もちゃんとあります。だから今衆議院でそういう法案が出る出ぬにかかわらず、これはもう明確なんです。ただ、たとえそういう法案が出ても、今までのような考え方が改まらぬ以上は、その法律というものは大してこれは活用されませんよ。現在でもこれはもう刑法ではやれるのです。それをやっておらぬわけなんですから、むしろ逆にそのことをおそれるのです。そういうわけではなはだこれは私の取り扱いが納得いかないのです。それでこの既遂の分の四件ですね、これは委員長にお願いしますが、この四件と、それから舞鶴の未遂のやつ、この一件と、一体事案はどういうことだったのかという、その個別的に詳細な具体的な報告書一つ提出してもらいたいと思うのです。それを見ればこれはもう法律構成なんかでもすぐわかるわけですから、その上で私はこの点農林大臣にもう一度、一体そういう処置でいいのかどうか、こういう点をあらためて質問をしてみたいと思います。委員長にこの点お願いをしておきます。
  141. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の亀田委員の要求された資料ですが、これは説明書にも、この五件については簡単に触れておるだろうと思いますけれども、なお今の要求に基いてもっと詳しい経過を知らせる資料の御提出を要求します。
  142. 岡三郎

    ○岡三郎君 私はできるならば、これは提案になると思うのですが、提案としてでなくても、一応考えてもらいたいということは、今言われたようなものがあったならば、二重査定問題ですね。こういった問題の中で一つ当事者をここへ呼んで、それでできるかどうか考えてもらいたい。当事者を呼んで模範的な場合のやつをここで証人の宣誓をしてもらって十分、そういうことがどうして起ったかという点を、ただ書きものだけでもあまり形式的に流れるから、一ぺんモデル・ケース一つここへ呼んで、それで一つ一ぺんやってもらいたいと私は思うわけです、実際は。で、特に私たち見ていたんだけれども、毎年同じような状態でよくなったというけれども、この紙の面で見ただけではよくなっていたわけなんだが、検査の方で今見ますと、それで特に二十八年度は風水害があって事件が多いということはわかるのでありますけれども、まあ農業施設関係で見てもずいぶんあっちこっち金が余っているというように書いてあるのです。  これは農林省の方に伺いますが、これを全部取り立ててありますか、返還を命じたということでなくて、明らかにその会計だか何だかが金を貯金していたり、あるいはこういう余裕が、ここへ余剰金が出ているという、そういう金が一ぱい残っているわけです、ここへ。これを全部取り立ててあるかどうか、これを一つ聞きたいと思うのですが。
  143. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 事案の内容によりまして、返還をすべきものというように決定をいたしましたものについては、それぞれ取り立ての措置を講じております。現に国庫に納入になっているものもございますし、これから入ることになっておるものもございます。
  144. 岡三郎

    ○岡三郎君 ずいぶんあっさりしたお答えですな。そんなことで私たちの質問に答えたことになると思いますか。昭和二十八年度でしたね、二十九年、今やまさに昭和一十年、三十年になって、このたとえば代表的な出雲村ですか、八坂村のこういう金、これは返ってきておりますか、どうですか。百七十七ページ、百七十八ページに載っているこの山口県の佐波郡の出雲村とそれから同郡八坂村においても云々と書いてありますが、これを見るというと、相当の無理な工事をしてきて、余剰金があるというふうに書いてある。こういったものは返ってきておりますか。これだけじゃないですよ、ずっと見ていくというとずいぶんあっちこっちに金が残っているように書いてあるんですね。その模範的な例として、出雲村と八坂村の金がその決算ではっきりなっている以上、当然返ってきていると思うのですが、現在国庫に収納してあるかどうか。
  145. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ただいま御指摘のありました出雲村の件でありますが、たびたび岡山の農地事務局から出向きまして、返すべき金を確定いたしまして、返還の手続をしております。ただいま私の方の手元にきているところでは、返ったか返らないかという確認ができておりません。至急調べまして、あとで御報告したいと思います。
  146. 山田節男

    委員長山田節男君) そうすると今の岡委員からも要求があったように、これはすぐここでわからんだろうと、回収すべき、返還すべき金で、たとえば昭和三十年三月三十一日まで返還さるべき金を幾ら回収を現実にして、それから未返還のものが幾らあるというような表を一つ作っていただきたいと思います。資料できますか。
  147. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 先ほど島村委員からお話しがございましたので、それにつきましてはできるだけ早く調製いたしまして御提出をいたします。
  148. 岡三郎

    ○岡三郎君 これも同じことなんですが、そういうふうな生ぬるい状態でその問題の解決にならんということは指摘された通りだと思うのです。それで昭和二十七年、二十八年、二十九年と、こうあるわけですね、今までずっと順々に……。それから二十四、五年ごろからの一つ全部取り立てるべきものを明細表をずっと出してもらいたいと思う。作業は大へんだと思うけれども、私は今の八坂、出雲の分だけでもはっきりここで取り立てておりますと言えばやめようと思ったのです、実際は。あなた方も大へんだし、担当部局も変っていて、それで今ここで責める人が当事者でなくて、別の人がここでしぼられたのじゃかわいそうだと思う点もあるのでやめようと思ったけれども、しかし現任者としては一応そういう責任が引き続いてあると思うから、引き続いてあるというわけで言っているわけですが、ほんとうはやぼな話で、あなたは別の部局で、途中からかもわからんけれども、そういうことをやっているかもわかんから……、そういうわけで、何かそういう点についてどっかで、もうさっきの詐欺になるかならんかの話じゃないけれども、どっかでピリオドを打ってくれなければ、会計検査院検査しているけれども、担当の方ではしっかりやっていると言っても、結論としてはやっていないことになっちゃうのじないか。そういう点で今ちょっと無理を言いましたが、二十四年度くらいから一つずっと出してもらいたいと思います。取り立てているか、取り立てていないか、それから取り立てるべきものはどういう処置になっているか、これは決算報告が出ておりますわけですから、それと対照すると私たちの方でもわかるわけだけれども、それを一々質問したら三日や五日じゃ終らんと思う。そういう点で一つお願いしたいというわけなんです。これは水産の方にも金が余っているなんという事件があるわけなんです。いろいろ各方面に金が余って、ことに農林省というところは愉快なところであるというふうに考えるわけです。しかしこんなことを言ってもしようがないから、今のデータを出してもらってやるということにして、私は委員長にお願いしたことは、どっか一つ模範的なというと変ですが、何かおきゅうをすえるというと変ですが、われわれとしては十分実情を聴取してみたい。従って近いところはわれわれが行って補助金をくれたところが余ったようなところがあったらほんとうにそういうところを視察する。でき得るならば費用の点もありましょうけれども、ここへ一つ地元関係者を出席してもらって、そうして十分一つその実情調査してみたらどうかというふうに考えるわけなんです。
  149. 山田節男

    委員長山田節男君) お諮りいたします。もう時間も六時になりまして相当おそくなりましたので、きょうただいまは農林省所管一般会計の方の批難事項の御審議願ったわけでありますが、きょう各委員から要求された資料も農林省から追って提出されるだろうと思います。スケジュールがもうきまっておりますので、農林省所管一般会計の方は一応これで審議を終えまして、今日は打ち切りまして、資料が提出された後におきまして、あるいは大臣その他各政府委員出席願って御審議願うということにいたしていかがでございましょう。
  150. 岡三郎

    ○岡三郎君 それは委員長の言うことはほとんど私はまあ承服してもいいけれども、今の点だけは承服できない。というのは、これで一応というと、これは十分あと取り上げる余裕もありますが、農林省に関しては他のスケジュールがあるから、それでは別にして、一つ一カ月ぐらい農林省だけということで、保安庁もありますが、十分一つやる期間をとってもらわんというと工合悪いと思う。だから一応のスケジュールを終ったあとで、このころには調査資料も出てくると思う。だから十分余裕をもって農林当局の方にも十分検討してもらって、十分間に合うように御準備を願ってけっこうなんですから、それからでも一つある程度納得できるように御審議をわずらわしたいと思うわけなんです。この点は大体委員長のお考え方に合っていると思いますが。
  151. 山田節男

    委員長山田節男君) 岡委員の御意見ごもっともです。その御意見を前提として今お諮り申し上げたのです。なお、明日は、特別会計に入りまして、食糧庁の関係、金曜日には林野庁関係、農業共済保険、こういうふうに続けてやりますので、明日は食糧庁関係大臣出席を要求しています。いろいろ関連質問もこれはしていただくということにしまして、ただ事務のスケジュールを、大体議事の進行をはかるためにただいま申し上げたのであって、一応終了という言葉を使いましたが、もちろん今岡委員の指摘された前提条件を含んでの意味であるということを御了承願いたいと思います。なお岡委員からの御請求の、こういった批難事項の最も悪質な例のものについては参考人の出頭を求めて、実際の事情を確かめたらどうかという御意見でありますが、この件も実は本委員会の開会の当初に議員派遣の問題で一応御了承得たわけでありますが、しかしこの議員派遣は休会にならないと実施できないのであります。今の悪質な批難事項に対して参考人を呼んでここでいろいろ調査するかということにつきましては、理事会に諮りまして、理事会に諮った結果、さようにすべしだということになりましたら、重ねて本委員会に諮りまして、さように取り計らいたいと思います。  そういたしますと、以上申し上げましたような条で農林省所管のうちで一般会計の部、すなわち検査報告批難事項としてあげられておる九百三十号から千八百五十七号までは、本日一応質疑を終了したということにいたしまして、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。  明日は農林省所管特別会計に入りまして、食糧庁の部を審議いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後六時四分散会      —————・—————