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説明員(増原
惠吉君)
自衛隊の
部隊の規律を操作しなければならないという
委員長の仰せは、まことにごもっともでありまして、便宜から申し上げましたように、私
どもも十分その点は
一つ留意いたしておる点であります。いわゆる制服と制服にあらざる者との問題は、
一つには通常内局と称しております、
長官の補佐機関として、
防衛庁の基本的な施策を
長官がきめられる場合に、これを補佐するという任務を持っておりまする者が、制服にあらざる者として少数の者がございます。しかし制服にあらざる者はそれ以外に
相当数ございます。これは警察予備隊発足当時は
割合に少なかったのでありますが、目後次第に
部隊の仕事を最も効率的に行うのはどうすればいいかということを研究をし、実際とにらみ合いまして、だんだんに制服にあらざる職員が、いわゆる内局というもののほかにもできて参ったわけでございます。たとえば
部隊で連隊とか大隊とかいうふうな
部隊でありましても、ボイラーをたいておる者、電気
施設等の修理、保守をなす者というものは、二年とか一年とかというような期限をもって入って参りまして、また、その後だんだんといわゆる陸曹という昔の下士官のようなところに上っていきます者にやらせますよりも、制服にあらざる者で
技術を身につけ、
相当長期に亘って仕事をやらせることのほうがむしろ効率的に仕事を行うことができる。制服員でありますと、ボイラーをたかしておりましても、やはり最小限一週間に何時間というようなものは銃を持たせ、機関銃を持たせて、訓練に出させるということがまた必要になって参りまして、そうした仕事の能率をあげる上においては、あるいは
技術を向上せしめる上においては必ずしも適当でないものを、制服にあらざる君でだんだんと補充して、全体の人数、全体の構成を見ますと、最も効率的なものだという
考え方で、制服にあらざる者を少数ながら
部隊そのものにも持っておるというわけでございます。
そして
調達の
関係は、先般の
委員会にも申し上げましたように、当初は第一幕僚監部、第二幕僚監部にそれぞれ
調達関係の部門がございました。このたび
指摘をされておりますものは、その多くのものが第一幕僚監部、すなわち陸の幕僚監部に属するものでありますが、当時の陸の
調達の内容は、
調達課でありましたが、当初出発をしました際にはほとんど全員が制服であったわけであります。しかしやはり
調達補給
計画というような、原価
計算というような問題は、やはりそういう事態になれて、平素この大砲、機関銃等を持ちまして訓練をすることはいたしませんで、そういうことに専念をしていく者の方が、知識、技能も上達をして、能率的に行えるという見解で、だんだんと陸上幕僚監部に属するものでも、制服におらざる者の数をだんだんふやしていったわけでございます。
調達実施本部になりまして、付属機関となりました際に、さらに制服にあらざる者の数がふえまして、三十
年度予算でお願いをしております分では、従来は半々くらいでありましたものを、大体四対一くらいの
割合で、四の方々制服にあらざるものというふうにしまして、この方が、やはり
調達補給というふうな仕事をいたしまするのには、組織、経験、技能等を発揮するのに適当であろうというふうな
考え方をもって今進んでおるわけでございます。しかしこの点は規律
審査の問題ももとよりございまするが、
先ほど御
質問のありました
部隊の
実情の連絡ということがもとより問題になるわけでございます。このたびの
批難事項の中には、いわゆる
調達と申しましても、
契約をし、原価
計算をする部面のみの手落ちでなくて、いわゆる
部隊側に嘱する
調達要求の方にも手落ちがあったものもあるわけでございます。従いましてこの
調達実施本部は四対一で原価
計算なり
契約の方式なり、あるいは事後の
検査なりというふうなものを、制服にあらざるものが主としていたしまするが、
調達要求自体は
部隊の方から出て参るわけでございまして、
部隊の方で
実情を把握せしめることに一そう具体的な留意をいたさせまして、この
調達要求を出す、これを受けまして
調達実施本部で仕様書を見、原価
計算を行い、
契約をやり、
検査をして、収納をするというふうな措置にいたしたいと
考えておるわけでございます。これはしかし、いわゆる中央におきまして全般的に統一をして、
調達することを適当と認めるものについて行なっておるわけでございまして、各
部隊、
部隊において、いわゆる地方
調達、これ比較的金額その他も少いものでありまするが、そういうものは各
部隊々々において
調達をいたしております。この部面の経理担当のものはすべて制服員でございまして、せんだっての機会に二十八
年度延千名、三十九年約七百名というふうな経理担当者の教育訓練をやっておるように申し上げました中には、そうした
部隊の制服で経理に当っておるものも入っておるわけでございます。そういうことで、
部隊におきまする
調達はやはり制服をもってあてる。中央
調達というふうなものは、やはりその知識、技能、経験等を最も活用する意味におきましては、やはり
相当部分が制服にあらざるもので占める方がよろしかろう。そうしてこの人たちがだんだんとやはり熟練をし、技能を身につけて参りまして、次第にその成績を上げ得るようにはなっておると存じておるわけであります。しかしやはり制服
部隊全体が大きく制服
部隊でありまするので、制服の人たちが
調達実施本部にも入っておりまして、
部隊の
実情を人的な構成の上からも的確に反映せしめるという考慮は必要でありまするので、大体この四対一くらいの
考え方、多少あるいはこれよりも制服員が減少するということもまたいいという結論が出るかもわかりませんが、三十
年度におきましては、そういうことでやって参りたい。そうして全体につきまして指揮規律を
審査することは、制服非制服を問いませず、十分大切な事柄でありますので、その点についてはなお、一そうの
努力を払いたいと思っておる次第でございます。