○
説明員(
佐藤輝雄君)
新宿につきまして御
説明申し上げたいと存じております。
新宿につきましては、現在私
たちもまだ
検討中でございまして、確定した最後の案だとは申しにくいのでございます。だんだん案が固まりつつありますので、それにつきまして御
説明申し上げたいと思っております。なお、この前
資料を提出しろという
お話でございまして、私の方から
資料を提出いたしましたのですが、しかしこれらの中には、大体確定したものはこの
資料としてお配りしてあるのでございますが、きょうは実は手元に
新宿の案というような
図面をわずかばかり持ってきております。こういうものにつきましてはきょうお目にかけまして、もし必要でしたら、こういう
資料はのちほどお配りしたい、こういうふうに存じております。
まず
新宿駅につきましては、この前たしか御
説明申し上げたと思いますが、ここを利用しております
旅客が七十三万ございまして、そのうち
乗降人員が三十八万、
あとの三十五万はお互いに
乗りかえている
お客でございます。非常に
新宿は
乗りかえが多うございます。
お客がこういうふうでございまして、
貨物の方は大体年間五十万トン取り扱っております。ここを通りますものが、
中央線の
電車で一日に六百六十八回、上下で通っております。それから
山手の
電車が四百六十回、
中央線の
列車が二十八回、それから
臨時列車が十回、それから
小田急が五百九十八回、
京王電車が五百四十八回、このくらい通っております。なおこのほかに、今後
西武鉄道が入ってくる。また
地下鉄が入ってくる。それからこのほかに現在におきましては
バスが
東口に十一
系統、西口に三十
系統、それから
甲州口に六
系統、全体で四十七
系統入っております。こんな
格好でございます。
それで私
たち新宿が将来どういうふうな形に発展していくべきかということをいろいろ
考えているのでございますが、どうも
東京の
ターミナルといたしまして、大体
東京駅が
中心でございます。そのほかに
上野とか両国がございますが、何か西の方にも
東京の大きな
ターミナルを作るべきではないかといろいろ
意見がございます。そういう点につきまして、もちろん
新宿駅は
中央線の
ターミナルというような
格好になっておりますが、そのほかにもう少し
東京の
ターミナルといたしまして
新宿の
性格を打ち出せないか、どうも
お客様が
東京駅ばかりに集まりまして、そして混乱を招くおそれもございますので、分散させるのがいいのじゃなかろうかというような
考えを実はいだいていたのでございます。
それでいろいろ
検討をしてみたのでございますが、どうも現在の
新宿駅の束縛された面積の中ではなかなかそれが思うように入りません。で、きょうもここにも
図面を持ってきておりますが、私
たち結局
考えましたのは、
新宿駅は
電車の
一つは駅でございます。その次に
考えましたのは、言葉は語弊があるかもしれませんが、レクリエーション・センター的な駅、つまりあそこから
旅客の
臨時列車を、現在でも
臨時列車は出ておりますが、たとえば
上信越、
東北、
中央線、それから
総武線、
東海道を出す。こうしたら、大体
中央線沿いに
住宅地が多いものですから、こういう
列車を出したら非常に便利になるのじゃないか。あるいはさらに進んで、
東海道の一部、
遠距離急行列車を
新宿から出してみたい、こういう
考えを持っております。
それでこれらにつきましていろいろ
検討をしたのでございますが、なかなか
ホームが作れない。結局あそこに
貨物の
操車線がございます。その一部を撤去いたしまして、そこに
ホームを二面ぐらい
——二本作りますと、かなりそういう
列車が出せるのでございます。で、特来の構想といたしましては、
新宿にそういう
性格を与えていったらどうか、こういうふうに思います。
その場合に
貨物をどうするかという話がございます。現在
新宿駅では
中央線それから
山手線を通じての
東海道、
常磐、
東北、
上信越と
貨物のやりとりをしている
操車線群がございます。それをほかの第二の
環状線のようなものを作りまして外に追い出せば、そこに今申し上げましたような
ホームができる。さらに進みまして現在あります
新宿の
貨物をどこかえ移せないかということを
検討しているのでございますがこれは
山手線の
貨物駅全体にかかわる問題でございまして、この
検討はなかなかむずかしくて、まだ
結論を得ていないのであります。しかし大体におきまして、私
たちの
考えは、
常磐線の
操車場といたしまして田端の
操作場というのは非常に参っております。
あすこは非常に狭い所ですし、
都市の真中で煙を出して非常に御迷惑をかけているのでございますが、ああいう
操車場をもう少しどこか柏の方かあちらの方にもっていったらどうか、そうしますと、
常磐で参ります
貨物がその
操車場にかかりまして、
総武線に行くのに金町を経由して新小岩の
操車場にかかる。それから
東北線に行きますのにその柏の方から
——柏になりますかどこになりますかよくわかりませんが、そこから
大宮操車場に行く。そうしますと、
常磐線から来ましたものが
大宮操車場にかけられる。さらに
大宮から川越の方を通りまして
中央線のどっか、三鷹か国分寺の方に出る。そうしまして現在の
両部線に結べば
常磐、
東北、
上信越、
中央線の
貨物というものが
南部線を通じまして新鶴見を経て
東海道に行く。そうすると
山手の、
都市の中を
貨物列車が走らないで、また中に汚ない
貨物駅を置かないでいくことができるという
考えが出るのです。
ただこの場合に問題になりますのは、
貨物駅が割合に遠くの
環状線に移りますので、
市内との間の小
運搬の距離が延びる、そういう点が経済的にどのくらい小
運搬費が増加するかという問題もあわせて
考えなければならぬと思っております。
次に、
通勤輸送その他の
電車輸送でございます。これにつきましては、いろいろ私
たち考えているのでございますが、規程はまず
十両運転までいきたい。
十両運転にいたしまして大体
電車と
電車との間隔は一分五十秒近くにもってゆきたい、こういうふうに
考えております。一分五十秒と申しますと非常につまって参りまして、
信号機の問題、
制動器の
問題等いろいろ出て参ります。それで
列車が十両にもなって参りますと、みな
ホームは延ばさなければなりません。
ホームを延ばしますと、
中央線の各駅が駅の前後に
踏み切りがございます。これが引っかかる。この
踏み切りには大
てい繁華街が付いておりますから、
立体交叉にいたしますと、
商店街と
道路が離れます。この点が非常に困る問題なんでありますが、まあ何とかいたしまして、
十両運転まではもってゆきたいというふうに
考えております。また
東京駅の
ホームあたりでもいろいろ
考えなければならないのでありますが、それと同時に十両にもなりますと、一
列車から下りる
お客が非常にふえて参りますから、
ホームの幅と
ホームの
降り口の
階段を広くする、
地下道を広くするという問題が起きて参ります。で、
新宿駅につきましては、去年からでございますが、
新宿駅の
ホームを広げております。これは線路を殺しまして広げております。それからそれに伴いまして
地下道の幅、
階段の幅を広げております。これは非常にめんどうな仕事でございまして、ほとんど
夜間作業をやっておるのでございますが、去年からずっと続けて、来年の秋ごろでないと完成いたしません。これはもう御存じの所だと思いますが、今一生懸命やっております。こうなりますと、
新宿駅の
乗り換え関係も幾らかよくなって参ると思っております。
それから
新宿駅につきましては、その一番初めにかかりましたのは
青梅街道口の
入口なんでございますが、私
小田急で通っておりまして、しょっちゅう通りまして、実に情けないと思ったのでございます。毎日押したりなんかされまして、非常に
怪我人が出るおそれが多分にあったのでございます。これは今まで
京王帝都さんが
甲州街道口で結んでいたのを、急に口が
青梅街道口に出ましたために、一度に
お客さんが
向うに来るようになりまして、それであの
地下道呑み切れなくなって非常に困ったのでありますが、あの
入口は去年直しまして非常に緩和されました。今度
西武鉄道さんが乗り入れてくるように、二十五年ごろから出願ございまして、これは承認しておるのでございます。現在の
駅ホーム並びに
地下道でそのまま乗り入れますと、また
あすこで
お客の
乗りかえがふえますので、その点、この前も御
説明したように、現在
検討しております。
西武鉄道から参りまして
山手に乗られる方は、高田馬場で
乗りかえられればいいのでございますが、
中央線へ
乗りかえられる方は
新宿駅へこられますから、どうしても
新宿駅が混むわけでございます。この点現在
検討いたしております。
こういうような中の事情でございまして、それで
新宿駅の問題になってくるのは
各日の問題でございます。口をどういうふうに
考えますかでございます。今の
東口、これは従来の
新宿駅、あの二幸のある口でございます。これは
国鉄の今まで一番使っていた口でございます。先ほどいった三十八万の
乗降人員があって、その三十八万のうち約二十万がこの口を利用しております。それからその次は
青梅街道口でございますが、
京王帝都の方、
小田急あの口でございますが、大体九万から十万
あすこの口を使っている。それからその次はあの
甲州街道口、
橋梁の上の方の口でございます
甲州街道口、あれに大体八万ぐらいでございます。それでこの口をそれではどういうふうに使っていったらいいかということでございますが、
国鉄線を利用されます
お客は、
東京都の
中心地にいかれる方は大体
中央線を乗っていかれる
お客でございます。それから
新宿駅で降りられる方は、大体あの
新宿の町で用を足される
お客ですから、
国鉄といたしましては、この
新宿の
東口に本拠を置くべきじゃないか、こういうふうに
考えております。それから
青梅街道口でございますが、これは大体
京王帝都さんの方に
お客が多うございまして、大体両
私鉄の根拠地的の所でございます。それでこれらの
お客は
市内にいかれます方は、
国鉄線を利用される方もございますが、将来は
あすこを
地下鉄でいかれるか、
バスでいかれるか、都電でいかれるか、こういうふうになると思います。ですから
青梅街道口は大体
京王帝都さんがお作りになったらいいのじゃないか、それに私
たちが口を利用させてもらえばいいのじゃないか、こういうふうに思います。それで
小田急、
京王帝都、両
鉄道から
青梅口の
建設の
設計協議がきておるのでございます。これは
向うでビルディングを作って
国鉄が使ってもいいというようなことでございますね。ですから私
たちといたしまして、
東口それから
青梅街道口というのは大体
性格は同じだから
国鉄としては
東口をとればいいのじゃないか、そう
考えております。それから
甲州街道口でございますが、これは
道路管理者の方と
国鉄の方とのまあ両方の責任だろうと思うのでございますが、非常な
雑沓でございますから、
バスがあそこに着きますし、ハイヤー、タクシーが来ますし、それに最近
文化洋裁学院の生徒が非常に多うございまして、非常な
雑沓でございます。あれはやはり
道路を広げていただけばいいのでございますが、都の
道路を広げる
計画もあるようでございますが、なかなか実際には移っておられないのでございます。私
たちといたしましては、自衛上もまた
旅客公衆のためにも、なんとかあそこを改良したいというふうに
考えております。それでこの
改良方法は結局現在の
橋梁に並べてまた
鉄道の
跨線橋を作ろう、その
お客をそこを通しまして、あの現在の
橋梁の上でなくて、私
どもの方で作りました
跨線橋の上を通して両端にさばいたらよくなるのではないかというふうな
考えを持っております。これが大体
新宿の
各日に対する私
たちの
考えでございます。
それでは問題になりましたこの
東口の問題でございますが、ここにちょっとわけのわからない
図面をお配りして恐縮なんでございますが、青写真のここに
プリントがございまして、これはこれから御
説明しなければわからない
図面でございますが、ここにこの四角の線を入れてございます。これが今きまっております
建築線なんでございます。こちらにはその
青梅街道口をこの中に作る、こちらの線内に、ここに線がございます。このこちらの中に
青梅街道口を作る、この中に
東口を作る、これが
建築線でございます。
道路計画できめられております
建築線でございます。それでこの中にどういうものを作るかということで、私
たちいろいろ
検討しているわけでございますが、
委員長、ここに
図面を今日は三部しか持って参らなかったのでございますが、これをお回し願えればけっこうなんでございますが、よろしければ焼き増しいたしましてお届けすることにいたします。どうも
図面を少く持って参りまして恐縮なんでございますが、それは
地下一階、それから
地平とそれから二階と二つの
図面を書いてございます。それで大体立坪は約千坪でございます。三千
平方メーターちょっと出ます。それで
地下室の方は現在の
地下道があそこに二つございます。
立川寄りへ一本と
中央の
地下道がございます。それを抜いて参りまして、下の
地下道に出まして、そのまま駅の外に通ずる、
地下道だけで外に出よう、
地下道はこれから
新宿駅の
東口に来る
お客にとりましては、一番先にここに来るところでございまして、ここはやはり大体混雑する場合
お客のたまりでございます。広場でございます。それを主体としております。
あとは
便所その他でございます。それから
地平の一階は出札でございます。それから
あとは
便所とかその他の
駅関係の室がございます。それから二階に
西武電車が右の方から入って参ります。それで
西武関係の
駅務室、それから
国鉄関係の
駅務室が二階に並んでございます。
真ん中は二階は突き抜けになっておりまして、二階の
真ん中に天井がございません。
あとは三階になるわけでございます。私この前申しましたように、今まで
民衆駅についてはいろいろ御批判をいただいておりまして、私
たちといたしましても、よく今後改むべきものは改めていきたい、こう
考えている次第でございますが、この
図面でもおわかりのように、
地下一階、
地平それから二階と、これは全部
鉄道の
業務機関でございます。それであるいは待合室、
便所のような
旅客公衆の利用するところに全部充てております。それから
西武鉄道が二階に入って来まして
国鉄との連絡をよくする、こういうふうにしております。で、ぜひとも今申し上げましたこの三階分はこういうふうに駅としての必要なもので全部占めてしまいたい、こういうふうに思っております。もちろんここにはたばこを売る店とか、あるいは雑誌その他の簡単な
旅客に必要な店は出ますですが、その他の店というものは出ないで、そういうふうな形にもっていきたい、こう心得ております。それからもしこの上に何か高いものでものるということになりまして、
地下二階ができれば、そこには結局暖房のボイラーとか、あるいは換気の装置とか、そういうような
機械設備がおそらく入るようになるだろうと思っております。それで
国鉄とすれば、これだけでけっこうなのでございます。それでもし
国鉄だけでいくんなら、こういう形で私
たちはいきたいと、こういうふうに
考えております。
それでもし、
民衆駅
委員会でもその他でも言われておりますのは、
あすこの土地は高いところだから大いに利用すべきじゃないかという御
意見があるわけでございます。ごもっともな御
意見だと思うのでございまして、私
たちもそうした方がいいんじゃないかと思うのでございます。その場合にそれではどういうものがのったらいいかという問題は、これは私
たちよほどよく
検討しなければならぬと思っております。で、その場合には、もちろん駅としての機能を害さないものであること、それから
旅客公衆の便になるもの、これがまあ第一だと私
たち思っております。そしてさらに
国鉄としてそろばんの弾かれるものがのってくれればまあ一番いい。もちろんここにのるものは、なかなか部外ともめておりまして、まるで火のついたようなものが私
たちの方の屋根の上にのって来られたら困るのでございまして、そういうようなわずらわしさのないものがぜひとものってもらいたい、こういうふうに
考えております。
でなお、
デパートの話を持ち出しますと、非常に混乱するのでございますが、現在
新宿には、ここに
資料がございます
新宿駅
交通センターの
建設に関する
請願という、ここに
プリントを入れておきましたですが、
新宿建物株式会社創立事務所から出しております
請願書でございますが、これが今一番騒がれておる
新宿のいわゆる
民衆駅という問題でございます。これにつきましては私
たちまだよく
検討しておりません。これは非常な膨大な問題でございまして、
都市計画とも関連いたしますし、いろいろな問題と関連してくる。で、私
どもの
国鉄には、
東京商工会議所会頭から、これについては
商業活動調整委員会で今取扱っているから、この
請願の
審議は一応ストップしてもらいたい、こういう
お話がございました。で、私の方は先ほど申しましたように、上にのるものは
デパートがのるのがいいのか、何がのるのがいいのかということは
検討しなければならぬと思っております。もし
デパートがのる場合には、今そういうふうに
東京商工会議所会頭から
お話もございましたし、その点につきましては、やはり考慮していきたい、こういうふうに
考えております。これはあくまでもし
デパートがのるときまりました場合でございます。そういうふうに
考えております。
現在
新宿の駅につきましては大体そんな
格好でございまして、特に
東口につきましては、まだ
設計が十分練られておりませんですから、きょう皆さんに一枚々々配る
図面を実は気がひけて持ってこなかったのでございますが、先ほどちょっと三部ばかり持ってきました
図面が、その
計画を書いておる、大体私
たちの気持を表わしたものでございます。