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1955-11-18 第22回国会 参議院 決算委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十一月十八日(金曜日)    午後一時三十四分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小松 正雄君    理事            青柳 秀夫君            中川 幸平君            野本 品吉君            岡  三郎君            石川 清一君    委員            石井  桂君            大谷 瑩潤君            木島 虎藏君            西川彌平治君            白井  勇君            白川 一雄君            白波瀬米吉君            大倉 精一君            亀田 得治君            久保  等君            近藤 信一君            島村 軍次君            市川 房枝君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    日本国有鉄道施    設局長     佐藤 輝雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国家財政経理及び国有財産管理  に関する調査の件  (国鉄民衆駅に関する件)     —————————————
  2. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ただいまから閉会中の第五回決算委員会を開会いたします。  国家財政経理及び国有財産管理に関する調査議題といたします。  本日は国鉄民衆駅に関する件、特に新宿民衆駅に関し御審議お願いいたします。国鉄側からの出席者は好井停車場課長佐藤施設局長今井管財部長の三氏が出席しております。  なお、お諮りいたしたいことは、本日国鉄総裁急速外郭団体のことで部内会議を開かなくてはならないことになって参りました。というのは、総裁として十五日までにこの外郭団体の問題について部内結論を出すようにという強い命令がしてあったために、その結論を出す一つ会議として、本日の十三時から会議を開かなくてはならないということになったので、でき得ればここに出席することを御猶予願いたいということを申し出ておりますが、私といたしましては、ぜひ時間も長くかからないから御出席を願いたいということを今申し出をしておるわけでございます。昨日も皆さま方にお諮り申し上げましたように、本日は新宿民衆駅の現地調査をすることを目的といたしまして、この審議に関しましては、一時間ぐらいで切り上げて頂きたいと、かようにお願いをしてありますので、総裁の来るまで待つというわけにもいきませんが、猶予願いたいというのでございますので、いかがしたらよろしゅうございましょうか、御意見のある方は一つ……。
  3. 中川幸平

    中川幸平君 総裁が見えなくても審議を続けてもらってもいいじゃないでしょうか。
  4. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ではさようにいたします。  佐藤施設局長より新宿民衆駅に対する請願に対する国鉄側のその後の状況の概要を説明願います。
  5. 白井勇

    白井勇君 御説明を願いますに関連しまして、前委員会におきましても、いろいろ総裁初めお話があったのですけれども新宿の駅というものを考えます場合に、帝都と地方を結びます将来の交通路あるいは都市計画上の問題があるかもしれませんが、この前の総裁お話では、西武が入ってくる。それによって私鉄が三つになる。さらに地下鉄が入ってくる、バスの発着が非常に多くなってくる、その混雑をどういうふうに整理したらいいか、今のところ、当局としては名案がないのだというお話だったのです。で、私たちこの問題を検討して参ります上において、もう少し筋通を立てまして、ただ単にデパートが入ってくるというようなことだけにとらわれないで、新宿駅の将来というものがどういうような考え方、あるいは問題となる点があるかというようなことをもうちょっと筋道を立てて、ずっとお話し願うことが話を確めて参ります上に、非常にいいじゃないかと思うのです。今まではただばらばらというような感じが多いのでありまして、私たち潔くところによりますと、将来の問題を考える場合に、たとえば上野が混雑いたしまして、それを池袋で何とかチェックをするということばかり考えておった。それもできなくなって、今後は東北本線なりあるいは北陸あるいは中央線というような問題も新宿中心として何か考えなければならぬという問題もあるように聞いておりますし、いろいろそういうような問題となるようなことがあるので、そういうことを少し筋道を立ててお話し願うことがいいのじゃなかろうかと私は思っているのですが、そういう意味合いでお話し願ったらどうかと思います。
  6. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 国鉄側に対して委員長としてお願いを申し上げることは、ただいま白井君よりの御発言もございましたように、今私、議題に関して新宿駅のみの説明を願いたいと申しましたが、なお、これらに関しまして補足的な説明があれば、ここで加えて御説明を願いたい。  なお、御質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 新宿につきまして御説明申し上げたいと存じております。  新宿につきましては、現在私たちもまだ検討中でございまして、確定した最後の案だとは申しにくいのでございます。だんだん案が固まりつつありますので、それにつきまして御説明申し上げたいと思っております。なお、この前資料を提出しろというお話でございまして、私の方から資料を提出いたしましたのですが、しかしこれらの中には、大体確定したものはこの資料としてお配りしてあるのでございますが、きょうは実は手元に新宿の案というような図面をわずかばかり持ってきております。こういうものにつきましてはきょうお目にかけまして、もし必要でしたら、こういう資料はのちほどお配りしたい、こういうふうに存じております。  まず新宿駅につきましては、この前たしか御説明申し上げたと思いますが、ここを利用しております旅客が七十三万ございまして、そのうち乗降人員が三十八万、あとの三十五万はお互いに乗りかえているお客でございます。非常に新宿乗りかえが多うございます。お客がこういうふうでございまして、貨物の方は大体年間五十万トン取り扱っております。ここを通りますものが、中央線電車で一日に六百六十八回、上下で通っております。それから山手電車が四百六十回、中央線列車が二十八回、それから臨時列車が十回、それから小田急が五百九十八回、京王電車が五百四十八回、このくらい通っております。なおこのほかに、今後西武鉄道が入ってくる。また地下鉄が入ってくる。それからこのほかに現在におきましてはバス東口に十一系統、西口に三十系統、それから甲州口に六系統、全体で四十七系統入っております。こんな格好でございます。  それで私たち新宿が将来どういうふうな形に発展していくべきかということをいろいろ考えているのでございますが、どうも東京ターミナルといたしまして、大体東京駅が中心でございます。そのほかに上野とか両国がございますが、何か西の方にも東京の大きなターミナルを作るべきではないかといろいろ意見がございます。そういう点につきまして、もちろん新宿駅は中央線ターミナルというような格好になっておりますが、そのほかにもう少し東京ターミナルといたしまして新宿性格を打ち出せないか、どうもお客様が東京駅ばかりに集まりまして、そして混乱を招くおそれもございますので、分散させるのがいいのじゃなかろうかというような考えを実はいだいていたのでございます。  それでいろいろ検討をしてみたのでございますが、どうも現在の新宿駅の束縛された面積の中ではなかなかそれが思うように入りません。で、きょうもここにも図面を持ってきておりますが、私たち結局考えましたのは、新宿駅は電車一つは駅でございます。その次に考えましたのは、言葉は語弊があるかもしれませんが、レクリエーション・センター的な駅、つまりあそこから旅客臨時列車を、現在でも臨時列車は出ておりますが、たとえば上信越東北中央線、それから総武線東海道を出す。こうしたら、大体中央線沿い住宅地が多いものですから、こういう列車を出したら非常に便利になるのじゃないか。あるいはさらに進んで、東海道の一部、遠距離急行列車新宿から出してみたい、こういう考えを持っております。  それでこれらにつきましていろいろ検討をしたのでございますが、なかなかホームが作れない。結局あそこに貨物操車線がございます。その一部を撤去いたしまして、そこにホームを二面ぐらい——二本作りますと、かなりそういう列車が出せるのでございます。で、特来の構想といたしましては、新宿にそういう性格を与えていったらどうか、こういうふうに思います。  その場合に貨物をどうするかという話がございます。現在新宿駅では中央線それから山手線を通じての東海道常磐東北上信越貨物のやりとりをしている操車線群がございます。それをほかの第二の環状線のようなものを作りまして外に追い出せば、そこに今申し上げましたようなホームができる。さらに進みまして現在あります新宿貨物をどこかえ移せないかということを検討しているのでございますがこれは山手線貨物駅全体にかかわる問題でございまして、この検討はなかなかむずかしくて、まだ結論を得ていないのであります。しかし大体におきまして、私たち考えは、常磐線操車場といたしまして田端の操作場というのは非常に参っております。あすこは非常に狭い所ですし、都市の真中で煙を出して非常に御迷惑をかけているのでございますが、ああいう操車場をもう少しどこか柏の方かあちらの方にもっていったらどうか、そうしますと、常磐で参ります貨物がその操車場にかかりまして、総武線に行くのに金町を経由して新小岩の操車場にかかる。それから東北線に行きますのにその柏の方から——柏になりますかどこになりますかよくわかりませんが、そこから大宮操車場に行く。そうしますと、常磐線から来ましたものが大宮操車場にかけられる。さらに大宮から川越の方を通りまして中央線のどっか、三鷹か国分寺の方に出る。そうしまして現在の両部線に結べば常磐東北上信越中央線貨物というものが南部線を通じまして新鶴見を経て東海道に行く。そうすると山手の、都市の中を貨物列車が走らないで、また中に汚ない貨物駅を置かないでいくことができるという考えが出るのです。  ただこの場合に問題になりますのは、貨物駅が割合に遠くの環状線に移りますので、市内との間の小運搬の距離が延びる、そういう点が経済的にどのくらい小運搬費が増加するかという問題もあわせて考えなければならぬと思っております。  次に、通勤輸送その他の電車輸送でございます。これにつきましては、いろいろ私たち考えているのでございますが、規程はまず十両運転までいきたい。十両運転にいたしまして大体電車電車との間隔は一分五十秒近くにもってゆきたい、こういうふうに考えております。一分五十秒と申しますと非常につまって参りまして、信号機の問題、制動器問題等いろいろ出て参ります。それで列車が十両にもなって参りますと、みなホームは延ばさなければなりません。ホームを延ばしますと、中央線の各駅が駅の前後に踏み切りがございます。これが引っかかる。この踏み切りには大てい繁華街が付いておりますから、立体交叉にいたしますと、商店街道路が離れます。この点が非常に困る問題なんでありますが、まあ何とかいたしまして、十両運転まではもってゆきたいというふうに考えております。また東京駅のホームあたりでもいろいろ考えなければならないのでありますが、それと同時に十両にもなりますと、一列車から下りるお客が非常にふえて参りますから、ホームの幅とホーム降り口階段を広くする、地下道を広くするという問題が起きて参ります。で、新宿駅につきましては、去年からでございますが、新宿駅のホームを広げております。これは線路を殺しまして広げております。それからそれに伴いまして地下道の幅、階段の幅を広げております。これは非常にめんどうな仕事でございまして、ほとんど夜間作業をやっておるのでございますが、去年からずっと続けて、来年の秋ごろでないと完成いたしません。これはもう御存じの所だと思いますが、今一生懸命やっております。こうなりますと、新宿駅の乗り換え関係も幾らかよくなって参ると思っております。  それから新宿駅につきましては、その一番初めにかかりましたのは青梅街道口入口なんでございますが、私小田急で通っておりまして、しょっちゅう通りまして、実に情けないと思ったのでございます。毎日押したりなんかされまして、非常に怪我人が出るおそれが多分にあったのでございます。これは今まで京王帝都さんが甲州街道口で結んでいたのを、急に口が青梅街道口に出ましたために、一度にお客さんが向うに来るようになりまして、それであの地下道呑み切れなくなって非常に困ったのでありますが、あの入口は去年直しまして非常に緩和されました。今度西武鉄道さんが乗り入れてくるように、二十五年ごろから出願ございまして、これは承認しておるのでございます。現在の駅ホーム並びに地下道でそのまま乗り入れますと、またあすこお客乗りかえがふえますので、その点、この前も御説明したように、現在検討しております。西武鉄道から参りまして山手に乗られる方は、高田馬場で乗りかえられればいいのでございますが、中央線乗りかえられる方は新宿駅へこられますから、どうしても新宿駅が混むわけでございます。この点現在検討いたしております。  こういうような中の事情でございまして、それで新宿駅の問題になってくるのは各日の問題でございます。口をどういうふうに考えますかでございます。今の東口、これは従来の新宿駅、あの二幸のある口でございます。これは国鉄の今まで一番使っていた口でございます。先ほどいった三十八万の乗降人員があって、その三十八万のうち約二十万がこの口を利用しております。それからその次は青梅街道口でございますが、京王帝都の方、小田急あの口でございますが、大体九万から十万あすこの口を使っている。それからその次はあの甲州街道口橋梁の上の方の口でございます甲州街道口、あれに大体八万ぐらいでございます。それでこの口をそれではどういうふうに使っていったらいいかということでございますが、国鉄線を利用されますお客は、東京都の中心地にいかれる方は大体中央線を乗っていかれるお客でございます。それから新宿駅で降りられる方は、大体あの新宿の町で用を足されるお客ですから、国鉄といたしましては、この新宿東口に本拠を置くべきじゃないか、こういうふうに考えております。それから青梅街道口でございますが、これは大体京王帝都さんの方にお客が多うございまして、大体両私鉄の根拠地的の所でございます。それでこれらのお客市内にいかれます方は、国鉄線を利用される方もございますが、将来はあすこ地下鉄でいかれるか、バスでいかれるか、都電でいかれるか、こういうふうになると思います。ですから青梅街道口は大体京王帝都さんがお作りになったらいいのじゃないか、それに私たちが口を利用させてもらえばいいのじゃないか、こういうふうに思います。それで小田急京王帝都、両鉄道から青梅口建設設計協議がきておるのでございます。これは向うでビルディングを作って国鉄が使ってもいいというようなことでございますね。ですから私たちといたしまして、東口それから青梅街道口というのは大体性格は同じだから国鉄としては東口をとればいいのじゃないか、そう考えております。それから甲州街道口でございますが、これは道路管理者の方と国鉄の方とのまあ両方の責任だろうと思うのでございますが、非常な雑沓でございますから、バスがあそこに着きますし、ハイヤー、タクシーが来ますし、それに最近文化洋裁学院の生徒が非常に多うございまして、非常な雑沓でございます。あれはやはり道路を広げていただけばいいのでございますが、都の道路を広げる計画もあるようでございますが、なかなか実際には移っておられないのでございます。私たちといたしましては、自衛上もまた旅客公衆のためにも、なんとかあそこを改良したいというふうに考えております。それでこの改良方法は結局現在の橋梁に並べてまた鉄道跨線橋を作ろう、そのお客をそこを通しまして、あの現在の橋梁の上でなくて、私どもの方で作りました跨線橋の上を通して両端にさばいたらよくなるのではないかというふうな考えを持っております。これが大体新宿各日に対する私たち考えでございます。  それでは問題になりましたこの東口の問題でございますが、ここにちょっとわけのわからない図面をお配りして恐縮なんでございますが、青写真のここにプリントがございまして、これはこれから御説明しなければわからない図面でございますが、ここにこの四角の線を入れてございます。これが今きまっております建築線なんでございます。こちらにはその青梅街道口をこの中に作る、こちらの線内に、ここに線がございます。このこちらの中に青梅街道口を作る、この中に東口を作る、これが建築線でございます。道路計画できめられております建築線でございます。それでこの中にどういうものを作るかということで、私たちいろいろ検討しているわけでございますが、委員長、ここに図面を今日は三部しか持って参らなかったのでございますが、これをお回し願えればけっこうなんでございますが、よろしければ焼き増しいたしましてお届けすることにいたします。どうも図面を少く持って参りまして恐縮なんでございますが、それは地下一階、それから地平とそれから二階と二つの図面を書いてございます。それで大体立坪は約千坪でございます。三千平方メーターちょっと出ます。それで地下室の方は現在の地下道があそこに二つございます。立川寄りへ一本と中央地下道がございます。それを抜いて参りまして、下の地下道に出まして、そのまま駅の外に通ずる、地下道だけで外に出よう、地下道はこれから新宿駅の東口に来るお客にとりましては、一番先にここに来るところでございまして、ここはやはり大体混雑する場合お客のたまりでございます。広場でございます。それを主体としております。あと便所その他でございます。それから地平の一階は出札でございます。それからあと便所とかその他の駅関係の室がございます。それから二階に西武電車が右の方から入って参ります。それで西武関係駅務室、それから国鉄関係駅務室が二階に並んでございます。真ん中は二階は突き抜けになっておりまして、二階の真ん中に天井がございません。あとは三階になるわけでございます。私この前申しましたように、今まで民衆駅についてはいろいろ御批判をいただいておりまして、私たちといたしましても、よく今後改むべきものは改めていきたい、こう考えている次第でございますが、この図面でもおわかりのように、地下一階、地平それから二階と、これは全部鉄道業務機関でございます。それであるいは待合室、便所のような旅客公衆の利用するところに全部充てております。それから西武鉄道が二階に入って来まして国鉄との連絡をよくする、こういうふうにしております。で、ぜひとも今申し上げましたこの三階分はこういうふうに駅としての必要なもので全部占めてしまいたい、こういうふうに思っております。もちろんここにはたばこを売る店とか、あるいは雑誌その他の簡単な旅客に必要な店は出ますですが、その他の店というものは出ないで、そういうふうな形にもっていきたい、こう心得ております。それからもしこの上に何か高いものでものるということになりまして、地下二階ができれば、そこには結局暖房のボイラーとか、あるいは換気の装置とか、そういうような機械設備がおそらく入るようになるだろうと思っております。それで国鉄とすれば、これだけでけっこうなのでございます。それでもし国鉄だけでいくんなら、こういう形で私たちはいきたいと、こういうふうに考えております。  それでもし、民衆委員会でもその他でも言われておりますのは、あすこの土地は高いところだから大いに利用すべきじゃないかという御意見があるわけでございます。ごもっともな御意見だと思うのでございまして、私たちもそうした方がいいんじゃないかと思うのでございます。その場合にそれではどういうものがのったらいいかという問題は、これは私たちよほどよく検討しなければならぬと思っております。で、その場合には、もちろん駅としての機能を害さないものであること、それから旅客公衆の便になるもの、これがまあ第一だと私たち思っております。そしてさらに国鉄としてそろばんの弾かれるものがのってくれればまあ一番いい。もちろんここにのるものは、なかなか部外ともめておりまして、まるで火のついたようなものが私たちの方の屋根の上にのって来られたら困るのでございまして、そういうようなわずらわしさのないものがぜひとものってもらいたい、こういうふうに考えております。  でなお、デパートの話を持ち出しますと、非常に混乱するのでございますが、現在新宿には、ここに資料がございます新宿交通センター建設に関する請願という、ここにプリントを入れておきましたですが、新宿建物株式会社創立事務所から出しております請願書でございますが、これが今一番騒がれておる新宿のいわゆる民衆駅という問題でございます。これにつきましては私たちまだよく検討しておりません。これは非常な膨大な問題でございまして、都市計画とも関連いたしますし、いろいろな問題と関連してくる。で、私ども国鉄には、東京商工会議所会頭から、これについては商業活動調整委員会で今取扱っているから、この請願審議は一応ストップしてもらいたい、こういうお話がございました。で、私の方は先ほど申しましたように、上にのるものはデパートがのるのがいいのか、何がのるのがいいのかということは検討しなければならぬと思っております。もしデパートがのる場合には、今そういうふうに東京商工会議所会頭からお話もございましたし、その点につきましては、やはり考慮していきたい、こういうふうに考えております。これはあくまでもしデパートがのるときまりました場合でございます。そういうふうに考えております。  現在新宿の駅につきましては大体そんな格好でございまして、特に東口につきましては、まだ設計が十分練られておりませんですから、きょう皆さんに一枚々々配る図面を実は気がひけて持ってこなかったのでございますが、先ほどちょっと三部ばかり持ってきました図面が、その計画を書いておる、大体私たちの気持を表わしたものでございます。
  8. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 説明は概要終ったようでございますので、御質疑のある方は順次御発言を願います。
  9. 白井勇

    白井勇君 今のお話で大体わかったのですが、そうしますと、将来の新宿の駅というのは遠距離のものはあそこから発着させていくという考え方はないということのように承知したのです。そうしますと、地下鉄がどのくらい入るかわかりませんが、西武が六万ですか、今七十万に六万、それに地下鉄が入り、バスも将来やはりどのくらいの見通しになっておりますのか、とりあえずこれだけの施設をやりますと、今よりも楽に、現在の人員よりもどのくらいふえてもさしっかえないというような、とりあえずのめやすをもってやっていらっしゃるのですか、計画は。
  10. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 今の御質問非常にむずかしい御質問でございますが、一つ一つお答えいたします。  今遠距離列車を扱わないというふうにいわれましたのですが、先ほど申しました臨時列車はかなり遠くまで行くものも出るのじゃないか、こう思っております。また場合によりますれば、先ほど申しましたように東海道の一部の列車をとってもいいのじゃないか、こういうふうに考えております。必ずしも近距離だけではないわけでございます。  それから西武が入って参りますが、西武お客中央線に乗るお客が入って参りましても、今までは山手に乗って中央線に乗るのでございますけれども山手でこられて新宿乗りかえられる。こんどは西武でこられて中央線乗りかえる、乗りかえの数は変らないのでございます。ただお客さんの向きが変るわけでございます。つまり駅本屋の口から小田急の方に歩く。今まではその逆に歩いた。この向きが変るのは場合によるとうまく交通の調整になるかもわかりません。それから地下線が入って参りますと、私鉄地下鉄とは直接に連絡して参ります。ですからむしろこれは鉄道お客が減る方向に向います。  それで、結局これらによりまして、私はそう大した増減はないと思います。ただ、東京全体の発展、それから各私鉄沿線の発展、中央線の発展によります自然増加じゃないか、こういうふうに思っております。しかしそれも、中央線にしましても、もう一分五十秒ぐらいは最大でございまして、これ以上は国鉄は運べないと思うのです。列車が長くなりますと、列車間隔をあけなければならんわけです。あけますと、全体としての輸送力がおちてしまう。ですからまた線路をふやすとかいろいろの問題が起きてくるわけでございますが、しかもまた線路をふやしますのも大へんでございます。一部ふやす計画もしております。また先ほど申しませんでしたが、特殊な、結局ブレーキの非常によく——アメリカなんかにありますPCCカーみたいな格好でございまして、ブレーキがよくかかる、減速、加速度が早くゆくような車両の設計をして、もう少し時間間隔がつまらないかどうかという検討も今しております。こんなふうにしまして、ある程度は輸送量を増しますが、それ以上はなかなか私たち中央線一本でまかなうのはうそでございます。ほかの私鉄さんの沿線その他も現在の運賃のアンバランスからくる片寄り方を避けまして、運賃の調整なんかやりますれば、もっと私鉄さんの沿線も発展いたしまして、東京がなにかしっぽのように発展しなくて、一様に発展してゆくようになるのじゃないかと思います。そういう点も考えてゆくべきじゃないかと思っております。そういうふうにしていきますと、新宿は将来増すことは増しましょうが、私たちは今計画しているくらいのでいけば、まあここ三、四十年はもつのじゃないかというふうに思っております。  なお、都市付近の交通につきましては、私たちこれは勝手なことを言うのでございますが、やはりもっと市内の空地その他に住宅地を作りまして、もう少し何か都市計画的にこういう遠距離の輸送機関にかからないでお客が運べるようにならないものかというようなことを考えておるので断りますが、これは関係のところにいつもそういうことをお願いしておるのですが、なかなかうまくいかない次第です。
  11. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ちょっとみなさんに御注意いたしますが、さっき国鉄側から三人の方が見えられたあとに唐澤営業局長、検査院の方から上村検査第二局長が見えられておりますので、御質疑がありますならば、御質疑お願いいたします。
  12. 白井勇

    白井勇君 今お話は、その地下鉄から出まして、私鉄乗りかえるということで、むしろこれはそこの構造で、そういうことに設計されるかもしれませんけれども、やはりあれじゃないですか、国鉄関係地下道を一部においてくぐったり、おりたりというような面があるのじゃないかと私たち思うのですが、その点はどうでしょうか。それから今の乗りかえ人数よりも多少ふえましても、まあ三、四十年持つということは、混雑の程度は、現在ひどいわけですね、地下道を多少広げましても、あの程度の混雑、あれがもっと楽になって三、四十年持つというのですか。今より乗りおりが大丈夫だという計画があるわけですか。
  13. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) この地下道でございますが、たとえば京王帝都小田急さんからのお客は、すぐ国鉄の線路沿いに大体地下道を設けまして、そうして地下鉄と結ぶことにしております。それから西武鉄道で参りましたお客も、あれからすぐおりまして、ちょうど地下鉄ホーム鉄道の下にできるのであります。ですからあちらの方からもすぐホームの方に抜けられる、全然国鉄地下道を使いません。将来の乗りおりによりまして、乗りかえによりまして、地下道が非常には楽にならないのでございますが、現在程度で私はまあ三、四十年と申しますか、二、三十年と申しますか、そのくらいは持つのじゃないかこう思っております。
  14. 白井勇

    白井勇君 もう一点簡単に、そうしますと、結局あれですか、単なる交通関係以外の……乗りおりの人はやむを得ないとしても、そのほかの条件で人が混むということは、国鉄当局から見れば非常にこれは芳ばしくないという、こういうことですか。
  15. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) 私たちお客商売をやっておりまして、またこれで収入を上げなければならない者が混むのは困るとはどうも申し上げにくいのでありますが……。
  16. 白井勇

    白井勇君 いや、交通以外の条件で混むのはおもしろくないという……。
  17. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それはそうでございます。交通以外の条件であまりに混まれることはよろしくございません。ですから先ほどの駅本屋の点でもそういう点は考えていかなければならない。なお、これは実現するかどうかわからないのでございますが、新宿につきましては、ただいま検討中でございますが、小荷物関係を今検討しているのでございます。これによりまして、現在新宿立川寄り跨線橋がございます。あれは小荷物に使っているのでございますが、ああいうものがあくような機会がございましたら、ああいうものも一般に開放いたしまして、東西のお客がフリーパスできるようなものを作ったら非常に便利である、こういうようなことも今考えております。そういうようなこともやりまして、できるだけ混雑を緩和していくようなことを考えていきたいと思っております。
  18. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ほかに御質疑はございませんか。
  19. 白井勇

    白井勇君 恐縮ですが、東京駅でもつまり八重洲と正面とはつながりませんね。交通が……。今新宿でも東口と西口はお客は狭い地下道のいやなところをくぐって行かなければならない。今度の計画には東口から舗道で西口の方に一本に出られるというような設計をやはり考えておられるか。東京駅で私はいつも考えているのですが、あれは非常に不便だと思いますが……。
  20. 佐藤輝雄

    説明員佐藤輝雄君) それが今申し上げました新宿の小荷物の跨線橋でございます。それを開放したい。これは今小荷物関係を検討いたしませんと、あるいはあれを小荷物で使うかもしれません。使わないときはあれを一般に開放しまして、フリーパスができる、こういうふうに考えております。
  21. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 皆さんにお諮りを申し上げますが、いろいろ御質疑もあろうかとも存じますが、現地に参りまして、佐藤鉄道施設局長もここに参られますので、現地で随時御質疑願うということにいたして、今日はこれで散会し、特にバスも用意してございますので、乗りたいと思いますが、御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ではさようにいたします。これで散会いたします。    午後二時十七分散会