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1955-10-12 第22回国会 参議院 決算委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十月十二日(水曜日)    午前十時五十三分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小松 正雄君    理事            青柳 秀夫君            野本 品吉君            岡  三郎君            中川 幸平君    委員            石井  桂君            大谷 瑩潤君            鹿島守之助君            木内 四郎君            西川彌平治君            白井  勇君            白波瀬米吉君            宮田 重文君            飯島連次郎君            奥 むめお君            島村 軍次君            大倉 精一君            亀田 得治君            久保  等君            近藤 信一君            小林 亦治君            白川 一雄君            市川 房枝君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君    運輸省自動車局    通運課長    鈴木 大三君    検査官     加藤  進君    会計検査院事務    総局次長    小峰 保榮君    日本国有鉄道総    裁       十河 信二君    日本国有鉄道経    理局長     石井 昭正君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○本委員会運営に関する件 ○国家財政経理及び国有財産管理  に関する調査の件  (国鉄貨物後納運賃滞納状況に関す  る件)  (国鉄連絡運輸収入未収状況に関す  る件)  (会計検査院機構拡充に伴う措置  と昭和二十九年度決算検査報告の作  成進捗状況に関する件)   ―――――――――――――
  2. 小松正雄

    委員長小松正雄君) それではただいまから閉会中の第三回決算委員会を開催いたします。  ただいま委員長及び理事打合会において皆さんとともに打ち合せました事項について報告を申し上げます。  今回の十、十一、十二の三日間の委員会開会に関しましては、一応本日をもって終了いたしたいと思いますが、異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小松正雄

    委員長小松正雄君) それでは本日をもって終了することに決定いたします。  なお、十四日の視察の問題でございますが、これは委員会において、十四日の午前九時から九時三十分まで委員会を開いて、そうして午前九時三十分から現地海上防衛視察の方へ行くということできめておりましたが、何分三十分間の委員会では定数等関係で時間が相当かかるのではないかということについて、委員会は開かずに、午前九時三十分に参議院の正面玄関より自動車で出発をするということにいたしたいと思いますが、異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ではさよういたします。  それから次の委員会臨時国会のあるおよそ一週間くらいの前に開くということ、その委員会を開く日程は、三日間といたしまして、この三日間の間の議題といたしまするのは、国鉄新宿民衆駅に関する件、それから貨物後納運賃及び連絡運輸収入に関する件、病変米に関する件、この三つを臨時国会前に開く委員会議題として運営をしたいということについて異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ではさように決定いたします。
  6. 島村軍次

    島村軍次君 その問題について、一昨日の委員会会計検査院のその後の検査状況及び機構改正に伴う問題を本委員会開会中に取り上げるということになっておりましたが、その問題いかがですか。
  7. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 今日午後にやることになっております。  それでは本日の議題に入ります。本日は午前中は国鉄関係、午後は検査院関係について調査を行うことにいたします。  まず、国鉄貨物後納運賃滞納状況及び国鉄連絡運輸収入未収状況に関する件を議題といたします。  本件に関し十河国鉄総裁説明を求めます。
  8. 十河信二

    説明員十河信二君) ただいま議題に提出せられました件につきましては、国鉄といたしましてもできるだけ早く徴収をいたしたいと思いまして努力いたしております。詳細のことは経理局長から御報告させていただきたいと思います。
  9. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 後払い貨物運賃につきましては、先般の委員会で御説明申し上げましたのでございまするが、非常に累積をいたしまして、検査院の御指摘もございますし、また当委員会の御注意もございまして、いろいろ方法を考えました結果、昨年度におきまして、いわゆる従来の滞納債権を一応これをたな上げいたしまして、そのときまでに発生いたしました債権額、それからそれにかかっておりました延滞料金等たな上げをいたしまして、そうしてそれに対しまして分割納入をさせる、そうしてその後に発生いたしました債権につきましては、これはもう間違いなく納めさせる。その分割納入と自後発生いたします債権が一回でも滞った場合には、容赦なく後払い停止をする、こういう方法をとる。しかもその保証といたしましては、公正証書を作成いたしまして、そうして担保力のありますものにはすべて担保を設定いたしましてやったのでございます。  その実情は御報告申し上げておると思いますが、結局昨年公正証書を作成いたしましてそういう措置をとりましたのが三十九社でございまして、その延滞運賃が、当時におきまして三億七千四百七十一万円でございました。その公正証書を作成して弁済計画を立てますのにつきましては、もちろん各会社十分協議をいたしまして、会社事業経営その他を検討いたしまして、私どもとしては可能な範囲で期間を定める、そのかわりぜひ納めてもらわなければならぬ、こういう方法をとったわけであります。そのうち九社は、ただいままでにその方法によりまして滞納がすっかりなくなりまして、現在ではただいまのところ三十社で、残額が二億六千八百万円、約一億一千万円減少いたしております。ただお断わり申し上げなければなりませんのは、その三十九社、そうして現在では三十社となっておりますが、こういう方法を講じたものだけが残っておるわけではございません。そのほかに約十社、これはほとんど弁済方法の処置がとれないものが残っておるわけであります。それにつきましてはもちろん後払い契約は全部停止いたしております。が何とかしかしその他の方法でもこれを回収するように努力いたしておりましたが、何分にも業績の悪い会社でございましたので、なかなか思うように進んで参らないことはまことに恐縮に存じておるのでございます。  その額は、大体後払い停止をいたしました当時は一億一千八百万円ございました。それに対しまして、もちろん銀行保証というようなものは全部執行いたしまして、そのほかにもなお分割納入をさせる、あるいは抵当物件を売却させるとか、あるいは会社更生法を適用して、その更生によった後に債権取り立てるとかいうようなことをいたしておりますが、今日までに、そのうち三千七百万円は回収いたしまして、残りが八千百万円となっております。そこで私どもの方といたしましては、八千百万円、これはまあ率直に申しますと焦げつきであるということで大へん申しわけなく存じておりますが、これは何とか、そういうような状態でございますので、いろいろ督促をいたしておりますが、これにつきまして急にこの額が改善されるということを申し上げかねておる状態でございます。しかしこの十社以外の三十九社につきましては、お話し申し上げましたように、非常にこのたな上げ措置以後の成績が良好で、良好と申しますか、順調で、一社もその約束を間違えずにやってもらっておりまして、九社はすでに減ったわけでございまして、残りが三十社になっておるわけでございます。この方法でもって私は進ましていただきますならば、二、三年後にはほとんどこの額はなくなって参りまして、さらに相当長期の分割契約をいたしておるのでございますが、少くともこの額は全部ゼロになるという見通しは今日立っていると申して差しつかえないと思います。それではその後発生したやつはどうかということでございまするが、二十九年度におきましてはそういう措置をとりましたので、いわゆる新規滞納額というものはその結果ほとんどなくなったわけでございます。  貨物運賃につきましては、昨年度私の方で取らなきゃならない額が六百七十六億一千三百万円ございました。それに対して現実に収納いたしましたのが六百七十六億五百九十万円でございまして、七百万円だけが滞納を生じたということでございまして、全部の総額に対しまして九九%九九取っております。でこの七百万円につきましても、ある会社が非常に業績が急に悪くなってこういう結果になったのでございますが、これもただいま督促整理をいたしておりまするが、そういうようなわけで、ほとんど百パーセントに近い収納をいたしておりますので、私どもとしては前に申し上げました焦げつき関係に?きましては、これはちょっとすぐには何とも整理しがたい、極力これを減らしておりますが、今日までに三割程度回収できた。それ以外のものにつきましては、先ほど申しましたように、ただいまやっておりますものにつきまして滞納額を逐次減少せしめて参ることができる……、すでに現在までに約一億円以上の減少をいたしました。今後のものにつきましては、新たに発生する債務につきましてはただいま申し上げましたような措置をとっておりますので、百パーセントとまで参らなかったことは申しわけないのでありますが、九九・九九%実績でも入っておりまするので、まあ今後も百パーセント取れるということで期待いたしておりまして、またそのつもりでおりまして、まあ今後も後払い関係につきまして、期限に間に合わなかった場合は即時後払い停止するという方途を確立いたしておりまして、これに見合う抵当権その他の設定も、執行力のある公正証書でやっております。貨物後払いにつきましては大体以上のような措置でやっておりまするので、この経過をしばらく御猶予願って御監督いただきたいと、かように考えておる次第でございます。  連絡運輸の方につきましては、これはまことに申しわけないのでございますが、依然として滞納額は一進一退でございまして、私どもも極力督促をして、各会社ごとに呼び出してはいろいろの案を示しております。で、そのやり方も各会社によって違っておりまするので、一がいに言えませんが、ただいま日銭を毎日日額で、あるいは小さいのは一万円、あるいは大きいのは二十五万円ずつ持ってくる、あるいは十五万円ずつ持ってくるというような契約でやっておるのもございますし、それからあるものは、その会社の持っております債権取り立てをして、こちらで受任いたしまして、そうしてその取り立て委任によりまして債権を埋めていくという方法をやっておるのもございます。その他会社によりましては民事訴訟を提起いたしておるのもございます。がしかしながら、これも貨物と同じように、今までのものを一応たな上げいたしまして、そうして分割納入をする、そうしてそれができなかったならば、連絡運輸はやめるというような強硬な方法がとれますればまたいいのでございまするが、これはもう前回来るる申し上げ通り、まことにこの会社を懲らしめるのが地元荷主さんなりお客さんを懲らしめるという結果になってしまって、しかもその会社はほとんど営業上の基礎を失うというような結果になることになりまするので、私ども運輸省の方にも何とかこの点について、万止むを得んところはそういう方法をとらしていただいてはどうかということも御相談するのでありますが、まあそのつど運輸省といたしましても一般公共の理念という点から、会社経営者その他を呼び寄せまして、もっと何とか払うようにしろ、整理計画を立てろというようなお話し合いをしていただきまして、そのときはそのときで会社の方も十分誠意をもってやっていただくのでございますが、何分にもやはりもともと業績の非常に悪いところが多いのでございまして、なかなか思うように進まないという結果になっております。しかしながら、私どももただそれだけで手をこまねいておるわけではなくて、あらゆる方法で、率直に申せば何と申しますか、ただまあくどく、しつこく返せ、納入しろ納入しろということをやっておりまして、ただいまでは、最近の実績では若干減りまして、ごく最近の実績では四億九千万円に大体なっております。  ただこれが一体じゃいつなくなるかというようなことになりますると、残念ながら貨物後納の場合のように何年後にはこれが全部なくなる、こういう一部焦げつきを何して全部なくなるのですということを申し上げることができないのは申しわけない次第でございます。
  10. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 大体に概要の説明も終ったようでございますので、御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  11. 野本品吉

    野本品吉君 この問題の解決は、今国鉄でいろいろと苦労されております。例の運賃値上げ問題等とも微妙な関係があることだと思いまして、いろいろの点から若干お伺いしたいと思います。  最初のこの後払い貨物運賃未収の問題ですが、これは私ははっきりお聞きしたいのは、通運事業法に規定してあります、こういう運送事業認可をします場合の、的確に事業を遂行するに足る能力を有するもの、こういう抽象的な表現で一応免許の基準といいますか、そういうものがあるようですが、これは具体的にはどういう条件でお取扱いになっておりますか、この点を御説明願いたいと思います。
  12. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 運送事業新規免許につきましては、これは運輸省行政措置でございますので、従来は戦前におきましては、運輸省なり鉄道省の一部局でございましたので、相当密接な関連があったわけでございます。二十四年から運輸省を離れまして以来、私ども行政事務に関与しないことになっております。運送事業認可の場合に、その免許する範囲のいわゆる貨物需給関係はどうか、運送業者がどの程度あれば足りるという見解に立つかという点などについては、免許の際に運輸省から連絡がございまして、私ども意見を申し上げ機会はございまするが、その会社の内容が、ただいま御指摘の的確であるかどうかという判定は、これは私どもの方では現在いたしておらないのでございます。
  13. 野本品吉

    野本品吉君 直接には御関係ならなくとも、その認可扱い方いかんということが、結果的には国鉄への影響が一番大きく響いてくるのだと思うのです、この問題に関する限りにおいては。従って、あなた方の方からごらんになって、こういう貧弱な能力のないものを認可されては困るというような点は、何かお気づきの点はありませんか。
  14. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 御指摘のように貧弱な規模しか持っていない業者を御認可になりまして、それが営業を開始する。私どもはすべて公正な……、取り扱いをいたしませんから、お前の方はだめだというわけには参りかねるのでございまするが、実は現在いろいろ滞納を起しております会社は、最近の免許ではなくして、いわゆる複数制実施当初にできたのが多いのでございます。この複数制実施当初は、御承知のように日通の全国一本であるという独占を廃止するという、そういう一つ経済政策をおやりになったわけであります。従いまして私どもの方で申しますと、日通なら資力信用があるからいいのだが、ほかの会社は困るのだということを申し上げるのは、いかにも日通を擁護するということになるおそれがございます。また当時の政策として非常に、一応新免をある程度拡大して、日通と競争させなければいかんという運輸省方針も相当あったと思うのでございます。断る程度その点で運輸省の御認可が若干お見込み違いもあったかもしれませんが、その後また経済不況が参ったので、その点も影響しておるかと思うのですが、最近におきましては、運輸省の方も免許につきまして非常に慎重にしていただきまして、そういう心配のあるような会社免許をやるというようなことはないように承知いたしておりますし、また私どもそういうふうにお願いをいたしておる次第でございます。
  15. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ちょっと国鉄関係から御出席されておりまする方々のお名前を報告しておきます。石井経理局長斎藤調査役氷室監査課長、それから運輸省植田鉄道監督局長検査院上村検査第五局長が見えられておりますので、委員の方でこれらの方々にも御質問がございましょうと思って御報告申し上げておきます。
  16. 野本品吉

    野本品吉君 ただいま国鉄側からのお話によりますというと、いろいろと国鉄側から運輸省に希望もあるように伺ったのでありますが、先ほど私が国鉄の方にお伺いしましたように、この運送事業免許についてこのような事態が起らないようにということで、国鉄運輸省といたしましては現在どういう方針をおとりになっておりますか、この際お伺いしたいと思います。
  17. 植田純一

    説明員植田純一君) 通運事業に関する行政につきましては、実は私担当でございませんので、直接責任ある御答弁を申し上げる資格がないのでございまするが、このいわゆる通運事業複数制ということを実施いたしますいきさつにつきましては、あらためて御説明申し上げるまでもなく、おわかりの模様でございますので申し上げませんが、その当時、石井経理局長から話がありましたように、複数制を実施しますに当りまして、いろいろの出願の中から資力信用、特にこの事業計画からかんがみまして、その資金が果して裏付けができておるかどうかというふうな点につきましても、運輸省といたしましては、その当時民間の方々の御意見を聞く機関もございましたが、そういう意見も聞きまして、そうして一応これは大丈夫だというところに新しく免許したのでございまするが、実際問題といたしまして、なかなか資金計画資金がうまく集らなかったというようなことで不始末を起しておるようなのも現にあるわけでございます。この滞納につきましては、国鉄当局におきまして、ただいま御説明がありましたようないろいろな方法回収に努力されておるわけでありまして、運輸省といたしましても、もちろんこの運輸省と両方のことを見ておりますので、できるだけそういう点につきましては、業者に対しまして強くこの未払金の支払い回収につきまして、関係業者に対しましても十分督励いたしまして、一日もすみやかになくしたい、かようなつもりで努力しておるわけでございます。
  18. 野本品吉

    野本品吉君 なお監督局長にお伺いしますが、あなた方の立場から、やはり法律で規定されております運送事業者からの報告をとるとか、あるいは運送事業の実態、運営状況等について、必要に応じて調査あるいは検査をするというようなことは、どの程度厳正に行われておりますか、それを承わりたい。
  19. 植田純一

    説明員植田純一君) 先ほどちょっと申しましたように、私実は担当の者でございませんので、実際どの程度の実務をやっておりますかということにつきましてはお答え申し上げられないのでありますが、少くとも問題になっておりますような事業者に対しましては、いろいろの報告書をもちろんとっておりまするが、それにつきましていろいろ事情を聴取しておるというふうに私は承知いたしております。
  20. 野本品吉

    野本品吉君 この問題は、私はまあ国鉄そのものが現在取り立てが非常に骨が折れておるということについてもいろいろな原因はあろうと思うが、一つには運輸事業認可をする場合、それからして認可を受けた運輸事業に対する運輸省としての監督、指導がどういうふうに行われておるかということは、根本の問題としてさらに検討を必要とすると思う。従って、今直接の担当者でないということですから、私はそれを一応保留いたしまして、後の機会に譲りたいと思います。
  21. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ただいまそのことについて、ここへ来ていただくように連絡中でございます。それですからあとにしていただきます。
  22. 野本品吉

    野本品吉君 それではあとにします。  それからこれは国鉄の方にお伺いいたしたいのですが、この未払いという事態がいつごろから発生しているか、それから増減傾向というようなのがどういうふうな傾向をたどってきたのか、それについてちょっとお伺いしたい。
  23. 石井昭正

    説明員石井昭正君) ただいま手元に資料がございませんので、詳細なお答えができませんが、これはおそらく数年前からだと思います。で、その増減につきましては、一方においてある会社が減っていくが、また一方新しいのが出てくるというような状態で、総額といたしましては年々大体同じような額があったと思います。  貨物の方につきましては、昨年とりましたような措置をもっと早くとればよろしかったのではないかと、私どもも今になっては反省をいたしておるわけでございます。ただ、当時といたしましては、地元管理局長等にまかせまために、地元といたしましては、業者が提出いたしました返済計画を見て、これならばいいということで、一応後払い停止を待ってやろう、それじゃ納めろというふうなことをやりまして、一、二ヵ月はそういうふうで納まる。それで安心しておると、またぽこっと滞納するというようなことを繰り返しておったというようなことが、今日までの災いをなしておったと思うのでありまして、その点貨物後払いにつきましては、昨年度におきまして、先ほど御説明申し上げました一斉にもう全部分割納入をさせるということをはっきりきめまして、そこで打ち切って、その後の発生につきましては一切容赦しないという建前をとりましたので、先ほど申しましたように、私どもとしては改善された実績が上って参ったと、かように存じておる次第であります。
  24. 野本品吉

    野本品吉君 そうしますと二十九年度にとられましたような方法がもっと以前からとられれば、こういう深みに入らずに済んだであったであろうということが想像できるわけですが、これは過ぎ去ってしまったことで、どう言っても仕方のないことと思っておりますが、さらにそれに関連してお伺いしたいのですが、後払い停止ということが運送業者経営を困難ならしめるというような事態は起っておりませんか。
  25. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 後払い停止は、運送業者にとって相当致命的であろうと思います。しかし、御承知のように、運送店複数制でございますから、その業者がつぶれましたところで、荷主さんはほかの業者を御利用になれば事足りる、結局成績の悪いものはつぶれざるを得ないというようなことに相なるかと思います。そこで、まあ結局今まで、昨年までそういう措置がとれなかったということの原因も、そういう後払い停止措置業者にとって致命的なものであるという点で思い切った措置がとれなかった。私どもは二、三年検査院なり国会の御意向で、そういう何と申しますか、人情にからんでおってはとてもこれは回収できないということで、昨年強硬な措置をとったわけでございます。
  26. 野本品吉

    野本品吉君 この後払い停止に伴う経営の困難ということが、先ほどあとの問題についてはお話がありましたのですが、地方における運送業務の渋滞というようなことを起しているようなことはありませんですか。
  27. 石井昭正

    説明員石井昭正君) まことにざっくばらんに申し上げて恐縮でありますが、おそらく現在後払い停止をやっておりますような業者は、非常に業態の悪い業者でございます。むしろこういうのを荷主が御利用になれば、かえって御迷惑になるようなことに結果はなりはせんかというくらいに私どもは考えられまするので、このために地方における通運の不円滑を来たして、荷主に御迷惑をかけるというような結果はないと信じております。
  28. 野本品吉

    野本品吉君 これは委員長を通してお願いしたいのですが、ここに掲げられております幾つかの会社運送業者でありますが、これの能力と申しますか、それを資金等の面からも一応見る必要があろうと思いますが、これは国鉄でなしに運輸省の方がそのことははっきりわかるのですが、ここに出ております運賃の支払いの悪い運送業者経営規模、あるいは経営の実情というようなものについて一応の判断を下す資料として、各会社資金、これを御調査願いたいと思います。
  29. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ただいま野木君の私に対する要求に関しましては、さように取り計らうようにいたします。
  30. 野本品吉

    野本品吉君 次に連絡運輸未収入金についてですが、この御説明によりますと、経済情勢の影響その他によりという抽象的な御説明があるわけですが、この経済情勢その他の影響というのを具体的にどういうふうな影響としてお考えになっておりますか、これも一応お伺いしたいと思います。
  31. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 経済情勢は、昨年のようなデフレのようなときにはどうしても客貨の収入が上りませんので、その影響で滞納額が増してくる。それからもう一つは、地方鉄道につきましては、ほかの交通機関の発達が著しいということで、いわゆるバス、トラックに蚕食されるという点が非常な影響でございます。そういうような点がまあ主たる点でございまするが、もう一つは災害がございます。ことに紀州地方あるいは九州地方の鉄道は災害に見舞われることが非常に多うございまして、せっかく納入額が上ってきて喜んでおるところへまた災害がくる。そうすると、もう何とも納められないからしばらくかんべんしてくれというような陳情もたびたび出て参っております。
  32. 野本品吉

    野本品吉君 これは運輸省関係のことになるかしれませんが、ここへやはり報告されております連絡運輸収入の未払いの各鉄道でありますが、この鉄道の建設年代というのはおわかりになりますか。
  33. 植田純一

    説明員植田純一君) ただいま手元に資料は持っておりませんが、それははっきりわかります。
  34. 野本品吉

    野本品吉君 私は全然しろうとなんですが、この資料をずっと見て、いろいろ頭に浮んだ点をお聞きしているわけですが、これらの鉄道が建設された時代と当時のもくろみというものから見て、現在の客観情勢、周囲の情勢というものが非常に変化しておる。つまり建設当時のもくろみというものと合わないような会社が相当あるんじゃないかということをしろうと目にも想像するのですが、さような点についてどうお考えでいらっしゃいますか。
  35. 植田純一

    説明員植田純一君) この地方の群小の私鉄の問題につきましては、非常ないろいろな問題があるわけなんでありまするが、ただいまお尋ねの点でございますが、実は、戦前におきましては地方鉄道補助法というのがございまして、大体私鉄というものは国家公共のためにどうしても必要なものであるという観点から、この全面的な補助の法律があうたわけでありまして、極端に申しますると、補助によりまして育成されたというふうな歴史的な経過をたどっておるわけであります。従いまして、その当時におきましては、なるほどその道路交通の発達の非常に少かった関係でもあり、鉄道の陸上交通におきますところの占める重要性といいますか、分野もほとんど独占的な非常な重要な機関であったものでありますので、この育成のためには国家が補助する。もちろん税の関係も非常な減免措置が講ぜられておったわけであります。  ところが戦後になりまして、この全面的な補助法というものはこれは廃止になりまして、また税の関係におきましても、もちろん一般企業に比べますと若干特典は与えられておりまするが、戦前のような大きな特典はもうなくなってしまったわけであります。また一面、道路交通が非常に発達いたしまして、地方の短い、あるいはいなかの鉄道は自動車の影響を非常にこうむっておる、こういうふうな状況でございまするので、地方の群小鉄道は全般的に申しますると非常に経営困難な状況でございます。従いまして運輸省といたしましては、これらの中小私鉄に対しましてどういうふうな方針で持っていくということにつきましてはずいぶん頭を悩ましておるわけでございます。  もちろん時代の趨勢と申しまするか、この自動車の発達に伴いまして、自動車さえあればもう鉄道はなくなってもいいというふうな鉄道も中にはあるかと思います。また、部分的にはこの営業を廃止しておるようなものもぼつぼつ戦後出て参っております。まあこういうような状況でありまするが、しかし地方から見ますると、いろいろな沿革もございますし、また実際の果しておりますところの役割等から見まして、どうしても廃止できないというのがまあ大部分でございます。会社自身としまして、どうしてもこれは成り立たぬから廃止したいというような気持を持って申請を出そうとしましても、その地方がなかなか承知しないというふうな個所も随所にございますような状況でございまして、こういう地方の私鉄に対しましてはどうするかということが非常な問題になっておるわけであります。  一昨年、実は地方鉄道軌道整備法というのができまして、ちょうどそれによりまして、一部補助の道が開かれたのでありますが、これとても実はどうしてもその鉄道がなければ絶対にその地方の交通の役割を満足に果し得ない。たとえば船の方で申しますと、離島航路と申しまするか、唯一の交通機関であって、船がなければ絶対にその地方の民生の安定が確保されないという非常に限定されたものに対しまして、一部の補助の道が開かれたわけでありますけれども、これも全国でその補助を受けております鉄道はきわめてわずかでございます。  全般的の問題といたしましては、やはりできるだけ、たとえばバスの兼営によってできるだけまあ収入の確保をはかるとか、非常にどちらかといいますと、こそく的な手段しか現在ない、かような実情でございまして、御質問の趣旨に沿いますかどうかわかりませんが、戦前と比べましてだいぶん事情が変ってきておる、こういう状況でございます。
  36. 野本品吉

    野本品吉君 私のお伺いしたのは、大体今御説明の中にも含まれている事柄をお伺いしたいからだったのでありますが、これらの地方鉄道がどんなに一生懸命に熱心に経営しても、経営がきわめて困難であり、また成り立ち得ないような状態のもとにこれらのものを置くということが、一つには連絡運輸の貸金の問題にもなってきますが、一つには地方の交遊という問題と大きな関係があるのです。これは運輸省としても当然市大問題として考えなければならぬ。私はこういうところに、やはり連絡運輸未収入金の問題の根源があるのではないかという見方をしてみたわけであります。従って私設鉄道というものを育成していくのか、どう指導するか、これをどう整理していくかということに対しての根本的な対策、方針というものの樹立を考えずに、今問題になっておりますようなことを考えても、それは源をきわめないで、末の方で議論をしておるような気がするのです。これにつきましては運輸省の大きな問題として考えていただかなければならぬと同時に、これは日本の運輸交通の総元締であります国鉄としましても、これらの問題については何かの考えはあってしかるべきだと、こう思うのですが、この点について総裁はどういうふうにお考えになっておりますか。
  37. 十河信二

    説明員十河信二君) ただいまお話しの点しごくごもっともであります。地方の交通機関は、地方的に申しますると非常に大切な、経済の上からいってもり、あるいは文化の上からいっても、地方民が非常に熱望しておるのであります。国鉄といたしましても、そういう線ができるだけ延びていきますことは、国鉄の培養線ともなるもので非常にありがたいことだと思いますが、何さま財政困難の際でありますから、国の方にしてもそこまで手が届かんのじゃないか。でき得るならば、私どもは何か輸送の方式を変えまして、なるべく軽快な輸送方式にしても、そういう鉄道は延びていってくれることはしごくけっこうだと思います。
  38. 野本品吉

    野本品吉君 先ほどこれも説明の中に触れられておったのでありますが、地方鉄道、地方軌道の経営とバス事業の発展ということ、これはきわめて大きな関係を持っていることで、地方鉄道の経営困難ということがバスの発展といいますか、それによってきたるところが非常に大きいと思うのです。そこでバス事業地方鉄道の経営、両方が適当な調整方策によって共存し得るかどうか、この問題を根本的に考えずに末梢の問題を考えても、これは少し無理だと思う。それらの点について運輸省側としてはどんなように考えるか。
  39. 植田純一

    説明員植田純一君) 確かにお説の通りだと思います。大観的と申しまするか、だんだんと自動車交通、道路交通が発展して参りますので、長い眼で見ますると、地方の少くとも短い鉄道のごときはいつかは自動車に置きかえられると申しますか、その役目を自動車に交替するという時期も参るのではないか。またそういう傾向もないではありませんが、ただ急激にそれをやるということは、地方交通に大きな影響を来たしますので、現在のところ、お説の通り自動車とバスができるだけまあ共存し得るようにという考え方でその調整をはかっておるわけであります。なお地形の関係あるいは気候の関係等で、これはもう将来のことを考えましても、あくまでも鉄道でなければならぬと、たとえば雪国に参りまするというと、冬の間は道路交通はとだえてしまう。あるいはまた山岡を貫いておる鉄道でこれにかわるべき道路というものはちょっと当分できそうにもないというようなところの鉄道もございますが、そうでない、まあ道路と置きかえ得るような鉄道は、長い眼で見ますと、あるいはそういうように大体の作用を起すかと思いまするが、急激にそういうことがあってはなりませんのでもお説の通りその調整をはかっておるわけであります。従いまして、たとえば私鉄の沿線のバスにつきましてはできるだけその私鉄に経営さすとか、あるいはまた私鉄と関係のあるような密接な関係を保持さすとか、何とかそういうふうな方法で調整をはかって参りたい。現にそういうつもりでおるわけであります。
  40. 野本品吉

    野本品吉君 ただいまの問題は、私は将来の日本の運輸交通の上における重大な政策として、根本的な検討を必要とすると思うのであります。いろいろお考えにはなっておるようでありますけれども、まだしっかりした方針が立っておらないようにもうかがわれますので、この点については十分、しかもできるだけ早く根本的な方策というものの御検討を願いたいという希望を申し上げまして、運輸省の側に対する質問を終ります。  最後にこれは面接この問題と関係のないことでありますが、一点私は十河総裁にお伺いしておきたいことがあります。それは最近例の飛行場の基地拡張の問題が起っておりました砂川の問題につきまして、いろいろ私ども調査検討を進めて参りましたところが、当時基地拡張反対側のいわゆるけが人と申しますか、擦過傷以上のものが百六十数名あったわけです。この百六十数名の中に地面の人が二十五名、国鉄の労働組合の諸君が二十四名という数字が発表されておるわけです。このことはまあいろいろの角度から検討論議してみなければならない各種の問題を含んでおると思うのですが、このことを総裁は御存じであったかどうかについて伺いたい。
  41. 十河信二

    説明員十河信二君) 新聞等の報道によりまして初めて承知いたしたのであります。国鉄の労働組合員が相当数参加しておったということは、まことに遺憾なことだと思います。これらの人は非番の関係で休んでおった者が出ていったのじゃないかと思います。なるべくそういうことのないように、私としては希望いたしております。非番の関係いかんともすることができなかったのじゃないかと思います。
  42. 亀田得治

    ○亀田得治君 ちょっと今のお答えに関連して。  ただいま総裁から、国鉄の労働組合の人が砂川の問題で当日二十数名出ていた、遺憾だと言われたのですが、これは私取りようによってはいろいろ非常に誤解を与えると思うのです。で、ああいう事件が起きたことが遺憾だというのか、あるいはその非番の労働組合の人が、自己の政治的な自由、そういう立場から一つの信念に基いて一定の行動をとる、そういうことを批判された意味なのか、どちらかであるということを、これは一つ明確にしてもらいませんとはなはだ誤解を与える。一つ明確にしていただきたい。
  43. 十河信二

    説明員十河信二君) 新聞によりますとけがをしておる。非番のときにいろいろ行動をせられることは自由でありますが、けがをして翌日仕事に差しつかえるようなことがあってははなはだ遺憾だと、そういうことのない方を希望するということであります。(笑声)
  44. 野本品吉

    野本品吉君 私がお伺いしましたのは、批判の問題でなしに考えておりますから、従って総裁がそういうことを御存じであったかどうか、こうまあお伺いしたわけです。是非の論は別になろうと思うのです。  そこで、非番の者が行かれることにつきましてはとやかく言いたくないという気持でありますが、その問題につきまして総裁は、労働組合の幹部なり、あるいは当時行かれた方と何かお話し合い、あるいは事情の聴取等をなさったことがありますかどうか、その点をお伺いしたい。
  45. 十河信二

    説明員十河信二君) 私自身は何もいたしておりません。
  46. 岡三郎

    ○岡三郎君 私も党に行って……。それでその前に一つ聞きたいのですが、先ほどの局長説明によって二十九年度以降の方は九九・九%以上の成績が上っておると言っておりますが、二十九年というのは、わが国の経済情勢から言うと、これはデフレ時期なんです。非常に悪いときなんです。その前の時期は非常に景気のいいときだ、インフレーションで。その景気の悪い時期、やりようによってはずいぶん払いがよくなったということから考えて見て、石井さんがちょっと言ったような、ちょっとふんどしの締め方が足りなかったのじゃないか、人情論に流れていたんじゃないかという、こういうお話があったのですが、単なる人情論じゃないと思うのです。とにかく二十五、六年度のあの時期に私はこういうような滞納がずいぶんできたのじゃないかとも思っておるのです、想像しておるのですが、要するに二十九年度以降のこのデフレ状態会社で、言ってみれば、どこでも二十九年度というのは決算はあまりよくない、そういう時期に納まっておるということになれば、その前に滞納しておるとと自体が私はおかしいというようなことをますます今強く感じておるのです。だから今実績がよくなったから、今までの分も順次分割して取り立てると言っても、私は取り立てについては容赦してはいかんというふうにも今再認識したわけなんですが、しかもこれをずっとこの表を見ていると、非常に多額なる会社と小額なる会社がある。一体この多額なる会社、しかもこの取り立てが不能になっておるところの会社を見ても、二千万円以上、二千万円に近いところがだいぶあるわけです。そういうような点で、国鉄運賃上げをしようということをまた考えておる。これに対して行政管理庁の方面が、運賃上げをする前に国鉄自体はもう少し検討すべき点がうんとあるというような点で申しておるかにちょっと聞いたわけなんです。そういうようなことを考えてみると、私はこういう点においても国鉄経営の点において内部的に十分やり得ることをやって、しかも現在まで運賃上げをしてきたかということについて、私は疑問を持たざるを得ない。そういう点で私はこういうものが全部清算されるのが二、三年死なんというあいまいなことでなくして、一体いつまでに、ここの後払いの、貨物運賃の未納ですね、これが見当つくのか、正確に答えてもらいたいと思うのです。その点お願いします、正確に。どこの会社は何用何日までに、今答えられなければ何月何日までに必ず清算を完了する、その清算計画書、整理計画書を資料としてきちんとしたものを出してもらいたい。それによって私は国鉄運賃の値上げが妥当であるかどうかの一資料にもしたいと思うので提出してもらいたい。さらに委員長にお願いいたしますが、将来臨時国会の前にもう一ぺん国鉄運賃の問題について私はまたやりたいと思うが、そのときには行政管理庁をも呼んでもらいたいと思う。今の点お答え願いたいと思います。
  47. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 私どもといたしましては、過去のやり方がルーズであったというおしかりは、これはある点でまことに申しわけないと感じております。その後昨年度におきまして私どもも十分展後の決意をいたしまして、いわゆるその会社にとりましては致命的となるような措置が何ら苛責なく行われるという前提の下の措置をとったわけなんです。それをやるまではやはり会社を生かして取っていこう、会社を殺しては何にもならないという関係で御指摘のようなことになったのでございます。しかしながら確かに昨年取れたならその前ならもっと取れたであろうという御意見もおありになることも重々承知いたしております。そういうお叱りを受けましてもなお私どもは今後十分清算の見込みのある確実な収納方法をとるということで、できるだけこの額につきまして逐次回収をはかっていくということにいたしておるわけでございます。
  48. 岡三郎

    ○岡三郎君 今の点で私の聞きたいのはじゃあ後刻これらの未納会社、これを厳格に、正確にそれぞれの会社について当っていると思うのです。この会社についてまあたとえばですよ。北海運送なら北海運送についてはいつまで、それから天龍木下運輸についてはいつまでという契約をとっていると思うのですがね、それが未納の場合においては相当厳格にやるということを言われたのですが、その書類を一応資料として何もまとまった資料じゃなくていいから、どこの通運については何月までにこれを完了するというふうなことはできていると思うので、これはお出し願えますか。
  49. 石井昭正

    説明員石井昭正君) ただいまのお話のように現在持っております分納計画で、何月、三十年の末には幾ら、三十一年の末には幾らということは計算いたしまして、清書をいたしますればできますので、それをお作りしてお届けいたしたいと思います。
  50. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は今やられている局長をまあ怒ったわけではないのです。今までの国鉄のやり方が少しだらしがないということを言ったわけなんです。今の局長がその全部の赤を背負って努力をしている点については敬意を表するわけなんです。そういう点で一つどしどしとやってもらいたいというふうに私は思うわけなんです。そういう点でこの連絡運輸の方の点についてもずいぶん滞納金の額がふぞろいなんです。少いものはうんとまあ百万円にいっていないのです。大いのは七千万円にいっているわけなんです。一体この静岡の岳南鉄道というのは七千四百九十二万何がし、これは一体どうしてこういう額になったのか、ちょっと聞かしてもらいたい、滞納理由を七千万円というこの額の。それから鹿児島県南薩、それから門司の島原、五千七百いくら、この大負債というのですか、その中の一つの例として静岡の岳南鉄道というものはどうしてこんなに滞納になったのか一つ聞かしてもらいたいと思う。この理由、特徴的な一つの例として。
  51. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 額がふぞろいなのは、これは……
  52. 岡三郎

    ○岡三郎君 まあこれはやむを得ない。
  53. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 会社経営規模でございます。私どもの方の、つまり取り分の運賃が少い会社と、非常に多い会社と両方ございますので、こういうふうになっていると思うのであります。岳南鉄道の滞納の理由につきましては、私どももこれは非常に心外に存じてたびたび督促をいたしておりまするが、結局率直に申しますと、おそらく会社としてはその資金を設備資金その他に流用したのではないかというふうに考えているわけでございます。で、雷雨につきましては非常に遺憾な額が多うございまして、多額な点を非常に残念に思っておりまして、毎回岳南の社長を呼びつけてやっておるのでございまするが、最近も出て参りまして、そうしていろいろ折衝いたしまして、運輸省にもお立ち合いを願って、大体の一応これは話し合いでございますが、計画もいたしております。月額五十万円づつ今後会社のいわゆる達成いたします額に加算して納めるということを、一応話し合いをいたしているわけでございます。とてもこれではもちろん大きな滞納額を消すわけにはほど遠いわけでございますが、今日の会社経営状態からみると、そういうところでやっていくほかは仕方がないと、こういう状態でございます。
  54. 岡三郎

    ○岡三郎君 今設備に使ったなんということになると、これはどの程度今度こういう会社に対して監督をしているかという問題が出てくると思うのですが、私の方としてお願いするところは、こまかいというか、まあこまかくはないのですが、資料の方をあまり多く取ることは困ると思いますが、三千万円以上の秋田の弘南、それから東京の常総筑波鉄道、それから今の岳南鉄道、それから鹿児島の南薩鉄道、門司の局原鉄道ですね、これらについて経営内容というものについて、いろいろ取り立て上問題があると思うので、この方は貨物と違って今あげた三千万円以上の滞納会社ですね、これについてどうしてこのような滞納になったのかという点と、これをどういう工合に整理していくかという点について、当局の今までの資料でけっこうですから、これを出してほしい。それによってこれは一つ考えていってもらいたいと、こう思うのですが、この資料を委員長の方から要請してもらいたいと思います。
  55. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 承知いたしました。
  56. 岡三郎

    ○岡三郎君 それからこれはちょっと速記をとめて下さい。
  57. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  58. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 速記を始めて。
  59. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私は先の委員の皆さんからお聞きになったことを繰り返してお尋ねはいたしませんが、私はきわめて簡単なお尋ねをいたしますから、できるだけ簡潔に一つお答え願いたい。  その一つは「後払い貨物運賃の未納整理について」という二十九年十一月二日付の各鉄道管理局長あての通牒が出ておりますが、それによると「経済情勢のいかんにより、ついには回収不能に陥るようなことがあるばかりでなく」、問題はその次を私は伺いたいのですが、「他の一般荷主の納入についても多大の悪影響を及ぼすおそれがある」、こういうことを懸念して通牒を出しておいでになりますが、この一般荷主について悪影響を及ぼしたその状況です。これはおそらくあると私は確信はいたしますが、その悪影響というものはどういうふうにあったろうか、これを一つ計数的に明らかにしていただきたい。今お手元にその資料がなければ、資料として次の委員会までに提出していただきたい。  それから第二、これはいわゆる整理基準の定めるところによって、徹底的に整理をして、今後はこのような未納を発生させないよう努力する――こういうことが通牒にきわめて権威をもってうたわれておりますが、この通牒を出した二十九年十一月二日以後、私はおそらく未納が発生していると思う。二十九年十一月二日以後に発生している未納の状況を、これも各社別に資料で提出をしていただきたい。  それから第三、三十年十月六日付の資料によりますと、残額が二億六千八百九十三万余、会社の数が三十社、こういうことになっておりますが、「この残額についても今後順調に納入されるものと思料される」、こういうふうにこれは記載されている。これは順調に納入されると、こうふうに判定をしておいでになるようでありますが、これの見通しですね、各社別の。これもあなた方の何というか、判定した根拠があるだろうから、これを一つ具体的に計数的に聞かしていただきたい。これは即答がもし困難なら、次の委員会までに資料で御提出を願えればけっこうであります。  それから第四、これは連絡運輸未収金についてでありますが、この「連絡運輸未収金の処理については、従来から種々回収策を講じてきたが」……「滞納額は一進一退全面的回収を見ずに今日に至っている」、こういうことであります。これについては私は非常に苦労を重ねておいでになることは察するに決してやぶさかではございませんが、しかし一進一退で別に目立った進歩がないということで今日に至っているにもかかわらず、この後払貨物運賃未収金の、つまり整理に当って整理基準を設けられたいというふうな、そういう少し画期的な手当というものは、措置連絡運輸未収金についてはとれないのか。しかもこの金額を見ると五億三千万を超している、かなり後払い運賃と比べるとさらに金額が大きい、会社の数も三十四の多きに達しているわけです。これらについては一進一退を依然として繰り返しておったのでは、おそらく今の経済情勢からすれば連絡運輸収入の未収というものは、傾向としてはふえるのではないかということを私まあ懸念するのです。これに対してはどういう一体画期的な措置を講じようとしているか。  この四点について答えられるところは一つなるべく簡明に答えていただきたい。もしお答えの無理なところは――数字を根拠にしなければ私ども納得できませんから――これは資料を提供していただきたい。この次の委員会にその資料に基いてさらに質問いたします。
  60. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 第一点の一般荷主の納入についての悪影響を及ぼすおそれというのは、これはそういうことを心配しただけでございまして、実質上に影響はなかったと思いますが、なお詳細に資料を調べまして、数字をもって申し上げます。  第二点のその後の経過でございまするが、その後は先ほど申し上げましたように、この処置をいたしました以後には九九・九九%の納入でございまして、発生いたしましたのは二件ございます。これは七百万円になっております。  それから第三点の順調に行くという見通しの根拠でございますが、これはただいま申し上げましたように整理基準にあげたものが全部その契約通り履行してくれておりまするので、非常に何と申しますか、計画の線にのっとって各業者も真剣に返納をやってもらっておるという状況から判断しただけでございまして、各社別に業績を調べて、そういう見通しを立てたわけではございません。その点もし言葉の使い方が適当でないというおしかりでございまするならば、これはおわびを申し上げます。  それから最後の第四点の連絡運輸についても同様の措置がとれないかというお話でございますが、これはもう私どもも十分考えたのでございまするが、要するに後払い停止に相当する措置連絡運輸停止ということでございまして、この連絡運輸停止ということが事実問題として可能であるならば、これは私は同様の措置を直ちにとるべきものと私は考えております。しかしこの連絡運輸停止というのは運送店と違いまして他の業者があるというわけではございません。直ちにお困りになるのは地方の旅客であり荷主であります。と同時にその会社がほとんど経営規模は経営基礎が失われてしまうということになりまするので、結局これは会社をつぶしてしまえということになると思います。先ほどるるお話がございましたように、この私設鉄道をつぶしてしまうという根本方針の確立がない限り、私の方でもそういう苛酷な措置をとるという点につきましてはやはりどうしてもそこに踏み切れないものがあるために、申しわけのないような結果になったわけでございます。
  61. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 今のお答えで大体半分以上は私は了解いたしました。ただ第三番目の問題について、今後順調に納入されると思料されるという、そういう根拠の中で、それなら分割納入もできなかった十社、金額で八千一百余万円、これは極力回収に努力しているということですが、どの程度これは回収できているのですか。
  62. 石井昭正

    説明員石井昭正君) ただいま私どもが順調に参るという見通しをつけたのは、いわゆる分割納入契約を結んだ三十社、当初三十九社でございます。それ以外の十社につきましては、当初御説明の際に申し上げましたように、なかなかとることは困難である。それは当初の一億一千万円でその後約三千何百万円とりまして、一応三〇%以上はとったんでございまするが、今残っております八千万円につきましては、会社がつぶれておるというのが実情でございますので、これが決してこの八千万円がそれじゃまるまるだめかというと、そういうことじゃなくて、やはりある程度は取れると思いますが、しかしそれ以上はなかなかこれが回収は困難であろう、かように考えておる次第であります。
  63. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると、ちょっと話がこまかくなり過ぎますが、たとえば今の契約困難な十社の八千一百万円というのが大部が不良資産、不良債権ではないか、そういうふうに考えられますが、そういう場合には一体どういうふうにこれは経理上処理されるのですか。
  64. 石井昭正

    説明員石井昭正君) これは普通の企業でございますれば、いよいよ取れないということになってしまえば、これは貸し倒れとして処理すべきものだと思いますが、私の方でも会社が存続しております間はそういうことはいたしませんが、ほんとうに会社が破産なり解散なりしてしまって、もはや債権の追求ができないということになりますと、この欠損処分をいたすということになると思います。
  65. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そういう会社がなかなか容易じゃないという見通しが、これはもう同業の間柄ですから、もうせっぱ詰まらなくとも、少くとも二年なり数年前から大体見通しがつくことと思いますが、そういう危険を予想される債権に対しては、抵当権の設定なり、そういう法的な措置はもちろん講じておられるわけでしょうから、会社がつぶれたからといって、まるまるこれがだめになるということでもないと思うのですが……。
  66. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 銀行保証も取っておりますし抵当権も設定しております。しかしながら銀行保証につきましてはこれは全部執行いたしております。ただ抵当権の問題につきましては、抵当が相当競合をしておるもので、それからまた会社がつぶれた際に何といっても公租公課が優先的に執行される。それからその次には従事員の退職手当、これが優先的になります。理屈といたしましては、一応債権をある程度確保するだけの担保処置は講じておりますが、現実に会社が破産状態になりますと、執行いたしても何の――何のと申しては言い過ぎかもしれませんが、ほとんど実効がないというようなケースがしばしば出てきて参ったのでございます。
  67. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それじゃ私は質問をこれで終りますが、最後に若干当らないところがあるかもしれませんが、もし当らないところがあったら一つ私の言わんとする真意だけをおくみ取りをいただきたい。私先般八月の半ばから北海道を決算という目的で一回りして参りました。北海道の鉄道状況も決算という見地で大体概況をつかんで参りましたが、どうもこれはひとり北海道に限らず、毎年決算委員会報告される国鉄の収支状況等から考えて、何らかこの国鉄全体の経理というものは容易ならざる段階にあるように私どもは考える。北海道にしても六十億余り赤字が出る、そういう中にあって、こういう債権に対しては非常に寛大な措置をおとりになっておる。何かたそがれの地主みたいな私感じを持つ。これはよほど抜本的な決意と方策を講ずるにあらずんば、これは公共企業ということで独立採算という、こういう大きな旗じるしを掲げて出発しても、いつになったらこれが一体この国民の期待するがごとき鉄道になるのか、そういうことについて私どもしろうとながら非常な杞憂を持っておる。それでそういう国民的な杞憂の中から、今度練達しかもこの道では大長老の十河総裁が御就任され、就任されて第一回の当委員会において、総裁の運営についての方針を書類を通じて私どもは拝聴したわけであります。自後すでに三月を経過しておりますので、私どもは特に私はそのときに非常に立派な精神的なかおりの高い御方針をつぶさに拝聴いたしましたが、さらにこれに対してもう少し具体的なものがあってほしいということを要望申し上げ、もう三月経過いたしましたから、おそらくそういうものがあの方針に従って具体化されておる。それを私は実は大綱だけでも、抽象がいかに具体化されつつあるかという、あの後三月にわたる経過を、できれば拝聴したい、これはひとり私のみならず、当委員会委員の諸君といろいろ話し合っておりますけれども、異口同音にそういうふうに感じておられるようであります。ですから、これはきょうは必ずしもそういう全体の問題のための委員会ではございませんから、もし出し抜けの質問で総裁にそういう具体的なお答えが困難だとかりにいたしますならば、これも先ほどお願い申し上げました資料と同様に、この前も紙に書いていただいたのですから、そういうその後の三月にわたる経過の具体化の大きな骨格だけでも御提出をいただいて、今後の国鉄運営はこういうふうにやるのだということで、われわれ一般国民にも一縷の曙光が見られるようなものを私はほしいと思う。この点を私は要望いたしまして、もしお答えがいただけるならいただき、もしお答えが具体的に困難ならこれを一つ紙に書いて、この次の委員会に間に合うように一つ御提出をいただきたい。これは特に委員長を通じてお願いいたします。
  68. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 委員長からもちょっと関連いたしまして。今飯島委員から本委員会の総意としてでもよいようなお考えの発言がございましたが、これに加えて私また申し上げることははなはだ過言であり相済まぬような気がいたしますが、もともと私はこの委員会には連ねておらなかったので、前国会――前委員会までの経過をわが党のこの委員会委員長の山田、小林両君からいろいろ聞きつつあったわけでありまして、それらの事柄の中には、私どもの党の控室で総会等にもいろいろな質問をするものもありまして、それらに対して小林、山田両委員長時代のときに御報告されたこと等を勘案して、ここに御意見を拝聴したいと、こう考えておりましたところへ、たまたま幸いに飯島君より総括的な心がまえを持っておるかどうかというようなことを質されたような感がいたしますので、私もこれに付随して申し上げることは、ただいま申し上げましたように過言であるというふうな感じもいたしまするが、ただ私がこの三日間の委員会を通じて考えまして、総裁が御答弁なさったことから考えましても、もう時期も日にちもたちましたし、みずから陣頭に立たれるという就任時代のお心持ちにむろんなっておられて、その後の管理も相当苦慮されて実績上げつつあることであろうと、またあることとは思いまするが、その点からいたしまして、おのずから陣頭に立たれて、そうして経営経理の刷新には、言いにくいことも係の者をして努力させるように御命令というのは誤弊がありますが、総裁の指揮命令のもとに動くように、また指揮命令をするようにみずからその責任を感じられて、ただいま飯島委員から御指摘のありましたように、総裁も苦衷の思いではありましょうが、総裁としての任務をここに明らかにするということについては、どうしても総裁御自身としては心から苦しい思いをなさるとは思いますけれども、国民全体のために一つ一段の御努力をお願い申し上げたいと思うのであります。
  69. 十河信二

    説明員十河信二君) ただいまは非常に御懇篤な御言葉をいただきまして、私といたしましてまことに恐縮にたえない次第であります。私に課せられた任務は、まず第一に輸送の安全、合理化、赤字のないような独立採算制の企業として福建をするというふうな点であると心得まして、そういう点においていろいろと研究もいたしまするが、また具体的に実施に着手いたしたものもございまして、それらの点を簡単に申し上げたいと存じます。  第一に輸送の安全をいかにして確保するかということでありますが、これは人的、物的両方面にあると思います。人的方面ではなるべく職員が仕事を楽しんで朗らかにやるということがいい、こう考えまして、そういうふうに指導いたして参りました。物的の方面ではかねて御存じの通り国鉄の今日の施設ははなはだしく老朽荒廃いたしております。それらの老朽荒廃の施設を更新するにあらずんば、輸送の安全、輸送力の増強ということはとうていできないのであります。しかしながら財政はなはだ不如意でありまして、これらの老朽荒廃した施設をすみやかに更新するという事態にははなはだ遠いのであります。そこで輸送力を増強して無理の輸送をしない、従って事故をなるべく起さないようにする最も手っとり早い方法は、車両の不足を訴えられておりますから、車両をできるだけ増強するということであると考えました。予算でお認め願っておりまする点は着々すでに実行いたしておりますが、その上に幸いに金融の方面におきましても幾らかゆとりができており、また車両会社は仕事が足りなくて困っておるということでありますから、国鉄は予算では買い取ることはできないが、車両会社が金融機関から金融を受け車両を作ってくれるならば、国鉄はこれを借用いたしまして、国民の要望に何ほどでも多くこたえたい、こう考えまして世間でいわゆる民有車両という制度を――制度といえないかもわかりませんが、そういう処置を講じて、ただいま着々進行中であります。この民有車両の計画は今のところでは金額において大体三十億円内外、車両の数で申しますと三等寝台を百両くらいは作りたい。ディーゼル・カーを六、七十両作りたい、それから通風車とか冷蔵車とか、これも世間で非常に逼迫しておってお困りになっておる貨車のうちでも特に需要の旺盛な種類の貨車であります。これらのものを二百両ずつくらい作ってもらいたい、そうすればそれを一々国鉄で借用いたしまして、予算の都合がついて金ができて買えるようになれば買いとるということで今進めております。  次に、今日までの内外の権威者がいろいろ御研究下さいましたところによって、最も大きな経営の合理化、輸送力の増強、安全、サービスの向上という点に役立ちまするものは鉄道の電化じゃないかと思います。かつて昭和二十四年五月に資源局と鉄道審議会、この二つの団体におきまして研究をせられました結果、内閣その他の方面に勧告もしくは答申をいたしております。その方針に沿うて、国鉄は電化を進めて参っておるのであります。今日まで終戦後約六、七年の間に七百キロばかり電化が進んで参りました。この電化をいたしました結果、石炭が七十一万トンばかり節約されました。経営の費用が約二十億円浮いてきております。この実績を見ましても、電化が非常に鉄道の合理化、財政の改善等に役立つ、こう考えまして、これを取り上げて促進したいと存じましたが、当時の調査はすでに数年の年所を経ておりますので、いろいろの周囲の事情が変っておりますから、先月新たに国鉄におきまして電化委員会というものを設けまして、部外の権威著にも御参加を願います。また部内においても特に労働組合の代表軒に参加していただきまして、いろいろな方面から検討いたしております。もしでき得るならば私といたしましては来年度の予算の中にその一端を取り入れてもらいたい、こう考えております。私の腹案としてその委員会に提出いたしておりまする計画は、先刻申しました資源局その他で研究をいたしました線に沿うて、幹線大体三千三百キロぐらいを電化のまず対象にいたしたい。その中でも一番輸送密度の高いところから始めていきたい、まず輸送密度の高いところはそれだけ経費の節約の多いところでありますから、経営合理化、財政状態の改善に役立つと思います。この三千三百キロをできるならばそのうちの半分でも実は早く改善したいと思うのでありますが、この三千三百キロの電化に必要な工事費はおよそ千四百四十億円ぐらいかかるのであります。しかしながら電化をいたしますると、経営の費用が約八十億円節約されます。石炭の節約が二百三十四万トンぐらいに達する見込みであります。この電化をいたしまするにつきましてもいろいろな点において検討を要する事項が多々あるのであります。電源をどうするか、あるいは直流でやるか交流でやるか、あるいは相当長距離電車にするか電気機関車でやるかというふうな種々の技術上経済上の問題がありますが、これはただいま申しました委員会で熱心に研究を進めてもらっております。おそらく予算の何までに間に合わせてくれることと期待をいたしておるのでございます。そういうふうにやりましても、電化はなかなか急速には参らない。今日までも毎年五、六十キロぐらい進んでおりますので、私はこれを倍以上――できるならば三倍ぐらいの速力で電化を進めていきたいと思いますが、電化をするまでもできるだけその経費を節約し、皆さんに安心して愉快に旅行のできるようにして差し上げることが私の任務でありますから、輸送密度の非常に高いところは電化することが利益であるということは先刻申しましたが、その次の程度のところは旅客の方はディーゼル・カー、貨物の方はディーゼル機関車で輸送することが適当なんであります。一番経済的でもありますから、そういうものをまず取り入れて、電化のできるまではディーゼル・カーにいたしまして、そのディーゼル・カーにしている間に電化を一面においては進めていく、ディーゼル機関車あるいはディーゼル・カーはまた次のところへ持っていくというふうにして進めていきたいと思います。今日までも国鉄で約五百六十両ばかりのディーゼル・カーを使用いたしております。そのために二十五万トンの石炭の節約になっております。また経営費は約九億円の節約になっております。ディーゼル・カーにするということも、これも経営合理化、財政改善の意味においても、またお客さまあるいは従業員の仕事が楽にできるようにという点から申しましても、非常に有利である、こう考えまして、先刻申し上げました民有車両の中にも、特にディーゼル・カーを相当多量作ってもらいたいということを注文いたしておる次第であります。  なお、組織の点におきましても、私まだ地方を十分回る機会を得ておりませんので、地方のことは十分研究が履いておりませんが、中央の国鉄本庁内におきまして、御承知通り、局が非常に多く分れておりまして、複雑になっておって、どうも能率が上らない。総裁、副総裁、総裁室理事というふうな段階になっておりまして、各部局を担当しておる理事の間で数局にまたがる仕事がとかく進行がおくれがちになるという状態にかんがみまして、総裁、副総裁の補佐機関といたしまして、理事の陣容を強化いたしたい。何と申しますか、常務理事といったようなものを数名置いて、これを総合的に仕事を進めていくまとめ役というふうなものにしたい。なお、この常務理事には、でき得るならば民間から人材を迎えて、民間の空気を導入することが必要だと考えまして、そこここ方々に当って参りましたが、民間で現役として働いておられる方々は、どうも国鉄に迎えることが困難であります。いろいろな条件が悪いものですから、困難でありますから、ただいまのところは内に人を求めるのほかはない、こう考えておりますが、しかしながら、でき得る限り民間の人材の御協力を願いたいと、こう考えまして、すでに船舶の方面ではその方の専門の方をお迎えして、顧問という名義でお助けを願っております。そういったような方を得らるるならば、できるだけこの国鉄内部に局限しないで、広く国民各階層、各方面の御意見を取り入れ、またいろいろな角度から検討していただけるようにいたしたいと、こう考えまして方々にお願いをいたしておるような段階になっております。  またこの委員会におきましてもたびたびいろいろな御注意を伺いまして、国鉄部内においても、上層ではいろいろなことを考えて注意をしても、なかなか全国に徹底を欠くうらみがあると思います。そこで監察局というものを、従来監察役というものが数名いたのでありますが、これを強化いたしまして監察局というものを作りまして、経営の合理化が徹底しておるかどうか、綱紀粛正が徹底しておるかどうかということをさらに一段と力を入れて監督いたしたいとこう考えまして、皆さんにでき得る限り御心配を少くするという方針で、その方町の組織に若干改善を加えまして、それから洞爺丸、紫雲丸等で大へんな事故を起しましたので、これまた国民に対して申しわけがないと考えまして、その方の組織にも改善を加え強化いたしております。  なお、その他にいろいろな申し上げたいこともありますが、こまかくなりまして長くなりますから、おもなる点を数点申し上げまして、皆さんの御批判をいただきたいと存じます。
  70. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 皆さんにちょっとこの際お諮りを申し上げます。さっき野木君より植田君に対して御質問がありました場合に、植田君としての管轄でないために答弁ができないというようなことがございましたので、それに補足答弁のできる人である運輸省の自動局長を呼ぶことにいたしましたが、自動車局長はちょうど予定があってはずせないから、代理として鈴木通運課長がただいま見えておりますので、今後御質疑がございましたならば、御質問を願いたいということを申し上げておきます。  それからこの際も国鉄当局に対して要求しておきますが、本三日間の委員会の中で、各委員から資料の提出を求められておりまするので、次期委員会までに求められた資料は必ず提出できるように御配慮方を特にお願いをしておきます。  なお、皆さんに特にお諮り申し上げたいことは、ただいま十河国鉄総裁よりるる御自身の基本的な方針についての御説明もございましたので、これに対しての御質疑があると思いますが、どういたしましても午後は日程に御通告申し上げてございまするように、検査院に対しての質疑がございますので、それらのことを勘案せられまして、十河国鉄総裁のただいまの御信念に対しての御質疑等は次期委員会でお願いをしたいということが一点と、なお、そういうことでございまして、時間の関係もございますから、今後御質疑なさる方々は簡単にお願いを申し上げます。
  71. 大倉精一

    ○大倉精一君 それでは今の御趣旨に従って、私は簡単に二、三の点だけ質問申し上げます。  この後払い滞納の問題について、この委員会における取扱いはいろいろな意味で非常に大きな影響があると思います。今までの各委員の発言を聞いておりますというと、厳重に取り立てろという一点に尽きると思うのですが、もちろん厳重に取り立てをしなければならぬのですが、この問題については、私としましては、ある程度、こういう小さな問題と言っては語弊があるかもしれませんが、そういう業者に対しては同情的な気持を持っておるわけであります。それで、今日は運輸省の方から局長さんあるいは責任者の方がおいでになっておらぬようなんですが、国鉄の方にお伺いするのですけれど、この後払い運賃滞納になってくる原因ですね、どういうわけで後払い運賃というものがこんなに滞納になってくるのか、そうしてこれを取り立てるということになると、これはつぶれてしまうという、こういう状態になった原因というものについて、国鉄としてどういうようにお考えになっておるか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  72. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 後払い運賃滞納が生じました事由につきましては、これはいろいろあると思います。一つ貨物運賃というものは運送店荷主に対しまして現金で収入しない商習慣になっております。手形あるいは一月おくれとか二月おくれとか、やはり月掛けというようなことで回収されておると思うのであります。結局この荷主貸しというものは経済状況その他によりまして円滑に回収できない。あるいはもらった手形が不渡りになるというような点も一つの大きな原因であると思います。それから中にはやはりこの運賃資金繰りに利用して設備の増強その他に使ったというような会社もあるのではないかと思っております。一番経営困難になりました原因は、やはり何と申しましても荷主貸しの回収が円滑にいかないという点が原因ではないかと思っております。
  73. 大倉精一

    ○大倉精一君 私はこの問題は日通のような大きな会社に対しては、これは別なんですが、日通以外のいわゆる新免店とよく言っておりますが、そういう業者に対してはやはりその本質というものを掘り下げて考えてみる必要があると考えます。これは何といっても免許制度の、免許のやり方ということが非常に問題になってくるのではないかと思います。今のように荷主貸しが非常にふえてくる、回収が非常に悪いというのはどこに原因があるか、これまた考えてみなければならぬと思うのであります。これは必ずしも経済状態が悪くなったから――そういうこともむろんあると思います。あると思いますけれども、私はこの問題は一つのダンピング競争の結果から来ておるものがたくさんあると思います。すなわち一つの例としては適当でないかもしれませんが、日通あるいはその他の大きな運送店というものが不良荷主としてはなしたものを、また小さな運送屋がとって来る、そこで非常に運賃の料金の回収率も悪くなるというような面が出てくると思います。それからもう一つはやはり金融政策もあると思います。これは大蔵省の方でハイヤー、タクシー会社、そういう所へは金を貸すな、こういうところから一番手っとり早いのは鉄道運賃をためて、これを金融に回す、これが一番手っとり早い。そういうところからも私は来ておると思うのであります。従ってこれはこのものだけをとらえて責め立てるということについては、私は若干疑問なきを得ないのであります。特に私は非常に疑問に思っておることは、この事業が公益事業として、これは自由競争にまかしちゃいけない、免許制度をしいて、そうして運輸省監督指導下に置く、トラック一台ふやすにしてもあるいは事業契約を変更するにしても、一々認可を得なければならぬ。こういう厳重な制度のもとに置いてあるのですから、従ってこれはこの監督官庁といいますか、運輸省の方において免許をする以上、それに対して責任を持たなければならぬと思うのです。これの免許基準というのはなるほど法律には書いてあるが、あれは一種の作文であって、実際免許される過程というものを見るというと、私は何ら確固たる根拠というものがないのではないかというふうに思われる。そこでそういう確固たる方針あるいは根拠というものがなく免許し、それがだんだん経営困難になってくる、当然困難になるようになっておる。そうしてなってくれば今度は運賃をどんどん取り立てる、あるいはそういうものはもう競争に負けたのだから、経営がいけないのだから仕方がない。こういうようなところに私は非常に問題があるのじゃないか、それであなた方、運輸省に聞きたいと思いますが、今日は保留しますけれど、こういう根本問題を解決しないと、この問題はやはり解決できないのじゃないか。あるいはまたさらに最近自家用車のやみ輸送が非常にはびこってゆく、これもお手あげで処置なしというところにきて、この自家用車のやみ輸送というものが中小の業者を非常に圧迫をしておる。そこにまた経営困難というものも出てくる。こういう工合にして私はもうあらゆるところに根源があると思います。まだそのほかにもあると思います。たとえばこれは抽象的ではなはだ恐縮になるかもしれませんが、地方でちょっと聞くところによると、国鉄当局がいわゆるメーカーその他に対する支払いも非常におくれるそうです。そういうものは運賃の収入にも影響するというようなことを聞いておりますが、これはまあ抽象的であって、どこまで信じていいかわかりませんけれども、そういう工合にいろいろな問題がここにずっと、それでこういう状態が出てくる原因があると思います。ですから私はそういうところをこの際国鉄当局としましても考えもらわなければならぬと思います。従ってそういうような状態の御認識の上に立って新免業者に対して一つの指導方針というものもお持ちになっておると思いますが、そういうような状態についてどういう工合に考えておられるか、そうしてその新免店に対するところの指導方針というものに対してどういうふうなお考えを持っておられるかということについて国鉄当局からお伺いしたい。
  74. 石井昭正

    説明員石井昭正君) いろいろ御意見ございまして、私どもも大へんに教えられるところがございますが、今の新免に対する政策と申しますと、実は私経理担当でございまして、そういう方面の担当局長今日参っておりませんので、ちょっとお答えしにくいと思うのでございます。私の方としましてはできるだけ間違いなく、しかもまあ今日まで生じました滞納をなるべくお話がございましたように業者をつぶさないで、業者の健全な経営を回復しつつこれを納めていただくという根本方針にのっとって昨年度は実施したのでございまして、つぶれてしまってもいいというようなものはほんとうにごくわずかな、率直に申しますとほんとうに箸にも棒にもかからないというものだけを残して、あとはぜひ大いに自力回復をしていただきたい、そのためにはあるいはおしかりを受けるかもしれませんが、分割納入の月数なども相当な月数で返済していただくというように考えてやっておる次第でございます。
  75. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ私の聞いておることがぴんとこなかったのかもしれませんが、この新免店に対して運輸省にお尋ねするのが本旨かもしれませんが、現在運輸省が責任を持って免許をした新免店、これを強化育成しようという方針を持っておられると思いますが、この強化育成に対する御方針ですね、これは国鉄の方としては関知しないのであるか、運輸省だけであるか、国鉄の方としてもやはりそういう一つ方針を持っておられるのかということについてお伺いしたい。
  76. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 私の方といたしましては、運輸省免許になりました業者に対しまして差別待遇を絶対にしない、すべて既存業者と同じ立場でこれを取り扱いたいと存じておりまして、従って運送業者に対しまして認めておりますところのいろいろの便益供与等も全部同じ取り扱いにいたしておりますし、また急行、小口扱いというようなものの配達、積みおろしというような作業の請負等につきましても、既存業者との間におきまして何ら差別待遇せずに同じ立場で参加していただくような方針をとっておる次第でございます。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 運輸省の鈴木課長さんにお伺いするのですが、運輸省としては今私の申し上げたことに対して何か方針をお持ちになっておるかどうか、たとえば全国のそういう通運業者を全国的な組織を作りあげてどうのこうのというような、そういう育成強化というような方針を持っておられるかどうか、そういう点について一つ
  78. 鈴木大三

    説明員(鈴木大三君) ただいま御質問がございました点につきましてお答え申し上げます。いわゆる新免業者に対しましての私どもの考え方、特に従前の通運業者と差別して取り扱うということはごうもございません。ただ、御承知のように、新免業者は比較的薄弱な基礎のものが大部分でございますので、他の通運事業者との関係におきまして、いかにしてこれを指導していくかということが一つの大きな問題でございます。ただ、当面取りあえず全国的な組織を組ませるといたしましても、資金の点もございますでしょうし、現状ではまだその能力は十分ではないと考えております。そういうような全国的な組織網を持つような申請もまだ出ておりません。
  79. 小松正雄

    委員長小松正雄君) まだ長くございますか。
  80. 大倉精一

    ○大倉精一君 私はまだあまりはっきりしておりませんがね。
  81. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  82. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 速記を始めて。
  83. 大倉精一

    ○大倉精一君 課長にもう一つお伺いするのですが、私は非常に疑問をもっておるのは、通運事業複数制になったということは、これはやはり公益のために正当なる競争をさせるのがこれが至当であるという根本的な考え方からだと思うのですが、私は現在複数制をしかれた今日において、正当なる競争が行われていないと思う。これはサービス競争でなくてダンピング競争が行われておる、この一点に尽きると思う。たとえば、法律でもって定額料金をきめて、きめてもこれは定額料金は行われておらぬ。ですから経営の建て直し、たとえば運賃の、あるいは料金の値上げということは考えてもむだだと思う、行われていないのだから。そういうところによってきたる原因は、やはり、免許制度という、免許をするというその免許行為の方針といいますか、そういうものに何ら根拠がない。そこで需要供給といわれますけれども、需要供給というようなものは、そう簡単にわかるものではないと私は思う、需要供給というようなものは……。たとえばある駅でだんだん荷物がふえてきて、ふえてくれば当然それは営業ですからトラックもふやすでしょうし、あるいはまた人間もふやすでしょうから、当然荷物がふえたところの施設がだんだんおこってくる。だから当然そこに需要供給のアンバランスということは、これは私はできぬと思う。あるいはまたこれを遂行するに十分なる能力を備えるものという法律があるのですから、そういうふうな認定のもとに免許すれば、これは決してこういうような後納金を滞納するようなことにはならぬと思う。そういうところに私は根本方針があって、一がいに業者だけを責めて、そして今すぐに納めろといってやんやと取り立てていくという方針については、私は若干疑問を感じるわけなんです。その点について運輸省としても、あなたは一つの事務当局であるかもしれませんが、私はそういう考えを持っておるのですが、実情はどういうものか、ちょっと聞かしてもらいたいと思う。
  84. 鈴木大三

    説明員(鈴木大三君) 私どもといたしましては、通運事業法免許基準に照し合せまして、各条に適合した申請を免許いたしておるのでございますが、ただ、今まで運賃後払いにつきましても滞納した業者ができましたことにつきましては、国鉄からもお話しがございましたし、委員からも御見解があったわけでございますが、これはやはりいろんな原因があると思いまして、私ども免許をいたしますときには、十分その資力信用の点につきまして検討いたしまして、これならば十分やっていかれるということで免許いたしたわけであります。その後にいろんな情勢がありまして、滞納というような事態が発生したのだろうと思うのです。そういうことです。
  85. 大倉精一

    ○大倉精一君 もうやめますけれども、その点が私ふに落ちないところが一点あるのです。これは国鉄の方からお伺いしたいと思うのです。資力信用十分であるといって免許したものが、後納の恩典を受けるのは半年ですか、半年待って実績を見なければ後納の恩典が受けられないわけです。資力信用十分であるとして免許したならば、直ちに運賃後納の制度の適用を受けてよさそうだけれども、その点国鉄の方はどうでしょうか。やはり運輸省のそういう査定には信用はおけないということになるのか、どうもその辺私はぴんとこないところがあるのです。
  86. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 私どもといたしましては、やはり運輸省免許というものにつきまして決して信用しないわけではございません。やはり一極の自衛上と申しますか、そういう観点から約半年間の実績を見せていただいた上で、後納契約を結ぶという方針を立てておることは、私は必ずしも妥当でないことはないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  87. 大倉精一

    ○大倉精一君 きょうは時間がないようですから、私はこれは根本問題について御質問申し上げたいと思うのですが、次回には大臣なり責任ある方に出ていただいて、これを機会に、これは根本的に一つ御質問申し上げたいと思いますので、きょうはこの程度で質問を保留いたします。
  88. 野本品吉

    野本品吉君 私もさっきから大倉さんの言われておるような角度からこの問題を大体見て参ったのですが、認可する場合にはできるだけ厳重なというか、しっかりした方針のもとに厳重な審査をして認可しなければなりませんが、一たん認可したものに対しては、できるだけそれをめんどう見てやるというあたたかい気持で扱うべきだと思います。そこでそういう意味において法律で規定されております事業運営に対する報告とか、あるいは検査とかいうものは、果して運輸省の方でほんとうに正確に行われておるかどうかということに一応疑問を持っておるのです。私もこの問題は相当根本的な大きな問題だと考えますので、あとは質問を将来に残しますが、事務的な立場に立っておるあなた方から見て、その点について御確信がありますか。
  89. 鈴木大三

    説明員(鈴木大三君) 通運事業者からは法規に基きまして諸種の報告は徴してございます。ただそれと、たとえば滞納後払いの徴収状況につきましても、国鉄の方から連絡を受けております。ただ私の方では現在の人員では、個々の業者について現地に参りまして、個々にこまかく調査するまでに至っておりませんので、その点につきまして多少の疎漏はあるかと思いますが、あらゆる報告書類を通して見ますと、その範囲におきましては、一応業者状態を把握していると思っております。
  90. 小松正雄

    委員長小松正雄君) それでは皆さんにお諮りいたします。本件に関する質疑はこの程度にとどめたいと思いますが、異議ございませんか……。
  91. 白井勇

    ○白井勇君 委員長、資料を要求したいと思いますが、運輸省の方、きょう係の方はおらないようですが、この次後納の未収の経過等は資料を出されると思いますが、それまでにモーター・ボートの未収金がその後どういうふうになりますか、この次の委員会に間に合うように最近の状況についての資料を一つお出し願うようにお願いしたいのです。
  92. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 重ねてお伺いします。本件に関する質疑はこの程度にとどめたいと思いますが、異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 同時に本件についての取扱いでございますが、本日は一応この程度にとどめまして、次期臨時国会前に開かれる委員会に継続的にあらためて調査を行うということに異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 小松正雄

    委員長小松正雄君) さようにいたします。  では午前中はこれで休憩いたします。    午後一時十一分休憩    ――――・――――    午後二時十七分開会
  95. 小松正雄

    委員長小松正雄君) それではただいまから休憩前に引き続きまして決算委員会を再開いたします。  会計検査院から検査院の機構の充実、実績及び活動状況並びに二十九年度決算の検査報告の現状についての説明をお伺いすることになっておりますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 小松正雄

    委員長小松正雄君) なお本日会計検査院からは加藤検査官、小峰次長が出席されております。では加藤検査官に説明を求めます。
  97. 加藤進

    説明員(加藤進君) 検査院の機構の充実について申し上げます。八月一日に院法が改正されましたのが実施されましたのでございますが、このときは六十名の増員になり、局が一つ、それから課が三つふえることに相なりました。大体増員されました六十名は、補助金の検査担当しておりまする各課、建設、農林、厚生、労働等に配置いたしており、わずかを出資の方にも振り向けております。六十名を在来の千百名に合せまして、ほぼ満度に近い員数に相なっております。改正につきましては、局長等も全部かわり、その他課長も六人新任いたしましたが、このうちの三名は大蔵省その他等から採用いたしまして、検査院検査がマンネリズムに落ちないように、清新の気が入るように留意いたしました。改正が八月一日でございますので、実は実地検査の大部分を終了いたしておりますので、この実績がどれだけ上るかということはむしろ次の検査年度の問題になると存じますが、現在におきましてもこの効果は現われておるのでございまして、たとえば十月以降などは、検査報告の作成などに基きまして実地検査等はやりかねる実情にあったのでございますが、今年度からは十月以降もこれは検査できることに相なりまして、検査院が常時検査の実をあげ得るようになると存じます。また重点事項につきましても、たとえば災害補助、公共事業等の補助以外の一般的補助につきましても、またたとえば県の代行工事等についても、検査に力を差し向けることができるようになりましたので、新しい視野で活動ができるようなことに相なりました。  検査報告のことでございますが、これはただいま実地検査を終り、本省検査もほぼ終えまして、ただいまこれは会議を開きまして、検討中でございまするが、大体から申しますると、件数は昨年が二千二百余件と存じまするが、これと大差ない結果になるのじゃないかと存じます。実は検査院が二、三年間引き続きまして、いろいろ不当としてきました事項については、各省ともいろいろ改善にも留意されまして、こういう方面では減ってきている。改善の実効が上っておるのでございまするが、ただ残念なことには、視野を変えまして、新しい見方をいたして参りますると、また別な方面で問題が出てくるというようなことになりますので、結果としては件数にそう増減がないことになると存じます。金額につきましては、昨年は御承知のように早期検査を実施いたしまして、査定の面で非常に金額が上ったのでございますが、この点につきましては、ことしは各省とも実地査定も大体よろしかろうと思う程度に実施いたしておりまするし、査定のつけ方につきましても注意いたしておりますので、この点は非常に改善されておりまするから、金額につきましては、去年よりはよほど減ってくるかと存じます。  なお、この提出の問題でございますが、これは大体各省決算のまとまるのを待ちまして、細別のものと合せまして、総合的の検討を加えましたあとで、次の通常国会に出すということになりまするが、この大きな線はなかなか動かしかねまするので、実は著しく早くなるとは申し上げかねるのでございますが、非常にわれわれ、ことに事務当局も努力をいたしておりまするので、少しでも早くいたしたいと思いまするから、結果といたしましては一週間ないし十日くらいは早くなるのじゃなかろうかと、大体のこういう見当をつけております。  まず、大体大よそのことを申し上げておきます。
  98. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ただいまお聞きの通り、概況の説明は終りましたので、御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。  ここで皆さんにお諮りを申し上げておきたいと思いますることは、いずれ本日をもって終了はできないことと思いますので、引き続き次期委員会で質疑も相当あることと思いまするので、なるべく基本的なことを簡単に御質疑願いたいと思います。
  99. 白井勇

    ○白井勇君 この前私院長に、今度の増員なり機構改革の根本方針につきましてお尋ねいたしましたときに、今お話しのように、補助金の関係の最も多い農林なり建設なり、厚生、運輸というような方面の検査範囲を広げていくということはもちろんでありますけれども、そのほかに、最近おやりになっております早期検査なり、それから従来割合に手を抜かれておりました事後の処理の問題等につきましても、重点的にやっていかれるというようなお話があったわけですが、その早期検査なり事後の処理というものにつきましては、かくふえました課でその問題につきましてもやっていくということになるのでありまして、別に専門の課ができるという筋合いのものではないのですね。
  100. 加藤進

    説明員(加藤進君) さようでございます。これは専門の課を置きませんで、やはり各課の担任事項といたしております。ただたとえば官房でございますとか、そういう方で検査に出し得る者がありますれば、この方を機動的に使いまして援助をしてもらっております。
  101. 白井勇

    ○白井勇君 二十九年度の収支の決算につきましては、おもにどういうようなことに重点を置かれまして検査をされておるということになりますか。
  102. 加藤進

    説明員(加藤進君) これはやはり補助等を主眼にいたしまして、その他、防衛庁あるいは出資関係、かような方面を見ております。なお先ほど申し上げましたような補助金につきましては、従来は災害補助あるいは公共事業費の補助に重きをおいたのでございますが、その他一般的な補助、この方にもことしは力をさいて向けておりますし、今度充員いたしました結果、できる余力もこの方に向けていくつもりでおります。
  103. 白井勇

    ○白井勇君 特にことし行われましたものは従来と違ったような点があるというようなことはないのですか。
  104. 加藤進

    説明員(加藤進君) これは先ほどちょっと申し上げましたように、新しく開けた面と申しますのは、一般補助の方につきましては、昨年のようなことがもう少し強く広い範囲に現われて参りますのと、農林等でやっております県の代行工事あるいは直轄工事等の面で新しく考えなくちゃならぬ問題が出て参るだろうと、こういう予想をつけております。
  105. 白井勇

    ○白井勇君 ちょっと妙なことですが、私あまり古くないものですからわからないのですが、会計検査院の院長さんは、大体原則としましては、こちらから要求がなければ委員会に顔をお出しにならない建前をとっておられるわけのものでありますか。と申しますことは、あまりお見えがありませんけれども、この前最後の、つまり二十八年度の決算の、この決算委員会としましての最後の締めくくりに各省に対しまする警告決議をやったわけでありますが、各省からはそれぞれ大臣なり責任者が来ておる。当然私たちは、会計検査院とされましても事務総長はもちろんのことでありますけれども会計検査院の代表者というものは必ず来ておるものだと思っておったのですが、お見えにならぬようなのです。事務局に聞いてみますと、別に呼びもしなかったというお話なのですが、私の気持としては、やはりああいうときは当然院長さんなんかはこれはお見えになっておられる筋合いのものじゃないかというような感じを持つのですが、ちょっと念のため伺っておきます。
  106. 加藤進

    説明員(加藤進君) これは検査院と議会の関係から申しますと、これは少し理屈ぽい話でございますが、院法では議会に検査官の必要があれば出席することとなっておりますし、議院の方からも検査官を呼ぶことができるというふうになっておりますから、その辺はかたく考えた結果と存じますが、これは審議の模様なり何なりにかんがみまして、十分に考えることにいたしたいと考えております。
  107. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ほかにございませんか。
  108. 白井勇

    ○白井勇君 この前私ちょっと委員長を通じまして、事務局からお調べを願っておきたいというふうに申し上げておきましたのですが、行政管理庁ですか、あそこにおきまして、こちらで従来まあできるだけ各省の自治監査といいますか、自治監査を充実したらどうかというような、委員会としましては希望を出しておったと思いまするが、ところがその自治監査というものを行政管理庁において全部一緒にしましてやっていくというようなラジオ放送をやっておるわけですね。これがもし具体的に進んでおるものならば、きょうの委員会で関連しまして状況を話してもらったらどうかという話を私しておったわけですが、そこはどうなりましたか。
  109. 小松正雄

    委員長小松正雄君) 先ほど白井委員は何か用足しのために御不在だったと思いますが、そのときに概して白井委員及び岡委員から強くそういう御要望がございましたので、そのことについて中間的な報告を申し上げたのです。実はまた内容を繰り返してあなたにお諮りするようになりますけれども行政管理庁の内部監査機構の件についてあなたより発言を求められたので、私としては、委員部を通じまして、どういうふうになっておるかということは調べさした。その結果に基きますと、部内で話の出た程度であって、役所としては具体的な動きがあるわけではない。その内容は、行政管理庁の監察部は各省の内部監察機構を吸収するというのではなく、各省の内部監査を合せて、監察機構とし一つの機関に統一した方がよくはないかというような話をしたと、こういうことでございまして、監察は、御承知のように人事に対する監督や処罰も含み、また委員会でも、懲戒処分機構も各省を包含して、内閣総理大臣のもとに置いてはどうかというような意見も出たこともある。こういうことが一つと、一方また各省、各政府機関においては内部監査につき改革の機運があるということであり、本院の意向をまた汲んで研究中であるから、これは臨時国会で取り上げるようなことにしたらどうだろうか、こういうふうに皆さんにお諮りを申し上げたわけでございます。
  110. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これは加藤検査官でもしお答えできなければ、小峰次長でけっこうですが、増員の六十名全部きまりましたか、採用……。
  111. 加藤進

    説明員(加藤進君) 先ほど申し上げましたように六十名を在来の人員に合せまして、合せたものに対してほぼ満度に近い充員に達しております。
  112. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 欠員はどのくらいありますか。
  113. 加藤進

    説明員(加藤進君) 十二名でございます。これは休職者の復帰とか何とかという場合も考えますので、少しの欠員を置かなくてはならない次第でございます。
  114. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 新規採用はありませんか。
  115. 加藤進

    説明員(加藤進君) 新規採用はいたしました。これは先ほどの課長級で三名、部長級で何名でございましたか、これは小峰次長からお答えいたします。
  116. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) お答えいたします。この八月一日に御承知のように六十人が増員になったわけであります。当時若干の欠員があったのでありますが、これを埋めまして、今加藤検査官からお話しした通り充員をいたしたわけであります。ごく僅か十二名ほどの欠員が現在ございますが、新規採用はほとんど、これは先ほどお話のありましたように、よその役所の課長級の人、それから県の補助事業担当しておられた部長級の人、こういうような人を筆頭にいたしまして、相当数外部から採ったわけでございます。
  117. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 その欠員の十二名というのは、大体いつごろまでに充員しますか。
  118. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) これは十二名というのは多いという感じか、あるいは少いというような感じか、両方とも持たれると思いますが、千二百人からの世帯でございますので、休職者も相当にございます。休職者が復帰するというようなことになりますと、定員がないと復帰もできないということになりますので、この程度のものはそう急にどんどんと採れるというような穴ではないのでありまして、そのへんで一つ御了承願いたいと思います。
  119. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 大体そうすると時期は今月一ぱいくらいに採る者は採りますか。
  120. 小峰保榮

    説明員(小峰保榮君) 九月一日に、御承知かと思いますが、公務員の採用の方式と申しますか、これは新聞にも出ましたが、人事院の公務員試験を受かった者でなければいかぬ、従来のように公務員試験を受からぬ者でも各省で採りまして、そうして中で養成をしてゆくというようなことが非常に困難になったのであります。公務員試験を受かった者でないと原則として完全にシャット・アウトされてしまうというようなことになりまして、私どもといたしましては、八月末までには一応所要の人数は採りたい、こういうことでやったわけでありまして、その結果、最小限度の予裕というものは現在のところこれは置いてありますので、これをすぐに埋めてしまうということもちょっとできかねる状況でございます。
  121. 小松正雄

    委員長小松正雄君) ほかにございませんか。ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  122. 小松正雄

    委員長小松正雄君) それではほかに御発言もございませんようでございますので、本日はこれをもって散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 小松正雄

    委員長小松正雄君) では本日はこれをもって散会をいたします。    午後二時三十九分散会