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1955-06-17 第22回国会 参議院 運輸委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十七日(金曜日)    午後一時四十五分開会     —————————————  出席者は左の通り。    理事            仁田 竹一君            早川 愼一君            重盛 壽治君            木島 虎藏君    委員            入交 太藏君            岡田 信次君            川村 松助君            黒川 武雄君            一松 政二君            三木與吉郎君            内村 清次君            大倉 精一君            片岡 文重君            三浦 義男君            平林 太一君   政府委員    運輸大臣官房長 山内 公猷君    運輸大臣官房会    計課長     梶本 保邦君    運輸省海運局長 粟澤 一男君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   説明員    大蔵省主計局主    計官      岩尾  一君    運輸省海運局定    期船課長    岡田京四郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○海上運送法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○運輸一般事情に関する調査の件  (昭和三十年度運輸省関係予算に関  する件)     —————————————
  2. 木島虎藏

    理事木島虎藏君) それでは、これより運輸委員会を開会いたします。  先ず、海上運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御質疑をお願いいたします。
  3. 一松政二

    一松政二君 この「旅客不定期航路事業主要事例」という資料をいただいて、今拝見しておるのですが、東北から中国、関東に至るまで、非常に零細な事業者のやっておることだと思うのですが、これらが運送秩序を乱しており、あるいは乱すおそれがあるということで、この海上運送法を一部改正なさろうとお考えになっているようですが、今まではこれは届出であって、これからは許可事項にしょう、こういうことなんですが、私は海運局長に伺いますが、現在やっておるものは、そういう、この法律案がかりに一応国会を通過して法律となった場合を想定した場合に、必ず許可申請をするであろうと思うのです。その場合に、現在やっておるものの中で、これを不許可にしよう、不許可にしなければとうていそれはこのまままかしてはおかれないのだというようなのは、この中にありますか。あるいは大体のお考えでは、来れば全部お許しになろうというお考えですか。その点を一つ参考のために伺いたいと思います。
  4. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 具体的に、この事業者免許できない、あるいは許可できないというふうな事例は、まだ確定的には考えておりませんけれども、新しく、この法律をお通しいただきますれば、いずれも許可基準というものが定められるわけでございまして、これによりまして、需給計画あるいはその他の状況を勘案して、この許可基準に適合しないというふうなものは許可できないということになるわけであります。また許可いたしますものにつきましても、需給状況その他から勘案しまして、計画等について不適当なものは多少これを修正させるというふうな事例は出て参ると、こういうふうに考えます。
  5. 一松政二

    一松政二君 そのいわゆる許可基準というものは、なかなかこれは、具体的な問題に入るとその尺度というものが、非常に範囲が広いので、これは入っているけれどもこれから先は入っていないという基準は、結局、手心によるだけしかない。であるから、それに携わる人の主観がおもに入ってくるのであって、現在運航しておるものが届出をやっておるはずなんだから、届出をやっているものが、法律が変って許可を申請して、これが不許可になるという場合は、私は非常な例外的なものでない限り、常識上あり得ないと思うのですが、そうした場合に、免許したのだから、今のかりに運賃の問題かなんかありまするというと、これはやはり免許したのだからといったって、東京あたりにおけるタクシーの例があると同じように、お客さんが輻湊したり、まあいろいろな——時期的にもあるいはいろんな催しもの、あるいはその一地方の繁閑に応じていろいろな問題が起ってくると思うのですが、ない場合とある場合とにおいて、何かこの法律改正しない場合と改正した場合と、そう格段な開きが起るとお考えになりますか。
  6. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 格段の開きというと……。
  7. 一松政二

    一松政二君 私が申し上げまするのは、運賃競争が絶対に起らないんだ、つまり具体的にいえばそれですよ。私は運賃競争というものは、二社あれば必ず起ると思うのですよ。またある場合には起っていいんだと思うのです。そうじやないと、独占になりますから……。それを、今かりに三社なら三社がやっておるとすれば、それを一つに統一するんだとかまとめるんだということがあるならば、また一つ統制思想で、それもまたものの考え方ですが、多数の同業者がいると、従ってそれが運賃ダンピングをやっているんだという考えならば、その秩序を維持するためにこの法律改正すると言っているのですから、そうすれば、その数を減すか船を減すかということになれば、現在あるものの便益を非常にその地方の人のためにさくことになって、ある特定会社の利益を擁護することになる。で、そういうことをこの法律改正によってやろうとしているのであろうと思うのですけれども、そこがまあ意見の分れめになるのです。これは根本法規なんで、この程度のことを規制するために、こういう一万トン、二万トンの海外航路に従事しておるものも、何もかもこの海上運送法によって規制しているのに、この内地のこんな五トンから十トンみたいなものの、三十八から五十人のお客さんをごく短距離にわたって運ぶものの競争かなんかが非常に秩序を乱るようなことで、この法規を私は変えなければならぬ理由を発見に苦しんでいる。それほど今弊害があるとお考えになっているわけですか。
  8. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) やはりおっしゃいます通り業者がふえますので、おのずからサービス競争あるいは運賃競争というものもあり得ると思うのでありますが、ただその場合に、今度の改正をいただけますれば、不定期の方も運賃認可制になりますので、いろいろやはり資料を徴しまして、認可する場合に検討を加える。あまり不当のダンピングをするというような、運賃がやはり結局、将来共倒れになると申しますか、既存の航路をおびやかし、自分の方も長続きしない、こういうふうな実例もあるのでありますが、大体そういうふうな事態を惹起しがちである。またそれが現在非常に困っております。業者が非常に小さい。従って、船もお話しのように大きなものではございませんけれども、そういう島へ行く航路としましてはどうしても必要なものというふうな場合の船が、非常に現在老朽しておるものが多いのでございます。そういうものの代替船建造もできないというふうな経営に追い込まれるという点が、私ども非常に困ると思うのであります。要するに、競争は非常に認定はむずかしうございます。不当ダンピングに至らない競争というものはおのずからあっていいと思います。最小限度のものを規制して、地方旅客のために必要な最小限度航路は維持したい、あるいはそのために必要な代船建造くらいの資金は確保させたいというふうな気持から出ているわけでございます。
  9. 一松政二

    一松政二君 それをもしやろうとするならば、小さな事業所を、あるいは組合をこしらえるなり、あるいは一つ事業単位に統制して、そうしていわゆる資金を充実するなり、これは私は別な方法はあるんじゃないかと思う。これをこの免許制度にしただけによって、あるいは許可制度にしただけによって、そういう目的を達するということは、私は何だか少し目的がそれるんじゃないか。それるということを言うこと自身もどうかと思いますけれども、何だか少しぴったり来ないんですが、ちょうど私は、陸でいえばバスの競争路線がある、あるいはハイヤー、タクシーが多過ぎるというのと同じ考え方じゃございませんか。
  10. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 前に資料をお配りしてございましたように、現在ある事業者も、不定期航路事業者も、非常にまあ零細と申しては言葉が当らないかもしれませんが、個人企業の割合に小さいものの数が非常に多いのであります。従いまして、今一松先生のおっしゃったように、これを組合を作らせる、あるいはその他の方法で共同することによって業体を充実するというふうな点は、常時海運局としましても指導してやっておるわけであります。そういう点は、しかし法律に特にそれを書かなくても、行政事務としてはできるわけでありまして、またそういうことをするためにも、現在は全然許可も何も要りません不定期航路事業というものは、相当内容を持っておるものにつきましては、海運局としても許可するであろう、その他の実情の把握もできますし、また常時そういう事業者との連係もつきますので、そういう行政指導をする場合にも、こういう措置をとっておけば、非常に便宜と申しますか、実際やっていくには都合がよろしいという点もあるかと思います。
  11. 一松政二

    一松政二君 この参考資料によると、たとえば瀬戸内海においても、別府航路のようなところは、秋や春の観光シーズンになったり、それから修学旅行というようなこともあるので、たとえば京阪神から別府あるいは瀬戸内海の小豆島その他へ反復して臨時船をかりに運航しよう、また現にしておるものもあるかもしれませんが、そういう場合には、あなた方のお考え次第で、本法を振りかざさないとも限らぬように私は考える。臨時船についてはそういう考えはないとおっしゃいますけれども、この中で、お客さんの多いときに臨時に同じ所へ行くものだから、たとえば海水浴お客さんが来るからといってそこへやれば、それをこういう旅客不定期航路事業だといってそれは免許を要する、許可を要するということになると、臨時船との区別が非常にむずかしくなりゃしませんか。
  12. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 先般申し上げましたように、やはりその航路事業として相当継続的にやるということが不定期航路事業になる一つ要件になっておりまして、実際御設例の場合に、たとえば旅客を集める方法についてそこらに広告を出しておいて、別府まで一人幾ら、お客があれば随時出港しますというふうな場合でありますと、これは継続的にやる事業として行うという意思がはっきりわかりますので、これは明らかに不定期継続的な事業であるという点が認定されると思います。しかし一方またお話のような事例が、たまたまそういう客があるので、その申し込みを受けたから別府まで臨時に行くというふうなものは、その航路事業として継続的にやるという意思認定されません。また事実としても長期にわたって行うようなわけではないから、法律規定といたしましては、そういうものはこの許可制対象とする不定期航路事業には入らないというふうにはっきり認定できると思います。
  13. 一松政二

    一松政二君 今の海運局長はそういう答弁をかりになさっておっても、次の海運局長なり、それからまた係の者は別の観点に立たれる場合がある、法律改正される場合には。ただ問題は、反復、繰り返すというけれども、それもお客さんが多ければ反復繰り返すけれども、つまりそれはいわゆる春季だとか秋季だとかいうようなものであって、それは毎年繰り返すことになるし、それからお客さんが次々にあれば、船は繰り返し、それは同じ船を使うかもしれないし違った船を使うかもしれない。結局、そういう適船があって、そうしてお客さんはまたお客さんを取り扱う業者がいるのですから、ちょうどお客さんの数とそれから船のチャターレージと見合って、そうしてそこへその船を回した方が有利だと見れば、当然そういう臨時船というものは運航になる。ところが、それが反復すれば不定期航路事業認定し、あるいは一回きりならばというけれども、私はそういう場合には一回きりなんということはまずなかろうと思う。何回でもお客さんがあれば……。しかしながらそれは夏になって、あるいは冬になって、お客さんがないときにはもう当然やめてしまう。それを全部、それも今のこういう事例を見ると、何だか不定期航路事業のようにあなた方の考え次第で認定されるおそれがあるわけだが、だからそういうことまでも、臨時船までも一々許可制にするということであったら、それはとうてい間に合いやしない。かりに許可することがいいとなっても、そういうことを聞いているひまなどありゃしません。船は一日や二日でもって行ったり来たりするので、官庁に書類を出して、それから許可があって、それから船をやるということは、とうてい間に合わないじゃないか。それらについてもう少し私は十分意見を交換したいと思うのでありますけれども、きょうは私はあいにくとほかに所用がございますから、私はこの法律に対する質問を次の機会まで留保しておきまして、きょうはこの程度で一応私は打ち切って失礼さしていただきますから、委員長よくお含みおき下さい。
  14. 木島虎藏

    理事木島虎藏君) 承知いたしました。
  15. 仁田竹一

    仁田竹一君 旅客航路事業の中に、案で見ますと、旅客定期航路事業旅客不定期航路事業、それに特定旅客定期航路事業、そのほかにまた実際に行われております臨時運航というものがあるわけです。結局四つのものがあるのでありまして、従って、定期航路事業特定旅客定期航路事業旅客不定期航路事業の、一体どこがどのように違うか。しかもそれが認可内容等も違ってくるということになりますので、非常にわかりにくくなって、ただいまの一松委員のような疑問が起きてくるんだと思うのですが、そこでお尋ねいたしたいと思いますことは、旅客定期航路事業、そのうちでこの特定旅客定期航路というのはこれは特定のものですから、これは一応わかるのでございますが、結局問題は、旅客定期航路事業旅客不定期航路事業臨時運航、この三つがはっきりしない。これは一つはっきりしておきたいと思いますが、はっきりわかりますように承わりたいと思います。
  16. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) この三者の区別でございますが、まず最初の旅客定期航路事業不定期航路事業以下のものとは、法律上現在の規定でも明確になっておりまして、一定日程表を定めてこれを公示して行うものが定期航路事業だと、こういうふうになっております。従いまして、ある程度定期に行いましても、これが日程を定めて公示してございませんと、まあ不定期航路事業、こういうことになるわけであります。  次に、不定期航路事業臨時運航区別でございますが、先ほど申し上げましたように、不定期航路事業というものは、一定航路を定めて、お客さんがあって、ある程度反復して継続して、しかもその航路事業として行う目的を持って営んでおるものということになるわけであります。従いまして、その内容としては、大体継続的に事業としてその航路で行うという意思があるかどうかという問題、実際具体的にそれは事業として行われておるかどうかという問題と両面あるかと思います。やはり事業として行われます以上、ある程度事業計画を作りまして、相当期間反復しかつ継続してこれを行うという目的があるわけでございます。そういう意思目的がない、たまたま客があったから臨時に船を出すというものは、この不定期航路事業に入らない。従って、それは臨時運航ということになるわけであります。なお実例をもって申し上げますと、先ほどもお話ししましたように、たとえば広告を出しておりまして、別府まで何人かお客があれば随時出ますというふうなものは、明らかにその意思もあり、実際客があればその船を出すわけでございます。こういうものは継続意思ありと認定できるわけであります。しかしまた一方、たとえばお祭りというふうな場合に、相当客があって頼まれて船を出すというようなものは、ごく一時的なものでございます。お祭りが終ったら当然やらないわけであります。継続的な、あるいは反復的な意思もない、また事実上もそういうことを行うのは、臨時運航と認めて差しつかえない、こういうふうに思っております。
  17. 仁田竹一

    仁田竹一君 ますますわからなくなってしまいましたが、そうすると、事業として行なっておるかどうかということの認定によるわけですね、不定期航路事業臨時運航の差というものは。そこになりますと、これはまた困った問題で、事業と認めるか認めないかということが非常に大きな問題でありまして、結局、役人が事業と認めれば許可を要し、事業でないと認めれば臨時運航でやってゆく、こういうことになってゆくと思いますが、およそ団体を誘致するにいたしましても、宣伝広告をしなくて客がつくものでもないので、ほうっておいて、人がぞろぞろ出てくれば、十人おればどこへ行きたいということは、あり得べきことではないので、必ず一回の運航といえども新聞広告するとか、あるいは新聞広告せぬでも何かの方法で周知させなければ、人が寄ってこない。結局、周知させる方法が全部事業ということになりますれば、俗にいう臨時運航とかなんとかということは絶対にあり得ない。ただひとりでに人が寄ってくるわけではない。たとえば、新聞広告をすれば、あるいは新聞社がそういう企てをすれば、それはみんな事業だ、こういうお考えのように見受けられますが、この点ほんとうにそうなんですか。この点どうですか。
  18. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) ちょっと言葉が足りなかったと思いますが、その広告自身にも相当期間があるのであります。お客が集まればいつでも船を出しますというふうなことで、反復しあるいは継続して行うという意思から認定できるかと思いますが、そういう点がちょっと先ほどの説明に漏れました。
  19. 仁田竹一

    仁田竹一君 それから、局長さんなんか実際に仕事にお立ちになればわかりますけれども、いつ船を出すかということも知らさずに、人が集まれば船を出しますというようなことをいうたのでは、それは迷惑千万な話であり、何月何日どこに行くということでなければ、そういうことには行かないものでして、ちょっと困ったものですが、こういうふうな場合はどうでございましょうか、たとえて申しますと、需要に応じて瀬戸内海各地——まあ例を瀬戸内海にとりますと、瀬戸内海各地随時運航をする事業計画を有する場合は、これを旅客不定期航路事業とお考えになりますか、どうですか。
  20. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 今回の改正案でございますと、一定航路という点が一つ要件になっておりますので、特定航路反復継続して行うということでなければ、今回の改正では許可を要する不定期航路事業にはならない、こういうふうに考えております。
  21. 仁田竹一

    仁田竹一君 航路はどうしても特定でなくちゃいかぬわけですね、特定で。船はどこへ行くというような夢の船のようなことにはいかないので、船が出るには必ずある程度目的があるわけですが、その点どうなるのですか。
  22. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) この点もあるいは言葉が足りなかったかもしれませんが、特定航路で、その航路について反復継続して行う、こういう意味一定航路ということでございまして、船が動きます以上、航路がきまっておりまして、その先へ参るということはこれは当然でありますので、あるきまった航路反復継続的に事業として行う、こういう意味特定航路であります。
  23. 仁田竹一

    仁田竹一君 じゃ、もう一つお尋ねいたしますがね、これは反復継続性というのが今度は問題になってくるわけです。結局、そうすると、大体何日くらい、あるいは何回くらい反復した場合は、これはもう事業計画として認可を受くべきであるとかなんとか、そこの目安がございますか。
  24. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 大体具体的の事例を見ましても、臨時運航以外のものは、たとえば海水浴お客さんのある期間、これは夏が二月くらいになりますか、あるいは季節的にお客の多い期間というふうな、これは季節に通じますので、三月ないし四月くらいの間継続してやるというふうなのが、実際不定期航路事業としては多いのでございまして、私ども実際適用いたします場合に、ことに現地の海運局としましてまちまちになっても非常に困ると思いますので、行政事務関係としましては、一月未満といったような短いものは、これはまあ大体不定期航路事業の今度の改正許可を不必要とするものであるというふうに、統一的に法律適用をはかりたいというふうに考えております。そういたしますると、大体一月をこえるものがこの対象になるというふうなことが、実際の考えになるかと思いますのですが……。
  25. 仁田竹一

    仁田竹一君 そうすると、要約いたしましてね、一定の時日に特定航路でも、しかも継続反復するといえども、それが一カ月以内くらいの場合は、臨時運航として、認可を要さない、こういうふうに考えていいわけですね。また一定の日にちがきまっており、それから航路もきまっており、それから継続反復するといえども、それが一カ月以内の場合は、まず臨時運航として、届出をしなくてもよい、こういうふうなお考えだ、こう考えてよろしいのでございますか。
  26. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 私どもそういうふうに適用し、かつ地方海運局にもそういう統一した適用をさせたい、こういうふうに考えます。
  27. 仁田竹一

    仁田竹一君 私のやつはわかりました。
  28. 木島虎藏

    理事木島虎藏君) 委員長からちょっとお尋ねしますけれどもね。一カ月をこえる、たとえば三カ月くらい不定期運航したときも、それを二十日くらいに刻んで届出して、二十日くらいに刻んで、間を休んだら、それなら不定期にならぬですか。
  29. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) その場合にはやはり継続意思が問題になると思いまして、いろいろ検討してみたのでございますが、初めからやはりそういういわゆる、言葉は悪いですが、脱法のつもりで、二十日で打ち切るというふうなものは、やはり継続意思があると思いますので、かりに切りましても、たとえば三カ月間はやる意思があってそういう事業として行うというふうに、認定されると思います。
  30. 木島虎藏

    理事木島虎藏君) それでは、その二十日で大体客が済むだろうと思ってやっていたところが、様子を見ていると、どうももう二十日くらいやらなきゃいかぬというのでやったときには、どうなるのですか。あとから生れたわけですね、意思が。
  31. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) これも当初よりそういう計画として、事業計画として、継続的にやる意思がなかったのでございますので、この改正法許可対象にはならぬと考えます。
  32. 木島虎藏

    理事木島虎藏君) 他にございませんか。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっとお尋ねいたしますが、きょうこの資料をいただいたのですがね、東北中国と、いろいろ一隻、七隻、四隻、あるいは二十五隻とあるのですが、これらの船は、不定期旅客輸送によって、経営の大部分もしくは一部をさいておる。従って、これがそいつを免許されないということになると、経営上非常に大きな支障が出てくる、こういうふうに考えてもいいのでございますか。
  34. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 事例によって違うと思いますが、この運航状況に書いてございますように、貨物あるいは農産物等輸送することが主たる目的事業であって、旅客輸送をもあわせて行なっておる。しかも旅客輸送がむしろ主たる事業であって、大体それを事業として行なっておるというものと、いろいろあるわけでございますが、特にその旅客輸送を主たる事業としてやっておりますものは、かりに許可がいかぬとすれば、これは会社としてはもう成り立たないということになると思います。貨物あるいは農産物等の場合につきましては、客の多いような期間に臨期に不定期として輸送をするというふうなものが多いのでございまして、そういう点については前者よりも影響は少いかと思いますけれども、しかし免許許可がされないということになれば、経営影響があることは、これは問題ないと思います。程度問題であると思います。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、この資料にある船は、これは主として定期輸送不定期輸送をやっているのか、あるいは臨時輸送もやっておるのですか。
  36. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) この表にございますのは、大体不定期航路事業、今度の改正に該当しますものをあげてございます。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、かりにこの法律ができますというと、これらの船がいずれも免許申請をしなければならぬわけなんですが、その場合、既存業者というものはこれは免許をなさる、いわゆる既得権として免許をなさる方針であるのか、あるいはこの中でやはり取捨選択して免許をされない部分も出てくるのか、そういう方針について一つ伺いたい。
  38. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) こういう法律改正の場合には、やはり相当既得権と申しますか、すでに行なっている事業者というものはある程度その権利を尊重されるのが通例と考えます。ただ、今度の改正をお願いいたしました場合に、免許許可基準というものが法律できまるわけでございます。許可基準に明らかに適合しておらないというものは、これはやむを得ず不許可になる、こういうふうに考えております。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 その許可基準というものが非常に漠然としておりますので、かりに横浜港の四十五隻のうちでどれを許可するかしないかという問題になってくるというと、非常にこれは微妙な問題が出てくると思うのです。特に免許基準の第五号の「当該事業を適確に遂行するに足りる能力を有するもの」という、非常に含みのある、考えようによっては非常に厳格である、考えようによってはどうとも解釈できるこういう含みのあることになっており、かつまた「公益上支障のないもの」こういう基準があるのですが、これを取捨選択して免許をする、あるいは免許しないということを認定しようとすると、非常に困難な問題が出てきます。かりに免許からはずれたものは経営が成り立っていかないという面が出てきますので、そこに大きな問題が出てくると思うので、そういう点について一つ考えを伺っておきたいと思います。
  40. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 横浜港の場合につきましては、これはお話しの通り、非常にむずかしい問題で、かなり検討しております。実際問題といたしまして、四十何ばいあるから、一体何ばい切ったら安全になるのか、あるいは何ばいまでが大丈夫だというような点は、非常に認定も困難でございますが、またお話しのような点もございますので、実際の適用に当りましては、現地の責任機関、たとえば海上保安庁あるいは水上警察といったようなものの意見も十分徴しまして、そういう点の検討をいたしたいと思います。  なお、事業者としましても、現在のように完全に野放しで、各個好き勝手に船を出してお客をとるというような状況は、結局おもしろくないのであります。できれば組合等も作らせまして、自分たちも自粛をする、お互いに共同して助け合うという態勢をとらして、かりに免許を受けられなかった、許可を受けられなかった業者がございましても、何とかそれを包摂し、事業には参加できる、あるいはそのほかの方法で救済できるというような点まで考慮して行わなければいけないだろうと考えております。ただ、現実に一体これをどの程度まで譲る必要があるのか、あるいは譲らなくてもいいのかというような見当は、私の方としてはつけておりませんので、はなはだ申しわけございませんが、現在はその程度であります。
  41. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、この法律は現在の状態を規制しようというのか、あるいは将来の問題として規制せんとするのか、たとえば、現在の状態を規制するということになると、これは実際現実の面から非常に困難な問題が出る。たとえば、横浜港は船が輻湊して危いからということで、四十五隻は多過ぎる、では何ばいにしたらいいかということについても、その安全性の基準というものはこれは何ばいだということは出ないと思う。かりに出たと仮定しましても、今度はそれではこの「適確に遂行するに足りる」とか、あるいは「公益上」とかいうことがありますので、これに該当しないけれども、しかしながら既得権として一応認めておこう、こうなるというと、これは法律違反になる。非常に問題になると思います。この辺の法律適用はうまく行きますか、こういう問題から……。
  42. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 私どもとしましては、大体の考え方は今お話のございましたように、既得権はなるべく尊重してゆきたい、こういうように考えております。しかし、今の横浜港のような場合ですと、これはやはり安全上の見地から相当慎重に考慮しませんといけませんので、検討は十分いたしたいと思います。ただ、大体やはり将来のこれ以上むやみにふえるという点を何とか防ぎたいということが私どもの方の気持でございまして、現在あるものを、たとえば「公益上」という基準があるからといって、むやみに切り捨てるという気持は、少くとも現在持っておりません。
  43. 大倉精一

    大倉精一君 どうもその辺は私はあいまいだと思うのです。たとえば、横浜の例が出ましたから横浜の例で申しますと、かりに四十五隻のうちで二十隻を削った、この二十隻が何らかの方法によってやれるように行政指導をしてゆきたい、こうおっしゃったんですけれども、しかしここで二十隻が限度となれば、あとの二十五隻はもう就航できない。横浜港内の航行船舶というものは飽和状態になっておる、そういう理由から削られると思うのですが、その場合に、横浜港においてはこの業者旅客輸送その他の輸送ができない、こういうことになると思うんですが、どうでしょうか。
  44. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 二十隻余るということも仮定の問題でございまして、果して二十隻余るかどうかもわからないのでありまして、たとえば現在のまま認めても、大型船の航行する水路は必ず通ってはいかぬというふうな制限を課することができます。そういったような方法考えますれば、現在のたとえば四十五隻以上絶対にやっていけないかどうかという点も疑問かと思います。従いまして、これが今すぐとにかく二十五隻に減らさなければいかぬというふうなことはむしろ考えられないんじゃないかと思うのでございまして、相当そういうことを考えて、できるだけ既存の業者も生きるというような道も考えながら、なお主目的としては、今後むやみにこういうものを乱発することは防ぐというふうにして見てやるのが、普通の考え方であるというふうに思います。
  45. 大倉精一

    大倉精一君 大体あなた方の概算で、この法律ができて免許にはずれるというような船は、全国的に何ばいぐらいあるとお考えですか。そういうことも大体勘定に入れてこの法律を作らないというと、やはり混乱も出てくると思うので、大体の把握はできていると思うので、大体何ばいぐらいが落第しますか。
  46. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 実情の把握は十分できておりませんので、はなはだ申しわけないのですが、そういう見当をつけておりません。私どもの方の気持としましては、そう多数の船がこれで許可を受けられないというふうなことはないというふうに思います。
  47. 大倉精一

    大倉精一君 その調査ができておらぬということはちょっと私は腑に落ちないんですが、この法律を作られるという原因は、全国的に見てそういうような輸送秩序の混乱という状態が起っておるから、これを規制しなければならぬし、将来もこれを拡大してはいけない。しからば、その輸送秩序の混乱という現象がどの程度起っておるか、従ってその程度の把握によって、この法律によってどの程度に規制せんとするのか、こういう実情が把握されておらずにこの法律を出してくるということは、ちょっと私は腑に落ちないものがありますね。そういう実態の調査把握はされておりませんか。
  48. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) ちょっと用語が適切でなかったかと思いますが、大体の実態の把握はできておるのでございますが、許可事業でございませんので、漏れたものも相当あるというような気もするのであります。従いまして、今そういうように申し上げたのでありまして、大体の実情は把握いたしております。従いまして、先ほど申し上げましたように、少くとも現在把握しておる程度では、そう多数の許可を受けられないものという点はなかろうというふうに考えております。ただ、隻数で全部落ちなくても、運航計画その他であるいは航路の調整をするとか、あるいは回数の点でいろいろ調整を行う、あるいは期間の点で適当な期間に限定をするというふうな点はあり得るかと思います。
  49. 大倉精一

    大倉精一君 これはこの法律を審議する上に非常に大きな問題になると思うので、大体調べられて落第する船の隻数ですな、どこにどのくらいあるかという予想を一つ、あとからでも聞かしてもらいたいと思います。  もう一点お尋ねするのですが、免許をなさる限りは、免許ということをなさる限りは、必然的にこの免許を受けた業者一つの義務がそこに発生すると思うのです。いわゆる公益事業としての義務が発生すると思う。従って、たとえば事業計画によって宇野——高松間を二月から五月まで、あるいは六月から九月まで、こういうように運航期間を切って申請をしてくる。それによって免許をされる。そうした場合に、この不定期船は運航義務というものが私はできると思います。その期間におけるところの運航義務というものは、定期船というのは、これはお客が乗ろうが乗るまいが、営利関係じゃなくて、ここを定期運航するという郵船義務があるが、今度は不定期船はそこに免許をもらったけれども、しかしながらその時期になってこっちの方にもうかる仕事がある、あっちの方にもうかる仕事があるから、向うに行くことをやめておけ、こういう個人の利害関係ですね。供給過剰じゃなくて、むしろ今度逆に、たくさんお客があるにもかかわらず、こっちの方の利益上のためにこっちに配船をしない、こういうことが許されるか許されないかですね。
  50. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) その点につきましては、定期航路事業者ほど公益性がないということから、私どもはまあ、今お話しのような運航の義務というものは大体課さないつもりで、原案を考えております。ただ、規定上は料金、運送約款等はやはり認可を受けなければならない、あるいは旅客について差別的な取扱いをしてはならぬ、あるいは運航計画上たとえば船舶を大型にするとか回数をふやすとかいうふうな場合には、認可を受けたければならないというふうな義務は考えております。お話しのような、許可を受けた以上必ずその回数あるいはその航路事業を行わなければいかぬという点までは考えておりません。これは結局、定期航路ほどまあ公益性がないという段階をつけた考え方に基いておるのであります。
  51. 大倉精一

    大倉精一君 その考え方、ちょっと私腑に落ちない点があると思うのですが、そうであれば届出だけでいいわけであって、一定期間その航路において、やろうがやるまいが、その事業者の都合によっておやりなさいということと同じだと思うのです。で、免許ということになれば、やはりそこに公益性というものが出てくる。これは大きい小さいということはちょっとものさしではかれないと思うのですが、それは免許なさる以上は、その時期にたくさんの需要がそこに、その航路に起る。たくさんの需要が起って、そうして定期航路船だけでは需要に対して供給が足りない、足りないからこれに免許を与えてその時期におけるところの需要に合せよう、こういうことでもって規制をされると思うのですが、その場合にやはり、この不定期事業者がほかの方に、他に利益のある仕事があるという自己の利潤追求のために、そこに配船しない。そうするならば、定期的にそこに大きな需要があるそのお客に対して、その船客に対してこれはどういうことになるか。陸上ならばタクシーを雇って、ハイヤーを雇ってということができるのでありますが、海上でありますというと、これは船より仕方がないわけでありますから、向うの島に行こうと思っても行けないというような状態が出てくるのじゃないか。その場合に公益性云々というふうなことになると、私はその時期においては公益性の効果はないと思うのですが、そのお考えはどうでしょう。
  52. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 実際お話しのように、まあ不定期航路でございましても相当   〔理事木島虎藏君退席、理事仁田竹一君着席〕 それだけに、まあそれが非常に重要な足になる、島との交通の足になるという関係で、公益性がある程度あることは私どもそう思うのでございます。ただ実際問題としましては、大ていそういう航路にはすでに定期事業があるという点が一点、それから法律上も定期の方は相当の保護を受けておるが、不定期につきましては、まあ今度許可制にしますとある程度の義務は課しておりますが、それに対する育成というふうな点についても定期ほどは厚くいかないということをいろいろ考えまして、やはり一応既存の航路で何とかいける、あるいはまた実際その場合に客が多くございますときは、不定期事業でございますので、おそらくそういうふうにやはり船を回して事業を行うだろうというふうな点も考えまして、まあ結局運航の義務までは課さなかったのであります。
  53. 大倉精一

    大倉精一君 まあ、それは私はどうもまだ納得できないのですが、それでここに関連しましてもう一言だけ局長考え方をお伺いしておきたいのですが、この横浜港の場合においても、航行の安全性ということを主に置いておられる。今陸上の方においては自動車の損害賠償保険の問題が出ておりますが、この場合にも海上運送についてこの損害賠償をつけるという考え方はお持ちになっておりますか。
  54. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 保険の関係につきましては、昨年でございましたか、ちょっと忘れましたが、本法の改正がございまして、第十九条の二というところで保険契約の締結を運輸大臣が命ずることができるというふうな改正をいたされたこともございます。従いまして、現在の規定としても、ああいう多数の旅客を海上で運送するようなものにつきましては、保険契約を必ず締結しろという命令は出せる建前になっておるのであります。  ただ、再々申し上げますように、零細な事業者相当多数ございまして、こういう命令を大体いたしましても、おそらくまあ経営上その他の関係から非常に困難を来たすのじゃないかというふうに考えます。私どももできれば必ず保険をつけるというふうにいたしたいのでございます。その場合にはただなるべく保険の事務費の一部を国庫が補助するとかなんとかいう方法考えまして、その上で小さい業者でも入れるようにした上で保険の締結をまあ推進したい、こういうふうに考えております。方針といたしましては、全部が全部保険に入ってもらうのが一番の理想でございますが、やはりそういう手続と申しますか、方法をとった上でないと、ただ命令だけでこれを締結しろということは無理じゃないかと思います。  なお、現在でも大体旅客数の四分の一程度は保険に入っております。なお現在できるだけこの保険に加入するようにという勧奨は、各業者あるいは業者の団体、海運局を通じまして、今慫慂は盛んにいたしております。
  55. 大倉精一

    大倉精一君 たとえばこの前の相模湖の事件で、ほとんど損害賠償は支払われていない。そのまま放置してあるわけなんです。あれは臨時船であるが、少くとも免許を与えるということについては、保険加入を条件とするということも必要であろうと思うのです。そこで、零細企業であってそういう能力もないという御答弁であったのだが、しかし免許基準の中には、「事業を適確に遂行するに足りる能力を有するもの」こうなっているわけです。これはむろん、経済力あるいはその他の資力、こういうものをも含むと思うのです。従って、その保険加入の負担さえできないという事業者免許を与えるということ自体が、すでに矛盾をしておるのじゃないかと考えるのですが、その点はどうです。
  56. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 私どもも、お話のようにできますことが一番理想的だと思うのであります。また先ほども申し上げましたように、行政措置をできるだけ講じて、旅客輸送を海上でするようなものは保険をかけさせるというのが、当然あるべき将来の方針じゃないかと思います。ただ遺憾ながら、現実は日本の状態としまして、そういうものが全部とにかく保険に入らなければいかぬという程度までは、一般の要するに経済状況がまだ至ってはいないのじゃないか。それが結局、やはりある程度政府の補助かなにか考えなければ無理じゃないかという結論が出てくるわけです。そういう現状とにらみ合せて、できるだけ早い機会にそういうふうに持っていくように努力をいたしたいと思っております。
  57. 大倉精一

    大倉精一君 この問題はこの法律とは関係ないかもしれませんけれども、しかし私は内容的に関係が非常にあると思うのです。つまり安全を確保するという一つの趣旨があるわけなんです。むろんこの安全のためには、いわゆる災害、そういう事故を予防するという建前からこの法律ができておると思うのですが、にもかかわらず、やはり事故はだんだん起る。しかも、この海上の事故は被害人員が一ぺんに多数に及ぶ、こういうことから、私は特にそういうことを今痛感するわけなんです。従って、陸上と同じことだと思うのですよ。陸上だけが保険強制加入をやる、海上は強制加入をやらないということになると、これは私はちょっと矛盾が出てきやしないか。保険の負担割合を国でどうする、あるいは業者がどうするというのは別の問題として、あるいはその制度がいい悪いは別の問題としまして、私はそういうこともこの趣旨の中には含まれておる。  特に、この免許基準の中に今度相当資力もなければならぬということになっておりますので、当然そういう保険の負担能力というものが考えられる。そうするならば、そういうこともこの法律の中でなぜ考えに入れなかったか。第十九条の二で、運輸大臣が「締結することを命ずることができる」とあって、命ずることができるという条項だけであって、こういうことであれば、百尺竿頭を一歩進めて、安全を確保するためなら、予防すると同時に、事故の起った場合にはこうするのだというところまで行かなければならぬと思うのですが、どうもその辺徹底を欠く点があると思うのですが、その辺はどうですか。
  58. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 私どもお話しの通りと思いますので、できるだけ早い機会に、先ほど申し上げましたような処置を考えて、実現のために努力いたしたいと思っております。ただ、現在の、先ほどお話しのありましたような不定期業者をこの規定に照してあらためて許可をするという場合に、必ず保険に入っておらなければ許可をしないということにたりますと、これは非常にごらんの通り小さい業者も多うございますので、入っておらぬ所が相当ある、あるいはまた入れないものもあるというふうに考えますので、今そういう措置を講じないで、直ちに保険加入を必ず必要とするという条項というものを付するのは無理じゃないかと考えております。
  59. 大倉精一

    大倉精一君 まあ、これは私は無理とは考えないのですが、たとえば免許をやるという場合にですよ、ある一定の時期に非常にお客が多くなって、そうして無理に押し込んじまうということも考えられると私は思うのです。そういう場合に、特に不定期旅客業者は、ある一定の時期に一定の利潤を上げる、しかも一定期間内になるべく多くの利潤を上げようという自然的な心理から、たくさんのお客を詰め込むということも考えられると思うのです。定員があっても、たとえば船に関する限りは、百人の定員で百三十人お客がある、その場合にもう一ぱい雇うかというと、そうではないと思う。それは一ぺんに詰め込んでしまう、残しておくわけにいかぬから。そういうことで、陸上よりも私は非常に危険性があると思う。特に陸上の場合には、電車にしろ、汽車にしろ、定員超過でも、定員超過によって、ひっくり返る原因になることは少いと思う。船の場合にはそれがひっくり返る原因になる。しかも一ぺんに多数の人命にかかわるということで、私は海上における保険というのは非常に大事じゃないか。そのことをこの法律にも、第十九条の二をそのままにしておかれたというところに、徹底を欠く点があると思う。これは何べん質問申し上げても仕方ありませんので、この程度でやめますが、どうも内容において不明確な点がたくさんあるように考えますので、さらに一つこの内容についてわれわれも研究して、もう少しやっぱり討議を続けていきたいと、かように考えております。
  60. 仁田竹一

    理事仁田竹一君) ほかには、本日御質疑なさるような点はございませんか。
  61. 平林太一

    ○平林太一君 この立法を用意した動機、そういうものはいつごろであったんですか。これに対して運輸省がいつごろこういう立法をしなければならぬということの用意をなさったのか、時期がね。それには一つの動機があるだろうと思う。こういうものは今までなかった。その原因ですね、立法化の原因、動機及びそれに対する用意期間というものがある。その間に相当検討されたわけでしょうが、そういうものの経路ですね、ちょっとお話し願いたい。
  62. 岡田京四郎

    説明員岡田京四郎君) 私からお答えします。海上運送法ができました当時は、燃料が非常に窮屈なときでありまして、燃料統制をやっていた時代でございました。そういうことで、定期航路事業の方は公益的な性質が非常に強いもので、これは免許制にいたしますと同時に、燃料の配給も最優先的に扱うということで来たわけです。そういう時代には、不定期の方の事業が成り立っていくだけの、燃料からの制約等もありまして、あまりそういうことはなかったわけです。ところが、燃料統制が撤廃になりまして、一方におきましては船の方に使う油も余裕ができました。また陸の方の、車の方に使う油に余裕ができた。そうして陸上では観光バスといったようなものが非常に、ここ二、三年の間に異常な発達と申してもいいほどふえて参りました。それを受けまして、海上の面におきましてもこういった旅客不定期航路事業というものがだんだんふえてきたというふうなこと、そのために旅客不定期航路事業に対する営業というようなものも非常に顕在化して参ったわけです。こういった傾向が海の方は多少陸よりもおくれております。ことに遊覧と申しますか、観光的なものになりますと、多少のおくれがございまして、むしろここ一、二年前からこれが非常に多くなった。だんだんそういったものをそのまま放置されては困るという声が強くなったので、そういうことから、大体昨年に入りましたころから、特にそういった声が強くなって参ったわけです。私たちもたびたびそういう声を聞きますので、事務的な検討はそのころからぼつぼつしてきたわけです。一方におきまして、昨年の秋でございますが、洞爺丸事件というふうなああいう未曾有の災害事が起りまして、やはり海上運送法の面からももう少し安全関係に重点を置いた規定が必要なんじゃないかというふうな声が非常に一般化して参りました。またそういった事故に特に刺激されまして、横浜港内におけるこういう遊覧船の輻湊というものは何とかしなければならないという声が特に強くなりました。たしか昨年の十月ごろでございましたかに、海難防止会等からの正式の陳情が運輸大臣あてにも出されたわけであります。そういったようないろいろな点を総合的に考えまして、どうしても海上運送法改正を次の国会にお願いしなければならないであろうというふうに私たちは考えておりました。そのころから具体的な準備を進めたわけでございます。大体それが契機でございます。
  63. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、この横浜港内のこの不定期航路事業、これはいずれにしても個人の海上旅客輸送企業である。営業である。そうすると、企業であるということの方のなにを前提におかなければならぬのですが、これを今度は端的にいうと取り締るということになるが、免許制ということが不安ですね。非常な輻湊をするので、横浜港内の旅客輸送航路というものを取り締らなければならぬ、それから免許制にして整備しなければならない、こういうことですが、それを今日までずうっと続けられてきたわけですが、それをこの際立法化してこういうふうにやられる。旅客輸送企業の自由を拘束するということにこれは相なるわけで、業者としては、ただいまのお話によりましても、定期航路に対してはそれぞれ手配があったが、こういう不定期のものに対してはそういうものはないので、ずいぶん不自由を忍んで、そうしてこの旅客輸送というものの幅の広い海上輸送に貢献をしてきたということも、非常に深く認めなくてはならないのですが、そういうことであるにもかかわらず、これらの業者というものに対しては、これはおそらく非常な脅威を与えるという法律になるわけなんです。そうすると、今たとえば洞爺丸のお話などもありましたが、これらはこの立法の後における対象には値しない。性格が、性質が違うものであるというふうに考えるのですが、この不安ですね、不安であるからこれをいわゆる免許制にしなければならぬ、こういうことですが、その不安であるという現実の事故、遭難に対する統計ですね、そういうものは立証されなければいけないと思うが、たとえば横浜港内におけることが今事例にあげられましたが、近年のそういうことに対する事故ですね、それから定期船の遭難、常時どういうふうなものがあげられるかということを、ちょっと承わっておきたい。
  64. 岡田京四郎

    説明員岡田京四郎君) 横浜港内における事故でございますが、現実に最近まあ一部の事故、数船ひっくり返った、こういうふうな事故がございましたが、それから大型船とはしけがぶつかったというふうな事故がございます。遊覧船と申しますこの旅客不定期船そのものとぶつかったという現実の事例が最近にあったわけではございません。しかし大型船の航行に従事しておりまする船長あるいは水先人の方たちの話によりますと、われわれは特にお客を扱っている船であるがゆえに、普通のいわば法律で要求されている注意力よりも、ほんとうに特別な注意力をもって集中してやっているから、辛うじて事故を今のところは起さずにきた。しかしながら非常に危ないことでもあり、またわれわれが特別の神経を常に費す。今までかりになかったからといって、これ以上放置せられるときには必ず事故も起きるであろう。またわれわれとしてもいわば神経が疲れ果てる、こういうふうなことを申しておりました。それからほかの方でございますが、船舶に対する恐怖心というふうなものも相当一般にございます。横浜の事例は今申し上げたようなことであります。
  65. 平林太一

    ○平林太一君 これは今御答弁があったが、この立法に対する最も原因となる反証としては、横浜港内が当初からこれはこういうことを例証として上げられておったが、ところが、今具体的に伺ってみると、何かこれを立法するということの原因ですね、必要が認められない。であるから、そういう意味でこれはこういう用意を運輸省がするのではなくて、何か一つの企業に対する、いわゆる定期あるいは不定期航路のその輸送上に対する何ものかの一つの威圧があり、また何らかの意図するもの、あるいはこの間に一つの陰謀があって、そうしてこういうものを運輸省をして立法化させようとしているというような動きが、こういうことになったんではないかということの懸念がある。こういう事実はないと私は思うが、この点を一つ明らかにしておきたいと思う。
  66. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 少くとも私どもに関する限りは、そういう事実はございません。
  67. 平林太一

    ○平林太一君 それはさように、しかくあるべきだ。あるべきだが、いかにもかようなことは、先日来も質疑が繰り返されておりますが、これは何でもないことだ、かようなものまでいわゆる法律をもって業者の行為を押える、威圧しようということは、海上日本と称している日本の海上に対する航路事業、そういうものを中心としたいわゆる海上精神というようなものと、何か非常に逆行した行為になるのではないか。政府みずからもそういうことをしていると、こういうことが非常に感ぜられるのですが、およそ法律を作るということは弊害をためようということが目的である。ところが、これに対しては弊害は何も起っていない。洞爺丸などはこれはいわゆる国鉄がやっている定期航路である。それで、こういうものとは性質が全然違う。むしろ、そういう一定の国鉄その他の大企業による海上輸送というものを流通自在に、それが輸送に貢献しているのには、むしろ不定期輸送、すなわち小企業者が非常な潜在した、目に見えない大きな貢献をしているということを考えなければならない。同時に、それによって海上輸送というものがいかに四通発達し、盛んにこれが行われているかということは、はっきりいたします。  とにかく、これを立法によって非常に、何といいますか、縛りまくって、手足の動く余地をなくしてしまう結果になることを、非常におそれる。それで、今の不安々々といってあげているものは、何も不安はない。その程度ならば、今までそうですね。しばらくこれを保留したらどうですか。なお、そういう事実が、一応立案し立法することは、それに対してはわれわれもこれを立法化するだけの今日必要な証拠資料というものは、これは出てこないのです。法律を作るということは非常にこれは容易ならぬことであって、できれば、法律なくして、すべての企業というものが自由に行われるということが、一番理想なんです。そういう点についてもう少し、何といいますか、あまりこれを誇大視せずに、ごく平易な気持で、この立法に対する政府の態度というものをこの際再検討したらどうかということですが、どうですか。
  68. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) 私どもとしましても、まあお話しのように、日本は海運国であるし、できるだけ国民も船に関心を持ちあるいは海上で自由に活動するということは、ぜひとも必要であると思いますので、お話しには大賛成であります。  しかし一方、たとえば定期航路といいますと、これは海上におきましては、陸上の道路にかわるべき公益性のある重要な一つの施設になります。そういうものがやはり多数乱雑に乱立しまして、お互いに存立の基礎も危なくなる。あるいは海上でございますので、船を使わなければならぬ。これがまたやはり一定の耐用年数というものがあり、毎年々々老朽していくわけであります。そういうようなものが、ある程度の経済的基礎を作りまして、一定の年限内にはこれの代船を作っていくというようなこともぜひ必要なのであります。それも、多数のものが乱立してお互いに統制のない競争をしますと、できなくなる。それはひいてはやはりその航路を使う一般の国民の利益をも阻害するという結果を惹起するわけです。また運賃にしましても、一般に島の住民というようなものは大体経済力が少いのが普通でございまして、独占事業でおるからこれをつり上げるというふうなことがあっては、交通事業という建前からしましてまた面白くない。あるいはまた逆に、非常に競争しまして、お互いに採算もとれないような程度でこれを引き下げましても、結局、最後にまた存立の基礎を危なくするということでは、先ほど申しましたような代船の建造もできないような結果になり、また船舶の修繕その他についても行き渡らぬために、結局、安全を阻害されるというふうな事態が起りがちなのであります。また事業者としましても、そういう大事な人命を預かって海上を航行いたします事業でございますので、たとえば今度の規定にございますような安全法違反の事実があった場合には免許を取り消して、将来も事業を行わせないというような規制は、むしろあった方が国民も安心して船の利用ができるという点もあるかと思います。従いまして、私どもも特別な気持があって立案をしたわけではございませんので、やはりそういう点を勘案しまして、この際一般国民の利益を守り、さらに公益性のある航路というものの維持をはかるというためには、不定期事業につきましても、ある程度の規制は必要である、こういうふうに考えているのがこの立法の趣旨であるわけであります。
  69. 平林太一

    ○平林太一君 これは御答弁を聞いておりますと、これは逆です。大体のいわゆるこういう質問に対して、逆なんです。定期航路というものに対しては、御承知の通りこれは独占事業である。そうしてこれをやっておるのなら、それでよろしい。しかしこの立法をする不定期航路というものは、これはいわゆる自由な一つの海上輸送企業としてやっているんだから、こういうものを全部許可制にして、そうしてこの海上を国の法律の網の中に全部ぶち込んでしまうということは、決して海上輸送の円滑化を期するものでない。同時に、安全をそれによって確保せられるものでないということは、きわめて明らかであります。今申し上げた通り、これによって何ら事故、支障というものは来たしていない。ところが、事故、支障は先の何か非常に架空のことを予想して、これをいわゆる独占企業にさせようと、こういうことなんですから、すこぶるこれは何といいますか、広い大海に対する国の政治のあり方というものは、非常にわれわれから見れば襟度狭小である。もっと広い、やはり気宇広大な気持を持って、こういうものはむしろそれを奨励するというぐらいにこれはやっていただかなくちゃいかぬ。どういうこれに対するあなた方の考えであるか。これは根本的に食い違っている。むしろこういうものに携わっているところの従業者などに対しては大いに一つ、青少年なども相当こういうものになりましょうから、こういう自由なものを、自由に企業の中にこれは入らして、そうして大いに奨励するというようなことを——逆に考えれば、こんなことでなくて、現状をこのままにして、何か奨励する一つ方法考えるべきが至当であると、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。
  70. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) お話しにございますような、大海に出る、あるいは自由に海上を航行しておるというふうなものまで今度の法律改正で規制しようという意思はないのでございまして、私ども考えておりますのは、大体一定航路を定めて、その航路上で反復して旅客輸送するものというふうに限定いたしております。従いまして、実際上そういうものは大体現在定期航路の行われております航路が大部分である、こういうふうに考えます。ただ違いますのは、一方は定期航路でございますので、日時を特定しまして一定航路定期に行なっておる。一方は日時を特定しないで、ただ不定期にやっておるという点の違いだけでございまして、その点におきましては、大体旅客の利用の関係からいきましても、あるいはある程度の公益性という点から申しましても、むしろ定期航路と紙一重と申しますか、非常に近い状況にある不定期航路でございます。そういうものにつきましては、もちろん私どもは海上運送の奨励をいたすべき立場におるものでございますので、まあその点についてはできるだけ努力いたしたいと思いますが、一般の公益を守り、あるいはその事業者自身につきましてもある程度の規制をして、まあ将来の乱立を防ぐというふうな点は、これは事業自体から考えても決して損なことでない。またそれを安全に育成していく道ではないか、こういうふうに考えるわけであります。
  71. 平林太一

    ○平林太一君 これは将来の、今乱立を防ぐというか——乱立ということは当らない、こういうものはどしどしふえた方がいいんです。たとえば今日住宅問題についても、住宅が非常に払底している。政府がいかに何か力をもって住宅問題を解決しようとしても、これは民間の自由な、つまり住宅に対する、昔でいうといわゆる貸家業というような、一つの貸家企業というか、そういうものが裏書きしていかなければ日本の住宅問題というものは解決ができない。それとこれは同様なんです。それをいわゆる船がふえていくということは、このくらい仕合せなことはない。しかも、政府はそれに対して何らの助成を要するものではない。しし営々として、民間の海上のいわゆる輸送業者というものがやる。ただそれを、損得だけではこれはやるものではないと思います。いわゆる長い間海辺に住んで、海上に対する魅力というか、海上を家としておる、そういうような業者がみずから望むところは、ただ海上の航行以外に何ものも知らないのです。知らないというくらいになにしている。そういうものが船を作っておって、そうして一つ航路を自分で作って、そうして旅客輸送をしようということは、これは住宅問題と同じことなんです。どしどしとそれはふやしていく方が、かえってよろしいわけです。それを何か多くふえていくことをおそれるということで、そういうことを最大の理由としておるが、それは非常に逆行したものだと思う。  それから、そういうことによって何か弊害が起ると、起らないとは、あえて関せざることだと思うのだ、こんなことは。それによって不当の競争が行われて、そうしてその利益が少いとかなんとかいうことは、その業者自体の、もしそういうことで業者において、航路業者において立ち行かなければ、自然にそういうことはしないわけだ。それをこっちが、何というか、過ぎたる憶測をもって、そうして不当の競争を避けるなんということは、非常にこれは私は時代錯誤であると思う、今日においては。こういう立法をする精神ですね、立法を用意する動機の精神として、根本的に間違っておる。こういうことを一つ、いま一席反省されたい。  それに、実は、こんな小さな問題を大体こういうようなものに法律化するというようなことは、何としてもわれわれから言わせれば笑止の至りです、こういうことは。こういうことは、もしあっても見て見ぬふりをしておる、政府としては。ことにはなはだしい事態が出てきたらば、そのときで……。ところが、出てこない。今日終戦以来十年の間に何ら見るべき、いわゆる公海に公共的な航路を持った大きな企業には幾多の事例があるが、今この立法をしてこれに適用するというところの、適用対象となるところの旅客事業輸送事業というものに対しては、十年間ほとんどないのです。きわめて僅少である。僅少であるということは、いかなるものにもこれはあるわけなんです、除外例ということは。だから、その程度においてこういうことをするということは、今日必要がない。  しかしせっかくあなた方で立案されたのであるから、これはけっこうであるが、一応どうか、次期国会までこれはあなたがたの方から撤回して、そうして一つこれに対するさらに正当なる理由と用意を持って、その必要があるならば、次期国会に御提出になったらばよろしかろう。一つの立法をなすに当って、何でもあなたの方から出したものは、そのときの国会に必ず通さなければならないというようなことは、これは非常に、何といいますか、今日の政府の態度としては、これはそういうことをしちゃいけない。あやまって改むるにはばかることなかれ、世の中にはやはりあやまることもたくさんあるのだから……。しかしこれはあやまっておるかどうか、その段階には至っていないが、しかしこれをこのまま立法化するというと、後に至ってあやまったということになることは、これは危険が多分に存在している、こういうことです。  これで私は一応質疑は打ち切りますが、それに対する一つ当路者の気持として、良心的な一つなにをお漏らしになったらよかろうと思います。
  72. 岡田京四郎

    説明員岡田京四郎君) 先ほど申し上げました横浜港の事例でございますが、私ちょっと御説明が足りなかったかと思いますので、もう少し補足さしていただきたいと思います。  実は横浜港において、船腹の、ことに定期あるいは不定期旅客船の混乱と申しますか、これにつきましては、まあ昨年から逐次その傾向が強くなっていたのでございまして、今年の四月ごろからは横浜の新聞などには非常にたびたびこの問題が出ておるわけであります。そうしてそれに基きまして、海運局とそれから現地の港長、海上保安当局、それから水上署等がしょっちゅうこれに対する対策をまあ討議し合ったりしておるのでございますが、一番根本のところは、やはり事業者がどんどんふえていく。そのこと自体を抑制する方法がなければ、出てきておるものがどんどんふえていく。それをただ取締りの面だけにやっていくところに一番大きな盲点があるということが論ぜられて、そういう何かこれを法律的に、まあ根本を断つようなことを考えなければいけないのではないかということが一般の空気になっていたようでございます。そうしてたびたびそういったような関係官庁の打合せなどもやっておりますが、むしろこれは海難防止会とか、あるいは水先人の協会とか、海洋会とか、そういった方々からの声に、まあ現地の取締り当局なり海運局がいつもしりをひっぱだかれてやっていたというふうなのが実情でございます。そうして先ほどちょっと申し上げたかと思いますが、昨年の十月に正式にこの陳情書が出ておるのでございます。それは日本海難防止会の会長、日本船主協会会長、日本船長協会会長、それから日本水先人協会専務理事、全日本ドック協会会長、海洋会会長、この六者の連名で、運輸大臣と海上保安庁長官と、それから衆議院の運輸委員長、参議院の運輸委員長あてに、こういった港内遊覧船に対する抜本的な対策を立法的措置によって考えてほしいというふうな陳情が出ております。私のさっきの御説明が少し足りませんでした。まあそんなふうなことで、相当横浜の問題はむしろ現地のそれぞれの関係の向きから、大きく問題として上っておるわけであります。
  73. 平林太一

    ○平林太一君 それで今の正体がわかってきたのですがね。やはり今の陳情をされておるのは、船主協会を初め海難防止会ですか、そういうものを幾つかおあげになりましたが、これはまさしく大企業がやる手です。そうして遊覧船あたりの個人の小企業のいわゆる利潤行為を統制しようと、こういうことなんです。だから、それを政府は一方的にそういうことをしちゃいけない。もはやこれは論ずる余地がないのです。そういう今の陳情をされてきた陳情先の実態というものが明瞭になってくれば……。われわれとしてはいわゆる大衆の、国民大衆というものを対象にした、多くの人々にいわゆる共通した平等の利益を得させようと、そうして平等の一つの企業、営業営利が営まれようとするところに、国のいわゆる秩序というものが立っていくわけです。で、今の陳情をしてきた、そういうふうなのが出てきたということが非常になにされて、そうしてそれが動機になった。だから、先刻私は何者かにこれは支配された、何者かの指図があってやったのではないかと憶測したことが、まさに的中しておるわけです。それですから、これ以上、私の方から申し上げることはこの程度にしておくが、私は重大な反省をしていただくことを望んでおきます。これは答弁の必要ありません。
  74. 仁田竹一

    理事仁田竹一君) ほかに海上運送法の一部改正に対する本日の質疑はございませんか。——ございませんようでありますれば、次の議題に移りたいと思います。  その前にちょっと私から補足して聞かせていただきたいと思いますが、ただいま平林委員からおっしゃったように、これは弱小な業者は非常な関心を持っておる法案でございまして、局長のおっしゃった事業認定のときに、広告、宣伝等によって客を誘致した場合はすでに計画性があるものとして事業と認めると、こういうふうにおっしゃったようでございますが、臨時運航の場合、いわゆる一定の日時を定めて特定航路継続反復する場合といえども、一カ月以内の場合は、なお広告、宣伝によりましても、これは臨時運航と認めて、許可は要らない、というふうに考えてようございますか。
  75. 粟澤一男

    政府委員粟澤一男君) さように考えております。
  76. 仁田竹一

    理事仁田竹一君) ほかに御質疑もないようでありますれば、次の議題に移りたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 仁田竹一

    理事仁田竹一君) それではそのように取り計らいます。     —————————————
  78. 仁田竹一

    理事仁田竹一君) 次に、運輸一般事情に関する調査中、昭和三十年度運輸省関係予算に関する件を議題といたします。  御質疑の方は順次御発言をお願いいたします。
  79. 片岡文重

    ○片岡文重君 運輸省所管の一般問題に入るに先立って、予算関係の一般について、実はこまかい問題に入る前に、ぜひ一言大臣に聞いておきたいと思った点があったのですが、来られないそうですから、官房長にお尋ねいたしますが、申し上げるまでもなく、官庁の諸経費はことごとく国民の血税でありますから、寸毫といえども慎重にその使途を究明されて支出せられることは当然なさっておられるのでありましょうし、できる限りの節約もされておると存じますが、この会計検査院の調査課から出された雑誌、並びに昭和二十八年度の決算検査報告書によりますと、公共事業に対する政府の補助金の不正使用が依然として増加の傾向にある。まことに残念ですが、減少ではなくして、増加の傾向にある。で、二十八年度の批難金額だけでも総額百四十八億を上回っておる。こういうことがその決算検査報告書に書かれてありますが、その中に運輸省関係のものが、これまたきわめて遺憾なことですけれども、一件十万円以上の不正工事だけでも五千百万円をこえているということを述べております。で、これはこの二十八年度の決算検査報告書でありますから、当然この批難事項については運輸省としてできるだけの措置はとって回収できるものは回収し、差しとめるべきものは差しとめるし、いろいろと措置がとられたことと思いますが、一件一件についてここでお尋ねしても、とうていこれは御答弁は困難であろうと存じますが、大体においてこの不正使用についてどういうふうな措置がとられたのか、またこういう事故の防止について、現在運輸省としては、特に農林省、建設省と並んで三大汚職の官庁であるとまで言われております。これに対して一体運輸省はどういうふうに措置をとられたのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
  80. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 公共事業費の使用につきまして、その適正をはかるということは当然なことでございまして、それに会計検査院の批難事項、また運輸省にありますことは、われわれといたしましてもまことに遺憾でございます。もちろん過去におきますそういう誤まりにつきましては、自後それぞれの官署につきまして会計検査院から厳重な戒告も参っておりますし、またそれに伴いまして運輸省といたしましてもそういう事故を起さないような監督の措置もいたしておるわけでございます。ただいま御指摘になりましたように、それが年々ふえるということは、そういうことをしながらも実効があがらなかったというおしかりは、十分私ども申しわけないと思っておりますが、ただいま御指摘のように、そういう事故をなくすために常々われわれといたしましても、それぞれの関係の個所に十分な監査を要求いたしておるわけでございます。  それで、一体それでは具体的にどういう措置をとっておるかと申しますと、会計検査院のそういう一般的な会計決算方面の監査のほかに、現在行政管理庁の行政全般に対する監査も十分行われておるわけでございまして、運輸省といたしましても、そういうことに対しましては積極的に行政管理庁と協力いたしまして、そういう非違の剔抉につきましては、隠すというようなことなく、悪いことは悪いことといたしまして明らかにして、誤まりをなからしめるようにいたしたいと、かように考えております。  そのための組織といたしましては、運輸省全体、各局がそういうことを努めるということが最も必要でありますが、本省におきましては考査室という制度を持っておりまして、この制度がそういう事故の窓口といたしまして、また行政管理庁その他に対する協力態勢をとっているわけでございます。私どもといたしましてはこういう制度をもう少し拡充して、自己監査という方向を強めたいということは常々考えておるわけでございますが、十分に定員の配置ができないということは遺憾でございまして、将来できればこういう制度をさらに拡充いたしまして、他からの指摘によりましてそういう誤まりを発見するということではなくして、みずからの監査によりましてあやまちなからしめよう。これはあやまちをしないことがもちろん大切なことでございますが、それをさせないための自律的な監査制度も、将来定員が許せば拡充して参りたい、かように考えておるわけであります。
  81. 片岡文重

    ○片岡文重君 この不正工事がなされておる、あるいはそれに関連を持っているような工事でいわゆる継続工事になっているものは、一体何件ぐらいあるのか、それからその金額は大体どのくらいあるのか、そういう点について。  それから二十九年度の決算監査については、これは当然まだ済んでおらないのですから、その批難事項というものはまだおわかりにならないと思いますけれども、大へん言い過ぎるかもしれませんが、すでに漸増の傾向にあり、二十八年度もすでにこのような百五十七工事にも及ぶという施設がされているのですから、その不安なもの、少くともにおいのするようなものがもしありとするならば、これは今官房長御自身くさいものにはふたをしない主義でどしどしやっていくというお話でありましたが、私はその点まことに同感であり、将来禍根を断つためにはやはり大義親を滅する決意がなければならないと思いまするので、あえて検査院の指摘を受けるまでもなく、みずからこれを一つこの際資料として御提出をわずらわしたい。  それから、それぞれの面でいろいろと具体的に防止の措置をとっておられるというお話でありましたが、二十八年の七月に会計検査院から農林大臣、建設大臣並びに運輸大臣のこの三相に対して、「補助行政に対する支出負担行為について」という改善意見がたしか提出されておったと記憶しますが、この会計検査院から提出された改善意見に対して運輸省はどういう措置をとられたのか。この改善意見に共鳴するところばかりはなかったかもしれませんが、少くとも反対するばかりではなかったと思いまするので、この改善意見書に対して運輸省はどのような措置をとられたのか。単なる回答書ではなしに、具体的に事例を示して、お知らせをいただきたいと思います。
  82. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) ただいまの継続工事中の批難事項、及び二十九年度にどういう問題があるかということは、今ちょっと書類を持っておりませんので、直ちに御回答いたすことができないのは申しわけないわけでありますが、全般的の事項につきまして、会計課長から御説明申し上げたいと思います。
  83. 梶本保邦

    政府委員(梶本保邦君) ただいまお話しのございました通り、運輸省といたしまして最近会計検査院の方から二十八年度についての批難事項をいただいておりまして、その衝にあります会計課長としましても、非常に恐縮に存じておる次第でございますが、二十八年にいろいろと勧告なり注意をいただいたことにつきましても十分承知をいたしております。従いまして、公共事業の補助金につきましては特に留意をするようにいたしております。  まず、あらかじめ、災害等の場合はもちろんでございますが、工事を計画いたしました場合に何年計画でどうやるのだということを十分に検討いたしまして、それが直轄工事の場合もございますが、補助工事の場合もございます。それをそれぞれの計画に即応し得るようにむだのないような計画をし、それを府県に示し、府県の方から、また内部の方で検討してもらってそれぞれの地方議会にかけられましての予算をきめられて、運輸省の方へ申請をされ、それに対して運輸省の方では今度は金額を内示するというふうなことで、いろいろと関門をできるだけ多く通過さすというふうなことをいたしております。それから中間検査というものを始めることにいたしております。工事の途中におきまして工事の監査をする。そうしてそれが本当に計画通りできているかどうか、出来高が不足になっていないかどうか、手抜かりなところはないかというふうなことも検討をする。それででき上りました上は、計画通り行っているかどうかの竣工監査をする。そうしてそれについてむだな費用か使われていないかどうかということにつきましても十分心がけておるつもりでございます。  で、非常に弁解がましくなるのでございますが、非常に運輸省各方面にいろいろの問題を二十七年度までは会計検査院から批難事項として御指摘されておったのでございますが、ほかの方は非常に改善されまして、今先生のお話のように、港湾の公共事業関係だけが二十八年度で指摘された。範囲は少し狭まったんじゃないかというふうに考えておりますので、二十七年の場合に指摘されておりましたような海上保安庁が改善をしたというふうな方法一つの参考としまして、港湾関係につきましてはこの関係者はひとしくこういうことがあってはならないというふうに考えておりますので、その点は御了承をいただきたいと思います。   〔理事仁田竹一君退席、理事木島虎藏君着席〕
  84. 片岡文重

    ○片岡文重君 検査等について十分な審査がなされておるというお話ですが、大体検査に移る前に補助金額の決定等に当ってすでに机上査定が多過ぎる、現地を見ないで書類申請による机上査定が多過ぎるということが、まずこの不正の始まりであるというふうに、会計検査等の指摘しましたものを見ますと考えられます。それから現地調査がきわめて不完全である。従って、出来高不足のものに対してもきわめておうようにそれを支弁しておるというようなことが報告されておりますが、こういう点について、実際に工事に着手する前に現地に出かけて厳密に現地調査をするというようなことは、補助金額を決定もしくは交付を決定する前提条件として、不可欠な条件として定めておられないのかどうか、その点を一つ聞きたいのです。
  85. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 補助金の決定につきまして、まず机上の調査をやりますことはもちろんでございます。毎年、今特に多いのは、災害につきまして非常に予備費あるいはそういう関係から一応腰だめの数字を各方面から要求されますために、一応机上で報告によりまして概算的な数字を見出します。しかし、御指摘のように、補助は個々の工事についてやるべきものでございまして、個々に当りましてやりますのがもちろん原則であり、そういう建前であるべきものでございます。運輸省におきましては港湾の関係がほとんど全部でございますので、港湾に対するそういうものは、これは道路あるいは農林関係よりも数がいつも少いといえると思うのでございますので、これはもう原則としてほとんど全部現地に渡りまして、係員を派遣いたしまして、調査の上いたしております。それで割合に、運輸省におきましては、最初の腰だめの数字と最後の数字との開きが、いつもそう出ておりません。幾分腰だめのときに多い数が出ておりますが、ほかの省と比べれば、割合にそれに近い数字をいつも出しておるとわれわれは思っております。われわれとしましては、それが原則であり、当然の仕事でありますので、個々の港湾の補助費の査定につきましては、現実に係官を派遣いたしまして査定をするという建前で、百パーセントであるというふうにわれわれは考えておりますが、たとえば非常にそういった小災害が多数起りました場合には、ある程度現地に行きますと一、二落すという例もあるかとも思われますが、われわれといたしましてはほとんど全部それは見てやるのであるという建前で、今まで来ております。例外があるかどうかということは、私は現実にやっておりませんので、この場合百パーセントであると言い切れるかどうか。非常に多くのこまかい小災害で相次いで起りましたような場合には、あるいは一、二そういう類推適用ということも考えられますが、運輸省の建前といたしましては、できるだけそういうものを現場に当りまして査定をするという方針をとってきております。
  86. 片岡文重

    ○片岡文重君 欠損の内容等につきましては、これは決算委員会においてまた当然検討せらるべきものであると思いますから、その詳細については私は省略をいたしますけれども、なお、先ほど申し上げました検査院からの報告書を見ますると、たとえば国鉄等については連絡運輸収入あるいは通運業者等の後納運賃の滞納、こういった点についてきわめて遺憾の点が多々あるようでありますが、これらの処置について当然国鉄として考うるべきものでありますけれども、こういう事態に対して運輸省としてはどの程度の監督をされておるのか。先だってのこの委員会で、三木運輸大臣はポリシイに関する限りはもっと強化をする、それ以外のことについてはあまり監督は強化しないのだというお話でありましたが、その説明を聞いておりますと、私は必ずしもポリシイの範囲内ではない。もっと経営の内面にまで立ち入って監査を厳重にされるようなお話でありました。現在しからば運輸省としては、こういうあまりにも明瞭な財源であるそういう点、当然経理の内容等について運輸省にも報告がなさるるはずでありますから、それに対して運輸省としてはこういう点どの程度まで、監査をされ、どの程度まで監督されておるか、お伺いしたい。
  87. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 連絡運輸収入にいたしましても、小運送業者の後納運賃にいたしましても、これは当然に国有鉄道の収入金を預かっておるということでございまして、その点につきましては、規定期間に納めるべき義務があるわけでございます。借りておるという金ではないわけでございまして、代理として受け取っておる金でございますので、当然に納めなければならない金であるという建前で、われわれはそれらの業者との間に入っておるわけでございます。法規的に申し上げますと、これは国有鉄道対それぞれの業者の契約の問題でございまして、運輸行政の直接の対象にはなっておりません。しかし所掌の事務になっておりますので、運輸省として全然これに関心を持っていないという事務ではありません。  ただ、御了承得なければなりませんのは、特に私、私鉄の監督をやりました経験がありますので、その意味から御説明申し上げますと、連絡運輸収入はただいま申しましたように、直ちに納めなければならないわけでございまして、各業者がそれを受け取ったならば、当然規定期間内に納めるべきであるということはよく存じておるわけでございます。また業者といたしましては規定期間に納めなければ日歩四銭という金利を支払わなければならないという関係があるのでありますが、非常に弱小私鉄になりますと、収入が非常に赤字であるというような場合に、賃金の不払いという現象も起っております。最近も私のところに参りましたが、非常にこれを最近国鉄がやかましく取り立てますために、今までたまりましたものを払いました上に、プラス・アルファで、何と申しますか、何カ月間かの支払い計画を立てるわけでございます。それをやっていきますと、労働者の賃金にも食い込んでしまいますので、組合の方から少しゆるめてもらいたいという深刻な問題もございますので、その辺は業者が実際その金をほかに回してもうけるために払わないのか、それとも、払いたいけれども、どうしても余儀ない事情で払えないのかというような事情もとくと聞きまして、将来の金につきましてはある程度国鉄の猶予を、これは逆かもしれませんが、運輸省としてかえってお願いをするというような場合もあります。しかしできるだけ運輸省といたしましても、こういう金の決済ははっきりすべきである。事故が起りました場合には、そういう将来のものにつきましてははっきりと業者に約束をさせまして、そのたまりました分につきましては、そういう労務者の賃金にまで食い込むというようなものには、ある程度支払いの金額をなしくずしに減してもらうというような措置をとっておることもあります。またある場合には、水害にあいました電鉄が営業できませんために、どうしても払えない、あるいはそのあとの経営がうまくいかないために払えないというような特殊事情もございますので、全体的にいいまして、そういう国鉄の金を預かりまして直ちに払わないのはけしからぬというわけでございますが、これも全部しゃくし定木にやりませんので、われわれ担当の者といたしましては、両者の中間に立ちまして十分に両者の意思を満足させ、また将来見込みがあるように、これは単に支払いという面だけではありませんで、各方面のそれらの弱小業者に対する御援助も含めまして、相談に乗っておるような次第でありまして、御指摘のような場合、これは従前業者の一部にそういう傾向があった、国鉄の金でありますために、ほかに回すというような悪い例もなきにしもあらずでございましたが、最近はそういうふうな事例は少いとわれわれは考えておりますが、しかしできるだけ連絡運輸収入の遅延ということがないようにやって参ることは当然でございますが、いろいろそういうニュアンスがあるということも御了承願いたいと思うわけでございます。
  88. 片岡文重

    ○片岡文重君 今日お尋ねしておるのは、大体欠損に関係することでありますから、決算委員会との関係がありますのと、それから国鉄が見えておらないから次の問題に移りたいと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、支出の面においては多額な不正金額が放出されておる、また収入の面においては今申し上げました以外にも多分に遺憾な点が認められておると思います。こういう状態の中にあって、三十年度予算に組まれた運輸省所管の庁費、旅費等の内容を拝見いたしますと、これはまたきわめて切り詰めた内容であると考えられますが、少くとも適切に業務を運営していくためには、多角的な判断に基いた最小限度の出費は認めていかなければなるまいと私は考えます。特に不正工事がなされたり、あるいは補助金の交付、もしくはいろいろと入札等にからんで不正、汚職等の起ることは、結局業務の運営に当ってその職員が平素きわめて不便を感じておる、もしくはその生活に極端な苦労をしておる、昇給、賞与、手当等の支給もきわめて不完全であるというようなところから事故が起っておるということも、これまた世上ありがちなことでありますから、庁費等の計算といいますか、査定に当っては、十分余裕のあるというような査定は望むものではありませんけれども、少くとも必要最小限度のものは認めなければならないと、こう考えますけれども、三十年度の庁費の算出の基準となった数字は、いろいろ各費目について全部御説明をいただくということも、これまた時間の都合上でき得ないと存じますが、大まかなものについて、何を基準として算出せられたのか、その点を一つお聞かせいただきたいんです。
  89. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 最初に御了解をお願いいたしたいことは、運輸省の予算は、特に庁費、旅費ということに言及いたします前に、これはほかの省のように一本にはなっておりません。非常にこまかい、いわばアパートみたいなものでございまして、陸運でありますとか、気象台でありますとか、あるいは研究機関でありますとか、ほんとうに今の官庁全部の予算費目があるような状態でありますので、統一的にというただいまの御質問に対しまして、御満足のいけるお答えができるかどうか、ちょっと疑問でございますが、ごく概略御説明申し上げたいと思います。  まず庁費でございますが、庁費につきましては、A、B、C、D、E、と一応五つのランクに分けて御説明申し上げたいと思います。Aランクと申しますのは、中央官庁の庁費でございますが、これにつきましては、人頭庁費と申しまして、職員一人当りの庁費でございますが、これは三十年度が、運輸本省その他の船員中央労働委員会、あるいは海上保安庁、高等海難審判庁、捕獲審検再審査委員会というところでは二万一千六百円、人頭庁費を当てております。気象台につきましては二万二千八百円でございます。次に、地方ブロック官庁といたしまして、陸、海運局、あるいは管区海上保安本部、これらの地方監部、管区につきましては、一人当り九千七百二十円、管区気象台、海洋気象台につきましては一万二百六十円、これが単価でございます。次に、その陸、海運局の下の段階の、海運局で申しますと支局、あるいは陸運事務所等におきましても一人当り五千四百円、気象台関係につきましては五千七百円、それから気象研究所付属機関といたしまして運輸技術研究所、あるいは航海訓練所というようなところに先生その他の研究員がございますが、そういう事務職員以外の職員につきましては一人当り三千九百九十円。次に、役所の守衛でございますとか、自動車の運転手、タイピスト、交換手、小使という下級職につきましては一千八十円、平均いたしまして一千百四十円というのがごく大ざっぱな人頭庁費の区分でございます。
  90. 片岡文重

    ○片岡文重君 数字がこまかいのでここでは少し審議がむりかと思いまするので、今御説明になられたその人頭庁費等まで考えた区分を一つ資料にして出していただきたいと思います。ここにいただいておりまする資料は、これはそこまでは出ておりません。従ってここで今御説明の点をこの資料に照らして一々拝見しておったのでは相当時間がかかりますから、検討できるように一つ資料を作っていただきたい。
  91. 梶本保邦

    政府委員(梶本保邦君) ちょっとお答え申し上げますが、ただいま官房長が御説明申し上げましたのは、いわゆる人頭でございますから、今年度のいわゆる定員に掛けたものでございまして、そのほかの特別庁費というのは、お手元にいっていると思うのでございますが、各目明細書でございますね。
  92. 片岡文重

    ○片岡文重君 それは予算委員だけしか出さぬでしょう。
  93. 梶本保邦

    政府委員(梶本保邦君) まことに失礼いたしました。それではさっそく差し上げます。これの中に8が旅費、9が庁費、こういうことになってたくさんございますので、それをトータルいたしましたものが運輸省の組織別にお手元に差し上げておる金額になります。それを定員で割りましたものがカッコ内の数字、そういうことになるわけでございます。ですから、後ほど各目明細書をお手元へお届けいたしますから、それをごらんいただきますれば、全部おわかりいただけると思います。
  94. 片岡文重

    ○片岡文重君 各目明細書をしからば拝見してからまたゆっくり研究した上で御質問をさらにいたすことにいたしますが、運輸省を初めとして、たくさんの官庁があるわけですが、それらの庁費の比較といいますか、この一人当りの平均額、こういうものをお調べになったことがありますかどうか。
  95. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) その点は何と申しますか、旅費、庁費と申しますものが一本に入っておりませんので、各方面に入っておりますので、運輸省自体でもこれを取り出すのに非常にむつかしいのでございまして、運輸省といたしましては、他省の分を抜き出してとるということはちょっと困難かと思います。
  96. 片岡文重

    ○片岡文重君 たとえば、運輸省は運輸省本庁だけでもけっこうでしょう。本庁だけの庁費全額、それから通産省、大蔵省、あるいは農林省等のいわゆる本庁直轄の機関についての比較もありましょうし、所属機関、所管機関といいますか、所管の地方官署を加えたもののいわゆる人頭平均といいますか、今官房長がおっしゃられた人頭割りというのですか、いわゆる一人平均、これもそれぞれの点でその内容についての批判は別として、一応の比較はできると思うのですが、そういうことは従来あまり比較されたことはありませんでしたか。
  97. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) もちろん運輸省とほかの省というものと比較はある程度して大蔵省で査定をされることであろうとは思います。われわれといたしましては、しかし、運輸省がそういうものを調べてどうするという役所ではございませんので、われわれの方からこういうものが正式にこうなっておるということがちょっと言えない立場にありますし、まあ各省は各省で持っておられると思いますが、いろいろ今言いましたように数字が一カ所に入っておるものでもございませんので、その点運輸省、これは私どもの責任において提出できるわけでございますが、運輸省として各省のものを調べまして提出するのは、われわれとしてもちょっとむずかしいのじゃないかとかように考えるのでございます。
  98. 片岡文重

    ○片岡文重君 質問の仕方も悪かったと思いますが、当然運輸省で予算を査定をされて、査定というよりも計算をされて大蔵省にその査定を求められるときに、大蔵省で査定をされたものをそのまま百パーセント御満足になって了解をされるということは私はなかろうと思う。当然大蔵省に要求される査定の根拠については十分なる確信と、そしてまた必要最小限度であるという考えのもとに要求されると思うのであります。しかし大蔵省は大蔵省の立場においてこれを査定し、削減をされる。でその際に運輸省としては当然、当然と言っては言い過ぎかもしれませんが、無条件にこの大蔵省の査定に承服をされるのかどうか、おそらくそういうことはあり得ないと思うのですが、そういう場合にしからば一体査定をする大蔵省ばどうなっておるかというようなことは当然お考えになるのじゃないかと思うのですが、そういうことはあまりお考えにならんのですか。
  99. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) どうも予算請求の手続を御説明することになると思うのでございますが、ただいまたとえば人頭の庁費を申し上げましたが、人頭の旅費というものと、それから特別旅費、旅費につきましては人頭の旅費、特別の旅費というものがあるわけでございます。それで人頭の庁費及び人頭の旅費におきましては、大体各省一人当り幾らということを中央官庁ならば中央官庁で大蔵省が大体同じ標準で査定しておられますので、これはあまり問題ないものであろうと思います。それで各省間の差がつきますのは特別の旅費事項によります旅費でございます。たとえて申しますと、私の方では海運局関係は船舶の検査旅費、あるいは陸運局で申しますと自動車の検査旅費というような特別の項目につきます旅費がたまりまして、まあそれができるということでございます。それで一応われわれの方といたしましてはほかの省はその意味からは特別の項目につきましては関係がないわけでございまして、それぞれの仕事の特別な必要によりましてその事項について予算の要求をし、大蔵省の査定を受けるわけでございます。それで各省間に仕事の差によりましてある程度の差がつくということは各省の仕事が区々でありますので、一応了解されるわけでございますが、先ほど非常に簡単に御説明いたしまして、各省の比率も当然考えると申しましたのは、そのときにわれわれの頭の中ではやはり同じように行政の仕事をやっておりますので、個々の事項についての差はある程度つくということは考えられるわけでありますが、それが非常に大きな差がつくというようなこともこれまた常識的に考えられないことでございまして、そういう場合には各省との話も聞きまして、予算請求の一つの口実にするという程度の話はあります。そういう点におきましては各省の旅費の状況に対する関心は持っておるわけでございまして、建前から言いまして、特別の庁費あるいは特別の旅費につきましては、各事項について特別な査定を受けるわけでございまして、その点におきましては各省において区々の差が出るということは、制度上ある程度やむを得ないことと考えております。
  100. 片岡文重

    ○片岡文重君 そうしますとなんですか。今ここにちょうだいいたしましたこの各目明細書の一項目々々々にわたって大蔵省の査定を受ける、こういうことですか。
  101. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) さようでございます。
  102. 片岡文重

    ○片岡文重君 そうしますと、たとえば特別な旅費あるいはその検査のため、あるいは研究のためというような特別なものは別として、一般のいわゆる普通庁費あるいは自動車維持費とかそういうような、それから普通旅費こういうものについてはどこの官庁といえども同じように、同じレベルにおいて査定をされる、こういうことだと思うのですが、その通りですか。
  103. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) お話の通りでございます。
  104. 片岡文重

    ○片岡文重君 そうすれば大体高給者の多い官庁と、それから比較的給与の低い職員の大ぜいいるところとは、その人頭割を出してみたところで比較にはならんと、こういう、さっきのあなたの御説明をつきつめていくとそういうところに落ちつきそうなんですが、そういうことを言われておるのですか。
  105. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) これは旅費、庁費につきましては人数が基準でございまして、給与はこの場合関係はないわけでございます。
  106. 片岡文重

    ○片岡文重君 そうすると特別なものといいますか、地方官署をたくさん持っておるとか、あるいは農林省とか建設省等のごとく現地調査が多いというようなところと、比較的そういう現地調査のないようなところとを比較する場合には、これは現地調査が特に多いとか、あるいはこれは特別に旅費をみなきゃならんといういわゆる特別というものをワク外に除けば、大体、大体じゃない、各官庁ともその人頭割の庁費というもの、あるいは旅費というものは同じでなければならない、こういうことが言えると思うのですが、その点はどうなのです。
  107. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 一般庁費、旅費につきましては中央官庁であるとか、あるいは地方官庁であるという差は、平等に違いますが、そういうたとえば運輸省の地方官庁、通産省の地方官庁という同じランクで比べてみれば同じにたるということが言えるわけです。
  108. 片岡文重

    ○片岡文重君 大蔵省の主計官が見えておられるようですから、少しその点について御指示をいただきたいと思いますが、今私が運輸省の官房長にお尋ねしておりました点について、一般の庁費及び旅費については特別なものを除いては人頭割は同じであるというように御説明があったのですが、大蔵省としては各省から査定を求められた際に、やはり同じレベルでもちろん査定をされると思うのですけれども、その点官房長の説明通り了解してよろしいのですか。
  109. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) お答えいたします。大体今官房長がお話いただきましたことでけっこうだと思いますが、多少補足いたしまして御説明いたしますと、いわゆる人頭庁費、人頭旅費というものはどういう経費に充てるかということでございますが、まず第一に人頭旅費というのは一般の、たとえば監督旅費でありますとか、あるいは検査旅費でありますとか、そういうふうにはっきりした目的のついておる旅費ではなくて、通常官庁としてたとえば部下の附属官庁を上級官庁として当然監督しなくちゃならない、そのためには一年に一回くらいは出て行かなければならないというような意味での旅費、これを人頭旅費と言います。それから人頭片費につきましては大体光熱、水料とそれから通信費、それから事務用消耗品、大体このようなものが人頭庁費に入る、こういうふうに考えていただいてけっこうだと思います。そこでそういったどういう仕事を、変った仕事をやるやらないというのは別にいたしまして、官庁として存在する限りにおいては必ず必要な経費というものにつきましては、各官庁の定員に応じましてこれを先ほど官房長が申されましたような基準で割っていくわけでございます。そういたしますと、どういたしましても中央の官庁は通信も多うございますし、あるいは庁舎も地方の官庁よりも広いというような関係もございますので、先ほど申されたように中央官庁は二万一千六百円、それから附属官庁は九千七百二十円というような単価になってくるわけでございます。この単価はどういうわけでできたかと申しますと、過去におきまして実際に今申しましたような生活に必要な、生活と言うと語弊がありますが、最小限度の事務用消耗品あるいは光熱水料等を、どういうふうに各官庁は使っておったかという実績を調べまして、それを抽出いたしましてこれだけあればいいのじゃないかということを一応査定いたしまして、その基準で参っております。従いまして非常に小さな、たとえば県の中に一つしかないというような官庁につきましては、さらにその単価も下げる、これも今申します実績によりますとそういう数字が出ておりますので、それに従って各官庁共通に、通産省も大蔵省も運輸省もその単価でいくというふうにいたしておるわけであります。これが人頭庁費でございます。そこでそれ以外にたとえば海運の検査をやらなくちゃいけない、船舶の検査をやらなくちゃいけないというようなことになりますと、その検査のための旅費が必要になって参ります。またある調査をやる、たとえば今度予算にありますような大都市通信の調査をやるということになりますと、その調査のための常勤労務者を雇いたいとか、あるいは旅費が必要だとか、あるいはその他の消耗品が必要だとかいうような要求が参るわけでございます。そういう場合にはそういった事務に従いましてこれを査定をいたしまして、旅費幾ら庁費幾らというふうに個々に計算をいたしまして算定するわけでございます。でございますから、結論的に申し上げますと、官庁がとにかく官庁として存立していくという最小限度の庁費なり旅費というものは、大蔵省も運輸省も全部同一である、しかしながら各官庁に必要なる仕事をやっていくための旅費なり庁費というものは、各官庁によって違ってくるわけでございます。運輸省内部におきましても、気象台とあるいは海上保安庁とあるいは運輸本省というのはそれぞれ違って参るわけでございます。もしわれわれの査定いたしました査定が非常に正しい査定でございまして、今申しましたたとえば船舶の検査旅費というものが船舶の検査だけに使われて十分であり、かつ必要であるという状態でありますと、各官庁の衡平が保たれることになるわけでございますが、われわれの査定が多少甘かったり、あるいは辛かったりいたしまして、その辺に過不足がございますが、その過不足が人頭の庁費なり旅費にかぶるということになりますので、非常に苦しいというようなことが、状態が起ってくるわけでございます。でございますからそのお手元にありますような資料は、今申しましたような特別の庁費も含めまして全体として見た場合に、定員で割ってみますと、どうなるかということを試みに出したわけでございます。官房長がおっしゃいましたように、これだけでは非常に旅費が楽になったとか、庁費が楽になったとも言えませんが、またそれが多少ふえたということは、ある意味ではゆとりができたということも言えるという程度の判断の資料になるのではないか、こういうふうに考えております。
  110. 片岡文重

    ○片岡文重君 そうしますと、まあ一般の場合はどの官庁も同じだ、それから中央は中央として、地方官署は地方官署としてそのレベルにおいて、レベルというかクラスにおいて同一に考えるというお話でしたが、中央の場合はそうひどい問題は起らないとしても、特に地方の場合はやはり一定の官署を経営していくためには、最低限度の経費というものはどうしてもかかると思うのですが、そういう最低限度の経費というものを見出す場合に、たとえば地方官署なら地方官署ということで一つに見て、先ほど官房長の話では何か五ランクあるというお話しでしたが、大蔵省、またそういうふうなことでこのクラスを分けて、そうしてその最低の場合は一体ひとり幾らあればいいのだという基準を出されるのだろうと思いますが、そのときにその最低の基準は一体どのくらいを目途にして査定をされるのですか。
  111. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 最低の目途とおっしゃいますと、ちょっとお答えにくいのですが、算定をいたします場合の抽出項目といたしましては、先ほど申しましたような事務用消耗品と光熱、水料と通信費という点に大体重点を置いて見ていくわけですが、結果的にその数字をもって算定いたしました単価は、どの程度になっておるかと申しますと、官房長おっしゃいましたような千八十円というのが、これが警察官あるいは海上警備官、海上保安官というような方、あるいは守衛、タイピスト等の雇員、そういう人についてはこの単価でいく、これが一番低い単価であります。これはまあ守衛の方でありますとか、タイピストのような方の多い官庁と、それからそういう方が少くて、先ほどおっしゃいましたような非常に高級の、通信費等をたくさん使わなければならない官庁とは非常に差がありますので、構成によってそういうふうに分けたわけであります。
  112. 片岡文重

    ○片岡文重君 そうしますと、たとえばその光熱費とか通信費というものは、たとえば光熱費のようなものは大体人数割でいくと思うのです。通信費のごときはとてもこれは頭割りというわけには参りません。その官庁の取り扱う業務の内容により違うのですから、いかないと思いますが、そういう特別にみてやらなければならない経費、人頭割ではどうにもならないようなものを、あえて抽出査定の資料にされたということは、大体その通信費というものは一般官庁とも同じように頭割りでいくというお考えなんですか。
  113. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 通信費につきましては、各官庁によって非常に通信費の使い方も違うと思います。電話等にしても電話のうんとかかってくる官庁、電話をかけなければならんところとそうでないところ、いろいろございますので、ここに上っておるのは、私の申しました通信費と申しますのは、その官庁が官庁として立っていく場合に必要とされる最小限度の通信でありまして、たとえば一番極端な例を申しますると、税務署のようなところは葉書も出さなければならないし、電話もかけなければならない、こういうところは別個に通信費を計上しております。
  114. 片岡文重

    ○片岡文重君 地方官署といっても、いろいろ大小がありますから、一概に査定をされることの当否を云々することはできないと思いますけれども、問題となるのは非常に職員が多い場合と、それから極端に少い場合とが私は問題になると思う。特に港湾関係、それから気象台、測候所ですか、それから陸運局の出張所とか、そういうところも私は非常に問題になると思う。そういう問題になるようなところの庁費の査定はどういうふうにしてなされるのか。
  115. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) ただいまの御質問は人頭の問題だと思いますが、今申しましたような各官庁と申しますと、ちょっと語弊があると思うのですが、先ほど申しましたように官庁を構成しております人によりまして、たとえばタイピストが幾ら、あるいは研究者が幾ら、それから中央官庁に従事する職員は幾らということで、いくつかのランクに分けてその人員において査定をするわけであります。これは率直に申し上げまして、先生のおっしゃいました人数の多い官庁と少い官庁は違うんじゃないかという点は、ある単価を定員にかけていくという算定の方式によって生じてくる当然の欠点であろうと思っております。これはまあ現状としてはやむを得ないので、こういうやり方をやっておりますが、別の考え方としては、たとえば官庁として、大きい官庁も小さい官庁も必ずしも、必要最小限度の必要な経費はこれだけというようなものをネットで押えて、その上に定員に応じてふえたところは定員をかけて足していくという算定方法の方がむしろ正確ではないかという気持を私は持っておりますが、現在まではとにかく三人の官庁は三倍、十人の官庁は十倍、こういう単純な単価計算でやっております。ただ予算といたしましては、各小さな測候所なり、あるいは研究の事務所がそのまま予算として動かない姿でびたっとつくわけではございませんで、全体を通じまして、海運局なり、海洋気象台なり、ついてきた予算で適当に対処して配賦していただいておりますから、その点でそういう欠点は救われているのではないかというふうに考えております。
  116. 片岡文重

    ○片岡文重君 スタンダードになる基準を押えて、それに増加していく人員によって、一人当りの経費を軽減をしてプラスしていこうというお考えのようですが、その点は私も同感です。むしろそうなければならないが、現状では、大蔵省としても手が足らぬからやらぬということにもなるだろうと思うんですが、しかし、だからといってその大蔵省における査定の不備を、地方官庁において少人数でその使命を果している人たちに強制するという結果は、これは避けなければならないと思う。で、中央官庁は多少の不足があっても、大世帯ですから何とかやりくりがつけられていけますけれども、五人十人というところではやりくりのつけようがない。しかもそれらにそういう小さなところにまで及ぶ経費を大蔵省では、今のお話ですと、そこまでは査定しないで、中央の陸運局なり、海運局にまかせてそこで査定をさせるというようなお話のように私了解したのですが、それはその通りですか。
  117. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 私が申し上げましたのは、予算を作る場合の積算の問題でございまして、積算はただいま申したような積算をいたすわけでございますが、実際において運用されます場合には、先生のおっしゃいましたように、まあ二人しかいない官庁にたった二千円しか渡さないではおそらくやっていけないと思いますので、そういう場合の運用につきましては、各官庁の会計課、あるいは予算をもらいます陸運局たり、気象台において調整をはかる。それは先ほど申し上げましたような大きな官庁などは人頭割りで行っているので多少ゆとりがありますので、その点において多少調整がとれるんではないか、かように考えております。
  118. 片岡文重

    ○片岡文重君 これは大へん失礼ですが、一主計官でどうこうしようということには私はならないと思いますから、申し上げるのもどうかと思うのですけれども、少くとも大蔵省において一般庁費、一般旅費等を査定される場合には、やはり政治的勢力の弱い面をもっと考慮に入れて査定をしてやってほしいということが私結局は言いたいのですが、たとえば先回の当委員会において大倉委員から強く指摘された気象台関係、測候所関係等における庁費の不足の問題がいい例だと思うんですが、そういう例は気象台や測候所ばかりじゃなしに、海運局や陸運局の出先機関等についても強く指摘されております。特に海運局関係等においては、船舶関係の検査の連絡の電話料さえも払えないで、外郭団体を通して連絡さしている。あるいは通信料の納入告知書を外郭団体で支払ってもらっておる。実にこれがほんとうのことかと思われるような事態が方々に起っている。証拠をもって私どもに訴えられておる。そういう事態を大蔵省は承知しておるのかどうか、それをまずお聞きしたい。
  119. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 御質問の政治的勢力の強いところに特に予算をたくさんつけるということは、私のところではやっておりません。ただ先生のおっしゃいました測候所なり、あるいはそういった下部において非常に予算が足りなくて困っているという現状は私も聞いております。昨年出張いたしました際にも、各出先機関において現状を聞きましたし、また海運局の現場の方にも来ていただきまして、現状をよく聞いたつもりであります。従いまして、これが是正につきましては、今申しましたように、積算といたしましてはどうも何ともしようのない問題でございますので、できるだけ先ほど申しましたような特別の庁費なり旅費をふやしまして、そうしてこれは何もむだなことをふやすわけではございませんが、できるだけ必要な仕事をやっていただくその範囲を広げまして、その結果、全体としての一人当りの金額というものをふやすように、ことしはほかの官庁におきましては、御承知の通り住宅関係の予算その他の関係で、予算編成の際に庁費は一五%旅費は一〇%全部節約をいたして予算を組んだわけであります。運輸省におきましては、全体としては予備庁費がふえているという状態になっているかと思います。それは今申し上げましたような特別の庁費、旅費をふやすことによって何とかカバーしていきたい、こういう気持でやったのであります。
  120. 片岡文重

    ○片岡文重君 特別の旅費、庁費をふやして、そうして一般の不足をカバーしていく、それは非常に当事者にとってはありがたい親心かもしれませんが、私はむしろそういうことでなしに、先ほどあなたが言われたように、そもそもその査定の方法からしてこの際検討を加えて、特殊な事態に対してはやはり克明にその事態に即応するような方法をとってやる、そうしてその勢力の強いところといいますか、結局言いかえれば、中央なら中央でそれがさじかげんもできるし、他に流用もできるというような予算ではなしに、この分はやはりこの地方に必ずやらなければならぬというようなウェートをつけて査定をしていくという方法にしなければ、これはせっかくあなたの方でそういう親心を示されても、そういう恩恵には地方では浴さないのではないか。特に私が心配するのは、たとえば船員労務官が船員法によって船員の労務管理に行こうとしても、その労務管理をするために調査に行く船を、その船員が乗っている企業者からそれを借りて行かなければならない、こういうような事態が起っているというわけですから、こういう事態、それからあるいは外郭団体を故意に構成させて、そこから旅費やあるいは連絡の費用や通信費を支出さしている。そのために官庁が全然監督的な発言力を失っておる。これがそもそも汚職に通ずる第一歩だと思う。こういう事態を早急にやはり救ってやらなければならない。そのためには、やはりそういう極端な不便窮屈を忍ばせないで、やはり必要最小限度のものは見てやるというような予算の査定方法を早急に一つ考えてもらいたい。実施してほしい。その点は一つ早速あなたから関係の上司に伝えられて、この予算査定の方法を来年度からでも一つ変えていただくということに御配慮をいただきたいと思うのです。この点について現在の査定方法を変えるとすれば、大蔵省としてはさらにたくさんの人員を要する、あるいは経費を要する、こういうことにでもなるのですか。
  121. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 査定方針を変えることによってたくさんの人員、経費を要するということにはならないと思います。先生のおっしゃいました外郭団体を使ったり何かするということは非常によくないことで、そういう状態は一日も早く、もし事実であるならばやめていただきたいと思いますが、この問題は非常に微妙でございまして、実は昭和二十四年ごろでございますか、非常に予算が楽なときがございまして、その当時はインフレでもございましたが、非常に予算が楽でございまして、どんどん旅費、庁費がついていきました。そのために非常に、電話を私用にどんどん使うとか、あるいはから出張をして旅費をとるとか、そういった弊害も非常にあったわけであります。そこでわれわれといたしましては、実際の必要な限度というのがどの辺になるのかということをしっかり押えて、先生もおっしゃいましたように、よく地方の官署なり何なりの声を聞けという御意見でありますならば、私は率直によく意見を聞いてできるだけきめていきたいと思いますが、きめたといいましても、今の算定方法を改めるとか、単価をすぐに変えるというところまではなかなかいかないのじゃないかと思います。これはやはり実際には特別庁費なり、旅費の査定の甘さ辛さということはほかの官庁においても多少ありますために、あるいは人頭の辛さというものはほかの官庁からはどこも聞えてこない。本省だけは聞えてくるという形になっているのか、あるいは逆なのか、その辺は実態をよく見ませんと、人の感覚の問題ですから、はっきりときめ手がないのであります。先生のおっしゃいました、よく下部の意見を聞いてもらいたいということは、これははっきりよく聞いて善処したいと思います。
  122. 片岡文重

    ○片岡文重君 時間もだいぶたったようですから、簡単に結論だけ申し上げますが、先ほどの主計官のお話では、特に現在の査定の基準になっている数字は、過去の事実に基いて査定が行われている、こういうことであります。従って、その過去の事実というものが果して適正であったかどうかというところに大きな問題がひそんでいるわけです。かっては、いわゆる政治勢力というか、政治的な手腕のある当事者がより多くの予算をとっておったということは、これはもう長い間の話であって、そういう時代の事実の上に立って今日の予算というものがやはり査定づけられておるということになれば、まずそこからして是正してかからなければならない。それともう一つは、今るる述べました特殊な官庁の運営については、やはり現地に即応した査定をやるべきだ。人も要らない、経費も要らないということであるならば、これはやはり頭の切りかえだけが問題になってくると思うのです。で、頭の切りかえだけが問題になってくるところで、しかも現地の声を聞くところまでは私の意見に賛成してくれたのですから、さらに一歩を進めて、一つ現地に即応できるような予算の査定方式をすみやかに樹立するということをぜひ一つ考えていただきたいと思うのですが、あなたそこまでは譲歩できませんか。
  123. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 譲歩とか何とかいう考えではございませんので、これは、人頭の問題は先ほど私が申し上げましたように、ほかの官庁と関連する問題でありますので、この人頭が非常にまずいのじゃないか。先生のおっしゃったように古い時代の勢力の強いものが、たとえば中央官庁が非常にたくさん使って、地方官庁が使わないときの人頭だからいけないのだと、それも一理あるかとも思いますけれども、われわれといたしましては、その当時の物価の係数等によって修正もし、また仕事の内容その他によって修正すべきものは修正をして使っておるつもりでございます。特に人頭庁費を運輸省だけ上げるとか、あるいはほかの官庁を全部上げるということになりますと、全体として現在の人頭庁費は正しいかどうか、これは毎年問題になっておるわけですが、予算の査定に入ります前に、人頭庁費はこれでいいかどうかということをいろいろ議論いたしまして、その結果各省担当の主計官の意見を入れまして、ことしはこれで行こうということできめておるわけでありますが、そういう意味合いで来年どういう姿になりますか、できるだけ現実の姿に合うように検討はいたしたいと思いますが、特に将来必ず変えるとか、あるいはどうするということはここでは、ちょっと申し上げられないかと存じます。
  124. 片岡文重

    ○片岡文重君 まあ、ここでもって来年の約束はできないということは、お立場上わかりますが、ただ私は不当に、不当にとまでいかなくとも、余裕のあるような旅費や庁費の査定をしなさいと、一般にそういうゆとりのある査定をしなさいと、こういうわけでは毛頭ないのです。もちろん削れるだけの節約はしていかなければならない。これはもう国民の血税ですから、できるだけの辛い査定は必要だと思うのです。しかし、問題となる特殊な出先機関の、特に政治的に発言力の弱い官庁の経費については、その職員が自分で人頭を持ち込んだり、自分で庁費を支弁したりして、実質上給与を削減されておるというような事態の起らない程度の査定は、これは大蔵省として査定すべき責任が私はあると思うので、その点について一そう一つ考慮をしていただきたい。  なおお尋ねしたいこともありますが、きょうは時間の都合もありますので、私はここで一応保留しておきます。
  125. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) ただいまの先生のお話の中に、業界に通信費を出してもらっておるというような話が出たわけでございますが、私十分よくそういう実態をきわめておらない、そういう風評を聞いたことはございますが、本年度からは絶対にそういうことのないように、各局長その他にも厳重に通達しておりますので、はなはだお言葉を返すようで申しわけないのでございますが、現在の運輸省におきましては、そういう事実は絶対ないものと私は確信いたしております。
  126. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 今官房長からお話もございましたが、そういう問題が起りますと非常に困ると思います。私責任を転嫁するわけではございませんが、予算の積算の場合にある種の画一性というものを保ちながら積算をしていくということはやむを得ないのじゃないかと、こう思います。で、特殊な場合にそういったような事態が起きないような手段を講じていただくのがやはり支出担当官の方で、与えられた予算の中で余っておる点を省いて足らない点に当てていくというようなことを積極的にやっていただいて、そういった非常に悪い例を残さないようにしていただきたい、こういうふうに思っております。
  127. 片岡文重

    ○片岡文重君 それはあなたのお立場としては当然しかあるべきだと思います。また担当の省においても当然そういうことをさせたのではいかぬと思う。しかしながら、実際においてその査定が大蔵省において、過去の事実の上に立って査定をされるというのであれば、他の官庁において査定を求めるところの官庁においても、またその予算を組む基礎になる数字というものは、過去の事実の上に立ってなされるであろうと思うのです。ということになれば、今までの不当に削減をされておった、あるいは不当に少かったその予算をもととして組んでいくのでしょうから、当然やはり何といいますか、むしろ悲痛な現地の状態が何かの機会であなた方の耳に入れることができなかったとするならば、これはいつまでたってもこういう事態が私は続くであろうと思います。幸いにして、今年度は大蔵省でも一般庁費、旅費をふやすということでありますから、所管の省においてもそういう事態の解消に幾分かは役立つでありましょうけれども、しかし現政府の標榜するところは、そういう一般庁費、旅費は二割削減するという公約をしておるのですから、今までの現地の諸官庁がその余裕を喜ぶような事態には私はならないと思うのです。運輸省でもそういう事態のないように今年からは一つやりたいという官房長のお話です。私はこれを了としたい。またそうなくてはならないと思う。ですからこれからはぜひそういうことにしていただきたいのですが、大蔵省として、今あなたのおっしゃっておることは、あなたの立場としては私は了解するけれども、しかしこれを所管の省だけがその責任にあるということには私はならぬと思うのですが、そもそも査定が適正ではなかった。少くとも満足な、百パーセント満足すべき査定ではなかったと私は言えると思うのです。ですから良心的にどこまでもあなたのお考え下さることについては私は敬意を表するが、今後の措置については、こういう事態が起らないように——現に起っているのですから、遺憾ながら。ですからそういう事態の起らないようにぜひ査定の方法についてもっと研究してほしいと、こういうことです。
  128. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 査定の問題でございますが、先ほど申しましたいわゆる人頭は、これは運輸省だけの実績を見まして作ったのではございませんで、各官庁の実績を全部集めまして、従いましてその中で正しいと思えるものを抜き出しながら作ってみたわけでございます。ですからその状況におきまして、先生のおっしゃったような、あるいは中央官庁がたくさんとり過ぎておった、それから下部の官庁は少いという点についての、もしありとすればですね、そういう点はあったかと思いますが、他の省との間において非常に差があるということにはなっていなかったと思います。それから実際においてまあ今申されたような非常に悪い結果が出ておったということにつきましては、私はまあ人頭庁費の問題とともに特別庁費の問題があるのではないか。と申しますのは、特別庁費の、たとえばかりに海運局におきまして、先生の申された船員労務官の旅費が非常に少いということになりますと、人頭旅費を食っていくということになるかと思います。そうなりますと、結局人頭の積算自体は正しくても、非常に苦しくなるという結果になるかと思います。従いまして、人頭全体の問題といたしましては、主計官としては、まあ各省にまたがる問題でもございませんから、よく検討はいたしますが、どうこうするということは確約はできません。ただ、今申したような形で各特別庁費なり旅費というものがあまり必要以上に削減をされるようなことのないように十分留意をいたしたいと思います。
  129. 片岡文重

    ○片岡文重君 私が先ほど、何といいますか、政治的な力のあると言ったのは、中央と地方との間を言ったのではなくて、いわゆる各省間の予算、古い言葉でいえば、予算ぶんどりに政治的手腕のある者が比較的楽をしておる、こういうことを言ったので、中央と地方との間の政治的な力ではない。政治的な発言力の弱い、こういう表現をしたのは、結局たとえば測候所のごとき、あるいは港湾事務所のごときは比較的政党の介入する余地が少い。従ってそういう面を通してこの大蔵省に要求をしたり、あるいは中央の官庁に苦情を持ち込んだりするということがあまりない。せんだってあなたもここでこの委員会でお聞きになっておられたごとく、中央気象台のあの幹部諸君ですら、私どもは拝聴しておって非常に歯がゆいような答弁をされておられるというような状態ですから、いわんやその下部機関である地方における測候所等においては、相当な苦痛を忍んでおるということは事実なんで、私の言った政治的勢力というのは、各省間におけるということですから、そういう点でお考えをいただきたい。
  130. 木島虎藏

    理事木島虎藏君) ほかに御質疑はございませんか。
  131. 大倉精一

    大倉精一君 今日は大分委員さんも少いので質問はあとに保留しますけれども、一つの点だけお伺いしたいと思うのです。官房長にお伺いするのですが、ほかの官庁もそうですが、運輸省所管の官庁で出張旅費とか超過勤務手当とか、そういうようなものは普通規則通り払われておりますか。
  132. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) これは規則通りに払うべきものでございますが、先ほど来御説明いたしましたように、非常に全体の額が少いために、他の官庁におきましても今年度から一級下の——たとえば旅費でございますが、特に汽車賃でございますが、汽車賃を払うというふうな次官会議の申し合せがあるわけでございますが、従前からそういうことをやってきておりまして、かつ非常に苦しいという現状になっております。
  133. 大倉精一

    大倉精一君 それからたとえば陸運局とかあるいは気象台とか、あるいはその他の外郭団体というか、むしろ業者に協力さしておる、当然お役所で仕事をやらなければならぬものを、そういう業者に協力させなければならぬ、それほど人員は詰まっておる、こういう現象が私はあるように聞いているのですが、ありますか。
  134. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) ただいまの御質問は定員の面からのお話と思いますが、これも行政事務の監督を受けて、事業者を動員してやるということがあってはならないことでありまして、われわれの方としては、それは認めておるわけでございません。ただ一部そういったような非常に臨時に仕事が込みまして、自動車関係でそういった事例があったという話は聞いておりますので、本年度におきましては、特にそういう事態が起らないように、自動車の登録及び検査の定員をとりましたので、もしもそういう事実がありとしたならば、これまた早急に解消いたしたいと、かように考えております。
  135. 大倉精一

    大倉精一君 主計官にちょっとお伺いしたいのですが、主計官は旅費とか、あるいは時間外手当とか、そういうものが通常に払われていない、そういうことは御存じですか。
  136. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 現実におきまして時間が実際に超勤をしたのに、その超勤が払っておらない、あるいは必要なる時間外手当を出しておらないということは聞いておりません。この超勤の問題は、いろいろな問題がございまして、実際に超勤の命令をする場合には、予算の範囲内で命令をするということになっております。従って予算の範囲内でなく、しかも命令がなく残るという場合がありとすれば、そういうケースも起るかと思いますけれども、予算の範囲内で命令をされて、超勤をされておるのは、そういう状態は起らないと思います。
  137. 大倉精一

    大倉精一君 それは金の額を言っておられるのですが、仕事というものはそういうようなものではないのです。これはそういう実情は聞いておらぬということなんですけれども、事実あるのですね。私の聞くところによるというと、超過勤務をやらなければならぬ。ならぬが、やると、あいつは居残り料がほしいからやっとるんじゃろうとにらまれる工合で、家へ持って帰って仕事をやるというような、非常に不明朗な部面が出てきておると聞いております。主計官はそういうことをやっておられるということを御存じですか。
  138. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) これはどうも主計官の方じゃなくて私の方の関係かとも思いますが、大倉先生の御指摘になりましたような、超勤をやって払わないというようなことは、現実にありました。これはまあよく御存じのように、昨年十二号台風から十五号台風までぶっ続けに台風が参りましたために、気象台の職員が三交代制であるがために、あの職種といたしましては超勤がついておりませんでした。それでやむを得ず、まあこれは職員の、何といいますか勤労精神によりまして、超勤は払わないで超勤をしたという事例がございます。まあしかし今までの超過勤務手当の建前から言いますと、三交代制勤務の場合は各省を通じまして、超過勤務はいたさないというのが建前でございましたが、まあ気象台の特別のああいった勤務体制を考慮してもらいまして、本年度はこれに対しましては超過勤務の予算を得ました。これも御出席の主計官の非常に理解をいただいたのでございますが、ただわれわれといたしましては、その額で果して十分できるかどうかということについて、まだ自信を持っておりませんが、まあとにもかくにも非常な例外の道が開けたということは、いろいろ御鞭違いただいたたまものであろうと、かように考えております。
  139. 片岡文重

    ○片岡文重君 岩尾主計官に申し上げますが、あなたの立場もあるから、超勤を支払わない事実は聞いておらぬとおっしゃるのはやむを得ないと思いますけれども、あなたが現に見ておられる速記者の諸君が、こうして時間を過ぎても、これは年度のやはり予算がなくなれば、国会の職員はすべて超過勤務手当はもらわないんです。しかし、だからといってこれらの諸君がやめられれば、五時ですから、超過勤務手当がありませんからと言って帰って、自動車の運転手も帰ってしまうということになると、これは国会の審議は進まない。こういう事態はおそらく全官庁を通じて例外は私はないと思うのですよ。で、こういう点については、やはりもっと現状を把握されて、私はこの予算の科目をめちゃくちゃに流用するなどということはむしろ反対です。厳密にやはり予算というものは使わるべきだと考えますけれども、厳密に使われるためには、厳密に使えるようなやはり予算でなければならない。そういう観点から、やはり超勤等については低いといいますか、安い給料で働いておられる諸君が、しかもこれにはやはり税金もかかることですから、十分やはり考慮されて、もっと現状を把握して予算の査定に当っていただきたいということを、希望として私は申し上げておきたい。
  140. 大倉精一

    大倉精一君 そこで私は、まあ主計官でも官房長でもいいのですがね、非常に不思議に思うことがあるんですよ、法律というものは全部これは予算が伴わなければ、この法律は実施されないんですね、予算が。まあしかしながら、人間に関する法律はちっとも予算が伴っていないということです。人間に関する法律はですよ。これは私は非常に重大だと思うのです。労働基準法もでき、あるいは協定、協約もできて一つのちゃんと基準ができた、それから超過勤務をこれだけやらす、それから旅費もこうするんだという、きちんと法則はできております。ところがそれに対するちょっとこの法律の裏づけがない。だから規定通り払われていない。これは人間を非常に軽んずるものであって、品物についてはきちんと予算の裏づけがあって、人間については予算の裏づけがついてこない。これは重大な問題だと思うのです。そこで大蔵省の査定されるに当って、この法律規則によるところの当然の費用というものは、これは文句なしにオーケーにならなければならぬと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。
  141. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 御質問の御要点は特に超勤の問題だと思うのでありますが……。
  142. 大倉精一

    大倉精一君 いや、超勤ばかりじゃない、旅費もある。
  143. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 旅費もそうですが、御承知のように法律で、この場合に渡さなければならないというふうな規定がありました場合には、予算がそれにつかないと出ないという状況になるわけであります。逆に申しますと、また必要でない命令が出た場合にも、予算がついておれば出るということになるわけでございますが、過去において、先ほどちょっと私は例を申し上げましたけれども、昭和二十四年、あるいは五年ごろの予算の現状は、皆さんにごらんいただいてもよくおわかりになると思いますが、与えられたる予算を使うために命令を出すということがひんぴんとあったわけでございます。超勤の問題を申し上げて恐縮でございますけれども、私は以前税界におったものでございますが、やはり御承知のように非常に超勤予算が少うございまして、困ったわけでございます。で、結局その予算内で、しかも従来の仕事のやり方をそのままやったのでは、今申したように、どうしても仕事をしたのに超勤がつかぬというような結果になりますが、とにかく五時間もらったならば、五時間の超勤を適切に使うということで管理しようじゃないかということを申し合せまして、五時には万障繰り合して、みんな帰ってもらう、仕事もなるたけそこで切り上げるように、管理官に注意してもらうというふうにしろと指導いたしまして、かなりその点が是正されたと私は思っております。官庁にも、今先生の申された速記者のものとか、あるいは測候所の台風のような特殊のケースもございますように、また一般官庁のように、朝やってくるのは九時か、九時半ごろにぞろぞろやってきて、しかも五時半か六時ごろまで一時間残っておれば超勤がつくと、こういう勤務態勢のところもあるわけであります。この点をほんとうにしっかり引き締あて、ほんとうの必要のある超勤を出していくためには、超勤の予算、法律というものについて、もう少しわれわれも検討しなくちゃならないと思いますが、野放しできるというところもなかなか困難じゃないかと思います。
  144. 大倉精一

    大倉精一君 これはどうもあなたの言われることがどうもふに落ちぬのです。たとえば余分な命令を出して超勤をやる。これは余分な命令を出したのが悪くて、余分な命令にしろ、必要な命令にしろ、超勤という労働の事実は厳然としてこれはあるわけです。これに対して当然のこれは報酬があるわけです。余分な命令を出した人は、これは課長か、部長かしりませんが、それはその人の責任であって、この命令によって働かなきゃならぬ下っ端の方は、その労働に対する報酬がない、こういうことをお金の面で、金銭でそういうことを締め上げていくということは、本末転倒しているのじゃないか。私は、そういう管理は労務管理として別の技術でもってやらなきゃならぬ。労務管理の技術の悪いのを、そいつをこういうようなことでもって、実際働く人に転嫁していくということは、これは私はふに落ちないと思う。そういう不当な命令を出す課長は、これは直ちに降職するなり何なりすりゃいい。そういうようなことは私はどうもふに落ちない。官房長に伺いますが、人件費の余ったものを年度内に一つ何とかして使ってやろうというふうなことがありますか。
  145. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 人件費予算も非常に適切に査定しておられまして、少くとも本年度におきましてはそういう残を見ることはないと思っております。
  146. 大倉精一

    大倉精一君 どうもその辺が、この前の定点観測から尾を引いてきておるのですが、主計官の考え方はどうもぴんとこないところがあるわけですね。私はどうもぴんとこない。それであなたは今の超勤が不足であったことも知らぬ、ああいうことも知らぬとおっしゃるけれども、しろうとの私の方がよくわかっておるのですね。で、肝心の予算を査定されるあなたが知られぬということは、知られずに予算を査定している、これは大へんなことになるのじゃないかと思うのですよ。これはあなたの立場もおありになるから、あなたはいろいろ答弁の言い回しもあるだろうと思いますけれども、しかしそういうことは非常に僕は大事なことだと思うのです。まあ特に人件費の問題は、そういういろいろな解釈なり何なりあるとしましても、定点観測の船とか、あるいは数値予報の予算とか、そういうものを一方的な見解に立って削ってしまうということは、また何か測器検定の法律があるそうですね、気象法というのがあるそうですね。その法律も、予算がないために守られていない。こういうことは私は重要問題だと思うのです。従って私この法律に関する必要な予算というものは、これは文句なしに認めるべきことだと思うのですが、その点はどうでしょうね。
  147. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) おっしゃるように、法律に基く予算は優先的に充当すべきだと思います。ちょっと話が前に戻って恐縮でございますが、予算で法律にきめてあることを縛っておると申しましたのは、先ほど言いましたように、管理者が必要な超勤の場合に必要な超勤命令を出すことは、これはけっこうでございますけれども、必要じゃない超勤、たとえば先ほど申し上げたように、もう少し昼間における能率を上げてそしてしっかりと統制をとるならば、五時までに帰れるやつを、だらだらと管理者がやっておるために、職員が残って仕事をしなければならぬというようなことによって起る問題は、超勤はそういうものにはつかないということで締めていくことによって非常に是正されるのじゃないか、そういう意味で私どもは予算の査定をやっておる、こういう意味で私申し上げたのであります。  それから次の問題で測器の検定等について、率直に申し上げましてむしろその方が先だと思います。そういう経費でありますとか、あるいは通信のための経費でありますとか、そういった現在さしずめ一番困っておる問題について、私といたしましては、在任中にできるだけの努力をいたして拡充いたしたい、こう思っております。
  148. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっと参考までに聞くんですが、今の御答弁もう一ぺんさかのぼるようですが、従来部課長、上司の不必要な超勤命令によって超勤しておった、それは超勤予算の何%ぐらいになりますか。上司が下の者に命令を出して超勤をやらせる、時間外勤務をやらせる。今あなたの答弁で聞くと、それが余分な命令を出すから余分な超勤を払うことになるから、予算でワクをきめれば大体それに縛られる、こうおっしゃったんですが、それも一応いいとして、しからばどれくらいの割合がそういう不必要な超勤であったと御認定ですか。
  149. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 今の問題は各官庁により、あるいは各官庁の下部の組織によって非常に違うかと思います。それから内容も、仕事の内容によって実際に違うかと思います。実際に先生も御承知のことと思いますが、現在の超勤は、大半の官庁が命令を出さずしてやっておるのではないかと私は思うのです。私が以前おりました税界におきましても、そういった改革をやるまではタイム・レコーダーをとにかくカードを入れてゆく、そうしてあとでつける、たとえば部長なり課長が早く帰れば係官だけですから、係官が何時までおったかということは確認されないので、これは非常にいけないので、やはり部下に仕事をさすならば、その上司はその仕事の結果を見届けてから帰るべきだということにいたしまして、私がおったときには全部事前の命令で何時までということをやりましたが、それ以前は全部正しい命令に基く——しかも命令の下で超勤何時間やるという形でなしに、残った人は残っただけタイムを押してゆくということをやっておったようであります。
  150. 大倉精一

    大倉精一君 官房長にお伺いしますが、今主計官のおっしゃったような事実があったとすれば、そういう部下の監督さえできない、指導さえもできない課長や部長は更迭しなければならないと思いますが、そういう人事は今までおやりになっていませんか。
  151. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 超勤の問題は非常にむずかしい問題でございまして、片一方におきましては大蔵省の予算、いろいろ御指摘のようなこともございます。それはどういうことかと申しますと、大体平均いたしまして超勤がついております。しかし役所の仕事におきましては、各局部によりまして非常に忙しい月と閑散な月と、まあ御想像はつくだろうと思います。それも平等に分けるということも一つむずかしい点でございます。特別な超勤をつける、たとえば予算時においては配る、あるいは国会の最盛期におきましては資料その他で必要な場合には超勤を余分に配るというようなことがございますが、そういう予定されておる以外に、各局部におきましては繁閑の差があるわけでございます。それに対して大体年間としての超勤が分けられておるわけでございます。そうした予算的な問題と、もう一つ、人事院規則におきまして、非常に整備いたしましたものをつけるということになっておりますので、この両者を満足させる資料を作るということが必要でございます。それで運輸省におきましてはどういうことをいたしておるかと申しますと、人事課長のときからの例でございますが、一応実際のものをつけておく、余るかどうかということはわからないんですが、実際のものをつけておく。そのほかにそれを見まして今度正規のそういうものに移しかえる。これは各省ともそういうやり方が多いんじゃないかと思っておりまして、そのときにあるいは非常に閑散のときでございますと、超勤の方が余るということもなきにしもあらずでございまして、そういう場合には今まで払い不足のものに払うということをすることは当然でございますが、これも各局課の仕事が年中を通して一緒でない、同じように年ごとに違うというものもありますので、各局課の間に繁閑の差がありまして、得した損したということはあるわけでございますが、一応そういう方向でやっております。それでそれじゃ私なんかも、直接やっておりました場合に、現実に超勤をいたしまして払えなかった場合にどうするかと申しますと、やはりこれはあまりおそくまで働けば、朝君はおそく来ていいよという時間的な点で調整をいたしておるようなことでございまして、現実にまあ課長が勝手に超勤させて、それで超勤を食い過ぎたというような例はまだ具体的に私調査もいたしておりませんので知らないので、その関係で処罰したということはございません。ただ申し添えたいことは、実は運輸省は非常に昨年以来、そういう勤務状態の厳正ということが綱紀の維持に必要であろうと思いまして、まあ私自身お調べ願ってもいいのですが、非常に早く参りまして一応見回っておるというようなことで、勤務自体は割合に私どもの方の省はいいのではないかと確信いたしております。
  152. 大倉精一

    大倉精一君 それで主計官は超勤の何%がむだであったということはおわかりにならないわけですね、大体ほとんどがそうだったというのですが。
  153. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) むだであったと申しますのは過去の問題でございますか。限定をしていただきましたならば、私どもの方でもお答えいたしますが。
  154. 大倉精一

    大倉精一君 過去でも今でもいいです。査定されるときに、たとえば運輸省、あなたの担当されておる……。
  155. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 運輸省につきましては、先ほどお答えいたしましたように、私は現在の予算で官房長もおっしゃいましたように、現在は非常に適正にやっておるように確信いたしております。
  156. 大倉精一

    大倉精一君 要求通りは通ったわけですか、予算は。
  157. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 要求通りといいますよりは、これも各中央官庁、ブロック官庁それから下部の官庁といろいろと基準がございます。その基準ではじいております。そのはじいた金額を適正に使われるか、あるいはラフに使われるかという問題になると思います。それは非常に適正に使われておると思います。
  158. 大倉精一

    大倉精一君 最後にもう一点だけ。この前定点観測の問題について参考人を呼んであなたも聞いておられたと思いますが、だいぶあなたの考え方と違うと思うのですが、あれはどういう工合にお考えになりますか。
  159. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 私ちょっと用事がございまして、三時ごろ参りまして三時ごろからお聞きしておりました。私の率直な感想を申し上げますならば、その三時ごろからもう多少定点に関連した問題の御説明があったようでございますが、その点については、私が昨年査定する際にいろいろと検討いたしました点が十分含まれておったと思います。新しくあそこで私がお聞きしたという問題ではなかったと思います。
  160. 大倉精一

    大倉精一君 速記録を十分読まれまして、定点観測というのはかくのごときものだということをもう一ぺんあなたも一つお調べを願って御返事を願いたいと思います。だいぶ数値予報についても、わずか三千万円のものが全部削られておりますが、この必要性についても、いろいろあのときに述べられておりましたから、十分に一つ速記録をお調べ願って御返事願いたいと思います。
  161. 岩尾一

    説明員(岩尾一君) 速記録が来ましたら、よく勉強させていただきたいと思います。  私は先般も申し上げておりますように、決して定点は不要であるとか、まあ現在各気象台の係の方が御説明になっておることがうそであるとかいうことは考えておらないのでございまして、これは大きな予算査定の技術上の問題になるかと思いますが、たとえば予算を査定いたします場合には、一応閣議で予算編成、まあ今年で言いますと、予算編成大綱を閣議できめられまして、その線に沿って、そういう重点的な問題につきましては、かなり主計官の査定の場合にもそういう含みで見ていくわけでございますが、それ以外に標準予算と申しまして、まあ大体去年と同じ額だというようなものは、もうこれは査定をいたさないでそのまま載っける、そうすると、そういった重点的な経費とそれ以外の差というものは狭まってくるわけでございます。現在の運輸省の予算ではたかだか四、五%ぐらいになるかと思います。で、実際にそれではそういった状況でどの経費を気象台に入れていくかという判断になりますと、どうしてもさらに必要なる経費に入れていくという判断をするよりない、こういうことになります。
  162. 大倉精一

    大倉精一君 まあきょうはこれでやめます。
  163. 木島虎藏

    理事木島虎藏君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時十二分散会