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一松政二君 それに関連して……この問題はさっき聞いたのと同じなのですが、今私は
大倉委員と
海運局長とのやりとりを聞いておっても、さっぱり腑に落ちない。結局、ただ抽象的な
観念論を繰り返しておるにすぎないのであって、結局、具体的に今の
不定期航路と称するもの、そういうものの具体的な例を出してくれなければ、
横浜港の遊覧船か何かを例にとられたって、ほかに取締る
方法が
幾らでもある。水上警察でもなんでも注意を与えて、
航路のどこどこを何時間でというように時間制限をやれば、警察が方々にここは通っちゃいけないとかあそこは通っちゃいけないとかいうことをやっているのと同じで、私はこれは
運送法を
改正してそれを取締るというのは間違っておると思う。取締るなら取締る、別な
考え方で取締る
方法はあると思うのです。もともと私はこの
旅客の
不定期航路事業というそれ自身の解釈ができない。
渡し船ならわかるけれ
ども、
渡し船以上の
不定期航路の
旅客船というのは……。だから、例をもって
一つお示しを願うまでは、それは私はお預けしておきたいと思う。その上であらためて論争しょうと思うのです。
そこで、今の
大倉さんの聞かれた、たとえば
公益あるいは
運送の
秩序を乱すということが、口ぐせのように出るのです。ちょうどこれは去年か一昨年でしたか、タクシーのその
事業範囲を府県単位に限るとかなんとかいうときに、私はひどく論争したのですが、今東京の
事例を見れば、
許可をしたタクシーが、適法に
許可をして、そうしてその辺の経済事情から
交通事情を勘案して、まあ
運輸省の文句に従えば、いかにも合理的に
許可したはずなんです。今ごろになってこのぶざまな
運賃競争をやって、手のつけられないような
状態になるなんていうのは、
許可にしておってすでにこれなんです。ですから、
許可にすれば、
許可した場合には今度は
競争してはいかぬのですか。それからまた適法に現在やっておるものはおそらく三百
幾つかある。それが
許可を
申請をしたならば、これはあなた方はことごとく
許可するだろうと思う。おそらくそうだろうと思う。それが今度は
運賃競争をしたという場合に、
競争しちゃいかぬというわけではございますまいから、
お客が少なければ
運賃競争になる。
お客が多いときには
競争はしません、両方とも満足な
状態にあれば。繁閑というものは、これは人間のわざでどうにもならない。だから、
運賃値下げ
競争のあるときにはこれを
不当競争といい、
競争がなければそれを適正だということは、そいつは景気とか不景気とか、人が輻湊するとか輻湊しないということを、
法律の上でこれを
規制をしようという
観念と、私は
区別することはできない。
法律でもって何でもそういうことができるように思うことは私は間違いじゃないか。だから、
免許を受けないで届出だけでやっておれば非常な
秩序の撹乱になるが、
免許を一応受けてやっておればそれは撹乱にならぬということに
——撹乱という言葉がおかしいのですが、
競争することなんだ。
競争することをあなた方はこれは差しつかえないと思っているに違いないけれ
ども、それがどう違いますかね。経済上実際問題としては、
免許を受けた場合には適法の
競争であって、ただ届出だけでやった場合には、それが
競争した場合には
秩序の撹乱になるというて、一方の
定期船業者が陳情に来られておる、こういうのですが、これは不景気のときには当然これは起ってくると思うのだ。
お客さんの足が減る場合には、けさの新聞かゆうべの夕刊か知りませんが、鉄道が非常にガラあきになってきちゃって、急行を八本も九本も中止するというような
状態を起しておる。
海上においてもそういうことは
シーズンによってはあり得るのですよ。だけれ
ども、それを直ちに何で共倒れになるとか
——共倒れになるほどの大きなやつが
不定期でもって
競争しませんよ。私はもう、だから、そいつはさっきの
不定期事業の具体的な例を見るまでは、これは他日に留保してありますが、
秩序の維持というのと
運送秩序の撹乱という言葉は、あなた方
概念上しょっちゅうお使いになるのですよ、
説明なさるときにですよ。これはどれから先が
不当競争であって、どれから先が適法の
競争であるということは、これは判断つきますか。それをちょっと
旅客課長の
説明を承わりたい。