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説明員(
肥沼寛一君) お答え申し上げます。先ほど岩尾主計官がおっしゃいましたように、昨年の秋からいろいろ折衝があったのでありますが、私も一度お目にかかって
説明したわけでございます。で、先ほど
定点観測を今年落しました五つばかりの理由をおっしゃったようでございますが、確かにこういう事情もあるわけでございます。で、今おっしゃったのは、ただ私どもの
説明が十分でなかったという点で、多少の、これは財政の方の担当者との意見の相違かとも思いますが、ないでもないわけでございます。
最初の、航空が主であるということでございますが、これは確かに、定点は第二次大戦の結果、航空
輸送をやるということで、大西洋で始まったものでございまして、
航空機の回数によって
経費を分担したということであったのであります。ただ、アメリカがあまり多くの
経費を負担するということで、たしか昨年の七月だと思いますが、アメリカは
定点観測は
経費ばかり要って困るから引き揚げるというようなことを発表いたしましたところ、各国で反対いたしまして、それは今までは
航空機が主要であったけれども、
航空機の性能も上ったのであるが、しかし実際この
定点観測を行なってみますと、今までなかった海上の資料が得られるということで、非常に大事だから、これは航空だけの問題ではない、われわれも
経費を分担するから続けてほしいということで、結局のところ、点の数は減少いたしましたけれども、
経費を負担する国はふえまして、たとえばイタリアのごときは全然船を出しておりませんけれども、天気
予報の資料が必要だということで
経費を分担する、そういう事情になったわけでございます。天気
予報の方に重点が移っていった、飛行機の方は性能がよくなってそういう点がなくても飛べるような状態になった、この点の私どもの
説明があるいは足らなかったのではないかと思うのでございます。
それから離島をまず先にやるということでございますが、これも確かにそういうトロントの
会議の結論がございます。そういう意味におきまして、
日本の南の方には幾つかの島がありますから、この島を
強化するということは非常に大事だと思うのでございます。ところが北点は御承知のように北緯三十九度、東経百五十三度でしたかと思いますが、あの点を中心として半径約千
キロのところには何もないのでございます。御承知のように、
日本は島国でございまして、資料があまりない、現在中共の資料も入らない、そういう状況でわれわれどうやら人気
予報を毎日やっておりますのは、
高層の資料があるからでございます。
高層の資料によりまして、およその状況をつかんで、あとは国内の
地方の
観測でこれを補足していくというやり方を現在とっております。そういう意味におきまして、非常に広範囲の、大ざっぱではあるが、しかし変化の
傾向としては間違いないものをつかみたいと、こういう意味におきましては北点がほしい。定点につきましてはいろいろと、
日本海定点が要る、東シナ海の定点がほしいとかいうようなことが新聞紙上に伝えられたわけでございますが、しかし今の財政の状況から見まして、そういうことは実は二の次でございまして、北点一点だけはぜひほしいと利こう思っておるのでございます。この点の
説明も私どもの
説明があるいは不十分だったかと思うのでございます。この定点を
要求いたしましたときの理由といたしましては、海上における資料の正確なものがほしい、それにはスタンダードになるものがないからということが第一でございまして、それは海難に
関係する問題でございます。第二が、今申しましたような気象の基本資料として
高層観測が必要だということでございます。第三は、凶作の問題でございまして、
北方から来る気象の全般の状況をつかみたい、そういうわけでございます。で、私技術の方ばかり担当しておりまして、あまり折衝には——一回行ったわけでございますが、そういう
説明が不十分であったことはあるいはあったかと思うのでございます。で、先ほど主計官のおっしゃったことは、もちろんああいう事情はあるわけでございますが、多少の
説明の不十分だということは、私どもこれは今残念ながらもう少し
説明を詳しくいたすべきであったという気がいたすのでございます。