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内村清次君 私も
派遣議員の一人といたしまして、
現地に行きました。大体今までの
委員の
方々や大臣の御答弁によって私も意を尽しておると考えますが、しかしまだ一、二の点で、これは再確認の意味から、ぜひ一つ大臣から、
責任を持って、これだけのことはやるという再確認の答弁を聞きたいんです。
それは、先ほど
重盛委員の質問の中に、
事故の真因というものは、やはり
中村船長が殉職をされておりまして、どうして左
かじを
命令したかというその点が、これはおそらく
海難審判所で
審判されましても、この点はやはり不可解のままに過ぎはしないかという考えを私たちは持っておるんです。そこでまた大臣は、速度の点も確かに一つの誘因だということで、私たちもその
通り考えております。特にまた
紫雲丸の方はエンジンの停止をやったと申しますけれども、速度はやはり
相当高い速度が出ておる。特に第三
宇高丸は平常速度で行っておるんだから、この点などやはり
相当な影響力があると考えておるのでありまして、そうすると、
舵手の方はおられても、
船長の
命令である以上はやはり
舵手の人はその
命令に従っていくということであるし、それから私たちが少しまだ不安に考えておりまするのは、
レーダーには
両船が約二海里の間に入ったんだ。その後の
処置といたしまして、先ほどの速度の問題もありましょうし、あるいはまた
衝突直前におけるところの
紫雲丸の
船長及び
舵手の操法の問題もありましょうが、そのほかに右げんのほうで警笛を聞いたというので、そこに右げんのほうに聞いた以上は、それが本当の事実であると、全
船員がそういうふうに聞いたというような、あるいはまた全
船員でなくても、その操縦の所にいらっしゃる
方々が聞いたということになれば、それが一つの錯覚になって、
船長が左
かじを命じたというようなことにもなってくるのですが、その点が、これは事実かどうかということは、私たちも実は
関係者の
方々に聞きたかったのですけれども、先ほど
派遣議員の中から言われましたように、真因を突きとめるのが今回の
派遣議員の任務の全体ではなかったわけです。そういう点で問題点は残っておるわけです。
そこで、
運輸大臣が行かれまして、気のつかれたところに、私もこの誘因の第一
原因があると見たのは、
ダイヤの問題です。
ダイヤの問題は、御
承知のごとく、あの十海里の航海の中に、大体平均速度十一キロ乃至十キロで走るとすれば、現在の運行
ダイヤでは、六十五分ないし七十分のほとんどきまった
ダイヤの筋がなされておるのですね。そうすると、行き違いの
地点というものはおのずからわかっておるのです、
海上の問題で。それが第八の
ダイヤ、
紫雲丸の
ダイヤですね、これとそれから第三
宇高丸の
ダイヤの行き違う
地点というものが、この
ダイヤ全体に対して一点だけが、あの
高松寄りのところで、予定
コースの、行き違いの
コースの路線の線上にあるのですね。これは重大な
事故の誘因です。こういうような
ダイヤというものは、技術的にも直ちに改善される問題です。これを
運輸大臣が気がつかれたから、私も先ほどこの点は特に具体的に申し上げたいと思っておりましたが、これは早急に一つ変えていただきたい。しかも
海上においての
ダイヤに
弾力性を持たせて、そうしてああいう行き違いの点が
事故の誘因になるような点を避けて、なるたけ行き違いの点は海面に間隔を持たせてやるということを、至急にこれはやってもらいたいという点が第一点。
それから第二点は、これは
派遣委員の方で
要望いたしました一、二、三点ですね。この三点は、
運輸大臣は確かにこれを引き受けた、こういうふうな、
対策を至急にやるという発言は聞きましたが、しかもまた第二の
機構の問題につきましても、あるいはまたは非常態勢及び警戒態勢というような問題に対しましても、明確に御答弁なさっておりますが、この点は私もぜひ一つ実行してもらいたい。と同時に、しからば長崎
国鉄総裁はこの
責任をとってやめられた。で、今
国鉄総裁の選考中である。そうすると、
運輸大臣はこの
機構の問題に対しましても、あるいはまたは第一要点でございまするところのサービスその他
団体旅客の取扱い等に対しての
国鉄の
名誉回復の問題に対しましても、あるいはまたは第三の要点でございまする
遺家族の補償の問題、いわゆる
遭難者に対するところの補償の問題、こういう重要な問題は、これは長崎総裁のこの辞任の
原因をよくお考えになって、そうして長崎総裁が辞任された後においても、やはり完全にその長崎総裁のやろうと考えておった国民への謝罪というか
責任というか、この面がやはり十分含まれるように、早急に解決をしてもらいたいのですが、問題は、まだ後任総裁が決定しておらないが、
運輸大臣はどういう法制上の権限でこの
対策をやろうとせられるのであるか。この点ははっきり一つ、再確認のために申し上げておきます。