○竹山国務
大臣 お答えをいたします。前段の、ガソリン税を二千円値下げをして、地方道路税四千円をガソリンにかけることはごまかしじゃないかという御
質問でありますが、決してさような
考えでいたしたわけではありません。昨年、御
承知のように、ガソリン税を一万三千円といたしまして、その三分の二を政府の
予算に計上をして、三分の一を地方に譲与をするというのが、前
年度の
予算の建前でありましたが、これには御
承知のように、いろんな論議が起りまして、結局のところ一万三千円のうち
実質的に一万一千円を政府の五カ年
計画の
予算に充当をいたしまして、二千円分を地方の道路費に譲与をいたしたわけでありますが、これは法律的にも制度的にも非常にこんがらかりまして、実際事業を進める上におきましても非常な混乱をいたしましたので、この建前をはっきりいたしますために、今回、前
年度と同じ額の一万一千円を本来のガソリン税といたしまして、政府が収めて、これを五カ年
計画の道路財源といたしますほかに、今申し上げた前
年度の二千円の分と
——お話の
通り、確かに二千円は地方道路税に増徴をいたしまして、合せて四千円の分を地方道路税に移したわけであります。決してごまかす気持はありませんので、昨年の制度をより合理的に調整をいたしたつもりであります。この二千円の増徴につきましては、いろいろ御
意見もあろうかと思いますが、問題は、昨年の実情からいたしましても、政府が道路費を計上いたして、地方に交付をいたしましても、地方財政が非常に窮迫をいたして参りまして、当然
負担すべき地方の
負担分というものが持てない県がだんだんに出て参りまして、予期する道路の改良が
計画通り進みません。こういう事態は将来は直るでありましょうが、ここ一、二年地方財政の窮迫に対処して、一方においては道路の
計画的な改良を一日も早くして、道路利用者のために効果をあらしめるためには、この際といたしましては、延長だけにとらわれないで、五カ年
計画の完遂はくずしませんけれども、その
計画の範囲内におきまして、政府の補助率を一方において引き上げまして、国道につきましては、従来三分の二を四分の三にし、なおその直轄分担金は政府が一応持つことにいたします等、またその次の段階の道路につきましては、従来二分の一でありましたものを三分の二に引き上げまして、これだけでも本
年度予算において、地方の道路
負担は約六十億以上
減額をいたして、道路の事業がやれるようにいたしたほかに、今申す四千円分の約七十二億の地方道路税を新たに創設をいたしましたのは、この七十三億によりまして、政府の意図いたします五カ年
計画の道路の改良はもちろん、その他の小さな道路の改良及び道路の維持、補修等の財源の一部にこれを充てることにいたしたわけでありますから、この両方を合せますと、今
年度は約百三十億以上の分が、地方の道路全体の分におきまして、地方の
負担は軽減をされて、しかも
計画通りの道路の実行をいたす
考えであります。そういうような地方財政の面が起って参りましたので、当時、御
計画をいただいたガソリン税の創設当時のお
考えから見れば、あるいは若干もっとできるじゃないかというお
考えも起りましょうけれども、これはわれわれとしては、道路はできるだけ早くたくさんやりたいのはやまやまでありますけれども、何しろ破綻に瀕しておる地方財政の現実の前には、かような処置をいたさざるを得ないというために、地方道路税を作りまして、道路の改良を促進いたして参りたいと
考えておるようなわけでありまして、この点は業者の諸君にはまことに相済まぬとは思いますけれども、それだけ早く道路の改良が進行いたしますことは、道路利用者の諸君の要求に応ずるわけでありますから、この際は早く道路を直すということで
一つ御了承いただきたいとわれわれとしましては
考えておるようなわけであります。なおガソリン税で全部やることは、当初の意図するところではないというお
考えもよくわれわれはわかるわけでありますが、何しろ今の財政の状況からいたしまして、一般財源から非常に多くの期待を持つということは困難な事態でありますが、しかし全体を見ますと、三十
年度の中央、地方を通じての道路の
予算は約五百億になろうと思うのであります。従って決してこれは全部をガソリン税でやっておるというわけではありませんので、その点は
一つ御了承をいただきたいと思います。
なおガソリン税につきましては、できるだけきっちりやる
意味におきまして、二十九
年度におきましては、当初の
予算よりもガソリン税収入が約三十数億円増す結果になっておりますので、これは一般決算と同様に、決算額の剰余は一年置いて三十一
年度の道路費に計上をする等、できるだけ道路財源の確保には最善の努力をいたして
考えておるような次第であります。