○
周東委員 私はほかの方なら知りません。市井の人が自由の
意見を述べることは勝手であります。しかし、いやしくも一国の
内閣総理大臣が選挙に臨み、また国政を担当する場合の所見として、防衛分担金を削除して内政費に回すということを言われたことは、そう思いつきや勝手に言われたのでは困る。私
どもは先ほ
ども申しましたように、
ほんとうに超党派的にこれの成功を祈ったということは――一萬田さんが一兆円のワクをきめて、いろいろな公約を実行するのにお苦しみになったことは、私は同情する。その際に防衛分担金を減らして、百八十億を内政費に回したということなら、それだけ内政費がふくらむことは当りまえです。それを私
どもも
期待し、
国民も
期待しておった。ところがいろいろのところでおっしゃったけれ
ども、希望を言われたというなら、
総理大臣というものは、希望だけあっちこっちで言えばよいということになる。この席で、
橋本君の
お話によっても、私は非常に遺憾に思いました。
鳩山さんがあの御病躯を押して無理をなさっております。同情申し上げておる。しかし参議院において
ココムを全廃すると言われたが、あれは理想論を言ったので、理想が通らぬときもあるのだというような話をされたのでは困る。
日本の一国の
総理大臣、それが全廃に賛成だと言われた。その賛成の方に
努力するということは裏に含まれておるのです。あなたは政治家でしょう。普通の
そこらの市井の人が演説して、思いつきを言うのとは違うのです。そのことをあなたが
ほんとうに病躯を押して今日やっておられる。とにかく政治家としては、戦前から残っておる政治家なら優秀な方だと思っておる。それがそういうふうな形で、理想論を言うたのだ、思いつきを言うたのだ、できないならおしまいだといったら、だれを信頼して政治をやっていったらよいのですか、私はそれを言うのです。私は今日の
日本の
立場として、一兆円
予算はなかなか苦しいと思います。これをうんとこさ広げろとは言いませんが、ある種の財源はあると思います。そういうときに、一升ますに盛り込むのだということを
鳩山内閣はちゃんと政策としてきめておいでになるのに、それとは別に、あれもやる、これもやるということを勝手におっしゃるから、その跡始末をつけるために御苦労なすっておると思う。しかし今の防衛分担金を削除したものを内政費に回すということは、思いつきであるということではなかろうと思う。おそらくこういうことは
国民の非常な
期待であって、これによってこそ、今度
鳩山内閣はやってくれるであろう、内政費がふえるだろう、こういうことが今度の選挙で非常に響いたと思う。私はいたずらに
政府が宣伝の
内閣であるという、そんな悪口は言いません。実質的にやってもらえばいいと思っておりましたが、実際問題として、おっしゃっておることが現実にできてこない。こういう問題について、よほどお
考えになっていただきたい。その
意味においては、
総理は、
閣僚が担当しているにかかわらず、やはりどうも、何と申しますか、悪口もいやですけれ
ども、軽率に思いつきをおっしゃり過ぎると私は思う。そのものを
あとから
あとから
外務大臣、大蔵大臣がしりぬぐいして歩かなければならぬ。そういう問題については、ほかじゃないのです。
内閣総理大臣というものは、ほかの
閣僚がちょっとやり方が間違ったときに、最後にあなたが修正し、まとめる役なんです。それをあなたが第一線に出てしまっては、間違ったときは、ほかの大臣が直しょうがない、こう私は思うのです。いつかの
外交文書の
取扱いでも、私が伺っておりますと、ドムニッキーが持ってきたものを受け取って何が悪い。そんなことを聞いているのではない。いやしくも
外務大臣というものがあるので、重大な事項については私も聞くが、それは外務商を通じてこい、あなたの
意見というものは、最後には腹にあっても、そう軽々に出さないようにしなければ、
日本の
内閣は不統一になってしまう。そのことは、
内閣はどうなっても、それは問題になりません。しかし
日本の国全体の損じゃありませんか。
ほんとうに今日は危機に臨んでおると私は思う。保守党の危機だ、
日本の国の危機だ、そういう場合に、あれは思いつきを言ったんだ、あれは前とは違うのだと言われてはまことに残念でありますし、せっかく御病躯を押して台閣の首班になり、政治を処理せられておられますあなた、傷をつけないといことがう必要だと私は思っておるのです。しかし、されること、なすことを見ていると、あまりどうもでたらめで、軽率過ぎているのではないかと思うのです。私は重ねて申します。今の、防衛分担金を削除した額は民生費に充てると言われたが、
一つも行かない。それに対してどういうふうな
責任をお感じか、もう一ぺん
お答えを願いたい。