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1955-07-25 第22回国会 衆議院 本会議 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月二十五日(月曜日)     —————————————  議事日程 第四十五号   昭和三十年七月二十五日     午後一時開議  第一 少年院法の一部を改正する法律案内閣提出参議院回付)  第二 地方財政再建促進特別措置法案内閣提出)  第三 地方財政整備に関する特別措置法案加賀田進君外十名提出)  第四 建築士法の一部を改正する法律案参議院提出)  第五 医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案三浦一雄君外四十九名提出)     ————————————— ●本日の会議に付した案件  杉原国務大臣不信任決議案八百板正君外十一名提出)  日程第一 少年院法の一部を改正する法律案内閣提出参議院回付)  少年院法の一部を改正する法律案、本院議決案  日程第二 地方財政再建促進特別措置法案内閣提出)  日程第三 地方財政整備に関する特別措置法案加賀田進君外十名提出)  地方道路譲与税法案内閣提出)  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出)  市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案大矢省三君外四名提出)  日程第四 建築士法の一部を改正する法律案参議院提出)  日程第五 医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案三浦一雄君外四十九名提出)  地方道路税法案内閣提出)  交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出)     午後二時五十七分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  杉原国務大臣不信任決議案八百板正君外十一名提出)(委員会審査省略要求事件
  3. 大石武一

    大石武一君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、八百板正君外十一名提出杉原国務大臣不信任決議案は、提出者要求通り委員会審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  4. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 大石君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  杉原国務大臣不信任決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。渡辺惣蔵君。     〔渡辺惣蔵登壇
  6. 渡辺惣蔵

    渡辺惣蔵君 私は、日本社会党両派を代表いたしまして、杉原国務大臣不信任決議案趣旨弁明を行うものであります。(拍手)  まず、不信任案を朗読いたします。     主文  衆議院は、国務大臣杉原荒太君を信任せす。  右決議する。     〔拍手〕     理由   一 国務大臣杉原荒太君は、防衛関係三法の一部改正法律案及び国防会議構成法案等重要法律案提出しながら、その裏付けとなるべき長期防衛六箇年計画案故意に秘匿し、委員会審議を不可能ならしめた。  二 国務大臣杉原荒太君は、昭和三十年七月二十二日午前十一時内閣委員会において政府提出原案を自ら否定するがごとき発言を行い、委員長よりその速記録全文削除を命ぜられしがごとき失態をあえてした。 以上が不信任案の本文であります。(拍手)  御存じのごとくに、鳩山内閣は、過ぐる総選挙におきまして、総合経済計画樹立と、これに見合う防衛六カ年計画樹立を、天下に公約をしてきたのであります。この長期計画については、すでに吉田前内閣の時代において、MSA援助受け入れの問題と並行して、防衛力増強計画に伴い、必然的に長期防衛計画樹立の必要に迫られて、昭和二十七年の秋ごろから昨二十九年秋にかけまして前後二カ年にわたって、第一次案から第九次案に及ぶ計画案が作られていたことが報道されており、国会におきましてもしばしば論議をかもして参ったところであります。従って、鳩山内閣においても、組閣以来の最も重要なる問題としてこれを取り上げ、三十年度を起点とする経済六カ年計画に見合って、防衛六カ年計画案もまた、すでに本年の三月には一応その成案を得ておると伝えられておったところであります。すなわち、本年度の予算案の編成に当り、防衛分担金の削減問題が重大となりまするや、日米交渉に当って、これを資料としてアメリカ側提出してその了解工作に努めてきたことは歴然たる事実であり、四月十九日のいわゆる日米共同声明こそは、この鳩山内閣防衛六カ年計画案に基いて了解が成立したものであることは、全国民のひとしく知るところであります。(拍手)  しかも、鳩山内閣は、今国会に当り、その非力無能をも省みず、防衛力を増強して一挙に再軍備体制を合法化せんと企てておるのであります。すなわち、今国会において、防衛関係法案を前衛とし、国防会議法案を中核として、憲法調査会法案を頂点とする三位一体の法案通過を強行せんとしておることは、明らかにかかる陰謀に基くものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手アメリカに対しては、その要求されるままに、唯々諾々として、喪家の犬のごとくに尾を振って防衛六カ年計画案提示しながら、国会要求に対しては口を縫して語らず、あくまでもこれを秘匿し隠蔽しようとする態度は、あたかも平清盛が衣の下によろいをちらつかせながら、じゅずをつまぐる態度そのままであって、国民の目をおおい、侮辱するもはなはだしい政治的背信行為であると言わざるを得ないのであります。(拍手)  従って、内閣委員会においては、防衛関係法案提出せられるや、その冒頭から防衛六カ年計画案提示要求し、鳩山首相の出席も要求いたしまして、前後十数時間にわたって異例の質疑を行い、さらに、杉原国務大臣に対しては、委員会のたびに、機会あるごとに、これをただしてきたのでありまするけれども、いわゆるコンニャク問答どころか、聞けば聞くほど複雑怪奇なる言辞を弄して、その場その場の切り抜けだけを策してきたのであります。かくのごとき政府の不誠意のために、六月十六日の委員会においては、第一に自由党江崎君の質疑をめぐって混乱を起し、ついで七月十日、十一日の二日間にわたって、自由党大橋君等の質疑を中心として再び大混乱を引き起しておるのであります。保守政党としては、民主党自由党は同床異夢の関係にあるはずでありますが、その自由党委員でさえ、かくのごとく防衛六カ年計画案提示を執拗に要求してきたにもかかわらず、政府はいささかも反省の態度を示さず、ついに、七月二十二日の内閣委員会においては、国防会議法案質疑の途中において、杉原国務大臣発言に端を発して、三たび大混乱に陥ってしまったのであります。ここに内閣委員会審議は全く不可能となり、ついに杉原国務大臣不信任案提出にまで発展してしまったわけでございます。  すなわち、杉原国務大臣不信任案提出の直接の動機となりました問題は、国防会議法案質疑に際しまして、政府提出原案においては、国防会議議員民間人から五名加えることになっているものを、何ら国会審議にかけることなく、民自両党幹部間の話し合いによってこれを削除することをきめておきながら、このやみ取引を合法化せんとして、民間から選任する五名の議員を勝手に除外して答弁するに至ったのであります。この政府提出原案の食い違いを委員から追及され、委員長から発言全部の速記録からの削除を命ぜられ、しかも一言の弁明もなくこれに服するに至っては、国務大臣としての責任と面目いずこにありやと言わなければならぬのであります。(拍手)  杉原国務大臣は、個人としてはまことにりっぱな人でありますが、政治家としても国務大臣としても経験が浅く、しかも、少数与党弱体内閣のもとに、かかる重大なる責任を背負わされておるということは、まことに気の毒にたえないところであり、心から同情の念を禁じ得ないのでございます。しかも、内閣委員会の席上において、防衛関係法案討論に際して、与党たる民主党委員からさえ、杉原国務大臣は、アメリカに対してはネコのごとく国民に対してはトラのごとしだと断ぜられておるのであります。今ここに不信任案の上程を見るまでもなく、みずから責任を感じて、いさぎよく自発的に国務大臣を辞任されることこそが、政治家としての公明なる態度であると信ずるのであります。(拍手)  われわれは、今日に至るまで、終始一貫、あらゆる忍耐と努力をもって国政審議に当って参りましたが、かかる無責任にして不見識なる国務大臣のもとにおきまして、国家と民族の運命を左右し支配するこの重大なる再軍備関係法案を、もはや一刻たりとも審議することはできないのであります。  ここに、杉原国務大臣不信任案提出し、あえて議員各位良識に訴え、御賛同を要望する次第であります。(拍手
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより討論に入ります。高橋禎一君。     〔高橋禎一登壇
  8. 高橋禎一

    高橋禎一君 私は、ただいま議題となっております杉原国務大臣不信任案について、日本民主党を代表いたしまして反対討論を行い、同不信任案はすみやかに否決さるべきものであるということの理由を鮮明いたさんとするものでございます。(拍手)  本不信任案理由としての言い分を承わりますと、第一は、杉原国務大臣長期防衛六カ年計画案故意に秘匿し、内閣委員会における防衛庁関係法案等審議を不可能ならしめたというにあるのであります。しかし、その現実はいかがかと申しますと、防衛庁関係法案は、ともかく、過日、内閣委員会はもちろん、本会議においても審議が終了いたしまして、しかも可決され、目下参議院において審議中であるのでございます。この争えない事実は、言われるごとく防衛庁関係法案審議を不可能ならしめたものでなかったことを証明しておると思うものであります。(拍手)もし、それ、国防会議構成法案審議のごときに至りましては、政府もさらに一段の真剣なる努力を要することはもちろんでございますけれども社会党両派の方においても、この際お考え直しを願わなければならぬ点があるように私は考える次第であります。故意か誤解か、それは私どものせんさくしようとするところではございませんけれども、全くこの点においては事実に反することが主張されておるものでございまして、これだけのことは、ここに特に強調しておかなければならぬと思うものであります。  また、社会党両派方々は、いかにも杉原国務大臣防衛六カ年計画故意に秘匿した、かように論難されるのでありますが、私はこれもまた大きな誤まりであることをかたく信ずるものであります。もちろん、私どもも、日本防衛重要性から考えまして、この態勢確立のために長期計画必要性を痛感しておるものであります。また、野党各派におかれてもそれを明らかにしたいと思われますことは、まことに当然であると存ずるのであります。しかしながら、政府においては、経済自立六カ年計画に符合する防衛六カ年計画樹立すべく、目下せっかく鋭意努力中であって、今のところでは直ちに国会提示、報告する程度に達していない、できるだけ早く作ってそれを国会提示するというのであります。杉原国務大臣はこの事実を事実通りに説明いたしておるにすぎないものと私ども考えておるのでございます。(拍手故意に秘匿しているのではなく、まだでき上っていないと言うのであります。ないものを出せと追及されておるのが今の杉原さんの立場であると存じます。私どもは、この際は、近い将来において、政府の手により、りっぱな長期防衛計画が策定されまして、発表の運びに至ることを期待しつつ、諸般の情勢上、杉原国務大臣立場理解を与え、その言うところを了とせんとするものであります。しかるに、提案者は、現在の段階において、この事態をとらえ、確たる証拠に基かないで、故意に秘匿したものと断じて、これを弾劾せんとするものでありますが、それは少しく軽率ではないかと考えるものでございまして、私どものとうてい左袒し得ないところでございます。(拍手)  提案第二の理由は、本月二十二日の内閣委員会における杉原国務大臣発言と、これに関連するできごとを取り上げておるのでありますが、これは両派社会党内閣委員各位におかれてもすでに了解済みのものでありまして、内閣委員会においては、両派社会党をも含め、各委員の健全なる良識に基いて、自主的に、かつ民主的に、杉原国務大臣をこの点について追及しないという結論を得て、委員会は円滑に議事を進めていたのでございます。しかるところ、まことに青天のへきれきのごとく、われわれの夢想だもしなかった、すでに円満に解決済みのこの問題を蒸し返して、しかも内閣委員会審議を進捗せしめんとする念願からどこまでも協調の態度に出た杉原国務大臣  一人のみを取り上げてこれを問責せんとするは、信義の上から考えましても、また議会運営ル—ルの点から見ましても、賛成いたしかねるところであります。(拍手)  次に、われわれは、国権の最高機関たる国会構成する者といたしまして、国家全体の奉仕者として、しかも誠実に職責を全うして国民の負託にこたえなければならぬことを反省するものでございますが、それゆえに、われわれは、国会活動はいわゆる信義誠実の原則に適合するものでなければならぬことを確信するものであります。かかる見地に立って本案について考えてみますと、私のはなはだ遺憾に存じますことは、本案提出動機についてでございます。有力なる新聞数紙の報ずるところによりますと、杉原国務大臣不信任案について自由党は同調しないものと見られ、結局は不成立となろうが、両派社会党は、これにより、あくまでも国防会議構成法案憲法調査会法案の阻止をねらっており、同不信任案提出によって内閣委員会審議を中止させ、二十六日衆議院通過予定にある国防会議構成法案を二十八、九日ころまで延期させ、今期会期の再延長を阻止して参議院審議期間をなくし、事実上の審議未了に持ち込もうとするものと見られるというのであります、これは私の考えではございません。新聞紙の報道するところでございますが、これは、おそらく、国民大衆がこの不信任案提出により受けた印象であり、国民の常識による結論であるとも思うものであります。(拍手)  私は、ここに、民主政治国民良識を尊ぶ政治であることを意義深く想起するものでございます。国民良識に基く判断が、本不信任案提出動機について上述のごとく結論づけるものといたしますと、本案に関する社会党両派の行動は、国民の眼から見れば、いわゆる信義誠実の原則に反するものであると言われても弁解の辞は見出せないのではなかろうかと思うのでございます。(拍手)あまつさえ、これは国防問題を政争の具に供するがごとき悲しむべき印象を国内外に与えまして、これによりまする損失の少くないことを思わしむるものでありまして、この点はまことに遺憾に存する次第であります。  本案は、かかる見解からいたしまして、この際訴訟法の用語をかりて表現することを許していただきますれば、訴え棄却の裁判を下さるべきものでございまして、われわれは、上述のごとき的はずれの意図のもとに提出された疑いの濃厚なる本案の成立には断じて反対せざるを得ないのでございます。(拍手)  私は、最後に、誠心誠意提案者側である両派社会党諸君のお考え直しをこの際促しますると同時に、自由党その他の方々に対しまして、不信任案反対の私の所論に御賛同を賜わらんことを衷心切望いたしまして、討論を終る次第でございます。(拍手
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 田原春次君。     〔田原春次登壇
  10. 田原春次

    田原春次君 私は、ただいま提案になっております杉原国務大臣不信任案に対して賛成するものであります。以下、日本社会党を代表し、その理由を申し上げます。  第一点は、防衛六カ年計画国民に示さずしてアメリカにのみ示したのは国会軽視であるという点であります。(拍手)私は、事実に基いて、杉原国務大臣委員会における答弁の経過を紹介し、その内容秘匿の事実をここに御紹介したいと思うのであります。  第一は、三月二十六日の内閣委員会におきまして、下川委員への答弁の中に、杉原さんはこう言ってお七ます。防衛六カ年計画を示すのが国民への理解を深めるためぜひ必要と信じ、そうやっていこうと思っております、こう言っております。第二は、同じ日に、中村高委員質問に対して、次のように答えております。先ほども申しましたごとく防衛六カ年計画を立て、年々そこに行くまで漸増していきます、それから、五、六カ年先はどの程度のものか、大体の見当をつけてやっていきたい、またそれはアメリカ軍撤退一つの目途としておりますと答えておるのであります。続いて第三は、三月三十一日、茜ケ久保委員への答弁であります。これには、この前ちょっと申したるごとく防衛六カ年計画も実はそういう点に重点を置いておりますと答え、同時に、自由党江崎委員へも、同じように六カ年計画のあることを答弁しておるのでございます。第四回は、七月一日に、自由党大橋委員に対しての答弁の中で、来年は二万人ふやします。次はどうするかという質問、毎年々々ふやして二十万人か三十万人にもなるのかという質問に対しての答えの中に、とりあえず十五万人であるが、これでも不足であります、来年も来々年もふやしますという漸増計画を言うたのでございます。続いて第五は、七月五日に、下川委員への答弁の中に、この防衛六カ年計画におきまして重要な一つのねらいはアメリカ軍撤退でありますと答えておるのであります。第六点、七月十一日には、自由党松野さんから、こういう意味質問がありました。予算外国庫負担契約で、三十一年度と三十二年度に航空機船舶建造計画を出しておるが、六カ年計画発表ができぬならば、せめてその前半の三年計画でも発表してくれないか、すなわち、来年と再来年の航空機だけは決定しておるのだから、その他の陸上等予定を知らしてくれという非常に親切な質問である。ところが、これに対しまして、杉原さんいわく、この航空機及び船舶建造計画は、六年計画の一部でありまして、全部ではございませんと言うだけでありまして、内容答弁を拒否し、前半三年計画でさえもやはり拒否したのであります。ところが、皮肉にも、すでに、これらの答弁をやっておりますずっと以前に、日本政府は、アメリカに対しましては、駐米井口大使をして防衛六カ年計画を示しておったということが、公文で明らかになっておるのであります。(拍手)  以上の点から見ますと、国会においてはほんとうを言わないということでありますけれども最初は言うつもりであったのであります。三月二十六日には、六年計画発表するというふうに言っておるのであります。三月三十一日にも言っておるのであります。七月以後、答弁がだんだん怪しくなりまして、言葉としては防衛六カ年計画という言葉を使っておりますが、内容をついに拒否し続けたのでありまして、これには’さすがに保守友党的精神に燃えております自由党諸君をはなはだしく憤激せしめたのでございます。(拍手)  第二点は、国防会議法案に対する無届修正という国会軽視の事実でございます。第一点、六月十六日の内閣委員会におきまして、鈴木義男委員質問に対しまして、杉原長官答えていわく、国防会議民間人を加えるということは非常に慎重に検討した結果であり、大所高所より広い視野民間から五人以内を加えることにいたしましたと、こう答えておるのであります。そうして、七月二十二日に、自由党福井委員からの質問、それは、自由党民主党の四者会談において、この国防会議法案の中に民間人を加えるという点を削った相談があるが、これをどう思うかという意味から質問したのであります。これに対しまして、杉原さんは、そういうお考えを尊重しますと言っている。およそ、政府国会原案を出しました場合は、最後の瞬間までその原案を固執し、そこに修正案が出まして、敗れた後において、総辞職をするか、あるいは賛成するか、二つしか方法はないのである。ところが、待合であったかどこか知りませんが、自由党民主党の四者会談民間人を入れぬということを相談したという情報に対しまして、飛びつくがごとくに飛びついて、尊重しますという態度は、これは全く国会審議を形式的にも実質的にも軽視するものである。(拍手)  こうなりますと、それではどういう形になるかということを想像いたしますと、国防会議構成は、総理大臣と副総理大臣は、外務大臣大蔵大臣防衛庁長官が入っております。これに民間人を五人以内入れるというのが削られますと、つまり、の五人だけの会議になります。これらが、どの国を目標に戦争する、あるいは大砲を何丁作る、飛行機はどうする、あるいはそのときの兵隊の食糧はどうする、何で運ぶという、つまり相談をするのであります。そうなると、当然に、輸送力については運輸大臣意見を聞かなければならぬでしょう。食糧増産については農林大臣意見を聞かなければなりません。あるいは、防衛生産については通商産業大臣意見を聞かなければならぬ、あるいは、労働問題では労働大臣意見を聞かなければならぬ、のであります。もし民間人を入れずに五人だけ残った場合を想像しますと、閣議におきまして、これから国防会議をやるから、その他の二等大臣は外へ出ろということになるでしょう。通産大臣以下十数人の大臣は、あの首相官邸の廊下をうろうろしなければならぬという格好になるのであります。(拍手)これは、総理大臣が任命します運輸通産農林労働等大臣を信用せず、お前たちは外へ出ろという怪しげな格好にしてまで、なぜ一体国防会議法というものをやらなければならぬかというところに、われわれは大きな疑問を持っているのである。(拍手)これでは、慎重に大所高所から広い視野で人を求めると言いながら、低いところで狭い視野で人を求める格好になるのでありまして、杉原さんのお得意の慎重論は、これで消えてしまう。これは、要するに、国防が大事ではなくて、政権維持が大事でありますために、政権を維持するためには、せっかく出した民間人五人を入れる案も引っ込めましょうというのでありまして、国防に対する重大な冒涜と、おそらく辻委員は憤慨しておると私は想像するのでございます。(拍手)  なお、また、これらの委員会答弁で、不穏当なりといたしまして、委員長から大臣答弁全文が削られております。私はあまり調べてみてはおりませんが、大臣国会における答弁全文速記録から削られるという例は、杉原さんが最初ではないかと思います。こういう悪例を残すということも、要するに、国会答弁は削られても国防会議法案が通過すればいいという、いわゆる国会軽視であると言わざるを得ません。  本日のこの討論自由党からの討論者は出ないということでありますが、これはいろいろ御苦心のあるところと想像はできるのであります。(拍手)私は、江崎委員松野委員大橋委員、また福井委員等々の熱心なる質疑を聞いて、さだめし杉原国務大臣に対する不信任案には賛成できるものと確信しております。そこで、一つ方法といたしましては、討論が終結いたしまして採決になりまするが、どうかその際自由党の皆さんはこぞって御退席になることによってこの決議案を通していただくようお願いを申し上げまして、私の討論を終ります。(拍手
  11. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。この採決記名投票をもって行います。八百板正君外十一名提出杉原国務大臣不信任決議案に賛成の諸君白票反対諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣開鎖。  投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  13. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読〕  投票総数 三百六十   可とする者(白票)  百三十二     〔拍手〕   否とする者(青票)  二百二十八     〔拍手
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 右の結果、八百板正君外十一名提出杉原国務大臣不信任決議案は否決されました。(拍手)  八百板正君外十一名提出杉原国務大臣不信任決議案を可とする議員の氏名    阿部 五郎君  青野 武一君    赤路 友藏君  赤松  勇君   茜ケ久保重光君  飛鳥田一雄君    有馬 糧武君  井岡 大治君    井手 以誠君  伊藤 好道君    猪俣 浩三君  石橋 政嗣君    石村 英雄君  稻村 隆一君    岡本 隆一君  加賀 田進君    加藤 清二君  片島  港君    勝間田清一君  上林與市郎君    川村 継義君  河野  正君    木原津與志君  北山 愛郎君    久保田鶴松君  栗原 俊夫君    五島 虎雄君  佐々木更三君    佐藤觀次郎君  坂本 泰良君    櫻井 奎夫君  志村 茂治君    島上善五郎君  下川儀太郎君    下平 正一君  鈴木茂三郎君    田中 武夫君  田中 稔男君    多賀谷真稔君  高津 正道君    滝井 義高君  楯 兼次郎君    辻原 弘市君  中村 英男君    永井勝次郎君  成田 知巳君    西村 力弥君  野原  覺君    芳賀  貢君  長谷川 保君    原   茂君  原   彪君    福田 昌子君  古屋 貞雄君    帆足  計君  穗積 七郎君    細迫 兼光君  正太  清君    松原喜之次君  三鍋 義三君    武藤運十郎君  森 三樹二君    森島 守人君  森本  靖君    八木 一男君  八木  昇君    安平 鹿一君  柳田 秀一君    山口丈太郎君  山崎 始男君    山田 長司君  山花 秀雄君    山本 幸一君  横錢 重吉君    横路 節雄君  横山 利秋君    和田 博雄君  渡辺 惣蔵君    井上 良二君  井堀 繁雄君    伊瀬幸太郎君  伊藤卯四郎君    池田 禎治君  今澄  勇君    受田 新吉君  大西 正道君    大矢 省三君  春日 一幸君    片山  哲君  川島 金次君    川俣 清音君  河上丈太郎君    菊地養之輔君  小牧 次生君    河野  密君  佐々木良作君    佐竹 新市君  杉山元治郎君    田中幾三郎君  田中 利勝君    田原 春次君  田万 廣文君    竹谷源太郎君  中井徳次郎君    中崎  敏君  中島  巖君    中村 高一君  中村 時雄君    西尾 末廣君  西村 榮一君    西村 彰一君  日野 吉夫君    平岡忠次郎君  平田 ヒデ君    細田 綱吉君  前田榮之助君    松井 政吉君  松尾トシ子君    松岡 駒吉君  松前 重義君    三宅 正一君  三輪 壽壯君    門司  亮君  矢尾喜三郎君    山口シヅエ君  山下 榮二君    吉川 兼光君  吉田 賢一君    石野 久男君  岡田 春夫君    小山  亮君  中原 健次君  否とする議員の氏名    阿左美廣治君  赤城 宗徳君    赤澤 正道君  秋田 大助君    有田 喜一君  有馬 英治君    五十嵐吉藏君  井出一太郎君    伊東 隆治君  池田 清志君    池田正之輔君  石坂  繁君    石田 博英君  萬田 尚登君    稻葉  修君  今井  耕君    今松 治郎君  宇田 耕一君    宇都宮徳馬君  植原悦二郎君    植村 武一君  臼井 荘一君    遠藤 三郎君  小笠 公韶君    小川 半次君  大姉 唯男君    大石 武一君 大久保留次郎君    大倉 三郎君  大高  康君    大橋 忠一君  大村 清一君    岡崎 英城君  荻野 豊平君    加藤 高藏君  加藤常太郎君    上林山榮吉君  亀山 孝一君    唐澤 俊樹君  川崎末五郎君    川崎 秀二君  川島正次郎君    菅  太郎君  木崎 茂男君    木村 文男君  菊池 義郎君    岸  信介君  北  吟吉君    北村徳太郎君  清瀬 一郎君    草野一郎平君  小泉 純也君    小枝 一雄君  小島 徹三君    河野 一郎君  河本 敏夫君    高村 坂彦君  佐々木秀世君    佐伯 宗義君  櫻内 義雄君    笹本  雄君  笹山茂太郎君    薩摩 雄次君  志賀健次郎君    椎熊 三郎君  椎名悦三郎君    椎名  隆君  重政 誠之君    重光  葵君  島村 一郎君    正力松太郎君  白浜 仁吉君    須磨彌吉郎君  杉浦 武雄君    砂田 重政君  世耕 弘一君    園田  直君  田中 龍夫君    田中 久雄君  高岡 大輔君    高木 松吉君  高碕達之助君    高瀬  傳君  高橋 禎一君    高見 三郎君  竹内 俊吉君    竹山祐太郎君  千葉 三郎君    辻  政信君  渡海元三郎君    徳田與吉郎君  床次 徳二君    内藤 友明君  中川 俊思君    中嶋 太郎君  中曽根康弘君    中村 梅吉君  中村三之丞君    中村 寅太君  中村庸一郎君    中山 榮一君  永田 亮一君    長井  源君  夏堀源三郎君    並木 芳雄君  楢橋  渡君    南條 徳男君  摂本龍太郎君    野田 武夫君  長谷川四郎君    鳩山 一郎君  花村 四郎君    濱地 文平君  濱野 清吾君    早川  崇君  林  唯義君    林   傳君  原  捻思君    平塚常次郎君  廣川 引禪君    廣瀬 正雄君  福田 赳夫君    藤枝 泉介君  藤本 捨助君    淵上房太郎君  場古井喜實君    古島 義英君  保科善四郎君    坊  秀男君  堀内 一雄君    本名  武君  眞崎 勝次君    眞鍋 儀十君  前田房之助君    牧野 良三君  松浦周太郎君    松浦 東介君  松岡 松平君    松澤 雄藏君  松田 鐵藏君    松永  東君  松村 謙三君    松本 瀧藏君  三浦 一雄君    三木 武夫君  三田村武夫君    宮澤 胤勇君  村松 久義君    粟山  博君  森   清君    森下 國雄君  森山 欽司君    山手 滿男君  山村新治郎君    山本 勝市君  山本 粂吉君    山本 利壽君  横井 太郎君   米田 吉盛君 早稻田柳右エ門君    相川 勝六君  青木  正君    荒舩清十郎君  生田 宏一君    犬養  健君  植木庚子郎君    内田 常雄君  江崎 真澄君   小笠原三九郎君 小笠原八十美君    小澤佐重喜君  越智  茂君    大島 秀一君  大坪 保雄君    大平 正芳君  太田 正孝君    加藤 精三君  加藤鐐五郎君    鹿野 彦吉君  川野 芳滿君    川村善八郎君  北澤 直吉君    熊谷 憲一君  倉石 忠雄君    小金 義照君  小平 久雄君    小林  郁君  小林かなえ君    周東 英雄君  鈴木 直人君    薄田 美朝君  瀬戸山三男君    蘭谷 勝利君  田子 一民君    田中 角榮君  田中 正巳君    田村 一元君  高橘  等君    竹尾  弌君  塚田十一郎君    塚原 俊郎君  徳安 實藏君    中山 マサ君  仲川房弐郎君    永山 忠則君  灘尾 弘吉君    二階堂 進君  西村 直己君    野澤 清人君  馬場 元治君    八田 貞義君  福井 順一君    福永 一臣君  福永 健司君    船田  中君  古川 丈吉君    保利  茂君  堀川 恭平君    前尾繁三郎君  水田三喜男君    南  好雄君  村上  勇君    山崎  巖君  山下 春江君    山中 貞則君  山本 友一君    横川 重次君  吉田 重延君      ————◇—————
  15. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第一、少年院法の一部を改正する法律案参議院回付案を議題といたします。
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。     〔起立者なし〕
  17. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立者はありません。よって参議院の修正に同意せざることに決しました。      ————◇—————  少年院法の一部を改正する法律案、   本院議決案
  18. 大石武一

    大石武一君 憲法第五十九条第二項に基いて再議決のため、少年院法の一部を改正する法律案の本院議決案議題とせられんことを望みます。
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 大石君の動議異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって少年院法の一部を改正する法律案の本院議決案議題といたします。  直ちに採決いたします。本案はさきに本院において議決の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  21. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立総員。よって本案はさきの議決の通り可決せられました。(拍手)      ————◇—————  第二 地方財政再建促進特別措置法案内閣提出)  第三 地方財政整備に関する特別措置法案加賀田進君外十名提出)  地方道路譲与税法案内閣提出)  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出)  市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案大矢省三君外四名提出
  22. 大石武一

    大石武一君 議事日程追加の緊急勧議を提出いたします。すなわち、日程第二及び第三とともに、内閣提出地方道路譲与税法案地方交付税法の一部を改正する法律案地方税法の一部を改正する法律案、及び、大矢省三君外四名提出市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案を追加して、大案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  23. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 大石君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  日程第二、地方財政再建促進特別措置法案日程第三、地方財政整備に関する特別措置法案地方道路譲与税法案地方交付税法の一部を改正する法律案地方税法の一部を改正する法律案市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案、右六案を一括して議題といたします。委員長の報告を求法ます。地方行政委員長大矢省三君。     〔大矢省三登壇
  25. 大矢省三

    大矢省三君 ただいま議題となりました地方財政再建促進特別措置法案並びに地方財政整備に関する特別措置法案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果の概要を一括して御報告申し上げます。  地方財政の窮乏は逐年深刻の度を加え、昭和二十八年度決算において赤字となった地方公共団体は千七百二十四団体、その赤字総額は四百六十二億円の膨大なものとなり、昭和二十九年度においてさらに百敷十億円の増加が推計される状況であるのであります。この累増する赤字を解消するためには、地方行財政制度並びに運営の全般にわたり抜本的な改善を加え、地方財政計画の適正化をはかるとともに、既存の赤字の解消整理を断行することが絶対に必要なのであります。  すでに、一昨年、第十六回国会において、本委員会地方財政再建整備法案を立案しましたが、財源の問題で成立を見るに至らず、また地方制度調査会の答申もほぼ同様の構想でありましたが、政府の取り上げるところとならなかったのであります。今般、政府もその必要を認め、地方財政再建促進特別措置法案提出いたしたのであります。また、両派社会党がこの政府提出案とは別個に共同して提案されましたものが、地方財政整備に関する特別措置法案であります。  御承知のごとく政府提出法案内容は、昭和二十九年度の決算において赤字の地方公共団体に対して、その団体が自主的に樹立する財政再建計画に基き、赤字補てんのための地方債の発行を認め、その計画実施の完遂を確保するための諸種の規制ないし制限を規定しておるものであります。なお、その財源は、再建債として政府資金五十億円、公募資金として百五十億円、ほかに再建に伴う退職手当の財源として三十億円の政府資金並びに本年度分の利子補給として七千五百万円を予定しております。  本法案は、去る六月十四日本会議に上程せられて質疑が行われ、さらに同日本委員会に付託されて、翌十五日川島国務大臣より提案理由の説明を聴取し、自来、昭和三十年度の地方財政計画、あるいは地方財政交付金法改正案その他の諸法案とも関連して質疑が行われ、七月十二日には地方自治法改正案ともに本法案についても参考人の意見を聴取し、同二十日には文教委員会と連合審査会を開くなど、慎重な審議が行われたのであります。その内容の詳細は会議録に譲ることにいたします。  かくて、二十一日、本案に対して鈴木直人君外十八名提出の自由、民主両党の共同修正案提出され、提案者より提案理由の説明を聴取し、かつ本修正案に対する政府意見が賛成であることを確かめました後、原案をあわせて議題に供したのであります。  修正案内容は、お手元に配付された文書によって御了承をお願いしますが、その要旨とするところは、地方公共団体の自主性を尊重して、自発的の意欲を促進し、地方財政に対する制圧と負担を緩和して、特に再建債については、年三分五厘をこえるところの部分について五分を限度として利子補給を行う等の措置を講じ、その他地方公共団体の財政負担軽減をはかったことであります。  次に、加賀田進君外十名提出両派社会党の共同提案による地方財政整備に関する特別措置法案内容の要点は、財政整備計画は、五年間に収支の均衡を回復することを目標として、財政整備の起債は、政府資金三百五十億円、公募債五十億円、合計四百億円とし、公募債は昭和三十年度以降すみやかに政府資金に切りかえることとし、財政整備債に対し年六分五厘の利子補給を国が行い、政府資金によるものは三年据え置き、自後十年間に元利償還するものとし、なお、財政整備団体に対しては、自治庁長官の監査及び必要な勧告並びに報告提出の義務を規定するほかは、特別な制限を加えないことにするものであります。  二十三日、政府提出原案並びに修正案及び両派社会党提出法案に対する質疑を終了し、引き続き討論に入り、古井委員は、民主党を代表して、両派社会党提出法案に対して反対政府原案に対する修正案並びに修正案を除きたる原案に対して賛成、鈴木委員は、自由党を代表して、両派社会党提出法案に対して反対政府原案に対する修正案並びに修正案を除きたる原案に対して賛成、北山委員は、日本社会党を代表して、両派社会党提出法案に対して賛成、政府原案に対する修正案並びに修正案を除きたる原案に対して反対、門司委員は、日本社会党を代表して、両派社会党提出法案に対して賛成、政府原案に対する修正案並びに修正案を除きたる原案反対の、それぞれ意見を述べられました。  次いで採決に入り、両派社会党提出案は賛成少数にて否決せられ、政府原案に対する修正案並びに修正案を除きたる原案は賛成多数にて可決され、よって政府提出法案は修正議決すべきものと決せられました。  次に、地方道路譲与税法案につき御報告申し上げます。  御承知のごとく、一昨年、国は、道路整備五カ年計画を強力に推進するため、揮発油税による収入をすべてその財源に充当する方針を定めたのでありますが、一方、地方団体の道路費の負担がますます過重となる実情をも考慮して、揮発油税収入の三分の一を都道府県及び五大市に付与して道路費の財源に充当させる揮発油譲与税制度を実施いたしたのであります。しかしながら、この制度を恒久化するためには、国の道路財源との間の調整に相当困難な問題があるので、これを昭和二十九年度限りとし、本法案提出されたのであります。  その骨子は、揮発油に対して従来の揮発油税のほかに新たに地方道路税を課することとし、その収入の総額を、都道府県及び五大市に、おおむねその区域内の国道及び都道府県道の面積を基準として譲与し、これを自主的に道路費一般の財源として使用せしめようとするものであります。  本法案については、去る五月十三日提案理由の説明を聴取し、五月二十四日以降三回にわたり、地方道路税法案との関連において、大蔵、建設、運輸の各委員会と連合審査会を開き、審議に慎重を期したのであります。  このほど、地方道路税法案については、税率引き下げの修正が行われ、別途、本年度についての経過規定が設けられた結果、本年度の本譲与税総額七十三億円がほぼ確保できる見通しとなりました。  本二十五日、本案質疑を終了、討論を省略し、採決の結果、全員一致可決しました。  次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。  本案内容の概要は、第一に、特別交付税の総額を地方交付税の総額の百分の八とし、いかなる事情があってもこの総額を減額し得ざるものと改正することであります。第二に、各地方団体に交付すべき地方交付税の額の算定方法を一そう適正合理化することであります。第三に、昭和三十年度に限り、各地方団体に交付すべき交付税の額を算定する場合、たばこ專売益金から交付税及び譲与税配付金特別会計の中に納付される三十億円を地方交付税の総額に加えることにいたし、この三十億円は、たばこ專売特別地方配付金として、各地方団体に配付するものとすることであります。  本法案は、五月二十七日提案理由の説明を聴取し、引き続き審議に入りましたが、その詳細は会議録によって御了承を願いたいのであります。  かくて、本日質疑を終了し、討論省略、採決に入り、賛成多数をもって可決すべきものと決しました。  次に、地方税法の一部を改正する法律案につき御報告申し上げます。  本法案は、昨年第十九回国会において大改正を加えられた地方税制度のその後の運用状況並びに国民負担の現況にかんがみ、主として租税負担の均衡化をはかり、税務行政の簡素化を期するため、若干の改正を行わんとするものであります。  本法案につきましては、その後国庫予算修正に伴う内閣修正が加えられましたが、内容の主要な点を申し上げますと、道府県民税及び市町村民税について、国税の減税に伴う地方税の減税を可及的に避けるための税率調整を行い、事業税について個人事業税の基礎控除の額を引き上げ、損害保険事業に対する課税方式を外形標準に改め、固定資産税についで土地及び家屋の評価価格を一定期間据え置くこととし、自動車税について、地方道路税創設に伴う負担の均衡を考慮して、揮発油を燃料とする以外の自動車に対する税率を引き上げ、たばこ消費税について来年度より税率の合理化をはかり、大規模償却資産に対する固定資産税の課税限度額につき激変緩和の措置を講じ、また市町村の廃置分合に伴う課税権承継の規定を設けるなどのほか、罰則の緩和その他の規定の整備を行おうとするものであります。  本法案につきましては、五月二十七日に提案理由の説明を、六月十五日に修正理由の説明を、それぞれ聴取し、地方財政計画その他関連法案と並行して審議を進め、六月十六日には特に本法案に関する小委員会を設置し、また七月四日には参考人の意見を徴するなど、審議に慎重を期したのであります。  かくて、七月二十三日、灘尾小委員長より小委員会における調査の経過並びに結果につき報告があり、結論として、ただ、地方道路税の税率修正が決定した以上、揮発油を使用する以外の自動車に対する今回の自動車税の税率引き上げはこれを取りやめるべきであるという点に意見の一致を見た旨の発言がありました。  かくて、本二十五日質疑終了後、民主、自由両党の修正案並びに両派社会党修正案が、それぞれ提出されました。前者は、自動車税の税率引き上げを取りやめる内容のものであり、後者は、道府県民税につき、所得割は現行通り据え置き、給与所得は税額より百分の十の控除を行い、個人事業の年十二万円基礎控除を本年度より行い、遊興飲食税は自治庁原案をとり、自動車は条件付にて引き上げを取りやめ、市町村民税につき道府県民税と同様の措置をとり、固定資産税は税率を引き下’げ、大規模の償却資産に対する課税限度額に修正を加え、たばこ消費税は、道府県分を百分の十、市町村分を百分の二十に引き上げ、国民健康保険税の課税限度額を六万円に引き上げ、いずれも本年度より実施することを要点とするものであります。  次に、討論に入り、自由党を代表して前尾委員は、両派社会党修正案反対、民主、自由両党の修正案及び修正部分を除いた政府原案に賛成せられ、民主党を代表して古井委員は、両派社会党修正案反対、民主、自由両党の修正案及びこの修正部分を除いた政府原案に賛成せられ、左派社会党を代表して川村委員は、両派社会党修正案に賛成、民主、自由両党の修正案及び政府原案反対せられ、右派社会党を代表して西村委員は、両派社会党修正案に賛成、民主、自由両党の修正案及び政府原案反対せられました。  次いで、採決の結果、民主、自由両党の修正案及びその修正部分を除いた政府原案が賛成多数をもって可決せられました。  次に、本法案に対し、地方税収入の補てん及び確保のだめに各税の合理化と改善をはかり、すみやかに適当な措置を講ずることを政府に要望するという附帯決議案を可決いたしました。  次に、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。  本案は、本年一月一日から実施せられました市町村職員共済組合法の一部に改正を加えて、本法の適用除外の市町村の職員で本法施行の際に厚生年金保険の被保険者であった者の被保険者期間を、その者の長期給付に相当する給付の基礎となるべき期間に合算するよう措置を講ずべきものとし、これに伴い厚生保険特別会計から一定の金額を適用除外の市町村に交付することにしようとするものであります。これは、本法施行の際に、厚生年金保険の被保険者から本法による組合員になった者との取扱い上の均衡を失しないようにするためであります。  七月十三日、提案者を代表して門司亮君から提案説明があり、委員会は、慎重審議、本日質疑を終了、討論を省略して採決に付し、全会一致可決すべきものと決しました。  右、報告を申し上げます。(拍手
  26. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより討論に入ります。北山愛郎君。     〔北山愛郎君登壇
  27. 北山愛郎

    ○北山愛郎君 ただいま議題となりました地方財政再建促進特別措置法案及び両派社会党地方財政整備特別措置法案に対し、日本社会党を代表して、政府原案並びに民自両党の修正案反対し、その態度とその理由を明らかにしたいと存じます。  政府原案反対する第一の理由は、本案地方財政窮乏に対する国の責任を回避し、その大部分を地方団体の負担と犠牲において処理せんとする点にあります。本年三月鳩山総理が国会提出しました地方財政白書によれば、地方赤字の原因としては、第一に公務員の給与費において、政府の認める単価と実態の差額が昭和二十六年以降是正せられないという点、国庫補助が不足であるという点、あるいは累年の災害のためにその負担が大きいという点、あるいは法令によらない国や地の地方公共団体の施設、事業に対する寄付、負担金が少くないこと等をあげておるのでありますが“この報告が真実とすれば、地方赤字の主要な原因は、国の誤まれる施策と不可抗力によるものとして、その再建対策は第一に国の責任においてなすべきことは当然というべきでありましょう。(拍手)しかるに、政府の措置は、五百八十六億円の赤字に対して起債二百億円、そのうち政府資金はわずかに五十億、他の百五十億は現に赤字団体が地方銀行等から借りておる短期債務を長期に振りかえるだけのものであります。国の本案に伴う予算はわすかに七千五百万円の利子補給にすぎないとあっては、その無誠意、無責任に、ただあぜんとせざるを得ないのであります。(拍手)  最近の地方財政膨張の原因を作ったのは、地方団体自身ではなくして、国の側にあったことは、御承知の通りであります。六・三制の中学校の建設にも千二百億円の費用が使われましたが、そのうち国が負担したものはわずかに四百億であります。あるいは、昭和二十七年度に多くの反対を押し切って設置された地方教育委員会も、約束の財源措置が不足をして市町村財政を圧迫したことは、これまた御承知の通りであります。このような点から考えるならば、地方財政法第二条に、いわゆる国は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行なってはならないとし、あるいは同第十八条に、国の負担金、補助金はその事業を行うに必要かつ十分な金額を基礎として算定しなければならないと規定してありますが、政府地方財政の放漫を非難する前に、みずからの地方財政法違反に対し深く反省しなければならぬと信ずるものであります。(拍手)これらの原因の累積として地方の赤字が生じたに対し、わずかに二百億円の起債と、一億にも足らぬ利子補給でその責任を糊塗し、一千億円になんなんとする他の財源不足には、あげて地方の増税、首切り、事業サービスの打ち切り、節約の強行によって補わんとする政府案は、自己の報告と全く矛盾した独善的暴挙であって、われわれの断じて賛成し得ないところであります。(拍手)  反対の第二点は、赤字団体を八年間再建計画で縛り、自主性なき状態に置くとともに、その組織、運営に不当な制肘を加え、憲法第九十二条の地方自治の本旨に違反する疑いがある点であります。     〔議長退席、副議長着席〕 この点について、委員会における政府答弁は全くあいまいでありました。赤字団体に財政上の特典を与えるがゆえに若干の拘束は差しつかえない、あるいは再建団体になるということは自由意思であるから差しつかえない、と説明されておるのでありますが、たとい自発的意思による場合といえども、個人や団体の自主権を奪ってはならない一線は厳として存在するはずであります。婦人の貞操を切り売りする売春は、自発的であるがゆえに是認されるでありましょうか。過日売春取締り法が本院において否決されたことはきわめて遺憾でありますが、本日さらにこの地方団体身売り奨励法案ともいうべき再建促進法案が議決されようとすることは、けだし偶然とは言いがたいのであります。(拍手)わずかの金や恩典によって人権と自由を譲り渡してもかまわないとする共通の思想が両法案に通っていないと、だれが断言できるでございましょう。(拍手)われわれは、このような地方団体の自主権を拘束する憲法違反の点に対して、絶対に承認し得ないのであります。  第三には、本案は赤字のたな上げと称して、実は地方職員の首切りを奨励する行政整理法案である点であります。再建債としては、政府資金はわずかに五十億であります。これに対し退職手当の起債は六十億、この退職手当の起債は、赤字団体ばかりではなく、黒字の団体にすらこれを貸し付けようというのであります。この退職手当債六十億によって首を切られる人は二万人ないし三万人、それ以外に、本年度の地方財政計画において、公共事業費と単独事業費の大きな圧縮から生ずるところの失業者とともに、この行政整理と相まって、地方における失業群を激増せしめることはまさに必至といわなければなりません。  第四点は、この政府案のような、けちくさい財政措置では、地方の赤字再建は絶対に不可能であって、自治体が必死の努力を払っても、今年末にはさらに赤字は増加するであろうという点であります。地方財政審議会の意見書の中にもある通り、本年度の地方財政の実際の必要額は約一兆四百億でありますが、これに対して政府の財政計画は九千八百億、この差額六百億というのが、この赤字以外に財源不足となっておるのであります。従って、五百八十六億の過去の赤字と、本年の財源不足六百億、合せて一千一百億以上の大きな財源不足が、地方財政に大きな重圧を加えておるわけであります。地方団体が、この一千億を、節約、事業の打ち切り、繰り延べ、増税、首切りで埋めようともがくときに、どのようなことが起るかを考えてみなければなりません。鳩山内閣の社会保障その他数々のりりばな政策の大部分は、地方の窓口を通じて行われるのでありますから、このような地方行財政の大圧縮は、その重要政策の実行を不可能にし、政府は羊頭を掲げつつ、府県、市町村の窓口から犬の実を売り出すという自己矛盾を招来することは必至であります。(拍手)  民自両党の修正案原案に比し若干改善の点があることは認めるにやぶさかではありませんが、減上指摘した本質的なこの反動的性格を変更するための改善の見るべきものがなかったことは、まことに残念に思う次第であります。  両派社会党の対案は、国の責任を明らかにし、国と地方団体の協力によって合理的に財政の整備をなさんとする最善の案であることは、多く言うを要しません。われわれは、さらにこの対案と並行して、別に地方交付税率の引き上げ、地方税法の修正等、本年度の財源不足を補てんする諸案を提出して、木対案と相まって地方財政確立の完璧を期せんとしておるのであります。  最後に、私は、本法案の背景となるところの政治的、経済的動向について一言触れたいと存じます。わが国の地方財政史を見るときに、地方の行財政は常に軍備と戦争の犠牲者の地位にあることを知るのであります。戦争から解放されて十年、この間の地方自治体の積極的活動は、わが国の歴史にかつて見なかったものであります。戦争の傷あとを補修し、学校や住宅を作り、道路を直し、橋をかけ、町や村を住みよいものにしようとする地方住民の意欲とその創意、国民が初めて人間としての幸福を追求するたくましい情熱をわれわれは高く評価すべきであると信じます。(拍手)  しかるに、不幸にも再び軍備が復活し、地方財政の赤字は、再軍備が始まった昭和二十六年ごろから、軍備の増強と比例して増大して参りました。先年来朝したミネソタ大学のワープ教授が予想した通り、今や、再軍備に要する巨額の財政支出のために、地方団体に、安価な政府、安上りの地方自治が要請されて参ったのであります。この地誌財政再建促進法案こそ、地方の赤字団体の立て直しのためのものではなくて、再軍備のための安上りの地方政治に焼き直すためのものであり、財閥、大資本の要求に応じて、自治体を通ずる国民福祉の政策を犠牲にし、大資本の利益に奉仕する反動立法であることは、間違いのないところであります。(拍手)  鳩山総理は、施政演説の終りに、国民と血のつながる明朗なる政治と、前途に希望の持てる社会を作りたいと、いみじくも言われたが、本法案のごとく、地方自治に対する理解と愛情を全く欠いたところの冷酷むざんなる態度で臨むならば、財閥、資本家との間には汚れた血が通うかもしれないが、政府国民の間には、あたたかい血の通う政治の確立などは絶対にできないことを強く指摘いたしまして、私の討論を終る次第であります。(拍手
  28. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 池田清志君。     〔池田清志君登壇
  29. 池田清志

    ○池田清志君 私は、日本民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方財政再建促進特別措置法案につき、民自両党の共同修正並びに修正部分を除く政府原案に賛成し、社会党の提案反対討論をいたさんとするものであります。  地方自治の本旨は、日本国憲法の規定し擁護するところであり、地方公共団体の健全なる発達は、地方自治法の保障するところであります。わが国終戦以来ここに十年、民主政治下のわが国の新しい地方自治は、憲法の擁護のもとに、地方公共団体の長、議会及び関係住民の努力により今日の発達を見ましたことは、まことに御同慶にたえません。しかるに、これら関係方面の努力にもかかわらす、その財政面においては、数年来逐年赤字を累積し、その額は昭和二十八年度の決算において四百六十二億円の多きに達し、同二十九年度においても、その赤字の推定は百二十四億円にも上らんとしておるのであります。この赤字を内蔵する地方財政をこのままに放置せんか、その赤字は連年増加するのみでありまして、その自然の立ち直りを見ますることは百年河清を待つにひとしいのであります。今や、地方財政は瀕死の重患であります。名医によって一大手術を断行しなければ、地方財政の危機はいよいよ急迫するのみであります。  今回、政府は、地方財政における従来の赤字はこれを特別措置し、その弊害を将来の地方財政に持ち込むことを遮断し、今後においては健全なる地方財政樹立せんとして、この特別措置法を制定せんとすることは、まことに時宜に適したものと言わなければなりません。すなわち、政府は、地方公共団体の長、議会、その他関係機関の協力により、地方財政再建の計画を自主的に樹立してこれを執行せしめ、政府みずからにおいても、地方債二百億円によって、従来の赤字を長期にたな上げするとともに、その利子を補給し、また、今後において明らかとなりまする赤字については、その必要に応じ第二次の特別措置をいたさんとするのでありまするから、地方自治を愛し、その健全なる発達を念願する私どもの喜んで賛同するところであります。  しかるに、角をためて牛を殺してはなりません。地方財政の再建に急なるものがあるとはいえ、地方自治の本旨はどこまでもこれを保障しなければな         憂   一りません。ここにおいて、わが日本民主党は、自由党と相はかり、政府原案を共同修正し、地方自治の擁護、保障を明らかにいたさんとするものであります。  すなわち、原案において自治庁長官が地方公共団体に対して有しまする勧告権、監督権、変更権等を、あるいは削除し、あるいはこれを緩和した次第であります。また、利子補給につきましても、これを五分に増加修正するとともに、昭和二十七年度以前の地方公共団体の分担金についても、これを交付公債で納付することができるように改めるなど、国及び地方公共団体が相協力して地方財政の再建を一そう容易にいたさんとするものでございます。  地方財政は国の財政全体の一環でありまするから、両者の相関関係、調整関係を無視してその再建をはかることはできないのであり、国及び地方相協力してこれをいたすべきであります。この観点に立つとき、社会党の提案は、地方財政のみを高揚し、国の責任においてのみその再建をはからんと主張するものでありますが、これは現実に即しない政治でありまして、私どもの首肯することのできないところであります。たとえば、彼らの提案によれば、地方財政整備のため、政府資金三百五十億円、公募債五十億円、計四百億円の起債をいださんとするのでありますが、すでに彼らがよく御承知のごとく、予算の議決された今日、どこに三百五十億円の政府資金があるというのでありましょうか。できないものであることを知りつつも、なおかつ可能なことく吹聴することは、国民を欺瞞するもはなはだしいものであり、かかる無責任なる政治態度は、私どもの断固として反対せざるを得ないところであります。  以上申し上げたところにより、わが日本民主党は、民自両党の共同修正並びに修正部分を除く政府原案に賛成し、社会党の提案反対するの態度を明らかにいたした次第であります。(拍手
  30. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 中井徳次郎君。     〔中井徳次郎君登壇
  31. 中井徳次郎

    ○中井徳次郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程になりました地方財政再建促進特別措置法案原案並びに民自両党の修正案に対して反対をいたし、わが両派社会党提出特別措置法案に賛成の討論を行わんとするものであります。(拍手)  ここ数年来、地方財政は非常な困難に陥っております。三十年度の当初におきまして、赤字は実に五百八十億円に達しており、このことは今や天下周知の事実であります。従いまして、これが救済策といたしまして、前国会においても、あるいは前々国会におきましても、再建整備法案議員立法として提出する動きがあったのでございます。今回、政府におかれては、これを立案し、今国会提出されましたので、私どもは、その内容に実は非常に期待を持っておりました。ところが、出て参りましたものは、全く私たちの期待を裏切りまして、いわゆる看板に偽わりありというのであります。再建整備法案とは名ばかり、実は、せいぜいのところ、地方財政資金繰り一時救済法案にすぎないということを暴露いたしました。(拍手)そうして、全国の府県、市町村等を大いに落胆せしめたのでございます。  以上、三つに分けまして、私はこの政府案に反対理由を簡単に申し上げてみたいと思います。  まず第一に、地方財政の困難を救いまするためには、今も池田氏からお話がありましたが、その源をはっきりと見きわめて、病源にとどめをさしてから、これまでの赤字を整理しないといけないと思うのであります。現在の府県、市町村の固有財源というものは非常に貧弱なものである。しかも、平衡交付金、地方交付税といわれておりまするものも、わずかにまだ二二%。特に、府県におきましては、今日この額を上げるか、あるいは固有財源を上げない限りは、単独事業はもとより、ことしあたりは法律で規定されているところの義務的経費をまかなうのにも事欠くというところまで追い込まれておるのであります。  一例を申します。交際費だとか、食糧費だとか、いわゆる一般になくもがなと思われておるものを全部削り、お客様が来ても番茶一つ出せないというふうにいたしまして、日本全国の総計ようやく三十五、六億。これに対して、政府は、今回地方財政計画を決定いたしまして、その最後まで足りなかった金は、しぼりにしぼって、なおかつ百四十億あったのであります。従って、この点に手をつけなければ、地方財政再建促進法案と言っても全然意味がない。ところが、この法案を見ますと、こういうことにおかまいはありません。六百億円になんなんとする赤字を、百五十億円は公募債でやるという。この公募債も、実はもう借りてある。借りてあるのを、借りかえを政府が認めてやろうというわけである。あとの五十億円は大蔵省の預金部から出して、一時を糊塗しよう。そこで、自由党修正案が出まして、利子は実に七千五百万円というふうな、きわめて低額な、わずかばかりの助成でありましたが、なおようやく二億二千万円ぐらいにしたらしいのでございますが、この二億円という数字、六百億円の赤字に対して二億円、三百分の一を恵んでやって、そうして借金を公認しようとするのにすぎないのである。借入金の元金は一銭だって減るわけではないのである。ちょうど、これは、おやじが子供に向って、食費や学費をろくろく与えずして、子供がしょうがないから質屋通いをすると、その質札を持ってこい、これがもう少し安い利子で貸してやろうというのでありますから、まことに因業なおやじだ。(拍手)このおやじが今の政府であろうと私は思うのであります。  地方財政法第五条には、公営事業とか、あるいは災害の復旧等を除きまして、地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもってその財源としなければならないとある。これは財政の鉄則でございます。しかるに、ここ数年は、固有財源の枯渇に乗じまして、毎年地方債の激増を見ております。今日まで、実に総計四千億円に達しております。ここ数年いたしますと、地方債の金利のみで五百億を突破しようという状況であります。国の予算は一兆円であります。これに対して、地方財政も、もとより国の予算と重複部面はありまするけれども、一兆円はこえんといたしております。一国の財政を論じまするときには、もとより、この国の財政と地方財政を車の両輪のごとく考えて総合的判断の上に立たなければ、私は一国経済に対する正しい判断は不可能であろうと思う。国家予算が幾ら均衡が保たれ、黒字財政を誇っておりましても、地方財政が赤字の連続であり、ことしも七百億円の地方債を発行するがごときは、一国の経済全体として見て、決して健全なものではない、不均衡なるいびつ財政であると言わねばならぬと私は考えておるのであります。(拍手)従いまして、本法案は、これに終止符を打たすに、ただ赤字を公認し、これを先に延ばしただけであるというに至れば、その日暮しの、要領一本の今の政府のやり方をここに露呈しているにすぎないと言わねばならぬと存ずるのであります。  第二に申し述べたいことは、政府は赤字の対策を巧みに制度の問題とすりかえているということであります。もちろん、今日の赤字の原因は、大部分は国の責任でありまするけれども、地方にも責任がないとは言いません。従って、地方は地方として自主的に大いに節約をはからねばならぬことは当然でありまするが、その意味において、地方は、自主的に制度の簡素化ができまするよう、その制度の基礎をなしておりまするところの事務の整理や、この能率化をはからなければなりません。第二に、事務能率の美名のもとに、民主主義の原則でありまするところの執行機関と議決機関を混同し混乱せしめてはならぬと考えるのであります。ところが、国が地方に委任します事務は、毎年数多くの法律を制定して、かえって増加せしめております。そうして、制度のみを強制的に改める方向に向わせ、また議会の権限、各種委員会の権限等に非常な制限を加え、また理事者をして議会の職員や委員会の定数等にまで一方的に干渉せしめんとしておりまするのは、これらの根本原則に反することであります。地方分権より中央集権へのきわめて危険なるたくらみを含んでいると言わねばならぬと思います。今申し上げましたような問題は、現在の地方自治法第百五十八条第二項、第百八十条の六等におきまして、各自治体で自主的に事情に応じて決定し得るように実はなっているのでございますが、今日、政府は、財政難に籍口して、強制的に地方に干渉を加えるというに至りましては、私どもの全く理解に苦しむところであります。  最後に問題となりまするのは、人員整理に対する赤字公債の許容でございます。今回、政府は、本法第十二条二項第三及び第二十四条におきまして、単に赤字団体のみにとどまらず、本法の適用を必要といたしません黒字の一般地方公共団体においてさえ、職員の整理のための退職金に充当するため、公然と赤字公債を認め、これが財源として三十億円を予定しておるということであります。
  32. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 中井君に申し上げます。申し合せの時間が来ておりますから簡単に願います。
  33. 中井徳次郎

    ○中井徳次郎君(続) 退職金を公債をもって充てるがごときは、もとより財政の原則に反することであります。しかるに、歴代の保守内閣は、このことにつきましては、故意にその原因に目をおおい、そうして、この原因を直ちに首切りとすりかえておる。本法案審議の過程におきまして、大蔵大臣あるいは自治庁長官は、この赤字の原因は目下検討中である、あるいは、公務員の数が多いか少いか、給与体系はどうなっておるかということの調査は、本年秋でないとその結論ぱ出ないということを、たびたび繰り返し答弁いたしておりまするが、首切り財源だけは、こうやって、いち早く用意いたし、地方団体にこれを強要するというのは、全くの行き過ぎと言わねばならぬと考えるのでございます。前吉田内閣は、しばしば、行政改革、人員整理のスローガンを掲げ、アドバルーンを上げてきました。しかし、これは、実際上はほとんど実績を上げ得ません。そこで、今度の鳩山内閣は、直接掌握している国家機関に手をつけないで、間接的であり、責任を地方の理事者に転嫁することのできる方法で、またもや首切りを計画したと言わねばなりません。この意味におきまして、今の鳩山内閣は、私は、吉田内閣よりも、むしろ表面は民主的の仮面をかぶり、実にはなはだ小ずるくて卑怯千万であると言わねばならぬと思うのであります。(拍手)ここにも鳩山内閣の本質を見るように思います。  以上をもちまして、簡単ながら、私の討論を終ります。(拍手
  34. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 前尾繁三郎君。     〔前尾繁三郎君登壇
  35. 前尾繁三郎

    ○前尾繁三郎君 私は、自由党を代表し、ただいま議題となりました地方財政再建促進特別措置法案に対し、重要な修正を加えて、かつこれに伴う財政措置及び地方財政の今後の根本的立て直しについて強い希望条件を付して賛成をするものであります。  地方財政が、終戦以来漸次窮迫の度を加え、今や重大なる危機に直面しておりますことは、諸君の御承知の通りであります。すなわち、昭和二十八年度決算におきましては、府県の約八割、市の約七割、町村の約二割が実質上赤字決算であり、その総額が四百六十二億円に上っているのでありまするし、また、昭和二十九年度の単年度におきましても、なお多くの団体が赤字を出しており、その総額も百二十億円に達することが予想せられておる状況でありまして、このまま放置しますれば、地方団体の財政は崩壊の一途をたどるほかはないのであります。これら赤字の原因につきましては、一つは国の責任であって、地方団体に自己財源を与えずに、補助金などによってあまりに過重な事業をしいておることにあるのでありますが、一つには、平衡交付金制度等の欠陥とともに、民主主義の行き過ぎが地方財政の運営を放漫ならしめていることにも基くのであります。従って、この際は、抜本的な制度の改廃と財源の付与を行います一面、すでに発生した赤字に対し特別の措置を講じてその整理を断行せしめなければならないことは、何人面認めておるところであります。  これにつきましては、すでに地方行政委員会においても長い間検討してきたところでありまするし、また、政府の設けた地方制度調査会においても、すでに答申がされておるところであります。しかるに、今回提出されました政府特別措置法案なるものは、これらの結論に基くものと称しておりますが、何ら抜本的な地方財政の改善案は出されず、ただ単に既存の赤字の整理法案のみが提出されておるのであります。しかも、その内容を見ますと、従来の論議は全く無視せられ、はなはだ遺憾とする点が多いのであります。すなわち、その一つは、あまりにも再建措置が自治庁の專断的に行われることであって、あたかも、政府は、一方に地方団体を赤守団体に転落せしめながら、中央の権力の拡張強化をはかり、地方自治を抑圧せんとするかの疑いを起させるものでありますし、一つには、あまりにも国の援助が少いことであつて、みずからは責任を回避し、地方団体の自粛、自力のみによる再建をしいて、やせ馬にむち打つかの感じを与えているのであります。従って、われわれは、この際大幅に本案を修正するもやむを得ないのであります。  第一に、財政再建計画は、あくまで地方団体において自主的に策定せしむべきものであります。しかるに、原案は、政府が勧告によって半強制的になさしめたり、地方議会の議決を経だ再建計画政府が勝手に変更し得ることにしているのでありまして、これでは、真にみずからの力によって建て直す意慾を失わしめるのであります。  第二に、原案は、再建団体の理事者側の地位を強化するがために、議会や行政委員会の地位を無視するかの感を与えているのであります。すなわち、議会が、再建計画に関し再建団体の長と意見を異にする場合には、直ちに不信任とみなして解散かまたは辞職に追い込むようなことをしたり、財政再建に事よせて、各種の行政委員会に落し専断的に介入するかの感を与えているのでありまして、財政の再建は、地方団体みすからの融和をはかりつつ、総力をあげてさせなければ効果のないことを忘れているのであります。  第三に、原案は、財政再建計画の忠実なる履行を求めんとするの余り、不必要に政府が直接の権力を用い得ることとして、いるのであります。もとより、特別の援助を行う限り、再建計画の実施につき何らの発言権なしというわけには参りません。しかし、直ちに予算の執行停止を命じたり、起債の許可権を振り回すことは、あまりにも官僚政治の復活を思わせるものであって、地方自治圧迫のそしりを免れないものと思うのであります。  第四には、国からの援助について、原案は、ただ単に利子の六分五厘をこえるものに対しわずかに二分の利子補給をし、また特別の場合に国の補助率の引き上げを行うことを規定いたしておるのにすぎません。しかし、六分五厘の利息を支払いながら再建し得るものとすれば、崩壊寸前にある赤字団体の実態を知らざるもはなはだしいものと言わなければなりません。赤字の原因が国と地方の両者にあることを思えば、再建団体の利子負担は政府資金の最低三分五厘にとどめるべきものと信ずるのであります。  要するに、政府原案は、あまりにも国の与えるところ少く、しかも地方自治団体を拘束することはなはだしく、サーベルをもって威嚇しつつ赤字の解消をはかろうとする旧来の官僚政治に帰るものと言わなければなりません。従って、自由党は、これらの点を是正し、真に民主主義に徹した再建整備を行い得るよう、全面的に修正を施しているのであります。  なお、社会党の代案を拝見いたしますと、再建団体の好まぬことば全部削除し、ただ政府の利子補給だけを行わんとするものであります。しかし、赤字の多い団体は、団体自身にも欠陥があり責任があることを忘れてはなりません。赤字がすべて政府責任であるかのように考えたり、また赤字をすべて政府の援助によって解消すべしと考えますことは、ますます国に対する依存心を高め、かえって地方自治の本旨にもとり、時流におもねって、地方財政の改善を期するゆえんではないのであります。赤字を出したものが得をするという風潮は、何としても是正しなければなりません。従って、国家資金によって漫然赤字の穴埋めをしようという社会党の代案には、遺憾ながら反対を表明せざるを得ないのであります。また、積立金のない地方団体に退職金の起債を認めますことは当然の処置であって、これによって首切り法案などとする社会党の諸君の攻撃は、何ら理由のない、ためにする宣伝にすぎないのであります。  最後に、私は、強く政府に要望しなければならぬ諸点を述べたいと思います。  その第一は、本案に対する財政措置でありまするが、政府考えておりますのは二百億円で、そのうち百五十億円は公募債によるのであります。これでは、もとより、二十八年度の赤字四百六十二億のみについても十分でないと思うのであります。しかも、二十九年度の赤字も百二十億円をこえることを予想せられているのであります。しかし、かかることによって、せっかくの今回の措置が中途半端なものに終ってはなりません。再建計画提出の状況を見て直らに所要額を補てんせられるよう強く要望するものであります。また、百五十億円の公募債については、公募が非常に困難な折柄、早急に政府資金への切りかえを要するのでありますが、少くとも、政府は、早急に容易に公募できるよう万全の措置をとられることを希望する次第であります。  次に、再建整備については、過去の赤字の解消はもとより焦眉の急でありますが、将来に赤字を出さないことがより根本的な問題であることを忘れてはな力ません。政府も本年度以降赤字を出さない方策を講ずるつもりでありたのが、事志と違い、三十年度、三十一年度、両年度にまたがって、かかる措置を行うことを約束せざるを得なくなったものと考えられるのであります。しかし、赤字の解消は、あくま弧今後に赤字を出さないことが前提条件でなければなりません。それには、軸方交付税率の引き上げ等、地方税制の抜本的な改正を、行わなければなりまんが、政府はそれに応ずるだけの十分な用意をせられることを希望するものであります。  さらに、二十八年度の決算によっイ判明した給与の実態が、地方財政計画を上回っている額が四百億円以上にも及んでおるのであります。これについては、政府は今秋の給与実態調査を待って処置することを言明せられておるのでありますが、これまた早急に最も適切な方途によって解決されることを強く希望してやまない次第であります。  繰り返し申しますように、地方財政は崩壊寸前にあります。私は、地方財政が安定し、地方住民に一日も早く明るい公民生活が来たることを念願しつつ、自由、民主両党の修正案修正案を除く政府原案に賛成し、社会党の代案に反対の意を表明する次第てあります。(拍手
  36. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) これにて封論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、日程第二につき採決いたします。この採決記名投票をもって行います。本案委員長の報告は修正であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君白票反対諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕   [各員投票
  37. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 投票漏れはありませんか。1投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣開鎖。  投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  38. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長朗読〕  投票総数 二百七十五   可とする者(白票)  百六十二     〔拍手]   否とする者(青票)   百十三     〔拍手
  39. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 右の結果、本案委員長報告の通り決しました。  地方財政再建促進特別措置法案委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名    赤城 宗徳君  赤澤 正道君    秋田 大助君  有田 喜一君    有馬 英治君  五十嵐吉藏君    池田 清志君  池田正之輔君    石坂  繁君  石田 博英君    稻葉  修君  今井  耕君    今松 治郎君  宇田 耕一君    宇都宮徳馬君  植原虎二郎君    値村 武一君  臼井 荘一君    遠藤 三郎君  小川 半次君    大麻 唯男君  大石 武一君   大久保留次郎君  大倉 三郎君    大高  康君  大橋 忠一君    大村 清一君  岡崎 英城君    荻野 豊平君  加藤 高藏君    加藤常太郎君  上林山榮吉君    亀山 孝一君  唐澤 俊樹君    川崎末五郎君  川崎 秀二君    川島正次郎君  菅  太郎君    木崎 茂男君  木村 文男君    菊池 義郎君  岸  信介君    北  吟吉君  清瀬 一郎君    小枝 一雄君  小島 徹三君    高村 坂彦君  佐々木秀世君    櫻内 義雄君  薩摩 雄次君    志賀健次郎君  椎熊 三郎君    椎名悦三郎君  椎名  隆君    重政 誠之君  須磨彌吉郎君    杉浦 武雄君  砂田 重政君    田中 久雄君  高岡 大輔君    高瀬  傳君  高橋 禎一君    高見 三郎君  竹内 俊吉君    竹山祐太郎君  千葉 三郎君    辻  政信君  渡海元三郎君    徳田與吉郎君  床次 徳二君    内藤 友明君  中嶋 太郎君    中曽根康弘君  中村 梅吉君    中村三之丞君  中山 榮一君    永田 亮一君  長井  源君    夏堀源三郎君  並木 芳雄君    南焦 徳男君  根本龍太郎君    肝田 武夫君  長谷川四郎君    濱野 清吾君  早川  崇君    林   博君  原  捨思君    平塚常次郎君  福田 赳夫君    藤枝 泉介君  藤本 捨助君    古井 喜實君  古島 義英君    保科善四郎君  坊  秀男君    星島 二郎君  堀内 一雄君    本名  武君  眞崎 勝次君    前田房之助君  牧野 良三君    松浦周太郎君  松岡 松平君    松澤 雄藏君  松田 鐵藏君    松村 謙三君  三浦 一雄君    三田村武夫君  村松 久義君    粟山  博君  森   清君    森下 國雄君  出品 好一君    山村新治郎君  山本 粂吉君    山本 利壽君  横井 太郎君   米田 吉盛君 早稻田柳右エ門君    青木  正君  生田 宏一君    石井光次郎君  植木庚子郎君    江崎 真澄君  小澤佐重喜君    越智  茂君  大坪 保雄君    大橋 武夫君  大平 正芳君    加藤 精三君  加藤鐐五郎君    鹿野 彦吉君  熊谷 憲一君    小平 久雄君  小林  郎君    周東 英雄君  鈴木 直人君    瀬戸山三男君  關谷 勝利君    田子 一民君  高橋  等君    活尾  弌君  塚田十一郎君    中山 マサ君  永山 忠則君    灘尾 弘吉君  畠山 鶴吉君    八田 貞義君  福井 順一君    福井 盛太君  福永 健司君    船田  中君  古川 丈吉君    前尾繁三郎君  水田三喜男君    山崎  巖君  山下 春江君    山中 貞則君  横川 重女君    吉田 重延君  渡邊 良夫君  否とする議員の氏名    阿部 五郎君  青野 武一君    赤路 友藏君 茜ケ久保重光君    飛鳥田一雄君  有馬 輝武君    井岡 大治君  井手 以誠君    伊藤 好道君  猪俣 浩三君    石橋 政嗣君  石村 英雄君    稻村 隆一君  岡本 隆一君    加賀田 進君  加藤 清二君    片島  港君  上林與市郎君    川村 継義君  河野  正君    木原津與志君  北山 愛郎君    久保田鶴松君  栗原 俊夫君    五島 虎雄君  佐々木更三君    佐藤觀次郎君  坂本 泰良君    櫻井 奎夫君  島上善五郎君    下川儀太郎君  下平 正一君    鈴木茂三郎君  田中 武夫君    田中 稔男君  多賀谷真稔君    滝井 義高君  楯 兼次郎君    辻原 弘市君  中村 英男君    永井勝次郎君  成田 知巳君    西村 力弥君  野原  覺君    長谷川 保君  原   茂君    福田 昌子君  帆足  計君    穗積 七郎君  細迫 兼光君    正木  清君  松原喜之次君    三鍋 義三君  森 三樹二君    森島 守人君  森本  靖君    八木 一男君  八木  昇君    安平 鹿一君  柳田 秀一君    山口丈太郎君  山崎 始男君    山田 長司君  横錢 重吉君    横路 節雄君  横山 利秋君    渡理 惣藏君  淺沼稻次郎君    井上 良二君  井堀 繁雄君    伊瀬幸太郎君  伊藤卯四郎君    池田 禎治君  今澄  勇君    受田 新吉君  大西 正道君    大矢 省三君  春日 一幸君    川島 金次君  川俣 清音君    小牧 次生君  河野  密君    佐々木良作君  佐竹 新市君    鈴木 義男君  田中幾三郎君    田中 利勝君  田原 春次君    田万 廣文君  竹谷源太郎君    中井徳次郎君  中島  巖君    中村 高一君  中村 時雄君    西村 彰一君  日野 吉夫君    平岡忠次郎君  平田 ヒデ君    細田 綱吉君  前田榮之助君    松井 政吉君  松尾トシ子君    松前 重義君  三宅 正一君    三輪 壽壯君  門司  亮君    矢尾喜三郎君  山下 榮二君    吉川 兼光君  吉田 賢一君    岡田 春夫君  小山  亮君    中原 健次君
  40. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 次に、日程第三につき採決いたします。本案委員長の報告は否決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  41. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 起立多数。よって本案委員長報告の通り否決いたしました。  次に、地方交付税法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。地方交付税法の一部を改正する法律案委員長の報告は可決、地方税法の一部を改正する法律案委員長の報告は修正であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  42. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 起立多数。よって両案とも委員長報告の通り決しました。  次に、地方道路譲与税法案及び市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって両案とも委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  44. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 日程第四、建築士法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事荻野豊平君。     〔荻野豊平君登壇
  45. 荻野豊平

    ○荻野豊平君 ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会に発ける審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  建築士法は、昭和二十五年第七国会において制定されたものでありますが、過去五年間の法施行の実績にかんがみまして、建築士事務所の業務に関する規定を整備しようとするのが、本法案提案理由でございます。  まず改正の内容についておもな点を申し上げますと、その第一点は、建築士事務所の開設について、都道府県知事に対する従来の届出を登録に改め、その有効期間を三年とし、引き続いて業を営む者については更新登録を行うこととしたこと、第二点は、従来、建築士事務所が届出を必要とする場合は、業として設計または工事監督を行うときに限られておりましたものを、建築士法上建築士の業務とされているその他の業務、すなわち建築工事契約、建築工事の指導監督、建築物の調査鑑定、建築に関する法令に基く手続の代理の業務を加えて、建築士事務所の業務上の責任の明確化をはかったこと、そのほか登録制の実施に伴う必要な規定並びに事務所の届出をしている者について所要の経過措置を定めたこと等であります。  本法案は去る七月二十日本委員会に付託されたのでありますが、質疑内容速記録に譲ることといたします。  かくて、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  46. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  48. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 日程第五、医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。社会労働委員長中村三之丞君。     〔中村三之丞君登壇
  49. 中村三之丞

    ○中村三之丞君 ただいま議題となりました医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  改正の要点を申し上げますれば、第一は、患者またはその看護者が特にその医師、歯科医師から薬をもらいたいと申し出た場合には、処方せんを交付しなくてよいことにするとともに、治療上直接投薬の必要のある場合を省令で規定することを要しないこととしようとするものであります。第二は、医師、歯科医師の処方せん交付に関する規定に違反した場合の制裁として定められでいる刑事罰を廃止しようということであります。第三は、薬事法において調剤の権能を薬剤師だけに限ってありますが、これを医師、歯科医師にも認めようということであります。一  本法律案は、七月十六宮本委員会に付託せられ、提出者より提出理由の説明を聴取し、数回にわたり審議を行い、同二十三日質疑を終了したのでありますが、同日各派共同提案による修正案提出せられ、提出者よりその趣旨の説明がありました。  本修正案の要旨は、第一に、医師または歯科医師は、患者に対し薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者またはその看護者に処方せんを交付しなければならないこととしたことであります。しかし、例外的に処方せんを交付しないでよい場合を、患者またはその看護者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合のほか、項目を列挙して限定したことであります。第二は、医師、歯科医師が処方せん交付及び調剤に関する規定に違反したときは罰金に処することができることとしたことであります。  詳細は会議録により御承知願います。  次いで、討論を省略し採決に入りすしたところ、修正案並びに修正部分を除く他の原案の部分はともに全会一致可決すべきものと議決しだ次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  50. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 採決いたします。本案委員長の報告は修正であります。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって本案委員長報告の通り決しました。      ————◇—————
  52. 大石武一

    大石武一君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、内閣提出地方道路税法案交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  53. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 大石君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  地方道路税法案交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事加藤高藏君。     〔加藤高藏君登壇
  55. 加藤高藏

    ○加藤高藏君 ただいま議題となりました地方道路税法案外一法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びにその結果について御報告申し上げます。  まず、地方道路税法案について申し上げます。  本法律案は、国の道路整備五カ年計画の実施に伴う地方団体の道路整備所要財源の増加等の状況に対処するため、都道府県等の道路財源に充てることを目的として制定されたものであります。  次に、その内容を簡単に申し上げますと、揮発油一キロリットルにつき四千円の税率の地方道路税を課することとし、この地方道路税の創設に伴いまして、揮発油税については、現行税率一キロリットルにつき一万三千円を一万一千円に引き下げようというのであります。これにより、揮発油税及び地方道路税の総合員担は、揮発油一キロリットルにっき一万五千円となり、現行より二千円の増加となります。  本法律案は、去る五月十七日政府委員より提案理由の説明を聴取し、また、五月二十七日は公聴会を開き、関係者よりおのおの意見を聴取いたしましたが、これら質疑応答等の詳細につきましては速記録に譲りたいと存じます。  審議の結果、本日各派共同の提案による修正案提出せられました。  修正案内容について簡単に申し上げます。この法律案によりますと、揮発油税及び地方道路税の総合員担は、揮発油一キロリットルにつき一万五千円になりますので、揮発油の消費者に対して負担を軽減するため、これを一万三千円に引き下げ、その配分を、本年四月より七月まで、地方道路税率は一キロリットル四千円、揮発油税率は一キロリットル九千円とし、本年八月より明年三月までの地方道路税率は一キロリットル二千円、揮発油税率は一キロリットル一万一千円とする等の修正を行おうとするものであります。  本修正案に関しましては、国会法第五十七粂三の規定によりまして政府側の意見を求めましたところ、やむを但ない旨の意見の開陳がありました。  次いで、本案に対し各派共同提案による附帯決議が提出せられました。  附帯決議の内容は次の通りでありホす。  一、昭和三十年度の道路整備費(労働省所管の特別失業対策費を含む)については、揮発油税収入額にかかわらず予算計上額通り必ず実行すること。  二、道路整備費の財源等に関する酸時措置法第三条第二項(ロ)に規定する三十年度の揮発油税収入実収額の計算においては、一キロリットル当り一万一千円にて徴収されたものとみなして計算すること。  三、本法案修正によれば、昭和三十一年度以降の地方道路財源については不足を生ずるも右については適切な財源的法的措置を講ぜられたい。  以上をもちまして質疑を打ち切り、討論を省略して、直ちに採決に入りました。修正案及び修正部分を除く原案並びに附帯決議につきましてそれぞれ採決いたしましたところ、全会一致をもって可決され、よって本案は修正議決いたされました。  次に、交付税及び譲与税配付金時則会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、今国会政府から提出されました地方道路税法案地方道路譲与税法案、日本専売公社法の一部を改正する法律案地方交付税法の一部を改正する法律案及び入場譲与税法の一部を改正する法律案に伴いまして、交付税及び譲与税配付金特別会計法につきましても所要の改正を行おうとするものであります。  すなわち、第一に、地方道路譲与税に関する制度の創設及び昭和三十年度のタバコ専売特別地方配付金に関する措置に伴いまして、これらに関する経理を交付税及び譲与税配付金特別会計において行うこととし、地方道路税の収入及び日本専売公社から納付される金額をこの会計の歳入とし、地方道路譲与税の譲与金及びタバコ専売特別地方配付金をこの会計の歳出として経理することといたしております。第二に、本年度の入場税収入の一割相当額の一般会計への繰り入れ停止に伴い、本年度に限り第五条の繰り入れに関する規定を適用しないことといたしております。第三に、譲与税の譲与時期のうち、三月において譲与すべき金額中に、同月に収納すべき税収入の見込額をも含めることにしたことに伴い、この会計において支払い上現金に不足を生ずる場合には、一時借入金または国庫余裕金の繰りかえ使用ができることといたしております。  本案につきましては、審議の結果、本二十五日質疑を打ち切り、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決いたしました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  56. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 両案を一括して採決いたします。地方道路税法案委員長の報告は修正、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案委員長の報告は可決であります。両案を委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  57. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって両案とも委員長報告の通り決しました。  明二十六日は定刻より本会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時二十分散会