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1955-05-31 第22回国会 衆議院 本会議 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月三十一日(火曜日)     —————————————  議事日程 第二十号   昭和三十年五月三十一日     午後一時開議  一 日本住宅公団法案内閣提出)の趣旨説明  二 自作農維持創設資金融通法案内閣提出)の趣旨説明  第一 補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案補助金等整理等に関する特別委員長提出)  第二 関税及び貿易に関する一般協定のある締約国日本国との通商関係規制に関する千九百五十三年十月二十四日の宣言有効期間を延長するための議定書への署名について承認を求めるの件  第三 婦人参政権に関する条約批准について承認を求めるの件     ————————————— ●本日の会議に付した案件  日程第一 補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案補助金等整理等に関する特別委員長提出)  日程第二 関税及び貿易に関する一般協定のある締約国日本国との通商関係規制に関する千九百五十三年十月二十四日の宣言有効期間を延長するための議定書への署名について承認を求めるの件  日程第三 婦人参政権に関する条約批准について承認を求めるの件  運輸委員長紫雲丸遭難事件に関する調査報告     午後一時五十五分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程に記載した議案趣旨説明は、これを延期するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よってその通り決しました。      ————◇—————  第一 補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案補助金等整理等に関する特別委員長提出
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第一は、委員長提出議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  日程第一、補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。補助金等整理等に関する特別委員長伊東岩男君。     〔伊東岩男登壇
  7. 伊東岩男

    伊東岩男君 ただいま議題となりました補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。  さきに第十九回国会において成立施行を見ました補助金等臨時特例等に関する法律は、地方公共団体法令に基いて実施いたしまする施策に伴う経費及び民間団体等に対する補助金等について、その交付の停止または低減の措置を講じたものでありますが、これは本年三月三十一日限りでその効力を失うことになっておりましたので、本年度も、また、予算編成等の経緯により、国債整理基金への繰り入れ及び補助金等に関する特例の期限を変更するための法律によりまして、本年度暫定予算期間中の四月及び五月の間だけ一時延期されたのでありますが、政府は、本予算提出に伴い、さらにその有効期間昭和三十一年三月三十一日まで延長せんとする法案を提出して参りました。  しかるに、本衆議院におきましては、六月分の暫定予算の通過を見たのみで、いまだ本予算審議中のことでもありますので、とりあえず、その有効期間を、六月分暫定予算に見合うべく、本年六月三十日まで延長する措置をとることを妥当と認め、本案を提出いたした次第であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。(拍手
  8. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって本案は可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  第二 関税及び貿易に関する一般協定のある締約国日本国との通商関係規制に関する千九百五十三年十月二十四日の宣言有効期間を延長するための議定書への署名について承認を求めるの件  第三 婦人参政権に関する条約批准について承認を求めるの件
  10. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第二、関税及び貿易に関する一般協定のある締約国日本国との通商関係の現制に関する千九百五十三年十月二十四日の宣言有効期間を延長するための議定書への署名について承認を求めるの件、日程第三、婦人参政権に関する条約批准について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。外務委員長植原悦二郎君。     〔植原悦二郎登壇
  11. 植原悦二郎

    植原悦二郎君 ただいま議題となりました関税及び貿易に関する一般協定のある締約国日本国との通商関係規制に関する千九百五十三年十月二十四日の宣言有効期間を延長するための議定書への署名について承認を求めるの件並びに婦人参政権に関する条約批准について承認を求めるの件、右二案件につきまして、外務委員会における審議経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、第一の案件について御説明申し上げます。  関税及び貿易に関する一般協定のある締約国日本国との通商関係規制に関する宣言、すなわち、いわゆる日本国ガットへの仮加入宣言は、一昨年のガット第八回締約国団会議において採択され、本国会は当時わが国署名につき承認を与えたものであります。この宣言によりまして、わが国は実質上ガット加入したとほぼ同様の利益を受けている次第であります。しかるに、この仮加入宣言規定によりますれば、この宣言は、わが国ガットへの正式加入の日または別段の取りきめがなされない限り本年六月三十日に失効することになっております。一方、現在ジュネーヴにおいて続行されております関税交渉会議において、わが国ガットへの正式加入が討議されておりますが、来たる六月三十日までには実現の運びとならない可能性が多いのであります。よって、昨年十月二十八日からジュネーヴにおいて開催されました第九回締約国団会議において、右の可能性を見越し、前に述べました仮加入宣言有効期間を延長することとなり、本件議定書が本年一月三十一日に採択されるに至った次第であります。この議定書署名国は、わが国のほか、現在二十一カ国であります。  この議定書内容は、わが国と仮加入宣言当事国でこの議定書署名する国との通商関係を、わが国ガットへの正式加入または本年十二月三十一日のいずれか早い時期まで引き続きガット規定により規制しようとするものでありまして、わが国は、この議定書署名することにより、さらに継続してガットに基く利益に均霑することができるわけであります。  この議定書は、もともと、わが国利益のために、かつわが国署名を前提として作成され、また、時あたかもわが国ガットへの正式加入のための関税交渉を控えておる際でもありますので、率先署名の必要がありますし、その上に議会は解散中でありましたので、二月一日に政府責任においてこれに署名し、国会承認は事後に求めることとなったわけでございます。  第二の案件、すなわち婦人参政権に関する条約について御説明申し上げます。  この条約は、国際連合の第七回総会で採択し、一九五三年三月三十一日に署名のために開放したものでありまして、わが国は本年四月一日ニューヨークにおいて署名を了しました。この条約は、婦人に対して男子と対等の選挙権と被選挙権を保障すること及び婦人に対して公職就任機会均等を保障することを内容とするものでありまして、婦人地位を国際的に高めようとする国際連合の事業の一環として作成されたものであります。  この条約に対しては、その趣旨及びその内容賛成し参加する国が続出いたしまして、すでに現在までに批准または加入を終った国は十九カ国に及んでおります。わが国においては、この条約内容はすでに憲法その他の法令によりまして国内的に実施保障されており、特に法律的に意義があるわけではありませんが、すみやかにこれに参加することは、国際協力という見地からきわめて意義あることであるのであります。よって、この条約批准にっき国会承認を求めんとするものであります。  右の二案件は、四月二十七日及び五月十九日にそれぞれ本委員会に付託されましたので、五月六月、二十一日、二十六日並びに二十八日等の会議において、政府当局説明を聞き、質疑を行いましたが、その詳細については委員会議録につき御了承を願いたいと思います。  次いで、この二案件につき、討論はこれを省略し、採決の結果、いずれも全会一致をもってこれを承認すべきものと議決いたした次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 両件を一括して採決いたします。両件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって両件とも委員長報告の通り承認するに決しました。      ————◇—————  紫雲丸遭難事件に関する運輸委員   長の調査報告
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 紫雲丸遭難事件に関する調査報告をするため、運輸委員長原健三郎君より発言を求められております。これを許します。原健三郎君。     〔原健三郎登壇
  15. 原健三郎

    原健三郎君 ただいまより紫雲丸沈没事件に関し御報告申し上げたいと存じます。  去る五月十一日早朝、国鉄宇野高松間連絡船紫雲丸沈没事件が突発するや、運輸委員会は、事の重大性にかんがみ、翌五月十二日夕現地委員を急派し、詳細調査いたしたのであります。現地調査団は、日本民主党加藤常太郎君、自由党越智茂君、日本社会党青野武一君、日本社会党中居英太郎君の四名をもって構成せられたのでありまして、一行は、現地において遭難者及び遺家族に対し深甚なる弔意を表するとともに、関係機関責任者並びに紫雲丸乗客等二十余名より種々事情を聴取した上、質疑を重ねまして、あらゆる角度より調査を進め、事件真相責任所在の究明に努めたのであります。要するに、相次いで起ったこの種事件絶滅を期することを主たる目的とし、いたずらに非違の摘発のみに流るることなく、緊急並びに恒久的対策の樹立という建設的立場において調査を行なったことを特に申し上げておきたいのであります。  さて、まず紫雲丸及び第三宇高丸運航状態と、両船衝突に至るまでの経過について申し上げるべきでありますが、これについては過旦二木運輸大臣より報告がありましたので、これを省略いたしまして、沈没原因について述べたいと存じます。  本件については海難審判の結果に待つべきでありますが、調査団調査いたしました範囲においては、次の通りであります。  一、当日気象台より視界四十メートル以下の濃霧注意報が出ていたにもかかわらず、霧中航行に入るに先だち、警戒体制に入る手配を講じた形跡がなかった。すなわち、霧中航行における警戒が不十分であったこと。  二、霧中航行にあっては、海上衝突予防法によって、船の速度を落すとか、あるいは機関の運転を停止するとかの措置を講ずべきであるのにかかわらず、両船とも全速力で航行していた。すなわち、両船とも、霧中航法につき注意が不十分で、かつ航法上の過誤があったこと。  三、濃霧中レーダー使用霧中航法との関連を十分に理解することなく、両船とも転針を行なったこと。  右所見にかんがみ、今後この種事件絶滅を期するためには、次のような対策をすみやかに実施すべきであると考えるのであります。  第一に、宇高航路における航行船舶行き違い方法についてであります。行き合い船の航行及び横切り船航行については、海上衝突予防法により、右側航行原則と、いわゆる権利船義務船とを定めております。本航路は、各ダイヤごとに必ず真向いに行き合う場合があり、平素原則的には行き合い船の航法によっているのでありますが、風向き、潮流の状況によっては変則的に左側航行により行き違いをすることは、必ずしもまれではないのであります。しかして、霧中航行の場合には、権利船義務船関係はなくなるのでありますが、他の方法、たとえば速力を落すとか機関を停止するとかの措置を講ずべきであって、これらの点について航法原則を励行せしめる必要があると思うのであります。  第二に、上り便下り便行き違い個所は、現在二百メートル風上の間隔を置くよう定められているのでありますが、これまた航行当時の事情により必ずしも守られていないようであります。しかしながら、これは、過去数回に及ぶ衝突接触事故にかんがみ定められたものである以上、これを励行せしむべきは当然であり、さらにこの間隔を拡大分離せしむべきであります。  第三に、旅客船貨物船との取り扱い方は現在おおむね同様のようでありますが、万一の場合を考慮し、行き違いの場合その他についても旅客船を優先せしむるよう規定し、人命の損傷を絶対に避けるようダイヤを変更すべきであります。  第四に、国鉄連絡船は、鉄道との連絡使命とするため、旅客接遇航行及び連絡時間の制約があり、船舶安全航行を犠牲にする傾向がありますので、この面における運行ダイヤ根本的改正を行うべきであります。  第五に、本航路のような平水航路で、かつ短区間の場合には、非常時に対する訓練が閑却されがちになるのではないかと存じます。特に非常事態発生時における非番乗組員の運用、配置等を一そう明確にしておく必要があると思うのであります。  第六に、連絡船構造について再検討を加え、特に船体の安全度の確保、客室の位置等について根本的改良をなすべきでありますが、これについては洞爺丸事件に際しても論議せられたところで、今回再び悲惨な教訓となったのであります。この際客車の航送はむしろ停止すべきであります。  第七に、国鉄における船舶運航管理組織についてであります。現在国鉄における連絡船運航の指令、監督の実務に当る機関は比較的小さく、かつ船長の経験を有する実務者もきわめて少いので、連絡船航行については勢い船長の判断にまかせざるを得ないこととなっております。すなわち、船長に対しあるいは指示を与え、あるいは船長相談相手となるような人員の配置もなく、また一方、これらの人々が喜んで就職するような待遇も地位もないことが、民間商船会社海務部に比し欠点と考えられるのでありまして、この際この点につき思い切った改革を必要と考えるのであります。  今回の事件対策として考えられるのは以上の諸点でありますが、本事件に対する緊急の善後措置については、関係機関協力のもとに、四国鉄道管理局を中心として、おおむね遺憾なく進められておるようであります。不幸遭難せられた人々遺家族に対する弔慰方法も大体において問題はないようでありまして、特に遺霊に対する態度、敬弔方法は、高松宇野付近はもちろん、全国鉄機関一般及び職員について十分その誠意を認めることができたのであります。  以上は調査団報告の概要でありまして、その詳細については会議録によって御承知を願いたいと存じます。  最後に、右調査団報告に基き、運輸委員会は、去る十七日、全会一致をもって次の通り決議いたしました。    紫雲丸衝突沈没事件に関する決議   本委員会は、国有鉄道宇高航路連絡船紫雲丸沈没事件重要性にかんがみ、現地調査団を派遣して事件真相責任所在等について調査したものであるが、今日までの調査に基き、爾今此の種事件絶滅を図る為めには、政府及び日本国有鉄道は左の事項につき、速かに適切な措置を講ずる必要があると認める。  一、日本国有鉄道に於ける連絡船運航の現在の体制並運航管理機構改正及び運航業務根本的刷新を図り、運航安全性を絶対に確保すること。  二、本事件の処理は、海難審判庁の結審を俟つ迄もなく、速かに責任所在を明確にすること。  三、沈没原因にかんがみ、此の際特に上下を通じ、ひろく綱紀の粛正、志気の昂揚をはかり、特に船員の特殊使命にかんがみ、海員精神の涵養を図ること。  四、非常時に際する訓練励行並乗組員非常時編成を平時より定め置くこと。  五、日本国有鉄道連絡船構造につき、客貨の分離、トップ・ヘヴイの改正等根本的検討を加え、運航安全性を絶対に確保すること。  六、右の外、特に宇高航路については、上り便下り便航行路に付き再検討を加え、新航路の制定を図り、運航ダイヤ根本的改正を実施し、以て航行の安全を確保するの外、高松港の入出港の際の混雑を改良すること。  七、本州と四国とを結ぶ最短距離安全性を考え、速かに海底隧道実現につき、特段措置を講ずること。  八、遭難者に対する弔慰方法に付ては、今回の事故の性質にかんがみ、特段措置を講ずること。  右決議する。  以上をもちまして紫雲丸沈没事件に関する報告を終ります。(拍手
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十分散会