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1955-05-12 第22回国会 衆議院 本会議 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月十二日(木曜日)     —————————————  議事日程 第十五号   昭和三十年五月十二日     午後一時開議  一 富士山麓実弾射撃に関する緊急質問田原春次提出)     ————————————— ●本日の会議に付した案件  三木運輸大臣宇高連絡船遭難事故についての報告及びこれに対する質疑  富士山麓実弾射撃に関する緊急質問田原春次提出)     午後四時四十二分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  宇高連絡船遭難事故についての   三木国務大臣報告
  3. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 三木運輸大臣から宇高連絡船遭難事故について発言を求められております。これを許します。運輸大臣三木武夫君。     〔国務大臣三木武夫登壇
  4. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 昨日宇野高松間の連絡船紫雲丸沈没事故が起りまして本院にこの経過について御報告を申し上げることは、まことに遺憾しごくに存する次第でございます。  昨五月十一日午前六時五十五分ごろ、国鉄宇野高松連絡船航路におきまして、客貨船紫雲丸と貨車航送船第三宇高丸とが衝突し、紫雲丸沈没をいたしました。船員法によりまして平水航路船客名簿は要らないことになっておりますために、正確な船客人たち名簿を取りそろえることに非常に困難がございましたが、あらゆる方法により調査をいたしました今日までの結果によりますと、乗組員の総数は九百三十名と推定をされます。うち一般乗客は、中小学校生徒団体約三百七十名を含めて約八百七十名でありました。  本日正午現在の遭難者の状況は次の通りでございます。死亡を確認された者百二十九名、生存者七百七十五名、うち負傷者五十一名ございました。なお生死不明の者二十八名となっておるのでございます。  昨日事故発生直後より、衝突いたしました第三宇高丸を初めとする国有鉄道船舶はもとより、海上保安庁海上自衛隊所属船現地漁業組合その他各方面よりの応援によりまして、救助全力を注いでおるのでございます。なお、海上保安庁のヘリコプターも大村より急派をいたしました。その他、サルベージ船八隻が出動し、また香川水産課の手配により底びき網船も出動いたしておるのでございます。しかしながら、まだ二十数名の多数の行方不明者がありますので、引き続いて極力これが捜査を続けておる次第でございます。  国鉄は、昨日天坊副総裁現地に急派いたしますとともに、国鉄本庁並びに高松緊急対策本部を設け、善後措置を講じております。  本件原因につきましては今調査中でございますが、大体両船の状態も判明いたしまして、濃霧中において操船を誤まったことは明らかと思われます。運輸大臣といたしまして、昨年の洞爺丸事故に引き続いて再びこのような大きな連絡船事故を起しましたことについて、国民各位に対してまことに相済まぬと存じております。ことに今回は多数のいたいけな小学生犠牲者を出しましたことは、まことに忍びがたいものがございます。深く責任を感じておる次第でございます。  なお、さしあたり、救助遺体の収容に、あるいは負傷者医療等全力を注ぎますとともに、不幸遭難をされました御遺族方々に対しましては、できるだけ弔慰方法をすみやかに講じたいと存じております。この機会に、つつしんで遺族の方に敬弔の意を表したいと存する次第でございます。  なお、今回の事故は、洞爺丸事故の場合と異なり、国鉄責任があることは明瞭でありますので、直ちに弔慰手続をとらせることにいたしたいと存じております。昨日運輸大臣代理として植田鉄道監督局長現地に急派いたしますとともに、省内に緊急対策本部を設けて本事件善後処理の万全を期するとともに、今後この種の事故をなくするために万全の策を講じて参りたいと考えております。ことに職員の再訓練についてでございますが、現在までも、高級職員については海技専門学校下級船員については職員養成所特設船員課等訓練をいたしておったのでございますけれども、これは不十分であることを認めまして、今後再訓練を強化いたして参りたい。また、船舶安全性検討につきまして、造船技術審議会船舶安全部会において、洞爺丸経験に徴していろいろな問題が検討されておるのでございまして、今後新造船の建造については、こういう造船技術審議会の意向を十分に取り入れて参りたいと思うのでございます。  さらに、今回の事件に対する責任の問題でございますが、長崎国鉄総裁責任を感じて辞表を出されました。私といたしましては、経営委員会の同意を得て、長崎国鉄総裁にはやめてもらうことにいたしたいと思います。なお、その他の人々に対しては、事実の調査に基いて、現地中央にわたり、すみやかに責任所在を明確にするの処置をとりたいと思います。かくして、この不幸なる事件を教訓といたしまして、一段と綱紀の高揚をはかり、国民に対する責任を果したい決心でございます。  一言この問題に対する御報告を申し上げた次第でございます。(拍手)      ————◇—————  宇高連絡船遭難事故についての三木国務大臣報告に対する質疑
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) ただいまの報告に対して質疑の通知があります。順次これを許します。徳安實藏君。     〔徳安實藏登壇
  6. 徳安實藏

    徳安實藏君 私は、自由党を代表いたしまして、今回の紫雲丸沈没事件に関し、あえなくもその犠牲となられましたる各位に対し、心からなる哀悼の誠をささげたいと存じます。ことに、いたいけな小学生、中学生の多数の者が犠牲となられましたることに対しては、その父兄の心情を察しまするとき、まことに哀惜にたえません。涙なきを得ないものがございます。ここに、つつしんで、重ねて弔意を表したいと存じます。  私は、この機会に、本件原因を究明し、あわせて現内閣責任をただし、もって今後かかる不祥事再発を絶対に防止いたしたいと存ずる者であります。  第一に伺いたいのは、昨年十月二十二日、本院の運輸委員会におきまして、洞爺丸事件当時、国鉄当局はその責任重大性思いをいたし、ますます士気を高揚し、業務刷新について特段の措置を講ずることという決議を行なったのでありますが、その際、鉄道当局は、この決議趣旨を尊重いたしまして、再びかようなる不祥事を引き起さぬよう最善を尽すことを答弁いたしておるのであります。しかるに、今回の紫雲丸事件に徴してみまするのに、少しも士気は高揚されておりません。反省の色もなく、また職務重大性も認識されておりません。業務刷新に至りましては、これまたいささかも認むるところがないのであります運輸大臣は、さきの本院の決議を尊重するために、国鉄に対していかなる監督、いかなる処置をおとりになりましたか、これを承わりたいと存ずるものであります。  次に伺いたいのは、この事件は、洞爺丸事件とは異なりまして、決して不可能なる天災でないということであります。すなわち、紫雲丸及び第三宇高丸出発前におきまして五月十一日の午前五時三十分前後に、鉄道気象通報及びラジオ香川高松放送局等から、それぞれ、濃霧発生をし視界五十メートル以下になる見込みであるから船舶は十分注意されたい旨を放送されておりまして、気象関係におきましても、いささかの欠くるところはないのであります。また、紫雲丸、第三宇高丸ともスぺリー式レーダーが取りつけてございまして、このレーダーは、いかなる濃霧の場合といえども、また暴風の際におきましても、少くとも十五マイルは完全にキャッチし得るだけの高度の性能を持っておるのであります。しかも、両船とも、このレーダーに対して当時は少しの故障もなく、完全にこれを使用しておる事実があるのであります。この両船がどうして衝突したか、こういうことは全く常識をもってしては考え得られないことであります。ことに、両船には無線電話も装備されております。桟橋との連絡も十分ついております。どの角度から検討いたしましても、重大なる過失に起因するものと断ぜざるを得ないのであります。結局は、この原因が、職務忠実性を欠き、精神的に弛緩を来たしている結果と断ずるほかはないのでありまして、しかも、その根本を洗ってみまするならば、現政府の優柔不断と信賞必罰の適正を欠くところに一切の責任があると申さねばなりません。(拍手)  かく論じ来たるとき、すでに責任所在はきわめて明白であります。四の五の言っておるときではございません。先ほど、三木運輸大臣のお説によりますれば、総裁辞表を出したということでございますが、私どもは、同氏のためにも、かくあることを今日までこいねがっておりました。仏の顔も二度三度ということがございます。自己の重大なる過失によって百五十余名もまた大きな犠牲を出したる今日、運輸大臣として、あるいは国鉄総裁として、一体どういう責任をとって国民におわびをなさるのか、国民の納得のいくような答弁をお願いいたしたいと存じておりましたが、総裁がおやめになったら、それは別でございます。運輸大臣は一体それでよろしいのか、それを一つ重ねて伺いたいと思います。(拍手ただ国鉄総裁さえやめれば自分はそれでよろしいとお考えになりますか、この点も伺いたいと思います。  先般の洞爺丸事件と今回の事件とは全く性格が違います。その責任、その原因が全く異なっている。今度のは重大なる過失によるものでありまして、前回のものとは全然その趣きを異にしていることは御了承のことでございます。一船長や一地方局長責任をなすりつけて知らぬ顔をして押し通すというようなことは、この事件に限りまして断じて許されざるところであります。応急処置はだれでもりっぱにできると思います。かように再三の不祥事件を起しました以上は、跡始末をしてから責任をとるというような、そういうずるい考えでなしに、もう進んで責任をおとりになる、これが少くも民主政治下におけるところの運輸大臣の当然の処置であろうかと考えるのであります。(拍手)もし、今後の善後処置に名をかりて、その責任を回避するがごときことがありまするならば、それこそ、実に国民を愚弄し、かつこれを欺くものなりと申さねばなりません。応急処置跡始末にはいささかの御心配も要りませんかち、さっさと責任をとられて、もって信賞必罰を厳にせられ、聴緩せる責任観念を挽回して、もって一日もすみやかに国民の信頼を回復せられんことを強く要請する者であります。この点につき三木運輸大臣の率直なる御所見を伺いたいと思うのであります。  次に運輸大臣にただしたいと思いますのは、連絡船構造に関する政府見解であります。現在の連絡船構造は船体に復原力なしというのが専門家の一致した見解であります。このことに関しましては、現内閣になりましてからすでに結論を得ていると思うのであります。専門家は、いずれも口をそろえて、国鉄輸送船はきわめて沈没しやすいように、また転覆しやすいようにできていると言っております。洞爺丸事件のときすでにこれが問題になっておりまして、運輸大臣はこれが結論に対しいかに処置なされたか。専門家意見に耳を傾けて船舶処置を講ぜられていましたならば、たとい衝突いたしましても、今回のごとき場合におきましても、あるいは沈没を免れ得たかもしれないのであります。ここにも政府の怠慢があると考えるのでありまして、このままに、もし、ほうっておきますならば、あるいは第三あるいは第四の大事故が頻発するであろうことは当然であり必至であろうと思うのであります。あえて三木運輸大臣答弁を求むる次第であります。  次にあわせて伺いたいことは、業務上の責任所在についてであります。船が出港いたしました以上、航海中のことについては一切船長にまかせることは当然でありますが、出港するまでの権限鉄道管理局長にあると思いますが、いかがでありましょう。洞爺丸事件のときにすでにこの問題も論議せられておりますが、当局態度はきわめて当時あいまいでありました。ダイヤ決定管理局長にあります以上、これを変更することも業務命令の一つであると信じます。ダイヤ変更、すなわち出発時間の変更あるいはまた出港を取り消す等の業務命令は、必ずしも船員法に抵触するとは考えられないのであります。船のことは一切がっさい船長にまかせるというところに大きな危険性があると思います。出発するまでは業務命令管理局長権限があり、出港して航海中には船長に一切の責任があるというように明確化して、もって責任の帰属を明らかにすべきではないかと信ずるのでありますが、この点につき三木運輸大臣の御見解を伺いたいと思います。  次に私が伺いたいのは、今回の不祥事件に対する善後処置についてであります。ただいま運輸大臣報告によりますと、着々善後措置を講じておられるようでございますが、今回の事件は、洞爺丸事件と本質において異なり、明らかな国鉄過失に起因するものでありまして、犠牲者への補償等については最大限の処置を講ずべきものであることはもちろんであります。しかも、迅速にこれを解決することが遺族に対する当然の責務かと心得るのであります。この点につき、政府は、さらに一段の努力を払い、もって万遺憾なきを期せられんことを望む者であります。  次に伺いたいことは、かかる大不祥事再発防止するために政府はいかなる対策を講ぜんとするかということであります。責任者の処分はもとよりその最大の措置ではありますが、これだけで足りるものではありません。先刻申し上げましたように、連絡船構造の問題、業務運営制度刷新職員士気引き締め点等に抜本的な対策を要するものと考えるのでありますが、政府のこれに対するところの御所信を重ねてお伺いをいたしたいと思うのであります。  最後鳩山総理大臣に伺いたいと存じておりましたが、(「総理を出せ」と呼ぶ者あり)総理に伺いたいのでありますが……。     〔「総理大臣を出せ」「休憩々々」と呼び、その他発言する者多し〕
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 徳安君、時間になりますから質疑を続けて下さい。総理は外人を招待しておられるので、やむを得ず……。
  8. 徳安實藏

    徳安實藏君(続) 私は、かような重大案件の問題でありますから、できるだけ総理みずから出席せられることを心から望んでおるのであります。普通の事件とは違います。     〔「質問を中止して今までの答弁を求めろ」「休憩々々」と呼び、その他発言する者多し〕
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 徳安君、あらかじめ総理大臣の要求がありませんので、副総理から答弁するそうでありますから、質疑を続けて下さい。
  10. 徳安實藏

    徳安實藏君(続) 私は、総理大臣に本日質問いたしたいと思って、通告しておるわけでありますが、もし事務的な手続が間違っておりましたならば、直ちにその手続をとっていただきたいと思います。  私は、本日こそ、どんなにお忙しくとも、この席には鳩山総理大臣おいでになりまして、各党の質問に対しては敬虔な気持でお聞き取りになることが当然であると考えます。(拍手民主主義をあれほどお叫びになり、また今回の問題のごときにつきましては心から哀悼の意を表せらるべき総理おいでにならぬというようなことは、私はどう考えましても、ふに落ちないのであります。(拍手)しかしながら、これ以上皆様に御迷惑をおかけいたしますこともいかがかと思いますから、一応、議長の御勧告もございますので、私の総理に対する質問の一端だけを申し上げて後日その御答弁をいただきたいと思います。  私は鳩山総理大臣にただしたいのでありますが、総理は、今回の事故につきましては、おそらく昨夜現地からの録音ニュースをお聞きになったことと思いますが、夫を失い、妻を失い、子を奪われた人々の嘆き悲しむ悲痛なるおえつの声をお聞きになりましては、おそらく、総理はもちろんでございましょうが、八千万国民だれ一人として涙をしぼらざる者はなかっただろうと思います。しかも、今回の不祥事件は、現内閣の無責任にして信念のない政治がようやく末端に及んで、その責任感を欠如せしむるに至ったものと考えて差しつかえないと存じまして、まことに悲しむべく、かつ憂うべき現象であると考えるのであります。(拍手)私どもは、今ここに百数十名の尊い犠牲者をしのぶとき、その遺族の悲しみに思いをいたすとき、また国民の限りなき怒りを察するとき、あくまでも現政府責任を追及せざるを得ない者であります。この際、鳩山総理は、犠牲者有余名のひつぎの御前にお立ちになったお気持で、その御心境と、責任者に対する御処置並びに決意のほどを明確にお答え願いたいと存ずるのであります。  なお、最後に一言いたしますが、これを責める者も責められる者も、お互いに友人であり知己であります。少しも含むところはありません。私情においてはまことに忍びざるものがあるのでありますが、国家のため、また国民のため、やむを得ず責任を究明しておる次第でありまして、世の中には泣いて馬譲を切ることもしぱしばございます。吏道の刷新をモットーとせられる  現内閣としては、今回こそその実を示されるべき絶好のチャンスであると思います。しからざれば、看板に偽わりありと申さねばなりません。この際は、断じて一閣僚、一総裁の進退ぐらいにこだわるべきものではないと思います。どうか、本事件に対する責任のきわめて重大なる点に深く思いをいたされ、抜本塞源的な大英断をもって、国民が納得し、かつ犠牲者となられたる人々がもって冥し得るに足る万全の処置をすみやかに講ぜられんことを鳩山総理に強く要望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。(拍手)     〔国務大臣三木武夫登壇
  11. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 徳安議員の御質問にお答えをいたします。  運輸行政人命関係を持つものでございまして、こういう事件を起せば人命の損傷が起るわけでございますので、十分に注意はいたしておるわけでございまして、青函連絡船事故発生いたしまして以来、青函連絡船事故対策協議会を設けて、その協議会で、今後こういう事故防止するためにはどういう点に欠点があるかとか、専門的な見地かちいろいろな検討が加えられまして、その趣旨に沿いまして、気象とか、あるいは船舶救難体制については相当な改良を加えて参りましたけれども、こういう事故発生にかんがみて、今後ますます事故発生防止に対しては強化をしなければならぬ必要を認める次第でございます。  また、連絡船構造についてお尋ねがございましたが、現在の連絡船構造は、法規の上においては欠陥はないのでございますけれども、こういう事故等にかんがみて、安全性の問題については検討を要すべき点があろうかと思います。従って、造船技術審議会安全部会等においても、すでに洞爺丸のああいう事件経験に徴して、こういう点を改良すべきだという意見が出ておりますので、こういう点等をにらみ合せて、今後の連絡船に対しては、その構造上についても今後改良を加えて参りたいと思っておる次第でございます。  また、船長責任についてお話がございましたが、連絡船は御承知のようにダイヤが定められておるのでございますから、そのダイヤに従って動くので、天候その他の事情で航海が安全かどうかということは船長決定をするということに相なっておる次第でございます。  また、運輸大臣責任について御質問がございましたけれども、これだけの犠牲者を出して、私は強く責任を感じておるのでございます。しかし、運輸大臣責任はどういう形において国民に果せるか。今後運輸大臣として責任を果していきたいと考えておる点は、まずこの責任所在をすみやかに明確にしたい。そうして、一面においては、国鉄職員官紀を高揚いたしまして、いやしくも官紀弛緩によってこういう事故発生するようなてとのないように官紀を引き締めていきたい。また、一面におきましては、今後こういう事件を起さないためには、今申したような船員の技術的の訓練もございましょうし、あるいは連絡船構造などについても十分検討を要する点がございましょうし、あるいはまた、現に  いまだに行方不明の方々もおるわけでございまして、これの捜査、あるいは生存者に対してもいろいろな問題がございますし、あるいはまた不幸にして遭難をされた方々に対しての弔慰方法をすみやかにしなければならぬ。そういう現在起っておるいろいろの問題の直接の処理、あるいは将来にわたる  こういう事故防止に対しては、運輸大臣として深く責任を感じて、そういう面において私は責任を果したい、こういう私の心境であることを申し上げておきたいと思います。(拍手
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 総理大臣答弁は適当なときに願うことにいたします。  山口丈太郎君。     〔山口丈太郎登壇
  13. 山口丈太郎

    山口丈太郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま運輸大臣より報告になりました、昨十一日午前六時五十五分ごろ、修学旅行の学童初め一般旅客を合せ推定八百六十六名を乗せ高松港を出港し、第三宇高丸衝突沈没した紫雲丸事件につき、日本国有鉄道監督する運輸大臣に対し、その責任所在を明らかにするために質問せんとする者であります。  私は、大臣質問をいたす前に、今回の衝突事件のため犠牲となられました死者並びにその御遺族に対し、深甚なる弔意哀悼の念をささげる者でございます。(拍手)  思えば、昨年の台風下における青函連絡船沈没事件、あるいはまた相模湖における内郷丸事件等々、実に痛ましい事故の続発あり、われわれは、機会あるごとに、これら海難の惨事防止するため、政府並びに国鉄当局に対し勧告または決議等あらゆる方法を尽してこれに対処し、政府並びに関係当局者も適切なる措置をなす旨しばしば言明をされておったのでございます。しかるに、また今回宇高連絡航路において衝突惨事を起し、多数の人命、財産を失ったことは、返す返すも残念に存ずる者でございます。運輸省並び国鉄当局報告等によれば、遭難旅客は八百六十六名、船員並びに売店店員及び郵便関係者を含め六十六名で、推定による合計は九百三十二名の乗船者があったのでございます。このうち生存者は七百七十五名でありまして、その中には五十九名の負傷者を含むのでありまして死者、行方不明を合せますと百五十七名となっております。この行方不明者のほとんどは死亡されたものと思われるのでありますが、いまだ遺体の発見されない遺家族の傷心の情まことに痛ましい限りと申さなければなりません。私は、この際、所管大臣たる運輸大臣に、この重大問題をどう処理し、この種事故防止のためいかなる考えを持って臨まれるかについて、その所信をただしたいと思うのでございます。  まずその第一は、今までの事故についても国鉄首脳部の取り来たった態度運輸大臣監督責任についてであります。今まで、国鉄は、企業運営の面においても諸種の問題を起し、あるいはたび重なる重大なる交通事故を起し、そのたびに各方面より非難を受け、国鉄首脳部も、あるいは運輸大臣も、批判にこたえ、善処を約されたのであります。しかるに、国鉄首脳部は、たまたま約束を履行していると思えば、それは表面上現職を去っても、実質的には現職当時以上に君臨して自己の利権、利欲に走り、あるいはまた、昨年青函連絡船沈没事件のごとき重大事故についても、ただ事務的に法律等うしろだてとする海事審判の結果のみを唯一の根拠に、善良なる企業責任者としての道徳的責任国民の前に明らかにせず、所管大臣またこれらの事実について何ら政治的道義に基く積極的監督的責任を果していないのであります。(拍手運輸大臣は、この点いかに考えられているか。考えられるとすれば、国鉄首脳者に対し、善良なる企業者として公衆に報いさせるためには、いかなる処置をとらんとされるのであるか、この際はっきりと御答弁願いたいと思うのであります。(拍手)  第二に、事あるごとに事故防止について言明されているが、口先や法律、諸規程等事務的処理で防げるものでは決してございません。要は、総裁以下全員あげて業務諸件を誠心と責任観念による道義的精神の発露によって遂行するにあると思うのでございます。これには、職員の待遇の改善はもとより、精神的にも常に新しい気風を失わず、前途に希望を持たせ得るような業務上の措置をとらせる必要があると思うのであります。運輸大臣は現国鉄業務運営の全体についていかなる考えをお持ちであるか、承わりたいと思うのでございます。  第三は、今回衝突事件を引き起した紫雲丸、第三宇高丸は、ともにレ—ダーを備え、濃霧時は言うに及ばず、暗夜といえども航行にはおよそ近代的安全航行をなし得る設備を施した船であり、従って視界、距離等は、この両船に関する限り問題ではないのであります。しかるに、かかる惨事を起したのは、平素における国鉄当局者の無責任、放任態度による精神的弛緩に基くものであります。しかも、この連絡航路は過去数度にわたり事故を起しており、紫雲丸のごときは、昭和二十五年三月二十七日、鷲羽丸と衝突事故を起してみずから沈没し、船長以下七名の死者を出しているのであります。引き揚げ後修理して就航したものでありますが、またまた、本年五月一日高松港に入港の際、停泊中の関西汽船桜丸に衝突をいたし、事故を引き起しておるのであります。言えば、このような因縁つきの船とも言い得るのでありまして、このように事故の多い航路であれば、日常の運航には最善の注意を払うよう常に指導すべきであります。しかるに、今までの国鉄首脳部態度よりすれば、事故責任も当事者まかせであって、適切なる指導に欠けていたのではないかと思われるのであります。これについて運輸大臣はいかに考えられるか、具体的に御答弁願いたいと思うのであります。  また、近代的装備による安全操作をするためには船員の再教育も必要であると思うが、今大臣報告せられたるところによりますると、この船員の再訓練、再教育に今後も意を用うるとのことであります。しかし、今までにおいても、すでに、この近代設備を操作して船の運航の安全をはかるために所要の措置を強力に推し進めますることは歴代運輸大臣責任であると考えるのでございます。しかるに、それを怠っておりますために、このような近代装備をした船が、あたかも近代装備をしない船と同様の事故を引き起しておるものでございまして、まことに残念しごくに思うのでございます。私は、これらの再訓練の具体的な運輸大臣の所見について、もう一度その内容を承わりたいと思うのでございます。  第四に、今回の海難事故は、多少の霧があったといたしましても、レーダー及び無電設備等完備に近い安全施設を持った船同士の衝突事故であり、責任は明らかに国鉄側にあると考えられる。よって、死亡者遺家族並びに負傷者に対しては十分なる慰謝あるいは損害賠償をなす必要があると思うが、そのためには予算化の必要があると思いますが、これについて大蔵大臣はどのようにお考えであるか、御答弁をいただきたいと思うのでございます。  第五に、私は、近時続発する国鉄海上事故にかんがみ、運輸大臣は、従来のごときいわゆる口約でなく、真に責任ある監督を励行し、即時総裁を初めその責任の地位にある者に対し懲戒のため免職ないし厳重なる処分をなし、国民の前に納得のいく決断をなすべきであると思うのでございます。また、所管省たる運輸省内責任者も当然その責任をとるべきであると思うのでございます。ただいまの運輸大臣報告によれば、総裁辞表提出されたようでありますが、たとい辞表提出されたといたしましても、その責任総裁だけの責任問題ではなく、これを補佐する副総裁はもとより、各部局の長も当然懲戒解職に値する責任があると思うのでございます。これを実行することによって、累積した不祥事に対する全責任を全うするものであると考えるが、運輸大臣はいかなる考えであるか、所信を承わりたいと思うのでございます。  私は、最後に、洞爺丸を初め累次にわたる事故犠牲者に対しましては、心からその冥福を祈り、責任ある大臣の御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終る次第でございます。(拍手)     〔国務大臣三木武夫登壇
  14. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) お答えいたします。  第一点は、運輸大臣国鉄に対する監督権についていろいろ御質問がございました。この点については、現在の国有鉄道法にも不備の点があることを認めまして、運輸大臣監督権ということについては再検討を加えて参りたいと考えておる次第でございます。  次に、責任感を持たなければこういう事故は将来においても防ぎ得ないという御趣旨は全く同感でございます。ことに交通関係人命を預かるわけでございますから、人命尊重の意味からいっても責任は一段と重いわけでございまして、その責任感を各従業員が持たなければならぬという点については、今後国鉄職員士気を高揚いたしますために私も最大の努力を払って参りたい考えでございます。  次に再教育の点についてでございますが、最初にも申し上げたように、現在でもやっておるのでございますが、それには、必ずしも全部の人たちをやるというのでなくして、何名という人を限ってやっておって、その規模、その技術指導の面についてもこれは強化をする必要が私はあると思う。そういう点で、この船員の再教育、再訓練については一段と強化をする方法をとって参りたい。  また、責任の問題についてでございますが、これは単に総裁一人の責任というわけではございません。現地においてもこれは責任を持つべき者があるわけでございますから、今後事実の調査に基いて、今回は責任所在をすみやかに明白にいたしまして、これもまた国鉄に対する一つの士気の高揚という見地からもこの責任を明らかにするということが必要でございますから、すみやかにそういう処置をとわたい覚悟でございます。  お答えをいたします。(拍手)     〔国務大臣一萬田尚登君登壇
  15. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 今回の不幸なできごとに遭遇されました方々に対しまして、心から御同情と哀悼の意を表する次第であります。  今回の事件処理に必要な入費につきましては、必要に応じまして適切な措置をとる考えで、事を欠かさないようにいたしたいと考えております。
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山口君から再質問をいたしたいとの申し出があります。山口丈太郎君。     〔山口丈太郎登壇
  17. 山口丈太郎

    山口丈太郎君 ただいま運輸大臣の御答弁をいただいたのでありますが、私の質問の中で重要なる点を抜かしておられますから、再度この点について質問をいたしたいと存じます。  それは、今の大臣答弁では、なるほど、国鉄のいわゆる幹部に対する責任は、総裁辞表を出されておるが、それ以外の幹部については調査の上しかるべき責任を明確にするということでございますが、少くとも、それと同時に、私の答弁を要求いたしておりますものは、この国鉄の幹部は、いわゆる洞爺丸事件以来累次にわたりまする事件、並びに鉄道会館を中心といたしまする業務運営の不手ぎわと、そして国民に対する大きなる疑惑と責任等々があるのでございまして、従って、累次にわたるこのような不祥事件に対しては当然懲戒に値する処分があってしかるべきだと考えるのであるが、それに対しての運輸大臣の決意いかんを尋ねておるのであります。同時に、また、これは単に国鉄当局だけを処断するのではなく、その監督省たる運輸省の責任もまた重大であります。従って、その監督の衝に当る運輸省の関係者の政治的処分、政治責任についていかなる処分をされようとされるか。これについても、所管大臣である運輸大臣は重大なる決意をお持ちであるはずであります。この際それを明らかにされんことを望んでおるのであります。以上。     〔国務大臣三木武夫登壇
  18. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私が責任を明らかにすると申し上げておるのは、今回の紫雲丸事件について責任を明らかにしたい、こういう考えでございます。いろいろな問題をお述べになりましたが、運輸大臣として考えておる責任を明白にするというのは今回の事件についてであると御承知願いたいのであります。  さらに、責任につきましては、御承知のように、これは国鉄については経営委員会の同意等も法律上要するのでございますので、私は、私の監督者としての立場の良識に従って、これは明白に、責任を明らかにしたい、こういう覚悟でございます。一々どういうふうにするかということは、今日の場合申し上げるのに適当でないと思っております。(拍手
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 池田禎治君。     〔池田禎治君登壇
  20. 池田禎治

    ○池田禎治君 私は、ただいま三木運輸大臣より報告になりました宇高連絡船遭難事故について、日本社会党を代表いたしまして、若干の質問をいたしたいと思うのでございます。  昨日並びに本日衆議院の運輸委員会におきまして逐次遭難の模様の報告を受けたのでありますが、これに対しまする当局答弁というものは、実は私はまことに誠意のない答弁と思わなければならないのであります。先ほど来、徳安並びに山口両君の質問に対しましても、責任を痛感しておるということの言葉はありまするが、どういう工合に持ってきてそれを直そうとするのか、あるいはまた、今日世界にもまれに見るようなこの膨大な国鉄の機構を現状のままで持っていって、あなたが直そうとしても、それは、失礼でありますが、三木運輸大臣がいかに力をふるっても不可能であります。しかも、答弁を申しますならば、職員訓練についてはさらに万全を期したいとか、あるいは科学的な訓練方式をやるとか、いろいろなことをおっしゃいますが、あなた方は、昨年の洞爺丸事件の起きた直後に、従来こういうことにありまするところの救済方式というものは古いから直さなければいかぬ、こういうことが国鉄なり運輸省で論議された。船舶安全法の省令を改正するとか水難救護関係法を改正するとか、あるいはまた警備救難業務法を根本的に改革しなければならぬということを言っておるが、今なおやっていない。今度の紫雲丸事件に驚いて、いよいよやると言っている。この水難救護法は明治時代に作った。あなた方が、千数百の遭難者を出した洞爺丸事件について、この善後処置について、今日なおかような処置をとっておられない。口先だけにおけるところの——誠意ある答弁とは私は認められない。そこで、運輸大臣は、自分の任命になったのは洞爺丸事件以後であるということを言われるかもしれません。運輸省全体を統括いたしまして、この膨大な国鉄の機構を監督指導していなさるあなた方が、その根本的な指導理念を持たずして、この日本の国民の動脈たる国鉄をまかせるということについては、私どもにとってまことに不安千万であると言わなければなりません。(拍手)  今日、国民の声は何でありましょう。国鉄は危なくてしょうがない、国鉄には、船には乗せられぬ、子供を修学旅行に出すということはよほど考えなければならぬということは、国民の偽わらざる感情ではございませんか。この観点に立って、あなた方がもう少し考えて、抜本的なものについてこうする、その所信がなくてどうする。たとえば、三木運輸大臣にお尋ねいたしたいが、あなたは今日のようなこの膨大な国鉄の機構を監督行政上てできると思うのか。たとえば、問題になりました洞爺丸事件といい、今度の紫雲丸事件といい、国鉄の中に占めますところの船舶の部局はどこでありまするか。国鉄そのものは十幾つの部局を持っておりながら、この船に関する限りは営業局の一船舶課長が権能の最高でありますぞ。こんなちっぽけなものに全国何千何百万の国民連絡船輸送をまかせるということで、どうじて国民が安心できましょう。そういう点についても、何かつでも検討されたことがありますか。  さらにまた、国鉄船員関係の人が私どもに語っておることは、こういうことであります。国鉄では、法科か土木の出身でない限り頭が上らぬ、船に関する限りの者は、待遇は最も劣悪である、民間の船会社に比べるならば、国鉄船舶に従事する従業員、船長は、まことに悲惨なる薄給にあえいでおる、しかも非常に多忙をきわめておる、レーダーのごときも訓練不足であるということを明確に申しております。こういうことをつでもあなた方が反省いたしたことがございましょうか。民間の船会社なら、一生懸命働いて重役になることもあれば、船長になる、あるいは社長にもなるが、国鉄船舶に従事する人は、最高が船長でとまりである。紫雲丸船長遭難をされておりますが、運輸大臣はもちろん御存じないでしょうが、国鉄総裁といえども、この紫雲丸船長が何号俸の俸給を受けているか御存じないでしょう。私の聞いたところでは、知らないと言っておる。そういうところに数百、数千の人命を託する、船長責任において出港を認め、船長責任において、あらゆる問題についてあなた方が責任を負わせようとするのは、まことに大胆しごくなことであって、こういうことではとても安心して船に乗れません。この際、すべからく、こういう不祥事件の続発にかんがみて、こういうことの絶滅を期するためには、現在の国有鉄道全般について再検討をすると同時に、今日のごとく人命が軽んじられておるとき、進んで国民の動脈たる国鉄を預かる人々は、その責任所在と、人命のいかに尊きものであるかということを、形式的にも実際的にも身をもって示していただくことが、今日国民に謝罪する大なる道であると言わなければなりません。(拍手)  三木運輸大臣は、先日の衆議院運輸委員会におきまして、今度のような国鉄の予算でもってあなたは国鉄の完全な輸送ができるかと聞いたときに、あなたは、私は責任をもってこれを遂行いたしますと答えた。それはいまだ十日もたたない先である。国鉄の車両改良費八百億は削減を受けて五百二十億、新線計画の六十五億は二十五億円に削減をされた。そうして、新線ができれば四十億の赤字が出るということは明らかな事実である。こういう支離滅裂の国鉄の予算的措置をもちまして国民の動脈をあなたが完成させようということは、まことに乱暴しごくなことであると言わなければなりません。私どもは、こういう点から、本事件の跡を顧みまして、ただ単に国鉄が従来の機構を再検討するという形式的な言葉でなしに、どうすればほんとうに人命を重んじ、不祥事件の絶滅を期し得るかということを、もっと具体的に示していただきたい。これが国民の望んでやまざるところであります。  ことに、この宇高線は、大臣も御承知でしょうが、遭難事故が七回、紫雲丸に至りましては、転覆すること二回、追突すること一回。こういう過去の経験を持っておる船に対していかなる措置をしたかと聞いたときに、船舶課長はいかなる答弁をなさったでありましょうか。こんなに転覆し、こんなに遭難しておりながら、依然として就航して国民の足となっておるのに対して、国鉄なり運輸当局は等閑に付しておるものと言わなければならない。こういうことは、国鉄が、国鉄一家の鉄のカーテンの中にこもって、そうして自分たちだけで運営して、外部にはできるだけ内容をのぞかせぬというやり方だから、国民はこういう問題が起るたびに憤激するのであります。(拍手)  また、青函連絡船にいたしましても、あるいは宇高線にいたしましても、新線計画におきましては、トンネルを作ってこれを開通するようになっておる。もちろんこれは予算上の措置でできないと思いますが、あの関門トンネルが開通をいたしまして、先般の豪雨によって不通になったことはありましたけれども、いわゆる人命事故は一件もありません。この事実を思いますならば、あなた方が予定線に編成されましたる青函にいたしましても、あるいは宇高線にいたしましても、どうして予算上の措置を伴った、事故の絶滅を期する熱意をお示しにならないか、この点をただしたいのであります。  以上の点に関しまして、運輸大臣国鉄総裁責任を負って辞表提出されたということを申し述べられましたが、その辞表国鉄総裁みずからの意思によって出されたものでありましょうか。それとも運輸大臣辞表提出を求めたものでありましょうか。私どもは、今日の相次ぐ不祥事件につきましては、当人を憎むというにあらず、この尊い幾千の人命を失う幾多の不祥事件に対するところの、あるいは国鉄会館等に対しますところの本衆議院の幾多の委員会の決定等からながめまして、国鉄の中における責任者はもちろん、監督官庁である運輸当局の中においても、大きな責任を持つべき人が当然出なければならない。それが今日なお一つも措置がとられておらない。もちろん、洞爺丸事件につきましては、海難審判所の結果を見なければわからない。これは理論的にはそうであるかもしれませんけれども国民の中の一千数百のそのなくなりました人々遺族の人から、あるいは遭難された現状をながめた人、あるいは不祥事件を思う人々、これらの人々から見たならば、国鉄は何ということであろうか、運輸省はどうしておるであろうか、あれだけの事件が起きて一人の責任をとる人も出ておらない、これが国民の偽わらざる感情であると思うのであります。今回の問題につきましても、運輸大臣は、ただ単に国鉄総裁に対する懲戒上の処置をするというのではなく、特に私は、運輸大臣みすからの政治責任もまた、いかなる態度をもってあなたはお臨みになるかという、その見解も伺いたいのであります。  さらにまた、こういう国鉄の相次ぐところの不祥事件に対する内閣総理大臣のお考えはどういうものであるか。ただ単にそれは運輸大臣関係当局にまかしておくわけにいかない、総理大臣みずからが全局にわたってながめなければならぬという事態が来ておるのではなかろうかとさえ私は思うので、本日総理大臣はお見えになりませんが、鳩山総理大臣に対しまして、後日でもその点の答弁を求めんとするものであります。  要するに、運輸大臣は、あなた自身の責任をどうお考えになっておるか。国鉄総裁責任については、あなたはいかなる態度をもって——ただ単に提出をされた辞表を受理するにとどまるかどうか、もっと突き進んで、あらゆる不祥事件に対する抜本的な責任所在について、国鉄、運輸双方にまたがって断固としてあなたは責任をおとりになる、そういう処分をおやりになるかどうかという、あなたの御見解を率直にただしたいと思うのであります。(拍手)     〔国務大臣三木武夫登壇
  21. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) お答えをいたします。今御指摘になりましたように、国鉄はおそらく世界一の企業であります。そういう点で、これを管理していくということの容易でない点は、御指摘の通りだと思います。従って、私は、今後の国鉄をどう管理していくと申しますか、国鉄の運営全般にわたって、この機会に再検討を加えたい所存でおります。その中に、むろん今御指摘の船舶課のごときも、これは船舶課というような一課であるということは、機構として弱体に過ぎるということはお話の通りだと思います。あるいは従業員の待遇等につきましても、船員の待遇等については陸上と別に考えなければならぬ必要もあると私は考えます。こういういろいろな問題を含めて、この機会国鉄の運営というものに対して再検討を加えたいと考えております。  さらに、隧道についてお尋ねがございましたが、これは、将来においてこういう不幸な事件を絶滅するためには、わずかな四つの島でございますから、こういう島々が隧道によって連絡をされることが理想的だと思います。従って、省は、前内閣以来、隧道の調査費を計上いたしておるわけでございます。何分にもこれは世界で初めての工事であるために、十分な調査をいたさなければならぬし、またそれをやるという場合には膨大な予算を必要とするわけでございますから、十分な調査と、財政的な点ともにらみ合せて、将来は隧道を完成するということが最も好ましいものであると考えておるのでございます。  また、運輸大臣責任についてお尋ねになりました。これだけの大きな犠牲者を私が監督をいたしておる国道鉄道から出したことに対して、これは非常に責任を私は感じておる。しかし、その責任をどのように果すということが国民に対する運輸大臣責任の果し方であるか。私自身は、先ほども申し上げましたように、この事件善後処置をやり、責任所在を明確にする、こういう事故が再び起らないために万全の処置をすることが、運輸大臣としての国民に対する責任なりと私は考えておるのでございます。(拍手
  22. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 総理大臣に対する質問答弁は適当な機会に願うことにいたします。副総理から発言を求められております。重光葵君。     〔国務大臣重光葵君登壇
  23. 重光葵

    国務大臣(重光葵君) 鳩山総理が公務のために欠席いたされておりますから、私から政府本件に対する所見を申し述べます。  今回の紫雲丸事件は、まことに悲しむべきできごとでありまして、遭難せられたる方々に対し心から弔意を表するとともに、遺家族の方々に対し深く御同情申し上げる次第でございます。ただいま運輸大臣より御報告並びに御答弁申し上げましたごとくでありますが、政府といたしましては、すみやかに事件の真相を調査いたし、将来再びかかる悲惨事の起らないように、これが善後処置に万全を期する所存でございます。(拍手
  24. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて運輸大臣報告に対する質疑は終了いたしました。      ————◇—————  一 富士山麓実弾射撃に関する緊急質問田原春次提出
  25. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 本日の日程に掲げました緊急質問を許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  26. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって富士山麓実弾射撃に関する緊急質問を許可いたします。田原春次君。     〔田原春次登壇
  27. 田原春次

    田原春次君 去る十日以来、富士山の北側の一帯におきまして、日本国家の独立を無視し、日本民族の誇りを傷つける重大な国辱事件が進行中でございます。私は、日本社会党を代表いたしまして、昨日現地に参り、昨晩から今朝にかけまして現地を視察いたし、内外それぞれの人々に会見を求めまして、先ほどこちらへ帰ったようなわけでございます。私は、この問題につきましては、地方自治体の国際紛争に関する件について川島国務大臣にまず第一にお尋ねし、それから専用地拡大傾向に対しましては調達庁を監督します西田国務大臣質問し、警察権の侵犯事項につきましては大麻国務大臣質問し、なお自衛隊の治安維持力に対しましては杉原防衛庁長官に質問し、行政協定改訂問題について重光外務大臣質問したいと思いますが、これらの方々の御答弁のいかんによりましては、あらためて総理大臣答弁を求めるつもりでございます。  第一は、この富士山ろくにおける米国軍隊の不法演習行動に関しまして地元山梨県は、知事以下各層がこぞってこれに反対をいたし、現地におきましてアメリカ軍に陳情いたしましたところ、それは日本政府に聞いてくれ。そこで、山梨県は中央官庁に交渉いたしましたところ、それはアメリカ側に聞いてくれということになりまして、いまだにその交渉相手が見つからないという悲劇をわれわれはまのあたり見たのでございます。従って、川島大臣の所管になっております自治庁は、こういう地方の、たとえば山梨県、たとえば妙義山問題における群馬県というような地方自治体の地域における国際紛争に対して、一体どういう態度を今までとってきたか、またとるべきものであるかということを、第一に聞きたいのでございます。このことは、たとえば名古屋郊外における小牧飛行場の拡張問題も今進行している。あるいは福岡市内の板付飛行場に対しましても、新たに拡張しようという動きがあるのでありまして、これらが地元民を不安に陥れ、しかしながら、その交渉相手が見つからぬうちに、どんどん工事が進むという非常に大きな問題でございますから、自治庁のこれに対する答弁を第一に要求するものであります。  第二点は、西田国務大臣に対する質問であります。これは調達庁の福島長官に尋ねる筋でありますけれども、本日は現地交渉をやっているということを聞きますので、監督大臣である西田国務大臣に聞きたいのであります。  御承知のように、最近の新聞の報ずるところによりますと、新たにまたまた飛行場が拡張される計画が進んでいるように承わっております。たとえば横田飛行場、たとえば立川飛行場、たとえば愛知県の小牧飛行場、たとえば福岡の板付飛行場、あるいは新潟飛行場、木更津飛行場等が拡張されるということに新聞は伝えている。拡張される段になりますと、いずれはその付近の農地を強制接収する、あるいは、はなはだしきは宅地を接収するというような形になるのであります。さらに、その飛行場の拡張問題以外に、通路の通行禁止問題というものもいまだにくすぶっている例が一つある。それは福岡県の小倉の中心地の旧城内の通路禁止問題というのでありまして過去三年間、いまだに解決しておらないのであります。かように、最近の傾向は、占領時代と少しも変らず、独立しているにもかかわらず、一歩々々実体が取り上げられていくような傾向になっている。  およそ、協定というものは、わが方の利益のために結ぶべきものであるにもかかわらず、行政協定を結んでおりましても、あしたに板付の飛行場を、あるいはタベには富士山ろくをというように、次々に召し上げられているような傾向になっておりますが、これに対しまして、昨日の予算委員会における福島長官の答弁の中には、たとえば富士山ろくの問題に対しましては、日米、すなわち山梨県と現地における米国軍との双方に行き過ぎがあるというような答弁でごまかしておりますけれども、私は断じて日本側には行き過ぎなしと考えるのであります。なぜかと申しますと、アメリカ側は、協定を無視して、現に実力を発揮して実弾演習をやっているのであります。山梨県の方は、それは困るという言葉をもって反対しているにすぎないのでありまして、山梨県側において、すなわち日本側においては、何らの行き過ぎはない。一方的な行き過ぎであると思うにかかわらず、福島長官は、双方に行き過ぎがあるとして答弁をごまかしております。こういう態度は最も日本国民として悲しむべきことでありまして、われわれは、協定の精神に立ちまして、協定通りに実行してもらわねばいかぬと思うのであります。しかも、皮肉なことには、十日から始まりました富士山ろくにおける実弾演習は十四日で終るのであります。実際的にはあすで終了することになっております。従って、上級機関との間の協議をやると、こう言いましても、協議の時間をあさってまで引き延ばされますというと、ついに第一回の五月の射撃演習は終ってしまうということになるのであります。  現地に行ってみますと、この精進湖側の新しい砲座からA地区といわれます方面へ射撃演習をやっておりますが、大体距離において三里半、ほぼ十マイルのものであります。十マイルくらいの距離の大砲の演習というものは、私は、今後の戦争においても大して重要性はないのじゃないか、そのくらいのことをやるのならば、何も反対をするわが日本の領土内においてやることなく、むしろ国境くらいで演習をやったらいいのだと思うのであります。(笑声)そういう点について、一体調達庁あたりからアメリカ側に、向うへ行ってくれというような話をしたかどうかということも聞いてみたい。  問題は、お互いに考えていかなければならぬことは、敗戦によって国が滅びるのではない。卑屈な態度が国を滅ぼすのであります。今日のように、協定があるにもかかわらず、この協定を迫る力を持たない、もしくは自信を失っているところに、私どもは、今の内閣の実力を知ることができ、はなはだしく不満を感ぜざるを得ない。このことは、現地に行ってみますと、現地民はもとより、県内の労働団体等もひとしくこの点を心配いたしまして、日本民族の誇りを傷つけるような、あの傍若無人な演習は即刻やめてもらいたい。——およそ二百名からの青年諸君が砲座の前にがんばって、これらの青年の力によって阻止しようとさえしておるのでございます。これを、会議また会議によって、うやむやのうちに、あさってまで延ばして、演習を終らしてしまうということは、もってのほかでありまして、西田国務大臣のこれに対する御見解を聞いておきたい。  第三点は、警察を担当します大麻国務大臣に対する質問であります。現場に行ってみますと、その新しく作りました臨時の砲座の周辺千ヤード四方になわを張りまして、立ち入り禁止ということになっている。これに対して、現地の住民並びに労働組合の人々が、現場に押しかけて、その演習しております米軍に交渉しようとしますと、立入り禁止内であるからというので、時にはおよそ二百人の山梨県の警察官がこれを阻止しているという状態でありまして、まことに私は悲しくなったのである。なぜならば、きのうの福島長官の答弁の中でもわかりますように、確かにアメリカ側には行き過ぎがあると言っている。協定または調整という言葉を無視してやっていると言っておるのでありますから、従って、その無視してやっていることに対して、千ヤードのなわを張って、この中に入っちゃいかぬと言うことは、協定無視ということをむしろ合理化して、当然のような形になってくると思うのであります。警察官の態度によりますと、その立ち入り禁止地区に日本側が入るというと、刑事特別法の第二条で引っぱると言っておるのであります。私は現地において言いました。引っぱるべきものはアメリカの軍隊じゃないか、われわれが日本の領土に入っていくというのに、協定もまだできてない、上級機関に話をするという間に、なわを張って日本人を引っぱるというのはあべこべではないか、この立ち入り禁止は回れ右をしてアメリカの方を引っぱれと私は言ったのであります。(拍手)従って、警察担当の大麻国務大臣といたしましては、直ちに立ち入り禁止を解くか、しからすんば、逆にアメリカ側を追っ払っていくかという決意ありやいかんということを承わりたい。(拍手)  第四点は、杉原防衛庁長官に承わりたい。昨日の社会党の小平君の予算委員会における質問に鳩山首相は答えて、演習を一方的に中止させる方法なしと言っているのであります。これは最もけしからぬ考えであると思う。たとえば、行政協定の違反を犯した場合に、これを阻止する方法がないということを鳩山首相は言っているのであります。そこで、自衛隊の問題になるのでありますが、自衛隊法第三条によりますと、「必要に応じ、公共の秩序の維持に当るものとする。」こういう言葉が載っているのであります。いかなる時期が「必要に応じ」であるか、いかなる時期が「公共の秩序の維持」に当るものであるかということは、この問題に関する限り、現地に至ってアメリカ軍を追っ払ってもらいたいと思っている。(拍手)なるほど自衛隊の装備はアメリカのまねをしているようでありますけれども、私は、少くとも、かような不法な演習に対しましては、今こそ、私は、立ち上ってアメリカ軍を帰ってもらうように一つやってもらいたい、かように考えるのであります。かような点について傍観をしておってよいかどうか、この点をお尋ね申し上げたい。  次は、重光外務大臣にお尋ねするのでありますが、なるほど調達庁は日米行政協定に基きまして当面の問題を処理していくのでございますけれども、現われておりますような富士山ろくの演習問題を初めといたしまして、飛行場の拡張、あるいは海岸面におきまして、これは九州や千葉県に起っております問題でありますが、実弾演習に伴う漁場の損害の補償の問題等、各地に問題を起しております。従って、この辺で行政協定を破棄するか、あるいは改訂する用意があってしかるべきものだと思いますが、これに対する見解いかん。行政協定第三条の三には、使用する区域内の作業は公共の安全に妥当な考慮を払うべきものである、こういうことがうたってあるのであります。従って、今、富士山ろくの一例を申しましても、断じてこれは公共の安全に妥当な考慮を払っていると思えませんから、この点をつきまして、行政協定の改訂を迫るか、あるいは進んでその廃棄を要求すべきものであると思います。たまたま行政協定の第二十八条にはかような項目が書いてある。それは、いずれの当事者でも、この協定のいずれの条文もいつでも改訂を要求し得るということになっておりまして、行政協定に対する改訂要求は、いかなる時期においても、自由に、双方のどちらからでもできるのでありますから、問題の起っておりますこの際、また過去において幾多の問題の山積いたしましたことから見まして、直ちに行政協定改訂の申し入れを重光外相はやるべきではないか。これに対する重光外相の見解を聞きたい。今度の事件はテスト・ケースといわれておりますが、このテスト・ケース、すなわち、これをもしうやむやにいたしますと、次から次にアメリカ側はやってくると思う。われわれは、アメリカに対しましては初めから援助よりも貿易をという態度をとっておるのでありまして、日米間においては、物ごいのような、お金もらいのような態度で外務外臣がアメリカにやってもらいたくないのであります。従って、まず行政協定の廃棄を、今こそ絶好の機会でございますから、要求し、実現し、名実ともに日本民族が独立を実現した後にわれわれは初めて次の段階に進むことができるのではないか、こう考えております。  以上の点に関しまして、先ほど申しました順序に従って御答弁を願いたい。御答弁にして満足ができませんならば、総理大臣にあらためて答弁を要求するつもりであります。(拍手)     〔国務大臣重光葵君登壇
  28. 重光葵

    国務大臣(重光葵君) お答えいたします。富士山ろくの演習地の問題は、御承知の通りに、日米合同委員会における日米双方の合意に関しての疑義から起った問題でございます。これは今双方の当局者において現地において解決すべく努力をいたしておる問題でございます。この問題から行政協定の改訂もしくは廃棄の問題を御質問に相なりました。行政協定の問題は、むろん日米全般の問題に相なるのでございます。この行政協定については、常にその全般について検討を要することはむろんのことでございます。しかしながら、今日この問題について直ちにこの行政協定を廃棄するとか改訂するとかいうことは、その時期でないと私は考えております。(拍手)     〔国務大臣川島正次郎君登壇
  29. 川島正次郎

    国務大臣(川島正次郎君) アメリカ駐留軍と軍事基地地元国民との間の紛糾は、これまでたびたび各地方で繰り返されておるのでありまして、これに対する関係府県知事の処置なりやり方につきまして、自治庁長官といたしましては、法規的にはこれに対して勧告または助言をする権限はないのではありまするけれども、事柄はきわめて重大でありますので、地元知事と関係官庁との間の調整連絡に今後当りまして、すみやかに円満なる解決を期するようにいたしたい、かように考えております。     〔国務大臣西田隆男君登壇
  30. 西田隆男

    国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。今回の問題は、山梨県へ連絡いたしまして、五月の四日ごろから射撃をされるだろうということはわかっておりました。直ちに、極東陸軍司令部に対しまして、現地調査を十分に行なった上で、調整の上射撃をしていただきたいという申し入れをいたしました。そうして、さらに、五月の十日に開催されました日米合同委員会の特別委員会におきまして、米軍側に対して、射撃強行に関する米軍の行き過ぎについて異議を申し立てましたけれども、調整をどう解釈するかという問題で議論になりまして、水かけ論に終ったために、現在まで射撃が続いておる状態でございます。本日特別調達庁の長官を座間の極東軍司令官のもとに出しまして、射撃の中止、それから調整の継続並びに立ち入り禁止の解除方について厳重に交渉をしております。いまだ長官は帰っておりませんので、帰って参りましたら、その情勢をまたお答えいたしたいと存じております。     〔国務大臣大麻唯男君登壇
  31. 大麻唯男

    国務大臣(大麻唯男君) お答え申し上げます。富士山ろくの演習地において警察官のとっておる行動が云々ということでございまして、(「はっきり言え」と呼び、その他発言する者あり)言葉が通じませんために米国人と日本人との間にひょっと間違いでも起ってはならぬと考えまして、そういう間違いがないようにしたいと思って警察官はやっておるのでございます。別に他意はございませんから、どうぞそのようにお含みを願います。腕力をもってこれを追っ払ったらどうかというお話でございますけれども、そういう力ずくでやるということは戦争誘発のもとでございまして、(笑声)断じてやらないつもりでございます。どうぞ御承知を願います。(拍手)     〔国務大臣杉原荒太君登壇
  32. 杉原荒太

    国務大臣(杉原荒太君) 自衛隊の出動は事きわめて重要な事柄でございますので、御承知の通り、その出動し得る場合の要件は、国会の議決を経て成立しておりまする自衛隊法の第七十六条以下に規定いたしておるのでありまするが、今回の場合はその法定の要件を備えていないものと考えております。(拍手
  33. 田原春次

    田原春次君 ただいまの答弁は、いずれもおざなりであり、また、はなはだしく無気力であります。そこで、あらためて総理大臣答弁を待つことにいたしまして、私の質疑を終ります。
  34. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) この際暫時休憩いたします。     午後六時十五分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕