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帆足委員 本日は
委員会も最後でございますので、一、二の問題をお尋ねし、かつ要望しておきたいと思います。
第一は、
外務省当局に対してですが、本日対
ソ連圏の
輸出入統計の
数字をいただきました。これによって見ますと、
共産圏全体に対しては
自由諸国から十七億二千万ドルも
輸出をしております。実に大きな金額と言わねばなりません。
ただし、この
書き方が全
ソ連圏と書いてありますが、私はこういう
書き方はどうかと思うのです。
外務省としては、
共産圏と書くのはいいのですが、
中国を
ソ連圏という言い方は多少
勉強不足じゃないかと思うのです。こういうことは小さいことですけれ
ども、こういうところに
外務省当局の
勉強不足というのが現われております。
語学の
勉強にお忙しかったためや汁を得ないでしょうけれ
ども、
語学というものは、単なる
技術にすぎませんから、
勉強の中に入れないで、そうして学問というものは、現象を正確に把握し、材料を緻密に至るまで穿入し、これを正しく分析し、
現実の
認識に徹することが必要ですが、これは、書くならば、
共産圏と書くべきものだと思うのです。
東欧諸国を
ソ連圏というのは、俗論でありましょうけれ
ども、これは私は
一つの
常識論として多少まだ通用すると思います。
中国に対しまして
中共という呼称は、
中国共産党ということの省略か、
中葉人民共和国の共をとったのか。これもやがては
外務省として
言葉を統一しておいた方がいいじゃないかと思うのです。
それから、
中国向けに三億七千二百万ドルの
輸出が行われておる。
日本の昨年度の
中国向けの
輸出は二千万ドル
程度だったと思いますが、一割にも満たないという状況ですから、
輸出振興のためもう少し
努力せねばならぬじゃないかということが、この
数字をもってたなごころをさすがごとくわかると思います。どう、
同僚議員諸君の
意見を総合して
考えましても、
外務省のこの問題についての
認識が足らず御
努力が足らないというのが
一般の定評の
ようですから、もう少し
国際情勢の流れを洞察されて、そうして
戦争というものがだんだん人類から遠ざかっていくとすれば、かわりに
貿易をもって国を立てていかねばならぬわけですから、どこの領域に対しても
貿易について一段と御
努力願いたいと思います。また
北アジアとの
貿易はきわめて重要ですけれ
ども、
日本の
立地条件からしますと、
東南アジアの
貿易もこれに劣らず重要でありまして、こちらの面に対しましても
経済友好使節を送るとか、それから御
承知の
ように
東南アジア諸国は長い
間植民地として苦労した国々ですから、今日の平均の
政治的動向から見ましても、あるいは保守党と
社会党の中間くらいのところにあるわけですから、これは
与党、野党協力しまして、
東南アジア諸民族との間に相互の理解を深め、友好平和の空気を一そう濃厚にすることが、
貿易振興のための必要であると思いますので、一段と
外務省当局並びに
通産省当局においては御
努力願いたいと思います。
それから、時間もございませんので一緒にお尋ねいたしますが、今般
中国から五万トンの
大豆を
輸入いたすことになりました。
各般の折衝に適切なお骨折りを願ったと聞いておりますが、将来引き続いて
大豆を
輸入するということになりますと、これは
純粋の
経済競争の
見地から行われてしかるべきものだと思います。もちろん見返りの
輸出の
問題等を
貿易振興の観点から多少
考慮に入れること等は必要でありましょうけれ
ども、
原則としては
品質と
価格、すなわち
純粋の
経済的考慮からなされなくてはならぬと思います。それにつきまして
大豆の
規格の問題ですが、国際的に産地による
規格の著しい格づけがかりにないといたしましても、実際問題としましては、
日本の
現状において、
使用価値の面から
中共大豆とその他の
大豆との間に
使用価値の
相違が客観的にありまして、特に
食糧用のものにつきましては七、八%くらい有利であると
購買者の側から言われており、油に使いますものも豆の大きさがそろっておるとか、ごみが入っていないとか等のために、二、三%は少くとも有利であるという
ようなことも聞いております。この問題につきまして、私は、
経済専門家並びに
技術専門家の
意見を徴しまして、全然両方の
大豆の格づけが同じであるとするのは私は無理であろうと存じますので、至急
専門家の
意見を御聴取になって
原則をおきめになったらいかがかと思います。そうでありませんと、
大豆の
値段を相手方がきめますのにも常に
規格の差を
考慮に入れてきめるということになれば、その
メリット換算率をどの
ようにするかによって
値段に違いができるわけですから、今後
純粋の
経済考慮に基いて
大豆の
輸入政策を確立するとしますならば、もう少しこの問題を御研究願って、
一定の
基準を明らかにしておいたらどうかと思うのですが、お
考えのほどを承わっておきたいと思います。なお、私もこの問題に対しては別に
専門家というわけではございません。ただ、
常識で
考えて、そうしたら明朗になりはしないか、また今後の
貿易振興に役に立ちはしないかと思うだけのことでございますから、一応御
意見を伺いたいと思いますし、
政府当局においても御研究願いたいと思います。