○
帆足委員 他の
同僚委員の皆さんの御
質問もありますから、もう
一つだけ伺いますが、ただいまの問題は、とにかく、抗議をするなら、日本の商社に持っていかずに、
ココムに抗議をしたらよい。
ココムに決定がふらちであると言って抗議すべきことであって、日本の商社に持ってくることは筋が違うということが論理だと思います。
それから、
硫安のことと、その他たくさん申し上げたいこともあるのですが、その他の方は次の機会に譲りまして、先ほど自由党の平野
委員からも非常に適切な
質問がありましたけれ
ども、
輸出産業としての
硫安が非常に有望なものになって参りました。さらに尿素その他新興科学
肥料が非常に重要なものになって参りましたので、
硫安工業、尿素工業等の科学
肥料工業に対しまして、
輸出振興の見地から、もう一度増産計画を再検討すべき段階に来ていると私は思うのです。先般
中国の使節団と懇談いたしましたときに、ことし最小限度二十万トン無条件に買いましょう、しかし、一年だけの発注では、あなたの方も心もとないでしょうし、自分の方も農民の増産計画の
見通しが立たないから、数カ年、控え目でけっこうだから、数カ年にわたる計画的なお約束をしてよろしい、また、日本の
内需の事情、天候の事情等で生産も
需要も動きますから、一律的な協定がむずかしいならば、大体何十万トンから何十万トンくらいという見当で
一つお互いに彼此融通しましょうという協定を結んでもよいという、まことに好都合な申し入れがあったわけです。しかるに、日本側といたしましては、
硫安輸出公社が当然この問題についてあっせんの労をとるべきであるにかかわらず、
硫安輸出会社は表立ってこれに対する交渉の任に当ることを避けておりましたような
実情でありまして、私はこれは非常に遺憾なことであると思います。
硫安工業は、単に
硫安メーカー、
硫安輸出会社の私すべきものではなくて、国民の富の集中的な力である電力をこれらに供給して、国民の産業として期待されているものでございます。従いまして、日本の
輸出振興の観点から、
一つ大臣に直接この問題をもう少し検討していただきたいと思うのです。
もう
一つの問題はへの
中国への割当が、五十万トンないし六十万トンに及ぶ
輸出の
ワクで、せめて三分の一くらいは
中国、それから四分の一くらいは
韓国、残りを台湾その他というように、大体の大
ワクくらいのものはもう当初において設定してしかるべきものであるまいかと私は思うのです。かりに、二十万トンの確約ができませんときは、それでは十五万トンだけは確約しましょう、
あとの五万トンは天候のかげんや増産のかげんによって伸縮性を持たすことにするというような約束でありましたならば、
中国側としましてはそれを計画的に使うことができますから、台湾の発注する値段よりも多少高い値段で買ってもちろんけっこうですし、お約束してけっこうだ、こういう申し入れが来ているわけです。これに対しまして、日本側としましては準備不足のために応ずることができませんので、
中国側は非常に失望落胆いたしまして、これほど自分らは
硫安に対して強い
要望を提示しているのに、これに対して真剣な努力をしてくれないという態度には非常に失望した、しからば、われわれとしては、農民の
硫安の使用を減らすか、または西ヨーロッパ諸国から買付を急ぐかするより残された道はないと漏らして、失望の色を深めたのでございます。この
硫安の
輸出の見返りとしては、米も
大豆も
輸入できることでありまするし、また
硫安を
中国でたくさん使えば、満州の豆かす、ふすま等の今
肥料に使っておりますのを節約いたしまして、それらを安い飼料として日本の酪農に供給することも研究してみようということも
中国側では言っておるような
実情でありますので、今からでも間に合うわけでありますから、せめて十数万トンのものだけでも長期に契約をいたしまして、
あとそれ以上の分につきましては、こちらの
需給調整と見合って、また買ってもらうというような二段の約束でもよいでしょうから、先方としても農民を相手にしておって、大体協同組合の増産計画というものがあるわけですから、
見通しをつけやすいような
状況にしてあげることが親切というものだと思うのです。
中国がほしいというから、まあほうっておけ、いずれにしろ買いに来るだろうという態度は、今日
硫安が国際的に見て少い
時代はそれでよいでしょうけれ
ども、やがて余るような
時代が来ましたときに大切な顧客を逃がすような結果になりますから、有利な立場に立っておりますときに親切を尽しておくということも、商売の道としてきわめて重要なことだと思うのです。これに対する
硫安業界の今日までの態度は、けんもほろろの態度と新聞で批評されていたようなきらいもありますので、台湾との問題は困難な問題でありますけれ
ども、それは別問題としまして、
中国に対しましては、事情の許す限り、それはそれとして便宜をはかるという態度が、私は商人としても必要だと思うのです。従いまして、問題の
解決のために早く
硫安審議会を開いていただいて、そして今年度に来
肥料年度における
中国向けの
硫安輸出可能量を測定していただいて、そのうち六、七割のものを確定的な
輸出計画として進出口公司の方に通達をして、先方にも
輸入の準備をしてもらう、それから今年度における残留分に対しましても早くこれを決定していただく、こういうことに対しては、やはり
通産大臣が直接目を通されて積極的政策を立てていただきたいと思います。
硫安の増産計画に対しましては、日を改めまして現状を詳細に承わって、
輸出振興という立場から、新たな角度、特に尿素を
中心として、新しい技術と立地条件のもとに国家資金も注入して、
輸出肥料工業振興のための格段の
措置を準備していただくことが適切でないかと思いますが、これに対する
大臣の御答弁を承わりたいと思います。