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兼子政府委員 前回の
委員会で御要望のありました資料が、ただいまお手元に配付しておる印刷物であります。その末尾に表がついておりますが、前回の地方
選挙におきましては千百二十五件が
異議申し立てあるいは
訴訟の
事件となったのでありますが、今回はそれがただいまのところ三百二十六件という
報告に接しております。
事件の件数そのものは減ったようでありますが、中身につきましては、おもなるものを個別に前の方に書いてございます。
一番初めのところに衆議院の総
選挙に関するものといたしまして、
投票用紙等の隠匿に伴う
投票開始時刻遅延の件、少しややこしい名前をつけておるのでございますが、静岡県藤枝市の
事件で、
選挙人名簿、
投票箱のかぎを入れたふろしきが隠匿されて、一時間
投票がおくれたという
事件であります。それから氏名等の掲示を誤まった
事件が数件あります。これは全国区参議院議員の
選挙で、佐野市の氏名掲示を誤まった
事件によりまして、われわれといたしましてはその点は十分に注意をいたしておるのでございますが、今回の衆議院の総
選挙におきましても、やはり若干この
事件があったのでございます。富山県の高岡市、大阪市東住吉区、滋賀県野州郡兵主村、愛媛県伊予郡岡田村の四件であります。それから立会演説会告知用ポスターの掲示を誤まった
事件、これは二件ございます。
それから
選挙公報印刷過誤の件、これは候補者の公約をAの候補とBの候補と間違えて印刷をいたしまして、配布いたしてから発見をしてすぐに刷り直しをして配布し直したのであります。
次は詐偽
投票の件、長崎県対島上県郡佐須奈村で、これは
相当の暴風雨で
投票する者が来ないという
関係で一投要所の人が他の者にかわって
投票をした
事件であります。石川県河北郡森本村の
事件は、これも詐偽
投票で、二票を偽造行使した
事件であります。
次は
選挙公報掲載申請書受理拒否の
事件でございます。秋田県と愛知県と鹿児島県にあったわけであります。このうち鹿児島県の一件が現在
訴訟が係属中でございます。
次の地方
選挙につきましては、開票終了後
投票の
効力を再審査した件、これは長野県更科郡川中島村県
会議員の
選挙でこのような
事件があったわけであります。
二番目の
投票箱開披等に伴う紛争
事件、これは皆様方御承知と思いますが、大阪府松原市で起りました
事件でありまして、府
会議員の
選挙でございますが、候補者が二人ありまして、その開票成績がシーソー・ゲームであったので、有権者が多数詰めかけて興奮をしておった、そしてたまたま開票中無効
投票を
処理いたしておりますときに、その表につけた紙を破ったのを
投票用紙を破ったという観覧者からの声が上って、そのために紛争が大きくなって
選挙会が数日間開けなくなったという
事件でございます。
三番目は同時
選挙において
投票用紙の交付順序を誤まった
事件、
徳島市でございます。次は党名誤記のまま氏名を掲示した件、秋田県大曲市、
市会議員の
選挙でございます。
次は
不在者投票の受理、不受理の決定を忘失した件、青森市の県
会議員の
選挙でございます。
次は無資格の立候補者の当選無効の件、茨城県行方郡の県
会議員の
選挙でありまして、
検察庁より本籍地の町長にあてた既決
犯罪通知に誤まりがあった、そのために立候補資格のない者が立候補をしたという
事件であります。
その次に書いてございますのは今回の
選挙で大きな問題となりましたものでありまして、一つは仙台
市長の
選挙でございます。これは候補者が三名でございまして、当選の
効力に関する
異議申し立てがあったのでありますが、証拠保全の申請が出まして、裁判所において全
投票を開きまして検証いたしました結果、総数よりもその開きました票数がふえたという
事件であります。これは現在訴願の段階に相なっております。
いま一つの
事件は先ほど
佐竹委員、
生田委員からお話のございました
徳島市の
市会議員の
選挙の
投票用紙の
抜き取り事件であります。
以上が大体衆議院及び今回の地方
選挙を通じまして問題の起りました
事件の概要であります。