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1955-06-06 第22回国会 衆議院 法務委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月六日(月曜日)     午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 世耕 弘一君    理事 古島 義英君 理事 山本 粂吉君    理事 福井 盛太君 理事 古屋 貞雄君    理事 田中幾三郎君       高橋 禎一君    林   博君       生田 宏一君    横川 重次君       神近 市子君    淺沼稻次郎君       佐竹 晴記君    吉田 賢一君       志賀 義雄君  出席政府委員         警  視  長         (警察庁刑事部         長)      中川 董治君         警  視  長         (警察庁警備部         長)      山口 喜雄君         検     事         (刑事局長)  井本 台吉君         公安調査庁長官 藤井五一郎君         文部事務官         (大学学術局         長)      稲田 清助君  委員外出席者         法務事務官         (公安調査庁調         査第一部第五課         長)      中村 正巳君         専  門  員 村  教三君         専  門  員 小木 貞一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人招致に関する件  人権擁護に関する件(京都大学事件)     —————————————
  2. 世耕弘一

    ○世耕委員長 これより法務委員会を開会いたします。  本日の日程に入るに先だってお諮りいたします。すなわち、商法の一部を改正する法律案について、学識経験者及び利害関係人参考人として当委員会に御出席を願い、その意見を聴取し、審査の参考に資したいと存じます。それで、経団連副会長植村甲午郎君、電気化学工業取締役社長野村与曽市君、早稲田大学教授大野実雄君、大阪市立大学教授西原寛一君、弁護士長野潔君、日本労働組合評議会法規対策部長加藤万吉君、以上の六名の方々を参考人と決定するに御異議ありませせんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 世耕弘一

    ○世耕委員長 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。  なお御出席を願う日取りは、明七日午前十時からとなっております。何とぞ右御了承の上、委員諸君のふるって御出席をお願いいたします。     —————————————
  4. 世耕弘一

    ○世耕委員長 次に、人権擁護に関する件について調査に入ります。  まず京都大学において起った事件について政府当局から説明を求めます。最初文部省稲田大学学術局長発言を求めます。
  5. 稲田清助

    稲田政府委員 さきに京都大学に起りました事件につきましては、文部省といたしましても、まことに遺憾に存じておる次第であります。一昨日から今朝にかけまして、滝川総長田中学生部長小倉庶務課長から聞き取りました事件の概要について、一応御報告申し上げたいと思います。  このことが起りますまでの状況について、まず申し上げたいと存じます。京都大学は本年六月十八日に第五十八回の創立記念日を迎えます。学生をもって組織せられておりまする同学会中心といたしまして、学生側において、この機会に記念祭開催したいという要求大学当局に前々から出されておったのであります。大学当局といたしましては、この点について協議いたしましたが、もともと京都大学には学内の規則がございまして、集会には原則として学外の者を参加させないという方針をとり来たっておるのであります。しかるに学生側要求といたしましては、今回の記念祭には、屋外において園遊会を催して、これに学生、教職員及び一般学外者の参加を求めて開催したいという点が一つあります。それからいま一つは、医学あるいは哲学ゼミナールと称しまして、他の大学生学内に入れてこれと一緒ゼミナールを行い、これを記念祭の行事に加えたいという二点があったのであります。この二点につきましては、大学当局としては大学秩序を維持するため、従来しばしばの経験にかんがみまして、学外者を入れてこうした会合をいたしますことが適当でないとの判断のもとに、この二点を許さないという方針を立てて参ったのであります。  それについて去る五月二十三日にも、自治会代表者総長会見いたしまして、この点について総長の見解を学生側に伝えたのでありますが、問題の起りました六月二日、再び学生代表十名が総長室において総長会見いたしたのであります。この際学生側から提起いたしましたのは、先ほど申しました二点が中心でございます。園遊会開催、それから外部の者と一緒ゼミナール開催ということを、総長に対して要請いたしたのでありますが、総長はこれに対してじゅんじゅんと説得されて、とにかく学校方針として、外部の者を入れての屋外集会を禁止する、それからゼミナールも、他の大学生一緒に挙行することを禁止するということを説いたわけであります。会見は約一時間余りに及んだのでありますが、この間において学生相当秩序よく総長の話を聞いて、最後に、われわれは不満でありますけれども、総長の言われることは言われることとしてよくわかる。明日総長出発であれば、十分健康に御留意の上御外遊せられたいとあいさつして、学生総長室を引き取った。そこでその学生代表が、屋外に集まっております約百名の同学会会員たちに、総長との会見てんまつ報告にかかったそうであります。その報告を聞きながら、学生たちは非常に不満として、さらに総長に直接面会要求するというような情勢が、そこに起りかけたのであります。ところで総長は外遊前日で非常に忙がしいので、すぐ研究室におもむこうといたしましたが、その学生がたむろしている場所が通れないので、別の道から研究室に行きかけたところ、学生たちは、総長面会を回避して退去するということで総長をつかまえ、そこで相当もみ合って、その際総長お話によれば、足をけられたりあるいは胸をつかまれたり相当暴行をこうむった。そこで総長も危険を感ぜられて、研究室に行くことをやめて、再び総長室に戻ったのであります。  そこで学生の集まりに対しましては、学生部長学生課長等から再々説得をいたしました。学生側は、さらに総長との直接面会要求いたして退去しなかったのでありますが、総長の意は先ほど十名の代表に伝えてよくわかっているはずだし、総長も明日出発で非常に忙がしいので、退去するようにと説得に努めてかなり時間が経過したということであります。  さらに学校側では、学生部長その他相談いたしまして、学生側の意向は学生部委員会に諮っていろいろなお検討するから、きょうのところは九時二十分までに退去せられたい。もし指定の時間までに退去しなければ、不法集会とみなすということを伝えたわけであります。それを聞いて学生が激高いたしまして、大学職員、守衛らの阻止にもかかわらないで階段をかけ上って、総長室の前の廊下にすわり込んで面会を強要し、従って総長はその部屋を出られない状態になってしまったわけであります。  この前後の事態を重視いたしました学生部長あるいは教授その他数人の教官たちも、現場にかけつけまして、学生たち説得に努めたのでありますけれども、九時二十分ごろに至りまして、このような暴力による監禁状態に対しましては、もはや説得ではこれを説きがたいと考えるに至りまして、総長の名をもって警察力を借りることになったわけであります。すなわち、川端署に対して警官隊出動総長から要請せられたということであります。  警官隊出動いたしましてから学生退去に至りますまでの経過でありまするが、大学要請に基いて九時三十分ごろ川端署警官二個小隊、約六十名がトラック正門付近に到着して、警棒その他武器を全部はずして、丸腰でトラックをおりてきたそうであります。川端署の警部が警官二人とともにまず総長室前に至って、学生に対して、警察側としては学生が穏健に事態を解釈して、総長が帰宅せられるように取り計ることを欲するということを説得をしたそうであります。学生総長と会わなければ帰れないということで、依然としてすわり込みを継続して、十時二十分ごろに至ってさらに松原署下賀茂署等から応援警官隊が到着いたしまして、警官隊の総数約百五十名となり、十時三十分ごろ川端署署長が平服で学生の前に立って、十一時までに退去要請し、退去しなければ実力を行使することを通告いたしたのであります。しかしながら学生側としては依然歌を歌ったりして退去しなかったということで、十一時五分に至って警官隊実力を行使して、すわり込んだ学生を一人々々本館の外に退去させ、退去の完了したのが十一時四十分と聞いております。従って総長が監禁せられた時間は九時間前後に及ぶわけであります。当日の事件はかような次第でありまして、十一時過ぎから零時前後に総長退去することを得たのであります。  その後京都大学当局におきましては各学部長及び事務局長その他首脳部をもって組織せられる補導会議——学生補導に関する最高会議でありますが、ここにおいて善後処置を引き続き講じ続けて今日に至ったわけであります。昨日において同学会解散を決議いたしまして、そのことを告示いたしております。さらに記念祭は本年は許可をとりやめるという処分をいたしております。なお学生処置処分等につきましては、目下大学当局において慎重に協議中であるということであります。  以上事件の起りましてから今日に至るまでの状況及び同大学当局処置について一応御報告申し上げる次第であります。
  6. 世耕弘一

    ○世耕委員長 次に山口警備部長報告を求めます。
  7. 山口喜雄

    山口(喜)政府委員 事件の起りました模様につきましては、一昨日でありましたかその概略を本委員会で御報告申し上げたので、その後の模様につきましてお話を申し上げたいと思います。  事件の起りました翌日の六月四日は午後一時半から校内の時計台の裏で抗議集会開催いたしたのであります。学校当局がマイクによりまして再三再四警告をしたにもかかわりませずこの集会を開きまして、約三百名ばかり集まりまして、三時四十五分ごろ次の事項を申し合せをいたしまして解散をいたしたのであります。前夜祭を強行する、滝川総長の罷免を要求する、この二項であります。  なおその後の学校当局措置等につきましてはただいま文部省の方から御報告がございましたので、私の方は説明を省略いたしたいと思います。滝川総長に対して暴行を働きました学生につきましては、ただいまその証拠を十分に固めるために捜査をいたしております。氏名等も判明いたしておりますので、近く警察としての措置をとるものと思っております。
  8. 世耕弘一

    ○世耕委員長 次に公安調査庁当局説明を求めます。
  9. 藤井五一郎

    藤井政府委員 公安調査庁といたしましては、まだ今回の事件について報告に接しておりません。
  10. 世耕弘一

    ○世耕委員長 この際公安調査庁当局説明を求めたいと思いますが、本件の騒動の根幹をなす主導勢力というものは、京都大学学会中心になっているように報道されております。この際京大学会組織並びに従来の活動状況及びそれを支持した背後関係有無等、従来公安調査庁として調査された資料並びに意見があれば、調査を進める上に便宜でありますから、説明を求めたいと思うのであります。
  11. 藤井五一郎

    藤井政府委員 その点については私の方の第一部中村第五課長から説明さしていただきます。
  12. 世耕弘一

    ○世耕委員長 了承いたしました。
  13. 中村正巳

    中村説明員 御報告申し上げます。同学会につきましては御承知の通りに京大の各学部の自治会統合組織でございまして、昭和二十八年の六月に再建されたものでございます。と申しますのは、昭和二十六年の十一月のいわゆる京大事件によりまして学校当局から解散をさせられておったものでございます。これが昭和二十八年に再建宣言を発表いたしております。再建の当時の模様といたしまして、情報といたしましては、日共京都委員会から京大細胞あてに指令が出されておる模様でございます。これは当時五月の二十三日に京大の全学生大会開催されるに当りまして、京大細胞あてに、学生をできる限り動員し、この大会が不調に終り、もしくは解散を命ぜられるということがあった場合にも、実力行使に訴えて同学会の成立を宣言せよという趣旨の動きが出ております。  次に再建当時京大学内集会関係等におきまして学内党員野間宏今井正川上貫一の諸氏が出入をしておる模様であります。設立いたしました後には、その直後京大民族独立行動隊あけぼのという署名で、次のようなビラが配布されております。「反戦自由の伝統に輝く同学会再建を機に京大民主化の癌「告示第九号、達示第十号を実力で廃棄せよ」」以上のようなビラでございます。告示第九号は学生スト禁止達示第十号は学校方針に沿わないような政治活動を禁止するという学校側の指示でございますが、これに対してあけぼのという名前におけるビラを出しておるのでございます。  次に参考といたしまして、御承知のことでございますが、同学会設立直後十一月に京大学園復興会議を同学会は提唱いたしておったのでございますが、この問題をめぐりまして荒神橋事件刑事事件として発生いたしておるのでございます。  それから、ただいま申し上げましたように、京都大学はかなり左翼的な学生運動が盛んなところでございます。全国的に見てもそうでございますが、最近五月に京都の府会、市会の選挙の直後、公開の地区労集会が開かれておりまして、この集会におきまする京大細胞報告によりますと、京都大学には現在二百名の党員がいる。この細胞の力で二千ないし三千票くらいの獲得に成功したのではなかろうかというふうな報告がなされております。報告を終ります。
  14. 世耕弘一

    ○世耕委員長 委員諸君の御質疑があろうと思いますが、その前に委員長としてお尋ねいたしたいと思います。  今度の事件を通じて世論の傾向を調べてみますと、学生騒動には、世論学校当局よりも学生に同情するような記事が従来多かったのであります。ことに新聞ラジオ等報道には常に若い学徒に同情的なものが従来は多かったのであるが、今度の事件は、私の見るところでは、学生諸君に不利な報道を至るところに散見するのであります。この一例をとってみましても、昨日の毎日新聞の夕刊の短針という記事の中には、「京大名物学生騒動。三尺下って師をけとばす、新学生論語。」こういうような短針論評であります。それから朝日新聞の六月五日朝刊の天声人語の中に相当長い論評を加えておりますが、最後のところで特にわれわれの心を引くことは、「東山三十六峰静かに眠る刻限近く、総長カン詰にして「平和の歌」を高唱しても、世界は平和にならんのである。」こういうような非常に意味の深い、また非常に急所をうがった記事が出ております。なおまた歴史的に見ますると、近時京大事件はすでに三回重ねております。二十六年の十一月、天皇陛下行幸当時の事件、さらに今から一年七ヵ月前の服一部学長カン詰事件、そうしてこのたびの滝川京大学長に対する暴行行為、しかも数時間にわたってのカン詰新聞記事を見ますると滝川学長の語るところが出ておりますが、これによりますと、あの学生暴徒のたぐいという言葉が発表されております。学園自治、また学園の自由を叫ぶ今日、学生がたとえどのようであっても暴徒言葉を冠せられることは、事のいかんにかかわらずまことに大学の権威を失墜するものではないか。これは文部当局といたしましても、よほど真剣に本問題を取り上げて、もって今後の禍根を残さないように、あらゆる観点から真相を追究して万全の策を講ぜられたいということを実は希望してやまないのであります。おそらく文部当局はこれに対して相当しっかりした対策が後日発表あるもの、かように考えるのであります。ことに御注意申し上げたいことは、国立大学には総体に高額の税金が使用されております。概算でありますが、おそらく一人一カ年二十五万円ないし三十万円の税金が消費されているということは世間に論評されているときであります。その権威ある大学、しかも国費を多額に費しているその大学で、暴徒のたぐいと類似するような行動が数回にわたって年を重ねて行われるということは、分化国家の名誉に関してもゆゆしき問題であり、同時に分教政策の上に一大禍根を残すものであるというような感じもぬぐえないのであります。この際日本文教政策の確立の意味において十分の検討を進められたい、かように思うのであります。聞くところによれば、名前は違うかもわからぬが、川上貫一何がしという人をちょっと耳にはさんだのでありますが、同名異人であるかもわかりませんが、川上君であれば共産党のそうそうたる幹部であります。青年指導の熱意の余り、ときどきおいで下さることもけっこうだと思いますが、志賀君あたりは同僚といたしまして、どうぞ若い学生の誤まりのないようにこの際指導をしていただきたい。ただ重ねて、一昨日だか志賀君からもお話がありましたが、一方的な調査をせずにということは、これはごもっともであります。私は全般的にわたって公平な調査をして、すみやかにこの禍根を断つ。同時にまた若い学徒でありますから、わずかな扇動によって常軌を逸する場合があります。さようなことも考慮に入れて、あったかい、深い愛情のもとに本体の禍根を断つように万全を期してもらいたい、かように思うのであります。  本日は関係大臣予算委員会等関係出席を得られなかったことは遺憾でありますが、いずれあらためて関係閣僚出席を求めて政府の所信をただしたい、かように思うのでありますが、この際なお今申し上げた点について関係当局から発言があれば、説明を願いたい。なお背後関係並びに暴力行為が明らかになれば、すみやかに検挙して、他の善良なる学生にそのよからざる思想の波及しないようにすみやかなる処置関係当局はされることを希望してやまないのである。どうぞこの点に関して当局からの説明を求め、なお委員諸君からも、これに対して隔意ない御意見の発表を願いたいと思います。
  15. 古屋貞雄

    古屋委員 稲田局長に承わりたいのですが、ただいまの報告の中に、学生部長並びに学生課長から説得をされた、こういうのですが、どのくらいの時間、どのような具体的な説得をされたのか、その点の御報告をもう少し詳しくお願いしたいと思います。なお当時交渉に参りました学生代表の数、それから学生代表が、百名ばかり集まった学生に、総長との交渉経過報告してから後の学生がどのくらい、どこにどういう工合に集まっておうたのか、もう少しこまかく御報告を願っておいた方がいいと思うのですが……。
  16. 稲田清助

    稲田政府委員 時間的に後の御質疑の方から先に申し上げたいと存じます。学生代表は十名であります。十名が約一時間十分くらい総長と会談をして、それを——屋外に集まっていた学生は約百名であります。後に百十名くらいにふえたということであります。これに報告をした。報告を受けながら学生相当激高して、その委員交渉は頼むに足らぬ、直接総長面会したいという状況になってきたわけであります。それに対して、最初のお尋ねの、学生部長学生課長説得が行われたのでありますが、その時間は、総長学生に包囲せられましたのが二時過ぎでございました。部屋に帰ってから九時までの間、かわるがわる学生部長学生課長その他の職員説得に努めたのです。説得する主点は、学生要求総長に会いたいという一点であります。ですから、これに対して説きますのは、総長は前回二十三日にも相当時間を費して学生代表に会い、本日も一時間余り学生代表に会い、学生代表は一応その話を聞いて帰った、このところはこれでやめてもらいたいというのが前段の説得であります。後段の説得は、先ほど申し上げましたように、ともかく問題を学生委員会に移して、総長はあしたから出発するから、後日検討するから、今夜のところは九時二十分までに帰ってもらいたい、こういう説得に変ったわけであります。以上お答え申し上げます。
  17. 古屋貞雄

    古屋委員 今度は国警山口さんにお尋ねしますが、その当時二度に川端署警官出動しているようですが、もう少し具体的にお話を願いたいのは、最初はどのくらい出動し、最後にどのくらい出動したのか、その員数がおわかりでしたら、員数の御報告を願いたいと思います。
  18. 山口喜雄

    山口(喜)政府委員 警察最初大学から連絡がありましたのは、九時十分であります。学生部長から川端署長に対して出動要請があったのでありますが、先ほど文部省からお話がありましたように、特に慎重を期しまして、その要請総長自身の意思であるかどうかを確認しましたところが、総長から直接電話をもって出動方要請を受けたのであります。そこで署長は二ヵ小隊を指揮いたしまして、約六十人、九時四十分に大学正前門に到着しまして、部隊正門の外に置きまして、署長以下幹部四人が学校の中に入りまして、学生側の幹事に対して自主的な解散を極力説得いたしたのであります。しかしながらどうしても応じませんので、十時二十分以降数回にわたりまして、どうしても解散しない場合には実力行使もやむを得ない旨を警告いたしました。そうして十時五十分に解散命令を出して、十一時五分から実力行使解散をいたしまして、十一時二十五分に終っておるのであります。部隊出動いたしましたのは、あとから応援が来ておりますので、全部で約百名学校の中に入りまして、実力行使をいたしております。  以上でございます。
  19. 古屋貞雄

    古屋委員 実力行使をされた当時の学生状況は、どういう状況に置かれておったのか。なお実力行使とは、どういう方法で実力が行使されたか、その点を具体的に山口さんから御説明を願いたい。
  20. 山口喜雄

    山口(喜)政府委員 総長室の前の廊下にすわり込みをいたしておったのであります。従って警察といたしましては、警棒をはずしまして、全く素手で、退去しないという学生を一人々々手足を持って運び出したという形になっております。
  21. 古屋貞雄

    古屋委員 その当時一人々々手足を持って運び出された学生が、警官に対して反撃をしたような事実はありませんでしたか。
  22. 山口喜雄

    山口(喜)政府委員 若干そういう抵抗といいますか、反撃もあったのであります。従いましてその場で一人逮捕いたしました。これはその後直ちに釈放いたしております。
  23. 古屋貞雄

    古屋委員 あと大臣にお尋ねしたいと思います。
  24. 生田宏一

    生田委員 ちょっとお尋ねいたしますが、同学会が二十六年に解散いたしております。その間の解散事情は、自主的に解散をしたのでありますか。その辺の事情を……。
  25. 稲田清助

    稲田政府委員 御指摘の時期に同学会解散いたしましたのは、たまたま当時天皇陛下京都大学行幸になりました。当時京都大学学生要請書をぜひ天皇陛下にお手渡ししたいということをもって、学校当局の制止にもかかわらず騒擾を起した、こういう事件がございまして、この事件を契機といたしまして学校当局から同学会解散を命じたのであります。
  26. 生田宏一

    生田委員 そうしますと、二十八年の再建をしたときに、学校当局としても一旦解散を命じたものですから、再建に対してはかなりな条件といいますか、学生の自粛を要望するようなことがなければならぬと思いますが、この間の事情はいかがですか。
  27. 稲田清助

    稲田政府委員 お話のように、もとより解散いたしました団体再建につきましては、学生側からしばしば再建要求のありましたときに、総長初め学校当局から慎重にいろいろ説示いたしまして、りっぱに民主的な自治会ができますように指導いたしたのであります。しかしながら、できました結果といたしましては、その後しばしば事件を発生するような状況になりまして、この点は大学当局も遺憾といたしております。昨年やはり不法集会をいたしましたような際に、将来こういうことを繰り返すということになりますれば、同学会存立そのものに対しても、当局としては考慮しなければならぬから、十分慎重に行動せられたいということを昨年も警告いたしました。その結果、今日に至ったような次第であります。
  28. 生田宏一

    生田委員 京大の中の事情がそのような事情であるとするならば、文部省当局においても、学校の方からそのような事情については報告もいっておることであろうと思いますし、また文部省の方からも、学校に対する指導監督には、相当の配慮を払ったものだろうと思うのですが、文部省の方としては、この京大の同学会のあり方について、何か学校との間で相談をしたとか、指示をしたとか、そういうことがありましたならば、ちょっとお伺いします。
  29. 稲田清助

    稲田政府委員 一般に先般のメーデー騒擾事件前後において、非常に全国の国、公、私立大学にこうした事件が多かったのでありますが、その当時から文部省学校当局が、こういう学生自治活動につきましては、いろいろ相談をして参ったのでございます。もとよりわれわれは、大学の教育の問題であり、大学の教育の自主性の問題でありますから、一々具体的に文部省が事を指示するというようなことには出ないのでありますけれども、お互いに情報を交換いたしましたり、われわれといたしましては、まず根本として学生全体が自治というものについて十分自覚をして、一部少数な者にリードせられないように、この自覚を高めることに学校当局が善処せられることを第一考えたのであります。第二、各大学とも補導という問題について十分機構を整えることを、各大学に求めたわけであります。すなわち補導部課長のみでなくて、各学部の教授その他全員が、この補導という問題に協力をして力をいたすように、こういう点が第二であります。  さらに、現在学生の置かれております経済上その他の問題から、あるいは育英奨学資金を増すなり、あるいは寮舎等を充実するなり、そういう補導に関する厚生の面も注意して参る、こういうことが一般の方針であります。そうした大学の努力、それに対して文部省等もずいぶん努めたのでありますが、その結果として、一般的には今日の秩序を保ち得たことだと思っております。京都大学だけにこういう問題が頻発いたしますことは、私どもとして、非常に奇異にも感じ、それだけ関心を持っておるのでございます。幸いに滝川幸辰氏が総長になられまして、学生の補導の問題について、非常に熱心に乗り出されて今日に至っておりますので、漸次京都大学としても秩序を回復せられることをわれわれとしては期待して、今日に至った次第であります。
  30. 生田宏一

    生田委員 今のお話によりますと、文部省としても相当の関心を払って、かなり十分に配意を尽したというようにも承わるのですが、今回の京大騒擾事件については、まだ私などはその真相の一部分しか承わっていないと思いますので、学生側にも言い分がありましょうし、また学校当局の従来の御苦心もさることと思いますが、京都大学はわが国の代表的なりっぱな学校であるという考えを私たちは持っておるのですが、そのわが国の代表的な大学にこういうことが頻発するということは、わが国の教育上ゆゆしき問題であろうと思いますので、この際に真相をよく確かめて、再びこういうことが起きないように、文部省としても学校当局としても、これを機会に十分に学園秩序と名誉、品位を回復するような処置をしてもらいたいと思うのですが、その辺の心がまえはいかがでございますか。
  31. 稲田清助

    稲田政府委員 先般来、京都大学当局におきましては、非常にこの問題に対処され、断固たる決意をもって事態を収拾するという御態度が見受けられるのでございます。大学のなさることをわれわれとしても期待いたしておりますが、文部省文部省の分といたしまして、また御援助し得ることはいたして参りたいと思います。
  32. 志賀義雄

    志賀(義)委員 最近新聞報道せられました京都大学事件については、世耕委員長が特に御熱心のように見受けられるのであります。新聞暴徒のたぐいという言葉があったことを引用され、分化国家のゆゆしい問題、あるいは分教政策一大禍根というような最大級の言葉を使っておられるようであります。世耕委員長は、近畿大学の学長でありますから、一番身につまされて、自分がつるし上げられたら、こういう御心配があるかもしれません。今度の事件などは、先ほど来警察当局の方ですか、公安調査庁の第五課長ですか、野間宏、今井正川上貫一という名前をあげられております。それが出入りをしておったというようにこの事件に結びつけられると、何だかここで悪宣伝をやったようにも印象づけようという魂胆が見られるのであります。というのは、ここに公安調査庁から「日本共産党の現情」というのが五月二十二日付で出ております。これは委員長から請求されたものでありますか。
  33. 世耕弘一

    ○世耕委員長 お答えいたしますが、私の方から請求したわけじゃございませんが、人権擁護その他に関することはできるだけ多方面から資料を提供してもらうように要求いたしておりますから、そういう関係から各方面から資料の集まっていることを御了承が願いたい。同時に委員長の手元に届きましたならば、できるだけ多く委員諸君にも御配付して、ともに検討を願う、こういう趣旨でありますから、要求はいたしませんが、あるいは好意的に提供されたことは事実だと存じます。御了承願います。
  34. 志賀義雄

    志賀(義)委員 委員長の言われることはわかりました。これは法務委員会の専門員から請求されたものでもありませんね。これを委員部から請求されるなにはもちろんなかろうと思う。速記録を見ましても、どの委員からもこういうことが出ておりません。とすると、ただいま委員長が言われたところに基いて、これは公安調査庁で自発的にやられた。新聞によりますと、閣議にも報告された。先日の法務委員会の速記録第六号にも出ておりますが、私は藤井公安調査庁長官に対して、当時の問題となっておったこと以外、つまり共産党の現情について、破壊活動の疑い云々ということについて公安調査庁の存在理由を宣伝し、そうしてその存在をあくまでも拡大しようとするような意図に基く発言は控えてもらいたい。こう申したのであります。ただいまも委員長の方から川上貫一なる人物が云々と言われましたが、これはおそらく同名異人ではなくて川上貫一という衆議院議員のことでありましょう。これは共産党の議員であります。それが出入りしたということを言われだとすると、今度の京大事件を煽動するために入っておったんですかどうか、第五課長の方から何か川上貫一という名前をあげられたんですか。
  35. 世耕弘一

    ○世耕委員長 課長からお答えの前に、今の資料の問題についてなお付言いたして申し上げておきます。さきに申し上げたように、できるだけ多くの資料を集めるべく要求をいたしておきました。その要求した事項の一部に参考資料として提出されておるかもわかりませんから、この点は御了承願いたい。もしその資料があるためにあなたに御迷惑がかかるとするならば、それは委員長の責任において、そういう趣旨で資料を集めたんだということに御了承を願っておきたい、かように思います。
  36. 志賀義雄

    志賀(義)委員 今日本に存在している政党で、こういうように公安調査庁から破壊活動云々というような疑いを持ったものと判定されているのは共産党だけです。現在は破壊活動をやっておらないが、将来はやるつもりである、こういう書きっぷりであります。これについて共産党が公安調査庁に対してどういうふうにするかということは、今日の問題に関係ありませんから、いずれ後日、本委員会において共産党としてもあらためて発言するつもりであります。ところでただいま私の伺ったのは、川上貫一なる人物が出入りしておる、それから野間宏、今井正、これは一体どういう関係をいわれているのですか。ただ京都大学に出入りしておったというのですか。今度の事件関係があるということを印象つけるためか、あるいは明らかに今度の事件を煽動しようとしたと言われようとするのか。
  37. 中村正巳

    中村説明員 委員長の方から、同学会再建以後の状況というふうなことで報告要求されましたので、同学会再建当時における学内状況を申し上げたのでございます。先ほど申し上げました通り、党委員の三、四の出入につきましては、ただそういう事実があったということを申し上げた次第でございます。
  38. 志賀義雄

    志賀(義)委員 そうしますと、川上貫一という人物について私にもどうか注意をするようにと委員長から言われましたが、委員長もだいぶここで気を回しておられるようでありまして、法務委員会でありますから、特にそういう点は今後の委員長の御発言においては御注意願いたいと思います。ただいままでのところいろいろ出ておりますけれども、学生側の方で声明書を発表しておりますが、この声明書については稻田局長あるいは国警の方で入手されておりますか、その点ちょっとお伺いしておきます。
  39. 稲田清助

    稲田政府委員 大学側から聞きました報告によりますれば、事件の発生いたしました翌日、生徒が無許可の集会を行いまして、総長の辞任の要求、それから記念祭の実施貫徹というようなことについて決議いたしております。ここにその宣言文、決議文は手にいたしてないのであります。
  40. 志賀義雄

    志賀(義)委員 声明書はどうですか、まだ入手されませんか。
  41. 稲田清助

    稲田政府委員 まだ入手いたしません。
  42. 志賀義雄

    志賀(義)委員 そういうところを見ると、稲田局長報告も、世耕委員長の方から言われた公平に資料を収集するという点からも、きわめて遺憾な点があるようでありす。そういう点も今後は入手して検討されたいと思います。  それから滝川総長も、新聞に伝えられるところによると、ける、なぐるということを言われたそうであります。何ですか、きょうたしか出発をされるはずですが、その出発に差しつかえあるほどの負傷を受けられたのかどうか。警察においても、けんかがあったとか暴行を受けたとかいう場合には、必ず診断書をとってそれを証明することになっておりますが、それほどの事態があったのでしょうか。どうでしょうか。あるいは滝川総長が、そのときの混乱した空気の中で、けられたとかこづかれたとかいうふうに錯覚を起されたのかどうか、その点はいかがですか。
  43. 稲田清助

    稲田政府委員 けさお目にかかりましたが、右足に湿布をしておられまして、足を動かすと痛いと言っておられます。しかし出発に差しつかえるほどではないと見えまして、今夜御出発になるそうであります。
  44. 志賀義雄

    志賀(義)委員 この原因について考えるに当りまして、先ほど稲田局長お話にもありましたが、ストライキを禁止する、あるいは学校方針に反する政治活動を禁止する、こういうふうに言われておりますが、一体学校当局はそういうことを命令する権限があるのでしょうか。学生がストライキをやってはいかぬとかなんとかいう、日本の法律体系からいって、そういうことを学校当局がいう権限はいかなる法的根拠に基くか、そういうものがあるかどうか、そういうことを一つ。
  45. 稲田清助

    稲田政府委員 私はストライキについて申し上げた覚えはないのでありますが、学生屋外集会をいたします場合に、これは国有財産である大学の教室あるいは運動場を使うわけであります。従って営造物管理者という立場におきましても、当然学長はそれを許可しないの権限は有し得ると思うのであります。さらにそういう法律的に究極に突き詰めないといたしましても、とにかく学校教育をつかさどっておる責任者でありますので、訓育というような意味合いにおきましても、種々の問題につきまして指導を与え、あるいは許しあるいはとめるということは当然あってしかるべきだと思います。
  46. 志賀義雄

    志賀(義)委員 ちょっと論点をそらされているように思います。ストライキを禁止する云々ということですね、しかしこれはあなたが発言されたのではなくて、第五課長発言でありますが、どうもあなたが別の面から言われておるのを見ると、ストライキを禁止するということに合法性があるということは、稲田局長でもちょっと強弁できかねるということを間接に証明されたわけであります。こういうことが原因になって学生を非常に窮屈な状態に置くからいろいろな問題が発色するのであります。こういう学生を刺激するような、その自由を束縛するようなことを言うところに今度の問題が起るのであります。委員長は、川上君が出入りしていかにも不穏な事態をかもすように心配されておるようであります。もし川上君なり私がそこに行き合せておったならば、おそらくこんな幼稚な態度を大学当局にもとらせまいし、学生にもこういうことをやらないように、そういう挑発に乗らないように十分の注意はしたろうと思うのであります。大学当局のやり方にしてはあまりに拙劣であります。そうして警察が入り込んで、手足をとって引っぱり出すなんて、こういうマネキン入形を引っぱり出すようなことをするから事態が混乱するのでありまして、委員長が、国立大学には一人二十五万ないし三十五万の税金を払っておる、あるいは暴徒のたぐいとか言われましたが、今からちょうど一年前の衆議院においていかなる事態が起ったかということは、世耕委員長もはっきりと記憶されておることであろうと思うのであります。当時の状況はいかなるものであるかこれは録音もありますから、もしここで京大事件を取り上げられる場合には、当時の——放送局には録音もあることでございますので、これを十分ここでお聞きになった上で、この京大事件というものがそれに比べてそもそもどれくらいの大きさを持ったものであるかということを委員各位に判断願えるようにしていただきたいし、またここにおいていろいろ報告を求められて答弁をされる政府委員にもお聞かせ願いたい。その上でこの問題の判断をされるならば、暴徒のたぐいというのはそもそもだれがそれに当るのか、分化国家のゆゆしい問題という非難はだれに当るのか、文教政策一大禍根がどこにあるかということもおのずから明らかになるだろうと思います。きょうは関係大臣もおられませんし、それにもうおひるにもなりますから、この程度で私の発言は終ります。いずれ大臣が出られたときには十分委員各位にも発言願いましてやっていただきたいと思うので、私の発言はきょうはこの程度にとどめておきます。どうか放送局に頼んで当時の状況を再現することだけは一つぜひとも委員長のお計らいによってやっていただけば非常に事態がはっきりするであろうと思うのであります。
  47. 世耕弘一

    ○世耕委員長 志賀君にお答えいたしますが、御意見はよく了承いたしました。ことにこういう問題については志賀君は一方の権威者のように私は尊敬いたしております。おそらく尊い御経験をもってこの問題について明快な論議が尽されることと思いますが、どうぞ若い学徒が誤らない学徒本来の使命を達成するようにこの上とも御熱意を発揮されんことを望みます。
  48. 志賀義雄

    志賀(義)委員 委員長の御協力を望む次第であります。
  49. 世耕弘一

    ○世耕委員長 なお国会乱闘にからんだいろいろなお話がありましたが、これはいい例ではないと思いますから、悪い例ではなしに、なるべくいい例を一つ御提示下さることをお願いいたします。次に山本粂吉君。
  50. 山本粂吉

    ○山本(粂)委員 この問題は同学会が一ぺん解散され、さらに再建され、そうして今度の不祥事件が起っておる。学内の自由と自治はよくわかるけれども、いずれにいたしましても、文教政策の面は文部当局にまかせていいかもしれぬが、今度起ったような不法行為、これに対しては当委員会においてその真相をきわめ、再びかような不法行為の起らないように政府当局に対し厳重な戒告をすべきだと存じます。本件についてここで文部当局や、公安調査庁報告や、政府当局の御報告を承わっただけでは真相をきわむることはできない、かように存じますので、当委員会において現地に出張して、あらゆる方面の事情を聴取した上で、適正妥当なる結論を当委員会に得て、そうして当局に注意すべきは注意し、将来に対する対策等を樹立することが適正なりと考えますので、さようお取り計らいを要求いたします。
  51. 世耕弘一

    ○世耕委員長 山本君の御意見は了承いたしました。いずれ正式の理事会を開きまして、理事諸君の御意向を承わった上で方針を決定いたしたいと思います。さよう御了承願います。
  52. 古屋貞雄

    古屋委員 議事進行について。
  53. 世耕弘一

    ○世耕委員長 議事進行について古屋君から発言を求められておりますのでこれを許します。古屋貞雄君。
  54. 古屋貞雄

    古屋委員 先刻委員長の方から御出席の方に御質問があったようですけれども、それは省略して、関係大臣にお尋ねしようという御意向なのでございましょうか。それならば私も賛成いたします。結局今山本君からもおっしゃったように、この問題は重大な問題でありまして、徹底的にここで各大臣の責任、心がまえを聞いてから法務委員会の態度を決すべき重大な事件だと考えますので、さような趣旨で本日は終了いたしまして、大臣出席の上で再びこれを御審議願うということならば賛成申し上げます。
  55. 世耕弘一

    ○世耕委員長 了承いたしました。いろいろ御意見があるようでありますが、いずれ理事会を開くことでありますから、理事会においてよく御審議を願い、さらに関係閣僚出席を求めて所信をただした上で御趣旨に沿うようにいたしたい、かように考えております。  本日はこの程度にとどめたいと存じますが、明日は商法審議に関し、参考人を招致いたしておりますような関係でございますから、どうぞ委員諸君はぜひ御出席下さるよう重ねてお願いいたします。本日はこれにて散会いたします。     午後零時十六分散会