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1955-06-06 第22回国会 衆議院 法務委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十年六月六日(月曜日) 午前十一時十一分
開議
出席委員
委員長
世耕
弘一君
理事
古島 義英君
理事
山本 粂吉君
理事
福井
盛太
君
理事
古屋
貞雄君
理事
田中幾三郎
君 高橋 禎一君 林 博君
生田
宏一君 横川 重次君 神近 市子君
淺沼稻次郎
君 佐竹
晴記
君 吉田 賢一君
志賀
義雄君
出席政府委員
警 視 長 (
警察庁刑事部
長) 中川
董治
君 警 視 長 (
警察庁警備部
長)
山口
喜雄君 検 事 (
刑事局長
) 井本
台吉
君
公安調査庁長官
藤井
五一郎君
文部事務官
(
大学学術局
長)
稲田
清助君
委員外
の
出席者
法務事務官
(
公安調査庁調
査第一部
第五課 長)
中村
正巳君 専 門 員 村 教三君 専 門 員 小木 貞一君 ————————————— 本日の
会議
に付した案件
参考人招致
に関する件
人権擁護
に関する件(
京都大学事件
) —————————————
世耕弘一
1
○世
耕委員長
これより
法務委員会
を開会いたします。 本日の日程に入るに先だってお諮りいたします。すなわち、商法の一部を改正する
法律案
について、
学識経験者
及び
利害関係人
を
参考人
として当
委員会
に御
出席
を願い、その
意見
を聴取し、審査の
参考
に資したいと存じます。それで、経団連副
会長植村甲午郎
君、
電気化学工業取締役社長野
村与曽市君、
早稲田大学教授大野実雄
君、
大阪市立大学教授西原寛一
君、
弁護士長野潔
君、
日本労働組合
総
評議会法規対策部長加藤万吉
君、以上の六名の方々を
参考人
と決定するに御
異議
ありませせんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
世耕弘一
2
○世
耕委員長
御
異議
ないと認めます。さよう決定いたしました。 なお御
出席
を願う日取りは、明七日午前十時からとなっております。何とぞ右御了承の上、
委員諸君
のふるって御
出席
をお願いいたします。 —————————————
世耕弘一
3
○世
耕委員長
次に、
人権擁護
に関する件について
調査
に入ります。 まず
京都大学
において起った
事件
について
政府当局
から
説明
を求めます。
最初
に
文部省稲田大学学術局長
の
発言
を求めます。
稲田清助
4
○
稲田政府委員
さきに
京都大学
に起りました
事件
につきましては、
文部省
といたしましても、まことに遺憾に存じておる次第であります。一昨日から今朝にかけまして、
滝川総長
、
田中学生部長
、
小倉庶務課長
から聞き取りました
事件
の概要について、一応御
報告
申し上げたいと思います。 このことが起りますまでの
状況
について、まず申し上げたいと存じます。
京都大学
は本年六月十八日に第五十八回の
創立記念日
を迎えます。
学生
をもって
組織
せられておりまする同
学会
を
中心
といたしまして、
学生側
において、この機会に
記念祭
を
開催
したいという
要求
が
大学当局
に前々から出されておったのであります。
大学当局
といたしましては、この点について協議いたしましたが、もともと
京都大学
には
学内
の規則がございまして、
集会
には原則として
学外
の者を参加させないという
方針
をとり来たっておるのであります。しかるに
学生側
の
要求
といたしましては、今回の
記念祭
には、
屋外
において
園遊会
を催して、これに
学生
、教
職員
及び
一般学外者
の参加を求めて
開催
したいという点が一つあります。それからいま一つは、医学あるいは
哲学ゼミナール
と称しまして、他の
大学生
を
学内
に入れてこれと
一緒
に
ゼミナール
を行い、これを
記念祭
の行事に加えたいという二点があったのであります。この二点につきましては、
大学当局
としては
大学
の
秩序
を維持するため、従来しばしばの
経験
にかんがみまして、
学外者
を入れてこうした会合をいたしますことが適当でないとの判断のもとに、この二点を許さないという
方針
を立てて参ったのであります。 それについて去る五月二十三日にも、
自治会
の
代表者
と
総長
と
会見
いたしまして、この点について
総長
の見解を
学生側
に伝えたのでありますが、問題の起りました六月二日、再び
学生代表
十名が
総長室
において
総長
と
会見
いたしたのであります。この際
学生側
から提起いたしましたのは、先ほど申しました二点が
中心
でございます。
園遊会
の
開催
、それから
外部
の者と
一緒
に
ゼミナール
の
開催
ということを、
総長
に対して
要請
いたしたのでありますが、
総長
はこれに対してじゅんじゅんと
説得
されて、とにかく
学校
の
方針
として、
外部
の者を入れての
屋外集会
を禁止する、それから
ゼミナール
も、他の
大学生
と
一緒
に挙行することを禁止するということを説いたわけであります。
会見
は約一時間
余り
に及んだのでありますが、この間において
学生
は
相当
秩序
よく
総長
の話を聞いて、
最後
に、われわれは
不満
でありますけれども、
総長
の言われることは言われることとしてよくわかる。明日
総長
御
出発
であれば、十分健康に御留意の上御外遊せられたいとあいさつして、
学生
は
総長室
を引き取った。そこでその
学生代表
が、
屋外
に集まっております約百名の同
学会
の
会員たち
に、
総長
との
会見
の
てんまつ
を
報告
にかかったそうであります。その
報告
を聞きながら、
学生たち
は非常に
不満
として、さらに
総長
に直接
面会
を
要求
するというような情勢が、そこに起りかけたのであります。ところで
総長
は外遊前日で非常に忙がしいので、すぐ
研究室
におもむこうといたしましたが、その
学生
がたむろしている場所が通れないので、別の道から
研究室
に行きかけたところ、
学生たち
は、
総長
が
面会
を回避して
退去
するということで
総長
をつかまえ、そこで
相当
もみ合って、その際
総長
の
お話
によれば、足をけられたりあるいは胸をつかまれたり
相当暴行
をこうむった。そこで
総長
も危険を感ぜられて、
研究室
に行くことをやめて、再び
総長室
に戻ったのであります。 そこで
学生
の集まりに対しましては、
学生部長
、
学生課長等
から
再々説得
をいたしました。
学生側
は、さらに
総長
との直接
面会
を
要求
いたして
退去
しなかったのでありますが、
総長
の意は先ほど十名の
代表
に伝えてよくわかっているはずだし、
総長
も明日
出発
で非常に忙がしいので、
退去
するようにと
説得
に努めてかなり時間が
経過
したということであります。 さらに
学校側
では、
学生部長
その他相談いたしまして、
学生側
の意向は
学生部委員会
に諮っていろいろなお検討するから、きょうのところは九時二十分までに
退去
せられたい。もし指定の時間までに
退去
しなければ、
不法集会
とみなすということを伝えたわけであります。それを聞いて
学生
が激高いたしまして、
大学職員
、守衛らの阻止にもかかわらないで階段をかけ上って、
総長室
の前の
廊下
にすわり込んで
面会
を強要し、従って
総長
はその
部屋
を出られない
状態
になってしまったわけであります。 この前後の
事態
を重視いたしました
学生部長
あるいは
教授
その他数人の
教官たち
も、現場にかけつけまして、
学生たち
の
説得
に努めたのでありますけれども、九時二十分ごろに至りまして、このような
暴力
による
監禁状態
に対しましては、もはや
説得
ではこれを説きがたいと考えるに至りまして、
総長
の名をもって
警察力
を借りることになったわけであります。すなわち、
川端署
に対して
警官隊
の
出動
を
総長
から
要請
せられたということであります。
警官隊
が
出動
いたしましてから
学生
の
退去
に至りますまでの
経過
でありまするが、
大学
の
要請
に基いて九時三十分ごろ
川端署
の
警官
二個
小隊
、約六十名が
トラック
で
正門付近
に到着して、
警棒
その他武器を全部はずして、丸腰で
トラック
をおりてきたそうであります。
川端署
の警部が
警官
二人とともにまず
総長室
前に至って、
学生
に対して、
警察側
としては
学生
が穏健に
事態
を解釈して、
総長
が帰宅せられるように取り計ることを欲するということを
説得
をしたそうであります。
学生
は
総長
と会わなければ帰れないということで、依然としてすわり込みを継続して、十時二十分ごろに至ってさらに
松原署
、
下賀茂署等
から
応援
の
警官隊
が到着いたしまして、
警官隊
の総数約百五十名となり、十時三十分ごろ
川端署
の
署長
が平服で
学生
の前に立って、十一時までに
退去
を
要請
し、
退去
しなければ
実力
を行使することを通告いたしたのであります。しかしながら
学生側
としては依然歌を歌ったりして
退去
しなかったということで、十一時五分に至って
警官隊
が
実力
を行使して、すわり込んだ
学生
を一人々々本館の外に
退去
させ、
退去
の完了したのが十一時四十分と聞いております。従って
総長
が監禁せられた時間は九時間前後に及ぶわけであります。当日の
事件
はかような次第でありまして、十一時過ぎから零時前後に
総長
は
退去
することを得たのであります。 その後
京都大学当局
におきましては各
学部長
及び
事務局長
その他
首脳部
をもって
組織
せられる
補導会議——学生補導
に関する
最高会議
でありますが、ここにおいて
善後処置
を引き続き講じ続けて今日に至ったわけであります。昨日において同
学会解散
を決議いたしまして、そのことを
告示
いたしております。さらに
記念祭
は本年は許可をとりやめるという
処分
をいたしております。なお
学生
の
処置
、
処分等
につきましては、
目下大学当局
において慎重に協議中であるということであります。 以上
事件
の起りましてから今日に至るまでの
状況
及び同
大学当局
の
処置
について一応御
報告
申し上げる次第であります。
世耕弘一
5
○世
耕委員長
次に
山口警備部長
の
報告
を求めます。
山口喜雄
6
○
山口
(喜)
政府委員
事件
の起りました
模様
につきましては、一昨日でありましたかその概略を本
委員会
で御
報告
申し上げたので、その後の
模様
につきまして
お話
を申し上げたいと思います。
事件
の起りました翌日の六月四日は午後一時半から校内の
時計台
の裏で
抗議集会
を
開催
いたしたのであります。
学校当局
がマイクによりまして再三再四警告をしたにもかかわりませずこの
集会
を開きまして、約三百名ばかり集まりまして、三時四十五分ごろ次の事項を申し合せをいたしまして
解散
をいたしたのであります。前夜祭を強行する、
滝川総長
の罷免を
要求
する、この二項であります。 なおその後の
学校当局
の
措置等
につきましてはただいま
文部省
の方から御
報告
がございましたので、私の方は
説明
を省略いたしたいと思います。
滝川総長
に対して
暴行
を働きました
学生
につきましては、ただいまその証拠を十分に固めるために捜査をいたしております。
氏名等
も判明いたしておりますので、近く
警察
としての
措置
をとるものと思っております。
世耕弘一
7
○世
耕委員長
次に
公安調査庁当局
の
説明
を求めます。
藤井五一郎
8
○
藤井政府委員
公安調査庁
といたしましては、まだ今回の
事件
について
報告
に接しておりません。
世耕弘一
9
○世
耕委員長
この際
公安調査庁当局
に
説明
を求めたいと思いますが、本件の
騒動
の根幹をなす
主導勢力
というものは、
京都大学
同
学会
が
中心
になっているように
報道
されております。この際
京大
同
学会
の
組織
並びに従来の
活動状況
及びそれを支持した
背後関係
の
有無等
、従来
公安調査庁
として
調査
された資料並びに
意見
があれば、
調査
を進める上に便宜でありますから、
説明
を求めたいと思うのであります。
藤井五一郎
10
○
藤井政府委員
その点については私の方の第一部
中村
第五
課長
から
説明
さしていただきます。
世耕弘一
11
○世
耕委員長
了承いたしました。
中村正巳
12
○
中村説明員
御
報告
申し上げます。同
学会
につきましては御
承知
の通りに
京大
の各学部の
自治会
の
統合組織
でございまして、
昭和
二十八年の六月に
再建
されたものでございます。と申しますのは、
昭和
二十六年の十一月のいわゆる
京大事件
によりまして
学校当局
から
解散
をさせられておったものでございます。これが
昭和
二十八年に
再建宣言
を発表いたしております。
再建
の当時の
模様
といたしまして、情報といたしましては、
日共
の
京都
府
委員会
から
京大細胞あて
に指令が出されておる
模様
でございます。これは当時五月の二十三日に
京大
の全
学生大会
が
開催
されるに当りまして、
京大細胞あて
に、
学生
をできる限り動員し、この
大会
が不調に終り、もしくは
解散
を命ぜられるということがあった場合にも、
実力行使
に訴えて同
学会
の成立を宣言せよという趣旨の動きが出ております。 次に
再建
当時
京大
の
学内
の
集会関係等
におきまして
学内
へ
党員野間宏
、
今井正
、
川上貫一
の諸氏が出入をしておる
模様
であります。設立いたしました後には、その直後
京大民族独立行動隊あけぼの
という署名で、次のような
ビラ
が配布されております。「反戦自由の伝統に輝く同
学会再建
を機に
京大民主化
の癌「
告示
第九号、
達示
第十号を
実力
で廃棄せよ」」以上のような
ビラ
でございます。
告示
第九号は
学生
の
スト禁止
、
達示
第十号は
学校
の
方針
に沿わないような
政治活動
を禁止するという
学校側
の指示でございますが、これに対して
あけぼの
という
名前
における
ビラ
を出しておるのでございます。 次に
参考
といたしまして、御
承知
のことでございますが、同
学会設立
直後十一月に
京大
の
学園復興会議
を同
学会
は提唱いたしておったのでございますが、この問題をめぐりまして
荒神橋事件
が
刑事事件
として発生いたしておるのでございます。 それから、ただいま申し上げましたように、
京都大学
はかなり左翼的な
学生運動
が盛んなところでございます。全国的に見てもそうでございますが、最近五月に
京都
の府会、市会の選挙の直後、公開の
地区労集会
が開かれておりまして、この
集会
におきまする
京大細胞
の
報告
によりますと、
京都大学
には現在二百名の
党員
がいる。この
細胞
の力で二千ないし三千票くらいの獲得に成功したのではなかろうかというふうな
報告
がなされております。
報告
を終ります。
世耕弘一
13
○世
耕委員長
委員諸君
の御
質疑
があろうと思いますが、その前に
委員長
としてお尋ねいたしたいと思います。 今度の
事件
を通じて
世論
の傾向を調べてみますと、
学生
の
騒動
には、
世論
は
学校当局
よりも
学生
に同情するような
記事
が従来多かったのであります。ことに
新聞
、
ラジオ等
の
報道
には常に若い
学徒
に同情的なものが従来は多かったのであるが、今度の
事件
は、私の見るところでは、
学生諸君
に不利な
報道
を至るところに散見するのであります。この一例をとってみましても、昨日の毎日
新聞
の夕刊の
短針
という
記事
の中には、「
京大名物学生騒動
。三尺下って師をけとばす、新
学生論語
。」こういうような
短針
の
論評
であります。それから朝日
新聞
の六月五日朝刊の
天声人語
の中に
相当
長い
論評
を加えておりますが、
最後
のところで特にわれわれの心を引くことは、「東山三十六峰静かに眠る刻限近く、
総長
を
カン詰
にして「平和の歌」を高唱しても、世界は平和にならんのである。」こういうような非常に
意味
の深い、また非常に急所をうがった
記事
が出ております。なおまた歴史的に見ますると、近時
京大事件
はすでに三回重ねております。二十六年の十一月、
天皇陛下
が
行幸
当時の
事件
、さらに今から一年七ヵ月前の服一部
学長カン詰事件
、そうしてこのたびの
滝川京大学長
に対する
暴行行為
、しかも数時間にわたっての
カン詰
。
新聞記事
を見ますると
滝川学長
の語るところが出ておりますが、これによりますと、あの
学生
は
暴徒
のたぐいという
言葉
が発表されております。
学園
の
自治
、また
学園
の自由を叫ぶ今日、
学生
がたとえどのようであっても
暴徒
の
言葉
を冠せられることは、事のいかんにかかわらずまことに
大学
の権威を失墜するものではないか。これは
文部当局
といたしましても、よほど真剣に本問題を取り上げて、もって今後の
禍根
を残さないように、あらゆる観点から真相を追究して万全の策を講ぜられたいということを実は希望してやまないのであります。おそらく
文部当局
はこれに対して
相当
しっかりした
対策
が後日発表あるもの、かように考えるのであります。ことに御注意申し上げたいことは、
国立大学
には総体に高額の
税金
が使用されております。概算でありますが、おそらく一人一カ年二十五万円ないし三十万円の
税金
が消費されているということは世間に
論評
されているときであります。その権威ある
大学
、しかも国費を多額に費しているその
大学
で、
暴徒
のたぐいと類似するような
行動
が数回にわたって年を重ねて行われるということは、
分化国家
の名誉に関してもゆゆしき問題であり、同時に分
教政策
の上に
一大禍根
を残すものであるというような感じもぬぐえないのであります。この際
日本
の
文教政策
の確立の
意味
において十分の検討を進められたい、かように思うのであります。聞くところによれば、
名前
は違うかもわからぬが、
川上貫一
何がしという人をちょっと耳にはさんだのでありますが、同名異人であるかもわかりませんが、
川上
君であれば共産党のそうそうたる
幹部
であります。
青年指導
の熱意の
余り
、ときどきおいで下さることもけっこうだと思いますが、
志賀
君あたりは同僚といたしまして、どうぞ若い
学生
の誤まりのないようにこの際
指導
をしていただきたい。ただ重ねて、一昨日だか
志賀
君からも
お話
がありましたが、一方的な
調査
をせずにということは、これはごもっともであります。私は全般的にわたって公平な
調査
をして、すみやかにこの
禍根
を断つ。同時にまた若い
学徒
でありますから、わずかな扇動によって常軌を逸する場合があります。さようなことも考慮に入れて、あったかい、深い愛情のもとに本体の
禍根
を断つように万全を期してもらいたい、かように思うのであります。 本日は
関係大臣
が
予算委員会等
の
関係
で
出席
を得られなかったことは遺憾でありますが、いずれあらためて
関係閣僚
の
出席
を求めて
政府
の所信をただしたい、かように思うのでありますが、この際なお今申し上げた点について
関係当局
から
発言
があれば、
説明
を願いたい。なお
背後関係
並びに
暴力行為
が明らかになれば、すみやかに検挙して、他の善良なる
学生
にそのよからざる思想の波及しないようにすみやかなる
処置
を
関係当局
はされることを希望してやまないのである。どうぞこの点に関して
当局
からの
説明
を求め、なお
委員諸君
からも、これに対して隔意ない御
意見
の発表を願いたいと思います。
古屋貞雄
14
○
古屋委員
稲田局長
に承わりたいのですが、ただいまの
報告
の中に、
学生部長
並びに
学生課長
から
説得
をされた、こういうのですが、どのくらいの時間、どのような具体的な
説得
をされたのか、その点の御
報告
をもう少し詳しくお願いしたいと思います。なお当時
交渉
に参りました
学生
の
代表
の数、それから
学生代表
が、百名ばかり集まった
学生
に、
総長
との
交渉経過
を
報告
してから後の
学生
がどのくらい、どこにどういう工合に集まっておうたのか、もう少しこまかく御
報告
を願っておいた方がいいと思うのですが……。
稲田清助
15
○
稲田政府委員
時間的に後の御
質疑
の方から先に申し上げたいと存じます。
学生代表
は十名であります。十名が約一時間十分くらい
総長
と会談をして、それを
——屋外
に集まっていた
学生
は約百名であります。後に百十名くらいにふえたということであります。これに
報告
をした。
報告
を受けながら
学生
が
相当
激高して、その
委員
の
交渉
は頼むに足らぬ、直接
総長
に
面会
したいという
状況
になってきたわけであります。それに対して、
最初
のお尋ねの、
学生部長
、
学生課長
の
説得
が行われたのでありますが、その時間は、
総長
が
学生
に包囲せられましたのが二時過ぎでございました。
部屋
に帰ってから九時までの間、かわるがわる
学生部長
、
学生課長
その他の
職員
が
説得
に努めたのです。
説得
する主点は、
学生
の
要求
は
総長
に会いたいという一点であります。ですから、これに対して説きますのは、
総長
は前回二十三日にも
相当
時間を費して
学生代表
に会い、本日も一時間
余り学生代表
に会い、
学生代表
は一応その話を聞いて帰った、このところはこれでやめてもらいたいというのが前段の
説得
であります。後段の
説得
は、先ほど申し上げましたように、ともかく問題を
学生委員会
に移して、
総長
はあしたから
出発
するから、後日検討するから、今夜のところは九時二十分までに帰ってもらいたい、こういう
説得
に変ったわけであります。以上お答え申し上げます。
古屋貞雄
16
○
古屋委員
今度は
国警
の
山口
さんにお尋ねしますが、その当時二度に
川端署
の
警官
が
出動
しているようですが、もう少し具体的に
お話
を願いたいのは、
最初
はどのくらい
出動
し、
最後
にどのくらい
出動
したのか、その
員数
がおわかりでしたら、
員数
の御
報告
を願いたいと思います。
山口喜雄
17
○
山口
(喜)
政府委員
警察
に
最初
に
大学
から連絡がありましたのは、九時十分であります。
学生部長
から
川端
の
署長
に対して
出動要請
があったのでありますが、先ほど
文部省
から
お話
がありましたように、特に慎重を期しまして、その
要請
は
総長自身
の意思であるかどうかを確認しましたところが、
総長
から直接電話をもって
出動方
の
要請
を受けたのであります。そこで
署長
は二
ヵ小隊
を指揮いたしまして、約六十人、九時四十分に
大学
正前門に到着しまして、
部隊
を
正門
の外に置きまして、
署長
以下
幹部
四人が
学校
の中に入りまして、
学生側
の幹事に対して自主的な
解散
を極力
説得
いたしたのであります。しかしながらどうしても応じませんので、十時二十分以降数回にわたりまして、どうしても
解散
しない場合には
実力行使
もやむを得ない旨を警告いたしました。そうして十時五十分に
解散命令
を出して、十一時五分から
実力行使
で
解散
をいたしまして、十一時二十五分に終っておるのであります。
部隊
の
出動
いたしましたのは、
あと
から
応援
が来ておりますので、全部で約百名
学校
の中に入りまして、
実力行使
をいたしております。 以上でございます。
古屋貞雄
18
○
古屋委員
実力行使
をされた当時の
学生
の
状況
は、どういう
状況
に置かれておったのか。なお
実力行使
とは、どういう方法で
実力
が行使されたか、その点を具体的に
山口
さんから御
説明
を願いたい。
山口喜雄
19
○
山口
(喜)
政府委員
総長室
の前の
廊下
にすわり込みをいたしておったのであります。従って
警察
といたしましては、
警棒
をはずしまして、全く素手で、
退去
しないという
学生
を一人々々
手足
を持って運び出したという形になっております。
古屋貞雄
20
○
古屋委員
その当時一人々々
手足
を持って運び出された
学生
が、
警官
に対して
反撃
をしたような事実はありませんでしたか。
山口喜雄
21
○
山口
(喜)
政府委員
若干そういう抵抗といいますか、
反撃
もあったのであります。従いましてその場で一人逮捕いたしました。これはその後直ちに釈放いたしております。
古屋貞雄
22
○
古屋委員
あと
は
大臣
にお尋ねしたいと思います。
生田宏一
23
○
生田委員
ちょっとお尋ねいたしますが、同
学会
が二十六年に
解散
いたしております。その間の
解散
の
事情
は、自主的に
解散
をしたのでありますか。その辺の
事情
を……。
稲田清助
24
○
稲田政府委員
御指摘の時期に同
学会
が
解散
いたしましたのは、たまたま当時
天皇陛下
が
京都大学
に
行幸
になりました。当時
京都大学
の
学生
が
要請書
をぜひ
天皇陛下
にお手渡ししたいということをもって、
学校当局
の制止にもかかわらず騒擾を起した、こういう
事件
がございまして、この
事件
を契機といたしまして
学校当局
から同
学会
を
解散
を命じたのであります。
生田宏一
25
○
生田委員
そうしますと、二十八年の
再建
をしたときに、
学校当局
としても一旦
解散
を命じたものですから、
再建
に対してはかなりな条件といいますか、
学生
の自粛を要望するようなことがなければならぬと思いますが、この間の
事情
はいかがですか。
稲田清助
26
○
稲田政府委員
お話
のように、もとより
解散
いたしました
団体再建
につきましては、
学生側
からしばしば
再建要求
のありましたときに、
総長
初め
学校当局
から慎重にいろいろ説示いたしまして、りっぱに民主的な
自治会
ができますように
指導
いたしたのであります。しかしながら、できました結果といたしましては、その後しばしば
事件
を発生するような
状況
になりまして、この点は
大学当局
も遺憾といたしております。昨年やはり
不法集会
をいたしましたような際に、将来こういうことを繰り返すということになりますれば、同
学会
の
存立そのもの
に対しても、
当局
としては考慮しなければならぬから、十分慎重に
行動
せられたいということを昨年も警告いたしました。その結果、今日に至ったような次第であります。
生田宏一
27
○
生田委員
京大
の中の
事情
がそのような
事情
であるとするならば、
文部省
当局
においても、
学校
の方からそのような
事情
については
報告
もいっておることであろうと思いますし、また
文部省
の方からも、
学校
に対する
指導
監督には、
相当
の配慮を払ったものだろうと思うのですが、
文部省
の方としては、この
京大
の同
学会
のあり方について、何か
学校
との間で相談をしたとか、指示をしたとか、そういうことがありましたならば、ちょっとお伺いします。
稲田清助
28
○
稲田政府委員
一般に先般のメーデー騒擾
事件
前後において、非常に全国の国、公、私立
大学
にこうした
事件
が多かったのでありますが、その当時から
文部省
と
学校当局
が、こういう
学生
の
自治
活動につきましては、いろいろ相談をして参ったのでございます。もとよりわれわれは、
大学
の教育の問題であり、
大学
の教育の自主性の問題でありますから、一々具体的に
文部省
が事を指示するというようなことには出ないのでありますけれども、お互いに情報を交換いたしましたり、われわれといたしましては、まず根本として
学生
全体が
自治
というものについて十分自覚をして、一部少数な者にリードせられないように、この自覚を高めることに
学校当局
が善処せられることを第一考えたのであります。第二、各
大学
とも補導という問題について十分機構を整えることを、各
大学
に求めたわけであります。すなわち補導部
課長
のみでなくて、各学部の
教授
その他全員が、この補導という問題に協力をして力をいたすように、こういう点が第二であります。 さらに、現在
学生
の置かれております経済上その他の問題から、あるいは育英奨学資金を増すなり、あるいは寮舎等を充実するなり、そういう補導に関する厚生の面も注意して参る、こういうことが一般の
方針
であります。そうした
大学
の努力、それに対して
文部省
等もずいぶん努めたのでありますが、その結果として、一般的には今日の
秩序
を保ち得たことだと思っております。
京都大学
だけにこういう問題が頻発いたしますことは、私どもとして、非常に奇異にも感じ、それだけ関心を持っておるのでございます。幸いに滝川幸辰氏が
総長
になられまして、
学生
の補導の問題について、非常に熱心に乗り出されて今日に至っておりますので、漸次
京都大学
としても
秩序
を回復せられることをわれわれとしては期待して、今日に至った次第であります。
生田宏一
29
○
生田委員
今の
お話
によりますと、
文部省
としても
相当
の関心を払って、かなり十分に配意を尽したというようにも承わるのですが、今回の
京大
騒擾
事件
については、まだ私などはその真相の一部分しか承わっていないと思いますので、
学生側
にも言い分がありましょうし、また
学校当局
の従来の御苦心もさることと思いますが、
京都大学
はわが国の
代表
的なりっぱな
学校
であるという考えを私たちは持っておるのですが、そのわが国の
代表
的な
大学
にこういうことが頻発するということは、わが国の教育上ゆゆしき問題であろうと思いますので、この際に真相をよく確かめて、再びこういうことが起きないように、
文部省
としても
学校当局
としても、これを機会に十分に
学園
の
秩序
と名誉、品位を回復するような
処置
をしてもらいたいと思うのですが、その辺の心がまえはいかがでございますか。
稲田清助
30
○
稲田政府委員
先般来、
京都大学
の
当局
におきましては、非常にこの問題に対処され、断固たる決意をもって
事態
を収拾するという御態度が見受けられるのでございます。
大学
のなさることをわれわれとしても期待いたしておりますが、
文部省
は
文部省
の分といたしまして、また御援助し得ることはいたして参りたいと思います。
志賀義雄
31
○
志賀
(義)
委員
最近
新聞
に
報道
せられました
京都大学事件
については、世
耕委員長
が特に御熱心のように見受けられるのであります。
新聞
に
暴徒
のたぐいという
言葉
があったことを引用され、
分化国家
のゆゆしい問題、あるいは分
教政策
の
一大禍根
というような最大級の
言葉
を使っておられるようであります。世
耕委員長
は、近畿
大学
の学長でありますから、一番身につまされて、自分がつるし上げられたら、こういう御心配があるかもしれません。今度の
事件
などは、先ほど来
警察
当局
の方ですか、
公安調査庁
の第五
課長
ですか、野間宏、
今井正
、
川上貫一
という
名前
をあげられております。それが出入りをしておったというようにこの
事件
に結びつけられると、何だかここで悪宣伝をやったようにも印象づけようという魂胆が見られるのであります。というのは、ここに
公安調査庁
から「
日本
共産党の現情」というのが五月二十二日付で出ております。これは
委員長
から請求されたものでありますか。
世耕弘一
32
○世
耕委員長
お答えいたしますが、私の方から請求したわけじゃございませんが、
人権擁護
その他に関することはできるだけ多方面から資料を提供してもらうように
要求
いたしておりますから、そういう
関係
から各方面から資料の集まっていることを御了承が願いたい。同時に
委員長
の手元に届きましたならば、できるだけ多く
委員諸君
にも御配付して、ともに検討を願う、こういう趣旨でありますから、
要求
はいたしませんが、あるいは好意的に提供されたことは事実だと存じます。御了承願います。
志賀義雄
33
○
志賀
(義)
委員
委員長
の言われることはわかりました。これは
法務委員会
の専門員から請求されたものでもありませんね。これを
委員
部から請求されるなにはもちろんなかろうと思う。速記録を見ましても、どの
委員
からもこういうことが出ておりません。とすると、ただいま
委員長
が言われたところに基いて、これは
公安調査庁
で自発的にやられた。
新聞
によりますと、閣議にも
報告
された。先日の
法務委員会
の速記録第六号にも出ておりますが、私は
藤井
公安調査庁長官
に対して、当時の問題となっておったこと以外、つまり共産党の現情について、破壊活動の疑い云々ということについて
公安調査庁
の存在理由を宣伝し、そうしてその存在をあくまでも拡大しようとするような意図に基く
発言
は控えてもらいたい。こう申したのであります。ただいまも
委員長
の方から
川上貫一
なる人物が云々と言われましたが、これはおそらく同名異人ではなくて
川上貫一
という衆議院議員のことでありましょう。これは共産党の議員であります。それが出入りしたということを言われだとすると、今度の
京大事件
を煽動するために入っておったんですかどうか、第五
課長
の方から何か
川上貫一
という
名前
をあげられたんですか。
世耕弘一
34
○世
耕委員長
課長
からお答えの前に、今の資料の問題についてなお付言いたして申し上げておきます。さきに申し上げたように、できるだけ多くの資料を集めるべく
要求
をいたしておきました。その
要求
した事項の一部に
参考
資料として提出されておるかもわかりませんから、この点は御了承願いたい。もしその資料があるためにあなたに御迷惑がかかるとするならば、それは
委員長
の責任において、そういう趣旨で資料を集めたんだということに御了承を願っておきたい、かように思います。
志賀義雄
35
○
志賀
(義)
委員
今
日本
に存在している政党で、こういうように
公安調査庁
から破壊活動云々というような疑いを持ったものと判定されているのは共産党だけです。現在は破壊活動をやっておらないが、将来はやるつもりである、こういう書きっぷりであります。これについて共産党が
公安調査庁
に対してどういうふうにするかということは、今日の問題に
関係
ありませんから、いずれ後日、本
委員会
において共産党としてもあらためて
発言
するつもりであります。ところでただいま私の伺ったのは、
川上貫一
なる人物が出入りしておる、それから野間宏、
今井正
、これは一体どういう
関係
をいわれているのですか。ただ
京都大学
に出入りしておったというのですか。今度の
事件
に
関係
があるということを印象つけるためか、あるいは明らかに今度の
事件
を煽動しようとしたと言われようとするのか。
中村正巳
36
○
中村説明員
委員長
の方から、同
学会再建
以後の
状況
というふうなことで
報告
を
要求
されましたので、同
学会再建
当時における
学内
の
状況
を申し上げたのでございます。先ほど申し上げました通り、党
委員
の三、四の出入につきましては、ただそういう事実があったということを申し上げた次第でございます。
志賀義雄
37
○
志賀
(義)
委員
そうしますと、
川上貫一
という人物について私にもどうか注意をするようにと
委員長
から言われましたが、
委員長
もだいぶここで気を回しておられるようでありまして、
法務委員会
でありますから、特にそういう点は今後の
委員長
の御
発言
においては御注意願いたいと思います。ただいままでのところいろいろ出ておりますけれども、
学生側
の方で声明書を発表しておりますが、この声明書については稻田局長あるいは
国警
の方で入手されておりますか、その点ちょっとお伺いしておきます。
稲田清助
38
○
稲田政府委員
大学
側から聞きました
報告
によりますれば、
事件
の発生いたしました翌日、生徒が無許可の
集会
を行いまして、
総長
の辞任の
要求
、それから
記念祭
の実施貫徹というようなことについて決議いたしております。ここにその宣言文、決議文は手にいたしてないのであります。
志賀義雄
39
○
志賀
(義)
委員
声明書はどうですか、まだ入手されませんか。
稲田清助
40
○
稲田政府委員
まだ入手いたしません。
志賀義雄
41
○
志賀
(義)
委員
そういうところを見ると、
稲田局長
の
報告
も、世
耕委員長
の方から言われた公平に資料を収集するという点からも、きわめて遺憾な点があるようでありす。そういう点も今後は入手して検討されたいと思います。 それから
滝川総長
も、
新聞
に伝えられるところによると、ける、なぐるということを言われたそうであります。何ですか、きょうたしか
出発
をされるはずですが、その
出発
に差しつかえあるほどの負傷を受けられたのかどうか。
警察
においても、けんかがあったとか
暴行
を受けたとかいう場合には、必ず診断書をとってそれを証明することになっておりますが、それほどの
事態
があったのでしょうか。どうでしょうか。あるいは
滝川総長
が、そのときの混乱した空気の中で、けられたとかこづかれたとかいうふうに錯覚を起されたのかどうか、その点はいかがですか。
稲田清助
42
○
稲田政府委員
けさお目にかかりましたが、右足に湿布をしておられまして、足を動かすと痛いと言っておられます。しかし
出発
に差しつかえるほどではないと見えまして、今夜御
出発
になるそうであります。
志賀義雄
43
○
志賀
(義)
委員
この原因について考えるに当りまして、先ほど
稲田局長
の
お話
にもありましたが、ストライキを禁止する、あるいは
学校
の
方針
に反する
政治活動
を禁止する、こういうふうに言われておりますが、一体
学校当局
はそういうことを命令する権限があるのでしょうか。
学生
がストライキをやってはいかぬとかなんとかいう、
日本
の法律体系からいって、そういうことを
学校当局
がいう権限はいかなる法的根拠に基くか、そういうものがあるかどうか、そういうことを一つ。
稲田清助
44
○
稲田政府委員
私はストライキについて申し上げた覚えはないのでありますが、
学生
が
屋外
で
集会
をいたします場合に、これは国有財産である
大学
の教室あるいは運動場を使うわけであります。従って営造物管理者という立場におきましても、当然学長はそれを許可しないの権限は有し得ると思うのであります。さらにそういう法律的に究極に突き詰めないといたしましても、とにかく
学校
教育をつかさどっておる責任者でありますので、訓育というような
意味
合いにおきましても、種々の問題につきまして
指導
を与え、あるいは許しあるいはとめるということは当然あってしかるべきだと思います。
志賀義雄
45
○
志賀
(義)
委員
ちょっと論点をそらされているように思います。ストライキを禁止する云々ということですね、しかしこれはあなたが
発言
されたのではなくて、第五
課長
の
発言
でありますが、どうもあなたが別の面から言われておるのを見ると、ストライキを禁止するということに合法性があるということは、
稲田局長
でもちょっと強弁できかねるということを間接に証明されたわけであります。こういうことが原因になって
学生
を非常に窮屈な
状態
に置くからいろいろな問題が発色するのであります。こういう
学生
を刺激するような、その自由を束縛するようなことを言うところに今度の問題が起るのであります。
委員長
は、
川上
君が出入りしていかにも不穏な
事態
をかもすように心配されておるようであります。もし
川上
君なり私がそこに行き合せておったならば、おそらくこんな幼稚な態度を
大学当局
にもとらせまいし、
学生
にもこういうことをやらないように、そういう挑発に乗らないように十分の注意はしたろうと思うのであります。
大学当局
のやり方にしてはあまりに拙劣であります。そうして
警察
が入り込んで、
手足
をとって引っぱり出すなんて、こういうマネキン入形を引っぱり出すようなことをするから
事態
が混乱するのでありまして、
委員長
が、
国立大学
には一人二十五万ないし三十五万の
税金
を払っておる、あるいは
暴徒
のたぐいとか言われましたが、今からちょうど一年前の衆議院においていかなる
事態
が起ったかということは、世
耕委員長
もはっきりと記憶されておることであろうと思うのであります。当時の
状況
はいかなるものであるかこれは録音もありますから、もしここで
京大事件
を取り上げられる場合には、当時の——放送局には録音もあることでございますので、これを十分ここでお聞きになった上で、この
京大事件
というものがそれに比べてそもそもどれくらいの大きさを持ったものであるかということを
委員
各位に判断願えるようにしていただきたいし、またここにおいていろいろ
報告
を求められて答弁をされる
政府委員
にもお聞かせ願いたい。その上でこの問題の判断をされるならば、
暴徒
のたぐいというのはそもそもだれがそれに当るのか、
分化国家
のゆゆしい問題という非難はだれに当るのか、
文教政策
の
一大禍根
がどこにあるかということもおのずから明らかになるだろうと思います。きょうは
関係大臣
もおられませんし、それにもうおひるにもなりますから、この程度で私の
発言
は終ります。いずれ
大臣
が出られたときには十分
委員
各位にも
発言
願いましてやっていただきたいと思うので、私の
発言
はきょうはこの程度にとどめておきます。どうか放送局に頼んで当時の
状況
を再現することだけは一つぜひとも
委員長
のお計らいによってやっていただけば非常に
事態
がはっきりするであろうと思うのであります。
世耕弘一
46
○世
耕委員長
志賀
君にお答えいたしますが、御
意見
はよく了承いたしました。ことにこういう問題については
志賀
君は一方の権威者のように私は尊敬いたしております。おそらく尊い御
経験
をもってこの問題について明快な論議が尽されることと思いますが、どうぞ若い
学徒
が誤らない
学徒
本来の使命を達成するようにこの上とも御熱意を発揮されんことを望みます。
志賀義雄
47
○
志賀
(義)
委員
委員長
の御協力を望む次第であります。
世耕弘一
48
○世
耕委員長
なお国会乱闘にからんだいろいろな
お話
がありましたが、これはいい例ではないと思いますから、悪い例ではなしに、なるべくいい例を一つ御提示下さることをお願いいたします。次に山本粂吉君。
山本粂吉
49
○山本(粂)
委員
この問題は同
学会
が一ぺん
解散
され、さらに
再建
され、そうして今度の不祥
事件
が起っておる。
学内
の自由と
自治
はよくわかるけれども、いずれにいたしましても、
文教政策
の面は
文部当局
にまかせていいかもしれぬが、今度起ったような不法行為、これに対しては当
委員会
においてその真相をきわめ、再びかような不法行為の起らないように
政府当局
に対し厳重な戒告をすべきだと存じます。本件についてここで
文部当局
や、
公安調査庁
の
報告
や、
政府当局
の御
報告
を承わっただけでは真相をきわむることはできない、かように存じますので、当
委員会
において現地に出張して、あらゆる方面の
事情
を聴取した上で、適正妥当なる結論を当
委員会
に得て、そうして
当局
に注意すべきは注意し、将来に対する
対策
等を樹立することが適正なりと考えますので、さようお取り計らいを
要求
いたします。
世耕弘一
50
○世
耕委員長
山本君の御
意見
は了承いたしました。いずれ正式の
理事
会を開きまして、
理事
諸君の御意向を承わった上で
方針
を決定いたしたいと思います。さよう御了承願います。
古屋貞雄
51
○
古屋委員
議事進行について。
世耕弘一
52
○世
耕委員長
議事進行について
古屋
君から
発言
を求められておりますのでこれを許します。
古屋
貞雄君。
古屋貞雄
53
○
古屋委員
先刻
委員長
の方から御
出席
の方に御質問があったようですけれども、それは省略して、
関係大臣
にお尋ねしようという御意向なのでございましょうか。それならば私も賛成いたします。結局今山本君からもおっしゃったように、この問題は重大な問題でありまして、徹底的にここで各
大臣
の責任、心がまえを聞いてから
法務委員会
の態度を決すべき重大な
事件
だと考えますので、さような趣旨で本日は終了いたしまして、
大臣
の
出席
の上で再びこれを御審議願うということならば賛成申し上げます。
世耕弘一
54
○世
耕委員長
了承いたしました。いろいろ御
意見
があるようでありますが、いずれ
理事
会を開くことでありますから、
理事
会においてよく御審議を願い、さらに
関係閣僚
の
出席
を求めて所信をただした上で御趣旨に沿うようにいたしたい、かように考えております。 本日はこの程度にとどめたいと存じますが、明日は商法審議に関し、
参考人
を招致いたしておりますような
関係
でございますから、どうぞ
委員諸君
はぜひ御
出席
下さるよう重ねてお願いいたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時十六分散会