○井手
委員 だいぶ
質問の趣旨に沿うような御
答弁になって参りました。それで、今引き続き
法案を
提出しなくてはならない
情勢である、さらに
必要性を増してきた、こう御
答弁になりました。昨年
審議するときにおいても、
国家財政が急に好転するとは思われない、今後も引き続く、こういう
状態にあるということは、当局も各
委員もこれを
承知しておったのであります。従って、
内閣では、当分の間三ヵ年、その間には全面的な改正案を出そう、
情勢によっては根本的に
補助金削減の各個の
法律についての改正案を出そう、あるいはそれをやめよう、そういう根本的
態度を三カ年の間にきめようという趣旨で
提案されたのである。しかし、
国会としては、この
政府提案の仕方なり見解なりに対して、これは
憲法違反の疑いがある、理論的にも実際問題としても無理があるということで、
事情は今後も、
昭和二十九
年度ばかりでなくして、三十
年度も三十一
年度も続くであろうけれども、これは一ヵ年限りであるという修正案を私どもは出して、それを通したのであります。そうしてこの
法律の執行を
内閣に命じた。その命ぜられた線を執行しなくてはならない
内閣が、なぜ、一ヵ年という
国会の
意思に反して、また再びお出しになるのかということをお尋ねしておる。
情勢が変ったのではなくして、それはもう当時から予想されていたことである。同じような
情勢になっている。これは
大臣も御
承知でありましょう。軍備を進めていけば片一方が苦しくなるのは当然であります。それが、賛成であるか反対であるかは別として、もう昨年から見込まれておったことである。にもかかわらず、これが非常に困難であるということで一ヵ年に限っておった。そうした
国会の
意思をなぜ踏みにじってまで出されたか。
情勢が同じだからとか、さらに
必要性を増してきたとか言われるが、
必要性を増してきたならば、なぜ根本的に
法律案の改正を出さないのか。十幾つかの
法律案の
一つ一つができるのにも、各方面から多数の人々が長い間熱望され、
審議した結果、それぞれの
法律案が必要に応じて出て参っておるのであります。従って、時世が変ったから、この
補助金を三分の二のものを二分の一にするとかいうことをすれば、当然各個の
法律について改正案を出すべきであります。それもせずに、十ぱ一からげに打ち切ってしまうような
態度はけしからぬ、こういうので昨年も
論議されたわけである。だから、もしあなたのおっしゃるように
必要性を増してきたならば、なぜ各個の
法律について改正案を出されなかったのか。まあ
大臣は一々記録をお読みになるひまはないでありましょうが、しかし、それについては、あれだけ膨大な
大蔵省の機構もあることだし、同時にスタッフの方もおられるのだから、多分いろいろとお聞きになっていると思うのであります。これでは
政府のやり方は私は筋道が立たないと思う。この
会議録にも、各派代表から要求されて、そうした改正案を出し直してこいということが書いてある。あなたの方の与党の今農林政務次官になっておる人が、「当分の間」を一年の有効
期間にいたしました点はまことにけっこうでございますけれども、この
期限にかかわらず、
政府は、この内容の
重要性にかんがみて、できるだけ早く、この
法律の改正なり、もしくは何らかの
措置をとられたいということを要求されておる。私はもう同じことを何回も申し上げたくないのですが、これほどはっきりしておる筋道に対して、同じものをもう一ぺんお願いしたい。これは一年限りだぞと言ったものを、また同じものを出されておる。変ったものならともかくも、同じものをなぜ出されたか。これは
国会を軽視することにはならないかということをお尋ねいたします。