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足鹿委員
生乳の問題について
文部大臣に一点だけお伺いいたしたいのでありますが、昨年来
乳製品の
価格が安くなりました。特に
アメリカの
乳製品大量
輸入、
アメリカ駐留軍の配給物資として入った物が、その包装を変えて市場に販売される等いろいろな原因によりまして
相当国内酪農製品が
危機に立っておることは御存じの通りであろうと思うのであります。ところが一方
政府においては、集団
酪農地帯の指定等を通じて大量の
酪農振興費等が出されておるのであります。一方さような面で生産なり海外物資の
輸入等によって供給面が非常に増大しておるにもかかわらず、消費の面がこれに伴わない。また一面この
乳製品業者は独占的な企業の性格を持っておりまして、
酪農家はなまものであるために、鮮度維持の施設を持っておらない。むろん協同組合等にもその施設もないというところから、どうしてもそこに不公正取引が行われる可能性があるというので、私
ども農林委員会としましてはいろいろとこれが対策に対して苦心をいたしたのであります。その確定的な結論は出ておりませんが、問題は生産の上昇に伴う、これに見合った消費、
乳製品あるいは牛乳そのものの消費を増大していく対策をとらなければ、いつまでたってもこの問題は解決しない。ところが
酪農振興法を通じて見ても、生産面についてはいろいろな手が加えられてあるが、流通機構の
改善ないしは消費の増大という点について何ら手が打たれておらないというのは、現在の
酪農振興法の欠陥であります。これは
文部大臣も農政方面には非常に精通しておられますからよく御存じだろうと思います。そこで問題は、この牛乳その他の
乳製品の集団消費の奨励ということにまず手をつけていかなければならぬ。その手始めとして
学校あるいは工場等のなま乳の集団飲用を奨励すべきである。ところがその奨励するについては、先ほどからこれは問題になっておりますが、
文部大臣は
山間僻地の地帯から手始めに、テスト・ケースとしてやりたいと言われるが、そのためにもやはりこの施設に対しては
相当国が援助をしていかなければならぬと思う。たとえば現在障害となっておるのは低温殺菌によらなければならないという厚生省の態度がいつまでたっても変らない、これが
一つの難点です。 これを
高温殺菌に切りかえてそうして現在透明な一合びんによってのみ牛乳は一般飲用に供することになっておる厚生省の取締り規則を、一斗カンないしはこれに準ずる大量な、
高温殺菌にこれを変えてそうしてこれを
学校へ持ち込み、事業所へ持ち込んだ場合でも、若干の冷蔵施設等に対して国が援助を与える、そういうふうな施設を逐次整備していくことによって、このなま乳の集団飲用による消費の増大という面が私は解決がついていくと思う。この点を幾ら指摘しても問題は解決されない。ただ当面問題としては、なま乳の生産は全国均等でないし、運搬十の問題もあるから若干のテスト・ケースとしてある地点にのみこれを試用するという消極的な態度をとっておられますが、やはり国策として特に事業所、またはこの
学校給食会法が制定される
機会に、
学校等に対するところの冷蔵施設あるいは
高温殺菌施設等を作っていきますならば、これは直ちに、むろん協同組合等との関連において解決がついていくと思う。これに国が若干の冷蔵施設やあるいは殺菌施設に援助を与える、あるいは、供給器具等は、もう
学校には全部あるわけでありますから、そういう点において
政府がどの
程度の援助をされるのか。現在六千六百万円の
補助をするということを先ほど
管理局長はおっしゃいましたが、
文部大臣としては、今私が述べたような点についてなま乳の
学校大量飲用の方途を開いていくためのいろいろな国の
補助に対して、いかような構想を持つおられるか。これが実現いたしますれば、
乳製品あるいは牛乳の消費増大に道を開き、問題解決の糸口となると思うのであります。これは非常に重要な問題でありまして、この際
学校給食会法案が審議されるときにおきまして、
文部大臣の御所信を承わりまして、この問題の解決を促進してもらいたいと思います。