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1955-07-12 第22回国会 衆議院 文教委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十二日(火曜日)     午前十一時三十一分開議  出席委員    委員長 佐藤觀次郎君    理事 赤城 宗徳君 理事 伊東 岩男君    理事 並木 芳雄君 理事 坂田 道太君    理事 竹尾  弌君 理事 辻原 弘市君    理事 三宅 正一君       高村 坂彦君    野依 秀市君       藤本 捨助君    米田 吉盛君       永山 忠則君    河野  正君       野原  覺君    小牧 次生君       小林 信一君  出席国務大臣         文 部 大 臣 松村 謙三君  出席政府委員         文部政務次官  寺本 広作君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     緒方 信一君         文部事務官         (文学学術局         長)      稻田 清助君         文部事務官         (社会教育局         長)      寺中 作雄君         文部事務官         (管理局長)  小林 行雄君         文部事務官         (文化財保護委         員会事務局長) 森田  孝君  委員外出席者         文部事務官         (大臣官房総務         課長)     田中  彰君         厚 生 技 官         (公衆衛生局防         疫課長)    五十嵐義明君         専  門  員 石井  勗君     ————————————— 七月八日  委員長井源君及び小澤佐重喜君辞任につき、そ  の補欠として高村坂彦君及び久野忠治君が議長  の指名で委員に選任された。     ————————————— 七月八日  写真師法制定に関する請願今澄勇紹介)(  第三六三三号)  同(下平正一紹介)(第三七一〇号)  九州大学第二分校移転後に工業専修大学設立の  請願野原覺紹介)(第三六三四号)  三六小学校舎増築に伴う国有地市有地交換に  関する請願外一件(伊藤卯四郎紹介)(第三  六三五号)  立里小学校へき地教育振興法適用請願前田  正男紹介)(第三六五五号)  檜股小学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六五六号)  池津川小学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六五七号)  弓手原小学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六五八号)  才谷小学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六五九号)  平野小学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六六〇号)  伊豆尾小学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六六一号)  高見小学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六六二号)  高見小学校第一分校へき地教育振興法適用の  請願前田正男紹介)(第三六六三号)  高見小学校二分校へき地教育振興法適用の  請願前田正男紹介)(第三六六四号)  高見小学校第三分校へき地教育振興法適用の  請願前田正男紹介)(第三六六五号)  黒滝第一小学校へき地教育振興法適用請願  外一件(前田正男紹介)(第三六六六号)  黒滝第三小学校へき地教育振興法適用請願  (前田正男紹介)(第三六六七号)  黒滝第四小学校へき地教育振興法適用請願  (前田正男紹介)(第三六六八号)  黒滝第七小学校へき地教育振興法適用請願  外一件(前田正男紹介)(第三六六九号)  柳生第二小学校へき地教育振興法適用請願  (前田正男紹介)(第三六七〇号)  柳生第三小学校へき地教育振興法適用請願  (前田正男紹介)(第三六七一号)  大柳生小学校第一分校へき地教育振興法適用  の請願前田正男紹介)(第三六七二号)  月瀬小学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六七三号)  豊央小学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六七四号)  西豊小学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六七五号)  葛城西小学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六七六号)  葛城南小学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六七七号)  葛城北小学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六七八号)  高市小学校畑分校へき地教育振興法適用の請  願(前田正男紹介)(第三六七九号)  葛城中学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六八〇号)  東里中学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六八一号)  月瀬中学校へき地教育振興法適用請願(前  田正男紹介)(第三六八二号)  北今西中学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六八三号)  上北山中学校へき地教育振興法適用請願(  前田正男紹介)(第三六八四号)  中龍門小学校小名分校へき地教育振興法適用  の請願前田正男紹介)(第三六八五号)  大塔中学校惣谷分校外二箇小中学校へき地  教育振興法適用請願前田正男紹介)(第  三六八六号)  辻堂小学校及び大塔中学校へき地教育振興法  適用請願前田正男紹介)(第三六八七  号)  惣谷小学校及び大塔中学校惣谷分校へき地教  育振興法適用請願前田正男紹介)(第三  六八八号) 同月九日  聖徳太子の日制定に関する請願古川丈吉君紹  介)(第三七九八号)  へき地教育振興法に基き分校並びに単級、複式  学校教育振興に関する請願川崎五郎君紹  介)(第三七九九号)  久多中学校へき地教育振興法適用請願外一  件(川崎五郎紹介)(第三八〇〇号)  久多小学校へき地教育振興法適用請願外一  件(川崎五郎紹介)(第三八〇一号)  磯小学校へき地教育振興法適用請願川崎  末五郎紹介)(第三八〇二号)  五箇小学校成路分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第三八〇三号)  湊小学校蒲井分校へき地教育振興法適用の請  願(川崎五郎紹介)(第三八〇四号)  木子小学校へき地教育振興法適用請願(川  崎末五郎紹介)(第三八〇五号)  世屋下小学校畑分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第三八〇六号)  世屋上小学校駒倉分校へき地教育振興法適用  の請願川崎五郎紹介)(第三八〇七号)  養老小学校波見分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第三八〇八号)  養老小学校田原分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第三八〇九号)  池内小学校上根分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第三八一〇号)  池内金子校岸谷分校へき地教育振興法適用  の請願川崎五郎紹介)(第三八一一号)  中筋小学校真倉分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第三八一二号)  新舞鶴小学校多門院分校へき地教育振興法適  用の請願川崎五郎紹介)(第三八一三  号)  俊明小学校北原分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第三八一四号)  上宮津小学校辛皮分校へき地教育振興法適用  の請願川崎五郎紹介)(第三八一五号)  下宇川小学校袖志分校へき地教育振興法適用  の請願川崎五郎紹介)(第三八一六号)  竹野小学校此代分校へき地教育振興法適用の  請願川崎五郎紹介)(第二八一七号)  写真師法制定に関する請願茜ケ久保重光君紹  介)(第三八一八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  危険校舎改築促進臨時措置法の一部を改正する  法律案内閣提出第一〇一号)  公立小学校正常授業解消促進臨時措置法案(  内閣提出第一〇八号)  博物館法の一部を改正する法律案内閣提出第  八八号)(参議院送付)  学校教育に関する件     —————————————
  2. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 これより会議を開きます。  危険校舎改築促進臨時措置法の一部を改正する法律案公立小学校正常授業解消促進臨時措置法案博物館法の一部を改正する法律案及び学校教育に関する件を一括して審査を進めます。前会に引き続き質疑を行います。河野正君。
  3. 河野正

    河野(正)委員 軍事基地に関します二、三の点に関しまして、大臣に御尋ね申し上げたいと思います。軍事基地に関します基本的な考え方につきましては、それぞれ関係委員会におきまして論究されておりますので、私は主として文教上の立場から、軍事基地に関しましていろいろと関係のある点につきまして、大臣の所感を承わりたいと思うのでございます。  御承知のように、最近問題となりました具体的な問題といたしまして、福岡板付基地を中心といたしまして、さらに十三カ所の高射砲陣地が設定されるというような申し入れが、極東軍司令官から福岡市長書簡をもって行われました。今日まで設定されております軍事基地によりまして、それぞれその地区の市民なり、あるいは地域民というものが、風教上あるいは学校教育正常授業の上におきまして、非常に大きな障害を受けて参っておるのであります。先般鳩山総理から、軍事基地もだんだん減少してきたというお話も承わっておるのでございますけれども、しかしながら一方におきましては、ジェット機の航空軍基地というものが、さらに拡大強化されるという実情でございます。こういった問題が次々に今日まで発生して参っておるのでございますが、このような問題に対しますところの文教上の立場から見た考え方につきまして、まず大臣の御答弁をお願いいたしまして、さらに関連して質問を進めたいと思います。
  4. 松村謙三

    松村国務大臣 板付飛行場のことにつきましては、先般も参議院で同様な御質問がありましたが、実はその飛行場拡張、それから高射砲陣地のことにつきまして、責任のある話は、こちらの方へはまだ相談も何にもないのでございます。調達庁においても、まだ責任のある話はいたしていないと聞いております。あの板付飛行場のことにつきましては、御承知通り月隈小学校でございますか、あそこの移転もいたします。それからあそこの防音装置をいたしてある学校がすでに一カ所ございますが、ことしは引き続いて十校ばかりの防音装置を完了いたすということになっているわけでございます。しかしながら、これらはすべて現在の施設においての学校の影響を防ぐための工事でございまして、新しい施設に対しては、ただいま申し上げるような状態でありますので、それに対して何らの考えを持っておりませんが、もしもそういうことが要求されて参りますならば、十分に注意をいたしまして、それらの被害を避けるだけのことはぜひいたしたいと考えております。
  5. 河野正

    河野(正)委員 ただいま大臣答弁されましたように、今回の十三カ所の高射砲陣地の設定につきましては、まだ具体的に話を承わっておらないというような話でございます。しかしながら現実の問題におきましては、現在すでに基地におきまして、文教上の立場から非常に大きな被害をこうむっておるわけでございます。それにつきまして、ただいま大臣防音装置をしたいとか、あるいは校舎移転するという御答弁ございますけれども、そういった消極的な態度でなくて、むしろたとえば学校移転するにいたしましても、これは校区をかえて移転するというわけには参りませんし、また防音装置にいたしましても、防音装置を行なったから正常な授業が完全に行えるというふうには考えられておらないのであります。そこで私ども大臣お尋ね申し上げたい点は、そういった消極的な態度でなくて、むしろ今日設定されております軍事基地によりましても、非常に大きな実害をこうむっておるわけでございますから、今日の軍事基地に対しましても、私は日米合同委員会等を通じまして——福岡の場合は基地撤退運動というものが今日行われておりますが、そういった面に積極的な御協力をしていただくところの御意思があるのかないのか、この点につきまして、一つ大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  6. 松村謙三

    松村国務大臣 板付飛行場ももちろん含まれておる問題といたしまして、学校飛行場との関係は、実際いろいろの問題を起していることは事実でございまして、これに対しては十分の手段を講じたいと思うのでございます。そのうちには、もちろん積極的にこの飛行場そのもの考えられねばならぬ場合もございましょうし、それからこちらの方で飛行場を認めて、そして学校を守らねばならぬ場合もございましょうし、それらのことについては、積極的に今板付飛行場を撤廃するようにということには申し上げかねますけれども、新しい拡充等につきましては、十分の注意をいたして、はたして事実であるとしますならば、文部省としましてもそれを承知するかどうかについては、十分調達庁の方とも話し合いをいたしたいと考えております。
  7. 河野正

    河野(正)委員 先ほどから答弁されておりますように、現実の問題としていろいろの措置、たとえば防音装置を行うとか、あるいは校舎移転を行うとかいうことが行われておるわけでございますが、しかしながら私どもが見て参りました実情によりましても、防音装置という問題は、なるほど防音という意味におきましては、ある程度の若干の成果を上げるかもしれませんけれども、今日のような非常な酷暑の折柄におきましては、この防音装置というものが、子供たちが学業の授業を受けます場合におきまして、非常に大きな障害になっているわけでございます。たとえば常にむし暑くて、子供たちが熱心に勉強しようという上におきまして非常に大きな問題になっておりますし、またそれがために子供たちがあくびばかりやっておるというようなことで、私ども防音装置というものが、必ずしも最善の方法だというふうには考えないわけでございます。そこで一点お尋ね申し上げたいと思いますのは、先般参議院の本会議におきまして、私ども吉田参議院議員質問いたしました際に、教育上必要であるならば、必要な処置を講じたいというような御答弁があったように仄聞しておるわけでございますが、これは具体的に申し上げますと、防音装置以外にそういった教育上の必要な処置というふうに御答弁になっておりますが、具体的な問題がございましたならば、一つお示しを願いたいと思います。
  8. 松村謙三

    松村国務大臣 せんだって参議院吉田さんの御質問に対して、私がすでに拡張を許すことを予定したような答弁を申したという今のお話でございますが、これは必ずしもそういう意味で申したのではございません。まだ何とも言ってきておりませず、政府としての拡充に対する方針もきまっておりませんことですから、すでにそれを予定して申し上げたのではございませんで、ただ過去のこれに対する施設等を申し上げ、そしてそのあとにもしもそういうような場合があるとすれば、十分の措置はいたしましょう、こういうふうに申したものですから、そういうふうな誤解を招いたのでございますが、それは予定をいたして、ただいまいるわけではございません。何らの——どういう規模でどうしていくのかわかりませんものですから、予定をいたして御答弁を申したわけではないということを御了承願いたいと思います。
  9. 河野正

    河野(正)委員 これは事務当局の方でもけっこうでございますが、先ほど私が御指摘いたしました防音装置というものが、子供たちが勉強する上におきまして、非常に障害をもたらしておるというふうに私理解しておるわけでございますが、この点につきまして、事務当局では、防音装置をやったために、ほんとうにりっぱな教育ができておるのか、あるいは防音装置をやったために、子供たちが非常にむし暑い環境の中に置かれ、あるいはまた非常にあくびばかりやって、すっきりした教育が受けられないというふうな実情と私どもは理解しておるわけでありますが、その点につきまして、当局はどのように理解しておられるか、事務当局でもけっこうでございますが、一つ答弁願いたいと思います。
  10. 小林行雄

    小林(行)政府委員 先ほど来お尋ねがございました防音対策——飛行場附近学校についての防音対策でございますが、これは従来非常にひどいものにつきまして、いわゆる防音装置というものをやっております。これはいろいろこの方面権威者等に寄ってもらいまして、委員会を作りまして、この結論に基いて、学校について防音装置を施しておるわけでございまして、昨年来大体十校程度のものを実際に実施いたしたのでございます。この結果によりますと、平常の非常に暑くないような時期、冬季とかあるいは春季、あるいは秋季等につきましては、装置をいたしました結果、従来非常に高い騒音が、これは大体七〇ないし八〇フォン以上のものについてやるということになっておりますが、そういったものが非常に減りまして、半分以下になるという結果を来たしております。従って、学校授業効果防音装置を施さなかった以前に比べまして、非常に効果が上ってきておるという結果になっております。ただ今お尋ねもございますように、夏季には、窓を締めます関係上、あるいは二重窓にするような関係から、子供暑気に当りまして、その関係から、一般に窓を開放しておりましても、なかなか授業に熱が入らない時期でもございますが、一そう暑気に当てられるというようなことがあるようでございます。しかしその時期は比較的飛行場の付近の学校でございましても、四六時中飛行機が飛んでおるというわけのものでございませんので、大体時間をきめて飛んでおるような場合は、それ以外の時間には窓を開放するというようなことをやっておりますので、比較的防音装置をやった学校は、暑い時期でも授業の方に非常に効果が上ってきておるという、私どもに対する報告ではそういうふうになっておる実情でございます。
  11. 河野正

    河野(正)委員 私はただいまの答弁を聞きまして、非常に残念に考えておるわけでございます。と申しますのは、ほんとう地方の実態を当局が把握しておられるかどうかということが、私は今後の軍事基地に対する対策につきまして、非常に大きな御協力を願えるかどうかということに関連してくるというふうに考えるわけでございますが、ただいまの御答弁によりますと、四六時中飛行機が飛んでおるというわけではないという御答弁もございましたが、私ども福岡市に居住いたしておりまして、体験いたしております範囲におきましては、四六時中飛行機が飛んでおるわけでございます。もちろんそれは時間的に申し上げますと、飛んでおらない時間もあるのかもしれませんが、大体私ども社会通念から申し上げますならば、一日中、ことに授業をやっておりますのは日中でございますから、日中におきましては、ほとんど飛んでおるというのが、地方におきますところの実感でございます。そういった点、あるいはただいま御答弁になりました、夏分は困難であろうけれども冬分はいいのだ、なるほどそうかもしれませんけれども、しかしながら軍事基地が設定されておらない地区におきましては、非常に円滑な教育を受けられるけれども基地に存在いたします学校につきましては、そういった環境のために非常に授業障害されることによりまして、学校教育あるいはまた児童たちの将来の問題を考えます場合には、私は非常に大きな問題だと思うわけでございます。そこで私が冒頭において指摘いたしました通り、一番問題になりますのは、ほんとうに現地の実情当局が把握しておられるかどうかということが、私は今後の問題を解決する上におきまして、非常に重大な問題になってくると思うのでございます。ところがただいま御答弁なさいました点を総合いたしますと、大体基地実情に通暁しておられないというふうに私どもが判断しても、言い過ぎではなかろうというように私どもは理解するわけでございます。そこで今日まで基地問題が非常にやかましく論議されて参ったのでございますが、今日に至るまで、そういった実情当局が把握しておらないという点につきまして、私は重大なる責任があったと思います。この点につきまして、当局はどのようにお考えになっておるのか、御答弁を明快に一つお願いしたいと思います。
  12. 小林行雄

    小林(行)政府委員 基地飛行機が飛んでおる場合と申しますのは、これは先ほど申しましたのは、一般的な基地における状況でございまして、先ほど来お尋ねのありましたような板付というような非常に飛行のひんぱんなところは、ただいまお話がありましたように、かなり間断なく飛んでおるのが実情だと思います。一般的に申しますと、飛行場と申しましても、板付のようにひんぱんに飛んでおるというところでも——必ずしも板付のようにひんぱんに飛んでおるところばかりではないという意味で実は申し上げたわけであります。最近の米軍使用飛行場拡充の問題につきましては、これは先ほど来大臣がお答えになりましたように、まだ拡充についての基本的な方針が未定でございますので、それについてここに私どもの方で実情を調べておるということではございませんけれども、しかしだんだん話が出て参っておるようでございますので、立川はもちろんでございますけれども、あるいは新潟とかあるいは板付その他の方面には人が参って、だんだん基地の周辺の環境状況というものを視察はいたしておるのでございます。
  13. 河野正

    河野(正)委員 この点は大臣お尋ね申し上げたいと思うのでございますか、正式にこの板付の問題が具体化しておらないということは、先ほどの御骨弁通りでございますが、しかしながら極東軍司令官マックノートンか、書簡をもって福岡市長に申し入れたということは事実でございます。ところがこういった問題は、具体的にその話がないので、何ら当局としては手を打たないというようなことではなくて、むしろそういった問題が起って参ります当初において、この問題に対しまして強力な対策を立てていただくということが、私は重大な問題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。一たんこういった問題がきまりますと、作戦上の理由ということで、なかなか反対運動は困難になります。今日までの体験から見ましてもなかなか困難でございます。そこで私がお願い申し上げたい点は、たまたま今日極東軍空軍の副司令官からそういった書簡が出された直後でありますので、そういった時期に一つ大臣大臣として自己の所信を貫いていただくという意味におきまして、私は強力な対策を立てていただきたいと思いますが、その点に対しまして、大臣が御協力願えるかどうか、一つこの席上で御答弁をお願いいたしたいと思います。
  14. 松村謙三

    松村国務大臣 先刻来お答え申した程度のことでございまして、できるだけの努力はいたしますけれども、今ここでそれを絶対阻止するとか、あるいはそれを許容するとかいうようなことについて申し上ぐることは、ただいまのところ私としていたしかねるところでございまして、よく所管省方面話し合いをいたして努力をいたすことを申し上げておきます。
  15. 河野正

    河野(正)委員 時間がございませんので、最後に一点希望なり申し上げたいと思います。今日までこういった問題につきましては、主として外務委員会あるいは内閣委員会等においていろいろ論及され対策を立てて参りました。しかしながら実害の面から見て参りますと、下校の子供たちが非常に大きな実害をこうむっておる事実を見ておるのでございます。そこで私がお願いを申し上げたいことは、今後は一つ文部大臣関係閣僚と相協力いたしまして、こういった点につきまして善処をしていただきたいと思うわけでございます。ことに大臣は閣議におきましてもきわめて重大な発言権を持っておられるというような点も拝聞いたしておりますので、どうか閣議におきましてもそういった面につきまして強力な御善処方を一つお願い申し上げたいと思うわけでございます。  以上申し上げまして私の質問を終りたいと思います。
  16. 小林信一

    小林(信)委員 私は少しこまかい点をこの際お伺いいたすわけでございますが、時間がございませんので項目的に申し上げますから、お考えのほどを簡単に御答弁願いたいと思います。  まず第一番に育英資金の問題でございます。最近育英資金を希望する者が非常に多くなっている傾向で、これに対しましては大臣としても非常に御心配をしていただいておるようでございますが、御質問する点は、返済をする状態、借りたものを返す状態でございます。この成績が大体どうであるかということですが、育英会の方からどなたか来ていただけばいいのですが、御存じの程度でよろしゅうございます。さらに最近の情勢から見まして、高等学校に支給されるのが全生徒のどれくらいの。パーセンテージに当っておって、大学の方に給与されるものがどれくらいの。パーセンテージに当るかということを大体お知りであれば伺いたいのです。私の聞いたところでは、大体高校生はその三尾くらいが給与されておる、大学生の方は二〇%くらいになっておる。ところが実際問題を考えてみますと、この子供が進学の希望をもって大学にいこうというような考えをするにしても、まず高等学校からその課程を踏んでいかなければならぬわけでありまして、事実から考えれば、高等学校の方に重点を考くくらいが実際問題として適当じゃないかと思うのですが、非常に高等学校が冷遇されておる。これを私もっと強化すべきじゃないかと思うのですが、最近の事情と、そして大臣が高等学校の生徒に対する給与の問題についてどういうふうにお考えになっておられるか、まずお聞きします。
  17. 松村謙三

    松村国務大臣 詳しいことは事務の方から御報告いたさせますが、これは高等学校をないがしろにしているわけではございません。ただ高等学校は自分の家庭から通うような機会も多うございますし、パーセンテージでお話ですが、数が多いものですからそういうふうに見えますけれども、決して高等学校に重点を置かぬというわけではございません。大学の方はやはりほかへ出るわけでございますので、自然に多くなっている、こういう次第でございまして、詳しいことは事務の方からお答え申し上げます。
  18. 田中彰

    ○田中説明員 高等学校の育英資金の貸付の率の話が出ておりますが、御指摘の通り今年度は高等学校は全日制の採用率は三%でございます。育英資金の取扱いの問題につきましては、あるいはある年度は採用率を引き上げます、ある年度は単価を引き上げるということで、年々育英資金の充実をはかって参ったのでありますが、今年度は高等学校のうち、定時制の高等学校の学生につきまして、その採用率を一考から二%に引き上げをいたしたのでありまして、全日制の方は従来の率を採用いたしたのであります。要するにただいま申し上げましたように育英資金につきましては、採用率あるいは単価の点において今後とも充実をはかって参りたいと思いますことは、ただいま大臣から申し上げた通りでございます。
  19. 小林信一

    小林(信)委員 大臣はきわめて常識的な判断から御答弁なさっておるように私は伺うのです。というのは、高等学校の数が多いから。パーセンテージが低いというようなことは、これは常識的に考えるとそうなるのですが、必ずしもそうでないという点と、もう一つはこれはやはり大臣の高等学校生徒に対するところの考えほんとうにお聞きしたいのですが、きょうは時間がございませんのでそこは略しますが、私は高等学校というものを相当重視しなければならぬし、高等学校は家から近いところで、近距離に通学できるからというような御答弁が今あったのですが、高等学校に入るということがまず至難なことであって、それを何とか通して行けば、今度は大学の方は夜間でもいい、あるいはアルバイトをやりながらでも学校に通えるというような状態から考えてみると、まず高等学校へ進学希望の者を救ってやることが非常に大事だと思うのです。そういう点で、この点は慎重に考えていただきたいと思うのでございますが、さらにこれに関連しまして、学の住宅問題でございます。あるいはすでに問題になっておるかもしれませんが、私あらためてお聞きしますが、最近存置されておりますところの学生寮は、環境衛生等の面で常に問題が起きておる。それから一時保全経済会とかなんとかいう金融機関がはやった時代に、いち早くそういう経済団体が目をつけまして、多数の学生を収容して、これらから金融機関が金を集めて、そうして経営することによって利益を得ようというような計画もあったことを私は聞いたのですが、それほど学生の住宅問題については一般の連中も真剣に考えておるわけなんですが、学生自体においてももっと深刻なものを考えておるわけなのです。さらにこの夏あたりは通信教育を受けておる連中が、一応四十日間ですか、大学へ来て勉強しなければならぬような制度になっておりますが、そういう働いて勉強しておる学生諸君で、実に金の問題では困っておる者がある。それが東京へ来て下宿をするということになると、非常に負担が重くなるというようないろいろな事情を考えますときに、今住宅問題で国全体が騒いでおるのですが、学生に対するところの住宅問題も、やはり大臣としては何らかの構想を持っていただかなければならぬと思うのです。各府県等でもそれぞれ考究はしておりますが、せいぜい二十人か三十人くらいしか収容できないという状態で、量を消化する点からいたしましても、また、適切な寮施設をするというような点からしても、残念な点が多いわけなん百ですが、大臣考えられております点がございましたならば、この際お聞かせ願いたいと思います。
  20. 松村謙三

    松村国務大臣 お答えをいたしますが、あの三千万円の学生寮の資金を今度の予算で得ましたので、建設省と話し合いをいたしまして、一つの案を得たのでございます。すなわちその三千万円を頭金といたしまして、そうして建設費の六割の融資を得まして大体やっていきますと、大よそ百人ほど収容できるむねが十ほどできるわけでございます。ただしそれでやりますと、償還の費用を加えまして、大よそ五十年賦で返すものとして、学生は一人月間代、電燈料に千五百円くらいかかることになります。ところが千五百円となりますと、少し高いわけでありまして、どうかこれを千円以内にいたしたい。そうなりますと、やはりもう一千万円くらい金が寄付金なりなんなりで入りませんと、そういう安いわけには参りません。そういうようなことでございますのと、そこへ百人も入った学生の管理ということもございまして、いろいろ研究をいたしましたが、ただいまの考え方といたしましては、そのむねずつを希望をする府県へ渡しまして、そして府県がその足らぬ口の一千万円ほどの金を県内で世話をいたして、そして学生を一人千円以内の間代、電燈料というようなもので収容をする、こういうことになりまして、食事もそこでやりますれば、三千円か四千円くらいでできますから、三千円といたしますならば月四千円ないし四千五百円で暮せるということになりますと、今日の一般の下宿料は少くとも七千円くらいを越ゆると思いますから、七千円といたしましても二千円ないし二千五百円の差ができて参ります。そういうようなものが各府県にずっと一つずつもできますならば、非常にいいことではなかろうかと考えるのであります。現に今年は試験的に、十むねでございますけれでも、それをそういう条件のもとに希望をする府県に分ちたい。そして希望が多いならば、来年度の予算に同様の施設費をとりまして、各府県に行き渡るようにいたしたらどうか、こういうふうに考えまして、やっておるわけでございます。
  21. 小林信一

    小林(信)委員 金額は微々たるもので、現状を救済するには非常に至難な問題と思いますが、しかしもし、今のような構想をこれから継続してやっていただくならば、どこの県におきましても、県自体でやうなくても、金を集めてそういう施設を作りつつあるのですから、これはどうしてももっと積極的に進めていただきたいと思います。いろいろ意見もございますが、なおまた機会を見まして御質問いたします。  その次にお伺いしたいのは、大臣からも一応承わっておきたい問題ですが、これは今厚生省の方からも来ていただいておるはずですから、まず厚生省の方にお伺いしますが、それは日本住血吸虫ですか、これは日本全国で二つの県しかないというふうに聞いておりますが、まずそれをお聞かせ願いたいと思います。
  22. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 厚生省で寄生虫の対策といたしましては、予防の施設の面と、資料の面などをやっておりますが、ただいま御指摘の住血吸虫の問題でございますが、予算的に手を打っておりますのは、山梨県ほか三県でございまして、その他にも皆無とは言えない状態でございます。
  23. 小林信一

    小林(信)委員 これは私の県、山梨県なんですが、非常に長い間この問題で悩んでおるのですが、依然として解決することができず、最近ややこれに対する対策が出まして、河川の消毒とか、あるいは寄生するところが宮入貝ですから、宮入貝を駆除するために、天然河川でなくて、コンクリートでもって川を作って、そうしてそういうものが棲息できないようにしてやるという対策は講じておるのです。しかし一般の予防対策というものはきわめて貧弱な状態なんです。その中でもとにかく水が使えない、水の中に入るということができない状態なんですから、大体山梨県の最も繁殖率の多いところは、そこの住民の八〇%くらいはこれに罹病しておる。それが何かはかの病気が併発しまして命をとられるというような形になるのですが、これは大臣承知ないかもしれないが、腹がふくれるんです。そして児童が最もかかりやすい。その地方は慢性になっておりますから、あまり関心を持たないのですが、実にこれは保健衛生の上から大事だと思います。児童福祉の上からもっとこれを考えていかなければならない問題と思うのです。これに対しまして、最近やや地方の関心が高まり、何とか費用の捻出もできるということになりますと、この夏期、子供たちが、ほかの町村では清流に泳いでおる状態である。何とか自分の村の子供たちにも実現してやりたいというところから、プールをつくることを考えてきておるのですが、しかし、何といたしましても多額の費用が要るものですから、予防対策と同時に児童対策の面と、もう一つは保健衛生の面から、これを国家が協力してくれるような態勢が要望されておるのですが、こういう問題に対して、大臣はどういうふうにお考えになっておるか。また厚生省の方でも、そこまで手が伸びておらぬが、考えておるというのか、両方からお伺いしたいと思います。
  24. 松村謙三

    松村国務大臣 ただいまのその児童に及ぼす影響、それを避けるためにプールをお作りになるというような考え方、実は、私としてただいま初めて承わりましたことでございまして、ただお話を承わったところでは、ぜひそういう施設は必要であると考えますから、厚生省ともよく打ち合せをいたしまして、一つ研究をいたしてみたいと思います。
  25. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 厚生省といたしましては、先ほどちょっと申し上げましたように、中間宿主の対策を主とやっております。すなわち溝をコンクリートで作りまして、中間宿主を絶滅することによって環境の清浄化をはかっております。プールの建設につきましては、これは私からお答えをする問題ではないと思います。私どもは、環境の浄化という面から極力努力して参りたい、かように考えております。
  26. 小林信一

    小林(信)委員 これは突然のお話しで、大臣としてもちょっと御返答に困ると思いますが、非常に長い間、この地方は苦しんでおるわけなんです。しかし水に入るなといっても、子供たちは、直接何ら目に見えないものですかり、入ってしまうというようなことで、非常にこの地方子供は健康がよくないわけです。またこういう夏期に水泳させるということは、これはできるだけやらせなければならぬのですが、これが積極的にできないというような地方は、非常にかわいそうなんです。単にそればかりでなくて、子供の保健衛生の面が、このために非常な支障を受けておるわけですが、しかしこういう問題は、単に文部省だけで考えていただいておる間はらちがあかないし、厚生省だけでも、またらちがあかない問題になるわけなんで、一つこの問題を両者が共同で考えていただいて、こういう子供たちのために救済策をやっていただきたいと思うのです。最近地方の人たちも目覚めて参りまして、そういう意図に出ておるわけですが、できるならば国庫の補助等を仰いで、そしてできるだけあらゆる町村に設置したい、こういう希望がございますので、ことし無理でありましても、来年あたりは実現できるように御努力願いたいと思います。  それからこれもきわめて小さい問題ですが、先日文部省に参りまして、助成課に、コンクリート建築の問題でお願いしたいのですが、実はこういうことは全国にも私、例があるだろうと思うのですが、ある学校が、冬期コンクリート建築をやったために、非常に粗悪にできておって、その校舎が倒れるというふうな、そういう危険性はないのですが、ひさしにつけてあるコンクリートが下に落ちるとか、あるいは三階の天井ですが、これがもろくて落ちてくる。大きな穴があいて、雨が漏るのは当然なんですが、そういう危険がある。しかし法文から考えていけば、それをやる場合に、これは補修費という形で、建築費にならないわけです。そうすると、それに該当しないから危険校舎の扱いができない。ところが恒久的な建物の方がいいというので、犠牲を払ってコンクリート建てにしたけれども、今度は危険校舎の扱いに該当しないというようなことでもって、非常に町村は困っておるのです。これに対して法文を解釈していくというと、補助することはできない。何とかこの問題に対して、全国的にも例がありましたら、適当な御善処を願いたいのですが、これは大臣じゃなくともけっこうですから、御答弁願いたいと思います。
  27. 小林行雄

    小林(行)政府委員 従来鉄筋の校舎を、危険校舎として改築したという例は、今までのところございません。もちろん、この危険校舎改築の趣旨から申しますならば、鉄筋校舎といえども耐力度を調べまして、その耐力度が低いということで危険であるという認定がされますれば、これは改築の補助の対象になるわけでありますけれども、ただいまお尋ねのような一部、たとえば建築の際の疎漏と申しますか、雨漏りが生じておる、あるいは天井の一部が剥落するというようなものでありますならば、これは補修的なものでございますので、現在の危険校舎改築の臨時措置法では、これに対して改修のための補助金を交付するということは困難かと考えます。
  28. 小林信一

    小林(信)委員 ところが、実際問題からは、木造建築をするよりも、コンクリート建築の方が恒久性がある。だから町村でも苦しい財政の中で無理をして作っているわけです。ところがそういうものは、危険という状態はなくとも、実際においては、これが木造建築であれば、すでに危険の状態に入るのですが、何とかコンクリート建築に対しては特別の、木造建築と多少違った形で危険校舎の扱いというものをする必要があるのじゃないかと思うのですが、これも一つ研究していただきたいと思うのであります。  その次にお伺いしますのは、地教委の問題ですが、この地教委の根本問題ではなくて、文部省等の調査の上からお聞きしたいと思うのです。まず第一番に、最近地方教育委員会の選挙があったはずなんですが、私たちの聞くところでは、最近は決選投票できめるのでなく、大体投票なしで教育委員の選挙が行われておるというような情勢が多いように思うのですが、これについての調査の実際というようなものがわかりましたら、お知らせ願いたいと思います。
  29. 緒方信一

    ○緒方政府委員 最近の選挙でございますと、これは補欠選挙であると思います。これにつきまして、実は系統的に調査したものがございません。従いましてただいまのお話しの無投票できめたという件数等につきましても、調査を持ちませんが、一斉改選の場合の選挙でございませんで、補欠選挙でございますので、そういうことが起っておるということは想像されるわけであります。なおよく資料を調べてみたいと思います。
  30. 小林信一

    小林(信)委員 補欠選挙ばかりでなく、町村合併等から、そう少くないもので一斉選挙が行われておるように私思いますが、それらが最近非常に一般人の関心というものが薄くなって、しかもまた地教委というものは廃止されるのではないかというような意向も地方にあるわけなのです。それらが合わさって、教育委員というものへの認識が非常に薄くて、だれでもいいじゃないかというような形が行われつつあるのですが、とにかく私の考えでは地教委に対する一般の関心というのは非常に薄れておると思うのですが、その点はどういうふうにお考えになっておるのですか。
  31. 緒方信一

    ○緒方政府委員 教育委員の選挙の投票の率でありますが、これは調べによりましても、制度自体が新しい制度でありますので、今日まで三回ほどの選挙を経ておりますが、一斉選挙におきましては漸次成績が上って参ったようであります。最初の二十三年の選挙から見て第二回の二十五年の選挙は若干減っておりますが、第三回の二十七年の選挙におきましては投票率六一%、これでも非常にいい率ではございませんけれども、最初から見ますと漸次上ってきつつあった模様であります。ただ全国的な一斎改選でない——ただいま御指摘の町村合併等によります一斉改選はあるいはあるかと存じますけれども、全国的な一斉改選でない関係もありまして、ただいま御指摘のように関心があるいはほかの選挙に比べまして低いということが出て参っておると存じます。それは私どもといたしましても、教育委員会制度が存続いたします限り、教育に対しまして直接責任を持つ教育委員の選挙でありますので、十分住民の関心が上りまして投票率が向上することを期待いたすわけでありますが、現状といたしましてはただいま御指摘のようなことが起っておるかと存じます。
  32. 小林信一

    小林(信)委員 時間がないそうですから残念でございますが——その投票率等の問題も、今局長はあのときには上ったような傾向があるとか、あるいは地教委というのは新しい制度であるから漸次関心を高めていくというような御意向もあるのですが、私は必ずしもそうでないと思っております。最近は地教委に対する関心は非常に薄れて、その存在価値というのはなくなってきつつあるように思うのです。文部省は育成強化するということを前から言っておるのですが、これを漸次高めていくということもまた当然かもしれませんが、そういうふうなことを文部省自体が検討して、果してそのほか存続させたらいいかどうか、当然文部省としても考えなければならぬ点で、そういう点は文部大臣から詳しくお伺いしたいのです。かつて大臣はしきりに、国会にこれらに対しては根本的に検討して対策を講ずるという御言明があるので、一応きょうは差しおきます。  そこで最近地教委に現われておるいろいろな問題をこの際お聞きしたいのですが、それも一つだけにとどめます。町村合併あるいは町長選挙というふうな選挙等にからんで教員の人事等が非常に問題を起しておるわけなんです。これは私の県の一つの実例なんですが、ある地教委が定員外に先生を勝手に採用するわけなんです。そういうことは可能かどうかわかりませんが、採用した者を教員として採用していない。見習生として採用しているのです。ところがこれに対して県の教育委員会もどうすることもできないし、もちろんそういうふうなことをやっているのですから、その地方の先生方と地教委とがどういう関係にあるかということ、これもおわかりになるわけです。もう気に入らぬ先生はどんどん首切ってしまう。そのやり方がひどいのです。勝手に先生を見習生として入れて、ねばっておいて、将来は県教委の方に——今のところは県教委が権限を持っておるのですが、資格任用する、定員に認めるというふうなことを待っておるわけですが、かような事例がほかにもあるかどうか、そうして今のようなことは果して看過できる問題かどうか、お伺いいたしておきます。
  33. 緒方信一

    ○緒方政府委員 ただいまおあげになりましたような事例がたくさんあるかどうかということにつきましては、私そう多くの事例があるとは考えておりません。ただ、しかし制度の上からいきまして、ただいま市町村立学校の教員の任命権は市町村の教育委員会にございます。ただ市町村の教育委員会がその定数をきめます場合に、県の教育委員会と協議してきめなければならぬことになっております。実際問題といたしまして、その定数を県と協議をして、その範囲で市町村教育委員会は任命をしていく、かようなことでございますので、実際問題としては、そこに話し合いがうまくいけば紛糾は起らぬわけであります。ただいまお話のように任命権は市町村にありますが、給与負担権は県にある、この関係につきましては従来県の教育委員会が市町村教育委員会と十分に話し合いをし、あるいはまた指導をして行うということで従来やってきておりますけれども、制度的にもそこに御指摘になりましたよりな問題点はあると存じております。
  34. 小林信一

    小林(信)委員 この一つの問題を取り上げてみても、地教委のやっていることはめちゃくちゃなんです。今局長はいろいろな筋を通してこれを善意に解釈するようにされておりますが、その存在というものは一般の父兄も、あるいは先生たちも、あるいは県教委も手こずってしまってどうしようもない状態なんですが、地教委をこのままほっておけば、おそらくこういうことはだんだん多くなってくるのじゃないか。従ってそこに働く先生はどんな気持で働いているかもわかるわけです。だから結局はこのままほっておくならば、教育そのものがそのためにも崩壊されるような状態があるわけです。こういう点について御調査を願って、そうしてそれに対していずれ私が個人的にその学校お話申し上げますが、それを一つのモデル・ケースとして扱って御検討願いたいと思うのです。  まだ時間が二、三分ばかり許されておりますので、もう一つお伺いいたします。それは昨年教育二法という例の法案が上程されたときに、文部省から偏向教育をしておる学校というものが二十四校指摘されたわけです。そのときに、どういう経路でもって調査したかというようなことは、われわれの方から聞いたのですが、文部省は絶対言わなかったわけです。しかし文部省としては常にそういう調査はしておるというようなことは、その国会で言明されたのですが、今もそういうような調査をしておるのかどうか、そうしてあのときに文部省としてはっきり二十四校あげたのですが、その後二十四校で偏向教育解除というような形になった学校があるかどうか。まだそのままかどうか。こういうことも当然文部省の責任として調査されなければならぬことなんです。あの当時、たとえば一関小学校というようなものは、父兄や先生だちが非常に泣いてくやしがつたわけです。どこに偏向教育があるかといって、たしか国会にも陳情に来て切々たるものを訴えておったはずですが、こういうものを偏向教育学校として指摘した文部省としては、そのままほっておいたら申しわけないと私は思うのですが、今もそういう調査をして、そうでないものはレッテルをはいでいくというような形になっておるならば、それを御発表願いたいと思うのです。
  35. 緒方信一

    ○緒方政府委員 昨年この事例としてあげました案件につきまして、ただいまお話のように、あの学校が偏向教育学校として指摘をしたといったような意未じゃなかったと思います。そういう事実があったということの事例をあれであげたわけでありまして、その調査につきましては、その当時さらにいたしました。ただ、今も常にやっておるかというお話でございますけれども、今系統的にそういう調査をしておるわけじゃございません。一般的な傾向は十分私どもも見ておりますけれども、しかしながら系統的にそういう調査をやっておるということじゃございません。
  36. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 小林君、簡単に願います。
  37. 小林信一

    小林(信)委員 委員長、これは重大問題ですから、三分くらい、もう少し時間をお願いしたいと思います。しかしあのとき文部省が出した教育二法に関連しての偏向教育指定校というのは、これには全国父兄が重大なる関心を持ったわけなんです。そうして、それが果してそうであるかどうかということは上その当該者に対しては大きなショックを与えた問題なんです。今のような局長の御答弁でいけば、それが教育二法を通すための便宜的な一つの手段だというふうに考えられるわけで、これでは文部省があまりにも権威を失墜することにもなるわけなんです。やっておるならばこれは継続してやっておる、そうしてそうでない学校はレッテルをはいでいくということがなされなう一ぺん御答弁願いたい。そうしてあの二十四校には現在どういうふうな見解を文部省では持っておるか、はっきり御説明願いたいと思います。
  38. 緒方信一

    ○緒方政府委員 ただいま申しましたように、二十四の学校が常にそういう偏向教育をやっておる——ただいまのお言葉を借りますと、そういう偏向教育をやっておるということを指定した、こういう意味ではございません。先ほど申しましたようにそういう事実があったという事例をあげたわけであります。これはその当時いろいろ論議になりましたけれども、私ども考え方はその当時おわかりいただいたと存じております。ただその後その学校がどういうふうになっているかということを、一々につきましてここで申し上げる資料を私持ち合せません。
  39. 小林信一

    小林(信)委員 資料を持たないということは、これは非常に問題なんです。とにかく一ぺんこれは赤の学校であるという批判をしたわけなんです。指定ということは、これは結果的に申し上げただけのことなんですが、とにかく批判をしたわけなんです。私たちがどういうふうにして調査しておるかというふうなことを聞いたけれども、これに対しては、文部省は一言も口を開かなかったわけですが、しかし責任を持って、これは赤の学校である、偏向教育をやっている学校であるということを大臣がはっきり言って、しかも文部官僚全体がこれに賛意を表し、支持しておったはずなんです。それほど決意を持って指定した——というとまた問題になりますが、判定したもの、それに対して、今、その後どうなっておるかわからぬというようなことだったら、非常に無責任きわまる問題だと思うのです。これは、偏向教育が解消されたとかまだ継続されておるとか、新たにそういう学校が至るところにあるとか、そういうことを常時持っておってこそ、初めてああいうときに、堂々と、文部省が大決意のもとに、これが提出する資料でございますということが言えたはずなんですが、今のような答弁を聞くと、文部省が法案提出の際に出される資料というものは、これは便宜的なものである、ただ法案を通さんがためにそういう父兄たちを犠牲にして、先生たちを憤慨させてやっておることだというふうになって、教育行政全般に対して私は信頼を失うものだと思うのです。そこで、教育二法がとにかく通りました。偏向教育を絶滅するために、文部省が責任を持って通した法律です。世間を震駭させたわけなんですが、この教育三法の効果というものがあったかどうかも、今のような御調査の結果を聞いて私はさらにお聞きしたがったのですが、あわせてお伺いいたします。教育三法案をあなたたちは出して、そうしてこの偏向教育を絶滅しようとしたのですから。
  40. 緒方信一

    ○緒方政府委員 いわゆる偏向教育全般についての調査といったような問題は、これはきわめてむずかしい問題だと存じます。ただしかし私ども常に現場の各都道府県の指導主事とか、あるいはまた指導関係の職員と接触を保っておりますし、また本省から地方に、教育研究集会などに出まして、かような点につきましては常に関心を持って事情を聴取いたしておりますので、私ども大体の傾向はわかっておると思っしおります。教育二法と申しますと文字通り二つございます。一つは政治活動の制限禁止の法律であり、一つはいわゆる偏向教育を教唆扇動する者に対しまする罰則の規定であります。前者につきましてはこれは一、二通用された事例がございました。後者につきましては今日まで適用を見た事例はないように思います。ただこれによりまして教育の現場に、偏向教育に対しますると申しますか、これに関しまして慎重を期するという気風が確かに起って参った、かように考えておりわす。
  41. 小林信一

    小林(信)委員 私はきわめて簡単に、あの判定を受けた二十四校の学校はこの一年間どんな気持でおったかということを考えたときに、文部省の責任において、これらの学参校は今もってそうであるとかそうでないとかということを明白にすることが大事である。そうしなければ、あのときにあまりにでたらめな、無責任な行為をとったということになるわけであって、その点をお聞きしたがったわけでございます。教育二法はそのために生まれたけれども、それがどういうふうに成果をあげているかということについて御説明願っても、あまり明白に御確答を受けることができないわけですが、そういうものがなくなれば、当然教育三法も必要がなくなるということも考えられるわけです。大臣におきましては、その当時の責任者ではございませんが、教育二法は厳として存しており、そしてこの偏向教育に対しては文部省としましても関心を常に持っておられると思うのですが、教育二法のあり方と、現在そのためにどういういい影響をもたらしているか、悪い影響をもたらしているか、御見解があると思うのですが、一応大臣として御答弁願いたいと思います。
  42. 松村謙三

    松村国務大臣 あの法がどういう実績をあげているかという具体的なことは別といたしましても、あの法が眠っておるところにかえって価値があるのではないかと考えております。従いまして、私は今これをどのようにも、直ちに変改しようとは考えておりません。あの法はあのままにしておきたいと考えます。
  43. 小林信一

    小林(信)委員 あのままという言葉が非常にこれまた大事なんですが、最近行政罰を刑事罰にするというような、かえって強化の意向もないわけではないわけです。だからこそ私は偏向教育について文部省の態度を聞いておる。おそらく文部大臣といたしましても関心を持っておいでになるから、この法律については何らか御意見があると思うのですが、眠っておるというならば大したことはないということであって、そして今のそのまま置くということは、強化しない、そういう意味ですか、もう一ぺんそれだけお伺いして終ります。
  44. 松村謙三

    松村国務大臣 法はそのままで存続をいたしておくという考え方でございます。
  45. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 関連して野原覺君。
  46. 野原覺

    野原委員 ただ一点だけ……。ただいま小林委員から、教育二法律制定の際の二十四の偏向教育の事実について質問をされたわけでございますか、当時教育二法案が上程になりまして当委員会で審議された際に、私どもは反証をあげて、この二十四の偏向教育の事実というものは、その大半というよりむしろ九八%までが、全く事実無根ではないか、このように文部当局を追及したのであります。しかし残念ながら当時の文部大臣大達氏は、がんとして自己の主張をおまげにならなかったのでございます。しかし私は考えてみると、偏向の事実がないものをあったというような判断を、文教の最高責任当局者がもし下したとすれば、これは非常に重大なことではないかと思うのであります。私の聞くところでは、今日もなお、該当したといわれる高等学校あるいは中小学校においては父兄及びその教師その他学校関係者が大きな不満を文部当局に抱いておる、こういうことを私どもは聞いておるのであります。従ってここで松村大臣に要請いたしたいことは、果してあの二十四の偏向教育の事実というものが、その後慎重に調査した結果事実であったかどうか、もし事実であったとすれば、これは偏向教育でございますから、その後文部当局はその学校なりその教師なりあるいはその府県の教育委員会等を通じてどのような処理をなされておるのか、このことは私は本日でなくてもよろしゅうございます。これは重大でございますから、できれば委員長から文書をもって文部当局から報告をされますよう取り計らわれんことを要求いいしまして私の質問を終ります。
  47. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 ただいまの野原委員の発言の通り文部当局から至急に調査の結果を御報告いたされんことを一言委員長から申し上げます。  次に辻原弘市君。
  48. 辻原弘市

    ○辻原委員 時間がありませんので、簡単にお伺いをいたします。それはいよいよ夏場も本格的になって参りまして、一面学校では非常に楽しい暑中休暇が始まろうとしておりますが、また一面父兄のわれわれの側に立ちますと、これは一つの心痛の種でもございます。おそらくそのことは教育者全般の大きな悩みの種でもあろうかと私は考えておりますので、この辺の問題について大臣のお考えと文部当局の具体的諸準備について私は二、三簡潔にお伺いをいたしたいと思います。  思い起してみますと、あの痛ましい紫雲丸事件を契機にいたしまして、修学旅行の問題について世人が非常な関心を深めました。同時にわれわれもこの問題を契機にして、修学旅行のあり方についてあらゆる角度から検討を加えました。文部省においてもその後修学旅行協議会等のいろいろな会合、その他によりまして、一応の結論を出されたようでありますが、その後これについての経過についてはまだ承わる機会がありません。それは文書をもって配布するということでありますが、今もって私どもの手元に参っておりませんので、それについて本日はお伺いすることができませんけれども、私が申し上げるのは、その際に私は特に注意を喚起しておきました。というのは、修学旅行の問題で子供の事故が発生したから、すぐさまその問題にだけ取りかかって、角をためて牛を殺すようなたぐいをしては問題の本質を取り違えるものだ。事故は修学旅行のみではないのだ。いろいろな形において事故が発生しておる。そのあらゆる事故を総合して、それに対する方策を考えてもらわなければ完璧を期するわけには参らないということを当時申し上げておきました。その際にも当時頻発しておりましたところの山における遭難あるいは海における児童の溺死、こういう問題についても申し上げておったのでありますが、きょうもおそらく本年最高の気温だろうと思いますけれども、ことしの天気は異常であります。その異常な天気の中に、おそらく人間をして、多少特異的な性格を持つ人は、それを発揮させるにちょうど都合のよいような気象環境になっているのじゃないかと思います。きのうあたりの新聞を見てみましても、八才の子供がちょっとしかられたからというので鉄道の自殺をした。あるいは子供ができないというのでお母さんが子供の首を締めて心中しようとした。私は全く考えによっては聞けば痛ましい話であるけれども、何かここに異常なショックを受けるのでありまして、こういうものが気象とどういう関係があるか私は知りませんけれども、そういう一、二の例を考えてみましても、ことしの夏というのは何かしら私はそういう不幸なできごとが続発してくるような気がしてならないわけであります。毎日の新聞を繰り広げても、まだ完全な夏場にならないのに、もうすでにほとんど連日子供の溺死あるいは山における遭難、こういった問題が続発しておる。さらにこの間の新聞を見ますと、高等学校の生徒を連れて行った先生がたまたまその管理上の責任を問われて、いまだかつてそういうことの例を見ない過失致死罪でありますか、そういう罪名によって起訴されておる。こういう問題もあるのでありまして、ここに児童生徒の看護という問題と、またその中から起ってくるそういった事実が、果して犯罪に問われなければならない性格のものであるかどうかというようなことにも、われわれは教育上多大の疑問と多大の問題をはらんでおる点に気づくのであります。この非常に暑い夏を控えて、学校ではおそらく海浜学校などを計画しておられるのであろうし、また都会地においては、夏をのがれるために、山にあるいはその他涼しい場所を求めて、ともに子供も行くであろう。学校が計画するその種の事業もあれば、あるいは父兄が連れて行く事業もあれば、また高等学校あたりの生徒になれば、自分ら同士が誘い合ってキャンプ旅行とか海浜旅行を行う者も少くないと思います。こういったもろもろの問題をあわせて考えたときに、何かしらこれに対するわれわれとしての親心、あるいは教育的なそういう見地を深めた一つ対策を立ててやる必要があると思います。えらく前置きが長くなりましたが、私はこの前にもそういう御注意を申し上げておきました。すでに夏休みも開始されようとする時期に、そういった児童生徒の夏場に起りやすい事故発生について防止対策を、文部省としてはどういうふうに具体的に進められておるのか、これは抽象的にお伺いしたのでは今の時期としては当を得ませんので、はっきり相当広範に検討されて詳細な対策案件を持っておられるならば、何らかの形で発表もしていただこうし、またその根本的な考え方をお持ちなさっておられるならば、大臣から積極的な度合をこの席でお示しいただけば非常に仕合せと考えますので、その点まず最初に大臣からそれらの点について関係者に注意を喚起せられたかどうか、またどのような注意を喚起せられたか、具体的な対策を進められたかどうか、この辺のところを承わり、事務当局からその点についての具体案を聞いておきたいと思います。
  49. 松村謙三

    松村国務大臣 その問題につきましては、あらかじめ通達も出しておりますが、詳しくは事跡の方からどうぞお聞き願いたいと思います。
  50. 緒方信一

    ○緒方政府委員 先ほどお話がございました修学旅行の協議会の結果につきましては、これはただいま整理しております。これにつきましてはもう少し念を入れまして計画的なまとめをしてみたいと存じております。これは別といたしまして、ちょうど今お話のようにこれから夏場に至り、暑中休暇に入りますので、この間における児童生徒の指導につきましては、都道府県の教育委員会に対しまして通達をいたしておる次第であります。これは通達いたしますまでもなく、各都道府県の教育委員会におきましても、相当詳細な計画を立てておるようでありまして、その報告は私ども見ております。私どもその報告を見ましても、大体遺憾なき対策が立っておるように考えております。そして各学校に対して注意を出しておるようであります。私どもの方としては、第一に夏休み中における児童生徒の生活の態度とか規律あるいは健康、そういう点を第一点に考えまして、遺憾のないように十分指導する。もう一つ学校が行います行事につきまして、たとえばただいまお話がございました海浜学校とかキャンプ生活しかいう行事につきましては、安全の面から申しましても、あるいはそのほかの規律、態度といった面から申しましても、これが乱れないように十分注意をしてもらうように、いろいろ項目をあげまして、実は都道府県の方にそれを流しておるような次第であります。
  51. 辻原弘市

    ○辻原委員 すでに対策を立てられておるというお話でありますので安心をいたしておりますが、しかし一片の通牒でもってはこういうことはとうてい未然に防げるものではありませんので、要は関係者各位が非常にこの問題について積極的に熱意を持って対策に当られる心組みが私は肝要だと思います。おそらくここ数年の統計を見ましても、児童、生徒の事故の発生は、暑中休暇を契機とした一ヵ月の間というものが一番多いのであります。それはある程度私は注意をすれば防げた事故も相当あると考えるがゆえに、その点について強く申し上げておきたいと思うのであります。以上申しましたのは、積極的な意味で事前の対策をお立て願いたい。  もう一つは、かねがね申し上げております事故が発生をしたあとの処置の問題で、そういった児童生徒については、何ら今日その補償方は考えられておりませんので、しばしば大臣にもその補償方策を考えてもらいたいということをわれわれは要望しておりますが、紫雲丸事件発生当時も、大臣から早急にこの点については検討を加えて、文部省としても積極的に解決に乗り出してみたいというお話でございましたので、これは消極策でありますが、すでに成案を見られたことと思いますので、どういうような具体的構想をまとめられたか、一つこの児童災害補償の問題についてお伺いをいたしておきます。
  52. 緒方信一

    ○緒方政府委員 災害に対しまする対策といたしまして、いろいろ研究をいたさなければならぬことは当然のことだと存じますけれども、これを制度としてどういうふうに進めていくかということにつきましては、これはそう早急にはなかなか結論を得られませんので、まだ具体的な対策というものは私どもとしては立てておりません。ただいまも申し上げましたように、国民健康保険とかあるいはそのほかの社会保障制度との関係、これらにつきましては相当慎重に研究をしませんと非常にむずかしい問題と存ずる次第でございます。私どもは研究はいたしておりますけれども、ただいまここで申し上げますような結論的なものはございませんので、その点は御了承願いたいと思います。
  53. 辻原弘市

    ○辻原委員 これは大臣にお伺いしますが、慎重に研究していただくことはけっこうなんですが、すでに実施をしておる府県も数府県あるのでございまして、そのテスト・ケースは十分参考になると思います。いつまでも慎重研究というおざなりのことでは私はいけないと思いますので、こういう点に問題があるならばこの点がむずかしいということをおっしゃっていただければ、私どもも研究するにやぶさかではありません。積極的にほんとうにこれをおやりになる意思があるのか、現在までの研究の段階において、これは他との関連が非常にむずかしいとおっしやるのか、その辺のところを一つ大臣から明らかにしていただきたい。
  54. 松村謙三

    松村国務大臣 そのことにつきましては、研究をいたすとは申しておることはその通りでございまして、その後事務にも調べさせておりますが、今度の議会の間に間に合いませんから、ゆつくり研究をいたしたいと思っております。それもこれは私の方だけできまる問題ではございませんので、各省の間の協議、それからことに大蔵省との問題等もございまして、果してどういうふうになりますか、まだ見すえがついていないのでございますが、十分話し合いをこの際遂げたいと考えております。この議会の間には合いかねるわけでございましてことしのうちにこれらに対する方針をきめたいとは考えております。
  55. 辻原弘市

    ○辻原委員 次期国会をめどにして、積極的におやりになる御意思がございますか。
  56. 松村謙三

    松村国務大臣 実はこればかりならば次期国会までに何をいたしたいと思っておりますが、文政をしてやるべきことが非常に多いことでございますから、果して明年度においてこれが具現することができるかどうか、これは全く各省との間の関係によることが多うございますので、ただいまのところでは、次の何には必ずそれを出すということを申し上げることはまだできかねる次第でございます。
  57. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 並木芳雄君。
  58. 並木芳雄

    ○並木委員 簡単に質問いたします。ある新聞で見たのですが文部大臣が辞職をするとかしないとか、まあ寝耳に水のようなことですが、松村さんは保守合同は反対でありましたし、あるいはまた米の自由販売なんかにも反対だし、農政の方面においてもがんばっておりますので、風当りが強いのかもしれません。しかし私どもの見るところでは、まれに見るというところまでほめてしまっては、これは八百長発言になりますけれども松村文政というものは、私はかなり民主的によく行われてきておると思います。それで私はせつかく緒についた松村文政をこの辺でくじけさせることは非常に惜しいと思っておるのでございますから、あえて質問するのでございますけれども、どういうわけで、松村文部大臣辞職論というものが出てきたのでありますかその真相を明らかにしていただきたいと思います。
  59. 松村謙三

    松村国務大臣 これはこういうところで申し上げるのはどうかと思いますけれども、私もその新聞を見ました。しかしながら閣議の席上で自分の進退を言明して、そうしてそのあとにこうして委員会にまたお伺いして、将来のこともお話をしておる、こういうことはあり得ないことでございまして、私も政治家として、自分の進退をそう軽軽しく問題のあるごとに言明するようなことはいたさないつもりでおりまして、その新聞記事は何らかの間違いであろうと考えて見ていたわけでございまして、閣議の席上で自分の進退を申すようなことはございませんのであります。
  60. 並木芳雄

    ○並木委員 それならばけっこうでございます。ただきょうは何か心なしか文部大臣の顔色がちょっとさえていないようで、かぜでも引かれたのですか。(笑声)もう少し色つやがよくて、年に似合わず元気だと思ったのですが、何かきょうは、僕の気持なんでしょうか、ちょっと元気がないように思われるので、気づかったわけです。ほかからそういう圧迫のようなことはございませんでしたか。なければ幸いです。
  61. 松村謙三

    松村国務大臣 全然ございません。私に関しては、ただいまのところは、私にはそういうことは触れておりません。
  62. 並木芳雄

    ○並木委員 それでは安心いたしました。どうか一つがんばっていただきたいと思います。  そこでこの新生活運動でございますが、これは具体案が幾らか出てきたのじゃないでしょうか。今辻原委員から、夏の休みを控えての御発言があって、新生活運動を夏休みにひっかけて具体化するにはいい時機だろうと思うのですけれども、先般来看板に掲げられておりますが、そろそろ一つか二つ何かこの夏にとりあえず御生活運動の一環としてやりたいというものが出てきてしかるべきだと思いますが、いかがでございますか。
  63. 松村謙三

    松村国務大臣 新生活運動につきましては、今いろいろ下話をいたしておりまして、予算も成立いたしたことでございますから、最近に政府といたして民間にその呼びかけをいたす運びとなり、その民間の方々が一つの国民運動として団体を作っておやりになる、こういうことになると思いまして、その手続を今運ぼうといたしているわけでございます。そして何をやるかはその団体できめられることでございますが、それと関連を持っておりますことに、文部省としてやることでございますが、社会教育、青少年の訓育のことでございますが、これは文部省として具体的の案を立てて、今実行に入りつつあると思うのでございます。すなわちそれは青少年の訓育をまず健全なスポーツの面から入りたいと考えまして、それでボーイスカウトなどと協調をとりまして、ことしは各府県の青少年にキャンプ生活の訓練、そこで運動を主にしたキャンプ生活をやり、そして明朗なスポーツの精神、健全な肉体を作る、こういうことを予定いたしまして各府県の府県教育委員会等にも連絡をいたし、それらのことを行うつもりで着々進行いたしております。すでにその指導者の養成等の段取りもいたしているわけでございます。それとさらに通信教育の面等においても新しい構想をもってやっていこうというようなことを考えております。
  64. 並木芳雄

    ○並木委員 それからもう一つお伺いしておきたいのは、これも新聞で見たのですが、地方教育委員会の制度について、今後いかにあるべきかということを審議会にかけたとかかけないとかいうそのことでございますが、地方教育委員会制度のあり方については、先般来文部大臣も最後の断を下す段階にきているということをしばしば言明されておられたのでございます。たまたまそれを見ましたので、それをこの際明らかにしていただきたいのでありますが、その後この問題を大臣はどのように処理され、どういう断定を下す所存でございましょうか。もうそろそろいい時期と思いますので、この際明確にしてもらいたいと思います。
  65. 松村謙三

    松村国務大臣 教育審議会の方に教育委員会制度のことを諮問いたしましたということは、これは間違いでございまして、ただいまはまだそういう運びには参っておりません。どうせ今度の議会に間に合いません。次の議会のことでございますから、今取り急ぐ必要はないわけでございまして、十分案を具して、しかる後に教育委員会その他必要な委員会諮問にして決定いたしたいと思いますが、ただいまのところはまだその運びに至っておらないのでございます。
  66. 野原覺

    野原委員 ただいまの大臣の御答弁でございますが、次の臨時国会ないしは通常国会に教育委員会制度の改正について議案をお出しになる御予定はございませんか。
  67. 松村謙三

    松村国務大臣 私はめどといたしまして、ぜひ通常国会で改むべきものがあるといたしますれば必ず通常国会には間に合わしたいと考えまして、そのめどですべてを運んでいるわけでございます。
  68. 野原覺

    野原委員 改むべき点につきましては中教審その他大臣の適当な諮問機関において大臣に対する答申があってから検討なさるかと思うのでございますが、しかし私ども考えによれば、これをやはりこの機会に諮問するというところからして、大臣としても何らかの改むべき点はあると考えられていらしゃると思うのです。何もなければ諮問なさる必要はないのですから。だから最終的な結論はその答申をまってお立てになるとしても、大体の方向、骨格というものは大臣としてどのようにお考えでございますか。お聞かせを願いたい。
  69. 松村謙三

    松村国務大臣 今お話通りに、諮問をいたしますならば、月並みのどう改めていいかというような諮問をするのはもうおそいと思っております。何回もやっております。こうすればどうかというある程度の案を、これでいいか悪いかという諮問をすることができれば最もよろしいということにひそかに考えているわけでございます。しかしそれが果してどういう案を諮問するかにつきましては、先般も申し上げました通り、まだ白紙の状態を出でませんから、ここに大体こういう構想でと申し上げることはまだちょっといたしかねるわけでございまして、もう少し研究の後に腹をきめたいと考えております。
  70. 野原覺

    野原委員 簡単にお尋ねしますが、東京都内に夜間中学の生徒がいるということを私聞いているのでございますが、義務教育学校の生徒は夜間の学校に登校することはできないということになっていると思いますが、夜間中学の生徒が果して東京都内に何人ぐらい入っておりますか。夜間に電燈の下で家庭貧困のために勉強している生徒が六百人程度あるやに聞いておりますが、このことは事実でございますか。
  71. 緒方信一

    ○緒方政府委員 夜間中学の問題でありますが、これは東京のみならず、関西方面におきましても今日相当数ございます。事実七十校ほどございます。その生徒数が東京は今お示しになりましたくらいの数であろうと思います。これはお話のように義務教育でありますので、これは当然昼間に教育を実施すべきものだと考えます。しかしながらこれは生徒の家庭の実情等からいたしまして、どうしても昼間に行けないという者に対しまして、その救済手段としてやむを得ずこれを行っている実情でございまして、非常にこれは困った問題でございますけれども、私どもはそういう実情実情として、これをやつちゃいかぬというふうに禁止してしまいますと、またこれは非常に困った事態になりますので、一般の長期欠席児童生徒等に対する対策とあわせまして、この問題は今後研究していきたいと思います。
  72. 野原覺

    野原委員 夜間中学というものが認められないために、何か当局としては、教育委員会等では二部授業とみなして、その教育をやっておるやに私は聞いておるのであります。そこでお尋ねをいたしますが、学校教育法の二十五条に「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」という規定がございますが、これは当然経済的理由で昼間の学校にいくことができない子供でございますから、夜間に入っておるような子供たちに対して市町村では必要な援助がなされておりますかどうか、その辺御調査になったことはございませんか。
  73. 緒方信一

    ○緒方政府委員 私今端的に夜間中学と申しましたけれども、今お話のように三部授業にいうことで行なっておるわけであります。学校教育法の規定にもありまして、ところによってはその市町村あるいは市町村のみならず関係のPTAとか地域の人たちが集まりまして、これら気の毒な生徒、児童に対しましていろいろな援助をしているところもございます。しかしながらこれはなかなかそうもいかぬところもあるようでございまして、そういうために、実態としましては夜間授業といったようなことが行われておるのが実情のようでございます。
  74. 野原覺

    野原委員 これはやむを得ないものとして文部当局としては黙認していかれるつもりなのか、何らかの抜本的なお考え方があればお聞かせいただきたい。これは重要なことです。
  75. 緒方信一

    ○緒方政府委員 これは方針としまして私はここで直ちにお答え申すことは差し控えさしていただきたいと思いますけれども、私の気持といたしましても、ただいま長期欠席児童に対します対策を実は練っておるのでございます。これは文部省だけの力では及びませんので、厚生省やあるいは労働省とも協議をいたしまして、あるいは生活保護法の完全な適用その他の方法を一つ講じまして、これらの問題に対処していきたいと思っております。ただいまお話がございましたけれども地方によりましては地域の人たちが相当集まって援護会のようなものを作りまして、相当実績をあげたところもございますので、そういう事例も地方紹介をいたし、またただいま申しましたように福祉関係の制度におきまして救える者は十分救っていくということに努力していきたいと存じております。その一環といたしまして、夜間におられますこれらの子供に対する対策も含めてやっていきたいと存じております。
  76. 野原覺

    野原委員 心身が十分に発達してない子供たちが、昼間は非常な労働に従事して、夜、学校に行くということが、明らかに七十校近いものが全国的にある。これが事実であるといたしまならば、私は早急にこの子供たちを救済する措置を文部当局としてはおとりいただきたいのであります。これは今後の課題として政府としても十分お考え願いたいと思うのであります。  大臣お尋ねいたしますが、教科書無償の問題、これは新入学児童に一律に機械的に同じように与えるといういうな方向はとらないで、生計の困難な家庭の児童に対して、いわゆる貧困家庭の子供たちに対してこれを与える、こういうお考え大臣はその後お持ちであるということを私は新聞で拝見したのでございますが、事実でございますか。
  77. 松村謙三

    松村国務大臣 それはただいま研究中でございまして、貧困な児童の人たちにだけ差し上げるということにしますと、一年生だけでなくて、全学年の貧困者に大体あの金で渡りますから、まずそういうことにした方がよろしくないかと考えておるわけでございますけれども、これにもやはり弊がありまして、貧困な人たちにだけ教科書を上げますと、子供がひがむ、自尊心を傷つけられるというようなことの心配もありますから、これを技術的にそういうことなくして渡せる方法がないかどうかということもよく研究してみなければなりませんから、まだそれにきめたと申し上げることはできませんが、十分調査をしまして、そういう面の心配も技術的に解けるということでありますならば、一つ考えてみたいと思っております。
  78. 野原覺

    野原委員 その場合に学校給食も同じようなケースに属するのではないかと思うのです。要生活保護児童に対してすでに措置がとられております。しかし要保護児童に準ずる子供たちに対する措置は十分でございません。その場合に学校給食についてもこれは早急に少くとも来年度予算から文部省としては考慮される必要をお感じになっていらっしゃるかどうか。そういうようなお考えをお持ちになりませんか。
  79. 松村謙三

    松村国務大臣 その面についても十分研究して練ってみたいと考えております。いろいろの面から申してそういう必要もあることでありますから、見ております。ただ厚生施設の方との関連等もあわせて考えなければなりませんので、十分検討いたしたいと思います。
  80. 野原覺

    野原委員 ただいまの点については、大臣答弁に私はきわめて同感の意を表したいと思いますが、子供ながらやはり自尊心、自立心というものを持っておりますから、これを傷つけないような配慮を十分していただきまして、そうして何らかのやはり援助の措置をとっていただきたい、このことを私は要望いたしたいのであります。  最後にお尋ねしたいことは、本日ここに陳情書をいただいたのでありますが、世界聖典刊行協会、この西蔵大蔵経の出版、この請願の写しを実は私どもいただいておるのでございますが、私の聞くところによれば、ここにも書いておりますけれども、西蔵大蔵経というものは、今日世界で日本の京都の大谷大学とパリ大学だけにあるそうであります。そこでよわい八十何才の鈴木大拙先生が生涯の大事業として何とかしてこの大蔵経をもっと広く江湖に送りたい、こういうような考え方を持っておいでのようでございますが、私は西蔵大蔵経というものが単に東洋の古典というよりも、むしろこれは世界的な古典である、それについてもこれは莫大な金もかかるようです。鈴木先生の生涯の事業としてこれを完成したいというこの悲願を文部当局としては何とか一つ御援助願えないものかどうか、御所見を承わりたいのであります。
  81. 松村謙三

    松村国務大臣 これはお話通り鈴木先生の大きな事業でありまして、これはいよいよというときになりますれば、私の方では十分援助をいたしたいつもりでおります。近来こういう問題があちこちからいろいろの面において私の方へ参っておりまして、日本がやはりアジアの文化の中心であるというような感じがいたすのであります。たとえばこの間もバグダッドの商工会議所の会頭が見えまして、そこで日本ではマホメット教のコーランの経典を原典のアラビア語から訳したものがなく、ドイツもしくは英語から訳したのであるから、日本でマホメット教の経典をアラビア語から一つ翻訳して、そしてマホメットの真髄を日本に伝えてもらいたいという希望でございます。これはその後いろいろ調べてみましたが、大川周明君が近来あの翻訳を、大体アラビア語を参考としていたしておりますが、そういうことも言ってきております。それからセイロンの方からは、明後年のお釈迦様の誕生二千五百年の記念に仏教大辞典を作りたい、それを調査をしてみますと、仏教の集積は日本でなければないから、日本でその辞典の半ば以上を作りたいから協力してくれろというような事柄、それからチベットへ長く行っておりました多田氏が持って参りました仏典を、東北大学で多田氏が講師となっていろいろやっておりますが、これの仏典の目録解説ができまして、今度学士院から、その学徒五名ばかりが表彰を受けております。こういうような面で、仏典に関するだけでも非常に研究が盛んになって参りますので、そのうちの鈴木氏の業績のごときは最も大きい事業であると思います。できるだけの心配をいたしたいと思います。
  82. 野原覺

    野原委員 御承知のようにこの大蔵経は梵語によるとされております。鈴木先生は八十才を越された高齢であって、これはだれの手によってもできない、鈴木先生のような方によって、まことに御高齢な先生でございますから、先生が生きていらっしゃるうちに、先生が悲願としてこの出版を思い立たれておりますから、どうか一つこうした歴史的文化事業こいうものには、悔いのない御協力を重ねて大臣にお願いをいたす次第であります。協力されるという御答弁を承わりまして、敬意を表するにやぶさかではございません。  これで終ります。
  83. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせいたします。     午後一時二十三分散会