運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-07-30 第22回国会 衆議院 農林水産委員会 第51号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月三十日(土曜日)    午前十一時四十五分開議  出席委員    委員長 綱島 正興君    理事 安藤  覺君 理事 白浜 仁吉君    理事 松浦 東介君 理事 鈴木 善幸君    理事 中馬 辰猪君 理事 足鹿  覺君    理事 稲富 稜人君       赤澤 正道君    五十嵐吉藏君       井出一太郎君    伊東 岩男君       石坂  繁君    大森 玉木君       木村 文男君    楠美 省吾君       小枝 一雄君    笹山茂太郎君       原  捨思君    本名  武君       足立 篤郎君    川村善八郎君       助川 良平君    田口長治郎君       平野 三郎君    松野 頼三君       赤路 友藏君    淡谷 悠藏君       井谷 正吉君    石田 宥全君       楯 兼次郎君    芳賀  貢君       伊瀬幸太郎君    川俣 清音君       佐竹 新市君    中村 時雄君       日野 吉夫君  出席政府委員         農林政務次官  吉川 久衛君         農林事務官         (農業改良局         長)      小倉 武一君         農林事務官         (畜産局長)  原田  傳君  委員外の出席者         議     員 井上 良二君         参議院農林水産         委員長     江田 三郎君         参議院議員   三浦 辰雄君         農林事務官         (農林経済局金         融課長)    和田 正明君         農林事務官         (農林経済局農         業協同組合部農         業協同組合課         長)      保坂 信男君         農林事務官         (畜産局飼料課         長)      昌谷  孝君         農 林 技 官         (食糧庁業務第         二部長)    桑原 信雄君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      藤村 重任君         農 林 技 官         (林野庁指導部         猟政調査課長) 葛  精一君         参  考  人         (東京穀物取引         所理事長)   木谷 久一君         参  考  人         (東京穀物取引         所常務理事)  山根 東明君         参  考  人         (穀物取引所市         場管理委員)  杉山 重光君         参  考  人         (仲買人市場代         表)      亀山  功君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 七月三十日  委員平野三郎君及び小川豊明君辞任につき、そ  の補欠として大野市郎君及び石田宥全君が議長  の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  砂糖価格安定法案井上良二君外六名提出、衆  法第六九号)  狩猟法の一部を改正する法律案(参議院提出、  参法第一五号)  小豆の取引及び価格安定措置等について、参考  人より意見聴取  輸入飼料に関する件  農業協同組合事業運営に関する件  請願(別紙)  (別紙)  一 保安林の改良事業費国庫補助に関する請願   (藤枝泉介君紹介)(第一六号)  二 保安林の国家補償制度等確立に関する請願   (藤枝泉介君紹介)(第一七号)  三 国営治山事業費全額国庫負担に関する請願   (藤枝泉介君紹介)(第一八号)  四 暗きよ排水事業促進に関する請願(松浦周   太郎君紹介)(第一九号)  五 積雪寒冷単作地帯農業振興に関する請願(   田子一民君紹介)(第二三号)  六 山地崩壊予防事業費国庫補助に関する請願   (早稻田柳右エ門君紹介)(第四四号)  七 治山治水事業に対する国庫補助予算増額に   関する請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第四   五号)  八 林道開設費国庫補助に関する請願(本名武   君紹介)(第四六号)  九 古川沿岸地帯排水不良地改良事業促進に関   する請願(松原喜之次君外二名紹介)(第五   九号)  一〇 西浦漁港築設に関する請願(森三樹二君   紹介)(第六〇号)  一一 木炭公営検査強化に関する請願(野原正   勝君紹介)(第七八号)  一二 災害林道復旧費国庫補助増額に関する   請願(野原正勝君紹介)(第七九号)  一三 昭和二十九年産水陸稲損害評価査定に   関する請願(上林山榮吉君紹介)(第八〇   号)  一四 かんがい用排水機設置費国庫負担に関す   る請願(佐藤觀次郎君紹介)(第八一号)  一五 佐世保湾漁業禁止制限に伴う損害補償に   関する請願(綱島正興君紹介)(第八二号)  一六 災害崩壊復旧事業促進に関する請願(野   原正勝君紹介)(第八六号)  一七 林道の改修費国庫補助に関する請願(前   田正男君紹介)(第九六号)  一八 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の期限   延長等に関する請願(鈴木善幸君紹介)(第   一一三号)  一九 農機具共同利用施設に対する資金わく拡   大に関する請願(鈴木善幸君紹介)(第一一   四号)  二〇 農業改良普及事業費国庫補助等に関する   請願(鈴木善幸君紹介)(第一一五号)  二一 機船底びき漁業の取締緩和等に関する請   願(椎名隆君外一名紹介)(第一一六号)  二二 農業協同組合畜産事業体制確立に関す   る請願(保科善四郎君紹介)(第一三三号)  二三 家畜取引改善に伴う家畜商存続に関する   請願(遠藤三郎君外二名紹介)(第一五二   号)  二四 農業委員会の経費等に関する請願(床次   徳二君紹介)(第一五三号)  二五 農業振興対策確立等に関する請願(松井   政吉君紹介)(第一五四号)  二六 同(平田ヒデ君紹介)(第一七七号)  二七 農機具共同利用施設に対する資金わく拡   大に関する請願(上林山榮吉君紹介)(第一   五五号)  二八 腐そ病を法定伝染病に指定の請願(下平   正一君紹介)(第一五六号)  二九 同(原茂君紹介)(第一五七号)  三〇 生乳等価格安定法制定に関する請願(下   平正一君紹介)(第一五八号)  三一 同(原茂君紹介)(第一五九号)  三二 畜産物価低落に対する対策確立に関する   請願(松井政吉君紹介)(第一七五号)  三三 所布地区溜池新設事業外四個事業を県営   かんがい排水事業新規地区に採択の請願(平   田ヒデ君紹介)(第一七六号)  三四 中之郷未墾地買収計画反対に関する請願   (川俣清音君紹介)(第二〇一号)  三五 国営鬼怒川中部土地改良事業促進に関す   る請願(高瀬傳君紹介)(第二一九号)  三六 伝貧研究所設置の請願(楠美省吾君外五   名紹介)(第二七〇号)  三七 同(岡良一君紹介)(第三〇二号)  三八 鹿児島県の森林病虫害防除事業促進に関   する請願(床次徳二君紹介)(第二七一号)  三九 腐そ病を法定伝染病に指定の請願(倉石   忠雄君紹介)(第二七二号)  四〇 生乳等価格安定法制定に関する請願(倉   石忠雄君紹介)(第二七三号)  四一 農業委員会予算確保に関する請願(野依   秀市君紹介)(第三〇〇号)  四二 蚕業技術指導強化費国庫補助に関する請   願(野依秀市君紹介)(第三〇一号)  四三 輸入粗糖の割当に関する請願(楢橋渡君   紹介)(第三〇三号)  四四 耕土培養対策経費予算確保に関する請願   (荒舩清十郎君紹介)(第三三五号)  四五 南方向針葉樹の輸出解禁に関する請願(   川野芳滿君紹介)(第三八九号)  四六 畜産物価低落に対する対策確立に関する   請願(助川良平君紹介)(第五一〇号)  四七 菱太良土地改良区連合の県営土地改良事   業促進に関する請願(池田清志君紹介)(第   五五六号)  四八 はまきが森林病虫害に指定に関する請   願(原茂君紹介)(第五八一号)  四九 姶良町地内国有林野払下げに関する請願   (中馬辰猪君紹介)(第六一四号)  五〇 国営笠之原畑地区かんがい工事施行に関   する請願(有馬輝武君紹介)(第六一五号)  五一 特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時   措置法の指定有効期限延長に関する請願(有   馬輝武君紹介)(第六一六号)  五二 治山治水対策確立に関する請願(上林山   榮吉君紹介)(第六二〇号)  五三 生乳等価格安定法制定に関する請願(唐   澤俊樹君紹介)(第六五一号)  五四 腐そ病を法定伝染病に指定の請願(唐澤   俊樹君紹介)(第六五二号)  五五 未墾土地買収価格適正化に関する請願   (北澤直吉君外一名紹介)(第六五三号)  五六 団体営土地改良事業振興に関する請願(   中馬辰猪君紹介)(第六五五号)  五七 国営笠之原畑地区かんがい工事施行に関   する請願(中馬辰猪君外一名紹介)(第六九   四号)  五八 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時   措置法の指定有効期限延長に関する請願(中   馬辰猪君外一名紹介)(第六九五号)  五九 姶良町地内国有林野払下げに関する請願   (池田清志君紹介)(第六九六号)  六〇 食生活改善に伴うパン食普及に関する請   願(熊谷憲一君紹介)(第六九七号)  六一 治山治水対策確立に関する請願(池田清   志君紹介)(第六九八号)  六二 同(石坂繁君紹介)(第七〇七号)  六三 米穀の集荷制度に関する請願(中馬辰猪   君紹介)(第七〇〇号)  六四 米穀の配給制度に関する請願(中馬辰猪   君紹介)(第六九九号)  六五 農業協同組合連合会整備促進対策費補助   金予算計上に関する請願(中村時雄君紹介)   (第七〇一号)  六六 桑園の凍霜害対策確立に関する請願(八   田貞義君紹介)(第七二〇号)  六七 同(松井政吉君紹介)(第七三五号)  六八 伝貧研究所設置の請願(小笠原八十美君   外六名紹介)(第七三一号)  六九 同(高木松吉君紹介)(第七七四号)  七〇 林政刷新に関する請願(内海安吉君紹   介)(第七三六号)  七一 長崎県の漁港修築に関する請願(田口長   治郎君紹介)(第七七二号)  七二 安芸漁港築設に関する請願(宇田耕一君   紹介)(第七七三号)  七三 未墾土地買収価格適正化に関する請願   (橋本登美三郎君紹介)(第七七五号)  七四 防災ため池事業促進に関する請願(田中   利勝君紹介)(第七八〇号)  七五 腐そ病を法定伝染病に指定の請願(松平   忠久君紹介)(第八〇八号)  七六 生乳等価格安定法制定に関する請願(松   平忠久君紹介)(第八〇九号)  七七 長崎県の漁港修築に関する請願(石橋政   嗣君紹介)(第八四二号)  七八 国営矢作川農業水利事業促進に関する請   願(中垣國男君紹介)(第八四四号)  七九 国、県営かんがい排水事業費増額に関す   る請願(中垣國男君紹介)(第八四五号)  八〇 競馬法の一部改正に関する請願(上林山   榮吉君紹介)(第八九五号)  八一 同(河野密君紹介)(第八九六号)  八二 桑園の凍霜害対策確立に関する請願(粟   山博君紹介)(第八九七号)  八三 伝貧研究所設置の請願(鈴木善幸君紹   介)(第八九八号)  八四 さばきん着網漁業集魚灯使用禁止解除   に関する請願(今澄勇君紹介)(第八九九   号)  八五 国立食糧科学研究機関設置に関する請願   (小笠公韶君紹介)(第九〇二号)  八六 大井川右岸用水改良事業調査促進に関   する請願(足立篤郎君外一名紹介)(第九〇   三号)  八七 未墾土地買収価格適正化に関する請願   (橋本登美三郎君紹介)(第九〇四号)  八八 西国東干拓事業促進に関する請願(野依   秀市君紹介)(第九〇六号)  八九 土地改良事業促進に関する請願(野依秀   市君紹介)(第九〇七号)  九〇 桑園の凍霜害対策確立に関する請願(助   川良平君紹介)(第九三五号)  九一 同(愛知揆一君紹介)(第九三六号)  九二 競馬法の一部改正に関する請願(堀川恭   平君紹介)(第九三九号)  九三 同(淺沼稻次郎君紹介)(第九四〇号)  九四 同(大矢省三君紹介)(第九四一号)  九五 同(日野吉夫君紹介)(第九四二号)  九六 農林省六日町開拓建設事業予算復活に関   する請願(稻村隆一君紹介)(第一〇二二   号)  九七 米の生産者価格是正等に関する請願(小   枝一雄君紹介)(第一一〇八号)  九八 十勝川上流音更川水系かんがい用水に関   する請願(本名武君紹介)(第一一〇九号)  九九 農林省六日町開拓建設事業予算復活に関   する請願(大野市郎君紹介)(第一一四四号)  一〇〇 甲山町の治山事業促進に関する請願(   永山忠則君紹介)(第一一四五号)  一〇一 治山関係予算増額に関する請願(福井   順一君紹介)(第一一四六号)  一〇二 米穀の配給制度に関する請願(中馬辰   猪君紹介)(第一二五一号)  一〇三 米穀の集荷制度に関する請願(中馬辰   猪君紹介)(第一二五二号)  一〇四 東京湾千葉県海面の廃油による被害補   償に関する請願(福井順一君紹介)(第一二   五三号)  一〇五 千葉県のひよう害対策確立に関する請   願(吉川兼光君紹介)(第一二八六号)  一〇六 三方原用水事業促進に関する請願(竹   山祐太郎君紹介)(第一三九二号)  一〇七 米の直接統制継続に関する請願(石田   宥全君紹介)(第一三九三号)  一〇八 同(成田知巳君紹介)(第一三九四   号)  一〇九 同(山本幸一君紹介)(第一三九五   号)  一一〇 伝貧研究所設置の請願外一件(木下哲   君紹介)(第一五二七号)  一一一 以西機船底びき網漁業及び遠洋かつを、   まぐろ漁業の許可等についての漁業法の臨時   特例に関する法律存続の請願(中馬辰猪君紹   介)(第一五二八号)  一一二 農機具共同利用施設に対する資金わく   拡大に関する請願(池田清志君紹介)(第一   六五〇号)  一一三 鹿児島県の森林病虫害防除事業促進に   関する請願(池田清志君紹介)(第一六五一   号)  一一四 特別重要漁港指定に関する請願(田口   長治郎君外一名紹介)(第一六五二号)  一一五 米の直接統制継続に関する請願(石田   宥全君紹介)(第一六五三号)  一一六 昭和三十年度林業予算増額に関する請   願外二件(床次徳二君紹介)(第一六五四   号)  一一七 駐留軍等の施設、用地に接収された地   域の農業再建整備に関する法律制定の請願(   勝間田清一君紹介)(第一六五五号)  一一八 治山対策確立に関する請願(池田清志   君紹介)(第一六六〇号)  一一九 米の直接統制継続に関する請願(赤松   勇君紹介)(第一七八二号)  一二〇 食生活改善に伴うパン食普及に関する   請願(五島虎雄君紹介)(第一七八三号)  一二一 同(原健三郎君紹介)(第一七八四   号)  一二二 同(前田房之助君外一名紹介)(第一   七八五号)  一二三 桑園の凍霜害対策確立に関する請願(   保科善四郎君紹介)(第一八五四号)  一二四 昭和三十年度代行開墾干拓事業費増額   に関する請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第   一八五七号)  一二五 梅田町及び川内町地内国有林野払下げ   に関する請願(長谷川四郎君紹介)(第一八   五八号)  一二六 保温折衷苗代設置費国庫補助増額に関   する請願(鈴木善幸君紹介)(第一八五九   号)  一二七 昭和三十年産米価対策確立に関する請   願(保科善四郎君紹介)(第一八六〇号)  一二八 日光川西悪水土地改良区を県営事業に   採択の請願(江崎真澄君紹介)(第一八六一   号)  一二九 十三沖永悪水土地改良区の排水機増設   工事費確保に関する請願(江崎真澄君紹介)   (第一八六二号)  一三〇 農業政策確立に関する請願(鈴木周次   郎君紹介)(第一八六三号)  一三一 未墾土地の買収に関する請願(北澤直   吉君紹介)(第一八六四号)  一三二 桑園の凍霜害対策確立に関する請願(   日野吉夫君外一名紹介)(第一九九七号)  一三三 岡山県のひよう害対策確立に関する請   願(犬養健君紹介)(第一九九九号)  一三四 昭和三十年産米価対策確立に関する請   願(日野吉夫君外一名紹介)(第二〇〇〇   号)  一三五 桑樹の凍霜害対策確立に関する請願(   倉石忠雄君紹介)(第二〇四五号)  一三六 食生活改善に伴うパン食普及に関する   請願(大西正道君紹介)(第二一三二号)  一三七 防災ため池事業促進に関する請願(田   中利勝君紹介)(第二一三三号)  一三八 山梨県のひよう害対策確立に関する請   願(古屋貞雄君紹介)(第二一三四号)  一三九 相知町の水害対策確立に関する請願(   八木昇君紹介)(第二一五八号)  一四〇 耕土培養法の一部改正に関する請願(   塚田十一郎君紹介)(第二一八四号)  一四一 千葉県のひよう害対策確立に関する請   願(福井順一君紹介)(第二一八五号)  一四二 相知町の水害対策確立に関する請願(   眞崎勝次君紹介)(第二一八六号)  一四三 米の直接統制継続に関する請願(川村   継義君紹介)(第二二四三号)  一四四 同(片島港君紹介)(第二二四四号)  一四五 同(風見章君紹介)(第二二四五号)  一四六 機船底びき網漁業撤廃に関する請願(   森本靖君紹介)(第二二四六号)  一四七 筑波郡の未墾地買収に関する請願(北   澤直吉君紹介)(第二二四七号)  一四八 昭和二十八年六、七月の大水害による   農業災害復旧に関する請願(眞崎勝次君紹   介)(第二二五一号)  一四九 砂糖安定帯価格及び輸入粗糖外貨資金   割当に関する請願(田中伊三次君紹介)(第   二二六九号)  一五〇 伝貧研究所設置の請願(井手以誠君紹   介)(第二二八一号)  一五一 未墾土地の買収に関する請願(加藤高   藏君紹介)(第二二八二号)  一五二 名古港船だまり修築促進に関する請願   (池田清志君紹介)(第二二八七号)  一五三 酪農基金法制定に関する請願(小枝一   雄君紹介)(第二三二五号)  一五四 精麦用新麦の政府売却価格の適正化に   関する請願(木原津與志君紹介)(第二三二   六号)  一五五 同(加藤高藏君紹介)(第二三二七   号)  一五六 同(笹本一雄君紹介)(第二三二八   号)  一五七 同(古井喜實君紹介)(第二三二九   号)  一五八 同(山本幸一君紹介)(第二三三〇   号)  一五九 下都賀郡外四箇郡のひよう害対策確立   に関する請願(戸叶里子君紹介)(第二四〇   五号)  一六〇 精麦用新麦の政府売却価格の適正化に   関する請願(受田新吉君紹介)(第二四四二   号)  一六一 同(石坂繁君紹介)(第二四四三号)  一六二 同(濱野清吾君紹介)(第二四四四   号)  一六三 同(福永健司君紹介)(第二四七二   号)  一六四 同(草野一郎平君紹介)(第二五一〇   号)  一六五 農業政策確立に関する請願(平田ヒデ   君紹介)(第二四四五号)  一六六 昭和三十年度米価対策確立に関する請   願(平田ヒデ君紹介)(第二四四六号)  一六七 はまきが森林病虫害に指定する請願   (吉川久衛君紹介)(第二四四七号)  一六八 山陰漁場における集魚灯使用によるま   き網漁業の調整に関する請願(大橋武夫君外   四名紹介)(第二四七一号)  一六九 精麦用新麦の政府売却価格の適正化に   関する請願(廣瀬正雄君紹介)(第二五四三   号)  一七〇 同(菊地養之輔君紹介)(第二五八一   号)  一七一 同(徳田與吉郎君紹介)(第二五九八   号)  一七二 同(安藤覺君紹介)(第二五九九号)  一七三 同(稲富稜人君紹介)(第二六六七   号)  一七四 早地峯山ろく集約酪農地域に指定の   請願(山本猛夫君紹介)(第二五四四号)  一七五 埼玉県の農業被害対策確立に関する請   願(荒舩清十郎君紹介)(第二五四五号)  一七六 母樹候補林の指定に関する請願(小平   久雄君紹介)(第二六〇〇号)  一七七 採穂林造成費国庫補助に関する請願(   小平久雄君紹介)(第二六〇一号)  一七八 山林種苗検査制度確立に関する請願(   小平久雄君紹介)(第二六〇二号)  一七九 長期造林計画促進に関する請願(小平   久雄君紹介)(第二六〇  三号)  一八〇 母樹林の補償費増額に関する請願(小   平久雄君紹介)(第二六〇四号)  一八一 沖縄向肥料の国内取扱に関する請願(   床次徳二君紹介)(第二六〇五号)  一八二 鹿児島港を奄美大島産そ菜の出荷港に   指定の請願(伊東隆治君紹介)(第二六〇七   号)  一八三 伝貧研究所設置の請願外一件(森三樹   二君紹介)(第二六六六号)  一八四 昭和三十年産米の新米価決定に関する   請願(中馬辰猪君紹介)(第二六七五号)  一八五 公営住宅敷地として使用中の国有農地   売払価格減免に関する請願(森本靖君紹介)   (第二七一四号)  一八六 精麦用新麦の政府売却価格の適正化に   関する請願(周東英雄君紹介)(第二七一五   号)  一八七 同(亘四郎君紹介)(第二七一六号)  一八八 同(保利茂君紹介)(第二七一七号)  一八九 以西機船底びき網漁業及び遠洋かつお、   まぐろ漁業の許可等についての漁業法の臨時   特例に関する法律存続の請願(中馬辰猪君紹   介)(第二七一八号)  一九〇 宝島の漁港整備促進に関する請願(原   捨思君紹介)(第二七一九号)  一九一 新潟県の果樹災害対策確立に関する請   願(山本猛夫君紹介)(第二七二〇号)  一九二 昭和三十年産米価対策確立に関する請   願外百五十七件(助川良平君紹介)(第二八   五九号)  一九三 未墾土地の買収に関する請願(橋本登   美三郎君紹介)(第二八六〇号)  一九四 伝貧研究所設置の請願(本名武君紹   介)(第二九八三号)  一九五 蔵王地区集約酪農地域に指定の請願   (保科善四郎君紹介)(第二九八四号)  一九六 精麦用新麦の政府売却価格の適正化に   関する請願(松野頼三君紹介)(第二九八五   号)  一九七 同(内田常雄君紹介)(第二九八六   号)  一九八 同(瀬戸山三男君紹介)(第二九八七   号)  一九九 同(小西寅松君紹介)(第二九八八   号)  二〇〇 同(松山義雄君紹介)(第二九八九   号)  二〇一 同(五十嵐吉藏君紹介)(第三〇七〇   号)  二〇二 同(薄田美朝君紹介)(第三〇七一   号)  二〇三 同(關谷勝利君紹介)(第三〇七二   号)  二〇四 同(川島正次郎君外一名紹介)(第三   〇七三号)  二〇五 同(星島二郎君紹介)(第三〇七四   号)  二〇六 同(重政誠之君紹介)(第三〇七五   号)  二〇七 昭和三十年産米価対策確立に関する請   願外四十八件(助川良平君紹介)(第二九九   〇号)  二〇八 地方卸売市場法制定に関する請願(川   村善八郎君紹介)(第二九九一号)  二〇九 駒形地区土地改良事業促進に関する請   願(助川良平君紹介)(第二九九二号)  二一〇 長磯漁港築設に関する請願(川村善八   郎君紹介)(第二九九七号)  二一一 宮野漁港継続工事施行に関する請願(   川村善八郎君紹介)(第二九九八号)  二一二 砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時   措置に関する法律制定反対に関する請願外二   十四件(早稻田柳右エ門君紹介)(第三一〇   三号)  二一三 福島県の凍霜害対策確立に関する請願   (粟山博君紹介)(第三一四〇号)  二一四 精麦用新麦の政府売却価格の適正化に   関する請願(木下哲君紹介)(第三一四二   号)  二一五 農地法改廃に関する請願(永山忠則君   紹介)(第三一四三号)  二一六 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の期   限延長等に関する請願(松浦東介君外一名紹   介)(第三一九一号)  二一七 挙母市を集約酪農地域に指定の請願(   伊藤好道君紹介)(第三一九二号)  二一八 台風常襲地帯の農業災害防除に関する   法律制定等に関する請願(大村清一君紹介)   (第三一九六号)  二一九 蔵王地区集約酪農地域に指定の請願   (保科善四郎君紹介)(第三三九三号)  二二〇 下諏訪町地内東俣国有林野払下げに関   する請願(吉川久衛君紹介)(第三三九四   号)  二二一 内地産米麦等包装用に麻袋使用反対に   関する請願外一件(松本七郎君紹介)(第三   三九五号)  二二二 同外一件(伊藤卯四郎君紹介)(第三   三九六号)  二二三 同(池田禎治君紹介)(第三三九七   号)  二二四 同外一件(田原春次君紹介)(第三三   九八号)  二二五 同外二件(稲富稜人君紹介)(第三三   九九号)  二二六 わら工品の生産育成に関する請願(井   手以誠君紹介)(第三四〇〇号)  二二七 同(稲富稜人君紹介)(第三四〇一   号)  二二八 伝貧研究所設置の請願(小林かなえ君   紹介)(第三六〇一号)  二二九 はまきが防除費国庫補助に関する請願   (原茂君紹介)(第三六四四号)  二三〇 未墾地買収取消に関する請願(橋本登   美三郎君紹介)(第三六四五号)  二三一 潮害防除施設整備に関する請願(相川   勝六君紹介)(第三六四六号)  二三二 りんごの冷害対策確立に関する請願(   山本猛夫君紹介)(第三六五二号)  二三三 九州地区軽種馬界の不況打開に関する   請願(上林山榮吉君紹介)(第三六五三号)  二三四 伝貧研究所設置の請願(本名武君紹   介)(第三八二八号)  二三五 府中記念特別競馬開催等に関する請願   (福田篤泰君紹介)(第三八二九号)  二三六 岩手県の農業水害復旧対策確立に関す   る請願(小澤佐重喜君紹介)(第三八三九   号)  二三七 精麦用新麦の政府売却価格の適正化に   関する請願(三浦一雄君紹介)(第四一三三   号)  二三八 食生活改善に伴うパン食普及に関する   請願(茜ケ久保重光君紹介)(第四一三四   号)  二三九 昭和三十年産米の新米価決定に関する   請願(三浦一雄君外一名紹介)(第四一三五   号)  二四〇 牧野改良事業費国庫補助復活に関する   請願(三浦一雄君外一名紹介)(第四一三六   号)  二四一 りんごの凍霜害対策確立に関する請願   (山本猛夫君紹介)(第四一三七号)  二四二 昭和三十年産米の新米価決定に関する   請願(助川良平君紹介)(第四二一二号)  二四三 昭和三十年産米穀検査規格改訂に関す   る請願(助川良平君紹介)(第四二一三号)  二四四 農業委員会予算確保に関する請願(池   田清志君紹介)(第四二五六号)  二四五 種豚登録事業助成に関する(安藤覺君   紹介)(第四二九〇号)  二四六 藺牟田漁港築設に関する請願(中馬辰   猪君紹介)(第四三〇八号)  二四七 東頸城郡の治山事業促進に関する請願   (塚田十一郎君紹介)(第四三二四号)  二四八 東頸城郡の耕地災害復旧工事施行に関   する請願(塚田十一郎君紹介)(第四三二五   号)  二四九 すぎたまばえを森林病害虫に指定に関   する請願(伊東岩男君紹介)(第四三二六   号)  二五〇 同(井出一太郎君紹介)(第   四三二七号)  二五一 農林漁業金融公庫法の一部を改正する   法律案の一部改正に関する請願(鈴木善幸君   紹介)(第四三二八号)  二五二 以西機船底びき網漁業及び遠洋かつを、   まぐろ漁業の許可等についての漁業法の臨時   特例に関する法律存続の請願(池田清志君   紹介)(第四三二九号)  二五三 台風常襲地帯における農林水産業の災   害防除に関する法律制定に関する請願(坂田   道太君紹介)(第四三三二号)  二五四 急傾斜地帯における土地改良事業費増   額に関する請願(石橋政嗣君紹介)(第四三   五九号)  二五五 病虫害防除薬剤購入費予算確保に関す   る請願(石橋政嗣君紹介)(第四三六〇号)  二五六 果樹の凍霜害対策確立に関する請願(   鈴木善幸君紹介)(第四三七九号)  二五七 砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時   措置に関する法律案の一部修正等に関する請   願(石田宥全君紹介)(第四三九七号)  二五八 同(中村庸一郎君紹介)(第四三九八   号)  二五九 農地開発事業促進に関する請願(助川   良平君紹介)(第四四三二号)  二六〇 治山治水事業の強化促進に関する請願   (山本猛夫君紹介)(第四四四〇号)  二六一 農薬による水産関係被害救済対策確立   に関する請願(井手以誠君紹介)(第四四五   二号)  二六二 すぎたまばえを森林病害虫に指定に関   する請願(中馬辰猪君紹介)(第四四五三   号)  二六三 牧野改良事業費国庫補助復活に関する   請願(木村文男君紹介)(第四四五四号)  二六四 農業災害対策確立に関する請願(高津   正道君紹介)(第四五〇○号)  二六五 農地改革の行過ぎ是正に関する請願(   眞崎勝次君紹介)(第四五〇一号)  二六六 同(楢橋渡君紹介)(第四五○二号)  二六七 天災による被害農林漁業者等に対する   資金の融通に関する暫定措置法制定に関する   請願(山本猛夫君紹介)(第四五〇三号)  二六八 国産麻産業助成に関する請願外三件(   高津正道君紹介)(第四五〇六号)  二六九 砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時   措置に関する法律案の一部修正等に関する請   願(野田卯一君紹介)(第四五四三号)  二七〇 同(中馬辰猪君紹介)(第四五六二   号)  二七一 同(纐纈彌三君紹介)(第四五六三   号)  二七二 東京穀物商品取引所における小豆強制   解合に関する請願(石田宥全君紹介)(第四   五四八号)  二七三 砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時   措置に関する法律案の一部修正等に関する請   願(牧野良三君紹介)(第四五七五号)  二七四 鷹の巣に貯水池建設に関する請願(三   宅正一君紹介)(第四六〇八号)  二七五 雪の観音郷開拓助成に関する請願(加   藤精三君紹介)(第四六〇九号)  二七六 亜熱帯園芸試験場を宮崎県南部地区に   設置の請願(伊東岩男君紹介)(第四六一一   号)  二七七 国産麻産業助成に関する請願(和田博   雄君紹介)(第四六一二号)  二七八 同(小山長規君紹介)(第四六一三   号)     —————————————
  2. 綱島正興

    綱島委員長 これより会議を開きます。  井上良二君外六名提出砂糖価格安定法案を議題といたし、審査を進めます。まず提案者の提案理由の説明を求めます。井上良二君。
  3. 井上良二

    井上良二君 それではただいま議題となりました砂糖価格安定法案につきまして、提出者を代表し提案の理由を御説明申し上げます。  御承知のようにわが国総合食糧対策の一環として進められて参りました食生活の改善に伴い、砂糖はもはや嗜好品ではなく、主要食糧として国民生活の土に大切な地位を占めるに至ったのでありますが、その価格は、需給の逼迫と輸入の不円滑により、著しく不安定で、しばしば騰貴し、国民生活に少からざる脅威を与えておりますため、特に脚下の経済事情にかんがみ、糖価の引き下げ安定が契緊の要務とされているのであります。  幸いにして最近、リンク制度の廃止その他の事情により、原糖価格はようやく低下しつつありますが、政府が今国会に提出しております砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置に関する法難案は、主として砂糖輸入による超過利潤の吸収にその目的を置き、糖価の安定についても、現在のままの高い水準でこれを行おうとしておりますため、同法の施行によっては糖価の引き下げを期待することはできません。  本法案は主として輸入された原糖を国が管理することにより、末端の現行取引機構に重大な影響を与えないで、糖価の安定をはかり、国民生活の負担を軽減することを目的としておるのでありますが、その内容とするところは、砂糖の輸入業者が輸入した砂糖は、すべてこれを政府に売り渡さねばならぬこととし、また、政府はこの買い入れた砂糖を精製業者及び販売業者に売り渡すこととしたほか、政府の買い入れ、売渡価格、必要な報告の聴取、調査等についての規定を設け、さらにこの買い入れ、売り渡しを食糧管理特別会計で行わせるため、同会計法の一部をも改正することといたしておるのであります。  以上がこの法案を提出いたしました理由及びその大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げまして、提案の理由を終ります。
  4. 綱島正興

    綱島委員長 質疑は後刻に譲りまして、一応との審査はこの程度にいたしておきます。
  5. 中村時雄

    中村(時)委員 この問題は最後にあけるように、「慎重御審議の上、」とありますが、直ちにこれを取り上げて云々という結論は出ないだろうと思います。そこでこれは継続審議としていただきたい。この内容の中には非常に重要は問題を多分に含んでおるわけです。たとえば現在すでに行政処置において二十数億の据え置きをやっておる。しかもこれが継続されていくとどういうふうになってくるかというと大きな問題となってくる。これは重要な問題である。そこでこれは慎重審議をする意味におきましても小委員会を設定して、一つ十分に審議をはかっていきたいと思うわけですが、お諮りを願います。
  6. 綱島正興

    綱島委員長 いずれこれはこの程度にして。御意見はよくわかります。  ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  7. 綱島正興

    綱島委員長 速記を始めて。     —————————————
  8. 綱島正興

    綱島委員長 とれより請願の審査に入ります。今国会において本委員会に付託になりました請願は二百七十八件であります。  これより請願日程第一上り第二七八を一括して議題といたします。  まず審査方法についてお借りいたします。各請願の内容は請願文書表によって御承知と存じますし、また先ほどの懇談会において詳細に御検討を願ったところであります。さらにまた本委員会に付託になりました法律案の審査の過程においで、あるいは重要な農林水産問題についての本委員会における調査の途上において、各請願に盛られております趣旨を十分尊重して委員会の審査に当って参りましたことは、各位の御承知の通りであります。従ってこの際各請願について紹介議員よりの説明聴取等のことは省略いたし、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、これより採決に付します。  日程第一より日程第一二、第一四より第二〇、第二二、第二四より第二七、第三〇より第三八、第四〇より第四二、第四四より第四八、第五〇より第五三、第五五より第五八、第六〇より第七四、第七六より第七九、第八二、第八三、第八五より第九一、第九六より第一一〇、第一一二、第一一三、第一一五より第一三九、第一四一より第一四五、第一四七、第一四八、第一五〇より第一六七、第一六九より第一八四、第一八六より第一八八、第一九〇より第二一一、第二一三、第二一四、第二二八より第二二九、第二三一より第二三四、第二三六より第二五一、第二五三より第二五六、第二五九より第二六四、第二六八、第二七二、第二七四より第二七八、以上の各請願はいずれも採択の上内閣に送付すべきものと決したい思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認めます。  次に日程第一八、第二九、第三九、第五四、第七五、第八〇、第八一、第九二より第九五、第一一一、第一八九、第二五二、第二六七、右の各請願はいずれも議員の議決を要しないものと決したいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。  なおただいま決定いたしました各請願に関する報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さように決定しました。  なおその他の請願につきましては、採否を保留いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 綱島正興

    綱島委員長 よってさように決定いたしました。  なおすでに御承知のことと思いますが、本委員会に参考のため送付された陳情書は、未墾土地買収計画反対に関する陳情書外七十件であります。右念のため報告いたしておきます。     —————————————
  14. 綱島正興

    綱島委員長 閉会中審査案件の申し出の件についてお諮りいたします。  本日をもって会期も終了することになっておりますが、明日以降の閉会期間中におきましても、農林水産業における重要問題について、引き続き審査または調査を行い、適時適当なる措置を講ずる必要があろうかとも思います。つきましては、一、食糧及び肥料に関する件一、畜産及び蚕糸に関する件一、農地及び林野に関する件一、漁港、漁船及び漁業制度に関する件一、公海漁業及び沿岸漁業に関する件一、農林業団体及び水産業団体に関する件一、農業災害及び漁業災害に関する件、一、農林水産金融に関する件。以上の案件について本委員会は閉会中審査をいたしたい旨議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に閉会中の委員派遣の件についてお諮りいたします。ただいま議長に申し出ることに決しました事項が、院議により本委員会に付託になりました場合には、その審査のため現地調査の必要が生ずることも予想されますので、その際はすべて委員長に御一任願って議長に対して委員派遣の承認を求めることにいたしたいと思いますが、この点御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  なおお諮りいたします。閉会中審査案件の調査のため、現在本委員会に設置せられている小委員会はすべてこれを閉会中も引き続き存続して、おのおのその所管に属する事項について調査せしめたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なおこの機会にあらかじめ御了解を得ておきたいと思いますが、ただいま閉会中も存続せしめることに決しました小委員会におきまして、小委員または小委員長に欠員が生じました場合には、特別な場合を除くほか、委員長においておおむね従前通りとして、その補欠を指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  19. 綱島正興

    綱島委員長 次に輸入飼料の問題について調査を進めます。質疑の通告があるのでこれを許します。足鹿覺君。
  20. 足鹿覺

    足鹿委員 これは農林大臣、大蔵大臣にも伺わなければならぬ非常に重要な問題でありますが、こういう会期末のことでもありますから、実務担当の方に伺っておきたいのでありますが、伝え聞くところによりますと、最近マイロ等がアメリカから相当量新しく入荷契約が成立して、現に入荷しつつあるという話でありますが、それはすべて飼料という名において入れられておるにもかかわらず、ほとんど酒造原料としてそのまま酒造会社等に回されるやに聞いておりますが、食糧庁はその実情を知っておりますか、また輸入計画は現在どういうふうになっておりますか。それをこの際明らかにしてもらいたい。
  21. 桑原信雄

    ○桑原説明員 ただいまのお尋ねはマイロの輸入と承知いたしましたが、食糧庁で輸入飼料として取り扱っておりますものの中にはマイロは入っておりません。従いまして私どもの方ではふすま、麦類、トウモロコシ、大豆は飼料需給安定法によってきまった項目になっておりまして、その数量も需給計画できまっておりますので、これにつきましては月々買っておりますけれども、マイロの方については私たち一切承知いたしておりません。   〔委員長退席、鈴木(善)委員長代理   着席〕
  22. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、その所管はあなた方は全然タッチしておらない。しかしわれわれの調べたところによりますと、大体輸入商社が丸紅並びに東京食品、兼松等に分れておりまして、その内容は七月十日ごろから八月にわたって、冬酒造会社にそれぞれの数量を着港別にちゃんとしたものが出ておるのであります。これは畜産局関係かは知りませんが、とにかくこれは飼料として輸入がなされておる。ところがそれによって外貨の割当を受けて、そのままこれが酒造会社に入っておる。これはあなた方は直接担当しておられないかもしれませんが、このような事実を御存じになっておるかどうか。今年は天候に恵まれてカンショの生産事情も非常にいいようでありますが、酒造用へのカンショの数量は大体三億貫程度と累年推定されておる。ところがこの約四万トンの輸入マイロはカンショに見積ると三千四百万貫程度のものに該当する。とのような大量のものがしかもカンショの出回り期にすでに入荷を見つつあるということは、一方は豊作気構えである。一方は競合作物が飼料と銘打って輸入されることによって、あなた方の所管の農産物価格安定法の対象となっております切りぼし等はおそらく重大な危機に直面すると思うのです。こういうことはあなた方が直接所管しておらないにしても、事実放任してよろしいかどうか。われわれが飼料需給安定法を作りました際には、明らかに附帯決議を付して、輸入の際に当っては競合物資の輸入制限と適切な対策をあわせ考えろということを、先般の農産物価格安定法を作った際にちゃんと附帯決議になり、政府もこれを実行することになっておる。ところがここのところ飼料の輸入問題は全く乱脈でたらめをきわめておる。飼料と銘打って入ったものが、私が指摘したように公々然と酒造会社に流されておる。その結果は農業の圧迫となり、競合農作物の価格に非常に大きな影響をもたらす結果になる。こういうことをあなた方が直接タッチしないにしても、今後の農産物価格安定法通用の責任はあなた方自体が持っておられる。これは捨て置けないと思うのです。畜産局が来ればもっとこの真相を究明できますが、その間の実情等については食糧庁は全然知られないのですか。担当であるとかないとかいうことは別問題として、この事実に対してどう対処されますか、この御所信はどうですか。
  23. 桑原信雄

    ○桑原説明員 私申し上げましたのは、食糧庁で現在扱っております品目といたしましては入っておらぬわけでありまして、直接の関係はいたしておりません。ただしマイロがえさとして入っておるということになりますと、これはいわゆる民貿で割当になっておるのではないかと思いますが、今お話のようにこれがいろいろな農産物に関係いたす場合、澱粉とか私たちの方にも関係のある仕事もあるわけでありまして、とうてい無関心でおられるものではありませんけれども、実は私あまりつまびらかにいたしておりませんので、えさの方の全般の方から一つお答えさせていただきたいと思います。畜産局の方でお見えになりましたので……。
  24. 足鹿覺

    足鹿委員 畜産局長がお見えになりましたからあらためて伺いますが、あなた方の所管に先年作りました飼料需給安定法があるのです。ところが最近その飼料需給安定法の運用は必ずしもよろしきを得てない。随所において非難がもう高まっております。そのやさきに、最近私どもが知るところによりますと、七月十日ごろから八月にかけまして約四万三千トン余にわたるマイロを飼料の名目によってアメリカから輸入して、これを公々然と東洋醸造等の酒造会社に酒造原料として回すことになっておる。ところが御存じのように、本年は天候に恵まれて水稲のみならず畑作物も非常な豊作であり、野菜などは前年の三分の一ないし四分の一のただ同様の暴落を続けておる。こういう事情の中にあって、カンショの出回りを前に控えて、イモは御存じのように約三億貫程度が酒造原料として大量に消費されておる。その競合物資としてのマイロを四万トンも入れますと、これを貫に換算すると三千数百万員に該当いたします。このよう血ものがこの時期に入ってくるとなりますと、あなた方の運用自体も間違いであるが、その結果は農民をどん底に突き落すような重大事態が起きるのです。それでなくても豊作で安値期待で、野菜は今述べたような事情で全く問題にならない。続いて出てくるカンショに対しては、こういうことをほっておいて、飼料として入れたものを酒造会社に流すなんて、あなた方はそういう行政指導をしていらっしゃるのでありますか。一体この事実にどう対処なさるのですか。大体このごろの飼料の取扱いというものはてんでなっておらない。これはもっと時間をかけて、この問題と本格的に取り組みたいと思っておりましたが、時間がありませんので本日は特にカンショが出回り期になって一おるので、この点だけに集中してお尋ねいたしますが、畜産局長いかがでありますか。
  25. 原田傳

    ○原田政府委員 ただいま御指摘にあずかりましたマイロの輸入の問題でございますが、私どもの立場といたしましては、従来もある程度マイロがえさ用として入っておりまして、これがアルコール原料等の他用途に回るという傾向はあまり見受けられませんでしたので、こういう行き方でいけるものというふうに考えておったのでございますが、ただいま御指摘のように、本年度に入りまして相当数量が輸入され、しかもえさ用以外に回っておるという事実が発生して参りましたので、この問題につきまして私どもの立場並びに国内の農業に対する影響等、各方面からこの問題につきまして対策を考えなければならないというふうに考えで、目下内部におきましてこの問題につきまして検討を進めておるという状態であります。
  26. 足鹿覺

    足鹿委員 検討されることはけっこうでありますが、これはその方面でははっきりしておるのです。七月十日ごろすでに入船済みのものが六千九百トン、東洋醸造、日本酒類、宝酒造、三楽酒造、その他もうすでにこれは入っておる。それから八月入船予定のものについては大体九千五百トンというふうに、あなた方が飼料として割当てたものが公然酒造原料として回っておるのですよ。それを今検討するとは一体何事ですか。それでは、飼料で安い別途の外貨割当をしておるのでありますか。大体最近の飼料のやり方というものは、局長このままではいけませんよ。これは歴然たる事実でありますから、否定される余地はなかろうと思う。一体こういうことを、あなた方畜産局は見て見ぬふりをしておられるのですか。不当ではありませんか。今述べたように、農村はほとんど恐慌寸前の状態です。もしこういう事態がさらに続いていけば大へんなことになります。畑作産業は壊滅状態になりますよ。そうなれば結局農産物価格安定法の発動によって、国費をもってこれを救済していかはければならぬ。その利益を一体だれが占めるのですか。酒類会社がみんな占るめのですよ。その損害は国家と農民が背負う、こんなばかな話がありますか。飼料需給安定法の運用は一体どうしているのですか。私は明らかに不当な運用であると思うのです。検討ではないですよ。この事実を知っておられたのか。知っておってなおこれをやられた理由は一体どこにありますか。
  27. 原田傳

    ○原田政府委員 私の説明がちょっと足りなかったと思いますので恐縮に存じておりますが、マイロの輸入の方式でございますが、これはAA制、俗にいう自動承認制になっておりまして、その自動承認制に基きまして国内の需要に応じた輸入が行われる、こういう方式になっておるわけでございます。その場合えさ用であるかどうかということにつきましては、自動承認制でございますので、これにつきましてこれをチェックするという方法は現在設けられておらない、こういう状態でございます。えさ用とその他の場合との違いは、えさ用としてこれが加工されました場合には現在五%の関税がかかっておりますが、えさ用として植われました場合にはその五%の関税が免除される、それ以外の場合は五%の関税がかかる、こういうやり方になっておるわけであります。従いまして、さようなAA制をこのまま放置しておいでいいかどうかという問題、あるいは五%の関税というものがこれで適当であるかどうかということにつきまして検討を加える必要がある、かように考えておる次第でございます。
  28. 足鹿覺

    足鹿委員 自動承認制ということはあなた方はこれに対してはノー・タッチだということですか。ある一つの方針がきまれば、それによってあなた方とは別途の自動承認制によって入ってくるから、自分らは手をつかねて見ておるというのですか。あなた方の主管のマイロにしろ、トウモロコシにしろ、輸入飼料として入ってくるのです。現に食糧庁は自分たちの所管外だから知らないと言っておる。しかし最終的には、食糧庁が農産物価格安定法によってしまつしていかなければならぬ。大体飼料として輸入されたものが実需者に渡らないで、公々然として他の目的に使う酒造業者に渡るということが放任されておってよろしいかどうかということなんです。われわれが飼料需給安定法を作った際に、年間大体二十六万トンから二十八万トン輸入する、そしてそれに対しては八十億内外の金を投入して政府がその飼料を市場操作することによって飼料価格の安定をはかろうということになっておった。当時われわれが問題にしたのは、これはなかなか実需者にいかない、これに対するいろいろ血修正点も考えたが、あの当時の審議の状況から、そこまで徹底した措置が講じられなかった。案の定、このごろはほとんど実需者には行っていない。競争入札ということになっておりますが、ほとんど大飼料会社がその大部分を独占しておる。そして多くの飼料会社は飼料需給安定法によって政府が払い下げでいる需給操作用の放出飼料の中間をかすめることによって生計を維持しておるような、いわゆる中間機関がさらにある。そして実需者たる農民には渡っておりません。渡っておっでも、非常に高価なものになって渡っております。それなればこそ、各地からごうごうたる非難が起きておる。そういうように、従来からの飼料需給安定法の不当な運用が行われておるやさきに、またぞろこういう事態をあなた方が黙認したというととは、畜産局は何のためにあるのですか。畜産農民をほんとうに保護して、畜産の振興をはからむばならない時代に、それとは逆の方向をあなた方がとられようとしておることは、私ども納得がいきません。畜産農民自体にも非常に問題がありますが、今当面しておる競合農作物との関係において恐慌状態が起きますよ。こういうことを放任しておけば、その責任はあげてあなた方の責任ですよ。とにかく飼料として入ったものが公然と他の目的に使用されることについて、あなた方はこれに対してどう措置いたしますか。今まで入ったものはともかくとして、今後入ってくるものに対しては、本来の飼料としての目的に達するようにこれを措置する用意がありますか。すでに七月十日に六千九百トンというものが入っておるが、今後入ってくるであろう八月入船予定以降のものに対しては、特別措置をもって、今私が指摘したような最悪の事態が起きないような万全の措置を講ずる用意がありますか。
  29. 原田傳

    ○原田政府委員 御指摘の点につきまして実情を申し上げたいと思いますが、自動承認制という仕組みでございまして、それは飼料として入った場合だけが自動承認制、こういうことではございませんで、マイロというものは、えさ用であっても、あるいはその他の用途であっても、自動承認制で外貨の割当が要らない、こういう仕組みになっておるわけでございます。従って飼料として入ったものが他の用途に流れるということではございませんで、一方において飼料用の需要に応じたものが自動承認制で入ると同時に、他の用途のものも自動承認制で自由に入ってくる、こういう状態になっておるわけでございます。  それから次に飼料需給安定法との関係でございますが、マイロも輸入飼料の一種でございますが、現在のところ、この需給安定法で、その法律の適用を受ける輸入飼料という範囲にはまだ加えてございませんで、自動承認制で、えさ用として必要なものは必要に応じて輸入されるという状態になっておるわけでございます。  最後に、御指摘のようなマイロが自動承認制という制度で相当大量に入ってき、それがアルコール原料という形でイモの価格に悪影響を与えるという問題につきましては、私ども畜産の立場では、えさの問題としてこれをどう扱うかという立場にございますし、また省内の他の部局におきましては、イモの問題としてどう扱うかという立場もございますので、これらをまとめまして農林省として適切な対策を講じなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
  30. 足鹿覺

    足鹿委員 その適切な対策を立てていただくことはけっこうなんです。それを私はやってもらいたいと思って質問しておるのですが、現にもう問題は切実に来ておるのでありますから、今まで入ったものに対してとやかく言ってみたところでこれは業者の手に渡ってしまっているのだから……。ですから今後のものに対して具体的にはどうしますか。あなた方はこのマイロの輸入計画というものについては、当初から御存じになっておったのでしょう。その結果がこういう重大な事態を起すことをあなた方は知っておってやられたのですか。知らないでもしやられておったならば、私が言っておるように、当然これは措置されるのが当りまえなんでしょう。私はこれからまた飼料問題は一般論としてやりますが、今後の八月入船予定以降のものに対しては、本来の飼料にこれを回すのか、とにかく農産物価格安定法の審議の際の附帯決議の趣旨に基いて処置されるのか、されないのか、これはあなたが答弁できなければ、食糧庁と協議して責任のある答弁をしていただきたい。食糧庁はそういう意味において関連があると思う。
  31. 原田傳

    ○原田政府委員 マイロが私どもの担当しておりまするえさの需給計画としてはどういうふうになっておるかという点をまず申し上げますが、この点につきましては、トウモロコシ及びコウリャンというふうに一括いたしまして、国内におけるえさの需給の見通しを立てておるわけでございまして、その双方とも自動承認制になっておりますので、えさ用として必要なものは順次入ってくる。その入り方は、不足な場合にこれを補うという意味をもちまして、飼料需給安定法による政府の輸入払い下げを行う、こういう建前になっておるわけでありまして、飼料用以外のマイロの輸入という問題について私どもの立場としては触れておらない、こういう状態でございます。そこで申し上げましたように、えさの立場のことだけではこれは参りませんので、省内の関係部局と打ち合せをいたして、至急にこれに対する対策を講じなければならぬというふうに考えて、進めて参っておるのでございますが、今日のところ、具体的にではどういう措置をとるかということにつきまして、省内の相談がまだまとまっておりませんので、ここで申し上げることができませんのはまことに遺憾でございますが、この点は御了承いただきたいと思います。
  32. 足鹿覺

    足鹿委員 そうするとあなた方は飼料とは別ワクにおやりになったのですか。そうじゃないでしょう。私どもの調べたところによると、これは飼料としてはっきり入っておる。それでは何の名目でこれは入ったのですか、こういう事態は御存じないはずはないと思う。
  33. 原田傳

    ○原田政府委員 私どもの承知しておりまする点では、御指摘の現在醸造アルコール原料等に回っておりまするマイロは、えさ用として入ったものが回っておるということではございませんで、えさ用はえさ用として自動承認制によって輸入が行われ、他の用途といたしましてマイロが別途に輸入されておる。こういう状態に私ども承知をいたしておるわけでございます。
  34. 足鹿覺

    足鹿委員 そうすると、他の用途に回すマイロとしてこのたびの四万トンはあるわけですね。あとで食言問題が起きはいように頼みますよ。他の用途に回す目的で入れられたのですか、そうじゃないでしょう。それじゃ他の用途に回すものとしてこの四万二千トンのマイロは、その主管はどこが持っておるのですか。だれがそういう計画を立てて、どういう指示を与えたのですか。畜産局は全然それを知らないのですか、そうじゃないでしょう。
  35. 原田傳

    ○原田政府委員 えさ用として輸入しますマイロが他の用途にもし回っておってはたいへんだ、こういうふうに考えまして、大蔵省方面と連絡をとってみたのでございますが、えさ用として輸入されたものは間違いなくえさ用として使われておる、こういうふうに大蔵省から報告を受けております。それから他の用途のマイロの輸入でございますが、他の用途でございますので、私ども畜産局としてはその輸入にタッチする立場ではないのでございますが、しからば農林省のどこであるかという点でございますが、私どもの承知しておりますところでは、農林水産物の輸入の担当であります農林経済局がこの問題についてはタッチするという立場に立っております。ただ、これは申し上げましたように自動承認制でございますので、一々の輸入の計画に基きまして外貨を割り当てるというような手続は要らないという方式になっておる実情でございます。
  36. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、これはあなた方の所管外ではあるが、同じく農林経済局でこのものに対しては大体計画を立てたわけですな。そうすると、これは大蔵省と農林経済局が——これは農林経済局となればますます重大な問題ですよ。農林経済局は元来農民の生活を守り、経営の安定をはかるその枢軸になる行政機関ですよ。農林省の中でも一番重大な機関じゃないですか。そのものがこういう計画を立てて、事実上日本の畑作に致命的血、壊滅的な打撃を与えることについてやったということになれば、事は重大ですぞ。あなた方がそういう御答弁をなさるなら、農林大臣以下関係の人に出てもらってとことんまでやらざるを得ない。農林経済局があなた方に合議されなかったか。あなたはいろいろ御答弁なさっておりますが、そういうことについて合議を受けておりますか。私どもの聞いたところでは、マイロの輸入は飼料という一つの範囲においてやられたということなのであなた方の御足労を願ったのですが、あなたの答弁からすれば、これは農林経済局に一つ速急に出てもらって対決してもらいたいと思います。
  37. 原田傳

    ○原田政府委員 このマイロの輸入の計画というお話でございましたが、私ども先ほど申し上げました趣旨は、このマイロのえさ用以外の用途に関する輸入の調整の役目をいたす原局は農林経済局であって、これのいわゆる需要原局は大蔵省になっておる、こういうことでございます。
  38. 足鹿覺

    足鹿委員 そうすると、その大体の企画をやるのは農林経済局がやるというふうに言い直されたわけですね。そうすると、この飼料以外の他の用途に供するものというのは、このたびの四万二千トンのマイロの輸入の問題は、大蔵省のいわゆる飼料関係がこれをやった、こういうわけですか。
  39. 原田傳

    ○原田政府委員 重ねて申し上げまして恐縮でございますが、マイロの醸造用の需要という問題につきまして、その需要の面を直接監督いたします立場にあるものが大蔵省でございます。その輸入につきましで農林水産物の輸入という面で必要に応じて調整をする、こういう役目を持っておりますのが農林省では農林経済局になる、こういう状態でありまして、あらかじめ他用途に幾らを入れるという計画を農林経済局が立てたということではありません。
  40. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは一つ資料を出して下さい。最近においてあなた方が計画を立てて、それがどういうふうに種類別に輸入の実績が行われて、それが飼料需給安定法に基いたものと他の方法に基いたものとその仕分けをして、そしてそれがどういうふうに実需者に流れておるかということ、それらに関連するものと、需給安定法外の今のあなた方が相談を受けて入れようと計画をしておる飼料関係のもの、その他のもの、そういった飼料関係の輸入の計画とその実績、今後の見通しといいますか、そういったような資料をとにかく夕方までにもらいたい。きょうは時間がないし、どうも幕切れの寸前で、私もこれ以上申し上げてもあなた方の責任において解決がつかぬと思うのですが、食糧庁に伺いますが、今お聞きのように畜産局もあなた方も知っておらぬというのです。ところが事実上は畜産関係においてもあなた方食糧関係においても関係のあるのは、やはり飼料需給安定法の面において畜産局は関係がありますし、あなた方は農産物価格安定法によって大きな関係が出てくる。これを至急に関係者が対策を立てられて、その結果を小委員会あてに報告してもらう。もう八月もすぐですから、とりあえず農林委員長あてに正式の報告を出す、また私どもにもその結果を郵便その他によって、どういう措置をとったかということについて速急にお知らせを願いたい。きょうのところ、どうもこれ以上いたしましても結論は出そうもありませんが、これは放任を許さない非常に切迫した問題でありますので、十分に上司にも報告をせられて、善処せられんことを期待いたまして私の質疑を一応終ります。
  41. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員長代理 楯委員
  42. 楯兼次郎

    ○楯委員 畜産局長が出席をせられておりますので簡単にお聞きしたいと思いますが、酪農振興法に基く地区の指定でありますが、どうなっておるか、お知らせを願います。
  43. 原田傳

    ○原田政府委員 酪農振興法に基きます集約酪農地域指定の問題でございますが、今までの状況を申し上げますと、全国から約七十にわたります地区の指定の申請が出て参りまして、それぞれの申請の内容につきまして十分に審査を加える必要がございましたので、自来関係の専門家がその審査に当って参ったのでございますが、大体そう遠からぬうちにその結論を出し得るのではないかという状態になっておるのであります。
  44. 楯兼次郎

    ○楯委員 七十二カ所申請をしておるそうでありますが、一体本年度何カ所指定をするのか。それから、もう予算も通過して、発表の時期に私はあると思うのですが、大体の目安を、いつごろ発表なさるのか、お聞きをいたします。
  45. 原田傳

    ○原田政府委員 予算もできておりますので、私どもといたしましては、できるだけ早く審査の結論を得たいというふうに努力して参りましたものでございますが、非常に数多くの地区でございましたために、大へんおくれて申しわけないのでございますが、申し上げましたように、近いうちにその結論を出し得るというふうに見通しを立てておる次第でございます。個所数につきましては、当初提案になりました予算案の内容では、集約酪農地域の予算といたしまして二十三地区分が見込まれておったのでございますが、その後国会におかれまして同じ内容の機械購入費の補助が二十セット分御修正になりましたのであります。いわば二十組の機械購入費補助の御修正があったのでございます。その後さらにこの二十組の機械購入費補助の内訳につきまして、この修正の意味合いとしては、その一部分で種の購入費の補助を考えるようにというお話がございましたので、その後どの程度機械の分を残して、どの程度を種の方に回すかという問題が残っておりますから、これも目下並行いたしまして大蔵省当局と事務的に打ち合せを進めておる次第でございます。その結果場合によりましては二十三地区のほかに新たに修正になりました分で若干の地区をふやさなければならぬかという問題も残っておるという状態でございます。
  46. 楯兼次郎

    ○楯委員 私、こういう問題はしろうとでありますので次のようなことをお聞きしたいと思います。  地区が指定になりますと、いろいろの製品であるとか、牛乳の取扱いとか施設というようなことが問題になって参りますが、その地区の特定の個所にそういう個所を指定するとかいうのは、農林省によって自主的にきめていくのかという点がちょっとわかりませんから、御説明願いたいと思います。
  47. 原田傳

    ○原田政府委員 集約酪農地域として指定をいたします場合に、その地域の計画というものを立てるわけでございまして、その計画を農林大臣が適当と認めました場合に指定をするという仕組みになっております。その計画の中に一定範囲の地域というものを考えまして、そこに乳牛を何頭将来は入れる、五カ年計画とかあるいは七カ年計画ということで集約的にその地域に乳牛を投入しまして、そして集約酪農を営む、非常に密度の濃い酪農を営むということになりますと、自然生産されます牛乳の処理、加工、販売の問題が計画の中にも現われて参ります。これは都道府県知事が地元の意見を聞きまして、適当な場所にこういう中心的な工場を置く、あるいは集乳施設を適当な個所に設けるというようなことにして参りますので、おのずから計画の内容として、さような施設をどこに置くかということもきまって参る、こういう仕組みになっておるわけでございます。
  48. 楯兼次郎

    ○楯委員 七十二カ所の申請があって、大体二十三を上回っても少しである、こういうように畜産局長の説明では私どもは受け取れるわけですが、そういたしますと、これの指定について担当者としては非常に困難が伴うだろうと思います。ここで一つお聞きしておきたいことは、あまり政治的な考慮が入りますと実情に沿わなくなると思います。従ってそういうことでなければ、たとえば一つの県で二カ所なり三カ所なり指定をするというような結果も生まれてくると私どもは推量をいたしておるわけでありますが、そういう点についてはどういうふうにお考えになっておるかお聞きしたいと思います。
  49. 原田傳

    ○原田政府委員 指定になりました場合は、その計画に基いて五日なり七日なりの間に計画通りの仕事を行うという、いわば義務づけられるわけでございますので、私どもといたしましても、指定の結果、その内容である計画が間違いなく実現できるような妥当なものであるかどうかということに主眼を注いでおる次第でございまして、その結果適切な計画であって、これはその通り行けるという判断のできましたものをまずピック・アップするという建前になっておるわけでございます。全体の申請個所数に対しまして、指定し得る範囲が少いという問題もございますが、さような考え方で計画の内容の適否ということを主眼にいたしまして、その結果をまとめたい、かように考えている次第でございます。
  50. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ただいまの楯委員の質問に関連して伺いますが、畜産局長のお話では、まだ地区の指定がきまらぬとのことですが、大体いつきめるのですか。たとえば草地改良の機械を入れるにしても、とんでもない秋ごろになっては今年に間に合わぬではないですか、特に積雪地帯においては一年延期という事態になるのです。二十三地区くらいきめるのになぜひまがかかっているのか、われわれの関知している限りでは、最初の酪農振興法に基くこの計画と現在の構想が非常に変っているというふうにも考えられる。単に今日においては草地改良だけに重点を置くような形で、しかもこれは地元の負担分というものが非常に多いようにも聞いているわけです。現在では、当局としては地元に対して、地区指定をした場合に条件として大体どのくらいの金網で受け入れ態勢を整えさす目途でいるのか、そういう点をもう少し具体的に御説明願いたいと思います。
  51. 原田傳

    ○原田政府委員 指定の手はずが非常におくれましたことにつきましては、まことに申しわけないと存じまして、おわびをいたす次第でございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、ごく近い期間のうちにこの指定の手続ができるというふうに見込んでいる次第でございます。指定の結果は地元の負担関係がどうなるかという点でございますが、確かに当初酪農振興法に基きましで計画を立てました際は、いろいろと内容を考えておったのでありますが、現在成立しました予算におきましては、結局のところ、草地の改良が主眼になりまして、その方法といたしましては、都道府県に対しまして機械の購入費の補助をいたす、それが購入費の二分の一の補助でございますので、残りの二分の一を都道府県の負担で参る、こういう行き方になります。購入した機械によりまして、実際に草地の改良を行う場合に、一定の方法で計算をいたしました妥当な使用料というようなものを徴収する、こういう行き方になるのでございます。
  52. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そういたしますと、地元で受け入れ態勢ができなければ指定ができないという関係になるわけですね。こちらで一方的に指定をしても、地元として受け入れ態勢ができなければ補助は出せないということになるのですか。そういうことになりますと、今全国的な趨勢は、当初は非常に地区指定に対して熱望が面かったわけですが、最近はそういうことであれば、単に草地改良に対する機械の導入ということであればというので、非常に受け入れ側においても態度が消極的になっているというふうにも聞いているわけですが、そういう数字はどうなっているのですか。
  53. 原田傳

    ○原田政府委員 その問題につきましては、これは実は地方によりましていろいろ事情も違う点もあるようでございます。たとえば極端な例を申し上げますと、一地区だけを申請しておられるという場合におきましては、それに対しまする地方の負担というものは金額的にも多くございませんから、従来からも続けて押せるだけの程度はあるということを言っておられる向きもあります。しかし申請地区数が多いような場合になって参りますと、もしかりに全部指定されたら負担し切れないという心配があるというお話も想像されるわけでございますが、現実には全国的に個所数を相当しぼられておりますので、結果におきましては大体今まで地方の模様を伺っておりましたところでは、負担にたえられないために指定の資格があるものを見合わせるというような問題には、大体ぶつからずに済むのではないかというふうに私どもは観測いたしているわけでございまして、その点につきましては、地方の財政事情等も十分に考えて、無理のないようにいたして参りたいというふうに考えているわけでございます。
  54. 芳賀貢

    ○芳賀委員 大体一地区に対して、もちろん同一額ではないと思いますが、七百万ないし九百万くらいの間というふうに考えているのでありますが、そんな程度ですか。
  55. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員長代理 次に農協の運営に関する問題について調査を進めます。淡谷委員
  56. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 農林省にお伺いいたします。この前の委員会でいろいろ検討いたしました福島県の田人の農協の事件であります。いろいろ御調査も進んでおると思いますので、私どもの方でも若干押えた資料がございますので、その後の経過とこれに対して今までとられた処置等についてお答え願いたいと思います。
  57. 和田正明

    ○和田説明員 前回御報告を申し上げましたことと、その後調査をいたしましたこととあわせまして御報告を申し上げます。  田人村に県から示しました融資のワクは、償還期限五年のものが六百五十四万円、償還期限二年のものが八十万四千円で合計七百三十四万四千円でございます。同農協は昭和二十九年の五月七日に信連からこの資金を借り受けをいたしまして、法律によります最終の貸付期限までに七百三十四万四千円を個人に貸付をいたしております。個人の貸付を受けました対象農家数は百七十九戸でございます。との七百三十四万四千円のワクについて、実際に個人に貸付がなされていないのではないかという点が先般来御質問の問題点の一になっておったのでありますが、この点につきましては、信連に担保預けがしてございます貸付証書を取り寄せまして、個人別に数字を当りましたところ、七百三十四万四千円という貸付はそのまま個人に貸付が全部できておりまして、その間の金額には差は認められませんでした。  それから全国的な他指導方針として、先般も申し上げました通り、災害の営農資金につきましては、貸付を受けましたものについてそのまま全金額を別段預金として預け入れ、その必要の都度これの払い下げをして使用をいたしますよう行政指導をして参っておるわけでありますが、この七百三十四万四千円は、貸付と同時にそれぞれ百七十九戸の個人名義で預金通帳になっておりますが、本年の六月七日現在におきまして、なおとの預金通帳に百七十二万三十八円という金額が引き出しをされずに残っております。この個人別の貸付金額あるいは貯金残高等についでも個人別に調査をいたして参っておりますが、そのことに関連をいたしましては、あとで金利の問題とからませて申し上げたいと思います。  それから金利につきましては、利ざやが取られておるのでは血いかという点が問題にはっておったのでありますが、個々の貸付の証書を調べ、また実際の返済金等を調べたのでありますが、金利について農協が別途に利ざやを取っておりました事実はないようであります。ただ先ほど申しました五年期限の六百五十四万円は金利が三分五厘であり、二年資金の八十万四千円は六分五厘でございますのでそれらが農家によりましては組み合わせて貸付をされておりますので、個人としては三分五厘でなしに、全体としてはやや高くなっておるのもありますので、そのことと三分五厘の貸付との問題が誤解を生んだのではないかと思います。しかしながらこの個人別の貸付の実態を調査をいたしますと、経営規模と村長の認定をいたしました損害額との間に必ずしも均衡がとれておりませんし、また預金の通帳になお相当な数字が残っておりましたり、また三分五厘ものと六分五厘ものとの貸付の比率が個人間においでバランスがとれておりませんで、それらの間に貸付として適正でなかった事実は認めざるを得ないというふうに考えられます。  大体以上の通りでございますが、先般も申し上げました通り、貸付をいたしましてから丸一年を経過いたしまして、なお百七十万何がしの資金が残っておるということ、そしてまたその大部分が非常に高額の貸付を受けた個人の預金通帳に残っておるということは、貸付が不適正であってのみならず、不必要な資金の貸付が一部の人になされておるということは事実でございますので、この部分については、繰り上げの償還措置を指示いたしました。  なお一部の者がこの資金を利用して家畜を導入いたしましたことについても調査をいたしたのでございますが、との点につきましては、先般も述べましたように、この村が非常な高冷地であり、今後例年続きます冷害を克服いたしますために、多角経営をやっていかなければいけないということは認めざるを得ませんし、またこの資金の導入以前に相当綿密な家畜導入計画も立てられておりますので、このお金で家畜を導入したごとそのことについては、必ずしも法の趣旨に照して不適当だと一がいにきめつけることもいかがかと考えますが、先ほど申しました個人別の貸付の不適正な問題とからみまして、不適正なものが家畜の購入資金に充てられておるものも一部あるというととは事実であると思います。  大体以上でございますが、法律の制度論上、貸付の時期がなお余裕がございますれば、行政指導をいたしまして、不適正な貸付を適正化するように、貸付のし直しの指導をいたすのが当然であろうと思うのでございますが、貸付の期限がすでに経過いたしておりますために、これの適正化はもう今からいたすことが事実上不可能でございますので、ただいまとり得る手段としては、預金としてなお残っておりまする百七十万円は、貸付の不適正分として償還を命じますとともに、利子補給の補助金の支払いをとめるという措置のみしかとれないと思います。なお今後はこういう貸付が、この村にも、もちろん全国的にもないように、いろいろな方法を通しまして強力な行政指導をして参りたいと、かように考えております。
  58. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 実は請求いたしました資料をいただきましたので、現地について個々の農民と突き合せてみました。問題は、あなた方がお集めになった個個の証書の金額と貸付けた金額が合っておるという点にはとどまりませんので、その証書が果して真実のものであるかどうかがここに論ぜられなければならない。特に困っていた農民がせっかく貸してもらった災害の救助資金の中の百七十万円という多額のものを、貸付の期限が切れるまで預金しておくはずがない。しかも一方におきましては、村の中では、貸付が受けられなくて非常に因っておる百姓が、この問題を摘発しているのであります。その点で何か疑点を持たれてお調べになっておりませんかどうか。田人村では百七十万円の貸付金額を使わないで、預金をしたまま、一方においては多くの百姓が貸してもらえないといって非常に嘆いている。こういうふうな矛盾がどこから現われたかという点を深く御追及になっているかいないか、お聞きしたい。
  59. 和田正明

    ○和田説明員 ただいまの御質問の点でございますが、必ずしもはっきりとわかりませんが、次のようなことは推測ができるかと思います。それはこの田人村の農協が、非常に古い旧債でありますが、木炭の原木の購入資金を元金百五万千二百四十二円と、遅延利息三十二万六千八百四十九円の合計百三十七万八千九十一円という金額を、この七百何万かの営農資金を信連から借り入れいたしました二十九年の九月七日以前の二十九年の三月二十九日から四月八日の間におきまして、非常に古い旧債の支払いをいたしておるのであります。この事実について調査をいたしましたところ、一部の金は酪農協から借り受け、一部のものは村長個人から借り、なお不足の分につきましては農協の建物を村に売却をいたしまして、村が購入をする、これは村会の決議を経ておりますが、それらの方法を通じましで百三十七万八千何がしという元利合計分を償還を済ませておるのであります。百七十万という預金通帳の残高は、この金額よりはやや大目に残っておりますから、百七十万何がしという預金通帳の残高が残っておることそのことが、すべてこれと関係があるとは思いませんが、少くともその部分につきましては、農協が旧債を償還いたしますために、他の団体あるいは個人名義で借り入れましたものを、この七百三十四万四千円の中から立てかえて、個人の借金の返済に充てましたために、実際上は預金に残っておる百七十万何がしのうち、百三十七万八千九十一円というものは、事実上農協の経理としては現金不足になっておるのではないかということが考えられますし、ただいま申しましたように百七十万のうちの大部分は、そのような形で旧債の返還に充てるために、使用されたのではないかというふうに考えております。
  60. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 基本的な問題でございますが、農協はその運営にまずいところが出まして、非常に困った状態になっておる。そこでさまざまな営農資金が貸し付けられた場合に、信連の方では借金を返さなければその金は貸し付けないといわれる。仕方がないから、個個の農民に貸し付ける金を貸し付けないで、貸し付けたていにこしらえて、信連に預けております。それで残りの部分を借りてくるといったような方法がずいぶんとられておるように私どもは全国的に見受けられますが、こういう考え方をお許しになるつもりかどうか、その点をはっきり確かめておきたい。それと私農協に行って調べた場合は、確かに方法としては正しくなかった。けれどもこれより以外に道がなかったし、個人の利益をはかったのではなくして、農協の利益をはかったんだから、このようなことをしてもあえて悪くはないと、少しも意識において反省するところはございません。農協といいましても、一つの団体としての不正を行なってはやはり不正だと思う。個人が不正をやっても農協が不正をやっても、不正は不正であります。このような不正の状態を、農協であるがゆえに見のがしておかれるかどうか、それなども今後の問題といたしましてはっきり方針を伺っておきたい。
  61. 和田正明

    ○和田説明員 御承知のように災害の際の営農資金の貸付につきましては、利子補給あるいは損失補償等の措置を国としてとっております趣旨は、災害によりまして次の再生産の資金に困っている農家を救済しまして、今後の生活のめどを与えようという立場の立法措置でございますので、その場合に当該個人が加入をいたしておりまする組合に旧債があるような場合、信連なりあるいは中金なりの系統の両機関が、それをたてにとって、営農資金の融通を事実上不可能に陥らせるような措置はとらないようにということで指導をいたして参っておるのでありますが、この村のみならず、御指摘のように幾つかの村につきましては、やはり信連が金融機関的な立場を強調し過ぎました結果、同じようなケースが出ておるように見受けられますのは、私どもとしては非常に遺憾に存ずるのであります。今後の貸付につきましてはこういうことのないように、旧債の問題とこの営農資金の貸付の問題とを分離した処理ができますように、信連あるいは中金等をも十分指示をいたしますとともに、単協につきましても、ただいま御指摘のような無反省の運営をなされませんような指導を強化して参りたい、かように存じております。
  62. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 さっきお答えがございました百七十二万三十八円という預金を、未貸付の部分として繰り上げ償還を命ずる、繰り上げ償還せられますと、率直に申し上げまして、福島県の県信連の田人村に対する担保が失われるというととは想像できる。そうしますと福島県の県信連は繰り上げ償還をいたしました部分について、この借用書を出しております個々の農民に請求をするのが当然だと思いますが、そういうことはお考えになりますかどうか。もう一つその請求をしました場合に、思わざる刑事上の問題が続発する傾向にあるのでございますが、御調査はその点まで進められたかどうか伺いたい。
  63. 和田正明

    ○和田説明員 繰り上げ償還の処理をいたしました場合には、当然これだけの金額がそれぞれの個人名で預金通帳に残っております関係上、単協としてはその預金通帳の残高を落せば足りるのが本来の経理上の建前であります。個人に請求すべき筋のものではないと思います。なおそのような措置をしましたことによって刑事事件が発生するのではないかというお尋ねでございますが、その点については必ずしもまだ承知はいたしておりませんので、実際に繰り上げの償還の過程でそういう問題が起ってくるといたしますれば、刑事上不正のことがあれば、これはまた警察の手で調べられることもやむを得ないのではないかと思います。
  64. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 重大な点でございますから確かめておきたいのですが、金融課長の今の御答弁だけでは私はまだ十分ではないと思います。なるほど預金に入っておるのですから、単協はその預金分を出せばよろしい。個人には請求しない、こう言いますが、との預金というのは単協の自由になる預金ではございますまい。担保に入れた預金なんです。従ってこの預金の見返りとしましては、単協は個人々々の借金証文ですから、この証文はやはり未償還になっております。そうすると単協が請求しようが、福島県の県信が請求しようが、いずれはこの証書を出した個人個人の農民に請求がいくということはお考えになりませんか。これは余った貯金ではありません。やはり借金をして貯金をした形になる。その貯金はなるほど県信連と単協との間には相殺ができますけれども、単協から県信に入れたこの負債の担保がなくなるじゃありませんか。これを黙って見ていましょうか。その点いかがですか。
  65. 和田正明

    ○和田説明員 お尋ねの御趣旨は、信連に単協から担保に入れてありますのは借用証書でございますから、預金通帳は担保に入っておるわけではないわけでありますが、実際問題として整理をいたしますれば、結局単協と信連との間に旧債百三十七万円を含めた約百七十万円が、国が補助金を出して金利の補給をし、ないしは損失の補償をするような借金ではなしに、別個の単協と信連との間の一般的な債権債務関係に振りかえるという形になると思います。従って個人の預金証書の残高を落すということの経理上の問題は、個人が現金を負担をしで支払いをするということではなくて、単協という法人格が信連に対して、営農資金の貸付の資金源としての金ではなしに、何か別個の運転資金を新しく借りた形で整理をしなければならない、こういう問題であります。従って旧債を一たん返しはしたけれども、ただ新しい借り入れによってそれを借りかえて整理した、こういうことになると思います。
  66. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 大へん簡単に考えておられますけれども、そんなことができればこういう無理な証書の整理をしたり預金の形で残したりすることはしない。結局この預金をはずしてしまえば証書だけは残りましょう。福島県信は証書までも返すというのではないでしょう。そうしますと、この証書は生きていきます。一方この証書に見合うような現金は失われます。繰り上げ償還されます。農協としては百七十二万三十八円というものははっきり借方になります。そうすると、やはり農協としても経済団体ですから、いつかはこの借方を清算しなければ運営が立っていかない。そのときはやはりその証文が仮装の証文ではなくなることはお認めでしょう。県信に入っている百七十万幾らかの個人々々の借用証文というものは、決して単なる運営資金の操作上の仮装せる証書じゃなくて、実体を伴う証書であることはお認めになるでしょう。
  67. 和田正明

    ○和田説明員 私申し上げましたのは、繰り上げ償還の措置を指示したというととは、要するにこの法律による国の補助対象、金利の補給をする補助対象であり、あるいは国が損失補償をする補助対象である営農資金というものから百七十万円ははずした経理の処理をしなさいということと同じ意味のことでございます。従って私どもが現在福島県をして処理させますことは、七百三十四万何がしという、営農資金の貸付の、原資として信連が単協に貸し付けた金の中から百七十万円の残高分を、そのこととは別個の貸付の契約に改めさせるということで、従って信連に入っております個人の担保は七百三十四万円から百三十七万何がしを差し引いたものとしてやり直して経理をさせなければいけないと思いますから、そういう指導をいたす、こういうことを申し上げておるわけであります。
  68. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私はそういうやり方が非常に危ないと思う。そういう知恵をつけたら、こういうふうな不正な問題はますます大きくなっていきますよ。要するにこの百七十二万三十八円というものを、帳簿上で名義を改めて別な資金の形に書きかえてこの事件を見のがすというのでは、各地でまねをします。そういう指導の仕方に今日の農協の非常にふしだらな面が出てくる。私ははっきりこの百七十二万三十八円の証書の実体をお確めになったがよろしいということを申し上げます。農協の貸付の帳簿には載っていないで、すなわち借金の帳簿に載っていないで、金を受け取っておる人間があります。また借金の証文が出ておりまして、金をとっていない農民もございます。正直にいいますと、この証書の中には、にせ証書が入っております。謀判が行われております。こういう二つの根本的な剔抉をなされないで、単なる見せかけの帳簿上だけで調査されるならば、これは正直な百姓が損をするだけだ。農協の実態が改まるものじゃないと思う。そういう点を追及される御意思があるかないか。
  69. 和田正明

    ○和田説明員 私申し上げましたのは、別段預金として百七十万円残っておるというととは、現金を渡したら、当然預金通牒からそれだけの金額を落さなければいけないのであります。今お話のように預金に残っておる金額と実際に支払いしました金額との間に正当な手続がとられていはいとすれば、当然これは個人に請求をして処理すべき問題だと思います。
  70. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その場合に農林省といたしましては、もしも不正が行われ、証書の作成に何らかの不正な意図があったとしたならば、将来のために峻厳なる手段をとるような御決心があるかどうか、もし材料がないというのであれば、私が提供いたします。一人々々について精細な材料を整えております。先般も申し上げましたが、何ら農地を作っていない者が金を借りてみたり、あるいは仮装の証書を作って、その金を運用してみたり、こんな状態で災害に対する融資が行われておったのでは、ほんとうに困った百姓のためになりますまい。この際この一ケースを徹底的に究明することによって、今年もおそらくたくさんの営農資金が流れると思いますが、この一事をもって戒めとして、自来起らないように峻厳なる措置をとってもらいたい。特に田人農協では、直接農協を再建するためにやったんだから、一向平気だと豪語しております。これが地元農民に与える影響なりあるいは他のこのようなケースを持っておる農協にとっては、非常に悪の培養をするもとになる、こういう点もお考えになりまして、たくさんのケースの出ておりますこの運営資金の不正融通の形には、仮借なき指導監督をお願いいたしたいと思います。  なお会期もなくなりますので、具体的な処理方式については、またあらためてお伺いいたしまして、意見は述べますが、一応基本的な方針だけはお立ててなさるかどうか、はっきりここで承わっておきます。
  71. 和田正明

    ○和田説明員 一般論として、今後こういう問題が起らないようにいたしたいというととで、実は二、三年前から金融課の係あるいは農協課とも協力いたしまして調査を各単協についていたしまして、適当でない事案についてはそれぞれ指示もして参ったのでありますが、本年検査に出ます場合には、先に検査したところが、その結果こちらの指導通りに実施されておるかどうかというようなことを確認するというような方法もとって、今後十分検討を加えたいと考えております。  なおこの村の問題につきましては、農業協同組合部の検査課等とも打ち合せをいたしまして、再建整備指定組合でもございますので、県と十分協力の上、検査をいたしまして、お話のような処置をいたしたいと考えております。
  72. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この前いただきました資料とつき合せまして、私現地で個々の農民についての確かな資料も押えてあります。私決して農協をいじめるとかこの問題を荒立てるという意思でやっているのではございませんので、今後も御協力を申し上げまして、ぜひともこの合理的な解決をはかりたいと思いますから、その点だけ申し上げておきます。
  73. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員長代理 暫時休憩いたします。午後は二時半から再開いたします。    午後一時二十一分休憩      ————◇—————    午後二時十一分開議
  74. 綱島正興

    綱島委員長 会議を再開いたします。  アズキの取引及び価格安定措置に関する件を議題といたします。これより参考人木谷久一君、山根東明君、杉山重光君、亀山功君の四名の方に御出頭を願っておりますので、もろもろの参考人の各位から右の件に関する御意見を簡単に承わると同時に、委員諸君の御質疑を願いたいと存じます。  ちょっとごあいさつを申し上げます。暑中でございますのに、特に皆様当委員会に御出席賜わりまして、まことに恐縮でございます。一時と申し上げておきましたのに、委員会の都合で少しおくれまして、お待たせいたしまして恐縮でございます。  なお御陳述願う点について申し上げますが、主として取引所の機構、機能に関するごと、及び先般の立会中止になりました件等を中心として、御陳述をお願いいたしたいと存じます。   〔委員長退席、稲富委員長代理着席〕
  75. 稲富稜人

    稲富委員長代理 それでは参考人木谷久一君を御紹介いたします。
  76. 木谷久一

    ○木谷参考人 東京穀物取引所における小豆の取引でありますが、一昨年から始めまして、そうして去る五月の十日前後から連日暴騰いたしまして、十二日の日に取引を停止いたしたのであります。これは端境期にも接近して参りますし、また取りきめが短時日に急激にふえましたので、完全なる決済ができ得ないということを憂慮いたしまして、取引を中止したのであります。その後連日売買双方からいろいろ寄りまして、相談はいたしておりましたけれども、御承知の五月限の納会は五月二十七日でありますので、五月の二十六日にどうしても双方解決をつけねばいかぬということに相なりまして、理事会、また仲買人の委員会、仲買人の総会、その他連日協議をいたしました結果、二十六日に総解け合いということになったのであります。その後六、七、八、九とこれだけの期間、商いを中止いたしまして、十月と十一月と、ただいまは十二月と、この三期をやっております。きわめて今は平穏になっております。  ごく簡単でございますが、以上申し上げます。
  77. 稲富稜人

    稲富委員長代理 次に杉山重光君にお願いいたします。
  78. 杉山重光

    ○杉山参考人 取引所に暴力団風の男が現われたり、これによって理事会、役員会、管理委員会の人々が恐怖を感じたことは、先日参議院でも申し上げましたが、これについて木谷さん、山根さんは事実を否定しておられるようでありましたが、五月十二日の会議で近藤了馬理事が、暴力団に対して警察に頼めばよいと言ったところ、前理事長山種さんは新聞種になるようなことはしたくないと言ってとめたのを覚えております。また七月二十三日の市場管理委員会で、私が参議院に出て証言することの承認を求めましたところ、仲買人協会書記長の山口氏を呼んで確かめようということになり、山口さんを呼んで聞いたところ、山口さんの言うのには、私は買い方仲買人坂本雄五郎氏と会員柴源一郎氏から、当日は暴力団をマル本の店と新橋方面に相当用意していたのだということを言っていたと確認しており、このことは出席していた山根さんも御承知のわけでございます。以上でございます。
  79. 稲富稜人

    稲富委員長代理 それでは亀山功君。
  80. 亀山功

    ○亀山参考人 五月二十七日に穀物取引所で行われた強制解け合いは、わが国はもとより、世界に例のない措置でありまして、これによって取引所の信用を失ったり、機能を破壊し、たくさんの善意の雑穀業者、農民、貿易業者などに莫大な損害を与え、ひいては国際信用をも傷つけ、中共貿易に悪影響を与えるというような、国家的血大損害を与えたのでございます。これに対して取引所はいろいろと釈明に努めておられますが、市場に明るい市場関係者は、だれもこれを信用しておらないのでございます。実際は暴力とかあるいは権力とか、市場の公正な取引を妨げて、自己に有利な解決をはかろうとする児玉誉志夫氏一派といわれるととろの買い方の前に、取引所が屈服したというのが事実でございます。詳しいことは、時間の関係上御質問によってお答えいたしますが、一口にわかりやすくこの点を申し上げますと、買方一派は実勢を無視して、三菱商事等の企業を利用して無理な買い占めを行なったのです。それに対して当然たくさんの実際の現場の継ぎが出てきたのでございます。しかし資金には限度がありまして、また建玉にも制限がありますので、無理をした反動で暴落が必至のような状態になってきたのです。そのときに、暴力による圧迫で市場を開くことを妨害したのでございます。一応農林省は、この不法な買い占めを抑制する措置を講ずるかと私ども考えておりましたが、ただこれを傍観するだけで、最後に至って立ち会いをしなければ取引所側の小豆の上場を禁止するというような意味の通告を出されたのでございます。それで結局取引所としては立ち会いをやりたいけれども、立ち会いをやろうとすれば暴力団の圧力がある、あるいはまた買方の取引員が市場を混乱させるというような気配でありますし、それから立ち会いをやらなければ農林省から市場を閉鎖されるような立場に追い込まれるという、この板ばさみになって、取引所は無理ということを知りながらこれを解決するために、善意なまじめな取引を行なっている業者、その背後にある委託者とか、農民とか、そういうものを犠牲にして、そうしてこういう解決をしたのでございます。この点をもう少し申し上げたいのですが、一応農林省の関係を申し上げますと、暴力の関係については、農林省中村技官が、買方一部の背後関係によって取引所にも暴力団らしい者が十数名入ってきて、もし立ち会いを再会して、大阪の——大阪はそのとき東京より暴落しておったのですが、大阪のように暴落すれば不測な事態が起るかもしれなかったということを言っておられる。これは暗に一部仲買人の策動による外部からの圧力によってこのような総解け合いに陥ったということを言っておるように思われる。この事実はこれは左派社会党議員の赤松先生の秘書とそれから売方の委託者の一人が行って聞いてきたことでございます。それからなおこのことについては、小笠原三九郎議員が愛知県の一部の委託者の人に手紙を出されまして、農林省に問い合せたところが、暴力団の圧力があって立ち会いができなかったような状態であった、それであるからこれはどうもやむを得なかったのだというようなお手紙が来ておるのでございます。そこで、農林当局としては、こういうような関係によって自由な価格の構成もできない状態を何とか処理していただけるとわれわれ思っておりましたのに期待に反しまして何らそのことには触れることがありませんで、結局立ち合いをしなければ上場を禁止してしまう、こういうようなことだけが農林省のとったことで、これは一月の農林省のやったような手段から考えますと、一月には相当な建玉制限とかあるいは証拠金の引き上げとかいろいろな手段を講じて相場を抑制し、それによって相場は安定圏に向って落ちついたのでございます。ところが今度の場合は何らそういう処置も講ぜず、その当時よりもむしろはっきりした暴力的な買い方をやっておる買方を、何ら抑制する手段を講じないで、ただ傍観しておった。しかもこのように無理な条件の総解け合いという強制的なやり方で解け合いさせることを黙認しておったということは、私ども理解できないのでありまして、これは一般に町でうわさされているように、農林大臣があるいはこのことに一応関与をしておられるというようなことも考えられるのでございます。  大体以上が私の説明でございますが、このことに関しまして何か御質問がありますれば、私何でもお答えいたしたいと思っております。
  81. 稲富稜人

    稲富委員長代理 ただいまより質疑を行います。
  82. 石田宥全

    石田(宥)委員 本谷理事長にお伺いいたしますが、ただいまのお話によりますと、総解け合いをするに至った理由として、取引高が急増をしたためという一点だけを述べておられるのでありますが、そうではないと考えるのでありまして、その間の事情をもう少し詳しくお聞きしたいと思います。
  83. 木谷久一

    ○木谷参考人 取引高の急増と申し上げましたが、五月十二日の二節、三節、四節に対して約四千枚くらいの取引をいたしたのであります。常の日はせいぜい千枚か千五百枚のものが、四回の立ち会いに五千枚以上のものができました。そういう大きな取り組みになりますと、その決済というものは、なかなかこれが新穀の出ばなでございますればいいですけれども、端境期で少くなって参りますときでございますから、その場を一時中止をしないとどういう状態になりますかわからぬというので、その日は立ち会いを中止をして、そして保証金の引き上げを要求いたしたであります。解け合いの方はそれからずっとおくれまして、二十六日にいたしたのであります。
  84. 石田宥全

    石田(宥)委員 まあ大体のことは、この前小倉局長を中心としまして、本委員会において一応の質疑が行われたのでありまするし、さらにまた先般参議院において二回にわたってこの問題の質疑が行われたのでございますから、私はその要点だけを二、三御質問を申し上げたいと思うのであります。  これは木谷理事長に伺いたいのでありますが、五月二十七日の解け合いをさせた根拠というものは、強制解け合いというものはよほどの事情がなければできるはずはない、いろいろな法規によってこれは明記されておるはずですね。従ってただその取引が急増してあとの処理に困るであろうからというような簡単なものでは、私は済む問題じゃなかろうと思うのです。そこで端的に質問いたしますが、業務規程の第六十三条に、やむを得ざる事情ということについて今申し上げたように明文があるわけなんでありますけれども、これは理事会だけの認識でなく、真にやむを得ざる場合であったかどうか。たとえば取引所は五月十二日の午後の立ち合いを再開するということを言っておって、十六日の午後から開く、また木谷理事長はテレビで二十三日再開するということを発表をしておる。あるいは仲買人総会は五月二十三日に解け合いができぬ場合は立ち会いを再開すると決定をしたと伝えられておるのです。取り組みが多いというととは最初からわかっておるのでありますが、なぜこのようにしばしば再開をするというようなことを決定しておったのか。  それから第二点といたしましては、第三者から見ると、この六十二条を乱用して強引に総解け合いに持ち込んだとしか判断できない。あなたはどう強弁されようとも、先ほど証言がありましたように、外部から相当の圧力があったということは私は明らかであろうと思うのでありますが、この点理事長は暴力的な処置というものがどの程度に行われておったかということをつまびらかにしていただきたいと思うのです。
  85. 木谷久一

    ○木谷参考人 ただいまの暴力云々、あるいは圧力云々でございますが、そういうことは私としてはないと考えております。またそれがために取引の立ち会いができなかったということはないのでございます。それから今の六十二条云々でございますが、これは一つ山根常務理事が詳細にお答えを申し上げます。
  86. 山根東明

    ○山根参考人 強制解け合いと申しますか、業務規定の条項に基いて理事会の決定に従って解け合いをこのたびいたしたわけでありますが、お話のように、この条項は少くともそう軽々しく発動すべきでないことは私どもも十分認識をいたしておるわけでありますが、当時の実情は先ほど来理事長からも申し上げましたように、非常に取引所の取引としましては、そこまで持ってきたことについての私どもの不用意はあるいは責められるべきかもしれぬとは思っておりますけれども、市場自体は取組高が未曽有の増高を示した、また二年間凶作が続きまして、しかもほんとうの端境期の初期でありまして、これほどの取り組みの受け渡し決済が果してこのままのことでできるかどうか、それにはさらに商いのできた当時のいわば雰囲気と申しますか、そういうものも見まして、少くとも建玉をそのままにいたした上で、場の立ち合いのもとにこの玉をほごすということはとうてい不可能であろう、こうした判断のもとに六十二条の、その他やむを得ない事情の変化により本所において売買取引の決済を行うことができないと認めるということに理事会で決定をいたしたわけであります。先ほどお断わりしましたように軽々しく発動すべきものでないということも理事の全員は承知しておるわけでありまして、との決定に至るまでには甲論乙駁ございまして、いろいろ議論は出たのでありますが、もみにもんで、練りに練って結論を出したわけであります。
  87. 石田宥全

    石田(宥)委員 理事会において十分協議の上に決定したということであるけれども、大阪においてはそのような処置をとらずに解決しておるのです。東京だけでそれをやらなければならないということは今の説明では納得いかない。まだほかの理由があったと思うのですが……。
  88. 山根東明

    ○山根参考人 大阪も同時に立ち合いをいたしておったのでありますが、私が先ほど申し上げましたように異常な取組高の現象ということは、大阪の取引所においては当時なかったわけであります。大阪の取引所においては、いわば恒常的な取り組みでその前後を経過してきた。こういうことでありますので、状態は大阪と東京とではさように違っておったと私どもは見ております。
  89. 石田宥全

    石田(宥)委員 木谷理事長は暴力的な問題は起っていない、こうはっきり言明されたわけであります。これは当所における証言はあとで問題が起ると思う。あなたはそういうふうに否定されておるけれども、明らかに警察の手も入っており、警察署においていろいろな証人の取り調べ等の事実もあるので、それらの事実が明らかになった場合においては、あなたはその責任を負わなければならないことになるわけでありますが、今この機会において前言を取り消されるならば、取り消しの機会を与えたいと思うが、そうでない場合においては、本委員会だけでなしにその他の機会と機関によって、あなたの責任きわめて重大になると思うので、さらに確認をしていただきたいのです。
  90. 木谷久一

    ○木谷参考人 いろんなそういう話はあとから聞いたことはあります。それは参議院でもお答え申し上げております。しかし場を中止いたしまして解け合いの後に私に対して直接あるいは取引所にそういうととはいまだかってないのであります。従いまして今先生の私に対する責任ということは、私はあくまでも責任を持ちます。
  91. 石田宥全

    石田(宥)委員 杉山さんに伺いたいのですが、先ほどのお話はどうしても受け取りがたいのです。取引が急増したから決済が不能になるおそれがあるということは、われわれしろうとだからよくわからないけれども、各方面の意見を実は聞き取っておるのです。御承知のように以前のように三カ月の取引であれば、これは相当困難であるかもしれないけれども、六カ月の取引ということになり、国内では北海道はもちろんであるけれども、遠く海外からも品物の手当についての処置が行われておったというととは、杉山参考人は十分御承知のはずだったと思う。理事長も十分御承知のはずだったと思うのです。そういう事情を無視して、これを強行されたということは、私どもは参考人の証言をそのまま受け取るわけにはいかないと思うのです。それらの事実について、一体どう判断されたのですか。
  92. 山根東明

    ○山根参考人 取り組みが非常に多くなった。しかし先物のことであるから、中共その他からの手当もつくじゃないか、こういうお話もごもっともではいざいます。ただ数字に現われた取り組みは、たとえば数年前のある月にはこれだけの取り組みが残った月もあったわけでありますけれども、先ほど申しましたようにたまたま端境期に突入した時期であるし、かたがた二年間も不作が続いて、北海道の在庫は非常に少いのだ、東京の在庫も非常に少いのだというような情勢のもとに、つまり順調な経過のもとにこうした取り組みがここまで進んできたということでなしに、当日先ほどもちょっと理事長からも申しましたように、午前中の商いぶりを私はこの目で見たのでありますけれども、はっきり申し上げれば不穏なと申しますか、そうした商いによって一挙にこれだけのものがふえた。このまま立ち合いを継続して、さらにこうした取り組みはどうなるかということは、責任ある私どもの立場としては当然非常に心配になったことでありまして、そういう意味でとりあえず市場の立ち会いを停止いたしたのでありますが、具体的にあるいは数字を申し上げていいかどうかわかりませんが、少くとも当限と申しますのは五月末の受け渡しの約束で商いをするわけでありますが、市場の在庫数量から比べまして、当限についても非常な取り組みができた。中共その他からの手当につきましても、翌月果して間に合うかどうかというようないろいろな問題も私ども検討はした上の措置でございます。過去にもその程度の取り組みはもちろんあった時代もございますけれども、いろいろな前提の条件と申しますかそういうものが非常に特殊であった、特異性があった。こういうように御了解願いたいと思います。
  93. 石田宥全

    石田(宥)委員 参議院の証言の際に木谷理事長は、二十七日の極値解け合い後も買方の一部に対し、一千八百万円の支払いをなされたということを言っておられる。その理由の中には、取引所の存立が危くなるおそれがあったということを言っておられますね。それから十二日の引け値と十一日の引け値の値洗い差金を政治的に解決する必要があった、こういうことを証言しておられるのでありますが、もし買方の一部に一千八百万円を支払わなかった場合は、なぜ取引所の存立が危かったのか。これはおそらく第三者のだれしも理解できない理由で、あり、また存立が危かったというととは、少くとも暴力もしくは権力による圧迫があったのではないかということは、これは何人も想像するにかたくないのであります。あなたの参議院における証言では暗にそれを認めているが、この際あなたの立場をこれ以上困難にしないで、すでにだれもがもう知っていることであり、この際はっきりこれらの理由を明らかにされてはどうかと私は考えるのであります。また一般の委託者は、受託準則によって理事会の決定について異議の申し立てができないとあなた自身は言っているが、買方のごく一部には政治的に解決する必要があると言っており、事実そうしておりながら、買方には少しも政治的に解決されなかったことは、買方の一部から脅威を受けていたことを明らかに立証しているのではないか、こういうように考えるのであります。参議院において清潔委員の質問に対して、千八百万円は取引所にとっても大した金額だと言っているのでありますが、かように大した金額を会員総会または理事会にはかることもなく、ごく一部の人と相談して出していると言っておられる。あなた自身こん点巨額の金を出さずに済めばこれに越したことはないと言っておられるわけでありますが、これほどまでにして出したからには、もしこの金額を一部の買方に出さなかった場合には、よほどの事態が起ったと状況判断されたとこう考える。少くともこれだけの大金を全部に出すなら問題ない。ほんの一部の人たちに出さなければならない。こういうことは取引所の将来にとってきわめて重大な問題であろうと思うのでありまして、その点についてのあなたを中心とする理事会の状況判断をお伺いしたいと思います。
  94. 木谷久一

    ○木谷参考人 お答え申し上げます。この差額の千八百万円というものは、これは買方に渡したのでも何でもないのであります。御承知の通り十二日の値段と十一日の値段との差額が約三千何百万円あるのでありまして、決して全買方に渡さぬとおっしゃいましたけれども、つまり買方のおもな玉数はおもな人々で大部分を持っているのであります。これは取引所の取り組みあるいは従来の米の取引所におきましてもそういう例が始終あったのでありますが、解け合いをいたしますときには売方と買方とやはり利害関係が相反しますから、なかなか値の折り合いがつかぬのであります。つまり買っている方は十二日の方に相場がついたのだから、十二日の日は買方の中心になった人が、一番しまいの玉はこうだけれども、一番最初の朝の寄りつきの値と一番最終の値段とは、朝の寄りつきの方がまだ幾分か高いくらいだった。従って買方は決して無理をしていない、われわれは無理をしていないのだということを主張されて、その値段の折衝に解け合いをするためにひまが要ったのでありまして、そうしてその差額が三千何百万円というそこに値段が開いたのであります。十二日の日と十一日の日にいたしますと、それを買方にまた千三百万円値切ったのであります。買方が譲歩をいたしましてそうして解け合いを承知したのであります。そうしてこれを承知しなければ重大なことになるというのは、解け合いをすれば翌日場を立てるわけにいきませんから、場を立てなければ小笠の取引きは業務規定というものからはずされ、おのずから取引きができないということになってしまう。それでわれわれといたしましては重大であるということを申し上げているのでありまして、そうしてその十一日と十二日の差が三千百万円のやつを千八百万円で支払いをして、そして売方に対しては十一日の値段で決済をしたのであります。それで少数の委員に報告してというととがありましたけれども、これは理事者のうちから利害関係のない者を選びまして、そうしてその人に折衝し案を立ててもらったのであります。それが中心になって案を立てまして、そして正式の総会は開いておりません。しかし政治的というのはそれでありまして、事後承諾を求めるつもりでございます。
  95. 石田宥全

    石田(宥)委員 そうしますと、千八百万円は理事長の判断に基いてこれを支出し、あとで事後承認を得るつもりであった、こういうことでありますね。
  96. 木谷久一

    ○木谷参考人 そうです。
  97. 石田宥全

    石田(宥)委員 それでは次に伺いますが、先ほどの証言で、六十二条を適用して解け合いをせしめたということは正当であると正当づけられておるわけでありますが、それを正当づけておるとするならば、正当な強制解け合いをやらしておいて千八百万円を支出しなければならないという理由はのみ込めないのですが、それはどういうことです。解け合いそのものは、強制解け合いをしたということが合法的であり正当なものであるというならば、千八百万円というような大金を出さなければならないという理由はのみ込めないのですが、それはどういうことです。
  98. 山根東明

    ○山根参考人 私からお答えします。解け合いが正当であると申しますのは、先ほど私が申し上げました事情のもとに六十二条を発動いたしたことは、私どもとしては正当な措置だと考えておるということを申し上げたわけであります。にもかかわらずそうした裏のやりとりがあったのはおかしいじゃないか、こういう御質問のようでありますが、解け合い自体はやむを得なかったといたしましても、解け合いの条件ということになりますと非常にむずかしい問題でありまして、この条件をどういうところに持っていくかということでいろいろ苦慮いたしたわけであります。当然のことでありますが、この条件については売方と買方とは全く利害が相反するわけでありまして、そういう意味でこれを一つにまとめることが非常に困難であったというようなことで、そうした措置をとったということでありますので、前提としての解け合いが不当じゃなかったかというような御趣旨のようでありますが、私はさように考えております。
  99. 川俣清音

    川俣委員 ちょっと関連して。今の御説明によりますと、千八百万円を払うのが妥当だ、こういう御説明であったのです。また支払いをしたという説明であったのですが、こういう重要事項は当然農林省に報告されておったと思いますが、いつごろ何人を通じて農林省に報告されたか、この点をお尋ねいたします。
  100. 山根東明

    ○山根参考人 私は実はそのつどいろいろな問題を当時連絡いたしておったのでありますが、この問題につきましては、先ほどもちょっとお断わりいたしましたように、理事会の事後承認を得るというような予定で運んできておったものであります。これはその間公けに役所へ御報告をいたすということは、実はその点だけはいたしていなかったのであります。たまたま参議院でこの前こうした問題が取り上げられたわけでありまして、その前後に私の予想といたしまして、当時すでに町の風評等はいろいろあったわけでありますので、おそらくこの問題が出てくるだろうというようなこともあったことでもありますし、正確にいつであったかは記憶しておりませんが、こういういきさつになっているということを私から報告いたしたわけであります。
  101. 川俣清音

    川俣委員 これは木谷さんにお尋ねします。正当だというからには秘密なことはないはずだ。疑義があれば、これは別問題です。正当なことであれば、その正当なことを役所に知らせないでもいい、報告しないでもいいというようなやり方を、従来でもやってとられたのかどうか。またそういうことについて役所から何も干渉はなかったのかどうか。またこういうことは事後承認を求めるということですけれども、承認を求める前に、おそらく相当役所と連絡をとられたはずなんです。今までの報告によりますと、そうなんです。それをなぜこの件だけは秘密にしなければならなかったか。また役所から何人かがそういろ点について問いただされたことがあったかなかったか、これは正確に言ってもらいたい。あとで役所の責任問題も起りますから……。
  102. 木谷久一

    ○木谷参考人 金を出すのは正当てあると申し上げましたのは、これは取引所のためにする必要上取引所が負担するのが正当である、かような考えを持っております。  それからなぜ報告しなかったかということでございまするけれども、実は私は二十二、三日中から出てしまって、そのときいなかった。しかし報告はずっと受けております。それから私の責任において金を出すととも承知しておりました。すべて承知はしておりますが、その金は二十六日のおそく話がきまって、そうして二十七日にどうしても場を立てなければいかぬというので、ごく余裕がなかったので、間髪を入れないで決定をせなければいかないような状態のときであるのであります。従いまして理事会の総員に諮るとか、あるいはまた総会にかけるとかいうようなことをやりますと、なお紛糾してでき得ない、かように見たのであります。
  103. 川俣清音

    川俣委員 参考人を詰問するような恰好ははなはだ恐縮でありますが、解け合いについでは、平常業務の場合には役所が干渉しない建前をとっておったが、十二日以後は相当役所からやかましく経過報告を求められておったはずなんです。求められておりませんでしたかどうか。こういうことについて、普通でありますれば一々報告はなかったと思いますが、特にこういう解け合いの問題については、やかましく大臣は報告を求めておる、こういう言明をしておるわけです。こういう点あなたの方が怠慢なのか、役所の出先機関が怠慢であったのか、どちらだとお思いになりますか。
  104. 木谷久一

    ○木谷参考人 役所へはことごとく御報告を申し上げております。それは大体山根君を通じてやっております。  それから今までこういうことがあったかなかったかという前刻の御質問でございますけれども、いまだかつてこういうことは三年の間にないのであります。それからこれをなぜもっと早くやらぬかということでありますけれども、報告といいますか、千八百万円の問題を政治的といいますか、一定の期間を置く方がいい、こういうように考えたから多少おくれたわけであります。
  105. 川俣清音

    川俣委員 私が聞いておるのは、役所から今度の解け合い問題については、取引所の再開問題については、どのように処置するかということが、農林省からやかましく通達があったはずだと思う。一々報告するようにという通達があったはずだと思う。あったかなかったか、通達の中にはこういう解け合いの条件についてもなお報告するようにということがあったはずじゃないか。なかったか、ないために報告しなかったのか、あっても故意に秘密にしたのか、責任がどっちにあるかということを尋ねたいのです。
  106. 木谷久一

    ○木谷参考人 役所の方から御通告は厳しくあります。早くせねば取引所として機能が発揮できないようなことがあると、お言葉までちょうだいいたしました。その都度御報告はしておりますが、この解け合いについての報告をしていなかったことはこちらの責任です。
  107. 川俣清音

    川俣委員 解け合いについては報告しなかった、こういうことですね。解け合いの条件、あるいはどういう状態で解け合いに進むかどうかということは非常に関心を持たれておったはずでありまするから、おそらくこれはやかましく連絡がなければならないはずだというのがわれわれの常識なのです。もしなかったとすればこれは政府の責任でありますから、あなたを追及するようなことはいたさないのです。あなたの方で故意に秘密にしておったのか、あるいは役所からそこまで報告を求められておらなかったのかということについて、いずれであったか伺いたい。いい悪いの問題ではない。
  108. 山根東明

    ○山根参考人 私が直接折衝いたしましたのでかわってお答え申し上げます。役所からはもちろん連絡をするようにというきつい通達があったかどうか、私ども当然すべきだということで、もう絶えず連絡を保っておったわけであります。ただ解け合いの条件につきましてももちろん報告から漏らすわけにはいかないのでありまして、これは前日の引け値で解け合いましたというだけの報告をいたしたわけでありまして、先ほどの千八百万円の問題は、先ほどもちょっとお答えしましたような関係で、役所へは私らの報告は当時はいたさなかった、こういうことでございます。
  109. 川俣清音

    川俣委員 あとで私の順番が参りましたときにもつと詳しく聞きますが、私の聞いておるのは、そういう報告の義務を負わされておったとお感じになっておるのか、また報告をそれほどしつこく求められておらなかったのかどうかということを聞いているのです。責任の所在を明らかにしたいためにお聞きしているのです。そういうふうに解け合いに至るまでの条件その他について農林省から詳細な報告を求めるということが役所側の大体の今までの答弁なのです。ところが今お聞きしますと、そんなところまで深入りして報告する必要がないというふうに感ぜられた、こういうあなた方の答弁なのです。そこで大きく食い違うのです。あなた方の責任なのか、あるいは出先の監督官があなたのために意を受けて報告しなかったのか、との責任を明らかにしなければならぬ。うしろに局長もおられますけれども、詳細にわかっておるという見解をとっておったはずなのです。今こういう問題が出てきますと重大な責任問題が起きてくる。重大ですよ。それで責任はどちらにあるかということを聞いておる。いい悪いの問題はあとでまたお尋ねをいたします。
  110. 山根東明

    ○山根参考人 あるいはまた御要望に沿えないかもしれませんが、実は先ほど御答弁申し上げた通りでありまして、私自身としては、もう朝な夕な連絡をしたわけで、役所もそうしたことで私どもが幸いにして連絡を怠らなかったために、あるいは積極的に必ず連絡をしろというような表現での御督促はもちろんなかったかもしれぬと思うのであります。そこで朝な夕なやはり御連絡、御報告はいたしたわけでありますが、先ほどの一点は、そういうようなことで私としては、一応まだ最後の仮措置というような考え方をしておったものでありますから、役所への報告を怠った、いたさなかった、こういう事情でございます。
  111. 川俣清音

    川俣委員 朝な夕な報告したというのですが、こういう重要事項を報告するのですよ。これは重要事項だとは思われませんか。大へんな重要事項ですよ。こういう重要事項を報告しないでもよいとあなたはお考えになったのか。役所でもそういうことはあえて問いただしておかなければならぬ事項である。世間によく知られておる事項、それについて問いただしがあったかどうか、あってしかるべきはずであるが、ないのであるか、ないのであるとすれば当時行っておった監督官の責任が起ってくる。その責任があったかなかったか。それだけ伺いたい。
  112. 山根東明

    ○山根参考人 私先ほどちょっとお答えいたしましたが、当時は役所へ報告しなかった。しかしお話のように町でいろいろうわさも出てくるというようなことで、当時監督の立場におられましたのは吉次、中村両技官でありますが、こうしたうわさが出ておるようだけれども、眞相はこういうようなことだということをはっきりいつの日か、日は記憶はございませんが、非常に時経て話がありました。あまり記憶にございませんが、古い時期ではございません。ある程度新しい時期です。
  113. 川俣清音

    川俣委員 その時期がわからないと言うが、何日だったということがはっきりわからなくても、大よその時期もわからないというととはかなり軽んじておったことになって参りませんか。しかしこれはあとで役所の方へ尋ねますけれども、重要事項ですよ。それほど重要事項だとお考えにならなかったのですか、どうですか。
  114. 山根東明

    ○山根参考人 大体時期を思い出しましたので申し上げますが、毎月理事会を十日前後に開いております。今月の理事会も十日に開いたわけでありまして、理事会に報告する経理のバランスにそれを一応表面化しなければならぬ。確かその前後です。そういうことを申し上げまして、経理のバランスにこうした形で載せるつもりなのだということを連絡をいたしたということであります。   〔稲富委員長代理退席、中馬委員長代理着席〕
  115. 川俣清音

    川俣委員 支払った後ですか、支払う前ですか。
  116. 山根東明

    ○山根参考人 もちろん支払って売ったあとです。
  117. 石田宥全

    石田(宥)委員 杉山、亀山両参考人にお伺いいたしますが、杉山さんも、亀山さんも多年この業界におられる方でありますが、今回の解け合いが六十二条の適用によってなされたというようなことについて、あなた方業界の人たちは、果して正当のものであったというふうに判断しておられるかどうか、両氏に一つ伺いたい。
  118. 亀山功

    ○亀山参考人 業界の常識としては六十二条の正当の解釈によって行われたものだというように考えておる人は一人もないと私は考えております。その一例として申し上げますと、業界の普通委員長という立場で本会の総解け合いの案を作成した立場の一人になった鈴木四郎という方がございます。その方はそういう重要な立場におられましたが、委託者に質問を受けまして、実はこれは六十二条を当てはめる場合ではなかったのだ、しかしその当時事情やむを得ずこれを無理に当てはめたのだという話をしておられたということを二人の委託者から私に御報告がありまして、それからその当時山根さんもそこへ見えたのでありますが、山根さんも当然当時の責任者だから山根さんに開いてもらいたい。鈴木四郎さんが逃げたら、山根さんもいつのまにかいなくなってしまった、こういう話を聞いております。
  119. 杉山重光

    ○杉山参考人 私の考えでは六十二条を無理にこじつけてやったので、業界でこれが当りまえだと考える人は、買方の二、三の人はそう思うでしょうけれども、あとの方はそういうことは考えないと私は思います。
  120. 石田宥全

    石田(宥)委員 亀山参考人に伺いますが、先ほど理事長は、取引の急増を大きな理由に上げておるのでありますが、五月の当限や六月受け渡しの取り組みの数量というものがそれほど膨大なものであったかどうか、あなたの証言を聞きたいと思います。
  121. 亀山功

    ○亀山参考人 五月限は三百八十枚という取引であります。一枚というのは二十俵であります。六月限は五百三十六枚という取り組みでありまして、この取り組みというのは売りと買いの数でございますが、これは実際に受け渡しの期日が来て現物を受け渡しする段になりますとずっと減ってしまうのでございます。その間に転売、買い戻しという差金で決済する方法が清算取引には認められておりますので、ほとんど大部分が差金取引によって決済されて、従来の例から見ますと、実際の受け渡しになるものは一割にも満たないようなわけであります。かりに二月の場合を申し上げますと、一番多いときは六千四百四十六枚という取り組みがありました。それが受け渡しになって二百三十三枚でありまして、受け渡しの段になりますと非常に数量が減るのでございます。それから、山根さんは先ほど、端境期に向っているということを強調されました。なるほど端境期には間違いございませんけれども、それと同時に不需要期でございます。そして中共からの輸入の品物が盛んに入ってくる時期であります。清算取引というのは、御存じのように五月限に受け渡しされた品物があるいは六月限に渡されるものもある、六月限に受け渡しされたものがまた七月限に回るものがあるということで、このような取り組みの品物が少いから決済不能などということは、業者の間では全然通らないのでございます。それから五月限に対しましては相当な数量の現物がつながれて、実際に倉荷証券を取引所に提出しておった人がたくさんございます。それから六月限には、当時約六百トンの現物を輸入して渋沢倉庫に入っておりまして、渡すばかりの準備ができておりました。これは一例でございますけれども、他にそのような例はたくさんありまして、それは山根さんあるいは理事会だけの見解はそうかもしれませんけれども、私どもは全然そういうようなことは考えておりません。
  122. 石田宥全

    石田(宥)委員 理事長さんに伺いますが、千八百万円の支出は事後承認を得られましたか。
  123. 木谷久一

    ○木谷参考人 正式の事後承認は総会で得るものであります。しかし理事会にお諮りをしてとりあえず御承認をいただくつもりでありますが、その理事会は十一月にやるのであります。それまでは理事の方々に個人的に御承認を大体得ております。しかし正式の理事会の御承認は得ておりません。
  124. 石田宥全

    石田(宥)委員 理事会がこれを承認しなかった場合、これは理事長の責任になると思うのですがどうですか。
  125. 木谷久一

    ○木谷参考人 理事会の御承認が得られなければ、理事長として責任をとらざるを得ないと考えております。
  126. 石田宥全

    石田(宥)委員 かりに理事会が承認いたしましても、総会がこれを承認しなかった場合においては、それぞれの理事の責任になると思いますがどうでしょうか。
  127. 木谷久一

    ○木谷参考人 私は法律のことは詳しく知りませんけれども、お説の通りであろうと思います。
  128. 石田宥全

    石田(宥)委員 私の質問はこれで最後にしたいと思いますが、千八百万円の支出は十一日と十二日の値開きの問題を勘案して支払ったと言われておりますが、何月何日にお支払いになったか、だれとだれにお支払いになったか。これは理事長さんでも山根参考人でもけっこうですが、承わっておきたい。
  129. 山根東明

    ○山根参考人 支払いましたのはたしか同月の二十九日か三十日であると思います。相手方は、先ほど来お話がありました、当時買方を代表していろいろ血問題を折衝いたしました日穀物産株式会社という仲買いの店であります。それに代表さして渡したわけであります。
  130. 石田宥全

    石田(宥)委員 日穀物産株式会社が買方を代表してやっておるそうですが、それ一口ですか。ほかにまだ口数はあったのですか。
  131. 山根東明

    ○山根参考人 一口でございます。
  132. 川俣清音

    川俣委員 この暑いところ参考人を煩わすことは非常にお気の毒であり、大へん御苦労をおかけすることをおわびしておきます。しかしながらこれは国民経済上重要な問題でありますだけに、みずから進んでも明らかにしていただきたいことだと考えまして、あえて参考人として御出席を願ったわけでございます。  そこで第一に皆様にお尋ねいたしたいことは、この穀物取引所の機能、すなわち穀物取引所が営むところの国民経済上の重要な機能は何にあるとお考えになっておりますか。穀物取引所が国民経済上必要だと考えられておるのでありますが、その必要だという重要な機能はどういう点にあるのか。必要だということについてはおそらく御異議はないと思いますが、どういうことが必要だとお考えになっておるのか、この点を四人の方にお聞きしたいと思います。
  133. 木谷久一

    ○木谷参考人 公正な相場を構成して、公正かつ安全な取引をすることが大事だと考えております。
  134. 山根東明

    ○山根参考人 取引所の一番大きな機能と申しますか、それはただいま理事長が申し上げたところでありまして、私もさように考えます。そのほかにもいわゆる保険機関として将来における価格の変動による不測の損害をここで保険するというようなことで、生産者なり消費者がこれを利用することによって、その危険から脱却するということが、その次の一つの大きな理由ではないかと思います。
  135. 杉山重光

    ○杉山参考人 公正なる取引をやって価格のバランスをはかる、大体そういうふうに考えております。
  136. 亀山功

    ○亀山参考人 取引所の機能は、これは川俣さんも御存じだと思いますが、公正な取引によって適正な価格を形成するとか、保険作用をするとか、その他大量の商いが自由にいつでもできるということも、一つの作用だというふうに考えております。
  137. 川俣清音

    川俣委員 大体私どもと見解を同じくするわけでございます。一は大量な取引を迅速かつ確実に行われること、二に公正な相場を形成すること、三には価格の平準化作用が行われること、四には価格変動に対する保険作用を営むこと、まずこの四点が重要な点だと思われます。そこで商品取引所はすべてが組織化され、売買の目的、単位、約定値段、売り渡し期日、決済の方法等が定型化されて、一つの形にはまっていくことが、最も機能を健全ならしめるゆえんだと思うのです。それと同時に、その地方の一定の資格を有する多数の会員が、毎日取引所に集合して、集団的に売買取引を行うための機能を逸することなく、大量の取引が迅速かつ確実に行われるという堅実性と、それが厳格な規律のもとに行われなければ、取引所の意味をなさないと思いますが、この点について参考人の御意見を伺いたい。公正を期するというからには、厳正な規律のもとに行われなければならないと思うが、こういう規律を無視した取引所というものは意味をなさないというふうになりはせぬか。この点をまず伺いたい。
  138. 木谷久一

    ○木谷参考人 先生のお説の通りでございます。
  139. 山根東明

    ○山根参考人 私も全く同感でございます。
  140. 杉山重光

    ○杉山参考人 私もさように考えます。
  141. 亀山功

    ○亀山参考人 私もさように存じます。
  142. 川俣清音

    川俣委員 そういたしますと、穀物取引所といたしまして、今度起ったような事件は遺憾にお考えになっておりますか。めったになかったことでありますから、必ず遺憾だというふうにお考えになっておると思います。そこで一体こういう厳正な取引をしなければならないことを十分認めておられながら、外部の圧力または官憲の力にって、無理に休場しなければならないというようなことが新聞に宣伝せられたり、または業界に非常に不安を起しつつこれが休場になったということを、杉山参考人は大体お認めのようでございますが、木谷理事長並びに山根参考人はこの点はお認めになりますかどうか。非常に問題を起しそうな情勢だから、そこで休場したのだと伝えられております。また私どもの知る範囲におきましては、当時警察はこのおそれを察知いたしまして、予備の警官を動員いたしておったということも、これは署員の動員でありますから、いろいろな手当を出さなければなりませんから、これが警察署の予算の上に計上されて承るようでありますが、こういう点もお認めになりますかどうか、これも四人の方々からお答え願いたい。
  143. 木谷久一

    ○木谷参考人 かようなことが発生いたしましたことは、まことに遺憾であると考えております。
  144. 山根東明

    ○山根参考人 私も同様に遺憾なことだと感じておりますが、当時いろいろな暴力というような問題について、まだ私は発言の機会がございませんから、この機会に申し上げます。当時私のところへは久松署の刑事の人が即刻でありましたか、参りまして、どうだという話があったのでありました。もちろんいろいろ話は申し上げたのでありますが、久松署の刑事は非常に親切にも、お前自身自宅の方で何か少し変な気配でもあればいつでも連絡しなさい、おれが地元の警察へ連絡してやるというようなことまでございました。そのとき私ははっきり答えましたことは、私は格別自宅に帰っても何らそういう心配は全然しておりません、しかし万一のことがあればお願い申し上げます、という返答は申し上げました。それからたしかそのとき、久松署の刑事からは、万一のときはとにかく職責上自分たちは骨を折りたいというような話を私は聞いております。ただ先ほど理事長も申し上げましたように、理事会の決定がそれにおびえたという事実はないということで、理事長は否定しておるのであります。私どももかりにその他のいろいろな問題が解決いたしましたら、あるいは最後にその問題を取り上げたかもしれませんけれども、その問題が一つの要素となって取り上げられたという事実は、私の知る限りでは、理事会でも委員会でもなかった。この点は理事長と同じようなことを私からも申し上げたいと思います。
  145. 杉山重光

    ○杉山参考人 こういう事件ができたということについては、私は非常に遺憾だと思います。  それからそういうようなととがあったかないか、こういうお尋ねに対しては、参議院でも申し上げまして、先ほどもまた申し上げました通り、十二日の後場を再開すべく、三階で会議が開かれた。そのときに、予納金制度によって再開しようじゃないか、 そういうことで一旦きまりまして、一時間延刻して二時になりました。二時の再開も危ぶまれるということは、私が現に市場内に十数名の暴力団風の男が入ってきたのを見ておるのでありまして、そういうこともその会議に私が二、三回述べでおります。ただいま理事長や山根さんがおっしゃったけれども、そういうことは知らないというようなことは、私はないと思います。私はそういうことがあるということを確実に認めます。
  146. 亀山功

    ○亀山参考人 今度の小豆立会停止、それからその後の処理について暴力の影響があったかなかったかということは、最初に私が申し上げた通りでありまして、山根さんとしてはそういう話は聞いたけれども、役員会に対して影響はなかった、こういうような御見解のようでございますが、私が聞きましたところでは、役員会は、暴力団が入ってきておらぬか、あるいはそういうのに襲われやしないかというような気分で、取引所の給仕をたびたび見にやったりして、だれも来ておらないというとやや安心したような顔をして相談をするというような状態だったということを聞いております。それから、私自身役員会へは出ておりませんけれども、暴力によって立ち会いが阻止されたというととは当時役員でおられた人、今傍聴席にも来ておられますが、清水清さんとかあるいは城ノ戸英雄さんとかいう方々からはっきり聞いております。
  147. 川俣清音

    川俣委員 そうすると、取引所の管理人または実際の実務者である杉山参考人は威迫を感じたというふうに表現されておりまするし、当事者でありまする木谷理事長または山根参考人はそういうことを感知しなかった、こういうことですが、しかしどうもこれは木谷さん及び山根さんにお尋ねしますが、警察が何らなかったのに動員したとすれば、これは警察がいたずらに国費及び地方費をむだに使ったことになる。事実そんな威迫を感じないのに地方の経費を捻出さしたということになると、これは重大なことになります。そんな事実がないのにわざわざあなたのところへ私服をやったり、お宅で危険があった場合にはなんてことでよけいなものを出費したことになります。だからおそらくそういう懸念があったからこそやったのじゃないかと思います。もし実際になかったということになれば、これは警察署長を呼んで経費の乱費だということで責め上げなければならない、そういうことになります。そこでこれはやはり事実を正直に言ってもらわないと、自分の責任をのがれるためにやると、署長の責任や警視庁の責任の問題が起って参ります。自分の責任を人に迷惑をかけてまでのがれようということになりますと、事は重大になってくる。そのつもりで一つ御答弁願いたい。それでは十二日の後場になぜ一体立ち会いをやめなければならなかったのか。そういう脅迫もなければ何もないといたしますれば、再開するために努力を払っておるのになぜその努力ができなかったか。保証金を積んでやろうということになれば何でもなかったじゃないか。それをどうしてあえて継続しなかったのか。そういたしますると、取引所の理事者が勝手にそういう不安もないのに、保証金も積んでやろうというときに、なぜ一体休場しなければならないのか。そういうふうに乱用されては困るはずなんです。そのために農林省から山根さんがわざわざ取引所へ入っておられるはずなんです。そのためにわざわざ農林省が監督官を出しておる。そういうように何もなかったとすれば、なぜ一体休まなければならなかったのか。どうも不可思議ですから、との点木谷理事長と山根常務にもう一ぺんお尋ねします。
  148. 木谷久一

    ○木谷参考人 十二日に立ち会いを停止いたしましたのは、前申し上げましたように商いが多かったのと、それから予納金を取ろうということを誉めまして、そうして予納金が、立ち会いを一時間おくらして一時からのものを二時といいましたけれども、莫大な金が用意できないというので、かたがた金が入れば立ち会いができるじゃないかということで、予納金は十四日の午前中ということに延期いたしました。それは記憶をいたしております。売手も買手も十四日の日に金が入ればそれで商いをしたらいいじゃないかというととで、十二日はそれで延刻というわけにいかぬものですから、帳簿整理か何かで二日か三日延ばしたのであります。それで重ねて申し上げますけれども、亀山君の今のお話がありましたが、十二日の日に理事会を開いておりました際にも給仕を見にやったとかなんとか言いますが、十二日の会議をしておるときにはそんなことはございません。後に十二日以外のあとにそういうととがあるとかあったとかいうとと、それは聞きましたけれども、十二日の日はそんなことは聞きません。
  149. 山根東明

    ○山根参考人 私も先ほどお答え申し上げた通りでありまして、そうした事実は私も全然知らなかったとは決して申し上げません。久松署の刑事がそういう話もいたしましたし、いつまでも応援いたしますというお話がありました。ただそのために果して警察がどれだけの人を動員しておったのか、また今杉山君のお話のように、当日妙な風体の者が市場におったかどうかということは当日は何分私どもとして会議会議で一日そちらへ忙殺されておった関係で、場のそうした風景は私は自分では目撃しなかったのみならず、取引所の決定にそうした暴力の威嚇が根本的な影響を及ぼしたのだということは私はない、かようなことをさっき申し上げたのであります。
  150. 川俣清音

    川俣委員 そうすると、そういう脅迫もなしに続けられなかったという理由はどこにあるのです。どうも小豆というようなものは、あなた方の先ほどからの説明によりますと、端境期には上るものだ、こういう常に危険をはらむものだ。常に危険をはらむものだというと・商品市場に載せることは不適格だというふうに説明されたようにも聞える。不適格なものだというふうに考えられておるのか。第一は、なぜ一体十二日の後場で、さらに十二日以後休場を続けなければならなかったのか。ことに木谷さんのごときは、二十三日かのテレビで間もなく再開するのだということを声明されて、おそらくあれは有料テレビじゃないかと思いますが、無料テレビにいたしましても天下に公表された。十二日以後なぜ一体再開されない理由がそこにあったのか。
  151. 木谷久一

    ○木谷参考人 十二日以後立ち会いができなかったということは、相場の変動が多いと見て、予納金と申しまして保証金を先へ納めるということをきめまして、そうして取引人に御通知したのであります。それがすぐにといっても、今言ったようにいけないからというので、それはごもっともだというので十四日の午前中ということにして、そして十四日の午前中に金が完全に入れば取引をしょうじやないかということをきめたのであります。その後いろいろな変化といいますか、要するに市場が立つと、乱手といいまして場をつぶすという懸念が出てくる。場をつぶされると、もう市場という生命がなくなるのだから、何とかここに話し合いをして、取り組んだ玉をほぐらしていこうじゃないかというので、じりじり日がかかったわけであります。それから二十三日にやるというテレビでございますが、あれはたしか二十日の日でしたか、十九日でありましたか、そのときの情勢は、何というても二十三日からやろうということを寄り寄りみな話をしておったのであります。それが思うように話が進まなかったのであります。
  152. 川俣清音

    川俣委員 どうも休業しなければならなかった理由があいまいです。端境期を前して売った者も悪いのだ、買った者も悪いのだ、こういう解釈なのか。端境期の前になれば異常な相場が出ることは当りまえなことです。常に取引所としては当然考えておかなければならないところのものなんです。これは一年に一回しか生産されないもので——所によっては時期的には幾らかずれておりますけれども、主産物の北海道では出る時期はきまっておる。収穫時期もきまっておる。きまっておるものであるし、昨年凶作だったことも前からわかっておる。従ってそういう危険な経済状態にあるというということを認識していなければ、取引所の理事者としては手落ちだということになるではありませんか。そういうことを予想しないということになりますならば、取引所の理事者として監督上十分考えなければならぬ点ではないかと私どもは思う。国が特別保護をもって擁護しているのですから、国の擁護に対しては誠実でなければならない。そうでなければ特別立法を作って擁護する必要はない。従ってこういうものを取引するのは危険はありますけれども、理事者の手腕、識実さに期待しておるのです。初めから端境期は危ないのだということになれば、当然理事者としては現職にあることはできないはずなんです。そんな不安な中で理事者として月給を取ることは不当です。一月、二月には非常な危機が出てくることは、あなた方はやっているのですから初めからわかっておるはずです。一月にすらそういう事態が起きたのだから、端境期に起ることは当然なことである。それがわかり切っておりながら一方においては売らせよう、一方においては買わせようという状態を十一日まで見のがしておった責任について木谷理事長、山根常務理事はどのようにお考えになりますか。
  153. 木谷久一

    ○木谷参考人 十三日までの問題でございますが、やはり玉数も制限いたします。一つの店舗が百枚なら百枚ということを制限しておるのであります。それから値段の変動が激しいというととも承知いたしております。それで十一日に話をきめて保証金を取ることにしたのです。保証金を出さすことにきめて、それが十四日に入ったっていいじゃないかということで、十四日まで待っておった。それが十四日になってその間にいろいろ話し合いをしょうじやないかという問題がそこに起ってきたのであります。
  154. 山根東明

    ○山根参考人 私どもの立場上の責任として、お話の点は私も一番大事な点であると思います。極端に言えば、それが唯一の私どもの仕事だと考えております。そのために常にいろいろな政策で手を打ってきたわけであります。これは私からも皆さんに劈頭の発言でお断わりをした通りでありまして、そこまで持っていったことについての私どもの責任を重々痛感いたしておるということを申し上げたわけであります
  155. 川俣清音

    川俣委員 そういたしますと、こういう責任から起ってきたということを一応念頭に置きましてお尋ねいたしますが、先ほど石田委員が指摘いたしました、一千八百万円は、一体何のために取引所が責任を持って払わなければならないのかわからぬ。今までの説明だと、こういうものは売方の保証金を出させることによって取引所の機能を発揮しようということになった。ところが最後になると、取引所の責任をもってこれを出さなければならないというので支払いをしたというふうになっておりますが、こういう権限が取引所にあるというお考えでお出しになったのかどうか、取引所にそういう金があるわけがない、どこからこんな金を出されたのか、もしあればこれは当然農林省の許可事項だと思うのです。この点についてお伺いいたします。
  156. 山根東明

    ○山根参考人 取引所にそういうあらかじめ使途をもって組まれた予算は、お話のようにございません。ただ当時の事情で、そういうことで事故承認を得るという前提で、従って措置としましては仮払いの措置をとります。
  157. 川俣清音

    川俣委員 仮払いといったって、支出項目がないのに仮払いがで直るのでしょうか。私はこれはおかしいと思うのです。支出項目があって委託を受けた範囲内の支出は仮払いもできるでしょうが、理事会または会員の委託を受けていないのに、常務理事が仮払いができるというようなことを今までやっておられたのですか、これは大へん重大なことです。慣行でそういうことをときどきやっていられたのか、初めてやったのでありますか。
  158. 山根東明

    ○山根参考人 そういうことは従来はやったことはございません。ただ私どもも取引所の施設として不当な支出、言いかえれば取引所の性質から見てそういう経費は支出すべきものでないという性質のものであれば、もちろん仮払いの措置にしても、そうしたことをする意図は毛頭ございませんが、こうした取引における非常時に当る、いわば善後措置の経費として私が申し上げておりましたのは、予定した経費の計上はなかったということを申し上げただけであって、そういう性質のための支出が取引所を運営していく上において承認を受ければ可能であるという前提をとっているわけであります。
  159. 川俣清音

    川俣委員 それはおかしい。いろいろな例があるならば、前例に従って仮払いをして、あとで承認を求めるということは、慣例の許すところでありますならばあり得る。しかし前例のないことをおやりになるということになれば、これは総会に諮るなり、理事会に諮ってやらなければならないと思う。それが取引所法の命じる行為だと思う。取引所法のどこにもそういう権限を与えていると私には思われないのです。もしもそういうことを許されるとするならば、これは取引所法を改正するなり、そういう越権行為を犯す者については処罰する規定を作るなりしなければ、明らかに国民経済上取引所を営ませることができない。個人の失態でやられることは取引所法をあえて改正する必要はございませんが、そういうことが行われる余地があるとしますならば、現行法の範囲内において、あるいは定款の中においてあるいは規定中において、あり得るといたしますならば、これはわれわれとしては重要にして見のがすことのできない問題である。そういった権限が今与えられているとあなたはお考えになっておられますか。
  160. 山根東明

    ○山根参考人 先ほどお答えしたことを繰り返すわけになりますが、取引所の運営上予測せざる経費の必要ができることは、これは当然あるわけであります。非常な金額として莫大であることと、そうして見解において先ほどの参考人の中でもいろいろ相反した見解がありますような、そうした性質の支出であるという点には問題があろうかと思いますが、私どもとしましては、取引所の運営上必要な経費だという前提をとりましで、そうした経費の支出をしたのであります。
  161. 川俣清音

    川俣委員 これは取引所の経費ですか。先ほどから経費々々と言っておりますが、こうした経費というようなものを支出することができることになっておりますか。私どもはこれは取引所の経費と見べきものじゃないと思います。これが経費だというと、取引所が負担する。将来あなたの責任をもってやられるとすれば、経費がとれなければあなたの責任になるということなんですが、私どもはこれは単なる経費と見べきものじゃないと思う。どうしても経費だというのですか。
  162. 木谷久一

    ○木谷参考人 今山根常務が経費と申し上げましたのは、あれはつまり差損金といいまするか、この商品取引所では例がないのでございますけれども、昔の、つまり明治の米なんかの取引所の時代には、そういう例があったのであります。それは買方と売方と値段が合わぬというような場合には、あるいは取引所がその差額を負担をするとかというようなことで解決をいたしておるのであります。経費ではございませんが、差損でありまして、当然取引所が、名目はどういうことになるかわかりませんが、負担をすべ毒ものなり、これは取引所を存続するために必要な支出である、かように考えております。
  163. 川俣清音

    川俣委員 理事長と専務理事との間は追うのです。そんな見解が違うものを、あいまいにして支出するということはおかしいです。少くとも見解が一致していなければならぬ。こういう一千八百万円も出すとき、理事長の見解と専務理事の見解が違っておるのに支出されておるところに問題がある。おかしいですよ。片方は取引所が出す経費だと言い、専務理事は差損金だと言う。大きな違いがある。そういう食い通いがあるままにこれを支出するということは非常におかしいことなんです。そこでこういう重大なことについては、必ず農林省に報告されていなければならないはずだということをさっきから申し上げておる。理事長と専務理事との間に意見の違う支出をしていながら、これを報告しないで秘密にしておる。しかも理事会に報告したあとにおいて、なお今日においてすら支出先も……。今日においてすら、意見の相違があるままに支出したというととは、これは重大なことじゃないかと思うのです。少し農林省をなめているのか。出先官憲をあなた方は自分の小便のようになめていなければ、こんなことは重大な事項として、当然これは相談にあずからしめなければならなかったと思うのです。こんなことを相談にあずからないという出先の監督官はでくのぼうです。あなた方にすっかりまるめられて何の役にも立たなかったということになる。あなた方はそう甘く見なければ当然これは報告していなければならぬはずだ。小倉局長などは、日夜心配して、夜も眠られないくらい心配しておりますから、必ずこれは報告されていなければならなかったはずなんです。それをあなた方は軽んじたということになると、農林省を甘く見ていたということになりませんか。
  164. 山根東明

    ○山根参考人 私は先ほど御説明を申し上げましたが、必ずしも理事長と見解を異にしておるつもりはございません。表現としては、私は取引所が経費として支出するという表現を用いたわけでありますが、その意味は、先ほど理事長が申し上げましたように、こうした性質の金は取引所の負担によってまかなってよろしいものだと思うという理事長の御発言もそうだったが、私の申し上げた意味もそういう考えで措置したのだということを申し上げたのであります。
  165. 川俣清音

    川俣委員 一体との金の支払い者はだれになっており、受取者はだれになっておって、しかも支払い契約書はどんな契約書になっておるか、またこの金が一体どこへ行っておるというふうにお考えになっておるか。一部にいわせますと、新聞等または業界等のうわさによりますると、児玉誉士夫が相当政治資金に使った。鳩山内閣の援護費用に使ったんだとも宣伝されております。従ってこの点は明らかにしていただかなければならぬ。そこでこの行き先がどこへ行ったかということをあなた方は、必ず小切手に裏書きがあるはずですから、どこに……。
  166. 山根東明

    ○山根参考人 だれに支払ったかは、先ほど私から申し上げた通りでありまして、日穀物産株式会社に支払いいたしました。それがどこへ行ったかは、私どもは、そうした差損金と申しますか、そういう金でありますので、そういうことに充当されたものだと考えておりまして、行き先の追究はいたしておりません。
  167. 川俣清音

    川俣委員 それはおかしいですよ。だれの名義で支払ったか。しかもその支払い先はわかっておりまするけれども——おそらくこれは小切手であろうと思う。従ってこれは銀行を調べて、あなた方は必ず行き先がわかっていなければならぬはずだ。現金を落したのはだれかという最後がわかっていなければならぬ。
  168. 山根東明

    ○山根参考人 日穀物産株式会社からさらにどう行ったかは、先ほど御答弁申した通りでありまして、私どもは関知いたしておりません。
  169. 川俣清音

    川俣委員 関知しておりませんなんと……。あなたは今経費だという、片っ方は差損金だという食い違いのある問題なんです。理事会の承認を得られなかった場合、総会の承認を得られなかった場合等のために、あなた方の責任の小切手がどこへ行ったかわからない。それは一応のがれようとすればのがれられましょう。しかしながらわれわれとしてはそれはのがすわけにはいきませんよ。そういう金が勝手に支出され、勝手に取引されておるというようなことが許されるといたしますれば、これは取引所として重要に私どもは考えなければなりません。法律が悪いのか、当事者が悪いのかという判断をしなければなりません。当事者が悪いために、取引所までやめなければならないというようなことまでに私は進みたくはない。これはあなた方の責任によって重大なことがくるのです。それがどこへ行ったかわかりませんなんということでは済まされません。もしもどうしてもその言葉を濁すならば、きょうで国会は終るといたしましても、証人としてもう一ぺん宣誓さしてやらなければならぬ。継続しなければなぬ。〔「もちろんそうだ、当然継続だ」と呼ぶ者あり〕
  170. 木谷久一

    ○木谷参考人 山根常務が金はどこへ行ったかわからぬということを申し上げましたが、これは帳面をお調べになればはっきりすることと思います。三千何百万という金は、要するに売方買方双方から取引所にも金を取ってあるのです。そうして今度それは解け合いで清算いたしましたときに、その金は、代表になった日穀物産ですか、——それは日穀物産ひとりじゃない。何々という仲介人が五人あるか八人あるか、私は今記憶しておりませんが、石数にきっちり合せて清算しておりますので、はっきりいたしております。そうして三千何百万円という値合いを日穀物産から取って、そのうちから千三百万円まけた差引の千八百万円というものを日穀物産に逆に返したのです。それでその返した金は仲介の店が五軒か八軒ありましたし、代表で渡しておりますから、どこへ何ぼ行った、どこへ何ぼ行ったということは、帳面を調べればわかります。
  171. 川俣清音

    川俣委員 定款の定めるところの第三条の三項によりますと、商業道徳の向上ということを規定いたしておる。商業道徳というものが守られて、取引の公正が守られていきますならば、あなた方の取引も公平取引でなければならぬ。しかも三条の三項には、商業道徳の向上ということをうたっております。それでいきますならば、差損金などというものを総会にも諮らずに、理事会にも諮らずに出すということはおかしい。商業道徳を犯したようなものがありますならば、それを問題にしていかなければならぬじゃないですか。取引所の中にそういう人がないという。取引所はそういうバックを買って、不当な利上げをするような買い方をするものを阻止していかなければ、完全に機能を果し得ない。まずこっちの根本に力を入れないでおって、差損金や何かで問題を解決しようなんて、これは逆な話なんです。大切なところにメスを入れないで、現われてきた現象だけをやっていって自分の地位を守ろうなどということは、とんでもないことであります。  委員長にお願いいたしますが、時間が参りましたし、きょうは国会の最終日でありますので、これ以上参考人に聞くことは保留いたしますから、将来休会中におきまして再びこれを審議するときに譲ることにいたしまして、私の質問を終ります。ただし政府に対する質問は、休会中国政調査においてこの点を明らかにいたしたいと思います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  172. 中馬辰猪

    中馬委員長代理 参考人の方に申し上げます。本日はお忙しいところをまことにありがとうございました。ただいま川俣委員の質疑等にもありましたように、まだまだ重大な問題がたくさんあるようでございますから、また機会を見てあらためで出席をお願いしますから、よろしくお願いいたします。     —————————————
  173. 中馬辰猪

    中馬委員長代理 参議院提出狩猟法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。  出席しております方は提案者代理として三浦辰雄君、政府委員藤村林野庁指導部長、葛猟政調査課長でございます。質疑を許します。足立委員
  174. 足立篤郎

    足立委員 監督の衝に当ります林野庁の責任者にお伺いいたします。提案されました狩猟法改正がもし実施されました場合、空気銃の取締りにつきまして、この法案に示されました内容で果してその所期の目的を達し得るかいなかという点が、この法案の審議に当って一番の眼目であろうかと思います。特に猟銃と同じ扱いになるわけでありますが、猟銃を所持し、なおかつ空気銃を所持いたしまして狩猟免状を得た場合には、猟銃をもって狩猟いたしましても自由になろうかと思いますが、その反面空気銃のみを持って狩猟免状を受けた場合いろいろな問題が起ってくるのではないかということを予想いたすのであります。たとえば火薬につきましても一々やかましい規制もあるわけで、そういう点に取締上の完璧が期せられるかどうか、なおまた今川の法案が成立しました場合に、全国に何万丁とあります空気銃の所持者が、すでに成立いたしました取締り規則によりまして所持の許可を得た上に、さらにこの狩猟税を支払いまして、猟銃と同じような取扱いのもとにおいて、果して狩猟せんとする者がこの法律の適用下にあって全部手続きをするかどうかという点、また手続をいたしたにいたしましても、取締り上十分手が届くかどうかというような点につきまして、監督の衝に当られる林野庁当局の御見解をまず伺っておきたいと存じます。
  175. 藤村重任

    ○藤村説明員 ただいまのお尋ねの点でございますが、一つは現在出ております空気銃の点について取締り上その目的か達し得るか、あるいは取締りにおいて特に火薬等の関係は遺憾のないようにすべきであるというような点が第一点と存じますが、現在特に空気銃におきまして問題がございましたのは、現在の狩猟法で一般の銃器は免許を得まして、そうして狩猟者税を納めておるのでございますが、空気銃は特にそのうち外に置かれまして、ただ登録によって携行され、あるいは使用されておりまして、狩猟者税はございません。またその手数料として登録料を納めておったわけでございますが、その結果現在特に年少者におきまして、無登録で、有益鳥等が相当多数そのために捕獲せられ、乱獲せられるという傾向もあり、また一方これは狩猟の方ではございませんが、被害防止上遺憾の点もございますので、これを一般の現在使用されております銃器と同様にいたしますと、空気銃だけを持っておる者も、銃器と同様の手続、免状を持ち、また狩猟若柳を納めるということになるわけでございますが、先ほど申し上げました特に年令の点等でも、現在十八歳を限度としておりましたものが、いわゆる成年者以上である二十歳以上の者にこれを許可するということにもなり、そのためにこれをみだりに使って違法的な結果をもたらすということもございませんし、また銃器によって制限されております狩猟の対象簿もはっきりいたしますので、との点は銃器と同様の取締りで十分の効果を一応期待しており、またその成果を信じておるわけでございますが、特に火薬の点は、現在銃器を取り扱います場合に、これに免状を与えております場合には、銃器は乙種免状になっておりまして、それをもって火薬等を購入いたしておりますが、今後空気銃を銃器と同じように取り扱います場合には、その手続を一部様式を改正いたしまして、そうして乙種狩猟免状のところに空気銃を明記させるということで、特に火薬類取締法に基く規制によってその危険を防止いたしたい、かように存じております。なおこの改正によりまして十分の徹底をしないという点は、各地方におります係官等を通じ、あるいはこれに関係のあります団体等の御協力を得まして、十分その趣旨の徹底等につき手続上遺憾のないようにいたし、密猟等のないようにあらゆる注意を払っていって、遺憾のないようにいたしたい、かように存じておるわけであります。
  176. 足立篤郎

    足立委員 取締りの問題でございますが、従来も空気銃によって狩猟する場合に免許制度があるわけであります。にもかかわらず事実はほとんど野放し状態といっていいような状態になっておる。それがためにいろいろ世間を騒がすような、人畜を害するような事件も起っておりましたし、なおまた害虫の天敵であるところの有益鳥獣がこれによって乱獲されて、これが非常に悪い影響をもたらしているということが最近しきりにやかましく言われ、それがひいて所持取締りとなり、またこの法案となって現われたものと考えるわけでありますが、現在法制のもとにおいて、すでに特殊な空気銃の取扱い方がきまっておる。にもかかわらずこれがさっき申し上げたように事実上野放し状態になっておるという事実にかんがみまして、私は非常に大きな危惧の念を持っております。というのは、ほんとうに林野庁なりあるいは木端の監督官庁がこれを取り締るという気持があるならば、現在法制下においてもできないはずはない。それがお手上げの状態になっておるということは、これは監督官庁としての怠慢ではないかということがまず指摘されなければならないと思うのであります。にもかかわらず、この法案が出ますと、ただいま指導部長からお答えのように、相当取締りが強化されるんだということの論証がはっきりしない。従来は一体どんな取締りをやっていらっしゃったか、またこの法案によってどれほど目に見えてはっきりと取締りが強化されて、よくなるのか、その点を簡単明瞭にお答え願いたい。
  177. 藤村重任

    ○藤村説明員 現在と異なりまして、空気銃が銃器同様な取扱いを受けます場合には、一方には狩猟者税というようなことで、現在までございませんでしたそういう面からもある程度認識を深めるという点と、それから手続等におきましても、手数料等が多少現在よりは高くなるという点で、現在とは違った認識を持つということもございます。なお一方銃砲刀剣類の取締りの法律も一部改正されまして、現在は空気銃が除外されておりますが、それがその対象になり、今後取締りの強化されるという点もございますので、警察庁とも十分連絡をとり、狩猟法上の点も十分認識を得るようにいたしまして、相ともにこれが取締りを十分にいたしたい、かように存じております。
  178. 足立篤郎

    足立委員 私も狩猟の愛好者の一人です。猟友会員でもあるわけでありますが、私の見解では、これはあなたと議論する気はありませんが、警察の取締りも非常に必要ではありますが、実際問題として野山に人って狩猟するのに、警察の目は届きません。そこで実際に取締りをしておりますのは、猟友会が自治的穴取締り、お互いに監視し合う。いなかの町村でありますれば、だれが猟銃を持ち、だれがことしは免許を受けたということは、筒抜けにわかっておる。ですからお互いにそういう自治的な取締りをして効果が上っておると思います。その意味では空気銃が今度は猟銃と同じ扱いになり、猟友会員になるならば、これはそういう自治的な、取締りができると思いますが、猟友会の問題については任意団体でありますから、直接あなたの方の法規上の取締り団体ではありませんけれども、しかし行政指導の面におきまして、この取扱い方をどうお考えになっていらっしゃるか。なおまた猟友会というものは、有益鳥獣の乱獲等に対しまして、特に自治的な取締りの非常によい機関といいますか、ほとんどこれにたよる以外にないと私は思いますが、こういった団体を今後どのように育成助長し、なおまた監督行政の面からどういうようにお考えになっていらっしゃるか、御見解でもありますれば、伺っておきたいと思います。
  179. 藤村重任

    ○藤村説明員 ただいま仰せの通り、取締り等につきましては、ただ単に警察行政的な面だけ、ではもちろん分ではありませんし、各これに関係があられます方々、特に直接狩猟の実行をされる方のこれに対する十分の協力あるいは御理解がなければ、その成果を上げることはで直ないと存ずるわけであります。もちろん法律に基く取締りも必要でございますが、やはりその成果のためには、そういうふうな狩猟鳥獣あるいは有益鳥等に対する十分なる認識と、今後狩猟鳥獣等の保護増殖というような面からもこれを十分理解して、その目的とするところを十分把握した上でこれの取締りの成果を上げるように、特に団体として現在存在して、これがためにいろいろ活動をしておられます猟友会等の御協力を得て、これが徹底を期したいと存ずるわけでございますが、特に猟友会は、全国の各地方におかれましていろいろ狩猟鳥獣の保護増殖等に対して、地方的なあるいは全国的な活動をなされておりますが、今後さらに連絡をいたしまして、との御協力を期待しながら目的を達成したい、かように存じております。
  180. 足立篤郎

    足立委員 猟期以外に学府研究のために特に狩猟を許可なさることがあるわけです。との許可についてはよほど慎重にお願いしなければならぬと思います。   〔中馬委員長代理退席、鈴木(善)委員長代理着席〕 私ども猟友会関係から最近しきりに忌まわしいうわさが耳に入る。私はこの機会に林野庁に要求いたしますが、猟期以外特にあなたの方で狩猟許可を与えられたリストを参考資料として本委員会に御提出願いたい。現存許可しているものでけっこうです。そうして何がゆえに、どういう根拠で許可したかという理由を付していただきたい。これは資料としてこの機会に要求しておきます。  それから葛課長にお伺いいたしますが、あなたは斯界の権威者であられるが、最近害虫の天敵である有益鳥獣が非常に激減をいたしまして、憂うべき状態であるということは私もしばしば伺っておるわけであります。これが一概に空気銃のゆえだというふうに世間的にはなりがちでありますが、農薬その他の関係の影響が非常に大きいと思います。そこであなたの方で今までお調べになった、最近の鳥獣の数というようなもの、これは的確には把握で直ないことはわかり切っておりますが、推定でもけっこうです。どのような変化を来たして、どのような状態になっているかということを、この機会にあなたのお調べになったうんちくを傾けて御発表願いたいと思います。
  181. 葛精一

    ○葛説明員 今の鳥獣の消長についての御質問についてお答えいたします。最近の様子を簡単に申し上げますと、大体昭和二十三年を一〇〇といたしますと、野生の小禽類は二十六年にはほぼ六〇〇という数字を現わしておりましたが、二十九年には約三〇〇、二十六年の半分の数になっております。大体そういう状態でございます。  それから今ございました農薬の問題につきましては、おもに燐の加工物等を使用します関係から、斃死しました鳥の中から的確にこの燐剤を摘出するることが非常に困難でございまして、ほんとうに的確なお答えはできないのでありますけれども、大体今まで収集いたしました材料によりますと、相当多数の小鳥、ことに耕地に住んでおります小鳥、すなわちツバメ、それから水田におりますバン、クイナ、ヨシゴイというような種類の斃死体を拾っておりますが、相当影響していると思って、燐剤を困難な摘出方法ではありますが調査中であります。偶然に拾います数が相当多いの、で、だいぶ影響しているのじゃないかという程度までしかわかっておりません。
  182. 足立篤郎

    足立委員 提案者に伺いますが、この法案の取締り対象になりました空気銃と一口に言いましても、これは非常に幅が広いわけなんです。最近はまた特に技術の向上によって優秀な空気銃もできておるやに聞いておりますが、この適用について果して目的通り行くかどうか、どういうふうに御調査になり御研究になったか、結論がここに出ておるかということをまずお伺いいたしたいと思います。
  183. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 今お尋ねの空気銃の性能とその対象の空気銃、これはいろいろと御説の通りに、空気銃はおもちゃのようなものから始まりましてまことに精巧、人の命をも奪うというのができておるのでありますが、これについてはなかなか定義がしにくい。そこで私どもがここに言う空気銃というものは、本国会でもってすでに成立を見ました銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案、との法律の第一条にございます空気銃として、「(圧縮ガスを使用するものを含む。)」という、空気銃を初めてここに定義づけられておるのです。私どももこの法律がありますから、空気銃というのはやはりこの定義に持っていかなければならない、こういうふうに考えております。
  184. 足立篤郎

    足立委員 林野庁に伺いますが、この法案が通りまして、空気銃のメーカーが非常に圧迫を受けるというので、いろいろ陳情運動などもしておるようであります。これは取締りが強化されますと、確かに売れ行きが悪くなり、相当大きな打撃もあろうかと思います。しかし最近累積されてきておる弊害を除去するためには、これもまた忍ばなければならない点であろうかと思いますが、果してどれほどの損害といいますか、打撃があるのか、最近までにお調べになった材料でもございますか。たとえば現在どれくらいの空気銃が生産され、どれくらい売られておるか。またこれが最近こういう問題が起って参りまして、一方取締りなども厳重になって参りますれば、この法案がかりに通らなくても、空気銃の売れ行きに相当影響すると思います。そういう点も考慮しましてメーカーなどもいろいろ転業を考えておるように聞きますが、そういう点につきまして御調査になった点がありますれば、御発表になっていただきたいと思います。
  185. 藤村重任

    ○藤村説明員 林野庁といたしましては、特に重点を狩猟法の施行あるいはこれの執行の成果等についでは、いろいろ各機構を通じまして調査をいたしておるわけでありますが、この空知銃に関しましては林野庁猟政調査課の関係、地方を通じまして調査を一部いたしましたけれども、現在の空気銃の数量と実態を把握することが必ずしも十分でございませんので、ここではっきりと自信のあるような数字を申し上げる資料を実は持たないことを遺憾に存じております。
  186. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員長代理 中村委員
  187. 中村時雄

    中村(時)委員 提案者にお聞きいたしますが、今農林当局からお話を聞いておりますと、空気銃による被害はその数の上において的確な資料もない。おそらくこれはかすみ網に対しても同じようなことになると思うのでありますが、そういう基礎のはっきりとしていない益鳥保護という問題よりも、今三浦さんのおっしゃったのは、この銃砲刀剣類等所持取締令の一部を改正する法律におけるととろの第一条、すなわち「この政令において「銃砲」とは、金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮ガスを使用するものを含む。)をいう。」これによって、これと同等の立場をとらなくもやならぬからという意味において狩猟法の一部改正ということをお考えになったのでしょうか。あるいは今言ったように、鳥獣保護という線からこの問題を取り上げられたものかどうか伺います。
  188. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)宏議院議員 今中村先生のお尋ねになられた点は、私ども参議院の農林水産委員会でもいろいろ議論が出たところでございます。私どもとしては、提案理由にございますように、有益鳥の乱獲防止、保護という点をうたって、その点からだけでも空気銃についてはこのくらいの程度の措置をしなければならないのではないか。たとえば農薬等も、農薬と害虫というものとはまるでシーソー・ゲームのようでありますが、その間で有益鳥がだんだん減るということも事実であります。しかしこれは重要な農薬のことでありますから、これをどうというわけにいかない。そこで、空気銃というものが非常に多く使われている姿というものは、今生産量が幾らかということについて林野庁では的確な数を言わなかったようですが、大体六十軒のメーカーから、盛んなときには十万丁から十万五千丁出ていたのではないかという推定が、警察庁の刑事部長あるいは通産省の関係官等を入れて議論をしたところであります。ところが警察庁から出ている参考資料を見ますと、空気銃の所持数が二十九年九月末現在で十五万八千三百三十三というようになっております。ところが同じ警察庁から出した資料の林野庁猟政課調査だと約百万丁、通商産業省航空機課では五十万丁、東京銃砲工業会では四十が丁というように所持数がまちまちで、その差がひどいという事情から、やはりこれは有益鳥の保護からいっても取り締らなければならぬ。今言われたように、刀剣の所持等に関する問題、いわゆる公衆の治安維持という問題もあわせて裏にはありますけれども、私どもの方としては、有益鳥の保護という問題から出たわけであります。
  189. 中村時雄

    中村(時)委員 一方において有益鳥獣の問題を取り上げるし、一方においてはスズメ等の駆除という問題もあるわけです。それらの総体的の関係というものもやはりお考えになったのですか。
  190. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 今日の空気銃の性能等から申しまして、小鳥をとるといいますけれども、実際とっていい小鳥というものはスズメとニュウナイスズメだけで、普通の人たちは、一体どの鳥がとっていい自村で、どの鳥がとってはいけない鳥かわからないのが現状でありまして、シジュウガラとかウグイスとかこういうものはとられないから人になれやすく、里まで参りまして家の中にさえ入ってくるのでありますが、これはとってはならぬのです。今日空気銃でとれるものはスズメとニュウナイスズメなんですから、パンパンやっておるが、あれはとっていけないのを全然知らずにやっているのが現状であります。
  191. 中村時雄

    中村(時)委員 その数量の的確さというものが明確にで直ないと、私どもとして取り上げるのは、やはり法案を中心に取り上げていかなければならぬのであります。そこで銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案の第一条において、今言ったように銃火器の中に空気銃を入れるということによって、すでに空気銃はほとんど禁止状態になっていると私は考えるのですが、これは非常に緩和された行き方であるとお考えになっておりますが。
  192. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 ただいま御指摘の法律の一部改正によりまして、その所持については空気銃も許可制になったということは確かに事実でありますし、また同時に袋に入れて持っていなければならぬ、容器に入れて持っていなければならぬことになったのは、取締り強化になったものでありますが、一たび狩猟という問題になりますと、その第六条の三によりまして狩猟を行う場合はすべて例外でございます。狩猟を行う場合は、なるほど許可を受けなければならぬということだけは確かでありますが、狩猟を行う場合にはわざわざ袋に入れたりその他の入れものに入れるわけには参りません。結局許可制だけがこの法律によって確かになりましたけれども、一たび狩猟ということになりますと、空気銃の狩猟面におきましては、許可制以外には銃砲刀剣所持の法律というものは何ら制限をしていないと考えております。
  193. 中村時雄

    中村(時)委員 第六条の三において、狩猟法の規定により銃猟を行う場合、業務のために使用する場合、または公安委員会の指定する射撃場において射撃を行う場合を除くほか、おおいをかぶせることになっております。そこでその地域を指定し、その携帯要件を指定し、しかも原則的には銃火器とみなしているのです。そういたしますと、今までの普通の空気銃ではない。だからこの規定は空気銃というものをある程度禁止しておる条項だと私は解釈しておるわけですが、これに対して提案者はどういうふうにお考えになりますか。
  194. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 このことは警察庁の刑事部長と通産省の航空機課の方をあわせ呼んだ際にいろいろと問題が出たのでありますが、結局狩猟については今の所持という問題は届け出て許可を受ける。その空気銃を持っておるということにより、持っておりますということを届け出て許可を受けなければならないという点が変っただけで、狩猟に関しての空気銃は、これによって制限を受けないという結論でございます。
  195. 中村時雄

    中村(時)委員 あなたの考えを進めていきますと、空気銃の全面的禁止の姿の上に乗っておるように考えられる。それに対してどうお考えになっておるか。たとえば適用範囲とかいろいろお考えになるのか、そこまであなたのお考えを遂行するならば、法案をもって一応禁止してしまえばいいと思う。
  196. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 その問題も参議院のこの法案審議の過程においては出ましたけれども、それはあまりにひどい。現に業者の人たちが持っておる七万丁と称せられる製造の済んでおって手持ちに持っておる問題についても考えなければならない。そういう所蔵する人があって、それはあまりにひどい扱いである。ただ従来の空気銃によるところの被害統計は、同じく警察庁から出ておりますが、それを見ますと十八歳以上二十歳未満の線が非常に多いのです。これはおそらくこちらにも配られておると存じますが、銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案についての資料、警察庁として三〇五と打ってある資料によりましても、非常に多いのであります。でありますから狩猟とうらはらの刀剣等所持の問題、中村先生のお尋ねになっておる問題との関連におきましても、これはやっぱり十八歳まではいけないことになっても、私どもとしてはどうしても今日のようなやみの多い、ほとんど届出の少い空気銃というものは、もう少し所持の許可制になった機会に厳重にやってもらうことが、有益鳥の保護のために必要であろう、こういうことで、もし必要であれば、この空気銃の取締りの違反になったところを読み上げてもいいのですけれども、省略いたします、そういう関係になっておるのです。
  197. 中村時雄

    中村(時)委員 今まで登録としてやっておっても、それだけのやみがあることを是認されていらっしやる。そうすると、これは今度狩猟法の一部を改正する法律案というものを見てみますと、在来の登録を許可制にすることが骨子になっておると思うのです。重要点は私は登録を免許制にするということが中心ではないかと思うのですが、これはどうなんですか。
  198. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 確かに御指摘の通りでありまして、この法律についてはいろいろと御研究願ってけっこうだと思いますが、私ども端的に申しますと、昭和二十五年までは空気銃というものは、今御審議をいただいておりますように、狩猟からいうと銃砲並みに扱ってきたようであります。ところが非常に空気銃が横行をきわめまして、そうして空気銃に対して猟銃と同じような税金といいますか、登録許可制、登録税をとることは酷だ、もっと下げろということで、空気銃所有者、空気銃によって狩猟をやる人たちが、進んで狩猟の登録をしてくれるということになって、かえって取締りからいくならば、その方が実際に合うじゃないかといって、今日まで改正をされてきたようであります。なるほど統計を見ましても、昭和二十五年には、空気銃で全国で狩猟のために登録を受けたものは八千四百二十九人、その年に法律が改正になりまして、一丁一カ年登録代金五百円というふうに・従来の三分の一以下にいたしましたために、確かにふえました。九千百十四人ふえて、一挙一万七千五百四十三人という数字になりました。ところがそれではそのままであるかというと、一方においては十万丁程度のものが毎年売れていくにもかかわらず、その翌年は三千人しかふえないのです。そうして二万五千五百七十五人、その次には六千余りふえたのですが、いずれも十万丁出ているのに、二万丁にも足らない五、六千丁のふえ方というものは、依然として目的を達しない。こうなったならば、いろいろな議論があるけれども、いっそ所持の許可とあわせて銃砲並みに持っていく、そうして有益な小鳥を保護したらどうだろう、ということになったという経過でございます。
  199. 中村時雄

    中村(時)委員 それからもう一つは、今言ったように、狩猟法の一部改正の基礎は、登録を免許にするということがはっきりしておる。登録を免許にするということの根拠はどこにあるかといえば、これが一番大事なんですが、税金が上るということなんです。今まで五百円であったものが、たとえば自分の生業を営むものとしては千六百円、遊興としてこれを取り扱うものが三千六百円、そういうふうな状態になってくる。そうすると、これを狩猟法の一部を改正する法律案の中に入れるという、ただ単なる登録を免許にするということは、その事実や業態の内容でなくして、ただ税金をここで三千六百円取るということです。三千六百円税金を取っておいて、法律によって一つの問題をここで押え込んでしまおうという行き方になってしまうと思う。私はそう考えるのですが、これに対して提案者はどう考えるか。
  200. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 中村先生今御指摘のごとき感は、私どもも事実持っておるわけであります。しかしながら先ほど申し上げたような事実、十万丁以上のものが出て、そうして被害を出して、これは直接小鳥との関係ではありませんが、ああいう空気銃禍という問題が世間を騒がしておる。その内容を見ると、二十才以下のような若い人たちがほとんど大部分である。こういうようなことでありますから、今御指摘のようなことは私どもとしてももちろん考えざるを得なかったわけでありましたが、しかし結論においてこういった程度に扱おうということもやむを得ないのじゃなかろうか。大きなことを言って恐縮でありますけれども、今日公衆道徳というようなものが日本ではできていない。外国などでは、空気銃を使ってやたらに有益な小鳥をとったり、あるいは鳥がとれないからといって人の門灯をつぶしてしまったり、着物がほしてあるのを突っついたりするようなことはしないで、必ず空気銃は空気銃としてとっていいものだけしかとらない。そういうところまでいかない今日の段階、登録税を五百円安くしても、ほとんど登録してくれないという状況、これでは私どもとしては、少しむごい点はあるけれども、やむを得ないだろうという結論に達した次第であります。   〔鈴木(善)委員長代理退席、中馬委   員長代理着席〕
  201. 中村時雄

    中村(時)委員 それはあなたのお考えは逆説的になる。五百円にしても登録しないものを、それを三千六百円ではなおさら登録しませんよ。おそらくみんなやみに逃げていってしまう。なおもっと大きな犯罪がかもされるおそれが抱かれるということが一つ。もう一つは、今言ったように、法律で重税をもって一つの生業を規制しようということが、法治国家として認めらるべきかどうかということは、これは議院制度として根本的な大きな問題だと思いますが、これに対してどうお考えですか。
  202. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 高くなればますます登録などというものはしないだろうということは、そういう傾向はあるいはあるかもしれません。しかし前に高かった時代におきましては、空気銃の所持について許可制の問題はありません。今回の国会を通った銃砲刀剣類等取所持締令の一部改正によりまして、初めて空気銃を持つことは許可を受けなければならないということになったわけであります。従来は許可を受けないで持っていていいのでありましたから、税は納めないで多くの者がこれを所持していたのでありますけれども、今度はこの法律が守られるとするならば、許可を受けなければならないのでありますから、一体何のために許可を受けないで持っておるかというようなことから、だんだん取締りもしやすくなるだろうと考えられるのが第一点であります。それから第二点は、生業を奪うという問題でございますが、いろいろ調査いたしましたけれども、空気銃をもって狩猟を生業としておるというものはない。ただ私どもとしては、スポーツというものは考えざるを得なかった点がございますが、空気銃による狩猟で生活を営んでおる、あるいは生活の助けに相当しておるという事例はまだないということから、その点は私どもはあまり考えなかったわけであります。
  203. 中村時雄

    中村(時)委員 私は生業という問題ではない、今言ったように、一つの重税を課して人間の行動を規制するということが良識的に認められるかどうかということは、議院制度をわれわれが考えでおる以上は基本的血問題であろうと思います。それについてどういう考えを持っていらっしゃるかということ。
  204. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 いわゆる有益な小鳥というものは、ある人の説に従うならば、むしろこれは日本の狩猟法に書いてあるように、自分の囲いの中であるならば無主物として扱っていいという問題ではなくて、やはりその柵から出ていくならば、それは有害の虫を食うことによって公益的な存在であるという説も、今日まで行われておるわけであります。もう一つの問題は、事実問題といたしまして、この空気銃が有益な鳥をとることのほかに、さらに空気銃禍というような問題まで起すということを考えますれば、私どもなるほどその持つことに対する一つの束縛制限ということはこれによって起きるのでありますが、一面から言うと、これが大きく言って公益的な、あるいは公衆の安全、あるいは広く一般に必要である有益鳥の保護という広い考え方に立てば、これはやむを得ぬだろう、こういうふうな考え方であるのでございます。
  205. 中村時雄

    中村(時)委員 私はどうもあなたのおっしゃることが——先ほど益鳥と害鳥との対比はどうなんですかというと、それは的確な問題として取り上げられてない。ただ推察である。そういう問題を、しかも片一方ではこれほど峻烈に銃火器の法案においてはっきりとこれを制限しておる。そうしてなおかつ片一方において狩猟法で重税を課していくということは、これは一種の禁止の措置だろうと思う。そうなればはっきり禁止法を出すなり、今言ったように空気銃を削除してしまえばはっきり目的が達せられる。ただ私が言っているのは、とのような法案の内容において、今言ったように、重税をもってこれを規制しようとする心がけは大いに反省すべきじゃないかというのです。これを強硬にやらなければならぬというなら、今言ったように空気銃をとってしまえばこれははっきりする。それをごまかしていくというところに問題があるのです。
  206. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 私ども今中村先生が御指摘になられましたが、私どもの参議院の委員会でもその説が相当に強かった。割り切ってあるならそこまでやらなければ目的が達しないのじゃないかという議論がずいぶん出たのでありましたが、いろいろと相談した結果、まず第一段階としては、煮え切らないようではあるけれどもこの線でやってみて、そうしてなお目的を達しない、あるいはだんだんと生じでおりまする有益鳥の減少、それに伴うところの農産物その他の被害の非常な増大といったようなことが顕著になったらなったときに、これは次の段階を考えればいい。今七万丁のストックを持っていると一応業者諸君から言われている空気銃を、今中村先生が割り切ってお話になりましたように、一挙にこれを禁止するということは、あまりわれわれとしてはどうかといったような議論の結果、なまはんかかもしれませんけれどもこういったような案ができた次第であります。
  207. 中村時雄

    中村(時)委員 どうも考え方が逆になるのですがね。私の言っているのは、一番国民に疑義を与える点は、実際に三千六百円から出させる。空気銃と銃火器とを対比した場合に、その実際の効果率、効用率からいったら問題になりません。だからそこまでやればどうしても銃火器を持ちますよ。持てないのは十八才から二十才までの者です。十八才から二十才までの者は、たとえば五百円の金でもなかなかないのです。だから必然的に三千六百円ということになれば登録もしやしないという結果になるわけです。そういう結果がはっきり出てきている。しかもその場合に益鳥と害鳥の比率さえもわかっていない。そういうときに三千六百円ということによって許可制にしようとするならば、これは一種の禁止なんです。やめた方がよかろうということになる。そういうことになっておるにかかわらず、重税を課して一つの方向を規制する必要はないじゃないか。法治国家において法律によって禁止するならするではっきりすればいい。あるいは今言ったように、削除すれば禁止した結果と同じになってくる。先ほどの銃砲類等所持取締令の一部曲改正する法律になってちゃんとでき上っておる。峻烈な法律ができ上っておる。だからこれを削除してしまえば、それは当然その用を達するわけです。ところがそれをそのまま入れておいて重税によってこれを押えてしまう、そういうことをやるということは、法治国家として正しいあり方かどうかという基本的な問題だと私は言っているのです。だから法律によってこの国会でやっていこうとするならば、この法律の体系の上から今言ったような方向で、空気銃を銃砲刀剣類等所持取締令の一部改正で削除するなり、あるいは禁止してはっきりさすなり、そういう方向でやっていく方がほんとうだと思う。眞綿で首を締めるようないじめ方をやらない方がはっきりするんじゃないかと思うのです。
  208. 江田三郎

    ○江田参議院議員 今御質問がございましたが、中村さんの言われるのは御説ごもっともと思います。ほんとうに私はごもっともと思うのでありまして、何もお上手を言うておるのではない。そこでこの問題につきましては一体どうしたらいいかというと、実は考えようによると非常に小さいような問題ですけれども、われわれとしましても、これは筋としてはもう全面的にやめてもらった方がいい。しかしながら今やめるということは、たとえば銃砲の業者の方々の問題もあるし、それからまた子供さんあたりで銃砲を持っておられる人を、いきなりこれをあしたから使っちゃいかぬと言うこともこれは大へんだしということで、これはこんな小さい問題でありますけれども、委員会を数回開きました。そうしてようやくにして、筋の立たぬような点もあるけれども、暫定的にこの辺からやって、だんだんと空気銃というものはやめてもらうようにしなければしょうがないじゃないかということになって、こちらの方へお願いしたのであります。そこで中村さんの方の御意見を出されると、大体あなたのおっしゃる通り私は言わなければなりませんけれども、あなたのおっしゃる通りでちょっと割り切るのが無理な点がございます。それは今でも、空気銃は一体何ぼ納めればいいかといったら五百円納めればいい。それが全国で五十万丁空気銃があって、たった五百円納めて狩猟登録をする人が三万人しかないというような現状で、この扱い方というものはなかなかこの禁止一本でもいかず、税金だけでもいかず、いろいろむずかしい点があったのを総合いたしまして、こういう結論を出したわけです。そこで私たちとしましては、小さいような問題でありますけれども慎重に審議しまして、全会一致の結論を得て——全会一致の結論というところを十分おくみ取りを願いたいと思うのでありまして、いろいろな意見があったのを調整して全会一致になったということなんです。そこで中村さんもいろいろ御意見もございましょうが、また足立さんのような御意見もあったりしますので、その辺一つ適当に全会一致でおまとめ願えれば非常に幸甚だと思うのであります。私どもこういう小さいような法律を、との国会の末期のぎりぎりに衆議院の委員会にかけていただきましたことをはなはだ光栄に存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。
  209. 中村時雄

    中村(時)委員 提案者の政治的な名答弁をいろいろお聞かせ願って、その御趣旨も実際よくわかります。だから私はその結果がどうなる、こうなるということを言っているのではない。私の言っていることは、あなたのような人情的なものの考え方を持っていらっしゃるなれば、今言った銃砲刀剣類等所持取締令の一部を改正する法律によって一応改正をして押えておいて、そうして五百円にしておいて、——今のところは、そういうふうな取締りに対する各官庁の指揮あるいはそれに対するところの取締りが非常にルーズであったと思っておる。だからその方に責任がある。何もこちらに責任があるわけではない。だからその方をうんと締め上げで、そうして五十万丁なら五十万丁をちゃんと登録ができるようにしてしまうように指導能力をはっきりさす。同時に、片方においては、重税によって国民の一つの方向を規制するということだけはやめてほしいということが私の考え方です。だから問題は、法律体系によってやるなれば、その法律体系もなかなかむずかしい。それでやればあなたのような人情論が出てくる。こっちの方でやれば、今言ったような方向でいかれたらはっきりする、こういう考え方になってくるのではないかと思います。今の参議院の全会一致ということは私も非常に頭にきている。そのために言いたいことの半分も言っていないのです。そこのところを一つしんしゃくされまして、今度は参議院の方がどうか別の方向を願って、ほかの法案なら法案でお考えおき願いたいということを心からお願いいたします。これ以上はやめます。
  210. 安藤覺

    安藤(覺)委員 林野庁にちょっとお尋ねいたしますが、先ほど伺っておりますと。この空気銃の災い並びに小動物の生命の保護、ことには益鳥獣の保護ということについては、われわれも全く憂いを持ち、感を同じゅうしておるものでありますが、つきましては先ほどのお答えの中に、空気銃を持ってそんじょそこらで鳥をねらっておる者が、どれが禁止鳥やら、どれが害鳥やらわきまえなくポンポンやっておるというお話であります。われわれもこれは常に見かけるところでございますが、その場合において——承われば林野庁関係においては、全国五十万丁もあるということで被害も非常に大きいのでありますから、これの指導ということについて相当なるお力をお入れにならなければならないととだろうと思うのであります。どれが益鳥であるか、どれが害鳥であるか、これはとるべきもの、これはとるべからざるものということなどを懇切丁寧に御指導あることによって益鳥保護という目的にかなり大きく稗益するところがあるのではないかと考えるのでありますが、これについてはいかなる御処置をおとりになっておるか。またその処置のためにどの程度の予算を計上なさっておられるか、この点を一点お伺いいたします。
  211. 藤村重任

    ○藤村説明員 ただいま御質問をいただきました点は、まことに私たちも痛感いたしておる問題であります。現在一般的に鳥に関する認識と申しますか、第一有害の鳥であるか有益の鳥であるか、あるいは鳥の種類、名簿等につきましても一般に非常に認識が不足しております。それが特にこういう結果になっておるというふうにも考えられます。それでこれは一つは鳥に関する知識の普及並びに宣伝等に努め、特に学校等に連絡いたしまして、これに関する知識をできるだけ徹底いたしたいというふうに考えておりますし、また狩猟の対象になります鳥のリストを作りまして、できるだけこれを多方面に頒布いたしまして一般に認識を深めていただきたい。また鳥そのものについての保護あるいはこれに対する愛護の観念の普及は、今愛鳥週間を通じてやっておりますけれども、これも一時的なことでは十分ではございませんので、あらゆる機会を通じまして自然愛護あるいは鳥というものを愛情的に考えていただくということでいろいろ努力はいたしておりますが、遺憾ながらまだ十分の成果を得ないのはまことに残念でございます。これに関しまして、毎年そのような目的を達するために普及宣伝指導と申しますか、そういう予算も計上して大蔵省に要求いたしておりますが、現在はまことに残念でございますけれども、他の保護区あるいは禁猟区の維持等を含めまして今年度ではわずか四百万円程度でございます。その後いろいろ修正をしていただいたりいたしましたが、それでもまだとても今の御質問の目的を達成するまでに至っておりません。できるだけ今後努力いたしまして、かかる憂いのないような、さらに愛鳥の指導が全般に徹底するような努力いたしたい、かように存じております。
  212. 安藤覺

    安藤(覺)委員 ただいまいろいろな指導対策をなさっておるやのお話も承わりました。予算もわずか四百万円程度であっても計上され、それを使っておられるということでありますが、これほどに騒がれておる益鳥保護ということでありますだけに、もう一段と当局は情熱を示されて、この指導方面に努力していただきたいと思うのであります。聞くところによりますと、諸外国等においては、許可証を与えるときに、その許可証の裏面に保護鳥の名前やら、あるいは時期的にとってはならぬものであるならばその時期やら、あるいはまたごく親しみやすい、最も人里近く多くの的になりやすい鳥で、しかも益鳥は、わざわざ彩色刷りの写眞まで入れて一目瞭然ということにしてあるようでございます。ともしますと、日本の行政はべからず行政であってかくなさいという面において非常に欠如している点は、戦争中からもいろいろ言われてきたところであります。願わくばこの方面の指導が重大であろうかと思いますので、特にこの点御注意を願いたいと思うのであります。  さらにこの狩猟法改正によって空気銃が一般の銃砲火薬と同様な取扱いを受けてくるときに、空気銃を持つということによって一般の獣銃と同様に火薬を買うことができる。これによって生ずる弊害というものについては、御提案者におかれては一応お考えになって下さっておられるだろうと思いますが、もし弊害があるということをお考えになっておられたとするならば、何らかもう一段進められて、この中に取り入れるところの空気銃においては火薬は買うことができないんだという何らかのおきめを願っていただけなかったのか、これはどういう理由でおきめ願えなかったのか伺いたい。
  213. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 これは現行法の火薬類取締法の第十七条に、使用のために免許証を持っていくと買えるということがあります。そこでこれが通りました暁には、同じ狩猟免許証になりますから、空気銃の狩猟免許証であるということをここに明らかにいたしまして、同じ十七条で狩猟のためだといっても買えないという形をとらなければならぬ、こういうふうになると思います。
  214. 安藤覺

    安藤(覺)委員 それは政令でありますか。
  215. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 政令であります。
  216. 安藤覺

    安藤(覺)委員 この空気銃の製造メーカーというものは、全国でどのくらいありますか。そしてその従業員は何人くらいありますか、また現在その製造メーカーのところに、あるいは一般商人のところに保存されている数はどのくらいございますか。
  217. 三浦辰雄

    ○三浦(辰)参議院議員 全体の生産量がわからないので、その点はっきりわからないのでありますが、私どもが特に通産省方面から聞いたところによると、大体六十軒というものが生産者、それから小売の方に回すものが千三百軒、小売として売っているもの、これは空気銃だけ売っているわけではございませんけれども、昨年の空気銃禍ということが世間の非常に非難の的になりましてから、だんだんと製造メーカーは転業されまして、現在大部分のものが転業しておりますが、製造メーカーが今日何を製造しているかということの一応調べはありますが、ほとんど転業しているというのが実態のようでありまして、通産省の航空機械課の課長を参議院の方へ呼んでいろいろ調べましたが、まだ転業が必ずしも完全にいっているとは思えないし、いささか当惑するというような問題も御発言の中にありました。また現在売れ残りと申しますか、ストック品は七万丁と言われております。それから従業員の方は調べておりません。大体一丁当り平均四千円から五千円ということであります。
  218. 安藤覺

    安藤(覺)委員 このたびの参議院から御送付に相なりました法案によりますと、先ほど来中村委員等からもいろいろ御議論、御意見等も開陳せられたのでありますが、おそらく現実においては禁止状態になるのではないか。三千六百円という税金を納めて、なおかつ空気銃遊びをしようという者は、ほとんど減ってしまうのではないか。同時に一面、現在までに持っておった者は地下にくぐってしまうではないか。この点からくるところの、地下へくぐって不法所持ということで罰を受ける者も相当多くなるでありましょうが、一面また買わなくなる者が相当多くなるであろう。そうすると勢いここにメーカーの生活問題またその従業員の生活問題ということも相当大きく浮び上ってくるだろうと思うのであります。この意味においては、やはり提案者において通産省なり何なりを通じて、転業資金なり何なり、そうしたことについての親切なお考えがあられましたかどうか。これが一つ。  時間がございませんからもう一つついでにお尋ねしますが、諸外国等においては、これによるスポーツとしての競射などが盛んに行われて、オリンピックにも云々ということを聞いております。日本においてもかなり多くの地域において、鳥を撃つというよりも、競技ということにおいて青少年の間に愛好され、そうしてそれをりっぱな指導をもって競技をさせておって、それによって欝積しやすい青少年の気持を発散させて善導しておるという話も聞くのでありますが、これらの点についてはやはり何らかのお考えをお持ちになっておられるかどうか。
  219. 三浦辰雄

    ○三浦参議院議員 第一点の転業の問題、おそらくこういうふうになると、持ち主は、一方においては銃砲刀剣類等所持取締令の関係で許可になり、一方においては、本法案の行き方でいえば、千八百円ないし三千六百円、こうなると御指摘の通りになるから、これは何とかして転業しなければなるまいし、一つは東南アジア等への輸出の問題、一つは転業の問題、この問題を通産省の航空機械課で扱っておりますが、それに、こういう方法をとろうとしながらそういうようなことをいうのもおかしな話だけれども、この点についてはぜひ一段と御協力を願っていきたいという点が、当時私どもの方の各委員からも出まして、できるだけ私の方としてもそうしなければならぬと考えるという答弁がございました。  それから第二の競技の問題は、これは大いにむしろやったらいいじゃないか。ある意味においては、問題を、もう少し青少年のスポーツのために団体が買って、そういう方面に使うようにむしろ指導するようにしたらどうだ、こういうような積極的な議論もあったのでありますが、何らそのときには結論が出ませんで、これは当然みんなが考えるべきじゃないか、こういうようなことでございました。
  220. 中馬辰猪

    中馬委員長代理 ほかに質問ございませんか。
  221. 井出一太郎

    ○井出委員 議事進行について……。ただいまの狩猟法改正法案について審議はほぼ終了したようでありますから、本件の取扱い並びに砂糖関係二法案の取扱い方に関しまして、理事会を催されんことを希望いたします。
  222. 足立篤郎

    足立委員 ただいまの井出委員の動議に対しまして、私の意見を申し上げます。狩猟法の取扱いについての打ち合せはけっこうでございますが、砂糖二法案の取扱いにつきましては、私どもの方も目下協議中でございますから、私どもも党幹部との懇談をいたさなければなりませんので、とりあえず狩猟法については協議をなさるということは異存ございませんが、砂糖問題につきましては、暫時休憩後にしていただきたいと思います。
  223. 井出一太郎

    ○井出委員 ただいま足立委員の御発言でありますが、との理事会を開いて協議中に、自由党の方では党の御意見をお取りまとめをいただいて、われわれその間理事会でお待ちをしてもよろしゅうございます。さようにお取り計らいを願いたいのであります。
  224. 中村時雄

    中村(時)委員 今自由党からの意見がありましたけれども、もう会期もいよいよ時間も切迫しておりますし、時間を一応ある程度制限するということはいけないことなんですけれども、足立さんの方にもお願いして、大体の(発言する者多し)、今の結末を、時間的に大体の見通しもあるでしょうし、そういう点をよく間違いのないようにしていただいて、お待ちするなら待つということに考えていったらいいのじゃないか、こう考えております。(「どういうととかわからぬ」と呼び、その他発言する者あり)もう一回言います。今足立委員からの提案がありましたように、との砂糖の問題に関して、まだ党内との調節もあるようでありますので、ただ時間をだらだらしておったのでは困るし、もういよいよ時間的にもあと六時間くらいですから、そこで大体の時間の見通しをつけて、万遺憾のないようにお取り計らいを願いたい、こういうことなんであります。
  225. 芳賀貢

    ○芳賀委員 私は、井出委員の先ほどの御発言にもありましたが、との狩猟法の関係は、六月の三十口に参議院を通過して当委員会に送付になってきておる。ちょうどもう一カ月たっておる。砂糖問題はこれは実質的に直接の関係がないのです。ですから、きょうで会期が終るのですから、狩猟法の問題は一応当委員会においては結論を出す段階に達しておると思う。ですから狩猟法の結論を出すための取扱いに関する限りにおいては、足立君と同じような意味において、理事会にこれが取扱いを諮るとするならば、その意味の休憩であれば、同意いたしたいと思います。
  226. 中馬辰猪

    中馬委員長代理 ただいまの芳賀委員の御提案に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  227. 中馬辰猪

    中馬委員長代理 御異議なしと認め、さように取り計らいます。  暫時休憩いたします。    午後五時十八分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕