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1955-06-09 第22回国会 衆議院 農林水産委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月九日(木曜日)     午前十一時二十二分開議  出席委員    委員長 綱島 正興君    理事 井出一太郎君 理事 白浜 仁吉君    理事 大野 市郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 足鹿  覺君 理事 稲富 稜人君       赤澤 正道君    伊東 岩男君       石坂  繁君    楠美 省吾君       小枝 一雄君    笹山茂太郎君       原  捨思君    本名  武君       足立 篤郎君    川村善八郎君       助川 良平君    田口長治郎君       福井 順一君    松野 頼三君       赤路 友藏君    淡谷 悠藏君       井谷 正吉君    石田 宥全君       楯 兼次郎君    芳賀  貢君       伊瀬幸太郎君    川俣 清音君       佐竹 新市君    中村 時雄君  出席政府委員         調達庁長官   福島慎太郎君         総理府事務官         (調達庁次長) 山内 隆一君         総理府事務官         (調達庁不動産         部長)     山中 一朗君         防衛庁参事官         (防衛局長)  林  一夫君         農林政務次官  吉川 久衛君         水産庁長官   前谷 重夫君  委員外出席者         防衛庁課長         (経理局施設管         理課長)    高田 賢造君         大蔵事務官         (主計官)   谷川  宏君         海上保安監         (警備救難部         長)      砂本 周一君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 六月九日  委員松山義雄君辞任につき、その補欠として福  井順一君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 六月八日  桑園の凍霜害対策確立に関する請願日野吉夫  君外一名紹介)(第一九九七号)  岡山県のひよう害対策確立に関する請願犬養  健君紹介)(第一九九九号)  昭和三十年産米価対策確立に関する請願日野  吉夫君外一名紹介)(第二〇〇〇号)  桑樹の凍霜害対策確立に関する請願倉石忠雄  君紹介)(第二〇四五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  駐留軍及び自衛隊による農林水産業施設使用  及びこれに伴う補償等に関する件     —————————————
  2. 綱島正興

    綱島委員長 これより会議を開きます。  駐留軍及び自衛隊による農林水産業施設使用等の問題並びにこれに伴う補償の問題について、前会に引き続き調査を進めます。質疑の通告がございますので、順次これを許します。田口委員
  3. 田口長治郎

    田口委員 前回の委員会におきまして、漁民に対する補償の金額が問題にならないほど非常に少額である、こういうことを申し上げた次第でございますが、漁民損害をこうむる理由といたしましては、漁場の制限だとか演習だとか、いろいろな原因があるわけでございますが、ことに防潜網に関する損害について非常に広い範囲の漁業者が困っておる。ところが最近東京湾防潜網撤廃になった。今佐世保湾だけが防潜網で困っておる、こういうような事情にあるのでございますが、最近の国際情勢緩和によりまして、私らといたしましては佐世保防潜網東京湾防潜網と同様に撤廃をしてしかるべきだ、こういうふうに考える次第でございますが、防潜網関係の当事者といたしましては、この点についてどうお考えになっておりますか、まずその点をお伺いいたします。
  4. 山内隆一

    山内(隆)政府委員 お答え申し上げます。佐世保湾における防潜網につきましては、東京湾防潜網撤去されるようになりまして、さっそく軍に対して、大村湾につきましても防潜網撤去してもらいたいという申し入れをいたしたわけであります。しかしながら軍としては、まだはっきりした回答を日本側に発しておりません。しかし今後もできるだけ早く撤去されるように極力交渉を続けて参りたいと思っております。
  5. 田口長治郎

    田口委員 努力しておるということでありますが、この東京湾防潜網撤去に対しまして、どういう手続であれが撤去になったのでありますか、さらに佐世保防潜網撤去について単に軍に通知をするその手続だけでいいかどうか、その点をはっきりお願いいたします。
  6. 山内隆一

    山内(隆)政府委員 防潜網性格行政協定の第二条に基く施設区域として見るかどうか、これは疑問がありまして、必ずしもはっきりいたしておりません。従いまして施設区域としての正式の手続をとるべきものかどうかということも自然明確を欠くわけでありますが、しかし現にああいう物的の施設があって、いろいろ迷惑を及ぼしておりまた東京湾がすでに解除になった以上は、どこまでも大村湾についても解除になるように、大体施設区域解除の場合に準じて手続を進めて参りたいと考えております。
  7. 田口長治郎

    田口委員 東京湾防潜網につきましては現地軍との折衝だけで話が片づいたのでございますか。あるいは外務省を通じ米国大使館米国政府の方と折衝されて実現したものでございますか。
  8. 山内隆一

    山内(隆)政府委員 東京湾防潜網撤去になりますまでのいろいろ詳細なやり方等は十分承知いたしておりませんが、調達庁としましては、先ほど申しましたように施設区域に準ずるような意味合いにおいて、施設特別委員会を通じて要望いたしたわけであります。なおまた地元千葉県あるいは東京都とか、最も利害関係のある地方団体としても直接軍の首脳部、たとえば関係するところとしては、横須賀海軍司令部とか、あるいは極東軍司令部、そういう方面には直接にも相当根強く運動をいたされたようにも聞いております。
  9. 田口長治郎

    田口委員 私が承知したいことは、東京湾防潜網撤去になったのと同じ手続を踏んでいけば、——少くとも朝鮮事変中は東京条件が違いますけれども、現在におきましては東京条件が同じでございますから、それで東京湾防潜網撤去手続と同じ方法をとって、早く佐世保湾でも撤去してもらおう、こう考えておるわけなんです。もし外務省を通じて米国政府折衝して東京湾防潜網が撤回されたとすれば、そういう方法をとらなければなりませんし、あるいは日米合同委員会の議題になって撤回になったとすれば、そういう方法をとる、あるいはまた調達庁から現地軍に一片の書類だけ出されて撤回されたとすれば、そういう方法でもいい、どっちか東京湾形式がはっきりいたしますと、その形式で実は進んでいきたいと思いますから、お伺いしておるわけなんです。
  10. 山内隆一

    山内(隆)政府委員 先ほど申し上げましたように、性格がはっきりいたしませんから、正式な手続としてこれはどうしなければならぬというきまった方式はないのじゃないかと考えております。しかし似ておりますから、私どもとしてはきまった施設区域解除の場合の手続がありますので、それによって一応やりますということ、それからきまった形式でないまた他のいろいろの方法便宜交渉を進めるというようないろいろな方法を講じまして、ぜひ早く解除になるように努力いたしたい、かように考えております。
  11. 田口長治郎

    田口委員 性格がはっきりしないということなのですが、私は東京湾防潜網佐世保湾防潜網性格的にいいますと同じだと考えておる。次長性格がはっきりしないという点はどういう点を言っておられるのですか。
  12. 山内隆一

    山内(隆)政府委員 東京湾防潜網佐世保湾防潜網が違うという意味ではないのでありまして、東京湾でも佐世保湾でも、防潜網というものが行政協定に定められておる施設区域に該当するものか、こういう点において明確を欠いておるわけでありまして、あるいはやはりこれも施設区域と見るべきじゃないかという意見もありますが、しかしどうも防潜網の形といいますか、あの施設性質からいって、どういうふうにそれを見たらいいかという意味で疑問がある、こう申し上げたわけであります。
  13. 田口長治郎

    田口委員 今の国際情勢緩和から、佐世保湾防潜網東京湾と同様に一日も早く撤回することが妥当だと考えるわけなのですが、その点についてどうお考えになるのですか。
  14. 山内隆一

    山内(隆)政府委員 調達庁としては東京湾防潜網佐世保湾防潜網も同じ性格のものである、そしてまた必要性というのも別に優劣がないのじゃないかというふうに考えておるわけであります。従いまして東京湾がもう必要性が少くて解除できる、現に解除した以上は、佐世保湾についてもやはり解除していただくことが妥当じゃないか。またかりに多少の必要性がありましても、地元漁業者その他非常なたくさんの方々にいろいろの迷惑を及ぼしておる関係上、ぜひそういうことを考えて早く解除してもらいたい、そんなふうに考えております。
  15. 田口長治郎

    田口委員 ただいまの御答弁によりまして、当局におきましても防潜網撤去してしかるべきだ、さような気持でおられるようでございますから、佐世保湾防潜網撤去につきましては私らも努力をいたしますが、調達庁におきましてもあらゆる方法を研究になって、一日も早く一つ撤去していただきますようにこの上とも御努力を願いたいと思う次第でございます。次に海上保安庁にお願いしたいと思うのでございますが、佐世保湾港則法によって航路を相当漁業制限区域に指定されるような、さような心配漁業者は非常にしております。これは旧日本海軍におきましても、あのときは軍港商港と一緒にあったのでございますが、商港がありながらも、今現地の方で相談しておられる広い方の海域につきましては、漁業制限というものはなかったのでございます。この点を一つお含みの上で、航路による漁業制限という問題につきましては漁業者が直接に大きな関係があるのでございますから、それらの沿革的の関係及び漁業者が非常に困るという点もお考えになりまして、現地とも一つよく御相談して下さいますようにこの機会にお願いをしておきたいと思います。私はこれで終ります。
  16. 綱島正興

  17. 淡谷悠藏

    淡谷委員 千葉県の木更津におけるノリ被害は大分大きいようでありますが、あの原因について調達庁で調べたことはございませんか。あるいは防衛庁の方で調べてありましたなら、そちらの方からお答え願いたい。
  18. 山内隆一

    山内(隆)政府委員 木更津先の海面における廃油がどういう原因によってああいうふうになったかという最近の一月末に起った事件については、まだはっきりどちらが原因を与えたか。軍であるか、あるいは防衛隊であるか、あるいは何かその他の原因かということについては、まだ的確にわかっていない次第であります。その前に相当長く続いております廃油の問題については、これは航空基地から流れ出たものであるということははっきりいたしておりまして、これについては現在所定の手続をとって折衝中であります。
  19. 淡谷悠藏

    淡谷委員 基地から流れました油も今度のノリ被害に対して大きく作用しておるが、フリゲートから流れた油がノリに一番大きな被害を及ぼしたということになっております。その点はどうですか。いつごろ調べたのか、漁民の生活問題でありますから、いつまでも調達庁が費やされておったのではとうてい漁民の何は救えないと思いますから、その点もう一ぺんはっきりお答え願いたい。
  20. 林一夫

    ○林(一)政府委員 フリゲートから流れた油によって被害を受けたというお話を承わっておりますから、防衛庁の方からその点について今までとった措置について経過を申し上げます。  被害が発生いたしましたのは御承知のように一月の三十一日から二月の一日にかけてでございます。この被害の発生を知った端緒は、二月二日に千葉新聞記者から海上幕僚監部及び横須賀地方総監部までに電話連絡がありました。さらに二月三日の午後になりまして、千葉県庁の職員の方と地元漁業者代表の方が見えまして、こういう被害が発生した、どうもあの方面に当時在泊しておった自衛隊艦艇の流した油によるのではないかという御推測のもとに、何とか調査してもらいたいというような話がありました。防衛庁といたしましてはさっそく翌日四日、五日の両日にわたりまして係官が現地の実情を一帯にわたって調査をいたしました。さらにそのときそれに付着しておりました油を採取いたしまして、その採取した油と、当時、これは一月の二十八日の十二時まで在泊しておりましたフリゲート艦うめ」、これは警備艦でありますが、一隻だったのであります。この使用しておりましたところの重油並びにその廃油ビルジ、こういうようなものをとりまして、さっそく二月十日に警察庁科学捜査研究所分析を依頼いたしました。それとともに当時おりました艦艇について、廃油類放出をやったかどうかということを厳重調査いたしました結果、その放出の事実は全然ないということが確認されたのであります。さらに現地附近における海潮流というようなものを調査いたしまして、当時今の警備艦が油を流した場合に、今回のような状況が現出するかどうかというような点についても、十分調査いたしました。その他東京湾一帯にわたりまして、海上保安庁その他と連絡の上、ほかに油の流出源があるかどうかということにつきましても調査いたしました。現在までの調査の結果、次のような判断をいたしておるのであります。油の分析につきましては、最近その結論が出まして、これは先ほども申し上げました警察庁科学捜査研究所に依頼して分析してもらった結果でございますが、それによりますと、この警備艦うめ」の缶用重油ビルジ、こういうものとノリに付着いたしました油とは、差異があるという結果が出ております。さらにこれは海上保安庁の方から、丸善石油株式会社及び神奈川県の警察本部分析を依頼した結果によりましても、同様に差異があるという結果が出ております。さらにその当時の海潮流並びに風の方向というような点から調査しました結果によりますと、最初ノリ養殖場に油が漂着いたしましたのは、一月三十一日の十四時ごろであったのであります。重油使用しておりました「うめ」は、その三日前の一月二十八日の十二時には木更津沖を出発しております。でありますから「うめ」が在泊しておりました二十六日の十六時から二十八日の十二時までの間に、かりにビルジを流した場合でも、当時の風向とか海潮流等から見て、おおむね十四時間くらいたてば停泊地の南方の大堀海岸に漂着するという計算になるのでありまして、その油が三十一日の十四時になって、先ほど申しました最初に漂着いたしました停泊地北東部約四キロの江川沖に漂着するということは、考えられないということ、また当時木更津沖に停泊しておりましたところの海上自衛隊の船舶の状況は、先ほど申しました警備艦うめ」一隻と、あとは上陸用舟艇が九隻だったのでありますが、この艦艇のうちで重油を使っておるのは警備艦うめ」一隻であります。この「うめ」一隻は二十八日の十二時にはすでに木更津沖を出発しております。他の上陸用舟艇は軽油を使っておるのでありまして、重油は全然使っておらないのであります。また上陸用舟艇もすでに二十九日にはあの沖を出発しておったのであります。そんなわけで、重油を使っておりますのは「うめ」一隻であります。それは二十八日の十二時にそこを出発しておりますし、その「うめ」もその他の艦艇も油の放出をした事実が全然ないということを調査の結果確認いたしておるのであります。おそらく当時地元方々は、たくさんの艦艇がおったから、自衛隊艦艇による油の放出ではないか、こういうふうに心配されたと思うのでありますが、ただいま申しましたように、重油を使っておりましたのは「うめ」一隻でありまして、それはすでに二十八日の十二時には出発しておったのであります。そんなようなわけで、今まで分析の結果とか、海潮流調査、あるいはその当時の艦艇状況から判断いたしまして、防衛庁といたしましては現在のところ、今度の被害警備艦うめ」による被害ではないという判断をいたしておるような次第でございます。
  21. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今のお話では、大体フリゲート艦重油ではないということでございましたが、調達庁米軍基地から流れた油で苦干被害があったかもしれないというようなことでございましたが、そういうふうに感ぜられますか。ノリ被害に対して、基地からの油が流れて行ったというようなことが感ぜられておるかどうか、お答えを願いたい。
  22. 福島慎太郎

    福島政府委員 その点は承知しておりませんが、ノリ重油による被害がございました場合に、防衛庁関係自衛隊関係の艦船から出たものでないということが大体立証されております以上は、当然にそれ以外の原因ということになりますれば、最もありそうなことは、米軍関係原因というふうに考えられると思います。調査中であると思いますが、そういう考えでなお調査を進めてみたいと思います
  23. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今度のノリ被害はあらかじめ予知されなかったのかどうか、お伺いしたいのです。
  24. 福島慎太郎

    福島政府委員 私限りで申し上げてはいかがかと思いますが、私に関する限りは、その点よく承知いたしておりません、東京調達局ないし千葉調達事務所その他におきまして、どう考えておったかというようなことを取り調べてみたいと考えております。
  25. 淡谷悠藏

    淡谷委員 米軍基地が部分によってはもっと拡張されるような傾向もあるようですが、こうして拡張される基地によって、今回の木更津ノリ被害のように予知されない損害が起る可能性がだいぶあると思います。特に新潟県、青森県、北海道その他に救難基地を設ける計画があるということも聞いておりますが、事実かどうか、また公然と報告されないーダー基地、こういったように、表面に現われない米軍基地設定が、調達庁の方には通達があるかどうか、お伺いしたい。
  26. 福島慎太郎

    福島政府委員 基地と申しますので、はなはだ感じが違う。印象が大きくなるのでありますが、今日われわれが俗に基地と称しております、提供しております施設区域、六百七十ほどになるかと思いますが、すべての米軍に提供してあるものを一つ一つ含んでおるわけでありまして、町かどにありますステーションも一つ基地であれば、ピストルの射撃場基地であります。その意味におきまして、新潟その他に救難艇を設置する施設考えられておることは事実でございます。またそれが施設区域でありますので、いかに小さい施設でありましても、いわゆる六百七十というものを基地と呼ぶのであれば、いわゆる基地ということにはなるかと思いますが、新潟、石巻その他の附近において、確実な場所は調べますけれども救難艇係留のための施設考えられておることは事実でございます。
  27. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ただいまの救難艇施設は秘密な施設でございましょうか。それともはっきり表立って発表し得る施設でございましょうか。
  28. 福島慎太郎

    福島政府委員 私どもの方に通知が参りましてそのための施設の大きさその他を検討しております次第でございますので、格別秘密な施設というふうには考えておりません。
  29. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ただいまの施設について、これを作るということについて、従来の基地設定の場合と同じように、地元との折衝をやっておられるかどうか、その点をお伺いしたい。
  30. 福島慎太郎

    福島政府委員 救難艇係留施設の問題は、最近に話が出ておりますので、アメリカとの間に合同委員会におきまして話をしておることは事実でありますが、現在までのところすべての個所について地元との話が始まっておるかどうか、その点は完全には承知しておりません。しかしながらできますまでには必ず地元との話し合いが始まるべき性質のものでございます。
  31. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その施設の内容をできるだけ詳細に承わりたい。
  32. 福島慎太郎

    福島政府委員 この点は私自身承知しておりませんが、調べまして後ほど御報告申し上げたいと思います。
  33. 石田宥全

    石田(宥)委員 関連して……。ただいま調達庁長官の御答弁によりまして救難艇施設予定新潟にもあるということが明らかにされたのでありますが、このような施設は今予定されておりまするのは、私どもの聞くところにおりますと、新潟、大阪、八戸、松島、勇沸の五カ所と聞いておりますが、今の長官お話によりますとまだそれ以外にも予定があるやに承わるわけでありますが、その点はどうなんでございましょうか。
  34. 福島慎太郎

    福島政府委員 私の承知しておりますのも大体ただいま御指摘になりました数カ所でございまして、それ以外の地名という記憶は今のところございません。
  35. 石田宥全

    石田(宥)委員 この救難施設というものはただいま淡谷委員の質問に対するお答えで、秘密的なものではない、こういうことでございますが、新潟ではすでにある程度調査も進行いたしまして、阿賀川、信濃川における沿岸漁民人たちが死活問題として騒ぎ始めておるわけです。また海岸線漁民も大脅威を感じておるわけでありますが、その使用目的というものがどういう目的施設をされるのか承わりたいと思います。
  36. 福島慎太郎

    福島政府委員 救難艇係留施設沿岸漁業に相当な影響を与えるということは考えれますし、その実態については私さほど詳細に承知いたしておりませんが、本来救難艇施設と申しますのは、私の了解いたします限りでは飛行機海難、おもに飛行機であろうと思いますが不時着する飛行機に対して救難艇を早急に繰り出すという意味で適当な個所に用意しておく、演習その他の関係飛行機関係の交通のより多く予想せられる地点に選ぶという目的のためであると了解しております。
  37. 石田宥全

    石田(宥)委員 私ども新潟におきまして調査員の漏らされたという話によりますると、ヘリコプターであるとかあるいは水上機等基地にするのではないかというように承わっておるのでございますが、そういう点になりますと、一応そういう小さな規模のものを作っておいて、やがてはこれは軍港的な、軍用の港としての機能を備えるように、現在の新潟飛行場のように第三次、第四次、すでに今度第五次の拡張計画が進められておるようでありますが、そういうふうに将来これが軍港としての役目を果すような方向に行くおそれがあるのではないかということを近隣一同心配をいたしておるわけでありますが、これらについてのお考えを承わっておきたいと思います。
  38. 福島慎太郎

    福島政府委員 その点につきましては、御指摘の御懸念は全然ないものと考えております。あくまでこれは救難艇係留施設であまりして、きわめて小規模のものであると了解しております。救難艇と申しましても、先方からのお話の際にはクラッシュボートという字を使ってあると思いますが、クラッシュボートを係留するための施設を要求しておるわけでございまして、これをヘリコプター発着場とかあるいは水上飛行機発着場とかあるいは軍港に直すというようなことはそのままの形ではそういう約束でどだいございませんので、あくまでクラッシュボートを係留するための地点を提供するにすぎませんので、それ以外の目的使用することはできませず、またかりにそれ以外の目的のために使用するという計画を立てましても、私どもの方といたしましてはこれに賛成することもできませんので、日米間の合意が成立するわけもございません。係留施設と申しますのも、私どもきわめて小規模のものに考えております。従いまして、かかる小規模のもので非常な影響漁業その他に与えるような事態になれば、これは計画自体の方が引き下らざるを得ないというふうに考えているくらいでございまして、大規模のものに変化するという御懸念は絶対にないと考えております。
  39. 石田宥全

    石田(宥)委員 今のところさようにお考えになりましても、私ども心配いたしますることは、御承知のように佐渡にはきわめて大規模な、かつ完備したレーダー基地がございますし、新潟飛行場基地は先ほど申しまするように、第五次にわたる大拡張計画が今進行中なのでございまするから、将来情勢の変化によって多分にそういうことが考えられるわけであります。それを心配するわけです。今淡谷委員の御質問になりましたその規模施設の概要についてはあとで報告をするということでありまするけれども、今長官の御答弁によりますれば、現在計画されておるその規模施設というものはほぼ明確になっておると私は考えるのです。従ってここでどの程度の規模のものであるか、それから海洋、沿岸漁業に与える影響あるいは阿賀川、信濃川等の漁業に与える影響のごときもほぼ推定できるのではないかと考えるのです。できればこの際にその規模施設の概要を承わりたいと思います。
  40. 福島慎太郎

    福島政府委員 規模施設の概要を明らかにいたしたいのでありますが、手元に私自身ただいま承知しておりませんので、早急に調べさせておりますが、実はこういうお返事を申し上げざるを得ないのは、この問題が日米合同委員会と申しますか施設委員会と申しますか、それに出て参りましたことは出て参りましたのですが、非常に小規模のものでもあり、従って漁業その他に与える影響は格別のものではなかろう。きわめて小規模のものであるという印象でございましたので、事務当局に検討を依頼いたしまして、はなはだ申し訳ない点でありますが、私自身がかかり合っておらないので、ただちに申し上げることができないという状況でございます。こういうような新規提供施設のような問題で、少くても相当な大きさをしておりますものは私自身手がけておりますので、規模施設の概要を申し上げずにかように申し上げますことは、はなはだ恐縮ではありますけれども、きわめて小規模のものであると了解しておる次第でございます。施設規模の数字その他到着いたし次第御報告申し上げます。
  41. 石田宥全

    石田(宥)委員 きわめて小規模なというお話でございますけれども、海洋、沿岸漁業に与える影響は、その規模が小さければ大した打撃を受けないか存じませんけれども、今計画されておりますのは阿賀川の川口になるわけです。阿賀川の川口にこういう施設をされるということになりますと、どんな小さなものであろうともサケ、マスその他はほとんどだめになってしまう。そういう点で、そういう小さなものであるならば、今計画をお進めになっておるような位置を避けまして、遠くへ離れたところへ移してもらうというようなことは可能でありましょうかどうでしょうか。
  42. 福島慎太郎

    福島政府委員 この問題は私も詳細に内容を知っておるわけではありませんけれども、事の重要性から、私の判断で申し上げれば、その場所で都合が悪ければ、他に適地さえあれば変更を考えてちっともさしつかえない問題であると考えております。またその重要性と申しますることも、いかようにでもかわりの方法考えてさしつかえないという程度の問題であるというような印象でございます。     〔委員長退席、白浜委員長代理着席〕
  43. 石田宥全

    石田(宥)委員 そういたしますると、関係漁業人たちはもちろん、地方民が全面的にあげてこれに反対をするというような場合におきましては、これを取りやめをすることもできる性質のものでありますかどうでしょうか。
  44. 福島慎太郎

    福島政府委員 救難艇係留施設について、関係漁業者の各位、地方の各位もしくは県、市その他の方であげて御反対になるという事態になれば、私の考えといたしましては、反対を押し切ってもがんばるという性質のものでは毛頭ないと考えております。
  45. 石田宥全

    石田(宥)委員 よくわかりました。それでちょっと今度ついででありますから、新潟飛行場の問題で伺いたいことがあるのであります。新潟飛行場の問題につきましては、過般来県議会におきましても、新潟市議会におきましても、反対の決議が行われまして、立ち入り測量等に対する手続についても、県知事はこれを拒否しておるわけでありますがかように土地収用法によりまする手続の上において、県議会並びに県知事がこれを拒否いたしておりまする場合において、何か実力行使してでもやるというようなことをほのめかしておられるようでありますが、実力行使をやられる場合には、いかなる法令に基く措置でありまするか。また実力行使をもあえてやらなければならないものであるか、この点を承わっておきたい。
  46. 福島慎太郎

    福島政府委員 新潟飛行場の今回は第四次ということになりますが、第四次の拡張について、拡張を確定させるための——もしくは不適格ということになるかもしれませんが、地質その他の調査のための立ち入りの要求をいたしておりますことは御指摘の通りでございます。現在では国の立ち入り調査要求書が県知事の手元にあるということ、これまた御指摘の通りでございます。知事が拒否した場合に、実力を行使するということは——実力行使ということは考えておりません。つまり私どもは立ち入り権がなければ入れないのでありますから、立り入り権がなくても実力で入るという思想を持っておるという意味の実力行使は考えておりません。立ち入り権を何とかして獲得するために努力するというのが現段階でございます。立ち入り権が設定されなければ、実力では入るわけに参らないのであります。ただ立ち入り調査のための国の請求と申しまするものは、県知事によって公示していただく建前に法律ではなっておりますので、その間に時期的に時間がかかっておりますのが現状でありまして、絶対に公示をしないという、いわゆる拒否を受けたという事態ではないと考えておりますので、待っておる次第でございます。
  47. 石田宥全

    石田(宥)委員 そういたしますと、これは土地収用法以外の法律またはその他の手続によっては行われない、あくまで話し合いがつかない場合においては、土地収用法の手続によってのみ立ち入り調査その他のことをおやりになると、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  48. 福島慎太郎

    福島政府委員 その通りでございます。
  49. 田口長治郎

    田口委員 関連。先ほどからの長官との質疑応答を聞いておりますと、救難艇基地施設が非常に小さいからと、こういうようなお気持があるようでございますが、阿賀川にいたしましてもあるいは信濃川にいたしましても、その他の河川にいたしましても、川口に施設をされるということは、漁業上からいって非常に重大問題であります。御承知の通り河川漁業というものは遡河魚類でほとんど成り立っておる。サケにいたしましても、マスにいたしましても、あるいはアユにいたしましても、ウナギにいたしましても、平素海にいる魚がある時期に川を遡上するこれによって成り立っておる漁業でございますから、この河川の口に施設するということは、事の大小にかかわらず、非常な御注意を要する、かように考える次第でございますから、その点を一つお含みを願いたいと思うのであります。  第二に防衛庁の方にお伺いいたしますが、先ほどのノリ被害の問題につきまして、防衛庁艦艇が停泊したことによって嫌疑を受けるということは、何か前科があって、どうも防衛庁の船が停泊すれば油を流す、こういうような印象を沿岸漁業者に与えておるのじゃないか、これは御承知の通り、進んだ国におきましては、水質汚濁防止法というものがありまして、一般の船舶でも、湾内に入った場合におきましては、ビルジを流さない、こういうようなことになっておるのでございますから、少くとも防衛庁所属の艦船だけは、湾内に入った場合に絶対にビルジを流してはいかぬ、こういうことで、いかなるところに停泊されても嫌疑を受けないよう、そこまで一つぜひやっていただきたい、こう考えるのでございますが、もちろん上陸用舟艇とか何とかそういうものをいうのではありません。少くとも重油をたく大きな艦船だけは、一つあなたの方で現地部隊に御注意下さって、湾内ではビルジを流さない、外海に行ったときに出す。これだけの指令ができますかどうか、その点をお伺いいたしたいと思うのであります。
  50. 林一夫

    ○林(一)政府委員 今お話の前科の点でありますが、今までそういう点は全然ございません。そういたしまして、湾内における今のようなビルジ廃油、こういうようなものの放出につきましては、従来再三厳重な命令を出先部隊に与えております。もちろん今後とも、そういうことはいたさないように厳重なる命令を出して、そういうビルジ廃油、そういうようなものを湾内に放出しないように、厳重なる命令を出しております。
  51. 田口長治郎

    田口委員 その点は一つこの上とも徹底するように、処置願いたいと思います。  調達庁長官に伺いますが、この補償金の交付が著しくおくれる。これは最近相当早くなりましたが、非常におくれるのでございまして、私たちはこういう総括的の問題だから、やっぱり調達庁で扱われた方が一番いいだろうということを考えておりますが、補償金の交付が著しくおくれるという点からいいますと、あるいはこれは各省に分割した方が、まだ早く処置できるのではないか、こんなふうに考えられるほど、補償金交付というものは非常におくれるわけなんです。一例を申し上げますと、長崎県に片島という島がございますが、この片島の沿岸では四つの漁業組合員が漁業をしておる。行政協定に基かない、いわゆる演習地でない片島で、米軍が射撃をして、非常に補償を要する状態になっておる。場所は領海内でございますから、これは当然不法行為といいますか何といいますか、補償すべきものだということはさまっておりながら、しかもわずかの金額で、今に処置がされていない、こういうような例を考えてみますと、どうも漁業者が困っておるその熱度にピツチが合わないような、さような感じがするのでございますが、この片島事件について調達庁としてはどういうところまで話が進んでおるのか、なぜこんなにおそいのか、その点を一つお聞かせを願いたと思います。
  52. 福島慎太郎

    福島政府委員 調達庁補償金の支払いがおそいということは、残念ながら御指摘の通りでありまして、私は調達庁はえ抜きでもございません、近年のことでありますが、近年調達庁全職員をあげて大いに勉強いたしまして、また改善するところも改善いたしまして、逐次成績がよくなりつつあると申し上げることはできると思いますが、まだまだ私自身満足いたすようなところまできておりませず、また従いまして、もちろん国民各位の御満足は得てないと思います。いろいろな原因があったであろうと思います。講和発効時に至りまして急に膨大な作業量が発生いたしましたこととか、あるいは調達庁それ自体が、現在は三千数百名の役所になっておりますが、過去において一万二千名くらいの職員を擁しておりまして、年々歳々人員整理ばかりやっておる、年々歳々人が減る、ほとんど人員整理をやらなかった年というものはない、働けば働くほど自分の首を切ってしまうという、こういう不景気な役所になっておるという関係も、あるいはあるかもしれません。それから根本的に申しまして、日本の会計法規というものも、もう少しこういったような場合には考える余地があるのではないか。つまり調達庁の支払っております金額というものは、ただいま交付金というお話もございましたけれども、ほかの官庁の払っております助成金とかあるいは補助金とか、そういうものと全然性質が違っておりまして、私の観念いたしますところでは法律上の債務の支払いをしておるわけなんであります。従いまして、同じような会計法規というものの拘束を受けて、ひまが非常にかかる、また手数も非常にかかる。私も自身で全部の実務をやるわけではございませんので、承知いたしませんけれども、たとえば千葉県の九十九里浜でございますか、あそこの漁業補償を一年分払いますのには、書類を完備いたしますとトラックに二はいかかるということだそうであります。それでは手間がかかるのは当りまえでありますし、また金額の問題が多いものでありますから、従いまして交渉の余地が多いし、話し合いのために時間がかかる。押しつけたくないと思えば、納得を得るというようなことで時間もかかる。おそらく御指摘は、その納得を与えたにもかかわらず、あとの手間がまだかかるではないかということであろうかと思います。それらの手間もなおかかるのでありますが、逐次改善しつつあるということだけは申し上げることができると思います。  なお御指摘のありました片島と申しますか、それの不法行為に基く補償でございますが、この補償は、日本側だけでいたします一般の補償と違いまして、アメリカ側から金を取り立てるという関係になりますと、米軍側の不法行為でありますので、その不法行為をアメリカ側に承認させるというかけ合いが一段また間に入るわけであります。そのために手間がかかっておるのではないかと思いますけれども、私自身御指摘のございました片島の件につきましては全然承知いたしませんで、はなはだ恐縮でありますけれども原因はおそらくそういうことにあるのではないか。なお片島の件につきまして、現在のアメリカ側との交渉状態もしくは日本側補償積算の程度その他につきまして、わかっておるようでございましたら、説明員の方から説明いたさせます。
  53. 田口長治郎

    田口委員 ただいまの長官答弁によりますと、極力能率増進をはかりつつあるが、手が足らぬから、どうもおくれるのだ、とこういうようなふうにも解釈できますし、また私らも調達庁の仕事というものがいかに複雑きわまるむずかしいものであるか、自分でもわかっております。しかし一面漁業者の立場に立つと、ともかく一日も早く補償金の交付を受けたい、こういうような気持が非常に熾烈でございますから、今の事務のやり方ということにつきまして、特に一つ改善策を講じていただきたい。少しでも早くこういうような道をぜひ講じていただきたいと思います。同時に、この片島問題については長官も御承知ないようでございますが、問題の起った日にちからいたしますと、もう相当以前のことでもありますし、米軍との折衝の段階があると申しましても、あまりひどいと私は考えるわけなんですが、事件発生から今まで、幾日にどういう処置をとられたのか、そういう点を一つさらに御説明願いたいと思います。
  54. 福島慎太郎

    福島政府委員 片島の補償に関しましては全然承知しておりませんので、御満足のいく御答弁ができないことは恐縮でございますが、かなり長く懸案で交渉中の案件であろうと思います。非常に長いのがありますことをほかに私も承知しております。調達庁といたしましては、今後この種の問題につきまして、私自身も監督いたしまして、できるだけ迅速に処置をいたしますように努力いたしたいと考えております。御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えております。なお、片島問題につきまして今日までの処置の経過につきましては、調べまして御報告申し上げます。
  55. 田口長治郎

    田口委員 この補償金の問題は、金額の問題もありますけれども、時期の問題が相当重大と思うのでございます。こじれなくてもよい問題が、時期がおくれるために非常にこじれてしまう。かような事情にもあるのでございますから、片島問題なんかにいたしましても、一日も早く解決策を講じていただきますように、特に要望いたして私の質問を終ります。
  56. 淡谷悠藏

    淡谷委員 米軍演習地と自衛隊演習地を、同じ場所で行うということを再々言われております。現在自衛隊米軍とが同じ場所を使って演習等を行なっております事例はどの程度ございますか、お伺いいたします。
  57. 福島慎太郎

    福島政府委員 米軍演習場として設定いたしましたいわゆる施設区域自衛隊が入っておるといっては語弊がありますが、自衛隊もこれを使用しておるという事例はあるはずでございます。正式に共同使用ということで逐次手続をいたしておりますが、全部の箇所なり数なりを明白に承知いたしておりませんけれども、そのつど共同使用としての閣議決定を経るというのが成規の手続でございますので、逐次公表されていく次第であると考えております。いわゆる演習場につきましては自衛隊使用しておる、たとえば東富士の演習場にも自衛隊が行っていると思っておりますが、そういう演習場が数箇所あるように記憶しております。
  58. 淡谷悠藏

    淡谷委員 福島長官に特に申し上げたいのは、記憶しております程度のお答えでは満足できないのであります。これが非常に大きな混乱を招いております。米軍基地をお使いになるためには非常に大きな国民的の抵抗を受けておる、そうしたやっと作り上げたさまざまの使用上の協定をいつの間にか自衛隊までが入ってきて、それを長官自体がお知りにならぬというだらしのない契約をしますから、演習場あるいは基地の混乱が絶えないのです。一体米軍使用しております演習地に閣議決定に基いて共同使用をする、あるいは閣議決定に基かないでなお演習をする、こういう場合に地元米軍基地あるいは演習地として使用を承諾した契約の上に、さらにどのような契約を地元とお結びになるのか、その点を事務的にはっきりお伺いしたい。まるでヘビの穴にネズミがもぐり込むように、米軍の名前を借りて演習をしておきながら、いつの間にかずるずると入っていくようなことをしますから、青森県の関根で行われたように、瞬時に十数人の自衛隊が死んでおるではありませんか。こんなことを事務的に一体どう処理されるのかよく存じないでは承諾できません。はっきりお答え願いたい。
  59. 福島慎太郎

    福島政府委員 米軍施設区域が正式に自衛隊のものになりますためには、施設区域が一ぺん使用解除せられ、防衛庁地元の間の話し合いがついて、新たな契約にならなければならないわけであります。現在の一時的に使用しておるという関係は、そういう問題の前提にならないわけでありますので、一時使用——いずれも一時使用ということで共同の使用が行われているところがあるわけでございます。一時使用にいたしましても地元の了解を得る方が適当であることはもちろんでありまして、その意味におきまして、北海道その他におきまして地元とも相談した事例も一応承知しております。将来米軍施設区域でなくなった場合の処置というところまでは私どもは予想しておりませんので、それまでの間一時的な問題であるというふうに考え、従いましてその施設区域調達庁の所管と申しますか、調達庁において処置するという現状を一時的に承認しておるわけでございます。
  60. 淡谷悠藏

    淡谷委員 米軍使用しておる演習地に、地元に何らの交渉なしで自衛隊が勝手に入った場合、これは拒んでかまわないのですね。その点お尋ねいたしたい。
  61. 福島慎太郎

    福島政府委員 アメリカ側はその施設区域に、行政協定によりますところの管理権を持っておるという建前になりますので、その管理権の承認する範囲内であれば自衛隊との共同演習その他をアメリカ側が計画することは、私はできるのではないかと考えております。
  62. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そういう場合でも地元との協定が非常に大きな基本をなしていると思いますが、その地元調達庁との間に行われた協定に反したりあるいはその範囲をはみ出すような条件で行われている演習はどうなさいますか。
  63. 福島慎太郎

    福島政府委員 アメリカ軍の持っております施設区域の管理権と申しますものは、これが防衛の目的のために使われます限り、かなり広範かつ確実なるものを持っておるわけでありまして、自衛隊とその目的の範囲内で管理権の範囲内で処置をいたす場合には、その権限は米軍側にあると考えておりますけれども、その場合でも調達庁といたしましては、地元の了解を得る方が妥当であるとは考えております。     〔白浜委員長代理退席、委員長着席〕
  64. 淡谷悠藏

    淡谷委員 演習の時期などは必ずしも長官が言っておるようには行きません。たとえば三月間の演習を約束しておきながら半年間の演習をし、その半年は自衛隊が入るのだ、こういうふうな事例などもあるのであります。これは時期を延長したり範囲を拡大する権利までアメリカ軍が持っておるとお考えになりますか。
  65. 福島慎太郎

    福島政府委員 時期と申しますことは、米軍演習場自体が時期を限られた演習場であれば、米軍演習計画に基いて時期を延長することはできないはずでありますが、通常の場合演習場の射撃区域などにつきましては、時期の点もあるかとも想像せられますけれども、時期の限ってある演習場もあまり数はないのではないかと思います。従いましてアメリカ軍の許されておる時期の範囲内において自衛隊との共同の演習、もしくは訓練が計画されるということはさしつかえないのではないか。また範囲、地域その他をいわゆる成規の施設区域としてきまっております地域以外、たとい自衛隊が入るからといって拡張することはできないのであります。
  66. 淡谷悠藏

    淡谷委員 防衛庁にもお伺いしておきますが、自衛隊演習をする場所というのは、地元とはっきり協定の結ばれた地域に限られておる、あるいは昔の軍隊のように至上命令的なものをもってどこへでも入ってこれを使ってかまわないというようにお考えになっておりますか。この点をはっきりお伺いいたしたい。
  67. 高田賢造

    ○高田説明員 ただいまの演習場の使用でございますが、自衛隊が独自に持っております演習場もございますが、それらにつきましては必要な権限を得ました上で使っております。
  68. 淡谷悠藏

    淡谷委員 適当な権限を得ないで使っておるような場合は、これを拒むことができるわけですね、
  69. 高田賢造

    ○高田説明員 従来やっております私どもの方の演習場につきましては、ただいま申し上げます通り必要な権限を得てやっておりまして、かりにそうでない場合は、これはむろん考えられないわけでございます。
  70. 淡谷悠藏

    淡谷委員 地元民が承諾をしない場合に田畑等に立ち入り、あるいは山林などを荒らした場合は、不当使用として損害賠償の対象に考えておられますか。
  71. 高田賢造

    ○高田説明員 これは一つの法律問題でございますので、当然民法の不法行為とかそのような問題といたしまして考えるべきものではないかと存じます。かりにさような場合が起りますれば、当然損害賠償ということは起ることと存じます。
  72. 淡谷悠藏

    淡谷委員 あらためて調達庁長官にお尋ねいたします。米軍使用しております土地に自衛隊が入って演習をする。こういう場合は調達庁を経ずして米軍がそれを許すことができるというさっきのお答えでございましたが、そういう場合における賠償関係はどうなりますか。自衛隊の賠償責任になりますか、調達庁の責任になりますか。
  73. 福島慎太郎

    福島政府委員 アメリカ軍が管理権を持っておるわけでありますので、これが自衛隊を入れなければ入るわけには参らないというわけであります。そういう場合に起りました損害におきまして、アメリカ軍に原因事由のあります損害は私どもが払うわけでありますが、明瞭にアメリカ軍に責任がないという損害がありますれば、これは自衛隊という問題になるのではないかと思います。けれどもアメリカ軍側の責任というものも、管理権を持っております以上は、ある程度追究することはできるはずでありまして、実際的には自衛隊との間に協議いたしまして、いずれが払うかということを処置していくようになるであろうと思いますけれども、責任の追究のしどころがなくなるというような事態にはならないはずだと考えております。
  74. 淡谷悠藏

    淡谷委員 自由党内閣当時岡崎外務大臣は、国内における演習地の面積をなるべく拡大しないために、米軍自衛隊との演習地は共同使用することを原則とする、なるべく独自の演習地は持たないということをしばしば言明されましたが、現民主党内閣におきましてもこの根本方針に変りがないかどうか、長官にもう一ぺん御説明願いたい。
  75. 福島慎太郎

    福島政府委員 私の仕事をしております範囲内におきましては、共用するという原則はまだ私自身としては立てておりません。日本全体といたしまして米軍演習場もあり自衛隊演習場もある、いたずらに面積が食われるという事態は感心したことではございませんので、これが共用という建前によって小さくなって参る、節約されていくということが正しいことであると思います。従いましてそういう意味におきましては、共用の原則は成立すべきものであると考えておりますが、事務的の範囲内におきましては、現在のところ原則として米軍演習場を自衛隊使用するという建前には、まだそこまで事務的な手続が進捗しておりません。例外的にアメリカ軍の管理権に基く自衛隊演習が行われるという程度であると考えております。
  76. 淡谷悠藏

    淡谷委員 地元人たち米軍に責任があるのか自衛隊に責任があるのかはっきりとは知っておりません。それから演習が行われましても、さっき長官の御答弁にありましたように、米軍の権限内でこれを許しておる、その場合に責任の帰着点がはっきり押えられていなければ、地元民は一体どこへかけ合ったらよろしいか、始終この問題が起っておる、木更津の問題なども、油が自衛隊関係のものであるかあるいはまた米軍帯地のものであるか、地元民はどうでもよろしい、一日も早くそうした損害に対する賠償をもらいたい、これが切なる考えなのであります。その場合に共用することがあり得るという今の事態において、そういう使用の際の補償の責任がどっちにあるのか事務的にはっきりしてなければ、今後この補償金その他の支払いが非常に遅滞したり、またいたずらに紛乱をしたりすると思いますけれども、そういう準備がございますか、お伺いしたい。
  77. 福島慎太郎

    福島政府委員 自衛隊米軍と両方一緒に演習しております演習地で起りました損害につきましては、当然にそれが自衛隊の与えた損害であると確認できるものにつきましては、おそらく自衛隊としても適当な措置をとられるでありましょう。しかしそのいずれとも事態がはっきりしないということになりますれば、当然に施設区域の管理の責任は調達庁の方にあるわけでございますので、調達庁の方で措置をいたすことになると思います。いかんとしても米軍の責任と見ることができないという事案を受け付けました場合には、調達庁といたしましては防衛庁交渉するということになるであろうと思います。従って地元方々に対しましては、責任の追及の持って行き場所がないという事態にはいたさないつもりであります。
  78. 淡谷悠藏

    淡谷委員 防衛庁にお伺いいたしますが、現在使っております演習場に対する補償支払いあるいは借地料、こういったものはどれくらいになっておりますか、お伺いいたします。反別及びその賠償の価格でございます。
  79. 高田賢造

    ○高田説明員 自衛隊が使っております演習場の中で、米軍が使っておりますものについての場合、米軍が使っております演習場をこちらが使っておりますものにつきましては、先ほど福島長官お答えになった通りでございます。自衛隊の側で不法行為となりましたものにつきましてはこれを支払う、今のところそういう手続にはいたしておりますが、今幾ばくのものを払いましたか、資料が手元にございませんので、調べてからお答え申し上げたいと思いますが、私の承知しているところでは、今まであまりその例はございません。
  80. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私の伺いたいのは、現在使っておる自衛隊演習地の面積及びこの借地料あるいは一年の補償額、こういったものを聞きたいのでございます。
  81. 高田賢造

    ○高田説明員 現在自衛隊の持っておる演習場につきましては、この前委員会の方に書類でさし上げてございますが、今私の記憶でございますが、三千万坪程度ございます。借地料はもし必要でございましたら、後刻調べまして正確なものを出したいと思いますが、いかがでございましょう。
  82. 淡谷悠藏

    淡谷委員 実は必要なんで質問しておるのでございまして、あらためて資料を請求いたしますが、借地料並びに土地を買い上げた場合の価格なども書いて出していただきたい、資料を請求しておきます。ただ一点お伺いしておきたいのは、調達庁における損害賠償の額と、自衛隊損害賠償の額と基準が同じであるか違っておるか、この一点を確かめておきたい。
  83. 高田賢造

    ○高田説明員 損害賠償ということでございますれば基準は同じでございます。
  84. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうすると米軍演習場内で行われた自衛隊に対するさまざまの損害賠償も、調達庁としてどっちが払おうが、この算定基準には全然違いはない、こう認定してかまわないのですか。
  85. 福島慎太郎

    福島政府委員 自衛隊がいかなる基準でお支払いになるかということを私から御答弁申し上げるわけにはいかないのであります。自衛隊の方では調達庁の払っておる算定基準と同様にしておるという話でございますれば、さように私了承するほかないのでございまして、私の方からお答え申し上げるわけには参りません。
  86. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それでは一つ防衛庁の方にお伺いしたいのです。ただいまあなたのお話では、米軍演習地における損害賠償の算定基準とあなたの方は同じだというお答えがございましたが、土地の買い上げ基準、こういうものもやはり同じと考えてよろしゅうございますか。
  87. 高田賢造

    ○高田説明員 内部の事務手続ですが、防衛庁側としては同じということははなはだ言葉は正確を欠きますが、調達庁の方で示しておられますものと、ほぼ同内容のものを基準として中で一応定めております。そのことだけお答えいたします。
  88. 淡谷悠藏

    淡谷委員 質問は一応これでとめておきますが、資料を一つお願いしたいと思います。調達庁の方にはさっきお願いいたしましたが、救難艇繋留施設の詳しい内容、計画、こういったものを一つの資料としてお願いしておきます。それからもう一つ、きょう配付になりました提供農地の補償額調書、駐留軍の行為により農林水産等がこうむった損害補償額調書、実はこのもう少し詳しいのをほしいのです。この程度では予算書を見れば大体わかりますから、土地などの賃借料にしましても、高いところは一反歩どれくらいで、安いのはどれくらいで、普通はどれくらいになっておるか、この比較をとりたいと思うのです。それを特に地域的に固有名詞を入れて一つお願いしたい。全部とは申しません、代表的なものを一つお出しを願いたい。なお、それに関連しまして、現在自衛隊と共同使用しております土地の調べを一つお出し願いたい。  それから防衛庁の方には、さっきお話のございました賠償額の一年間における支払い、それをできるだけ詳しく地域的に分けて、高く払ったところ、安く払ったところ、これらを具体的に一つ資料としてお出し願いたいと思います。それだけお願いしておきます。
  89. 石田宥全

    石田(宥)委員 関連して……。防衛庁施設理課長が見えられておるので、時間がありませんから要点だけ伺いますが、新潟県の新発田の自衛隊のところに六日原射撃場というのがあります。これは実はだいぶ地元で反対もあったのですが、一応射撃場ができたのです。ところが射撃場の周辺にどんどんたまが飛んで来る。幸いにしてまだ人命の損傷等ございませんけれども、その付近で植林をやつたりいろいろやっているところに、昼日中曳光弾ですからどんどんそこらへ落ちてくるのが見えるのです。それでもう仕事を放棄して、昨年のごときは植林を始めたのが曳光弾や何か破片が飛んできたりして、そのまま放棄して逃げ帰って来て、苗木をずいぶん枯らしておるのです。そういうような事実がございましたが、そういうことを御承知でしょうか、どうでしょうか。
  90. 高田賢造

    ○高田説明員 ただいすお話がございました六日原につきましては、具体的に私どものところまでまだ届いておりませんですが、とかくそういう場合がありますことを他の例で承知していますので、あるいは……。それを調べまして一つお返事いたしたいと思います。
  91. 石田宥全

    石田(宥)委員 これは実に驚き入った話で、そのように演習場周辺の農民が、現実にもう昨年大きな被害を受けておるし、自分の所有の山林、田畑で耕作したり仕事をするわけにいかないほど目に見えて破片や曳光弾がどんどん着弾しておるのです。そういう事実を新発田自衛隊は知っておるのです。知っておっていまだに措置もせず報告ももたらさない。しかも今課長の話を聞けば、ほかにもそういう事例があるがごとくに言われるのですが、一体うかつ千万もはなはだしい。今後そういう事態の起らないようにしてもらいたい。それだからといって、いたずらに膨大な土地を射撃場のためにつぶされるのもこれは迷惑千万な話ですが、何らかその措置を講じてもらいたい。われわれが考えるのに、これは最初予定しなかったところのこの射撃演習をやるところから起因するものではないかとも考えられまするけれども、そういうようなことが——私今たまたま六日原演習場のことを出したのですが、ほかにもそういう事態があるということであっては、これは大へんなことになる。今後もそういうことのないようにすみやかに適切な処置をお願いしたい。
  92. 高田賢造

    ○高田説明員 先ほど申し上げましたことは多少言葉が足りませんでしたが、過去に一つ例がございまして、それは必要な措置をいたしたのでございます。六日原につきましては、さっそく調べまして措置いたします。
  93. 石田宥全

    石田(宥)委員 それでは、今のことで、そういうような事態が今までもあったということですが、その場合にいかなる措置をなされたか、そういうようなことについて、今問題の起っている地方が、今の課長のお話ではおそらくまだほかにもたくさんあるような気もするので、これは一つ十分調査の上に、その資料を、今淡谷委員から請求された資料と一緒に一つお出し願いたいのであります。
  94. 綱島正興

    綱島委員長 福井委員
  95. 福井順一

    ○福井(順)委員 私は水質汚濁防止について水産庁長官に質問いたします。わが国の食糧政策上水産資源が重要なことは、これは論をまたないところでありまして、水産資源保護のためには万全の方途が講ぜられなければならないのであります。現に昨年四月、ロンドンにおいては油による海水汚濁防止のため国際会議が開催されて、世界の三十二カ国がこれに参加し、この問題が世界的にも重大視されまして、日本からも代表が出席したのでありますが、第一の水産国であるわが国におきまして、水産資源確保のため十分なる施策が講ぜられていないということはまことに重大問題であると思いますが、これに対する水産庁長官の御所見を承わりたい。
  96. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。御指摘のように水産に対する水質汚濁の問題は非常に重要な問題でございます。われわれといたしましても、この問題につきましていろいろ検討いたしておりますが、これは御承知のように非常に関係するところが多々あるのであります。従いまして厚生、運輸、農林、建設通産というふうな関係省におきまして協議をいろいろいたしております。水産庁といたしましては、現在各種の汚濁を来たすものにつきまして、その許容限度がどの程度であるかということを、専門家に依頼して検討いたしておるわけでございます。これは全部的になかなか困難でございますが、ある部分のものは、大学の方である程度の研究の一つの私案と申しますか、そのお願いいたしました方の見解が出てくると思います。これをさらに広い専門家の委員会のようなものにかけて進めて参りたい。全般的な水質汚濁防止の問題は非常に関係するところが多いのでございますから、そういう問題を一つ一つ固めまして、そうして根本的な対策を立てていく必要があろう、かように考えております。なお、油に関する御指摘の国際条約につきましては、これはただいまも御指摘のように、すでに昨年におきまして国際条約ができております。ただ、わが国におきましてはまだこれが批准されておりませんので、国内法の制定に至っておりません。イギリス等はこれに基きまして本年国内法を制定したように承知いたしております。
  97. 福井順一

    ○福井(順)委員 本年の一月三十一日から二月一日にかけて、千葉木更津市江川から君津郡富津町に至る約二十キロの沿岸一帯廃油が漂着、当時最盛期にあったノリひびに付着して、養殖中のノリは一挙にして廃油汚染の厄にあい、商品価値を喪失してしまった。被害組合は江川、木更津木更津中央、桜井、小浜、畑沢、坂田、君津、大堀、青堀南部、富津、新井の十二漁業組合、沿岸漁民九千五百余名、経営者二千四百余名、ノリさく約二万四千五百さくで、被害総額約一億一千二百万円である。これについて地元及び県から数回にわたり陳情に出ているのでありますが、水産庁はいかなる措置を講ぜられたか、長官の御説明をお伺いしたい。
  98. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ただいまのお話の点はわれわれも関係町村から承わりました。この原因につきましては、千葉県の方の分析等の事情もございますし、また港則法関係もありますし、潮海流その他、他の船舶の状態、いろいろな面におきまして広範に調査をいたす必要がございますので、われわれといたしましては、海上保安庁がそういう調査をされるのに最も適当ではないかということで、その調査をお願いいたしたわけでございまして、第一回、第二回の打合会が開かれたことは福井委員も御承知の通りだと思います。ただその点につきましては結論が出ておりませんので、さらに専門家の調査をわずらわしたい。われわれといたしましては、従来の調査分析をされた担当者のほかに、専門家である大学の教授等も加わってさらにその点の調査を進めていただきたい、かように依頼をいたしておるわけであります。水産庁といたしましては、そういう調査の問題とは別個に、現在の一般的な水産行政の範囲内におきまして何とかお手伝いをしたいという意味におきまして、漁場の改良の問題としてノリの保蔵施設の設備、別の場合におきましては貝類の漁場の改良とか、あるいはそのための飼料の供給とか、そういう措置につきましてわれわれも何とか協力をいたしたいと考えまして——ただこれにつきましては具体的な対策なり計画が必要でございますので、そういう点につきましては、千葉県に対してその対策の具体的計画を出してもらいたい、われわれといたしましてもそれに対して十分協力をいたしたい、かように通知しておるわけでございます。
  99. 福井順一

    ○福井(順)委員 今専門家の調査に待ちたいということを言われましたが、これは今までにも何回も調査もしておるし、調査の結果も現われておる。先ほどの林防衛局長答弁によりますと、これは自衛艦の廃油によるものではないという科学的な調査が現われたということでありますけれども、これは全く一方的な調査であります。私ども千葉県あるいは地元調査したところによりますと、これは自衛艦の廃油に違いないと思われる節が多いのでございまして、現に東大で廃油分析研究してもらった結果、自衛艦の廃油に酷似しておるという発表をしておるのであります。これについて先ほど林防衛局長は自衛艦の廃油ではないというようなことを言っておられるということは、大へん責任のがれな言葉だと私は思いますが、これについて林防衛局長の御答弁を承わりたい。
  100. 林一夫

    ○林(一)政府委員 ただいま責任のがれというようなお話がありましたが、決してそういうわけで申し上げたわけではないのでありまして、防衛庁としましては、この事件が起ったすぐ直後の二月三日に、地元方々からそういうお話を聞きまして、さっそく四、五と現地調査班を出しまして、あらゆる面から調査いたしたのでございます。当時在泊中の艦艇について油の放出の有無、廃油の有無、当時の海潮流、これは海上保安庁ともよく連絡をとりまして、当時の風向とか、海潮流というものにつきましてよく調査いたしますし、またさっそく調査に行ったときに採取した漂着油、それから当時在泊しておりました警備艦うめ」の重油並びにビルジ、こういうものの分析警察庁科学捜査研究所に依頼しまして分析しました結果、どうも差異があるということになったのであります。先ほども申し上げましたように、海上保安庁におかれましても、丸善石油とか、あるいは神奈川県の警察本部で化学分析をやられたのでありますが、その結果も同じように、両者は異なっているという結論が出ておるのであります。その他申し上げますと、当時あそこに在泊しておりました艦艇の中で、重油を使っておりましたのは、フリゲート艦一隻でございまして、そのフリゲート艦は一月の二十八日の十二時にそこを立ち去っております。しかもそのフリゲート艦はそのような廃油及びビルジを流すようなことは全然なかったのであります。その他の艦艇は二十九日の七時に出発しておりますし、しかもそれは重油を全然使わぬ船でございまして、軽油を使用する船でございます。以上のような点からいろいろ総合して判断しましたところ、防衛庁といたしましては、どうも「うめ」による被害ではないという判断をしているわけでございまして、今後さらに広い範囲で各官庁でもお調べになって、これは防衛庁艦艇による被害である、ある、こういうふうにされればそれまででありまして、今まで私ども調査の結果によってはそういう判断が出ているという調査の結果を御報告申し上げた次第であります。
  101. 福井順一

    ○福井(順)委員 今まで数十年来廃油によるところのノリ被害というものはなかった。ところが昨年の初頭にも廃油による軽微なるノリ被害があった。そのときもちょうど防衛庁の自衛艦がその海面を遊よくして演習をした。今回また数等の自衛艦が停泊したり、遊よくしたりしてこの問題が起きたのでありますけれども、今まで数十年もそういう被害がない、自衛艦が停泊するようになってからそういう被害ができてきた。また科学的な検査をいたしましても、防衛庁で検査されたのによりますと、油が違うというようなことだそうでありますが、われわれが東大の研究所で分析してもらったのでは、非常に似ているという結論が出ております。酷似しているということは、自衛艦の廃油に違いないと私たちが思ってもさしつかえないと思う。また千葉県の技師が自衛艦「うめ」の廃油を検査するために取りに行ったときに、「うめ」のジョイントがこわれておって、ビルジがたくさんたまっておったということも聞いておるのでありまして、いかに自衛隊で自衛艦の廃油じゃないということを言われましても、地元といたしましては、どうしてもそういうことを見聞もしているし、研究もしました結果、これは自衛艦がやったのだと思わざるを得ないわけであります。従ってこれ以上いかに科学的な捜査だとか、検査だとかいうようなことをいたしましても、これはお互いに一方はやったと言い、一方はやらないと言うわけでありますから、これはむだなことだと思う。しかしながらこれについて保安庁の警備救難部長はどう思われるか、また今後もこれについて綿密なる調査をされるか、これを承わりたい。
  102. 砂本周一

    ○砂本説明員 海上保安庁は先ほど水産庁長官の御説明にもございましたが、直接所管といたしましては、港則法に油の投棄等の制限の規定がございますが、直接所管ではございませんが、二、三の法規に水質汚濁の関係もございますので、その法規の海上における励行の関係で今回の事件にタツチいたしまして調査をしたのでございます。二月の二日午前十時、横浜に私どもの出先として海上保安部がございますが、ここに対しまして木更津港の航路標識事務所長から事件の発生を連絡して参りました。従って必然の業務といたしまして調査を開始したのでございます。調査方法といたしましては、非常に広範囲にわたるのでございますが、まず東京湾全般にわたって調査をすべく方針を立てまして。可能な範囲においてあらゆる船舶にわたって見たのでございます。それから汚濁の現象といたしましては、当然周囲の工場その他の施設考えなければならない。それと浮流するものでございますから、気象、海象あるいはその他の関係の資料もさっそく集めまして調査を開始したわけでございますが、まことに遺憾でございますけれども、現在までにその根源がつかめていないのでございます。先ほどいろいろお話に出ました防衛庁フリゲート艦は当然調査の対象になりますので、これに対しましてもできるだけの調査をいたしました。そのためにフリゲートが使っております数種の燃料その他のサンプルをとりまして、現に汚濁を起しました油等の分析鑑定も私の方といたしましては二カ所依頼しますし、他の機関としても、千葉県側と防衛庁も別の権威ある機関で鑑定を依願され、その結果が出て参りましたが、その鑑定自体によっても根源を突き詰めることが現在ではできません。それから防衛庁フリゲートのことでございますが、今申しましたように使いました油そのもので根源が今のところつかめなかったことと、停泊した場所と時日がはっきりしておるものでございますので、それをもとにいたしまして、もし万一ある程度の油を流した場合どういう影響を及ぼすか、むしろこれは逆にいろいろ考慮いたしましたが、今までの研究によりますと、現に汚濁を起しましたその状況にはならないという結論が出ておるわけでございます。これもまだ調査の過程でございますし、それから先ほど御説明いたしましたように、相当権威を持つた方々の鑑定によった結果ではございますが、これをさらに鑑定をされました当事者並びにその他の権威者を集めまして、鑑定書に基く研究もしてみたい、こういうふうに考えておるのでございます。
  103. 福井順一

    ○福井(順)委員 これは何回も論議したのでありますけれども、前回の会議の場合にもそうでありますが、犯人と思われる防衛庁とそれを捜索する警察の役目を果す保安庁がどうも口が合っておる。これでは全くわれわれはどうにもしようがないわけであります。しかも全く不可解なことには、水産庁はもうだいぶ前の話であるにもかかわらず、放置して何ら施策を講じていない。零細漁民がこのために困っておるというような現実でありますが、今林防衛局長がほとんど確定的に自衛艦の廃油でない、自衛艦は油を海上に廃棄しないと言われるけれども長官は廃棄してはならないという命令を出しておるでしょうが、どうも前の海軍にもよくあったことですが、下っ端の方では上の命令だからというので、こっそり夜間廃棄するというようなことがしばしば行われたということを聞いておる。しかもこれはだいぶ故障した古い船だというようなことを聞いておりますが、その点あなたは責任を持って廃棄していないということが言えるのかどうか、もう一ぺん責任のある御答弁を願いたい。
  104. 林一夫

    ○林(一)政府委員 係官が来まして、十分に調査したその報告によりますと、重油そのものは全然廃棄していないということの報告を受けたものでありますから、私はそうであると思っております。
  105. 福井順一

    ○福井(順)委員 あなたは報告を受けただけの話であって、私の言っておるのは、実際にそういうことをしておるかしていないかという問題であります。それは下僚が報告するのにしたと報告するものはない。おれはどろぼうしたと言う者がないのと同じです。そういうことが実際に厳重に行われておるかどうかということであります。これは今後そういうことがないようになお厳重に注意していただきたい。十日ばかり前私が飛行機東京湾の上を飛んで見ましたら、やはり相当の量の油が湾内に流れておりました。ああいうものが何から出た廃油かしりませんが、現実にそういうことがある、そこで現実の問題としては一億一千万円という厖大なる被害を零細なる漁民がこうむりまして非常に苦んでおるのでありますが、五ヵ月にもなるのに今日まで水産庁はまるでそれを放置されておる。今の長官答弁を聞きましても、さっぱり要領を得ない。ピントがはずれた御答弁なのですが、これについて当局者はどうなさるのか、もう一ぺん水産庁長官の御意見を承りたいと思います。
  106. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 水産庁といたしましては、原因の究明その他の問題は別といたしまして、水産行政一般の問題といたしまして、関係漁民に対しましては先ほど申しましたようにノリ漁場の今後の改良の問題あるいは同じ漁場であります貝類漁場の改良に対しましては、三十年度におきましても予算がございます。また必要がございましたら融資という点を検討いたしておるのであります。ただこれは具体的な漁場につきまして、具体的な計画をお立て願いたいということを再三県当局にもお話をしておりますので、その計画の提出を待ちまして、水産庁としては、そういう措置につきましてできるだけの協力をいたしたいと考えております。
  107. 福井順一

    ○福井(順)委員 あなたの答弁はおかしい。なぜならば、あなたの答弁を聞いておりますと、どうも油は必ず流れるのだからこれは仕方がない、それはあきらめろ、だからほかのところでやれ。そこで融資もしたい、補助もしたいというようなお話に承わりましたけれども、私があなたに質問をいたしておりますのは、一億一千万円という厖大な被害を現在こうむっておる。これはだれも犯人はないとおっしゃるけれども、それとは別に、これはあなたはそういっておられるけれども、いつ補償してくれるのだという問題であります。これについて一つはっきり御答弁をしていただきたい。
  108. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 補償の問題は、これは災害等の場合も同様な問題がございますが、本年度におきましての廃油原因に対しまして、その原因が究明いたしました場合においては、それの相手方に対してはもちろん補償要求を水産庁としても交渉するわけでありますが、現在の状態におきましては、水産庁独自でもってこれを補償するという措置もなかなか困難でございますので、現在水産庁のなし得る限度におきまして、極力補助金の問題なりあるいは融資の問題について協力いたしたいと思っております。
  109. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 関連して……。私聞いておりますと、官庁のなわ張りの責任のがれの答弁ばかり言っておる。こういうことでは福井氏の言われるように、迷惑するのは漁民です。だからこういう問題はやはり一番の所管庁である水産庁長官の荷物が重かったら、河野農林大臣にも話して、これに対する補償考え方をするということを考えなければいかれぬ。また防衛庁だって責任のがれのことばかり言っておる。研究とか何とかということを、そんなノリのところに持って行ってやるとかやらぬとか言わぬでも、大体わかっておる。自分のふところに入るわけじゃないのだ。そういう責任のがれを言わずに、被害者の気持になってもう少し考えていただきたい。大体こういうノリ被害があってそのために日本のノリが足りない。たったこの間も、われわれの方の水産委員会の小委員会で、百万ドルの外貨の割当をして、韓国からノリを持ってくる、こういうようなことをやっておる。国家では百万ドル以上の外貨割当をしてノリを輸入しておる。そういった大切な国の外貨を使っておるのに、これらの被害に対して責任のなすくり合いをしておって、水産庁長官それで済みますか。どうかはっきりした答弁をお願いします。
  110. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ただいまもお答えいたしましたように、水産庁としては、もちろんノリの生産増強についてはいろいろな施策を講じておるわけでございます。その施策のもとにおきまして、これに対して対策をいたしたいとかように考えておるわけであります。ただ補償の問題は特別の措置を要しますし、その他の災害等の場合とも関連ございますし、現在におきまして、この補償を水産庁独自の立場でやって参るということは非常に困難でございますので、今申しましたような今後の方法として、いろいろな措置を講じることが適切ではないか、かように考えまして、具体的計画につきまして県当局ともいろいろ申し上げておるわけであります。
  111. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 これ以上官庁の方に質問したところでなすくり合いでだめなんです。だからわれわれは委員長に申し上げますが、水産小委員会において、この問題をどうすべきかということを十分対策を講じてみたいと思います。
  112. 赤路友藏

    赤路委員 関連。今佐竹委員から大分強い言葉があった。今までの御答弁を聞いてみますと結局福井委員が言うように犯人はない。防衛庁の方では防衛庁関係の船が放出したものではないということを言われておるし、また海上保安庁の方でも、調査された結果が現在の段階においてはそうだ。そこでもう一点あるのは、木更津基地関係の油放出調査されたかどうか。これが一点まだ残されておる。それから漁民みずからが——これは自分のノリを損耗するようなこういうばかな、油放出というものはやらないだろう。どちらにいたしましても補償の問題が出ておりますが、これがもしも防衛庁であれば当然防衛庁が、またこれが基地から放出されたものであるとするならば調達庁が主体となってこれを補償しなけけれならぬだろう。どちらにしても今までの答弁をお聞きしておりますと、結論を得るまでには相当まだ時日を要するのではないか。今ここで何ぼ押し問答をしてみてもこれは解決がつかない。しかしながら被害を受けておる業者自身の立場から考えます場合には、そうだらだらと解決のつくのを待っておられる状態にないということだけは皆さんも御了解が願えると思う。そこで問題はどうするかということです。佐竹委員に怒られるかもしれませんが、ただちにここで補償をせよと言ったって、長官補償しますとも言えますまい。また防衛庁の方でもあるいは調達庁の方でもその点は言えると思う。そこで当面のこの一億何千万という被害があるといっております。これは率直に申しまして、私はそれだけの被害があるかどうか知りません。ここに陳情書が来ておりますが、これは非常に厖大な範囲にわたっておる。これは木更津から富津という広範囲にわたっておる。ところがこの各漁場がどれだけの損害があったという明細は一つも載っておらぬ、従ってその点は別にいたしまして——しかしながら総体といたしまして一億一千二百万円の損害がある。確かに損害があったということは認められるわけです。しかもそのことによって、現地の業者が非常な苦しい立場に置かれておるということはおわかりだと思います。一体それでは結論が出るまでどういう応急の措置をとるかということが出てしかるべきでないか、これだけこちらの方でいろいろと質問をしているのですから、少くとも現在のこの漁業家の危機を、まず当面結論の出るまでの間どうして緩和してやるか、このことが当然出てこなければならぬ。この点長官何かお考えはありませんか。     〔委員長退席、鈴木(善)委員長代理着席〕
  113. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ただいまの赤路委員お話のように、その善後措置につきまして、いろいろ融資等の面におきまして、県当局に再三具体的計画を出してもらいたい、われわれとしてもこれに対しては非常に協力する、こういうことで、これは机の上で中央において計画を立てるよりも、むしろ具体的に県の方において、こういう措置はもちろんそれぞれの地帯において違うだろうと思いますから、そういう措置の案を出してもらいたい、かように県に連絡いたしておるわけであります。
  114. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 先ほどから聞いておりますと、林防衛局長答弁に、私はまことに不満足であります。木更津ノリ被害は、各委員からいろいろお話があったので、それに対して答弁がありましたが、その答弁の中で、防衛艦の方からの報告は、多分あなたの部下からの報告だろうと思うが、廃油ビルジも全然出しておらないという報告があった、こういうことをあなたは真実に受け取りますか。あなたは船に乗ったことがあるかどうかしりませんけれども、私は長い間船に乗っておりまして——防衛艦には乗ったことはございませんけれども、船はいやしくも運転しておる以上はビルジは常に出ておるのであります。あなたの防衛艦は運転していないときはビルジは出ないでしょう。運転しておると常に機械的にずっと出ておるのです。それを一体ビルジを全然出さないということを信じておるところが私は不可解なんです。その油によって木更津被害があったかどうかは別として、廃油も出さない、ビルジも全然出しておらないで、船が一体運転できるものですか、あなたはどう考えますか。その一点。  それから水産長官に申し上げたいことは、この水質汚濁については、われわれはもう第一回国会から心配して取り上げた問題です。かつての国会で水産資源保護法を制定したその時分に、農林大臣の権限で禁止もでき、それからさらにそれに対する損害補償もできるような案文を作って、われわれ衆議院だけは通過したのです。ところが参議院の本会議において、通商産業委員会がちゃちゃを入れて、その字句を削ってしまった。先ほど聞くところによりますと、今水質汚濁の問題で、学者やその他の権威のある人に研究をしてもらっておる、こういう、研究どころではないのです。実質的にあるのです。あるからこれを立法化して禁止の措置かあるいはこれに対するところの補償の措置を完全にするようにしなければならないのであって、これは政府提出で早くやってもらいたい。ところが政府のあなた方が、先ほどから聞いておると、もう何かしら話し合いで、国会の答弁などはこうしてやろう、責任のなすり合いかどうかはわかりませんけれども、とにかく結論が出ておらない、水産庁としてはそういう結論が出ておらないから立法をしないというようなことでなく、早くこの問題について立法措置をして、そうして漁民を救い上げるということを水産庁長官考えないかどうか、この二点を局長並びに水産庁長官から御答弁願いたいと思います。
  115. 林一夫

    ○林(一)政府委員 ただいまのお話でございますが、私も実はその方は専門家ではないので、十分説明がいたしかねたのであります。もっとも私が申し上げましたのは、船が正常の状態において動く場合に流れているというのは全然なかった、そのような程度のものは全然出なかったという意味ではないのであります。廃油とかビルジを投下する、放出するということがなかった。もう一つは、先ほどただ調査官だけに調査させてそういうことを信じたかというような趣旨も入っておったと思いますが、この点は従来ともそういうことのないように——そういうことと申しますのは、廃油とかビルジを湾内に放棄する、放出するということのないように厳命を与えております。また平素からそういう点も現地において各責任者が注意をいたしております。当時の在泊艦艇においても、調査官が行って調べるまでもなく、当然当時の責任者はそういうことをしないということを言っている。あらゆる点から考えましてそういうことをしなかった、こういうふうに総合的に判断したわけであります。全然そういうものが流れていなかったかということにつきましては、私は専門家でないものですから、通常の正常な状態において性能上流れ出る油は当然あったかと思いますが、そういう意味ではないと思います。
  116. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 ただいまの水質汚濁の問題は、われわれといたしましても漁業大衆の仕事の面からいたしまして、非常に影響するところが多いわけでありますから、これらにつきましては何とかいたしたいという意味におきまして、いろいろ研究いたしております。ただこれは非常に広汎な問題でございますし、許容限度等からいろいろ水質汚濁を来たす原因もございます。そういう許容限度につきましてもいろいろ御検討を願っているという実情でございますので、これが実現をわれわれも期待し、また努力いたしたいと考えております。
  117. 川村善八郎

    ○川村(善)委員 水産庁長官答弁は、広汎だから何かしら結論が出ないということに聞えますが、広汎だから立法措置を講じて、それぞれ漁民に対する損害を与えないようにしようというのがわれわれの考え方なのです。だからこの問題を今ここで議論するのはおかしい。水産庁でその措置をすでに講じていなければならない。ですからただこの措置を賠償せいとかあるいは艦船から油を流すなとか、あるいは工事をして汚水を流すなと言っても、とうていそれをとめることはできない。とうていできないから、いわゆる立法措置を講じて、でき得るだけそういうことのないようにすることはもちろんでありますけれども、それに対する補償を完全にするということを明らかにしなければ、この問題は解決がつかないということを私は申し上げているのです。長官は各般の研究もいろいろしておられましょうけれども、実際的に現われている問題はもうはっきりしているのですから、結論を早く出して、それぞれの処置を講ずべきだ、私はこういうことを言っているのです。これに対する長官の決意はどうか。まだこれから研究しますではおそい。あと何年かかったら研究ができるのか。この前水産庁の調査研究部長は百年たってもできないと言って、百年放言で問題になったことがあるが、長官も百年たたなければ研究ができないのかどうか。こういうゆうちょうなことでは困るから、せめて今度の国会に立法するとかあるいは結論を出すということであればいいけれども、これから研究するということではまことに水産庁長官漁民を思わない。あなたは水産庁長官として漁民の味方だとわれわれ思っている。その味方がそういうゆうちょうなことではまことに困るので、この次の国会に立法措置を講ずる意思があるかどうか伺いたい。
  118. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 非常に具体的なお尋ねであります。私どもといたしましては、これはできるだけ早く結論を得たいというふうに申し上げたいと思います。
  119. 福井順一

    ○福井(順)委員 大体の結論が出たようでありますが、とにかく犯人捜査は犯人捜査としてやってもらいたい。保安庁としてもより厳重により詳細にやってもらいたいということをお願いします。これは長官自身が言っておられるように、それとは別に、現実に被害をこうむっている漁民が困っている。これを救済しなければならないという気持になっていただきたい。あなたの頭の切りかえをここで要求する。どうもそういうように頭が向いていないように思う。そこで最後にどうしても期限を切って、早急に廃油によって困っている漁民補償するということをここで一つ答弁いただきたい。
  120. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 あるいは答えが非常に御不満かもしれませんが、先ほども申し上げましたように、補償の問題等は、現在とり得る最大限度の善後措置をわれわれとしてはとりたいと思います。
  121. 福井順一

    ○福井(順)委員 現在でき得る最善の対策をとりたいということをあなたは言っておられるが、今までもう数ヵ月にもなっているのに、そういう措置が一ぺんもとられていない。これは現地漁民は非常に不満に思っている。これは保安庁の調査が疎漏であるとか、あるいは自衛隊の方でおれがやったのではないということを言うかもしれないけれども、少くとも水産庁長官漁民の味方だ、漁民を助けてくれるのが水産庁だと私は思っている。その長官のあなたが一番熱意がないと漁民はみな思っています。あなたはまずその点を考慮されて、言を左右にすることなく、本気で救済対策を早急に講じていただきたいということをお願いします。それから福島調達庁長官にお伺いしますが、きょうの新聞を見ますと、いよいよ木更津航空基地の強制調査をするということを県の方に通達したというので、先ほど千葉県の副知事に電話をかけて聞いてみましたところが、調達庁からそう言ってきた、こういうことですが、あなたはこの前、前々会の内閣委員会において、私の質問に対して、実力行使はやらない、あくまで地元と話し合いをつけてからでなければ調査をしないという答弁をされたのであります。その答弁と昨日の調達局長の県知事に対する申し入れとはだいぶ違っているけれども、その点について御答弁を願いたい。
  122. 福島慎太郎

    福島政府委員 立ち入り調査の点につきまして、東京調達局から千葉県の方に連絡したということでありますが、私はまだ承知いたしません。まだ正規のものではない内連絡の程度ではなかろうかと思います。ですが福井委員も御承知の通り、先般の内閣委員会で小牧の立ち入り調査につきましてだいぶ私どもも追及を受けたわけでありまして、少くとも立ち入り調査だけは成規の手続と申しますか、法的手続をもってやれということでお指図を受けた関係もありますので、まだ木更津の点につきましては、やっているのかやっていないか私は知りませんけれども調査は急ぐ関係もございますから、ぜひともやらしていただきたいのでありますが、ただいま御指摘のありました次の内閣委員会だったと思いますが、内閣委員会で御答弁申し上げましたように、将来の混乱を避けるために、小牧の問題について起りましたような事態を避けるために、法的な手続を整備いたしまして、立ち入り手続はやることにいたしたいという方針にいたしております。従いまして木更津の点につきまして、昨日そういう処置をしたかどうか、それは存じませんが、当然そういう手続に従いまして木更津の立ち入りをお願いするようになるかと考えております。
  123. 福井順一

    ○福井(順)委員 それは話がよくわかりましたが、そうすると調達局長が強制立ち入りをすると言ってきたことについては、長官は御存じないわけですね。
  124. 福島慎太郎

    福島政府委員 私はまだ存じておりません。しかし国会その他で明らかにいたしました通り、また部内にも国会の御指図に従って指示いたしましたので、手続を整備して、その手続に従って立ち入りをするということは心得ておりますので、あるいは内々連絡いたしたかもしれません。私が承知いたしておりませんでも、その処置に誤まりがなければそれで差しつかえはないのであります。  なお強制手続というお言葉でございましたが、法的手続による立ち入り調査というものは、先方の了解を得てないという意味におきましては、同意を得た上の手続ではない、従って強制手続とこう来るわけでありましょうが、強制手続とは私ども考えておりません。法律に基いて手続を進めた上での調査という意味でございますので、御了解を得たいと思いますし、またその範囲内におきましては、立ち入り調査はぜひともこの際至急に実施するつもりでございます。
  125. 福井順一

    ○福井(順)委員 私が強制立ち入りと申し上げるのは、現地漁民調査をすることは反対だという反対の意思表示をしておるにもかかわらず、法律的な手続をとって、実力をもって調査をされるのか、こういう意味でありますから、一つ答弁を願います。
  126. 福島慎太郎

    福島政府委員 現地関係者が御同意ならばそれだけでよろしいのでありまして、ほかに手続はいらないのであります。反対であれば実力をもって入るわけには参らぬのでありますから、収用法その他に従った手続をとらなければならない。先般の小牧の調査をいたしました場合には、関係五カ町村ございまして、それが一つ原因であったかと思いますけれども、私どもに関する限りは、関係五カ町村の同意を取りつけまして、立ち入って調査をしたわけであります。それが内閣委員会の問題になりまして、同意が取りつけてあるとかないとか、あるいは同意をした村長がその後逃げ隠れをしたとか、いろいろなことで非常に混乱した事態になりまして、接収とかそういうことであれば別でありましょうが、立ち入り調査といった問題については、むしろあとで混乱を招く、同意をしたとかしないとか、手続関係よりも法的手続による立ち入りをした方がよろしいという御意見でありましたので、それに従うということになったわけでございます。
  127. 福井順一

    ○福井(順)委員 そうすると法的手続によって、現地調査に反対してもやはり強行する、木更津航空基地に対してもそうする、こういう御意向ですか。
  128. 福島慎太郎

    福島政府委員 現地に反対がなければ法的手続はいらないわけでありますので、法的手続をやるということは、現地に反対があってもやるということでございます。
  129. 福井順一

    ○福井(順)委員 そうすると私の言う現地漁民がどんなに反対しても、法的手続をとって実力でこれは調査するということになりますが、そう解釈してよろしゅうございますか。
  130. 福島慎太郎

    福島政府委員 大体その通りでございますが、実力でという言葉だけは承服いたしかねます。
  131. 福井順一

    ○福井(順)委員 私はそういう実力で調査をされるということになれば、これは非常に重大な事態が起ることと思いますが、まことにこれは残念なことだと思いますが、その質問はあなたの御趣旨は大体わかりましたからこれで打ち切ります。  もう一点、山口県の姫子島……。
  132. 田口長治郎

    田口委員 木更津ノリ被害問題につきましてはきわめて重大と思いますが、資料の提供も必要のようでございますし、一面漁民の窮迫ということを考えますと、これはすみやかに漁業に関する小委員会に移しまして、小委員会ですみやかに審査をして結論を出すようにしたい、かように考えておる次第でございますが、この点皆さんに一つ考え願いたい。
  133. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 ただいま田口委員から、木更津ノリ被害の問題その他水産の被害に関する問題は水産に関する小委員会に移して、早急に具体的結論を出したい、こういう動議が提出されましたが、さよう取り計らって御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 それではさよう取り扱うことにいたします。
  135. 福井順一

    ○福井(順)委員 山口県の姫子島が国連空軍の爆撃、射撃用になっておるのでありますが、このために周辺の立ち入り禁止区域ができておって、漁民が非常な損失をこうむっておる。これについて今まで補償がされていないようでありますけれども、福島調達庁長官の御所見をお伺いいたします。
  136. 福島慎太郎

    福島政府委員 姫子島を中心といたします爆撃の演習は、御承知の通りアメリカ軍も国連軍も両方関係があるわけであります。アメリカ軍の方の関係補償はいたしておるわけであります。海面の地域は若干違います。国連軍関係補償の行われておりませんことは御指摘の通りで、まことに申しわけないと思っております。ただこの問題は国連軍協定と申しますか、取りきめが最近できたばかりという関係もありまして、遅れておるわけでありますが、ただ違いますことは、国連軍の場合には先方から補償の金額を取り立てるということになっておるわけであります。従いましてその関係で話し合いが遅れておるということは事実でございますけれども、私ども調達庁の立場といたしましては、国連軍協定でいかように償還と申しますか、費用の負担のあれを交渉せられたにせよ、調達庁としては法律に基いて補償するほかいたし方のない問題でありまして、財源がどうなっておるかということまでわれわれが心配しなくてもいいんじゃないかと思いますので、法律を励行いたしまして早急に、財源問題はいずれで交渉せられるにせよ、調達庁としては法律を励行して補償を完遂するという態度をきめまして、仕事の完成に向っていくつもりでございますので、早急に解決するはずでございます。
  137. 福井順一

    ○福井(順)委員 その問題に対しては、特に一つ長官の御配慮をわずらわしたいとお願いいたします。千葉県の廃油によるノリ被害につきましては、ただいまも小委員会で研究調査をするということも決定いたしましたし、特にこれは水産庁長官といたしまして、先ほど来私が熱意をもって質問いたしておるように、早急に一つ解決をしていただきたい。これは水質汚濁防止ということについては世界の問題であります。また日本が加盟すれば日本も水質汚濁防止法という法律を制定しなければならないという義務も出るわけでありまして、これは世界の趨勢でもありますから、この水質汚濁防止法を作るということについては、長官一つ非常な熱意を持って考えていただきたい、私どもとしましても、それでできなければ臨時立法でもしなければならぬというようなことを考えております。どうか一つ誠意のある早急な解決をお願いいたしまして私の質問を終ります。
  138. 淡谷悠藏

    淡谷委員 福島長官に一点お伺いいたします。さっき決然たる態度を持って法的手段に出るということを申しましたが、調査に立ち入る場合に法的手段に訴えるということは、その結果いかんによらず、その演習地の拡張は断行されるという決意を伴なっておりますかどうか、お伺いしたい。つまり調査調査調査の上で飛行場の拡張をするかしないかは別にきめるという意味なのか、調査した以上はどうしても取るという決然たる態度であるか、その点をお尋ねしたい。
  139. 福島慎太郎

    福島政府委員 調査をいたしますということと、飛行場を拡張するということはつながっておりません。私どもは、拡張という問題につきましては、これは木更津だけでありませんので、全国数カ所にわたっておりますので、地質的に不適格とか、その他の関係で不適格なところがどこかに出て参りますと、全面的に計画が変らなければいけないという関係がございます。  でございますから、ぼつぼつ各所で調査しておりまして、木更津だけが調査ができないということになりますと、全面的に計画がそごいたしますので、木更津ができるならできる、だめならだめ、いずれにいたしましてもこれが早くきまることが、あるいは事と次第によりましては木更津の人の利益にもなり、あるいはよその飛行場の人の利益になることもあり得るわけでございますので、この調査を急いでおります。従いまして、調査だけの点につきましては、反対がありましてもやろうという腹をきめておるわけでございます。後の拡張とかあるいは接収という問題に自動的につながっておるわけではございませんで、つながらない心配があればこそ、調査を早くやりたい、こういうことでございます。
  140. 淡谷悠藏

    淡谷委員 調査とその以後の処置とがはっきり切り離されているという御答弁、大へん私は満足なのでございますが、法的手段に訴えて調査する場合に、地元がもしもこれに対してなおまだ陳情とかあるいは調査に対する助言などがあった場合は、ぜひともこれを冷静に受け入れまして、この法的手段に訴えて調査した場合も、合意によって調査した場合も、客観的な事態だけは、一つ冷静に、慎重にお調べを願いたい。多少いきさつがございましても感情的にならずに、具体的に拡張すべからずという結論が出た場合は、そのままこれを取り上げて、はっきりこの点に差別をつけずに処置していただくように、重ねて要請いたします。
  141. 福島慎太郎

    福島政府委員 御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。  なおこの際、先ほどお答え申し上げかねておりました問題につきまして、十分でもございませんけれども一応の調べが参りましたので、救難艇施設関係について、一言申し上げさせていただきます。救難艇の要求個所は、御指摘のございました通り六カ所、勇払、八戸、松島、新潟、水戸、大阪、この六カ所でございます。その大きさは、まだそこまで調べがついておりません、そこまでの資料がきてないのでございますが、詰所とか、物置とか、その他係留地の土地とか、そういう関係もございますので、いろいろ大小があるそうでございます。特に大阪のごときはポンツーンと申しますと何でございますか、その設置のみを要求しているそうでございます。少し大きなものは千五百坪ばかりの地面が要る、こういったような施設のようでございます。なお詳細の点は後ほど御報告申し上げます。
  142. 石田宥全

    石田(宥)委員 ただいまの資料、なお若干付加すべき点もあるというお話ですから、文書にされて早急にお出し願いたいと思います。
  143. 福島慎太郎

    福島政府委員 さよう申し上げたつもりでございます。
  144. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 それでは午前中の審議はこの程度にとどめまして、暫時休憩をいたします。午後は三時から委員会を再開いたします。     午後一時四十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかった〕