○芳賀
委員 大体今の
松浦さんの御
説明によると、従来の
政府の考えは正しいとは思えなかった、与党としてこの機会に
自由党並びに当
農林委員会の
指摘に力を得て、この機会に
政府の間違った考え方を是正したというふうにあなたは今言われておるようでありますが、与党としては今後も
政府のかかる
農業政策を通じての非違的な行為に対しては、常にこれを正しい方へ持っていくために、当然与党としての
責任があるというふうに私は理解しておる。
その次にもう一つ法律に
関係のある点でありますが、昨年の国会において
健苗育成の
法律案が議員立法で通過しておるわけであります。この
健苗育成の問題は、ここ二カ年にわたり
農業災害が連続しておるのにかんがみて、特に
北海道、東北、甲信越の高冷地地帯等においては、何とかの水稲栽培の技術的な部面の上において、また生産性を確保する場合においては、法的な根拠に基いた保護政策が必要であるということが一つの根拠になってこの
法律案が成立しておるわけであります。ところが今年度におきましては、せっかくこの
健苗育成促進の法律が現存しておるにもかかわらず、むしろ二十八年災害の、これは補正によったのでありますけれ
ども、二十九年度の保温折衷あるいは温床設置に対して約五億二千万円の
補助費が出されておるのであります。これは
昭和二十八年度の
予算に嘱するわけでありますけれ
ども、これを二十九年度の植えつけに交付したわけであります。ですからこれは
健苗育成の法律が成立して、しかも毎年少くとも二千万坪以上の計画を立てて、この計画等に対しましては
政府が
責任を持って
補助金を出すということを規定しておるわけです。ところが今年度の当初
予算によりますとわずかに坪数において一千二百万坪、坪の単価にしましても前年度におきましては保温折衷苗しろについては二十一円五十銭、温床苗しろに対しては三十一円六十銭という単価で計上されておるわけであります。本年度は保温折衷の分だけを一千二百万坪として温床苗しろ等に対しましては一つも
予算を計上しておらないわけであります。保温折衷に対しましても単価の引き下げを行なって、これを坪十八円にしておる。これをこの機会において
修正せられたわけでありますけれ
ども、今回の
修正に当りましては、坪数において約八千坪をやはり十八円の単価で
増額されておるわけですが、この機会にお伺いしたい点は、今度の
増額修正の場合においても、
北海道においては特殊的な
事情がありまして、今の内地府県で行なっておる保温折衷苗しろでは実行が伴わないのであります。どうしても多額の労力と
経費がかかるところの温冷床苗しろによらなければいかぬということが厳然たる事実として明らかになっておる。これが今度の
修正の場合においても一つも計上されておらない。保温折衷苗しろだけが総額において二千万坪になったということはとうてい理解することができないのであります。しかも当
委員会においてはこの二十八年度
予算の中において計上された五億二千万円を少くとも下らざる限度において二千万坪を実行するというようなことで五億二千万円に一つの期待を持っておったわけでありますけれ
ども、
増額に相なっておりますけれ
ども、
北海道に関する一番重要な問題であるところの温冷床苗しろに対しまして一坪の
修正も行わなかったという点については、何らかの理由があると私は考えるわけであります。ですからその根拠になるものをこの機会に明らかにしていただきたい。