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河野国務大臣 ただいま御朗読いただきましたものにつきましても、私はその前に
お答えしたことで尽きていると思いますが、基本的な
考え方でございますが、私は今でも、
食糧問題は
食糧問題であり、農村振興は農村振興だ、こういうふうに割り切って
考えた方がいいのじゃないかと思うのであります。農村の振興、
農家経済の安定確立というものは、むろんその主たる生産物が米、麦等でありまするから、これを軽視するわけには参りません。軽視するわけには参りませんけれども、さればと申して、米麦だけに重点を置き過ぎては、
農家の
経済というものを全面的に
考えることは無理だ、これは私が今ここで繰り返すまでもなく、わが国の米作
農家、供出
農家の数から申しましても、私は明瞭に
考えられると思うのであります。そこで、今までのことが悪いとは申しません、今までの政策もむろん続けていかなければなりませんけれども、これにつけ加えるに、全
農民諸君の経営安定の面に立って、多角経営の方面に重点を置いて
考えていく必要があるのじゃなかろうかということに私はとっておるのであります。と同時に、流通過程についても
考えなければいかぬのじゃなかろうかというふうに、農業政策を多岐にわたって
考えていかなければならぬだろうというふうに私は
考えるのであります。繰り返して申し上げておきますが、外国から安いものが入ってきたら、内地の米麦もそれによって一緒に安くしてよろしいのだということを、私は言ったこともなければ、
考えたこともないのであります。これはどこまでも農業経営、
農家経済の安定の上に立って、そのことをむろん
考えなければなりませんけれども、供出
農家が
一体どのくらいあるかという点等々から
考え合せまして、農業政策を全般に敷衍して参ります上におきましては、農林省の政策としても、施策の上におきましても、各階層にわたって、十分これが及ぶようにしていかなければならぬ。そこに農業政策の困難性もありまするし、農林省予算の複雑性も生まれておると私は思うのであります。ということでございますから、たとえば、補助金におきましても三百有余種類の補助金が組まれておりますのも、
農家の様相がいろいろ複雑でございますので、これらすべてに手を伸べていかなければならぬ点から
考えておるのでありまして、私は、今申し上げますように、
食糧問題は、わが国の労働問題とからみ合せ、国民生活の安定とからみ合せて、そういう方面からこれに対して、今年度はまだそのところまで参りませんが、明年度からこの食管会計につきましても抜本的に
考え直していかなければならぬ。食管会計を食管会計自体でまかないまして、
一般会計からある
程度のものを補てんせぬという
考え方が間違っておる、これは私はここで明確にしておきます。明年度からは少くとも
一般会計から相当のものをこれに補てんいたしまして、そうして全体国民の
食糧問題として
考えていくようにしていかなければいかぬ。現在のような行き方でいっては
——これは従来の惰性から参っておると私は思うのであります。これはインフレ時代に食管が一時財産を持っておった、その惰性で今日まで来ておりますけれども、それがまだ完全に安定の域に達しておりませんからこういうことでございますけれども、ここで今の
集荷の
制度でありますとか、いろいろの点において
考えられました際に、この食管特別会計についても
考えていかなければならぬだろう、こういうふうに思っております。