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1955-04-04 第22回国会 衆議院 農林水産委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年四月四日(月曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 綱島 正興君    理事 井出一太郎君 理事 松浦 東介君    理事 鈴木 善幸君 理事 中馬 辰猪君    理事 足鹿  覺君       石坂  繁君    大森 玉木君       中村 寅太君    笹山茂太郎君       野原 正勝君    原  捨思君       本名  武君    大野 市郎君       松野 頼三君    淡谷 悠藏君       石田 宥全君    川俣 清音君       佐竹 新市君    中村 時雄君       久保田 豊君  出席国務大臣         農 林 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         経済審議政務次         官       田中 龍夫君         農林政務次官  吉川 久衛君  委員外出席者         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 四月一日  委員山本友一辞任につき、その補欠として川  村善八郎君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員伊東岩男君及び塚原俊郎辞任につき、そ  の補欠として中村寅太君及び田口長治郎君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員中村寅太辞任につき、その補欠として伊  東岩男君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  農林水産業に対する基本施策に関する件     —————————————
  2. 綱島正興

    綱島委員長 ただいまより会議を開きます。  農政基本問題について質疑を行います。質問の通告がございますからこれを許します。綱島正興君。     〔委員長退席鈴木(善)委員長代理着席
  3. 綱島正興

    綱島委員 四、五月分の臨時に計上されている予算及び閣議の線はいろいろ伝えられている通りのことで、非常に懸念される点が多いものでありますから、この際農政基本問題についてお尋ねをいたしたいと思っております。  大体質問の主要点を申し上げますと、農業生産に対する補助というものは、他の産業に比べますると、だんだん産業進歩するに従って拡大して行かねば農業というものは成り立たない産業であると考えておるのであります。しかるに巷間伝えられるところや、多くの新聞紙などに他のいわゆる経済人等より述べられておることや、それらのものを総合すると、大体一通りの成果があがることがわかったものについては特別な補助をする必要がないかのような考え方のように見えるのであります。そこで、閣議等において、農林大臣の御関係になったところで、大蔵省の方面その他経審等意向等とあわせてお考え下すって、日本農業に対する保護政策というものが加重されて行く傾向にあるのか軽減されて行く傾向にあるのか、この点を一つ伺います。
  4. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいまの綱島さんの御発言は非常に重大な御発言と私は考えます。これを全部、一般の通念として考えますときには、何としても、われわれも長年農村関係して参っておる者でございますが、御趣旨の通り考えられます。ただしかし、ここにお互い考えて参りたいと思いますことは、保護々々という言葉は少し一般誤解せしめる点があるのでございまして、私はこれは助成という言葉でやって行きたい。何か知らぬが保護されて、保護されてということになりますと、お情でも受けなければ、人の助けにでもよらなければやって行けないというようなことに誤解をする向きがあると思うのでございまして、これは農林行政が、農村自体自分創意工夫によってやって参れるものもありますし、またときには国家方針によって、国家要請によって、たとえて申しますれば、戦時中もしくは戦後の食糧増産施策のように、国家要請によって他の農業をその方面に転換を余儀なくしておる場合もあります。こういうような場合には、当然国家としてこれに対して相当の加助をして行かなければなるまい、して行く必要があると思うのでございまして、また今日いろいろ世間で言われておりますように、補助費を打ち切れ打ち切れという言葉があります。しかしこれは私の考えといたしましては、いつまでもいつまでも永年にわたって補助をして行かなければ成り立たぬということではないのでございまして、ある一定の年限を補助すれば当然補助の必要のなくなるものもありますし、そうした場合にまた新しい農業について補助して行かなければならないというものもあります。そういうことで、補助費を全面的に打ち切ったらよかろうというようなことは、決して私は賛成もできませんし、現内閣におきましてもそういうことはむろん考えておらないのでございまして、特に現在の農村段階におきまして、非常にわが国人口が急激に増加をいたしまして、そうして農村のかかえております人口も非常に多いのでございますから、これを、皆さんの御心配になりますように、従来の一町の耕作面積が八反になり、六反になり、五反にだんだん分割されてくればくるほど、そこに新しい農業の分野を発見して参らなければならないのでございますから、それらにつきましては、当然政府といたしましては適当な助成をして参らなければやっていけるものではないというふうに考えております。一部にはそういう意見もありますけれども、それに私は農林大臣として賛成をいたしておるものではありません。この点を一つ御了解願いたいと思います。
  5. 綱島正興

    綱島委員 ただいまの永年にわたる保護ということが誤解を受けるようなお話でございますが、お尋ねをいたしたいことは実はここなんです、よろしゅうございますか。農業というものは、その社会工業化をしてくればくるほど保護費が倍加してくる。かつて農業が中心である時代農業保護はなかった。ただいまでも農民国民の八〇%を占めるような地域には、農業保護政策はほとんどございません。問題は、農村におけるところの農民国民の総数に対するパーセンテージが減れば減るほど、つまり産業進化すればするほど、産業機械化すればするほど農業保護というものは鋏状的に拡大されなければならない。この点の認識がなければ実は農政というものはできないのです。なぜかと申しますと、機械化によってすべての他の部面というものは、商業においても工業においてもすべて効率が倍化して参ります。労働効率、エフィシェンシィというものが、たとえば重工業などは機械発明以前から、ただいまになれば十万倍をこえたと言われておる。軽工業でも万倍をこえたと言われるものが多いのであります。ところが農業に対する労働効率は、米国のごとき非常な豊かなる条件にあって、非常なる工業化したところでもまだ二十倍をこえていない。日本のごときは元亀、天正からただいままで三倍こえていない。ここに農業が当然に劣敗する事情がある。労働効率倍化率の非常に違うという点、これが第一である。従って社会工業化すればするほど農業補助というものは拡大されなければやっていかれない。これが北米合衆国において年々六十億ドルというような非常な金を農産物価保護のために消費しておるゆえんであります。二、三年前までは、国際間の軍事援助よりは価格援助費の方がアメリカ合衆国の予算においても低かったのでありますが、ただいまではかえって世界中アメリカが行なっておる軍事援助費よりも農産物価維持費の方が多いのであります。これは工業が進むに従って農業が劣敗していく事情にあるからであります。  特に農業補助しなければならぬもう一つ事情は、農業というものは計画生産ということが不可能でございます。他の産業はほとんどすべて計画生産ができます。しかし農業は気象、風土に順応してこれをやるのでありますから、これはできないのであります。従って不可欠産業であるにかかわらず計画生産ができないという事情がある。いま一つは、生産品商品価値進化ということが全然ないのであります。たとえばアズキ古往今来アズキである。米は古往今来米である。同じモーターでも、昨年のモーターと今年のモーターは全然その効率が違うために、実は幾ら生産してもこれらの点については生産過剰が多く出てこないのであります。これが実は農村産業がどうしても他の産業と一緒にやっていかれない原因である。すなわち労働効率増進機械化につれることができない、計画生産ができないということ、第三には、この商品有効価値が転嫁されないというこの三点が、農業基本的に他の産業とついていかれないのにかかわらず不可欠産業である。社会工業化するに従って、いわゆる進歩するに従って農業補助費は上げなければならぬ。この上に日本不利益条件農業であるという事情から、世界にも先がけてこの点が必要であるゆえんであると思いますが、大臣の御所見を伺いたい。
  6. 河野一郎

    河野国務大臣 だんだん御意見を拝聴いたしましたが、お説のような点もむろん重要に考えなければならぬと私は思うのでございますけれども、ただ一点価格の面からいたしまして、農産物価格をどこに維持するかということによって問題は解決する面もないではないと考えられるのであります。ところが御承知通り、しからば価格をどこまで上げてもよろしいかというと、そういうわけには参りません。そういう関係からして、そこに農産物価格維持の仕方と相見合って、お説のようにこれを助長していく、これに力を入れていくということが必要になってくるというふうに私は考えるのでございますが、御了承願えるでございましょうか。
  7. 綱島正興

    綱島委員 その価格の問題でございますが、なべて農村生産条件の優秀なる地域は大体価格補償制度をとっておるようでございます。北米合衆国はこの代表的なものであります。生産条件の不備な点については生産保護政策をとっておるようであります。日本などはこの代表的なものでございます。そこでこれをいろいろ組み合せて参ることはもちろん当然であるし、北米合衆国といえども、日本といえども、これはもちろん単一なる方式ではないようでございます。これはもちろんでございますけれども、単なる価格補償だけでいかれぬことは当然で、日本農村生産条件が非常に不利益であるという事実でございます。かような地域については——これは世界中の法則と申し上げてもよいが、生産条件不利益なところは生産補助政策をとっておる。生産条件の優秀なるところにおいては価格補償政策をとっておる。これが大体世界農業政策基本なタイプだと思っておりますが、この不利益条件日本農村において価格補償だけでいかんとすれば、いわゆる農産物価工業力労働価値というものから起って来る問題等がありまして限度があると考えますので、この点に対する生産補助政策を打ち切るという点には私どもは断じて賛成できないのであります。この点の御所見をお伺いいたします。
  8. 河野一郎

    河野国務大臣 今お話通り私も同じ意見でございまして、価格政策と相加えて助成方針をとって参るということは当然考えられることじゃないか、こう申し上げたのでございまして、私は今の綱島君の御意見同感でございます。
  9. 綱島正興

    綱島委員 あまりしさいなあげ足取りをしたりする意思は毛頭ないのですが、基本問題を御承知願いたいと思って申しておるのです。  次にもう二、三点伺わなければなりませんが、このことを一つ理解しておいていただきたい。御承知通り第二次世界戦争植民地というものを喪失いたしました。植民地を持っておる時代は、工業的の先進国というものはみな植民地工業それ自身を起させない政策で、植民地が持っておる資源を安く取り出す工面をいたした。そこでイランの国にあの通りのたくさんの原油があれば、原油そのままを持ち去る政策もしくは製油いたしても製油の工業価値イランにおいて生まない政策をとっておるから、原料が永久に安い。植民地が持っておる原料はすべて安い。そうして工業化しない植民地であるから、これに対する工業品は非常に高い。いわば第二次世界戦争の終末までは世界原料割安、製品割高の時代であります。ところが非常な変化が起りましたことは、第二次世界戦争後に植民地というものがなくなりました。戦前から通じて、その民族の英雄とも思われる人、植民地人を代表して本国と争うた人は、いわゆるこの植民地政策に対抗いたしました。資本主義帝国主義侵略と名付けてこれを攻撃して参ったのであります。この理論は相違なくマルクスの理論であって、旧植民地の人望を集めておる指導的人たちは、みなこの資本主義による侵略ということで力強く対抗してきた人でありますから、従ってこの植民地は赤化するために用意されたような地域である。そこをソビエトが見のがそうはずもなく、ここに赤化政策を行うことは当然であります。そのために一体どういう変化が起って来たか。わが農村考えなければならぬ問題がどう起って来たか。重大な変化が起りましたのは、実は植民地がかようになりましたために、植民地に対してアメリカは例のポイント・フォア政策を行っておる、いわゆる植民地工業化するために少なからず資金を注ぎ込んだのであります。英国などは非常に賢明でございますから、このアメリカの注ぎ込む資本と手切れになることをおそれて、技術援助政策というものをいち早く確立いたして、植民地工業化するために手助けをしております。わが国もだれが発明したか知らぬが、賠償に技術援助というものを織り込むことを怠っておりません。かくて植民地は、いやが上にもアメリカ資本米日技術援助等によって近代工業化する方向に急いでおるのであります。ここでどういう問題が起るかというと、商工業という問題が起るのであります。また現に起りつつあります。英国などでも、綿糸紡績なんというものはパキスタンにやってしまったがいいという極論さえ起っておる状態であります。おそらく日本において商工業吸収された労働力失業状態に陥ることはそう久しからずと私見ておるのであります。今一つ。従って日本は、科学的に進歩した工業製品綿糸紡績工業による製品——綿糸は売れないけれども、ビニールなら売れる、すなわち植民地が急激に工業化することに成功しない部面製品だけは輸出することができるのであります。そうなると問題は、工業において吸収しておった労働者の職場を喪失することに対する対策でございます。ここに日本食糧増産による労働力吸収という問題が、日本国民経済の上から非常に大きな地位を占めるのであります。これを閑却されたならば、一体日本遊休労働力はどこにはかれるか。しかも日本における——日本ばかりではございません。各、先進工業国輸出の幅というものはすべて狭まるのであります。なるほど指数から言えば多少ふえてくるかもしらぬが、国民経済の規模というものがみな大きくなるのだから、パーセンテージから見ると輸出は非常に減ってくる。そこで日本農村問題と、植民地工業化による貿易事情変化に対してどうお考えになっておるか、お伺いいたします。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 だんだんの御意見でございますが、先般アメリカから後進地の開発について代表の方がお見えになりました際に、私もお目にかかりました。今綱島さんのお示しになりましたような考えもむろん有力な考えでございまして、そのお考えをとやかく申すものではございません。しかし、そこに至るまでにはおのずから段階がある。先進地先進地として技術の改良、発明等によりまして、おのずからまたその上の科学工業技術進歩ということを祈念いたしまして、その間に段階があるではなかろうか。もちろん中国本土の方を見ますると、あちらのことでございますから、これについてはまたいろいろ見方もあるでございましょうが、私たちが今東南アジア方面について考えておりますることは、日本としては東南アジア方面農業技術輸出することを大いに考えたらどうだ、そうしてそこに購買力を醸成させまして、その購買力増加に伴って日本産業の進出ということを考えていったらどうだろうかというふうに考えておりまして、今綱島さんのお話になりましたようなこともわれわれ十分考慮しなければなりませんことはもちろんでございますけれども、そういう段階が次の瞬間に起ってくるとは実は考えていないのでございます。この点につきまして、もし私の考えが間違っておりますればまた十分勉強させていただきたい、こう考えております。
  11. 綱島正興

    綱島委員 その時間の問題でありますが、御承知通り農業政策というものは急速に進むものではございません。ここに実はいち早く態度をきめていただかなければならぬ問題があるのであります。実例から申しますと、二十八年度の輸入超過は十一億ドルでございます。そのうち農林水産方面輸入超過は大体五億ドルでございます。六億ドルが農業以外の輸入超過でございます。われわれは昨年度これを非常に憂慮いたしましたが、二十九年度の総決算を見ると、五億ドルの農林水産方面輸入超過は依然たるものである。これはほとんど減っていない。残りの六億ドルの方はデフレ政策で一応終止符を打っている。もちろんこれはストックを安価で売り出した等の事情もございますので、これで他の部面輸入輸出が近くなったとはそういち早く申し上げませんけれども、一応この点は整うて参ったと言えるほど工業部面政策速効薬がきくのであります。農業についてはこれがきかないので、これを論及することが今日焦眉の急となるのであります。その間多少購買力増進等もあるだろうと言われるが、先ほど申し上げたように、労働力吸収部門が少くなること、いわゆる雇用量が減退すること、これは工業進化一つの原則である。どうしても雇用量が減退して行くので、その吸収部門をどこにか求めなければならぬ。それでは植民できるかといえば、今のところ一万人や一万五千人やっても、百万人の人口増加に対しては問題になりません。そこで盛んに食糧生産をいたして、失業の予定される部面に対する対応策を立てるということが国民経済の上から見て非常に重要なことである。ことに農業というものは労働力吸収する力が非常に大きいのでありますから、こういう面に着眼して、保護政策等は倍加して行かなければならぬ。それを補助金を打ち切るというようなことは、世界農政と逆行した、ことに日本においてはこれは危険思想と申し上げたいのであります。この線をあやまてば百年の悔いを残す問題で、一内閣や、一大蔵大臣や、一農林大臣の責任で済むことではないと考えますので、特に私は質問をいたしておるわけでございます。この点に対するお考えを承わりたいのであります。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 御熱心な御発言、私も十分傾聴いたしますが、今申し上げますように、しからば日本農村人口をこれ以上ふやして、そこに補助政策をとっていって、吸収力が一体どのくらいあるかと申しますと、一方においては、農村におきましても、御承知通り機械の導入であるとかいろいろの方面にわれわれとしてもお互いに尽力しているわけであります。してみれば、新たなる開墾であるとか、新たなる耕地の拡大とかいうことの方面にも決して意を注がぬわけではございませんが、むしろ今まで進んで参りました経路から見ますれば、農業労力をなるべく少くして生産質を切り下げていこうという方面に向っておりますることも御承知通りであります。そういうことでございますから、これを一つ政策一つ方針で割り切っていこうといたしましても、なかなかむずかしいんじゃなかろうか。もちろん私が申し上げますことは、今綱島さんのお話通りに、補助であるとか助成であるとかいうものがなくてよろしいということではないのでございまして、補助助成方向についてもまたこれは十分考えなければならぬというふうに思っておるのでございまして、今これ以上わが国農村人口吸収していく吸収力があるか、これはむろんないことはないと思います。しかし農業労力をこれ以上条件の整わぬ先に入れるということにいたしましても、これはまた逆に農村が共食いになるようなことになって、むしろ私はこの点については十分考えなければならぬじゃなかろうか。これを要するに、だんだんお話しになりました通りに、日本農村が一方において科学進歩もしくは文化の向上によりまして、農家がこれに伴って参りまする経済の安定をはかっていくためには、十分に努力していかなければなりません。この点については私も全く同感であります。同感でありますが、さればと申して、今ここで一面から申して、日本の過剰になって参りまする人口もしくは労働力の余って参ったものを農村吸収するというような方向までいくということには、よほどの施策を必要とする。それについて今にわかにこの施策はどうかと言いますと、これもすでに御承知通り、この救済の面において臨時事業として土木事業を興すとか、もしくは植林事業を興すとか、河川の改修事業を興すとか、むろんこれはやるつもりでございますけれども、さればといって固定した農業労働力を増大して、農業に対して労働吸収をいたしていくということにつきましては、いろいろ準備もありましょうし、困難な点もあるのではなかろうか。これについてはいろいろ御意見もあることと思いますから、将来お聞かせを願いまして、十分参考にして善処して参りたい、こう考えるわけであります。
  13. 綱島正興

    綱島委員 吸収力増加することは困難だというような御意見でございますが、それは幾らも農業政策として農林省でやらなければならぬ問題が山積いたしておりますが、いずれも無理解なる他の圧力でこれが抑圧され、たとえば年々既墾地が三万町歩から三万四、五千町歩にわたって壊滅をいたしておりますが、これは長い間時間をかけて調べたのでありますが、一万町歩で食いとめられる。ごらんなさい。公営住宅を建てるというと、都会のまん中のすぐ隣の、りっぱな反当三石以上もとれるような所をつぶして、マッチ箱のような家を建てておる。こういうような状態、しかもそれが町なら格別、単なるサラリーマンを入れるためにやる。山ぎわに持っていって建てれば何でもないのであります。これなどもだんだん調べてみると、一万町歩くらいで済むと思う。年々二万二、三千町歩壊滅ということは大へんな数字でございます。おそらくこのために八十万石くらい減収をいたしておる。これはおそらく五十万石以下の減収で済むでございましょう。  それから干拓にいたしましても、ヤンセンという教授が来て日本のことを笑いました。私が、長崎干拓というものができるか、有明干拓は一万一千町歩ですがあの干拓はできるかと言ったら、先生私を笑って、足下農林のエキスパートと聞くがなぜそういう質問をするか。オランダなどはマイナス三十メートルの干拓をしておる。有明のあそこはマイナスニメートルか三メートルだ。そんならどういうわけでそんなことができますかと言うと、機械力の利用が違う。足下たち干拓に使っておる機械というものは、干拓のための機械でなくて、別な機械をただ利用しておるにすぎないのだ、こういうことで、先生自分が設計するならば、東京湾などは、帯のように交通路を広げておけばあとは全部水田になる。有明湾などもほとんど全部水田になると答えましたが、その後資料をよく調べてみますと、マイナス三十メートルの干拓でも、オランダ日本円に換算しまして反当十万円でできている。日本はこれが二十三万円ぐらいかかっておる。これらの点ももう少し考究して、ほんとうに農地を広げるというならば、幸いに日本の土地がこの通り広いのだし、旅行してごらんなさい、全部干拓である。濃尾平野あるいは信濃平野といえどもほとんど干拓したものである。それは人間がただ人柱を埋めて干拓したものである。しかるに、この工業時代に入って日本がこの干拓ができないからということで——今のように五億ドルといえば一千八百億です。一千八百億の外貨を支払っておる。そして日本予算を年々三百万か四百万ふやすことさえ非常に困難だと言う。大体私が存じておるところによれば、食糧増産のために計上いたしました予算は、事実上使いましたのは二百二、三十億をこえたことはございません。なるほど計上しておることは二百五十六億計上したことがございますが、実際にはみな使わないで、二百二十億から三十億以上に使ったことはございません。そうして年々千八百億の輸入超過をいたしておる。他の役所の費用等をみな計上して四百億やったとか五百億やったとかいうが、これは数字の魔術でございます。食糧増産のための純然たる費用は、二百二十億くらいより上使ったことは一度もございません。かようなことをやっておってしかもこの予算さえ削減するというような方向に向うというなら、私どもはこれは農民国民の生活擁護のために、日本経済の擁護のために——それこそ日本経済が全滅するような時期の来ることをわれわれはおそれるからして、そのために全力を上げてこの内閣を攻撃しなければならぬ。これは実は非常な問題であって、この点については農林大臣の一層の御奮発をいただかなければならぬと考えておる。これはたとえどうであっても、もしそれをやるならわれわれ全国津々浦々を行脚してでも、この内閣政策を根底からひっくり返さねば承知できないと思っておる。今日の私の質問は冗談ごとではございません。相当の決意を持ってお尋ねをいたしておるのでありますから、農林大臣もよくこの趣きを腹に入れていただきたい。これは綱島が何党の立場でということではございません。これは日本国民経済を守るために、実はやらねばならない。ゆっくり時間があるなんというお答えであると、これはなおさら大切なお答えでございます。ゆっくり時間などはございません。もはやおそきに過ぎておる。日本農村基本政策を立てることにおいておそきに過ぎております。私は先日委員農林事務当局との応答を聞いておって、日本不利益条件だから補助をしなければならぬのだというようなお話であるが、そうじゃない。先ほどから申し上ぐる通り工業力進歩して参れば参るほど農村保護というものは、生産物の価格補償政策によろうとも、あるいは補助政策によろうとも倍加して参るのが世界の趨勢でございます。この点についての認識を新たにしていただいて、実態をそのままに見ていただかなければならぬ。歪曲した形で物を見ていただくことは、国民経済の上から困ったことでございます。今のような政策を続けて行きましたならば、必ず失業問題が続出して、日本はその収拾に困難を来たす時代が必ず参る。五億ドルの輸入超過、いわゆる千八百億円の輸入超過を防止するためには、農村予算を倍加して、それによっての融資を倍加して、まじめな日本の食糧確保に進むよりほかはない。つまり輸出のワクが小さくなる以上は、輸入のワクを小さくしなければならぬ。輸入のワクを小さくするには何が一番大切かというと、原料にならない最終消費品である食糧の輸入ということが、国民経済には致命的破綻の根源をなすのであります。この労働吸収力の減退、それから本質的にこの国民経済の破壊するおそれのある食糧輸入ということを防止するという二つの点から、農林大臣は、閣議においてほんとうに働いていただかなければ、この内閣をたたきつぶす議論を私たちはしなければならぬ。日本経済としては坐視するに忍びないから、行脚でも何でもいたします。決して私は冗談ごとを言っているのではないから、この点は性根を据えて聞いていただきたい。大体のこの線に対する御決心のほどを伺います。
  14. 河野一郎

    河野国務大臣 御熱心なる御発言を拝聴いたしまして、大体において私も同感でございます。御注意のほどを十分体しまして善処いたしたいと考えますから、どうぞ御了承願います。     〔鈴木(善)委員長代理退席、委員長着席〕
  15. 綱島正興

    綱島委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  16. 綱島正興

    綱島委員長 速記を始めて。ただいまの理事会の決定に基いて、午後三時半より会議を再開いたします。  これにて休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ————◇—————     午後五時三十七分開議
  17. 綱島正興

    綱島委員長 午前に引き続き会議を開きます。  質問の通告があるからこれを許します。足鹿覺君。
  18. 足鹿覺

    足鹿委員 私はきょうは食管問題に限定して、時間の許す限り大臣お尋ねをいたします。  三十年の予算の編成問題については、あらためて明日お伺いをいたしますが、来年度予算の問題をめぐっていろいろ大蔵当局と各省間に折衝が行われております。なかんずく農林関係は相当の削減も受けておるやに仄聞いたすのであります。特に私は農林予算中、来年度の食糧管理特別会計予算についてお伺いをいたしたい。聞くところによると、政府は予約集荷制度を近く政令をもって実施するやに聞いておるのであります。これに伴いまして、来年度米価並びに近くに迫っております麦の政府買上価格等につきましても、大蔵当局から閣議において重大な申入れが行われ、大蔵大臣が各関係閣僚に協力方を懇請したと伝えられておるのであります。それによりますと、たとえば米の管理については、近い将来において統制を撤廃することを基本方針として予約制度を認めることをうたい、また各種の奨励金制度はすべてこれをやめて、一本価格として来年度米価をきめる、こういう方針だと伝えられておりますが、麦の買上価格なりまた三十年産米の予算価格はどういうふうになっておりますか、その点からお伺いいたします。第一点は、近い将来において米の統制を撤廃するという前提のもとに予約買付制を実施するのかしないのか。第二点は、来年度予算に計上されておる米の価格は何ほどであるか、また麦の買上価格についてどうなっておるか、この二点をお伺いいたしたい。
  19. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいま御質問になり御指摘になりました大蔵当局から閣議において云々という新聞の記事はあったのでございますけれども、これは全然誤伝でございまして、閣議にはそういうことがないのでございます。この点につきましては本日の閣議におきまして、私から大蔵大臣に、非常に世間を迷わしてああいうものは迷惑する、自分閣議においてそういうことを承わったこともなし、大蔵大臣からそういう発言もない、にもかかわらず、あれは大蔵省から発表したか何したかしらぬが、おそらくそういうことが出たのじゃないかと思う、事いやしくも農林大臣の所管に関することについてとやかく言われるとはなはだ迷惑するということを、厳重に申し出をいたしまして、大蔵大臣からしかるべき釈明を得たわけであります。従いまして、ただいま足鹿さんの御心配いただきましたことにつきましては、私といたしまして厳重にこの点については自分としての意見を申し述べまして、これは全部大蔵大臣から、本日の記者会見においてしかるべく発表するからそれで御了解願いたい、こういうことでございました。御指摘の通り、米の買上価格、麦の買上価格等については、大蔵官僚の一部にああいう意見のありますることは、すでに皆さん方も御承知通りであります。しかし、これはどこまでも大蔵官僚の一部の意見でございまして、わが内閣政府考えとは違うのでございまして、ことに私もああいう意見には全然同意いたしません。この点を御了解いただいて御答弁にかえます。
  20. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、今朝来新聞紙が一斉に伝えておる一萬田蔵相の発言なるものは全く事実無根である、こういう御言明であるといたしますならば、昭和三十年の食管特別会計に対する基本的な予算の編成方針について、大蔵省と今どのような折衝をしておられるか、農林省としての御所信を承わりたい。
  21. 河野一郎

    河野国務大臣 これは今予算の折衝中でありますから、一つ答弁をお許しいただきたいと思います。
  22. 足鹿覺

    足鹿委員 折衝中であるから保留したいということでありますが、農林省の来年度米麦買上価格と大蔵省のこれの買上価格方針に食い違いがあると解釈していいのでありますか、どういうことですか。
  23. 河野一郎

    河野国務大臣 事務当局にはそれぞれの従来の意見があったことは御承知通りであります。しかし政府といたしましては、十分懇談、協議いたしまして、一本にまとめて予算の審議をいただくようにいたしたいと思いますから、さよう御承知をいただきたい。
  24. 足鹿覺

    足鹿委員 河野農林大臣は、しばしばこの委員会においても、来年度産米から予約買上制を実施するのである、こういう基本構想を明らかにしておられるし、また有力新聞にもその所信はしばしば御発表になっておるのであります。問題は、この予約買付制といいましても、その一番問題になるのは、この制度が実施になった暁において成功するかしないかということは、価格構成のいかんの一点に私はあると思うのです。私どもの聞いておるところによりますと、これはどちらの意見か知りませんが、予算米価は九千八百五十円であるやに伝え聞いておるのであります。これは各種奨励金を一本に入れたものである。大体こういう想定でやっておられるように聞いております。この価格の出し方については、食管特別会計としては絶対に損をしない、そういう構想から消費者価格は現行水準でやる、こういう構想の上に立って来年度の食管特別会計の基本方針が打ち立てられておるように聞いておりますが、消費者価格については現行水準を維持し、また米価については本年度昭和二十九年産米の基本米価に各種奨励金を織り込んだ平均値をとった九千八百五十円を上回らない方針でおやりになったといたしますならば、これはこの予約制度はいわずして失敗することは明らかであります。何も今さらここで論ずる価値もないくらい明らかであります。でありますから、明日から食糧に関する小委員会が開かれるに当って、大臣基本構想を聞かずして私どもは食糧小委員会を開いて事務的検討をする意思はございません。すでに予算案をめぐって財政当局と折衝が起きておる過程にあって、その基本構想も聞かずして私どもは審議をこれ以上進めるということもできないと思う。しかもこの米の集荷方式の改変は、法律改正をまたずして、ただ政令によって行われるやに世間に伝えられておる。といたしますならば、事は非常に重大であります。そういう点からも、ただ財務当局と折衝中だから明らかにされないというようなことではなしに、もう少し基本的な大臣の御所信というものを御開陳あってしかるべきだと私は思います。いかがでありましょう。
  25. 河野一郎

    河野国務大臣 予約買付制度に移行して今の供出制度を変えていくということは、かねがね私が申し上げておる通りでございます。そういう方針でいくつもりでございますが、ただ、今お話になりますように、買上価格をどうするかということにつきましては、御指摘の御意見は私はごもっともと思います点が多々ございます。しかしながらそれらにつきましては、せっかく検討中でもございますし、大蔵当局との間にも意見を交換中でございますから、政府といたしまして方針が確定した上で御説明申し上げたい、こう申し上げておきます。
  26. 足鹿覺

    足鹿委員 農林大臣として三十年度の食糧管理制度に変革を加える基本方針を明らかにされた以上、これを処理していく上における大綱について、御発表になれないということはどういうことでありますか、ちょっとおかしいと思うのです。予約買付制は、ただそれだけがぽつんと浮び上るのではなしに、それを裏づける一つ基本方針によってそれが浮び上ってきているのでありまして、ただそれだけはやるのであるが、その後のことは言えない——こまかいことば私は聞こうというのじゃありません、その大綱について明らかにされる責任があるように私は思いますが、いかがでしょう。
  27. 河野一郎

    河野国務大臣 予算の取り方につきましては、今申し上げますように、数日を出ずして予算の決定をするつもりであります。従って、それまで政府部内の意見の調整その他必要でございますから、意見の決定をいたしました上で申し上げたい。  さらに、予約買付制を実施いたします際に、買上価格を幾らにするか、実施する場合にどうするかということにつきましては、御指摘の通りでございますが、これにつきましては、かねて私の申し上げました通りに、それぞれのしかるべき方々にお集まりいただきまして、そこで適当な、妥当な価格を決定して参りたいと考えておるのでございます。
  28. 足鹿覺

    足鹿委員 農林大臣は、生産問題というよりもむしろ価格問題に重点を入れていくという農政基本的心がまえをしばしば本委員会においても明らかにされました。もしそれが真とするならば、今一番中心になっておる米麦の価格構成について、農林大臣としての所信を明らかにされることは、今までの当委員会における質疑応答を通じてあなたが明らかにされた価格問題を適正にし農村の振興をはかっていくというお考え方にも合致するのじゃないかと思うのであります。それがどうしても御言明ができないということでありますれば、具体的な数字、九千八百五十円という数字かどうかというようなことの質疑はしばらくおきまして、予約買付制を実施される場合において、来年度の食管特別会計の編成の基本として一般会計からは繰り入れをされるのかされないのかという基本的な考え方くらいは、私は明らかにされても差しつかえないものだと思いますが、どうでありますか。
  29. 河野一郎

    河野国務大臣 せっかくのお尋ねでございますけれども、目下予算の編成中でございますから、これもでき上った上で詳細御報告申し上げたい。
  30. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、生産者価格並びに消費者価格、そのいずれもこの際は発表ができない、こういうわけですな。そうしますと、今政府としては、消費者米価並びに生産者米価については事務当局と一致した方針がない、相当食い違っておるというふうに私は解釈をいたします。そのように慎重を期されるからには、何かそこに大きなものがある、こういうふうに私は断ぜざるを得ません。これに関連しまして、昭和二十九年産米に対する減収加算について、大臣は昨年末の就任直後の本委員会における私の質問に答えて、これは支出するのだ、こういう御言明がございましたが、最近の大蔵当局の意向を仄聞いたしますと、特別会計の損益事情から考慮して、減収加算は払わないという方針のように聞きますが、いかがでありますか。
  31. 河野一郎

    河野国務大臣 大蔵当局は今お示しの通り減収加算についてはなかなか了承いたしません。しかし私も払わないでよろしいという考えにはなりませんので、この点も目下折衝中でございます。
  32. 足鹿覺

    足鹿委員 折御中であるということは、あなたは期待を持って進まれるということでありますか。大体は見込みがないというようなことなので、この際御言明ができないのでありますか。これはもう少し御発表になってもしかるべきものだと思うのですが、どうしても御発表になれませんか。あなたは去年の暮れに、自分の責任において解決をつけると言明されたではありませんか。それを今大蔵当局の一撃にあって、それが御発表できないくらい追い詰められているのですか。
  33. 河野一郎

    河野国務大臣 発表するとかしないとかいう問題じゃなくて、今交渉しておりますと申し上げるのであって、交渉しておりますということは隠しておるということじゃないのであります。それを自信が持てるのかとか、持てないのかとか言われますが、自信の持てない交渉はないと思うのであります。それはやらせるために努力しております、こう申し上げるのであって、初めからその結果に自信が持てないのなら私は交渉をやめるのであります。だから、いや実は交渉はしておりますけれども、自信は持てませんと申し上げれば、大蔵省の方ではそれで済んだと思うのでして、そういうことは私からここで申し上げるわけにはいきません。私は交渉する以上は、これは何とかしなければいかぬという建前で交渉中である、こう申し上げたのであります。
  34. 足鹿覺

    足鹿委員 私は来年度の食管特別会計の予算編成方針を仄聞いたしまして、これは大へんな方針のように見ております。こういう大きな変革を行わんとするに当りまして、河野さんもしばしば前に委員として、ここでわれわれと机を並べて御主張になったこともありますが、米価をきめる、あるいは麦の買上価格をきめる、その予算上の措置とはいえ、それがいかに最後までつきまとって適正価格の構成に重大な影響をもたらすかということは、従来の事例でも明らかである。少くともあなたが価格政策を今まで言われるくらい熱心に取り上げ、重視せられるならば、なぜ米価審議会等を事前に開き、あるいは審議会の懇談会等を開いて、そうしてこの食糧管理の重大な集荷方式に変更を加え、その成否はかかって価格構成にあると言われるくらい重大なこの問題について、なぜ御諮問になるとか、あるいは意見を徴せられるとか、さような措置をとられないのでありましょうか、私は意外に思います。野にあられるときのあなたの御主張なり、また予約制度を来年度から実施しよう、また先般の委員会においては、その価格はなるべく早くきめなければならないということをみずからも言われ、少くとも六月ごろには米価はきめなければならぬ、こういうこともこの委員会で、たった先日言明されたではありませんか。こういう重大な問題です。従来の政府のやり方であるところの、予算を作って、それが国会を通過してから米価審議会を開かれるというやり方については、あなたの所属しておられる民主党の同僚諸君も、その非を前の政府には追及されたものである。そうして予算を組む前に、予算米価を作る前に、米価の構成については、米価審議会等の意見を徴して設定すべきである、こういう主張をもって、あなた方の同僚は私どもと一緒に戦って来たではありませんか。しかるに、一たび政権の座につくや、そういうことについては一顧も与えない。しかも今われわれが事の成り行きを重視して、政党政派の問題はともかくとして、来年度予算の編成上農林省の受ける打撃は大きいのではないか、これに対して何らかの手を打たなければなるまいとして、かくおそくまで、党派の問題は別として、委員会が開かれている際において、その中でも特に重大な問題である来年度の米価構成の問題、麦の買い上げ問題をめぐって、少くともざっくばらんに、実はこうだという話をされるくらいは、私は当然だと思う。米審自体も懇談会一回お開きになりましたか。従来のやり方と、どこに変ったところも私は見受けることができないのであります。そういう点について、あなたは今まで価格問題を重視せられるという基本方針であるならば、より慎重を期せられていくべきだというふうに私は実は解釈したわけであります。その点について御所見はございませんか。
  35. 河野一郎

    河野国務大臣 お示しの通り考えますが、何分選挙後直ちに予算の編成というようなことで時間的に非常に余裕がございませんので、この予算編成が終りましたならば、直ちに明年度の米価の決定等につきましては、十分各方面の御意見を伺いまして、そうしてしかるべき機関によって決定して参りたい、こういうように考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
  36. 足鹿覺

    足鹿委員 米価問題だけは何ぼやっても押し問答ですから、一応これで終ります。
  37. 綱島正興

    綱島委員長 あしたは大臣は午前中は閣議で、それも少しおくれて一時ごろまではかかるだろう、それから役所のそれぞれ担当属僚たちにいろいろ話をして来ねばならない、そこでその時間はおそらく三時近くまでかかるだろうというお話であります。なお、いろいろ多用なときだから、先の時間も切ってもらいたいという御希望ですが、あとまだ足鹿さん、川俣さんその他の方の御質問もあるでしょうから、およそ何時まで、ぜひここにおってもらわなければならぬということを申し上げておかなければならぬのですが、御都合は……。
  38. 河野一郎

    河野国務大臣 私はこういうことになると思うのです。三時から六時までここにいるお約束をいたしまして、その間に緊急に用事があったならば、随時退席をお許し願いたい、こういうことで御了承願いたい。
  39. 綱島正興

    綱島委員長 それでは農林大臣、そういうことで御了承願います。 これから理事会を開きます。速記をとめて。     〔速記中止〕
  40. 綱島正興

    綱島委員長 速記を始めて。  お諮りをいたします。明日午後一時より大蔵大臣経済審議庁長官に当委員会に出席を求むることをお諮りいたします。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認めます。この出席手続については委員長より議長を経て成規の手続をいたすことに御同意を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 綱島正興

    綱島委員長 御同意と認めまして、さように手続をいたします。  明日は正午十二時より理事会を開き、一時より三時に至るまで経審長官、大蔵大臣について質疑を進め、三時以後は農林大臣について質疑を継続いたすことにいたします。本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十一分散会