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長谷川(保)
委員 高橋先生の言われる努力のあとは認めないわけじゃないのですが、どうも上の方の将官は二
号俸上げた、佐官は三
号俸上げた、尉官以下は四
号俸上げた、こう言うと、表面いかにもお説のように見えるのです。ところが今度
金額で見て参りますと、大きく違うのでございます。たとえば今の
公務扶助料をとりましても、今まででもずいぶん大きく違っておりまして、私どもはちょっと不満でございましたが、今度の値上りは
金額で見ますと、今までの元が大きく差があるものですから、大将の値上り分は六万五千六百二十円であります。これだけ値上りしてくるわけであります。これが少尉になりますと一万三千円になってしまいます。五分の一です。兵になりますと八千四百八十円しか
公務扶助料が上らないのです。それだから
号俸で上げたということになるとなるほど二号であり、四号であるということになって、上が薄く下が厚いようになりますが、
金額で見ますと大違い。大将は
公務扶助料で見ましても六万五千六百二十円に上っておる。今まででも御
承知のように大将の
公務扶助料は十四万八十円ということになっておった。兵隊の方は二万六千七百六十五円ということになっておった。今までも不満があるという立場で私
たちは
軍人恩給に賛成できなかった。これではだめだというのが私どもの持論だった。今度また値上りして、なるほど二
号俸上げた、下は四
号俸だということはいかにも聞いてみるといいのでありますけれども、
金額で見てみますと、大将は六万五千六百二十円上る。兵隊は大体八千四百八十円しか上らない。これはひどいではないか。依然として私どもはこの数字にこのまま賛成できかねるのです。どうもやはり依然として職業
軍人優待——なるほど今度の
改正で、私どもが非難をいたしました引き続き七年以上、ああいう制限が緩和されたことは私どもはある
程度まで賛成です。ああいうことをされれば職業
軍人のための
恩給であって、応召
軍人は全くもらえないじゃないか、これが私どもこの間までの議論でありました。これが
改正されたということにつきましては了承いたします。けれども
金額で当ってみますと、依然として大将の今度の値上りは六万五千六百二十円、兵隊は八千四百八十円、なぜこういうことをなさるか。心ある旧将軍でありますならば、
自分たちが連れて行ったところの兵隊がガダルカナルで、ビルマで、
満州で飢え死にをした、のら犬のごとくのたれ死んだ。自分の部下がのら犬のごとく、こじきのごとくのたれ死にしていった。その遺族に八千四百八十円しか今度値上げをしてあげないけれども、自分は大将だから六万五千六百二十円取るというような者はあるまいと私は思うのです。もし人間だったらそういうことはできないと私は思います。これはひいきの引き倒しだと思うのです。聞くところによりますと、この前の
改正で東条大将未亡人は辞退をされたということでありますが、当然だと思うのです。心ある方でありますならば当然の措置だと思う。二
号俸、三
号俸、四
号俸というといかにも上に薄く下に厚いように見えますけれども、事実
金額でごらんなさい。この
公務扶助料で養われるのは同じ大将の方でもおそらく二人か三人でしょう。
公務扶助料を取りますならば家族は一人です。ですから二人の家族じゃありませんか。同じ戦争
犠牲者である兵の未亡人が子供をかかえて非常に生活に苦闘しているのにこれだけしか与えない、こういうような
考えに私は根本から反対だ。
国民をばかにした
考えだ。この
改正自体が心ある人間から見れば、心ある旧将校から見ますならば、何でこんなことをしてくれるかとおっしゃるだろうと思う。ひいきの引き倒しであります。なぜもっと平等になさらないか。この点が今度の
改正によって私
たちが受けた依然として非常な不満を持っている
理由である。この点どうでありましょう。これだけの違いがあるという私の計算は間違いでしょうか。大将に六万五千六百二十円今度値上げをした。兵は八千四百八十円しかしない。伍長の御遺族には九千七十円しかしない。八分の一だ。八分の一の
金額の値上げをしたということで正しいと言えるのでしょうか。これが今日の新しい憲法の精神に照らして公平、平等の原則であるとあなた方は言えるでしょうか。この点自由党、
民主党の代表として
高橋議員のお答えを願います。