○
福島政府委員 三十
年度におきまして、
予算に現われております
増加を予定せられる
施設という
関係がお
申し出の
通り十カ所近くあるのは事実でございます。しかしながら、これらは全般的に申しまして、これからは
純然たる
増加にはならないと考えております。いわゆる
占領時代に
相当な
基地があったわけでありますが、それが
講和発効後その
提供の
方式その他につきまして、今日やっておりますような
行政協定に基く
日米間の話し合いとか、あるいは
合同委員会に基く
提供上の措置とか、そういうことが比較的こまかく規定せられまして、
占領時代のように、いわゆる接収々々で
アメリカが乗り込んできて取り上げてしまうというような
手続はとれなくなったわけであります。しかし
講和発効後そういう
提供方式が精密になったにもかかわらず、
アメリカ軍が落ちついてくるにつれていろいろ注文が出て、
基地の
提供——まあ
件数は減っておるわけでありますが、
基地そのものの面積その他の
関係で若干
増加しておるという
趨勢はいなめないと思います。しかしながら全般的に片しまして、
アメリカ陸海空の三軍の
関係のうち、海軍は今のところどういう
計画によって動くかということははっきりいたしませんが、大体当分の
間現状維持でおるのであろうと考えております。
空軍の方は
増強の
傾向にあると考えております。
陸軍は
相当に
縮減の
傾向にあると考えております。従いまして今日では
空軍関係の
施設の
追加をしていく、
陸軍関係の
施設の
解除を受け入れつつあるということでありまして、それの一種の
過渡期になっておりますので、今日ただいまの
数字においては
追加分が考えられておるにかかわらず
解除分の
数字がはっきり出てこないということになりますが、本
年度一ぱいには
解除関係の
数字も
相当出て参るのであろうと思われますので、差引いたしまして
増加していくという
趨勢ではございません。なお
陸軍がそういう
縮減の
傾向にありますだけに、われわれといたしましては
演習場その他、これは大小いろいろあるわけでありますが、これが多数にわたっておるということになります場合には、三つのものを
一つの
演習場でできないかというような
交渉、また
調査その他を重ねておりまして、数十に上ります
演習場その他の
関係をできるだけ数の少いところでまとめて参ろうということで、いろいろな
努力を重ねております。といたしますと、全般的には
国民の
負担を軽減することができることになるのですが、どこかへ
しわを寄せて全般的の
負担を軽くしようということになりますので、
しわの寄る
個所においては、
演習の便宜その他のために若干の
追加その他の
関係もどうしても出てくる。
演習場を
五つよしてくれ、そのかわり
一つは拡充するのはやむを得ないということになりますれば、その
一つの面においては
相当の
追加分という問題が生じて参るわけであります。
飛行場の
関係も大体原則は同じになるわけでありまして、今日
日本にございます
アメリカ関係の
飛行場は、かつて
日本にございました八十
幾つの旧
日本軍関係の
飛行場のうち四十
幾つを
解除いたしまして、かれこれ四十ばかりを使っているわけであります。これらの
飛行場は、古いと申しますか、従来の
飛行場でありますために、
新型の
飛行機の使用にたえない、
滑走路が足りない。
飛行機というものは
一定の時間がたてば使えなくなってしまうしろものでありまして、
あとから
あとから
一定の間隔を置いては新しい
飛行機と交換されていくわけである。交換されていく場合に、
あとから古い形式の
飛行機を作って持ってくるということは考えられない。
年々歳々飛行機の型が変ってくるということになりますと、いずれは古い型の
飛行機が
新型、すなわち今日で申せば
ジェット式の
飛行機になるという
時代が必ずくるわけでありまして、その場合に今日
アメリカ軍側で四十ばかりの
飛行場を使っておりますが、どこの
飛行場においても新しい
飛行機を使えない、
日本においては
飛行機が飛べないという
事態がそう遠くない時期にくるわけでございまして、
滑走路を延ばさなければならぬという問題が起っておるわけであります。その場合にわれわれのとります態度といたしましては、それは四十の
飛行場の
滑走路を延ばすということが希望には違いないであろうけれ
ども、そういうことでは
日本の
国民の
負担の面からいってとうていやっていかれるものではない。これを最も少い数の
飛行場で
日本全国の
防衛の
飛行活動の見地から使えるように編成がえをするためには、どことどこにあれば一番少い数の
飛行場で
目的を達することができるかということになりまして、まだせんじ詰めました数は確定はいたしませんけれ
ども、十ばかりの
飛行場を選んで四十の
飛行場に取りかえることができるかということを研究いたしまして、それにかかっておるわけでございまして、それぞれの
拡張をするということになります。
飛行場なり
演習場なりについては、
拡張という問題が表面に出ていることは間違いございませんけれ
ども、それによって
演習場の
関係においても、
飛行場の
関係においても、どこのもの以外のものは使えないということをそのままであきらめて
——使えなければ当然かえるということになりましょう。そういうふうな
事態も予想しているのでありまして、
飛行場のみならずその他の
地区においても、九件と承知しておりますが、三十
年度予算において
増加を予定している
施設というものがあるわけでございます。しかしそれは九件と申しましても、
高射砲陣地とか
練兵場とか
倉庫地区とかいろいろございます。坪数にいたしまして、小さいものは二百五十坪、四百七坪、六百十坪、七千八百坪、八千三百坪、大きなものは八万四千坪というようなものもございますが、そういうことでございますので、九件と一口に申しましても、百坪ぐらいのものからすべて
提供施設区域は
施設区域でございますので、そう絶対的に非常な
増加を示すということではございません。こういう点で
しわを寄せてくるわけでございますが、寄せられた
関係地元の
方々こそいい迷惑であるということは私も承認せざるを得ませんけれ
ども、全般的には、申し上げました
通りに
負担を軽くして参るということで
努力をしておるつもりであります。