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1955-06-07 第22回国会 衆議院 逓信委員会電気通信事業の調査に関する小委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月七日(火曜日)     午後二時二十四分開議  出席小委員    小委員長代理 松井 政吉君       齋藤 憲三君    廣瀬 正雄君      橋本登美三郎君    前田榮之助君       森本  靖君  小委員外出席者         逓信委員長   松前 重義君         議     員 竹内 俊吉君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  行広 清美君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  秋草 篤二君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 六月七日  橋本登美三郎君六月四日委員辞任につき、委員  長の指名で小委員に補欠選任された。 同日  橋本登美三郎君が委員長指名で小委員長に補  欠選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国際電信電話株式会社株式に関する件     —————————————
  2. 松井政吉

    松井委員長代理 これより電気通信事業調査に関する小委員会を開会いたします。  国際電信電話株式会社株式に関する件及びテレビジョン受像機の課税に関する件、右向件について調査を進めます。この際御質疑があればこれを許します。橋本登美二郎君。
  3. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 政府委員にお聞きいたしますが、国際電信電話会社が発足いたしまする際に、会社法附則電電公社財産会社に移譲する際に、あの法律建前はすみやかに譲渡して、政府がまたこれを金融市場情勢を勘案してすみやかに処分しなければならぬ、こういう規定のもとに、同時に当時現物出資されました電電公社資産株は、一応政府側に譲渡されておって、その処分電電公社が返還を受けておるような形式になっておるはずでありまするが、その現状はどういうことになっておるか、御説明願いたし
  4. 行広清美

    行広説明員 お答え申し上げます。当初電電公社からの現物出資に対しまして割り当てられた株の数は、六百五十五万七千三百八十八株であったのでございます。この株を法律規定に十一りまして、政府といたしましては処分をすることになったわけでございますが、現在までのところ二回処分をしたわけでございます。第一回の処分は二十八年の五月でございまして、この際賢却いたしました株の数は三百七十三万七百七十五株であったのでございます。第二回目は昨年の三月でございまして、この際処分いたしました株の数は二万一千八百七十三株でございます。現在政府が持っております株は二百八十万四千七百四十株ということになっているのでございます。
  5. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 当時の附則で、政府はすみやかに金融市場状況を勘案して処分をしなければならぬ、こういうことになっておるのですが、今の経過の説明によりますと、その後の処分ができておらないようであります。従って政府はこの条項に対して、意思があっても実際上の金融市場状態からできないということでありましょうが、郵政省当局としては、及び電電公社としては、大蔵省に対してこれのすみやかなる処分方、これについて要請をしたことはあるのですか、その点はいかがですか。
  6. 行広清美

    行広説明員 郵政省といたしましては、昨年の八月であったと思うのでございますが、当時公社の総裁の方から御依頼がございまして、株の処分促進方について御要栗があったのでございます。かねて郵政省といたしましても、株の処分につきましては重大な関心を持っていたところでございますので、大蔵当局の方に対しまして、その促進方を要望した次第でございまするし、またその後におきましても、事あるごとに要望をいたしまして促進方に努めて参った次第でございます。
  7. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 あの附則の二十一に、いわゆる有価証券市場状況を考慮し、なるべくすみやかに処分しなければならぬとある。あの条項は、その株価が現在額面が五百円になっておるようですが、五百円という金額を割ってもすみやかに処分するというように解釈するか、もしくは少くとも最低五百円の額面を割って処分すべきではたい、こういうふうに考えられるのか、その点についての解釈はどう考えておりますか。
  8. 行広清美

    行広説明員 この点につきましては当初安定株主に対しましても、五百円で引き受けてもらっております関係もございますし、会社の実態にかんがみまして、政府といたしましても五百円を割らない価格処分をするということで、現在まで参っておる次第でございます。
  9. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 もしあの法律をあのまま実行するとすれば、すみやかに処分するということに重点を置けば、額面は割っても処分しなければならぬ、こういうことになりますと、一応公社財産というものは三十二億何千万円に評価されるのでありまして、それを株価に形を変えたのでありますから、もし額面より安く処分するようなことが起れば、その差額は政府が補償することになるのか、もしくは電電公社の損害になるのか、その点についての解釈はどう考えておりますか。
  10. 秋草篤二

    秋草説明員 ただいまの行広監理官の御説明とうらはらの関係になりますが、監理官の御説明のように、この法律はわずか三条でありますが、私ども当時から、市場に売却するということは、やはり国なり電電公社財産を、できるだけ有利に保存してやるという建前があったように記憶しております。従って当時プレミアムがつくというような予想もあったように記憶いたしまして、プレミアムがつけば当然電電公社の所属に戻るものである、従ってその裏であるところの、ただいま橋本先生の御質問のように、逆に券面価格を割って出た場合の不足額というものは、当然出資者である電電公社がかぶるべきだ、こういうふうに私どもは今日まで理解して参っております。
  11. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 今秋草経理局長の答弁でありますと、もし額面以下にこれが下って処分した場合は、その差損というものは電電公社が負わなければならぬというふうに考えておる、こういうのですが、そういう意味だというと、電電公社はあの株を政府に対して譲渡しておるわけです。その譲渡は額面金額で譲渡したのでありますから、政府当局あるいは大蔵省当局電電公社との関係は、一種債権債務関係になっておるし、その債権債務関係というものは、表わされた金額における債権債務関係解釈していいのではないか。そうなれば、その損益というものは大蔵省がかぶることはあっても、電電公社がかぶることはない、こういうふうに解釈していいと思うのです。株の売買方を委託したのじゃなくして、額面に現われた金額を譲渡したのである、従って、少くともその額喜面金額に対する債権を持っておる、こう解釈すべきだと思うのですが、その点少し私と考え方が違うようでありますが、どう考えられておりますか。
  12. 秋草篤二

    秋草説明員 この法律からいいますと、私ども額面だけで、国有財産として配当などは政府が取っておりますから、それが高く売れようが、安く売れようが、政府が一切マイナス、プラスともかぶるという建前のように感じますが、事実は現に株の第二回の売却がございました。それは昭和二十九年四月四日ごろでございますが、非常にわずかでございますが、二万一千八百七十三株、金額にいたしまして一千百二十九万九千六百四十五円、これは大蔵省が昨年度市場情勢を見て第二回の売り出しを試みてみたのであります。大阪と東京の株式市場に打ち出しまして、オークションを出してみたのであります。ところが非常にわずかの売れ品しかなかった。問題はその株がどういうふうに売れたかということですが、現に入札価格は、非常にわずかの株ですか、最高五百四十五円というものかついたのであります。また従業員の中でも、五百十五円で売ってくれたものも、ほんのわずかですがあったのであります。そうした場合に、このプレミアムのわずか四十五円あるいは十五円という価格でありますが、これも大蔵省はそのまま私どもにくれたのであります。ここらは法律的にはそこまで書いてございませんが、事実プレミアムがっく場合には私どもの方に帰属する。従って裏であるところの、逆に券面を割るという場合は、これは電電公社の欠損ではないというのもおかしいのじゃないか、やはりそれは公社の負担であるというふうにとるのが穏当ではないか、よい方だけとるのもおかしいのじゃないか、こういうふうに考えて、法律上はその点は非常に明確を欠いており、不徹底だという感じは今私どもあるのでありますが、事実こういう問題があったのであります。
  13. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 今の経理局長お話ですと、実際上の問題としてプレミアムがついた場合には、大蔵省はそのプレミアムをつけたままで電電公社の方に支払いをしておるからして、それが額面を割った場合においても、その損益の責任は噛電公社が負うことになると思う、こういうお話でありますが、そういう解釈からいけは、従来大蔵省名前政府名前で持っておった株の配当というものも、当然電電公社に返すべきものじゃないかと考えるのですが、従来政府の預かっておったその配当金に対する考え方について、電電公社並びに監理官はどういうふうに考えておられますか。
  14. 秋草篤二

    秋草説明員 配当になると、この点は非常にはっきりして参ると思うのでありますが、確かに橋本先生のおっしゃるような精神が、この三条の中に含まれておると思うのです。大蔵省でもこの問題につきましては、主計局法規課理財局管財局、それぞれの立場からずいふんディスカッションをしたようであります。しかし結論的には、配当国有財産として国が所有すべきであるというふうにはなっているように私どもは記憶しておるのです。それから先ほどのプレミアムの問題も、法律からいえば、私のような考え方はあまりにも立法の粘神を考え過ぎておるという関係から、文字通りの解釈からいけは少し穏やかではないような感じもいたしますが、大蔵省の方はプレミアムの問題については、当初から非常にはっきり割り切っておるのであります。配当金につきましては、これは国有財産としての唯一の収穫であるから、大蔵省取得すべきものであるというふうに向うでは申しております。それからこれはいろいろ大蔵省の中で竜御意見もあるようで、理財局長などにもずいぶんこの問題を持ちかけたことはあるのでありますが、理財局長は当時の設立にも関係し、評価委員でもあったわけですが、結局においてこの問題を中心として大蔵省一文も損も得もしてはいけない、これが一番正しいやり方ではないか、そうすると配当大蔵省が喜取るならば、三十二億なり、今日では十四億というような財産大蔵省が持っておるのだから、それだけ公社に穴があいているのだから、その収益に相当するような金利と申しますか、そういうものを差し上げる。それで株を売却するための株式市場に対する手数料のごときものは、大蔵省が現に負担しておるけれども、これもほんとう公社で持ってもらいたいのた。要するに大蔵省一文の得も損もしないというのが、ほんとう建前じゃないか。しかし法律だけを見ますと、なかなかそういうふうにもはつきりと書いてございませんもので、事実上の取扱いとして、先ほど私が申し上げましたように、配当だけは大蔵省が今収納する。プレミアムの問題は公社に帰属する。それから株式市場売り出しをするための手数料は、大蔵省国有財産を自分で処分するのだから、大蔵省が負担する。これが事実上今のやり方になっておるわけであります。
  15. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 前回の委員会あるいはきょうの小委員会等で、大蔵省電電公社に返還すべきといいましょうか、預かっておる資産の株に変更されたものをすみやかに処分して、これを電電公社に渡すべきでありますが、すでに二年有余になっておる今日においても、なおかつ二百八十万株という大きな株が残っておるわけであります。それを額面金額で計算しますと十四億二百万出品、こういう莫大な金額が残っておるのですが、この二百八十万株というものは、われわれの見るところでは当分の間、少くとも本年度はもちろん処分は不可能である。来年度においても、こういうものを全額消化することはもちろん不可能である。こういうことを考えますと、当初国会において決議いたしましたすみやかに処分すべしという法律の目的も達成されない、こういうふうに考えます。また一つには、この国際電信電話会社なるものは、もちろん現在の喜電信電話公社から分れたものでありますが、通信事業一貫性から考えて、かつまた通信事業の広い、強力な意味での公共性、こういう点から考えても、最も確実なる安定株主が必要である、こういうふうに考えるのですか、この二点について監理官の御意見を伺いたい。
  16. 行広清美

    行広説明員 第一の、今まで株の処分に努めてきたけれども二百八十万株残っておる。これが当分売れる見込みはないではないかというお話でございますが、その点につきましては、一般の株式市場状況から見まして、株式利回りがだんだん低くなって参っておりますので、その点から考えまして、現在の国際電信電話株式会社株式利回りの八分との関係が、漸次その差が接近してきたといったような点から考えますと、あるいは処分できるような可能性もふえてきつつあるのではないかということが一応言えるかとも思うのでございますが、お話にもございましたように、それが本年度中に消化できる見込みがあるかどうかということにつきましては、必ずしも見通しがはっきりしているわけではございませんし、相当困難ではないかと考えております。この点につきまして、何らかの措置を考える必要があるということにつきましては、全然同感でございます。  第二の安定株主必要性の問題でありますが、この会社事業自体が非常に独占的であり、また公共性を持っている事業でございますが、他面におきまして、外国為替市場影響等を受けやすい事業でございます。その面から考えまして、会社の性格なり、またその使命なりに十分の認識を持って協力してくれる株主、いわゆる安定株式必要性ということは、当初から考えられておった次第でございます。従来はこれら安定株主といたしまして、金融機関等依頼をしていたわけでございますが、事業性質等から考えまして、また今後の会社の将来を考えた場合におきまして、公益的な色彩を持った安定株式というものの存在の必要性が、従来よりも一そう多くなって参っているというふうに考えている次第でございまして、公益的な色彩を持った安定株主必要性ということは、現在の段階においては十分考えるべきではないかと考えております。
  17. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 当小委員会でかねてから問題になっておりまする国際電信電話会社政府持ち株処分に関連して、日本電信電話公社法の一部を改正する法律、案を必要と考えますので、私はこれに関する法律案を提出いたします。  一応内容を朗読しまして、皆さんに御審議していただきたいと思います。    日本電信電話公社法の一部を改正する法律案   日本電信電話公社法昭和二十七年法律第二百五十号)の一部を次のように改正する。   第三条の次に次の一条を加える。   (国際冠信吃語株式会社株式の保有)  第三条の二 公社は、国際電信電話株式会社株式を保有することができる。但し、発行済株式総数の五分の二をこえてはならない。   第六十八条の次に次の一条を加える。   (国際電信冠話株式会社株式取得又は処分の制限)  第六十八条の二 公社は、国際電信電話株式会社株式取得日本電信地話公社法の一部を改正する法律昭和三十年法律第 号)附則第二項の規定による場合を除く。)し又は処分しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。     附 則  1 この法律は、公布の日から施行する。  2 政府は、この法律施行の日までに国際電信童話株式会社法昭和二十七年法律第三百一号)附則第二十一項の規定による処分を終らない株式日本電信電話公社に返還しなければならない。ただし、発行済株式については、なお従前の例による。  これの提案理由といたしましては、従来委員会で論議が尽くされましたように、一つには日本電信電話公社国際奄信電話会社との関係というものは、その過去の歴史から考えても、現在の専業の性質から考えても、密接な関係に置かれておる。しかも国内線等においても、国際会社がこれを使託しておるような現況でありますから、できるだけ緊密なる関係に置くことは、国際会社の運営のためにも、かつまた電信電話公社事業のためにも必要、である。こういうことが一つ理由であります。  それから第二は、国際合会社事業性質上安定した状態に置く必要がある。すなわち事業経営の安定を第一の要件とするものであります。従って現在公社が国に対して有する債権、すなわち現物出資の対価の未済分として政府所有になっておる会社株式を、法規を改正することによって公社が五分の二程度の安定株主になるということは、会社自体公共性から見ても当を得たものであって、これは何も国際会社に対して日本電信電話公社が特殊の意味を持っておるという——いわゆる人非あるいはその他の関係において、その株式所有者たる立場において何らかの特殊な意味を持つということじゃなくして、全く安定株主として必要である、こういう見解からも第二の理由として、公社株主たることが必要であると考えるわけであります。  第三には、現在政府が十四億余田に相当する大きな売り株を打っております。これがために絶えず法律によってすみやかに売らなくちやならぬという立場に催かれております関係上、会社内容が非常にしっかりしておるにかかわらず、その株というものはこういうような特殊な事情からして、なかなか額面通りにすらも売れない、こういう事情でありますからして、こういうような一種の売り株を政府がたくさんに持っておるということは、この会社株式に対しても悪影響を与えておると同時に、また証券市場に対しても一種の好ましくない影響を与えておると考えますので、これらを大体において処分することによって、会社自身にとっても株式運用上非常に努果があろうと考えますから、これを第一の理由として、日本電信電話公社法の一部を改正して、そうして国際の株を電信電話公社が持てるようにしたい、こういうのがこの改正法律案の趣旨であります。  以上の点を十分に御審議願って、小委員会の案とせられんことをお願いいたします。
  18. 松井政吉

    松井委員長代理 ただいまの橋本君より御提案法律案に対し、御質疑はありませんか。  御質疑がなければ、ただいま橋本君より御提案日本電信電話公社法の一部を改正する法律案につきまして、本小委員会の成案と決定し、これを委員会に報告するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼、ぶ者あり〕
  19. 松井政吉

    松井委員長代理 御異議ないものと認め、さよう決定をいたしました。
  20. 橋本登美三郎

    橋本(登)小委員 これに関連してですが、私の提案意味は、いわゆる小委員会の案ということは、要するに委員会立法として御処理を願いたい、こういう意味でありますから、委員会に報告をせられる際においては、そういう意味のことを一つおつけ加え願いたいと思います。
  21. 松井政吉

    松井委員長代理 了承いたしました。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後二時五十九分散会