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1955-06-01 第22回国会 衆議院 逓信委員会電気通信事業の調査に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月一日(水曜日)    午後一時三十四分開議  出席小委員    小委員長 橋本登美三郎君       齋藤 憲三君    原   茂君       前田榮之助君    松井 政吉君  小委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  行広 清美君         日本通信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  秋草 篤二君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 本日の会議に付した案件  国際電信電話株式会社の問題に関する件     —————————————
  2. 橋本登美三郎

    橋本委員長 これより電気通信事業調査に関する小委員会を開会いたします。  本日はまず国際電信電話株式会社の未処分株式処理に関する件について調査を進めます。政府側出席は、説明員として電気通信監理官行広清美君、同じく説明員として日本電信電話公社経理局長秋草篤二君が出席しております。この際質疑の通告がありますのでこれを許します。松井政吉君。
  3. 松井政吉

    松井委員 政府の方にお尋ねをいたしますが、最近における国際電電営業成績と申しますか、その内容がおわかりでございましたら、この際簡単でよろしゅうございますから御説明を願いたいと思います。
  4. 行広清美

    行広説明員 最近におきまして決算期状況を見ますと、大体利益金といたしまして毎期七億円余の収益を上げております。そのうちで株式配当に回りますものは、大体年に直しまして八分の配当ができるようなところになっておるのでございます。残余のものは法定の利益積立金に積み立て、あるいは任意準備積立金に積み立てをいたし、また税金を支払う、こういったようなことになっておるわけでございます。
  5. 松井政吉

    松井委員 七億の収益半期でございますか、一年を四つに分けての決算でございますか、年間じゃないと思いますが。
  6. 行広清美

    行広説明員 大体年二期が決算期になっておりまして、従って毎決算期でございますから、半期というふうにお考え願いたいと思います。
  7. 松井政吉

    松井委員 そういたしますと、これは半期年間ではこの数字でいけば十四億利益ということになるのでありますが、最近における国際関係通信の量、それから数、そういうものと昨年と比較してどのような形になっていますか。
  8. 行広清美

    行広説明員 大体電報利用状況は二十八年度に比べまして二十九年度は若干ふえて参っておりますが、電話の方におきましては若干減る、こういったふうな傾向になっているわけでございます。一応数字で申し上げますと、電報総通数におきまして、二十八年度は三百四十三万通であったのでございますが、二十九年度は、これはまだ見込みが若干入っておりますが、大体三百三十八万通になっておるのでございまして、この面ではちょっと減った数になっておりますが、大体傾向といたしましては、電報の方はさほどの影響はございませんで、若干ふえてくるという傾向になっております。電話の方において見ますと、二十八年度が十九万度でございまして、これに対しまして二十九年度は約十八万度少しということになっているわけでございます。
  9. 松井政吉

    松井委員 そういたしますと、損益勘定等についてよく資料を勉強しておらないのでお伺いをいたしますが、ほとんど建設勘定というようなものはなくて、損益勘定経理処理をすればいいように考えられますが、その建設勘定関係損益勘定関係状態について、おわかりのところだけでけっこうでございますが、ちょっと説明願いたいと思います。
  10. 行広清美

    行広説明員 大体の数字でまことに恐縮でございますが、一応会社におきます全体の収入支出状況でございますが、収入の面としましては、大体四十五億余になっているのでございます。二十八年度の数字について見ますと、収入が四十五億七千二百万円でございます。支出が三十八億三百万円になっているわけでございます。この点は二十九年度におきましても大体同様な傾向とお考えになっていいと思うのでございますが、この支出のうちで建設面投資されましたものが大体十二億くらいであったかと記憶しております。この十二億円余の建設面投資は、自己資金でまかなっているわけでございます。
  11. 松井政吉

    松井委員 建設関係は新しい建設関係というものでございますか、それとも保守関係でございますか。
  12. 行広清美

    行広説明員 これは二つございまして、従来の設備の取替的な意味におきましての建設面のものもございますが、そのほかにたとえば東京電報局を新しく作るといったふうなものでございますとか、あるいは新橋等営業所を作る、こういったふうな営業施設の面に対するものとありまして、後者に申し上げましたものの方が金額としては多いような実情でございます。
  13. 松井政吉

    松井委員 そうすると営業面に関する局舎建設等が中心であって、直接通信関係の技術的な面、それからその技術を助けるための建設等は、当面必要ないという状態でございますか。
  14. 行広清美

    行広説明員 この点につきましては、一応設備の面といたしまして相当ライフの切れているものがございますから、その点に対しましても、サービス改善という面に含めまして、重点的には投資をして参らなくてはならない状態にあるのでございますが、また他面におきまして、公衆に対するサービス改善というふうな面からの営業所の整備というものも必要でございますし、また特に当面の問題といたしまして、公社中央電報局の中にあるところの施設を整備拡充するための必要から申しまして、東京国際電報局を作る、こういったふうな問題が出て参ったわけでございますから、さしむきの幅といたしましてはそのような形になっておるわけでございます。
  15. 松井政吉

    松井委員 今資料で拝見いたしますと、償却関係においての三項目、創業費償却費、これはよくわかりますが、営業費償却費財産除却費、これはどういう意味でございましょうか。その内容等についてちょっと説明願いたいと思います。
  16. 行広清美

    行広説明員 お答え申し上げます。創業費償却費につきましては、創業費を大体三カ年で償却するということに考えられております。営業費でございますが、営業費のれん代として計上しましたものを十カ年で償却するということになっておりまして、創業費営業費ともそれぞれ平均的に計上されているわけでございます。お手元にございます財産除却費と申しますのは、ここに上っておりますものの内容でございますが、小室の受信所、名崎の送信所のアンテナを除却したのでございまして、その除却分がここに上っておるわけでございます。
  17. 松井政吉

    松井委員 そうすると、今十二億の建設費、これは自己資金でまかなっておるということですが、その自己資金と従来の建物、それから設備その他の償却金でございますが、それとの関連はどういうようになっておりましょうか。
  18. 行広清美

    行広説明員 ちょっと今手元に整理した資料を持ち合せておりませんので、概数でまことにおそれ入りますが、一応建設投資の面といたしまして十二億余と申し上げたのでございますが、そのうちでお手元にございます資料でちょっと見ていただきますと、貸借対照表のところに出ておるのでございますが、大体有形同家資産といたしまして十二億円余、ここに上っているのでございます。そのうちで機械設備等に向けられましたものが約七億になっておるのでございます。それから建物と土地に向けられましたものが約五億、こういうふうな状況になっております。それから減価償却費でございますが、これは会社事業特殊事情から考えまして、一応定率法を使って減価償却をやっておるわけでございます。と申しますのは、会社無線設備が大部分でございまして、これは機能的に減価する程度がはなはだしいものでございますから、その特殊性から考えまして、定率法をとりまして、年度の初めに多額償却をするというふうな形になっているわけでございます。従って今までから見ますと、かなり多額償却をやったことになっているわけでございます。その償却実情は、総額におきまして約十億に上っているわけでございます。
  19. 松井政吉

    松井委員 そうすると、この償却の十億円というのは、十二億の建設自己資金に充てられているわけでもないのですね。
  20. 行広清美

    行広説明員 お話しのように活用されているわけでございます。
  21. 松井政吉

    松井委員 そうすると総体的に見て、現在の国際電電会社営業その他は、すべて順調に成績を上げておると見てさしつかえないわけですね。
  22. 行広清美

    行広説明員 さようでございます。
  23. 松井政吉

    松井委員 そういたしますと、御承知のように国際電電会社民間株式会社でございますが、その当時のいきさつはわれわれが当委員会審議をしたのでございますから明らかなように現物出資を株にかえて六百六十万株が総株である、こういうことになっておりますが、今日なお政府が二百八十万株を持っておるということに相なっております。そうなりますと、こまかいところまではよろしゅうございますが、その他の株主はどうなっておるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  24. 行広清美

    行広説明員 昨年の九月三十日現在の株主分布状況をとった資料で申し上げますと、今お話のようにパーセンテージで申しますと政府が四二・五%を所有しております。それからそのほかの株主についてみますと、銀行が二九・四七%、生命保険あるいは損害保険会社が一三・九〇%でございます。その他の法人が九・五八%、一般株主といたしましては一・三四%、その他会社の役員あるいは従業員が三・二一%という実情になっております。
  25. 松井政吉

    松井委員 そうすると金融機関が、もちろん保険会社まで広義の金融機関ということになると四三%をこえることになりますから、一番よけい株を持っているということになりますが、これは愚問だと思いますけれども国際電電の株を金融機関がこのようによけい持つという意味は、一体どういう意味でございましょうか。特に政府の方で金融機関に持つように促進をしてこうなったのでございましょうか。自主的に金融機関の方がこの株を持つような段取りになったのでございましょうか。
  26. 行広清美

    行広説明員 お答え申し上げます。国際電信電話株式会社は今さら申すまでもないのでございますが、独占的な事業体でありますと同時に公共的な使命を持っておりますし、また外国為替市場等によりまして変動を受けやすい事業であります。その点からいいまして、これらの会社特殊性を十分に認識して育成してもらうものが必要である。ここにいわゆる安定株主必要性が、他の事業に比べて一そう出てくるのではないかと考えられるのであります。その面から考えて政府といたしまして株式有価証券市場状況を見て、なるべくすみやかに一般に売り出すという形にはなっておりますけれども、何らかの形において安定株主が必要であるという見地から、銀行等金融機関に、いわば資産株といった意味において保有してもらうことが望ましいと考えられたのではないかと考えているわけでございます。その当時の経緯等につきましては、ただいま私自身承知しておらないものでございますから、なお必要によっては調べましてお答え申し上げたいと思います。
  27. 松井政吉

    松井委員 かりにこういうことが考えられないでしょうか。われわれは会社内容その他株の動き等についてはまことに不勉強でわからない方でありますが、国際電電は発足当初の年から利益を上げていることは明らかな事実でございます。それから二十八年度もそうでございますが、二十九年度でも半期でやはり七億の収益を上げて、八分の利益配当をやっている。これはただいまお伺いした通りでございます。そういう株式会社の株で、しかも普通の民間会社のように経済変動の結果倒産をするという心配のない法人だと思いますが、公共性を持っているものであり、国家の考え方からいっても国際通信機関を失うわけにいきませんから、従いまして安定した株であり、利益が出る株であり、間違いのない配当を受ける株だということになります。そうなって参りますと一般の方がよけい株をほしがるような気がするのが私の考え方一つ。ところが金融機関が大半を持っている。しかも政府が二百八十万株も握っているというのはどういうことなのですか。
  28. 行広清美

    行広説明員 御質問にお答えいたします前に、ちょっとお断わりさしていただきますが、先ほど私あるいは言い違えたかもしれませんが、会社半期に七億円余の収益を上げているというふうに申したかもしれませんが、半期はその半分の三億七千万円でございます。それから八分の配当というのも、年間に延ばした場合に八分の配当をしているという意味でございますから、念のために訂正さしていただきます。  ただいまの御質問でありますが、資産は非常に堅実で、経営状況も順調に進んでいるわけでございますから、松井委員お話しのようなことも考えられるかと思うのでございます。ただ実際の問題としまして、政府で二回にわたって株の売却をしたのでありますが、有価証券市場実情から見まして、第三回目のときの流れ行きは特に悪く、約二万株程度のきわめて少数の株しか消化できなかったという結果になっております。その後有価証券市場実情を見ながら、売る機を待っているのでございますが、その機会が到来しないで現在に及んでいる、こういったような実情でございます。この原因といたしましてはいろいろ考えられるかとも思います。国際利回りは八分ですが、一般株式利回りを考えた場合におきまして、平均の利回りから見ますと、八分の利回りは決して低いものではないと思うのでございますが、ただ株としての妙味といった点から見た場合におきまして、国際の株は必ずしも消化されやすい実情になかったのではないかと考えている次第でございます。
  29. 松井政吉

    松井委員 こういうことは考えられませんか。たとえばさっき申し上げたように会社内容は、もう一番いい内容だ、それからいかなる場合があっても、国家的に見てもやめることのできない企業を独占している、しかも利益の上ることは確実、そういう株の値段が割合に低いのですね。こういう理由は一体どこから来ると政府当局は判断しているか。
  30. 行広清美

    行広説明員 お答え申し上げます。この点につきましては一つ原因といたしましては、政府が相当多数の株を保有しておりまして、有価証券市場状況を見ていつでも売り出すのだというような態勢にあるということが、実際問題として正当な株価の構成を阻害しておったということもあるのでないかと考えておりますし、また配当の率の面においても、もう少し高率配当であればあるいは売りやすかったかもしれないというようなことも、あるいは考えられたかもしれないと存じている次第であります。
  31. 松井政吉

    松井委員 そういたしますと、また一部にはこういう考え方が生まれてくるのじゃないかと思うのです。たとえば内容はよろしいのに株の値段が上っていない、これは政府がいまだに二百八十万株も持っている、そうしてやはり一ぺんに多くの売り出し機会をねらっている、そういううわさやらいろいろ考えられる節が出てきますが、その通りであるかどうかということが第一点。その通りだとすれば、何の目的をもって政府はそれを考えているか、こういうことをちょっと伺いたい。
  32. 行広清美

    行広説明員 今お話のございましたように政府多額の株を保有して、売り出し機会をねらっているというような形にあることが、株の値段を低くし、従ってまた売却を困難にしているのではないとかいうようなお話でございますが、あるいはそういったようなことになるのではないかというふうに私自身は考えているのでございます。ただなぜそのようなことをしているかということでございますが、その点につきましてはなるべくすみやかに有価証券市場状況を見てということになっておりますので、有価証券市場の動向ということを考えて、売り出し機会を待って今日に至っておるというふうに考えざるを得ないのではないかと思うのであります。
  33. 松井政吉

    松井委員 重ねてお伺いいたしますが、もちろん先ほど御説明を願いました金融機関等は、関連産業とは言えない立場のものだと思います。そうすれば政府の二百八十万株、その他の株で、関連産業並びに通信企業関係のあるところで持っている株が、一体どういう分布になっているのか、ちょっと御説明願いたい。
  34. 行広清美

    行広説明員 関連産業といたしまして一応電気通信機器メーカーをとってみますと、その株式総数はたしか六万株であったかと存じております。それからそのほかに、いわゆる貿易事業といったふうなものをかりに関連ある事業として考えた場合におきましては、一万三千株になっております。
  35. 松井政吉

    松井委員 この貿易関係の方は、関連産業というよりも、むしろお得意様の方の関係だと思いますが、私の言う関連産業というのは、たとえば電波関係企業電気通信関係企業、それから国際電電と同じような企業形態における関連産業を申し上げているのでございますが、そういうところに関する分布をもう一ぺん御説明願いたい。
  36. 行広清美

    行広説明員 電気通信関係機器メーカーといたしましては、先ほど申しげましたように六万株でございます。そのほかには特に今松井委員のおっしゃいましたような範疇に入るものではないかと存じております。
  37. 松井政吉

    松井委員 そういたしますと、郵政省関係電気通信関係その他の政府関係企業で持っているものはございませんか。
  38. 行広清美

    行広説明員 郵政省あるいは日本電信電話公社として持っているものはないのでございます。ただその共済組合でございますが、共済組合として持っているものはあるのでございまして、御参考までに申し上げますと、郵政省共済組合が十二万五千株余持って、おりますし、日本電信電話公社共済組合が十一万株持っておる、この程度でございます。
  39. 松井政吉

    松井委員 そうすると公社側の方にちょっとお伺いいたしますが、厳密に言えば現物出資で六百五十五万七千三百八十八株、これを株式にかえて、公社総裁梶井さん名義で持っているものを、昭和二十八年の四月十三日に大蔵大臣に譲渡をしたということがいきさつだと思います。その当時政府との間にいわゆる関連産業として、電電公社がやはり株主になっている方がいいか悪いか、そういうことについて検討をしたことがあるかどうか、さらに大蔵省との間に、その株を持つか持たないか、あるいはどっちがよろしいかというようなことについて相談をしたことがあるかないか、その内容いきさつをちょっと聞かしていただきたい。
  40. 靱勉

    靱説明員 お答え申し上げます。在来国として経営しておりました国の内外の通信事業に関する財産というものを一切政府から公社に出資したという形になって、まず日本電信電話公社ができたわけであります。しかし同時に国際電信電話会社を設立して、その際にはやはり公社から国際通信に関する財産現物出資するということが、公社法益びに会社法規定されておりましたので、それに従いまして現物出資がなされたのでございますが、これは会社法関係施行法等に書いてございますが、それで取得しましたる株式は、これを一応政府に譲渡するということが法定されておりまして、この理由につきましては当時国会において御審議があった次第でございますが、大体国際電信電話会社につきましては、株の所有を準民間で持つというような精神から、こういう規定がされたと存じます。しかしこれは一体どのくらいで、この法律規定のごとくすみやかに処分する場合に価格割れになるかということは、実際にやってみませんとわからない状況であったのでありまして、一応額面を割るような形ではどうも公社現物出資者側としても困る。従ってむしろ若干上回れば、これは公社としては若干の利益が上るわけでございますが、そもそも現物出資で厳正なる価格を評価するということになりますれば、株の値段というものはいろいろ人気によって動く原因もあるわけでございますが、べらぼうに高くなるということは考えられない。少くとも先ほどからお話がありますように、絶対にやめられない、独占事業でありますから、私どもとしましては額面を下って処分されることはないものと、公社側としては考えておる次第であります。そこで大蔵省の方に譲渡しましたのは、結局法律規定でこれは民営という形で行くのだ、民有民営、こういうような精神の結果、こういう法律がきめられたものと考えておる次第であります。
  41. 松井政吉

    松井委員 そうすると大体その当時公社法律あるいは規定に基いて大蔵省、すなわち政府に譲渡した、譲渡してそれをまた引き受けるというようなこともありましょうが、その場合にもう株主となっておらなくてよろしいという考え方公社当局考え方だったですか。
  42. 靱勉

    靱説明員 公社考え方と申しますと、これは当時設立早々でございましてむずかしい問題でございますが、普通の観念から申せば、現物出資した人が株を持っておるのは、ある意味においては当然かと思います。しかしながら御承知のように資本額は三十三億、そのうち三十二億というものは公社から現物出資したものでありますから、会社形態にするという場合に、公社がそのまま全部持っておれば、これはほとんど公社がやっておるようなものでありまして、当然の観念としましては民間において相当この株が所有されるということが大前提である。一文も公社は持っていかぬかどうか、こういう問題になりますと、これはいろいろな考え方が立つわけでございまして、私どもとしましては法律に定められたるところに従って措置していくということでありまして、あるいはいろいろな意見があったかもしれませんが、それを公社意見として申し上げるわけにはいかないかと存ずる次第であります。
  43. 橋本登美三郎

    橋本委員長 この会社法政府でかって立案せられる当時、その事前において、公社関係は必ずしも会社案に賛成でなかったということが一つと、もう一つ会社案とすることに大体落ちついて、しかも立法するに際して、これは会社側の全体の意向か、あるいは公社の一部の首脳部意向か知らぬが、当時の郵政大臣を通じて五一%の株を公社が保有したい、こういう意向を示したことはありませんか。
  44. 靱勉

    靱説明員 その点につきましては、私としましては記憶が必ずしも明瞭ではないのでございますが、当初としまして若干の株を持つということについては、在来の国策会社的なものにつきましては普通の例でございまして、あるいは公社の業務の関係等から見まして、そういう考え方が普通考えられます。しかし今小委員長の申されましたように、五一%を主張したかどうか、その点は明瞭でございません。
  45. 橋本登美三郎

    橋本委員長 その問題については、おそらく当時の関係閣僚間の討議でしょうが、その話の中で、事業の性質から見ても、かつまた事業が円滑に運営する上から考えても、同時にこれらが法律上は何らかの形で外国法人、もしくは外人によって支配されることを禁じてはおるけれども、実際上なかなか危険が伴う関係もあるしするので、そこで公社政府関係機関であるからして、こういうものが相当の株を持てば間違いがない、こういう見解から、関係閣僚の間に、五一%を持たせてはどうか、こういう意見があったことは聞いておりませんか。
  46. 靱勉

    靱説明員 その点きわめて記憶があいまいで申しわけない次第でありますが、今御指摘のように、どういうものがこの株を持っていいか、これは全然野放しにはできないということで、外国の支配を受けるような会社にはできないということが法律規定されたのでありますが、一方におきまして、ただいま申されたように、やはり国際通信は国としても非常に重要なものである、従って純然たる民営企業にはできない、そこで会社法を作りまして、政府監督権規定した、こういうような観念があったわけであります。これはほとんど全く全般的に意論がなかったように考えられる次第でありますが、しからば政府あるいは公社が株を打つかどうか。公社の性格としましては、あくまで監督権を持つ企業体ではない。やはり電気通信事業経営体である。従いまして、あるいは安定株主その他の要請から、公社が持って悪いという理屈はなかったかと存じますが、あるいは過半数五一%を持つというような考え方が一部にあったとも考えられる次第でありますけれども法律規定におきまして政府の監督を受ける会社である、普通の事業で完全に民営の形態をとっている会社もあるわけでありますが、これはやはり国際通信の重要性という点から、政府監督権が強化された。また当時の私の記憶では、意見としまして、一方におきまして電電公社会社とは一体どういう関係に立つかというようなことも論議されたし、また当時公社としましては国内通信施設の整備拡充ということが最大の眼目でありましたので、できるだけ豊富に建設資金を得るというような考え方もありまして、結論といたしましては法律規定されたような結果になったわけであります。その間ただいま委員長の御指摘になりましたような考え方は、全然なかったとは申されないと存ずる次第であります。
  47. 橋本登美三郎

    橋本委員長 もう一つ、これは簡単ですが、現在非公式に売買されておる国際電信電話会社の株の値段、これは監理官でもけっこうですが、御承知になっておればお聞きしたい。
  48. 秋草篤二

    秋草説明員 これはいろいろ銀行、株屋などの話題にはさまれて聞いている程度でありますから、確実なものはございません。五百円の額面のものが、三百五、六十円ではないかというようなことをときどき聞く程度でございまして、確実な売買価格ではございませんので、正確な自信はありません。
  49. 橋本登美三郎

    橋本委員長 最近売買されたもので、確実に承知しておるものはありませんか。
  50. 秋草篤二

    秋草説明員 先ほど監理官から御説明申し上げましたように、大部分の株主は、紳士協定と申しますか、当時二カ年間売り出さないという約束のもとに買っていたように私ども承わっておる。従いまして一般のオープン・マーケットにはほとんど上場いたさない。従いましてそういう値段が現われるのは、ほんの個人あるいは国際会社従業員が金に困ってどうしても処分するというようなこと、あるいは証券会社の担保としたものなど、どうしても金に困って処分するというようなことは、ほんのまれに起るようでございまして、従いまして値段もほとんどこれは権威のある価格だとはお答えできないと思います。
  51. 橋本登美三郎

    橋本委員長 最近郵政共済組合もしくは電電公社共済組合で買った値段は、やはりこれは額の面で買われておるのですか。
  52. 秋草篤二

    秋草説明員 先ほど監理官から御説明がありました共済組合で持ちましたのは、金融機関と一緒に額面で正規にかなりのものを買ったわけであります。その後会社のあっせんで、やむを得ず小さな部分を共済組合で、ほんの二百万か二百万買ったことは記憶しておりますが、その価格額面を若干割っておるのではないかと思いますが、記憶が明確でないものでありますから……。
  53. 松井政吉

    松井委員 そういたしますと、ただいま政府が譲渡した株式の代金を公社が受け取っておると思っておりますが、二十八年七月、それから二十九年の四月、二回にわたって受け取っている額は、額面の五百円であるかどうか、この一点。  それからもう一つ、その場合売却手数料として千四百万円余を政府が支払っているということになっておりますが、この売却手数料というのは、政府支出をしておるとすれば、どこに払っておられるのか。まことに不勉強で申しわけありませんが、それを聞かしていただきたい。これが第二点。  第三点としてお伺いしておきたいのは、要するに政府の方が従来から持っておる株に対する、配当金を二億一千八百六十五万一千百十四円受けたことになっておる。これは政府配当金を受けているのでありますから、当然政府が持っておる二百八十万株ないしはその以前に政府が持っておる株券に対する配当金と解釈してよろしいかどうか、こういうことについてお伺いをいたしたいと思います。
  54. 秋草篤二

    秋草説明員 昭和二十八年七月と昭和二十九年四月に政府からちょうだいいたしました株の価額は額面価額でございます。第二点としましてこれを売却する場合の手数料、これは大蔵省一般株式市場すなわち株屋に払った金額でございます。それから配当金二億一千八百余万円の金額につきましては、お説の通り国有財産としての収果と考えて政府は収納しておるように伺っております。
  55. 松井政吉

    松井委員 政府にちょっとお伺いいたしますが、これは大蔵省当局でないからまことに申しわけない話だけれども、そうすると政府は、今言ったように会社内容も十分いいし、利益の出る会社であり、独占企業であるから、こういう特殊の企業体については、ある意味において株の値段等は値上げをしないという政策をとる場合があると思うのです。しかしながらただいまお伺いすると、額面を割って売っている傾向もある。こういうことをやりながら二百八十万株握っておれば、ただいま申し上げたように配当金がもらえる。こうなってくると、政府は何か配当金かせぎのために株を握っておるのではないかという考え方が裏に出て参りますが、一体政府としてはどういう考え方でこれをしっかり握っているのか。それから売却するときに、なぜ額面売却しないで安く売るのか。こういう点についてちょっと考え方を聞かしてもらいたい。
  56. 行広清美

    行広説明員 第一の点でございますが、私承知している範囲におきましては、政府としてはなるべくすみやかに売ることになっておりますので、有価証券市場状況に応じ市して売る機会を待っておったということでございまして、意識的にそれを云々ということはないように存じます。それから第二回目に売り出した場合におきましても、額面以下に割って売ったということはないのでございます。先ほどお話の場合は、従来の株主が何らかの都合で株を売却する場合に、たまたまそういったような事例があったということでございまして、政府が売る場合におきましては、五百円を割ることは考えておらないのでございます。
  57. 松井政吉

    松井委員 わかりました。そうすると、政府が売る場合には額面を割って売ったためしはない、持っている者が金にかえたい必要に迫られた場合にそういうことがあり得た、こういう解釈でよろしゅうございますね。——それではそれでよろしゅうございますが、この小委員会はずっと続けて根本的に検討する必要に迫られておりますから、いろいろな質疑は今後に残したいと思いますが、どうもわれわれの考え方からすれば、昭和三十年の三月まででございますから、ここ二年か二年半ほどの間に二億一千八百万円からの配当金を政府は取れる。それで売却手数料千四百二十七万ですか、これを支払っても二億円からの利益を上げておる。それならあわてて人に渡すことはないから、握っていようというような商売根性があるように見えてならないのです。こういう株は、性質からいってもやはり政府がしっかり握っておるべき性質のものじゃないと思う。もし政府がこのように多くの株を握っておかなければならぬとすれば、国有にしておけばいい。しかし民間会社にしたという性質から見て、政府は株を握っておってはいけないと私は思う。もし政府が株の大半を握っておりながらも、三分の一なり四分の一なりを民間に株を持たして営業をやらして、利益を上げさして、配当金かせぎをやっておるなら、政府が商売をやっておるのと同じで、民間企業にした理由はなくなる。そういうことから考えて、これはまことに不可思議千万な現象が起っておると考える。これは私も最近資料をいただいて、政府がまだ二百八十万株握っておる、これだけの配当金をもらっておるということを知ってびっくりしておるのですが、こういうことについてもさらにわれわれは掘り下げて検討したいと思います。  また電電公社の方も、たとえば現物出資の株を譲渡して、その譲渡の支払いを受けなければならないのに、政府配当金をもらいながら株をしっかり握っておる。出資をした電電公社の方は政府と折衝したかもしれませんけれども、何らそういうことは事実として現われておらない。この関係についてはわれわれは今後いろいろ調べていきたいと思います。従いまして今度大蔵省の人に来てもらってもよいと思いますが、大蔵省と打ち合せの結果、何のために政府民間会社にしながら二百八十万株を握っておるのか、この根本的な理由大蔵省の名における文書にして、参考資料としていただきたい。それから電電公社の方も、そういうことについて、現物出資をしたもとの当該者として、やはり早くその株を処分して、出資代金をもらいたいという催促をしたことがあるかないか、催促をしたとすれば、何月何日に催促したか、最初のいきさつは今の靱さんの答弁でわかりましたが、最初のいきさつじゃなしに、国際電電の株を電電公社が持った方が都合がいいか悪いかということを、その後の会議なり、首脳部間において相談したり、話題に上ったことがあるかどうかということを、次の機会でよろしゅうございますから聞かせていただきたい。本日は私の質問はこの程度で終ります。
  58. 橋本登美三郎

    橋本委員長 本日はこの程度にとどめまして散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。    午後二時二十七分散会