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1955-07-30 第22回国会 衆議院 逓信委員会 第36号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和三十年七月三十日(土曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長 松前 重義君    理事 齋藤 憲三君 理事 濱地 文平君   理事 廣瀬 正雄君 理事 橋本登美三郎君    理事 井手 以誠君 理事 松井 政吉君       秋田 大助君    宇田 耕一君       川崎末五郎君    竹内 俊吉君       原   茂君    森本  靖君       八木 一男君    松尾トシ子君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 松田竹千代君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 原  純夫君         郵政事務官         (郵政局長)  松井 一郎君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      白根 玉喜君  委員外出席者         郵政事務官         (事務次官)  中村 俊一君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  平山  温君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  行廣 清美君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 七月三十日  委員石山權作君辞任につき、その補欠として井  手以誠君議長の指名で委員選任された。 同日  理事井手以誠君委員辞任につき、その補欠とし  て同君理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  小委員会設置に関する件  閉会審査に関する件  委員派遣承認要求に関する件  郵政事業に関する件  電気通信に関する件  小委員長より報告聽取     —————————————
  2. 松前重義

    松前委員長 これより会議を開きます。  閉会審査に関する件についてお諮りいたします。本委員会におきましては本会期中郵政事業に関する事項郵政監察に関する事項電気通信に関する事項及び電波監理及び放送に関する事項について、鋭意各般の調査を進めて参った次第でありまするが、まだ調査を終了いたしておりませんので、閉会中も継続して調査を進めたいと存じます。これがため国会法第四十七条第二項の規定によりまして、議院の議決による付託を要しまするので、従って委員会といたしましては閉会中の審査事件をあらかじめ議長に申し出なければならないのでありますが、これにつきましては、一、郵政事業に関する件、一、郵政監察に関する件、一、電気通信に関する件、一、電波監理及び放送に関する件、以上四件を閉会審査案件として議長にその旨申し出たいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  なお、この閉会審査案件が院議により本委員会付託になりましたならば、その調査の方法といたしまして、委員現地に派遣して実情調査する必要も起ると予想されますので、議長に対する承認申請その他の手続につきましても、委員長に御一任を願いたいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  5. 松前重義

    松前委員長 次に閉会審査小委員会設置の件についてお諮りいたします。閉会審査案件が本委員 会に付託になりましたならば、これが調査に当りまするとともに、閉会中のため定則数等の点を考慮いたしまして、閉会審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお右小委員会の小委員及び小委員長選任につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松前重義

    松前委員長 御異議ないものと認め、委員長において指名することとし、公報をもってお知らせいたします。  なお、右閉会審査小委員及び小委員長異動に伴う補欠選任等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  この際暫時休憩いたします。     午前十一時二十二分休憩      ————◇—————     午後四時三十分開議
  9. 松前重義

    松前委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  理事補欠選任に関する件についてお諮りいたします。理事井手以誠君が去る七月十二日委員を辞任されましたのに伴い、理事が一名欠員になっておりまするが、本日同君が再び本委員選任されましたので、井手以誠君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 松前重義

    松前委員長 御異議なきものと認め、さよう決しました。  なお、閉会中における委員異動に伴う理事補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  12. 松前重義

    松前委員長 次に郵政事業に関する件について調査を進めます。  この際郵政事業調査に関する小委員長より小委員会調査の経過及び結果について報告いたしたい旨の申し出がありますので、これを許します。井手以誠君
  13. 井手以誠

    井手委員 郵政事業に関する小委員 会は数回開会いたしました。町村合併に伴う郵政施設調整に関する問題、簡易生命保険並びに郵便年金制度に関する問題等につきまして審議して参りましたが、町村合併に伴う郵政施設調整については、大体意見の一致を見ましたので、この機会に御報告をいたしたいと思う次第でございます。  すなわち町村合併に伴う郵政施設調整については、その結果が関係地域における利用者等に対して少くない影響があると思われますので、これが実施に当っては、政府は慎重に措置せられるとともに、特に次の諸点について格別の御配慮が願いたいのであります。  一、集配施設調整しようとするときには、これに関して当該地における利用者及びその他関係の向きなどの要望を尊重して、現地実情調査し、十分検討の上実施すること。  二、集配区の組みかえ、または統合しようとするときは、従来におけるサービスの低下を来たさないよう措置すること。  三、集配施設調整によって生ずる従業員配置転換については、関係者連絡を密にし、円満に措置すること。  以上三点に意見がまとまりましたので、この際御報告を申し上げます。
  14. 松前重義

    松前委員長 ただいまの御報告を了承するのに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認めます。よって了承するに決しました。  これに対して政府の御所見を伺います。
  16. 松田竹千代

    松田国務大臣 ただいまの御趣旨は十分これを尊重して、円滑にやりたいと思います。
  17. 松前重義

    松前委員長 この際質疑通告がありますのでこれを許します。森本靖君。
  18. 森本靖

    森本委員 この間の委員会回答を保留されておりましたところの、特定局長総会における佐伯会長の、質問に対する回答に対しての調査の結果を御報告願いたいと思います。
  19. 中村俊一

    中村説明員 先般の委員会森本委員からお尋ねのことに関しまして、調査をして御回答申し上げるように、御返事を申し上げておきましたが、その調査の結果がわかりましたので、これからお伝えを申し上げます。  第一点の通信世界の三ページに掲載されております佐伯会長発言につきましては、郵政省の方で佐伯会長に何かそういう話をしたのではないか、こういう事柄でありますが、これは本省調査をいたしました結果、佐伯会長にそういうことを申し伝えた者は、だれもないことが判明いたしましたので御了承願います。  第二は、それではこの記事佐伯会長自身がそういうことを、言ったのではないかということに対しまする調査でございますが、これは佐伯氏は御承知のように長崎におられますので、その方に連絡をいたしまして回答を求めましたところ、さような発言をした覚えはない、そういう言葉を回答して参りましたので、これも御了承を願いたいと思います。
  20. 森本靖

    森本委員 この間私は二つ言ったのです。森本委員発言は問題にしておらぬというのと、六ページにあるところの、いわゆる事務局設置の問題に関する回答として、時期的に不利なの今は設置できない、しかし本省筋も考慮してきておるという、この本省筋ということはどういうことかということです。
  21. 中村俊一

    中村説明員 これは本省ではこの前郵務局長からもお話がございましたように、考慮しているとかしていないとか、そういうような問題ではございません。そういうことで御了承願います。
  22. 森本靖

    森本委員 その二件は大体今の回答でわかりましたが、なお私の方でこの問題については調査をいたしまして、正式に速記録なり議事録の中に、こういうことがあれば、さらに御質問いたしたいと思いますが、本日はあまり時間もありませんのでこれで打ち切りたいと思います。  なおこの間の質問のときに、大臣にこの通信世界内容についての問題を、提起してあったわけでありますが、その後において大臣がこの問題に対してどういうようにお考えになって処理をされるか、御答弁を願いたい。例のこの中にある、要するにまるっきり政党政治を侮辱し、批判をし、しかもまたこれをこきおろしたというような、この内容については、その後どういうふうに処理をせられたか。これは早稲田政務次官がきょうおられたら、私政務次官に直接その御意向を聞いてみたかったのでありますが、おられませんので、大臣からその後における措置一つお伺いいたしたい。
  23. 松田竹千代

    松田国務大臣 私はこの記事については、あなたがお感じになったのと同じような感じを持ったものでありますが、しかし雑誌などに書いてある記事を一々とらえて、これを改めさしていこうとするようなことは、なかなかやり切れない場合もあると考える。大ていのことは大目に見ていくということも、やがてまた反省をさせる一つの道でもある、かように私はきわめて緩慢といいますか、寛大といいますか、そういう態度をとっております。事柄のいかんによって、むろんわが国では人の名誉を棄損したり、あるいは非常な根拠のない悪口をやったりすることに対して、その措置に対してとられる行為が往々にして結末をつけ得ない場合も多いのであります。そういうことも考えて、その煩にたえないという感じもいたします。従って今後またこの雑誌がさらにこういうことをたび重ねるような場合には、特別に注意をするなり、あるいは購読をやめるなりするようなこともとり得ると考えるのでありますが、このたびの場合はむしろ看過してるお次第であります。
  24. 森本靖

    森本委員 私が言っておるのは、これはよく聞いてもらいたいのですが、その雑誌内容が、雑誌であるので勝手に書くのはいいのですよ。しかしこれはほとんど郵政省機関誌みたいで、郵政省が買い上げ驚ければこの雑誌は立っていかぬわけです。しかも全国の郵便局長にこれが配布されておるわけです。だからこの内容については、よほど慎重に書いてもらわぬといかぬと思う。たとえば同じ三十八ページにも、今までの三等郵便局局舎無償提供であったのを、国家の借り上げにした、こういうことはいけないということがはっきり載っておるわけです。だからそういうふうに一方に偏したような書き方をするということは、この雑誌みずからが政治的に動いておるということを暴露しておるわけです。だからそういうことがないように十分に気をつけていただきたい。少くとも事業雑誌であるならば、事業を公平に見るような形において報道してもらいたい。そういう内容については十分に気をつけてやっていってもらいたい。さらにこういうことがたび重なると、やはりこの問題については何かの措置をしなければならぬので、これを購入する側の郵政省としては——これが単なる改造とか中央公論とかいう雑誌であれば別ですよ。そうでない、機関誌であるような雑誌ですから、その内容については大臣もさらにとくと善処を願いたいということであります。よろしゅうございますか。
  25. 松田竹千代

    松田国務大臣 よろしゅうございます。全く同じように考えております。
  26. 森本靖

    森本委員 これは全然別のことでございますが、私が聞いた範囲によりますと、現在郵政省で、いわゆるGHQの方に接収をされた昔の郵政省建物がまだ三つ残っておるそうでありますが、その現状をどなたか簡単に説明を願いたいと思います。
  27. 中村俊一

    中村説明員 今御尋ねの件でございますが、一つ仙台地方保険局、昔の保険支局でございますが、この建物、それから福岡簡易保険局の、やはりこれも地方保険局でありますが、この建物、それから名古屋の旧逓信局建物、この三つでございます。
  28. 森本靖

    森本委員 この三つで現在返還になるような見込みのあるものはないのですか。
  29. 白根玉喜

    白根政府委員 今次官から御説明申し上げました三庁舎のうちで、一時使用となっておるのは福岡簡易保険局であります。
  30. 森本靖

    森本委員 そうすると、あと仙台名古屋については、これは長期にわたって接収をされる、こういう意味ですか。
  31. 中村俊一

    中村説明員 名古屋の旧逓信局庁舎につきましては、たびたび返還になるというようなうわさと申しますか、そういう情勢になりまして、私どもも極力そういう方向に向って折衝はしておりましたが、今日まで遺憾ながらまだ接収解除になっておりません。しかしこれは可能性はあると存じます。
  32. 森本靖

    森本委員 この三つについては、年々私たちの方は三十六億円の予算を使って局舎を新築しなければならぬという段階において、こういうような優秀な建物がいつまでも接収されておるということは、郵政事業にとって非常にマイナスになりますので、どうか大臣の方では、これをもう一回郵政省返還をするということについて、かなりむずかしい面もあろうと思いますが、政治的にこれを努力するということをお約束願いたいと思いますが、どうでしょう。
  33. 松田竹千代

    松田国務大臣 一つ厳談判をいたしてみましょう。
  34. 井手以誠

    井手委員 関連して。大体今の質疑応答でわかりましたが、福岡の方は何か一時使用だという話ですが、一時使用であれば短期間のはずであります。もう安全保障諸費も、おそらくあの中から出るだろうと思いますが、あれもほとんど使われておるはずだと思っております。近くということではなくして、どういう交渉の内容になっておるか、いつごろ返還される見込みであるか、ほかのものもあわせてこの際いま少し具体的にお答えいただきたい。地方にとりましては非常に大きな関心事でございますので、また一日も早く返還してもらいたいという熱烈な要望もありますから、この機会にお伺いしたいと思います。
  35. 白根玉喜

    白根政府委員 私の関係福岡の問題を御説明申し上げます。福岡庁舎につきましては、一時使用といたしまして、近く返還することには話し合いはついておるのであります。しかしながら返還には条件がついておりまして、御承知のようにあの庁舎病院になっております。従いまして、なお駐留軍の方でそのまま全部返すというのはなかなか困難である、従ってかわり病院施設をやってもらいたい、これが一つ条件になっております。ところがかわり庁舎の向う側の要求と、こちら側の考えとが実は一致しないで、目下調達庁折衝中でございます。病院かわり庁舎を作ることが条件になっておるのでございまして、せっかく調達庁で両者の調整をやっておる次第であります。
  36. 井手以誠

    井手委員 条件とはおかしいことだと思うですな。あれは費用はどっちから出ますか、安全保障諸費ではございませんか。意見が合わないからということでいつまでも延ばされたのでは、迷惑な話です。この際一つ調達庁を呼んでいただきたいと思います。一時使用がいつまでも延ばされるのでは困る。私は長い間の使用かと思ったら、今聞けば一時使用だという。一時使用がいつまでも延ばされたら困る。この機会にいま少し明らかにしておきたいと思う。おそらく郵政省も私の申し上げておることについては、腹の中一では御同意であろうと思う。この際一つ鞭撻しておきたいと思いますので、調達庁を呼んでいただきたいと思います。
  37. 松前重義

    松前委員長 調逹庁はいずれ参ります。     —————————————
  38. 松前重義

    松前委員長 次に電気通信事業に関する件について調査を進めます。この際質疑通告がありますのでこれを許します。森本君。
  39. 森本靖

    森本委員 この際資料としていただいた国際電信電話株式会社局舎建築に関する問題について質問をしたいと思います。一番最初に「国際電信電話株式会社東京局舎及び大阪局舎建設に関しての答弁」の中で、東京局舎敷地は「三千四百六十四坪と正武に交換手続ずみ、(未決定ではない)」ということになっておりますが、片方大手町庁舎資料では購入価格は未決定になっておるわけです。この購入手続というものは正式にきまったけれども、価格がいまだに未決定である、こういう意味ですか。
  40. 平山温

    平山説明員 お答えいたします。今森本委員の御指摘のように、資料には「未決定」と書いてあるのと「未決定ではない」というのとございますが、その後この点につきまして国際電信電話会社の方に問い合せましたところ、こういうことになっております。結論を先に申し上げますと、未決定ではないのであります。それで二月の下旬に登記が済んでおります。それからこの敷地の六百六十七坪でございますが、そのうちの百二十坪が借り入れになっておりまして、残りの五百四十七坪に対しまして三千四百六十四坪の敷地交換になっておるわけでございます。
  41. 森本靖

    森本委員 そうするとこの片方資料にある「未決定」というのは間違いということですか。
  42. 平山温

    平山説明員 その通りでございます。
  43. 森本靖

    森本委員 その通りでございますでは、正式に資料として出てきたものが、こっち側とこっち側とまるきり正反対の資料が出てくるということは非常におかしい。おかしくてもその通りであるということでありますから、その点はまたいずれ時期を見てもう一回やりたいと思いますが、この片方資料の中の五番目の「局内機械設備契約方式」では「最も信用ある製作所数社を指名し、見積を徴し最低見積者契約することを原則とした。」というふうに載っておるわけですが、そうするとこれが原則であって、そういう形にせずに、この見積書を徴せずにこれを契約をしたというのが相当ありますか。
  44. 平山温

    平山説明員 お答え致します。局内機械設備につきましては「国際電信電話株式会社大手町庁舎について」という資料の二枚目に品名が書いてございますが、この中で申しますと、ボーダス並びに国際交換台、こういったものは品物が特殊なものでございますので、その原則によらずに購入しております。
  45. 森本靖

    森本委員 その原則によらずに局内設備として購入した品名とその金額とをちょっと説明願いたいと思います。
  46. 平山温

    平山説明員 この原則によらずに購入したおもなものは、今申しましたボータス及び国際交換台であるということだけのことは国際の方から聞いておりますが、全部の品名及び金額というものは、申訳ございませんがただいま資料を持っておりません。また国際の方からも聞いておりませんので、調べませんとお答えできない次第でございます。
  47. 森本靖

    森本委員 それではその件も一つ十分に調査して回答願いたいと思います。それから元へ戻りまして、まず最初にこの敷地の件がこの資料ではおかしかったわけですが、二番目に「随意契約によった理由」というのがここに書いてあるととは書いてあります。しかしこれだけの大きな金額請負工事随意契約によるということは、この中に書いてあることでははなはだその理由に乏しいように考えるわけですが、監理官の方としてはこれで正しいと考えられますか。
  48. 平山温

    平山説明員 建物契約随意契約によったことに関連した御質問だと思いますが、この点につきましても、会社の方からいろいろ実情を聞きましたところ、これを施行させましたのが清水組でございます。建設省で出しております工事施工能力順位というものがあるそうでございますが、これが点数制になっておりまして、この場合には、二十八年の三月に建設省で出している順位では清水組が十万五千百七十点ということになっておりまして、一番最高の順位になっております。それでこれは職員、資本、資産、利益・保有機械等を考慮して建設省できめておるものでございます。こういう点から考えまして会社といたしましては、ここを適当と認めて契約したと、こういうふうに聞いておる次第であります。
  49. 森本靖

    森本委員 それからその次の三番目の実費精算方式をとったという理由というのも、ここに書いてあるわけでありますが、最初随意契約によってやる、随意契約によってやった場合には直営でやるのがほんとうであるところがそれができないから今度は実費精算方式をとった、こういう三段がまえに変った形になっておるわけでありますが、この点についてもやはりあなたの方では御不審に感じられませんか。
  50. 平山温

    平山説明員 今申し上げました随意契約ということと、そのほかにただいま御指摘のありました実費精算方式でありますが、との場合には、工事契約されたときには、あるいは工事が着工されましたときには、その全体の価額が幾らかということがきまらない前に、工事清水組でスタートされておるわけであります。その理由は、この建物ができましたときに移転する時期を、国際電電会社としては一番閑散な六月か七月、この辺を見まして、それから逆算しまして、二十九年の一月から着工するという予定だったのが、実は三月になったのでありますが、そういう意味設計を待たずに工事に着手しておるわけであります。従って直営でやります場合には設計をやって、それから契約してやるわけでありましょうが、この場合には設計ができないままに今の実費精算方式によって建築等を急いだ、こういうふうに聞いております。
  51. 森本靖

    森本委員 まあ不審だらけですけれども、これは時間を非常に急いでおりますので、不審な点だけを速記録にとどめておいて、この問題はどうせあとでじっくりやらなければならぬと思います。  それからさらにこの役員賞与及び交際費について、一の方は一半期ですから三月で四十六万円という賞与が社長に出ておるわけでありますけれども、これは郵政省意見としては妥当であると書いてありますから、別に質問はいたしませんが、次に、二の役員交際費という項では、二十九年の十月から三十年三月まで六カ月間に約一千万円の交際費を使っておる。正確に言うと九百九十一万一千百四十一円ですが、これだけの交際費を使ってやるということに対して、やはりあなたの方では正しいと認定されますか。
  52. 松田竹千代

    松田国務大臣 私は、やはりこの数字を見ただけでありますが、まだ詳しくは調べておりませんけれども、思うに国際電電会社の方では相当外人などの接待も多いことだろうと思う。そういう国際電電のことでありますから、そういう面もあろうかと私は想像するのです。よくは知りませんけれども、そういたしてみますと、さして膨大なる額とは考えておりません。
  53. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 先ほど森本委員から会社建築に関する請負方式等についての質疑がありましたが、それに関連して質問いたします。  会社法第十二条では、「会社は、毎営業年度事業計画を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。」こうなっておりますが、その事業計画の中には建築に関するものも入っておるのでありましょうか、その点をお伺いいたします。
  54. 平山温

    平山説明員 入っております。
  55. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 今の監理官のお答えでは入っておるというお話でありますが、そうしますとこの種の特殊法人、すなわち法律によって作られた法人でありますが、これは一種の政府機関に近いものである、そういうような政府機関に準ずるようなかなかのごとき法人が、いわゆる見積書を作らずして、東京大阪を加えれば十七億という膨大な事業だそうでありますが、そういう膨大な事業を、この種の事業として見積書を作らずして、随意契約でやることが妥当であるという見解のもとに、この事業計画書なるものを御承認になったのですか。
  56. 平山温

    平山説明員 この実費精算方式と申しますのは、民間の場合にはもちろん国際会社ばかりでなく、ほかにも使われておるそうでありまして、その中に建築関係の相当の陣容を持ってみずから設計ができて、積算ができるというようなところであれば、実費精算方式によらねくてもできるかと思いますが、この会社のような場合にはやむを得なかったのではないか、こう考えております。御参考に申し上げますが、第一銀行などの建物実費精算方式でやられたと聞いております。
  57. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 第一銀行はやはり清水建設がやっております。これは渋沢さんが頭取ですから、いろいろな関係がありましょうが、たとえば電電公社がいわゆるこの種の建物を作る場合には、実費精算方式でやっておりますか、それとも幾つかの請負業者から見積書をとって、随意契約を結んでおるという方式でやっておりますか、どういう方式でやっておりますか。
  58. 平山温

    平山説明員 電電の場合には、御承知のように相当の建築の陣容がございますから、みずから設計しまして、そうして予定価額をきめて会社から見積りをとってやっておると思います。
  59. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 大体常識としては、この種の事業については、有力なる業者に設計を幾つか頼んで、それらを参考意見としてまず予定計画を立ててやっていくのが原則だろうと思いますが、今度の場合は、調査書に現われたところではあまりにも非公式の点があるように思いますが、この点は後日森本君も質問するそうでありますから、この程度にしておきます。  それから会社法によりますと、第八条で「政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の外貨で支払わなければならない債務について、保証契約をすることができる。」とありますが、この規定は非常に重要な規定であって、将来この会社が外貨によって何かするような場合においては、政府がこれを保証することができるという、こういう重要な規定が加えられておるのでありますが、かくのごとき重要な規定を、いわゆる特典を与えられておるのでありますから、その経理等については非常に厳格を要し、かつまたいろいろな疑惑のないようにしていくべきだと思いますが、この外貨に対する政府の保証というものがもし行われた場合において、政府は経理の監督についてはどういうようなお考えを持っておりますか。
  60. 行廣清美

    行廣説明員 お答え申し上げます。ただいま橋本委員からお話のございましたように、外貨債務の保証の特権が与えられております。現在までのところそのような必要は起って参っておりませんけれども、そのような必要が起ったというふうな場合におきましては当然でございますが、会社の経営の経理の実態につきましては、御指摘通り十分に慎重に、また厳重に監督をしていくべきであるというふうに考えております。
  61. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 そればかりでなくして、そういう国会の議決を経て外貨の保証に当った場合、その外貨に関する範囲内だけでもって会計検査等が行われるのか、もしくはそれも行われないのか。大体普通の国内の諸事業につきましても、政府の補助があった場合は、その補助金に関する範囲内において及びその関連事業について会計検査が行われておるようであります。国会の議決を経て外貨を取得し、それによって保証せられた場合は、そういう会計検査の必要がそこに起きてこないのかどうか、もし起きてくるということになれば、ただ外貨に関する使用先を調査しただけではこれは不十分でありますから、会社全体の経理を会計検査院が行うということになるのか、この点について見解をお示し願いたい。
  62. 行廣清美

    行廣説明員 ただいまのような場合におきましては、会計検査院の検査の対象といたしましては、政府から要求した場合におきましては任意的に検査できる、こういったような事項の中に入るのではないかと一応考えておりますが、この点はなお十分調査いたしまして御返事申し上げたいと思います。
  63. 森本靖

    森本委員 これはちょっとしたことですが、二十八年の九月二十六日の第六回の取締役会議議事録をずっと見てみますると、「ビルの建設は奥村監査役が中心となってやっておるので、同氏からもう少し具体的に説明することとしたい。」ということで、監査役がこのビルの建設について中心になって進めておりますが、こういうふうな契約その他庁舎の新築について、会社の監査役が中心になってやるということは、これは監査役という性格上ちょっとおかしいのじゃないですか。
  64. 行廣清美

    行廣説明員 会社におきまして、東京あるいは大阪局舎の建設問題につきましては、契約の方式といたしまして特殊な方法をとったような事情もございまするし、会社内部におきまして建築関係の技術者も必ずしも豊富ではないのでありますから、会社といたしましては、この建築の問題につきましては、十分に慎重に考慮しなくてはならない、こういうふうなことを考えたのでございます。そのような立場から考えまして、あるいは異例かとも存じますが、監査役を中心といたしまして建設委員会を開きまして、各方面からの検討を経てこの問題に対処していこう、こういうふうに考えてとった処置でございます。
  65. 森本靖

    森本委員 そういうふうに監査役が庁舎の新築とか契約とかの問題の中心となってやることは、大体監査役というのは株式会社法ですか商法ですか、何かそういうものによって、監査をするのが目的であって、そういう執行方面に携わるというようなことはないのじゃないですか。そのことを言っておるのです。しかも十何億という庁舎を新築するというような問題について、それを監査する監査役が中心になってやってよいのかどうか、その点をお聞きするわけであります。
  66. 行廣清美

    行廣説明員 その点については森本委員からお話がございましたように、監査役がそのような立場に立って中心になってやっていくということは異例な措置でありますし、必ずしも適当でないのじゃないかというふうに考えております。
  67. 森本靖

    森本委員 適当でないどころではない。これはやはり商法上の違反か何かになるのじゃないですか。こういうことはまだその辺まで研究しておらないのですか。私がわざわざこの取締役会議記事録を要求したのは、そういういろいろな間違いがあるのじゃないかと思ったからで、この議事録を初めから詳細に見てきたわけです。ところが今言ったようなことが堂々と載っておるので、国際電信電話株式会社ともあろうものが、大きな誤まりを犯しておるのじゃないかということで今お聞きしておるわけであります。今直ちに回答ができないならば、どうせこの問題については私どももゆっくり調査して慎重に質疑を進めたいと思いますので、一応これで打ち切りますが、おかしいということは事実でありますね。
  68. 行廣清美

    行廣説明員 商法上違法性があるかないかというようなことにつきましては、なお具体的に研究いたしまして、また御説明申し上げたいと思います。
  69. 原茂

    ○原(茂)委員 関連して。一点だけ伺いますが、今の工事の問題で、最初随意契約の問題ですね。さっきの御説明ですと、十万何千点という点がついておる、その点が多いから清水組でやったのだということを簡単に述べられたわけでありますが、今までの常識から言っても、隋意契約の場合でも何社かの見積りをとった上で、ほんとうのオープン・ビッドにしないまでも、やはり参考見積りというものはとって、それを比較検討した上で契約が進められるのが普通だと思いますが、全然そういうことをしないで十万何千点というものになったのか、そんなに確実にいわゆる参考見積りを必要としないというような根拠があるのかどうか、参考までに聞かせていただきたい。
  70. 平山温

    平山説明員 お答えいたします。ただいまの原委員お話のように運ぶのがあるいは正規の方法かと思いますが、先ほども申しましたように、この場合には移転の時期を先に予定しまして、逆算して工事を急いだというようなことで、工事に着工したときには、まだ見積りも設計もできておりませんでした。従ってその場合見積書もできてない状態だったわけであります。そういう予定で出発した関係もあって、この場合にはこういう方法しかとれなかった、こういうふうに思います。
  71. 原茂

    ○原(茂)委員 そこをもう一度言ってもらいたかったから聞いたのでありますが、設計ができていないのに先に工事にかかるということはあり得ないことです。設計ができてから初めて工事に着手できるわけですから、そのことだけでは、ただ清水組一社だけ見積りをとって、しかも随意契約をするという理由にはならないと思います。ですから今の問題はしょうがないと思いますが、今後はそういうようなことでは監督の立場にある者としてはちょっと不十分ではないかと思います。少くとも参考見積りを相当にとって、それを比較した上で監督するということにしないと、非常に大きな疑惑を生むと思います。そこを森本委員はどもついておられたと思いますが、こういう点に関してはまた後刻調査すると言っておりますが、焦点はそこにあると思いますから、設計ができていないほど急ぐから工事を先にやってしまった、そういうことで随意契約が成り立ってしまったということはおかしいと思います。そういう点について答弁がで承るように後刻調査を願いたいと思います。
  72. 松前重義

    松前委員長 ほかに御質問はございませんか。——ただいまの問題は建設省も、十万何千点という点数に関係があるようですから、いずれまた参考人として出席を願って討議する必要があるかと思うのでありますが、一応質疑がございませんければ次に移ります。この際、国際電信電話株式会社の利益配当率の問題について、委員会を代表して委員長よりまず郵政大臣質疑をいたします。  まず第一に国際電信電話株式会社の当初資本額は、同会社法附則第十項の規定により、収益を、適正収益率により還元して得られる価格を基準とし、時価を参酌して決定せられた財産価格によったものであり、右適正収益率の算定においては社外分配率は八分五厘として見込まれている経緯があるから、経済事情に著しい変動のない限り、現行八分の利益配当率はみだりに変更すべきではない、このように思うのでありまするが、郵政大臣の御所見はいかがでありましょうか。
  73. 松田竹千代

    松田国務大臣 会社の配当率については、公益性の強い会社のことでありまするから、今委員長がお述べになりましたように、この八分五厘の配当率というものは、これを決定された当時の経済諸事情から著しい変化でも起った場合はいざ知らず、そうでない限りは、みだりにこれを変更すべきものでないということは当然であろうと考える次第であります。
  74. 松前重義

    松前委員長 現行は八分の利益配当率であります。ただいま大臣は八分五厘とおっしゃいました。この点はいかがですか。
  75. 松田竹千代

    松田国務大臣 間違いました。八分であります。
  76. 松前重義

    松前委員長 皆さんから御質問ありませんか。今の御答弁でよろしゅうございましょうか。  第二にお尋ねいたします。国際電信電話株式会社の資本額は、第一の質問において申し上げましたような基礎の上に、二年余り前の評価に基いて決定せられたものでございまするから、同会社の利益配当率を、再評価が十分行われていない他の民間会社の配当率と単純に比較して、その適否を論ずることはできないものと思われるのであります。このように考えるのでありまするが、大臣の御所見はいかがでありましょうか。
  77. 松田竹千代

    松田国務大臣 もちろん国際電電会社の資本額は、今申し上げましたように、十分なる再評価を遂げた上でのことでないような、あるいは民間の水増しのされておる会社などと同律にこれを考慮すべきものではないということを十分に考慮し、従ってこの八分の配当率というものは考慮されたものでございますから、単に民間の諸会社が高率の配当をしておるからといって、直ちにこれを本国際電電公社の配当率に適用すべきものでないと考えておる次第であります。
  78. 松前重義

    松前委員長 第三にお尋ね申し上げたいことは、国際電信電話株式会社の利益金の処分に当りましては、同会社の公共的使命にかんがみ、もし余剰利益があれば、これをもってサービスの改善、料金の引き下げ及び従業員の待遇の向上をはかる、あるいは設備の更新に備えて社内留保を増加する等、会社事業の健全な発達に努むべきでありまして、社外分配の増加は、これが十分に行われて後の問題であると考えられているのでありますが、大臣の御所見はいかがでありましょう。
  79. 松田竹千代

    松田国務大臣 もちろん公共性のきわめて強い会社のことでありますから、この仕事を十分に発達進展せしめていく上におきましては、今お話のように会社の健全なる発達をせしめるためには、社内の保留も十分に見ていかなければならぬ、また減価償却もやっていかなければならぬ、またこうした会社として特に従業員の待遇というようなことも十分に考慮して、その上でなおかつ余力のある場合には、これを配当に回していくというふうに考えるべきものであると考えている次第であります。
  80. 松前重義

    松前委員長 その次に大蔵省に対して御質問をいたします。大蔵省主計局次長政府委員がお見えになっておりますので、大蔵省を代表して御答弁願えるかどうかをまずお伺いしたいと思います。
  81. 原純夫

    ○原政府委員 そういう立場で答弁いたします。
  82. 松前重義

    松前委員長 それでは質問の第四といたしまして、当委員会、すなわち衆議院における逓信委員会の立法にかかります日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、これは参議院において継続審査になる模様でございますが、大蔵省といたしましては、現在の政府持ち株の処分につき、どういうふうにお考えでありますか。  すなわちその第一、法律案が国会に係属しているのでありますから、法案の内容をなす政府持ち株の処分は、法案審議が終るまで保留なさるのであるかどうか。  また第二といたしまして、会社法附則の規定に従って処分なさるのであるかどうか。この場合におきましては、利益配当率その他の条件は、前回売り出しのときと同様にするおつもりであるかどうか、何らかの変更を加えるつもりがあるかどうか。また売り出しの方法といたしましては、払い下げの一般原則に従って一般競争契約に付すべきものと考えて、さきに当委員会では決議を行なった次第でありますが、大蔵省としては一般競争契約の方法をおとりになるかどうか。それとも、随意契約の方法をおとりになるかどうか、これだけにつきまして御答弁を願いたいと思います。
  83. 原純夫

    ○原政府委員 まずただいまお読み上げになりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案の継続審議中は、国際電信電話株式会社の株式の処分を保留するかどうかという点でございますが、この額面を切らなければ売れないというようなことで、電信電話会社にいわば損がかかるということになってはいけないと考えます。額面で売れますれば——いずれにしろ処分をしなければならぬものと思いますので、別段特に処分を押えるという気持は持っておらないのでありますが、なお各方面の御意見も伺って善処いたしたいというふうに考えます。もちろんそういう場合でも五分の一というのは、安定株主という意味でそれだけどうしても持てという御趣旨か、あるいは五分の一もはるべく処分しろというふうにも考えられますし、その辺十分委員会の御意見等なおよく伺って善処いたしたいと思っております。  それから第二の配当率でございまするが、先ほど郵政大臣からもお答えがございましたが、私どもといたしましては国際電電の経理が非常に充実して、ただいまお話しになりましたような社内留保もでき、非常に景気がよくなったということのために、配当率を変更するということはあり得るとは思いまするが、株の処分値段を高くしようとかなんとかいうために、これに手を加える意思は毛頭持っておりません。ただいま郵政大臣お話しになりましたようなオーソドックスに、会社をがっちり固めるという線でやっていくべきものだと考えております。  第三の売ります場合に競争入札によるか、随意契約によるかという点でございます。実は先ほど大蔵省を代表してと申しましたが、若干技術的な点でございますので、私精神としては原則としては一般競争入札でいくべきものであると思います。こういうマーケットのことは、実は私主計局におりましてそちらの方にあまり詳しくないものですから、その辺はなお十分よく研究いたしますが、原則としては一般競争入札でいくべきものだと考えておる次第でございます。
  84. 松前重義

    松前委員長 ただいまの政府委員答弁に対して御質問ありませんか。
  85. 原茂

    ○原(茂)委員 今の御答弁に関連して二点お伺いしたいのですが、一点は今の額面を割らない場合には、先ほど委員長質問のような状態の中でも処分をなさる、こういうふうにも答弁がとれるわけですが、そう解釈していいわけですか。
  86. 原純夫

    ○原政府委員 そういうふうに考えるのですが、何か支障がございましたら……。
  87. 原茂

    ○原(茂)委員 やはりそういうふうに解釈できたものですからお伺いしたのですが、これは一つの道義的な問題だと思うのです。少くとも今国会中、終始一貫この問題に関して当委員会は非常に熱心な討議をしてきたわけです。しかも参議院では、いまだに疑義を残しているために継続審査に持ち込まれようとしている。そういう懸案の事項が当委員会全体の意思として、前に附帯決議もされているような内容を持っているものがその中心課題である。株の処分というものが継続審議になっており、当委員会等ではこれに対して今後も審議をしていきたいと考えているときに、もし額面を割らない場合なら、しかも処分が、できそうならマーケットの条件によってこれを処分してしまう、これは法理論士はさきの法律ですでに早く処分しろと書いてあるのですから当然だと思うのですが、道義土の問題としては、われわれ全権威をかけて審議をやっている最中に、その中心の株を処分してしまうというようなことは道義上どうかと思う。一つ別の意味からいうと、私どもの委員会の権威からいっても、一応も二応もそういうような事態ができた場合には、大蔵当局としても当委員会の了解を得た上で、しかる後にこれを処分する、こういった程度の——これはエチケットですが、お考えをお持ち願わなければ困るのではないか、こう考えましてお伺いをしておるわけです。そのようにそういう事態を考えたときには、一応この委員会で了解を得た後にこういう状況で今なら処分ができる、従って審議中の事案であるけれども、処分したいと思うがという了解のもとに処分する、こういった御回答があれば一番いいと思います。
  88. 原純夫

    ○原政府委員 私は電電公社がその建設五ヵ年計画の遂行のために非常に資金に苦労をしている、従ってこの株式も早く処分してあげたいという気持が一方にあったわけでございます。一方この法案が出まして、当初五分の二というような線のお話がございましたが、改まりまして五分の一を持たすというようなことになりましたので、若干そういう意味で、五分の二全部を永続的に持たすというような御気分でもなかろうと思ったものですからさように申し上げましたわけで、実際処分いたす場合に関係方面、特に国会の御意見を十分伺うというようなことはおそらく当然のことであろう、これは委員会にかけてというような形が妥当かどうかという点は問題があろうと思いますが、その辺は十分慎重に処理いたしたいということを申したわけであります。
  89. 松井政吉

    松井委員 ちょっと大蔵当局にお伺いを兼ねて説明になる点もございますが、申し上げたいと思います。要するに先ほど第一点の審議中の場合の株の処分についての御答弁の中に五分の一としたのは残る五分の一は大蔵省が持っているという意味か、それとも大蔵省の五分の一は早くほかへ売れという意味か、ちょっとやはり法律を立案した側の意見がわからないような御答弁内容があったように拝聴いたしました。そこで明らかにしておきたいのは、われわれが当初この法律を出して株の処分をしようと考えたことは、大蔵当局には具体的にわかっていないのじゃないか、こういう懸念を持てるのと、質問を兼ねて説明を申し上げるのでありますが、この法律案を出すまでには小委員会が持たれまして、小委員会においては政府当局の見解をお伺いし、資料を取り寄せたのであります。われわれは国際電電株式会社法を審議した一人であります。そういう同僚委員が大ぜい当委員会におるのでありますが、そのときのいきさつから申し上げますると、国際電電の民間株式会社にするということについては、相当の議論が戦わされたことは御承知通りであります、そこで民間会社にして公共性を保持するにはどうしたらいいかということが、いわゆる会社法の中にるる条文となって法律化されておる理由の大きな原因なのです。その公共性を保持するということの立場において審議したのでありまするが、要するにこれは全会一致ではなくて多数の可決で通った法律案であります。それからさらに一番重要なことは、われわれは資料を取り寄せるまで当初審議中に、速記録を見れば明らかなように、政府当局は現物出資の株は大蔵省へ一たび預けるけれども、現物出資者には一年以内に売り渡して返すということが明瞭に速記録に残っておる。ところが二年有余になって資料を取り寄せてみたところが、まだ五分の二の株が大蔵当局に残っておるので実はびっくりしたのです。とっくに処分して、全部やはり現物出資の公社には全額支払ったものとわれわれは心得ておった。ところが資料を取り寄せると五分の二の株は残っておる、しかも国際電電会社はもと公社というよりも逓信省が直営でやっていた当時から、今電電会社に切り離された部分は、政府提案の当時の資料によれば年間十四億円の利益を出していた。さらに関連団体の調査によれば、十九億円近くの利益を出しているというデータをわれわれはいただいております。さらに別のところから出てきたデータには、二十四億円の利益がある国際通信だというデータをいただいておる。政府提案でも十四億円なんです。ところが資料の中の決算を拝見しますと、今日ではやはり八億を欠ける利益になっている、こういうことです。そこで償却は逓減制をとっている。さらにまた民間会社になったために税金と株に対する八分の配当を行わなければならない。従って分離する当時十四億円の利益というものは、そういう形において減らされておる。しかも株の額面を割っている。そういう形だということのこまかい資料をいただいて実はびっくりした。そこでいろいろ情状論等も参考人の中から意見が出ましたけれども、とにかく会社法案に賛成したか反対したかということを別にして、少くとも国会において法律が通って民間会社ができ上った。二年の実績しかやっていないのでありまするから、もう三年、四年間くらいの実績をやらしてみなければならないと考える。けれども公共性を保持する経営体が大事なんです。そうすれば法律上から見ても、生まれた当初の理由から見ても、この株が証券市場に出された。そうして配当金をえさにして株の売買を目的とする性質の株でないことは明らかだと思うのです。従ってわれわれはもしかりに今でも——分離する当時から利益が減っておるのであるから、やはり配当金を増さなければ株の処分ができないという参考人の御意見もございました。具体的には、これは当委員会ではないのでありまするけれども、別の委員会における参考意見によれば、一割二分くらいの配当は妥当だというような意味発言もあったようであります。そうなりますると、勢い分離するとき利益が半減しているのに、さらに配当金に利潤が食われてしまうのです。そういう形になって利用者に対するサービスの適正、いわゆる単価を維持しながら従業員の待遇の問題や、あるいは償却並びに自己資金による建設資金の保持等は非常に困難になってくる。そうなると公共性を持っている企業体というものが非常に危険にさらされる。それを守るためにどうしたらいいかということが、今度の法案の第一点の理由なんです。  第二の理由は、そのためにはやはり配当金を増すことによって、売買できる場所でない安定株主を見つけなければならぬ。その安定株主を見つけようとする場合に、配当金をえさに求めるという形でないとするならば、配当金が八分でもいい場所であって、しかもその株が国際電電会社の安定株主としての役割を果し、企業の健全化に経験と努力を持つ者でなければならないというので、現物出資者の公社に、当初は全部でありましたが五分の一、こういう経過を経てきているのであります。そのことが国際電電会社の経常体を守る一番重要なことである、こういうことが第二点の理由なんです。  それならば第三点として大蔵省に株をそのまま置いたらいいじゃないか、こういう理屈も一面議論をいたしました。ところが、やはり民間会社にするという理由で民間会社にしておいて、その民間会社の株式を政府当局が五分の二持って、そうしてやはり政府といえども株主でありまするから、配当金は政府がもらうのは当然であります。そういう形の民間会社が合理性があるかどうかということになると、これはあまり合理性がない、不合理なる原因と見なければならない、こういうことでありますから、その不合理を改めるにはやはり政府の持ち株を処分して、早く民間会社としてのほんとうの体裁を整える株主を選ぶことが必要である。そういう形に相なったのであります。そこで政府当局の見解をいろいろ聞いてみましたところが、大蔵当局としては当面の状態ではとれないという御意見、これは大蔵当局直接ではございませんけれども、政府側の御意見として拝聴いたしました。そこでそれならば国際電気通信というものが非常に公共性があり、それを保持し、そうして企業体を安定化するために、やはり配当を上げることによって株主の移動等を防止しながら公共性を守っていこうという考え方で、この問題を処理する場合には、やはり法律を作ろうじゃないか、こういうことに第三の理由がなって法律となされたのであります。  従いましてただいま申し上げたような理由で提出をいたしたのでありまして、それで明らかになったと思いまするが、要するに大蔵省に五分の一残しておくのは、大蔵省に長いこと五分の一は持っている、株主になっているという意味ではございません。と同時に、特定の参考人が申し上げたように、配当を上げて売らなければ売れないから、配当を上げて売るという形において処分しろということをわれわれは望んでいるのではないのであります。従ってやはり配当というものは適正利潤に対する配当、たとえば現在八分でやっているとするならば、それが適正と見て、幾たびかの決算の結果、それで国際電電会社は行なっているのでありまするから、それを維持しながら株式の処分を考えてほしい。そうして現物出資者に対しては当時一年以内に政府処理するという言明の公約を果さなければならない、こういうところにつながってくるのでありまして、要するに大蔵省に五分の一持っていてほしいということでもなければ、しゃにむに電電公社にその株式を移さなければならないという理由ではなくて、安定株主の立場から配当金目当てでない株主にして、電気通信企業に理解を持ち、国際電電の通信利用者に迷惑をかけない株主を見つけたい、こういうことでやったのでありまするから、大蔵当局はこの趣旨を十分体して株の処理には当っていただきたいと思いまするが、こういうような理由についてすべて私が申し上げたのではまだ理由は足りませんけれども、われわれとしてはそういうような立場においてこれを立法したのだ。その趣旨を今まで大蔵当局は正しく御理解になっておるかどうか。さらに国会において審議中であっても、株を処理することが法的には制約されておりませんから、おやりになることはけっこうでございますけれども、ただいま申し上げたように、額面を割っているから配当を増す形において、額面通りの株式を売ろう、そのためには配当を増そう、こういうような考え方を持っておられるかどうか、あるいはそういう考え方が国際電電会社の方から大蔵省に相談があった場合、大蔵当局としてはどういう考え方でこれに対処するかどうか、こういうことについて大蔵当局の見解と、直接法律によって監督しなければならない郵政大臣、両者の見解を明らかにしておいていただきたいと存じます。
  90. 原純夫

    ○原政府委員 お答え申し上げます。配当につきまして、処分のために配当率を上げる意思はないということは、先ほど申し上げた通りでございます。やはり会社の健全な発達をはかるということを大前提としてやっておるわけでございます。さよう御了承願います。  一般会計で持っております、またこの改正法律案が通りましても若干は持つことになるわけでありますが、これについてはお話通りやはり適当に処分できるならばして、そして電電の資金に回す。ただしそれはしいて無理して値を上げてというようなつもりはないのでございます。なお処分については先ほども原委員からいろいろお話がございましたが、十分慎重に各方面の意見を伺って、適正を期して参りたいというふうに思っております。
  91. 松田竹千代

    松田国務大臣 前にも申し上げたと思いますし、今も大蔵当局からお話がありましたように、この会社の利益金の配当の率を、単に現在処分に困っておる株式を処分するために、配当率を上げるというようなことはあってはならぬということだけを、あらためて申し上げておきます。
  92. 松井政吉

    松井委員 ただいまの御答弁は、法律が通っても、五分の一の株が残るわけで、その五分の一残るものの処理と、それから法律が通っておりませんから現在五分の二あるのですが、それに対する処理考え方と、二つに分けて御答弁なさったように私拝聴いたしました。そこで、原委員質問に対する御答弁が私ちょっとわからなかったのですが、原委員質問したのは、今五分の一の株の処分がうたわれておる法律は、継続されて国会において審議中なんです。そうすれば、審議中において五分の一の株式は、勝手気ままに処分をおやりになる考え方なのか、それとも残りの五分の一は、大蔵省の考えるように処分するのか。今法律の中に入っている五分の一というものは、審議中におけるその処理の方法を一体どうお考えになるのかということで、この点は二つに分けられましたけれども、さらにもう一度、三つに分けて明瞭に一つお答えを聞かしておいていただきたいと思います。
  93. 原純夫

    ○原政府委員 改正法案によって電信電話公社が持つことになる分については、審議中処分するということは考えておりません。ただ一般会計でそのあとにおいても持つ分については、やはりいつまでも持っておれという御趣旨よりも、電信電話公社の資金にするという御趣旨の方が強いのではないかというふうに思うので、値段が適正で、電信電話公社の損にならないならば、それは処分してもいいと思いますけれども、いろいろ複雑な関係もあるわけでありますから、十分関係方面の意見を伺った上で慎重にやりますと、こういうふうに申し上げたわけであります。
  94. 井手以誠

    井手委員 私は、接収庁舎返還問題について調達庁長官の出席を求めておりましたが、行方不明だそうであります。郵政大臣も汗だくだくで答弁なさっており、国会は本日最終日で深夜までやらねばならぬのに、たとい土曜であるからといって、午後行方不明になるなどとはもってのほかだ。アメリカに対してはネコのようだと与党にまで言われる調達庁は、全くけしからぬ。そういう状態であるから、各地に接収問題で紛議が起るのである。調達庁関係者がいませんから多くは申し上げませんが、松田郵政大臣は、国務大臣の立場において、調達庁関係者は国民の公僕であるという立場において、今後は十分戒心するよう御注意を願いますとともに、庁舎接収についてすみやかに返還するよう、厳重アメリカに交渉されることの注意方を松田郵政大臣に願っておきます。
  95. 松田竹千代

    松田国務大臣 承知いたしました。
  96. 松前重義

    松前委員長 これをもって第二十二国会会期中の本委員会の議事はすべて終了いたしました。委員各位の御努力に対して厚く御礼を申し上げます。  本日はこれをもって散会いたします。     午後五時五十五分散会