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1955-07-19 第22回国会 衆議院 逓信委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十九日(火曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 松前 重義君    理事 齋藤 憲三君 理事 廣瀬 正雄君   理事 中垣 國男君 理事 橋本登美三郎君    理事 松井 政吉君       秋田 大助君    宇田 耕一君       川崎末五郎君    椎熊 三郎君       竹内 俊吉君    井手 以誠君       原   茂君    森本  靖君       八木 一男君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 松田竹千代君  出席政府委員         郵政事務官         (電波監理局         長)      濱田 成徳君  委員外出席者         郵政事務官         (電波監理局次         長)      荘   宏君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 稲田  穣君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 七月十五日  委員永井勝次郎辞任につき、その補欠として  片島港君が議長指名委員に選任された。 同月十六日  委員片島港君及び前田榮之助君辞任につき、そ  の補欠として佐々木更三君及び松尾トシ子君が  議長指名委員に選任された。 同月十八日  委員長谷川四郎君、井手以誠君及び松尾トシ子  君辞任につき、その補欠として石田博英君、楯  兼次郎君及び佐竹晴記君が議長指名委員に  選任された。 同月十九日  委員楯次郎君及び横錢重吉辞任につき、そ  の補欠として井手以誠君及び八木一男君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 七月十五日  町村合併区域内の電話交換施設等統合に関する  請願(伊東岩男君紹介)(第四二六〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  二二号)  放送に関する件     —————————————
  2. 松前重義

    松前委員長 これより会議を開きます。  ただいま松田郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。松田郵政大臣
  3. 松田竹千代

    松田国務大臣 さきに森本委員の御質問にかかる白鬚郵便局長任命につきまして、本委員会においていろいろ御指摘を受けましたが、本件はいろいろな事情がありまして任命いたした次第でございまして、この点御了承を願いたいと存じます。今後行政整理による退職者特定局長希望して願い出た場合には、他の希望者をもできるだけ調査し、十分慎重を期し、もって公正なる選考並びに任命に当らしめるよう配慮いたすつもりでございます。     —————————————
  4. 松前重義

    松前委員長 次に簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案議題として、審査を進めます。この際質疑通告がありますので、これを許します。井手以誠君
  5. 井手以誠

    井手委員 簡易生命保険年金積立金運用は、地方還元建前であることは申すまでもないのであります。特に最近のように地方財政が窮迫して参りますると、その需要申込みはますます地方から殺到することと思うのであります。もちろん地方財政計画ワクによって、一定の限度までであることは言うまでもありませんけれども、今日のよううな地方財政計画で今後何カ年も持ち続けるということは、とうてい地方財政が許さないのであります。すでに二十九年度までは五百八十四億でございますか、赤字が出ておるし、特に三十年度におきましては、当初から六百億からの赤字が予想されておるのであります。これは自治庁自身が公表しておるところであります。そうなりますると、たといことしは地方財政計画ワクによって押え得るといたしましても、この地方財政を救うためには、地方財政計画をうんと緩和していかなくてはならぬのでありますし、当然そこには簡易保険あるいは年金積み立て運用について、多くの需要の要求があることと思うのであります。今般法律改正案によりまして、貸付範囲が拡大されることになるのでございますが、やはり拡大されても地方還元という建前はあくまでも貫かなくてはなりません。特に私が申し上げたいのは、このように地方財政が窮迫して参りますと、給料の支払いにも困っておる地方からは、交付税やあるいは補助金目当て短期融資需要が旺盛になって参りましょうし、その訴えも切実になって参るでありましょう、もちろん今日まで保険当局としては短期申し込みに応ぜられてはおります。かなり実績は上げられておりますけれども、従来は多く上半期に運用が行われまして、下半期においてはその資金源関係から、あるいは運用計画のために、年末から年度末にかけてはほとんど新規の短期融資はないのであります。もしこの調子で参りますならば、ことしの地方財政は非常な困窮に陷るでありましょう。この苦難を救うためには、どうしてもこの地方還元精神を生かして、短期融資にも従来のような計画ではなくて、一定資金を留保しておく必要があると私は考えるのであります。おそらく当局でもその点はお考えになっておりましょうけれども、この点は計画的に資金源を確保しておく必要がある。その点について大臣はいかようにお考えになっておるか。地方財政計画にとらわれることなく、真に必要なるこの地方短期融資申し込みに対し、あるいは全般的な地方還元について、いかようにお考えになっておるか。この二点について大臣から所信を承わりたいのであります。
  6. 松田竹千代

    松田国務大臣 お話のようにこの簡保資金地方還元につきましては、全くわれわれもお説の通り考えておる次第でございまして、最初の計画からも、法律上の建前からも、主として地方還元に重点を置いてこの運用をやっていかなければならぬと考えておる次第でございます。また同じくお説のように地方財政の窮乏は、非常に切実なものがあることも承知いたしておるのでございまして、そのために地方の窮迫せる場合に対する短期融資は、力のある限り、余裕のある限り、努めてこれに応ずるという態度をとって参っておる次第でございまして、今後もその点についてはお示しのように、あるいは年度内後半期においてはよりその需要が必要であると考えられますので、そのためには相当な余裕をも持っていくようにしなければならぬのではないかという点も、まことにごもっともと考えて、さようなことに対しても対処できるように、十分考慮していきたいと考えております。
  7. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 今回の法案内容の中には、資金貸付範囲を拡大しておりますけれども、実際上の問題としては、たとえば日本電信電話公社国鉄その他の部門については、何ら貸金計画上の貸付は措置がされておらないわけであります。将来この必要が起きた場合に、この法律が施行せられるという建前でありますから、この点については了承するのでありますが、今回の本予算修正に伴って金融債が、全部一般金融から応募するという形になりまして、従来百六十億円という膨大な金が預金部資金または簡易保険積立金——今回は二十億予定さておるようでありますが、それらが全部一般銀行金融に待つ、こういう形になったために、将来日本電信電話公社あるいは国鉄公募公債というものがなかなか困難な情勢になりはしないかと思うのであります。しかし本予算修正の根本がそういう振りかえをやったことの一つの理由は、御承知のように銀行等預金利子を免税にする、これがために相当額預金増加考えられる。そのうちから二割程度、ある意味においては半強制的にその方面に振り向けるという考え方でありますからして、一応これらの百六十億の金融債は、銀行方面において大体十分に負担ができる、こういう建前にはなっておりますけれども、果してそういうような結果になるかどうかということについては、われわれは非常に心配をするわけであります。もしこれが電電公社あるいは国鉄あるいはNHKの債券、こういう方面にある程度影響が現われて、そこで公債完全消化もしくは貸付金等を受けることができない、こういうような場合が起り得ることも、ある意味においては考えなくてはならなぬと思うのであります。かつまた本法案については、こういうような国の予算の承認を経るような団体に対しては、貸付または債券を持つことができるという法律が今回上程せられておるのでありますから、そういう場合については、当然政府責任において、かつまた郵政大臣といたしましても、これらについて特別の考慮を払ってもらいたい、こういうように考えるのでありますが、これについての郵政大臣の御所信を承わりたいのであります。
  8. 松田竹千代

    松田国務大臣 電電公社公募債完全消化についての御心配は、われわれもこれは同じゅうするものでございまして、そのために予算編成の当初においても、昨年度消化のあった事実にかんがみて、特に大蔵省当局にその完全なる消化のために労力を要請して参った次第であります。しかるにお話のように、予算修正などにおきまして、ますます市中銀行公募債引き受けに対する状況が、懸念される点がよけい出て参ったような次第でありまして、その必然の結果といたしまして、これが未消化に終るような場合におきましては、郵政大臣といたしましてもこれが消化に対して何らかの方法をもって、その公債余裕がある限り一部引き受けるというようなことも考えられるのではないかと考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、これが完全に消化でき、よってもって電電公社計画にそごを来たさぬように協力いたしたいと考えておる次第でございます。
  9. 松前重義

    松前委員長 ほかに御質疑はありませんか。——それでは私から簡単に御質問いたします。  郵便局舎改善建設のために必要なる資金として、少くとも当年度積立金の百分の三程度を充当することについて、大臣はいかなる見解を打たれておりますか、お伺いいたしたいと思います。
  10. 松田竹千代

    松田国務大臣 郵便局舎建設並びに改善の必要なることが、しばしば当委員会において論議され、強く要望されて参りましたことについては、私どももその必要を痛感いたしておる次第でございまして、仰せのごとく三十年の積立金の百分の三程度資金は、その方面に充当いたしたいと考えておる次第でございます。
  11. 松前重義

    松前委員長 次に郵政大臣郵便局舎建設に必要なる資金の獲得のために、大蔵大臣と御協議になったかどうかを伺いたいと存じます。
  12. 松田竹千代

    松田国務大臣 その点につきましては先般大蔵大臣に面会いたしまして、局舎の必要なることを十分に説いて、その必要資金として毎年度積立金の百分の三程度資金はこのためにぜひ必要である、予算編成の際必ず協力してくれるようにと申し入れましたところ、大蔵大臣もこれを了解してくれた次第でございます。
  13. 松前重義

    松前委員長 その次に伺いたいと思いますのは、積立金の百分の三の資金のうち、少くともその半額程度特定郵便局舎建築に充当する意思が郵政大臣におありかどうかを伺いたいと存じます。
  14. 松田竹千代

    松田国務大臣 局舎改善計画建築につきましては、特に普通局特定局の区別なく、その緊急度に従って公平に処理して参るつもりでございますが、先般来当委員会において御説明申し上げました改善計画建設計画を遂行いたしまして、順調にこれが進みますならば、特定局関係にも年平均約八億円程度資金を必要といたしますので、お尋ねのようにこの積立金の百分の三の資金中、少くともその半額程度特定郵便局舎建築に充当していきたいつもりでございます。
  15. 松前重義

    松前委員長 その次に郵便局舎建設計画の大要を御説明願いたいと存じます。
  16. 松田竹千代

    松田国務大臣 郵便局舎建設改善につきましては、すでに先般当委員会において御説明申し上げました通り、経年四十年以上のもの、戦災による仮局舎にして、すみやかに復旧を要するもの、都市計画のために立ちのきを求められているもの等の中から、特に緊急を要するものとして、耐火造建築にかかるもの約百九十局、木造建築によるもの約千百十局を予定しておる次第でございます。この木造建築によるものの大部分は、特定郵便局に充てられておるものでありまして、その所要資金は約六十億に上るのでございます。なおこの計画を遂行していきますならば、約八年間くらいの見込みで大体完成の域に達するのではないか、かように考えております。
  17. 松前重義

    松前委員長 他に御質疑はございませんか。  ほかに御質疑がありませんければ、これにて本案に対する質疑は終了することにいたします。  この際本案に対し、松井政吉君より修正案提出されておりますので、提出者より本修正案趣旨について説明を求めます。松井政吉君。
  18. 松井政吉

    松井委員 この際簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、左の修正案提出いたしたいと存じます。  修正案文を朗読いたします。  簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  第三条第一項の改正規定中「長期信用銀行法昭和二十七年法律第百八十七号)第二条に規定する長期信用銀行、」を削る。  以上の修正案を動議として提出をいたします理由について、きわめて簡単に御説明申し上げます。理由の主たる内容は、過般来の当委員会質疑応答の中で明らかになっておりますので、きわめて簡単に申し上げます。  当初この法律案提出をされた当時は、政府提出されました予算案並び預金部資金使い方計画並びに投融資計画等に大きな変動がございました。すなわち本予算案修正をされた結果、長期信用銀行法部分は今日空文となっておるのでございます。さらにまた利回り等から考えて、将来長期信用銀行部分法律上必要になる時期がないとはわれわれは考えないのでございますが、本年度予算等から見てこれが不必要になったということであります。さらにまた根本的に考えますならば、簡易生命保険郵便年金積立金は、多くの国民が零細なる保険に加入し、零細なる家庭の貧しい中から積み立てをいたしておるのでありますから、当然これは国民の生活に必要なる部分還元をするというのが、大体正しい使い方だと考えられるのであります。従いまして当面大部分空文になったということと、さらに将来において利回り等から考えて必要な時期があろうと思いますけれども運用に関する基本的なものはあくまでも地方還元であるという建前から、本修正案提出いたした次第であります。何とぞ満場の御賛成を得たいと存じます。
  19. 松前重義

    松前委員長 この際右修正案に対して御質疑があればこれを許します。修正案に対し御質疑はありませんか。  御質疑がなければ、これより原案及び修正案一括議題として討論に入ります。討論通告がありますので順次これを許します。齋藤憲三君。
  20. 齋藤憲三

    齋藤委員 ただいま提案されました簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正部分並びに修正部分を除く原案に対しまして、賛成意見を申し述べたいと思います。  この法案提案せられましてから、われわれはきわめて慎重に、きわめて熱心にこの審議に当ったのでありますが、政府提案の中にあります長期信用銀行をこの際削除した方が、最も妥当であるという御議論が圧倒的にございまして、これについてわが党といたしましてもいろいろ検討を加えたのでございますが、この法律案の有終の美をなすものとして、この際ただいま松井委員が申し述べられました通り理由によって、これを削除することが妥当であり、そして満場一致をもってこの法案を通過せしめることが、最も適当であるというふうに結論づけられましたので、この法案に対して賛意を表することになったのであります。  その他の原案に対してはもちろん賛成の意を表したいと思います。
  21. 松前重義

  22. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 議題になっております簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、賛成意見を申し述べます。  ただこの際当局において御考慮願いたいことは、簡易保険運用というものは特別会計であって、預金部運用と異なって、みずからの責任においてその損益を行わなければならぬということであります。今回修正案提出によりまして、長期信用銀行法によるところの金融債の一部が除かれましたが、先ほど来からの松井委員提案の第一理由についてはもっともでありますから、この際においては当然削除することに賛成であります。ただ将来の問題として、ただいま申しましたように預金部資金の場合においては、法律的にはもし赤字が出た場合には一般会計から繰り入れて赤字を補填することができる。実際問題としては、最近においてはいわゆる独立採算制の形でやっておるようでありますけれども、しかしながらいざ困ったという場合においては、損益一般会計から繰り入れることができることになっております。しかし簡易保険積立金運用の場合においては、法律的にもこれは簡易保険特別会計の中で損益をやっていかなくてはならぬという状態からして、これが運用について簡易保険の金を預かった郵政省としては、責任を持って将来これを確実に返還し、この運用に渋滞を来たさないようにしなければならぬのでありまして、これが簡易保険責任であります。従って従来当委員会の討議において現われましたように、大体簡易保険運用に必要とする経費は、六分七厘を要するというような話であります。もし地方債等にこれが全部行ってしまうことによって、運用資金運用費が十分にまかなわれないという結果になりますれば、簡易保険積み立てた諸君に対して迷惑をかける結果になるのでありますから、一面においてはもちろん地方還元が重要でありますけれども、同時に利回りということも考えなければならぬ。しかしこの利回り考えるときにおいて、地方的に還元せられるようなものについて利回りの適当なものがないかということになりますれば、これは当然あるわけであります。たとえば電電公社施設費のごときは、その大部分地方還元である。ことに町村合併等によって電話施設改善していくということは、当局が非常に要望しておりますけれども、今回の予算においてはわずかに五億円程度がこれに充てられた。公社はこれを四十億要求しておる。こういう工合に、ものによっては必ずしも金融債にたよらずとも、他の面においてある程度利回りがよく、かつまた地方還元趣旨を実現するものもあるわけであります。こういう点も十分に考慮して、少くとも簡易保険の基本を傷つけないように、あるいは簡易保険が払えないようなことが起きますれば、大へんな問題になりますから、そういうことの起きないためには、やはり利回り等についても考慮を払って、——一方において国内の国債等については、当然預金部資金というものがあるのでありますから、その方面において十分見ることができるのであります。簡易保険においてはその点を十分考慮して、今後とも運用考慮を払ってもらいたいと考えるわけであります。  以上簡単でありますが、希望を付しまして、本法案並びに修正案に対しまして賛成の意を表するものであります。
  23. 松前重義

  24. 井手以誠

    井手委員 私は日本社会党を代表いたしまして、松井委員から提出されました修正案並び修正案を除く原案に対して、賛成意見を述べるものであります。  わが委員会はかって何回となく局舎改築を中心とする国への貸付決議して参りました。その決議が尊重されて今度の改正案提出されましたが、その中に金融債を引き受けるという一項が加わっておるのであります。私はその法律案を見てびっくりいたしました。ひょうたんからこまが出たような感じをいたしたのであります。積立金運用地方還元建前としなければならぬことは申すまでもありませんし、ほかの委員からも申されたことであります。その積立金運用金融債を引き受ける、すなわち長期信用銀行に対して金を貸してやろう、これは私も何回となくここで申し上げましたが、結論から申しますならば、大企業利益に奉仕するものである、これは私はけしからぬことだと思うのであります。当局利回りの点をお考えになっておるようでありますが、もちろん私もその点はほのかにわかってはおりますけれども、零細な保険金年金を大企業利益に回すことは、絶対に許すことはできないのであります。この大企業重要産業として、当局公共的性格を帯びるものであるとお述べになりましたが、この説は、パチンコもまた国民経済に寄与するものであるという説と五十歩百歩でございます。  さらに私が申し上げたいことは、預金部資金においても金融債よしあしについてはとかく問題があるのでありますが、その批判がある上に、積立金運用して、この金融債預金部資金が引き受けることのよしあしは別にいたしまして、もし積立金運用において金融債を引き受けるというところまで範囲を拡大いたしますならば、国の資金計画というものが二つあるということになる。それは資金運用を二つに切り離して、簡易保険並びに郵便年金積立金運用するこの法律案精神にもとるわけであります。当局提案理由意味がわからぬではありませんが、利回りその他のことをもって、この地方還元という大精神に反することがあってはなりません。商中、農中については若干の意見はありますけれども、これは本年運用されておりませんし、運用される計画でもございませんし、将来のことに属しますので、これは問いませんが、少くとも長期信用銀行産業資本にこれを運用することに対しては、私どもは反対を唱えて参りました。  幸い修正案提出されましたので、私はこれに対して積極的に賛意を表します。その修正部分を除く原案に対しましては、私どものかっての決議が尊重されて提案されておりますので、これに賛成の意を表する次第でございます。
  25. 松前重義

  26. 松井政吉

    松井委員 日本社会党を代表して簡単に討論をさせていただきます。  ただいま私が提案をいたしました修正案並び修正部分を除く原案につきまして賛成を申し上げます。しかしながら本法律案提出した当初から、この法律案法体系といいますか、幾多の矛盾のあることを指摘しなければならないのであります。将来運用に関する法律案等提出される場合に、政府当局は十分に御注意を願いたいと思います。たとえばこの運用に関する一切の責任は、法律郵政大臣であることは管理に至るまで法に示されたところであります。ところが当委員会では残念ながら連合審査をやることもできなかったのでございまするが、他の委員会において、たとえば住宅公団法審議いたしまして、それが他の委員会で通過をいたしますると、当委員会において、主管常任委員会の知らない間に、公団あるいは住宅金融公庫両方を通ずると五十億からの金を使うことに相なるのであります。こういう形というものは、法体系から見ても国会審議運営から見ても正常な姿ではございません。しかしそういう例が私はないとは申し上げません。従来の法律の中にもこのような前例幾多もございます。けれども悪い前例を改めていくところに、私は国会運営も、それから法律案提出する政府当局も、新しい行き方というものを発見しなければならないのが、日本の現状だと思います。法律案の数は、おそらく知っている人がないほど多くの数がございます。それは時と場合によりましては、主管常任委員会の知らない常任委員会において審議可決をする場合もございます。それはやはり将来の運用について必ず混乱を生ずるおそれがあるのでありまするから、運用に関する必要欠くべからざる法律というものは、主管常任委員会提出法律案の中に条項として入れるべきが当然でございます。従いましてこの点ははなはだ審議上遺憾だと存じまするが、過ぎたことでありまするから、今後運用に関する法律案提出をいたす場合に、十分御注意を願いたいと存じます。  さらにまたこれは政府当局責任ではないのでありまして、国会において予算案修正をされたために、郵政当局計画をされた長期信用銀行法による金融債の引き受けというものが、現在空文になったのでありまするから、これは当局責任ではないのでありまするけれども、こういう形についてもやはり法律提出される場合において、政党政治でございまするから、与党の政調等との間に、予算案原案可決されるのかあるいは修正可決されるのか、その間の連絡を緊密にとる必要があるのではないか、それが結局政党政治が内閣をとる日本の議会と行政とのみごとな連係でなければならないと存じます。こういう点についての注意を払うべきが至当だと考えられます。  第三に申し上げたい点は、本法律案の中にも同僚井手君が指摘をいたしましたように、簡易保険並びに郵便年金等の積立金運用一般銀行と同様に考えられて、間口を広げるような傾向にいくのではないかと考えられますが、こういうことにつきましてはいろいろ経営上の問題もございましょうが、経営上の問題は経営上の問題として橋本委員が指摘をいたしましたように、われわれも真剣に考えなければならない問題でありますけれども、それゆえに趣旨を誤まるような形において法律を立案することは、一つ十分考えていただきたい、こういうことを申し上げまして、本法律案賛成を申し上げます。
  27. 松前重義

    松前委員長 討論は終結いたしました。これより採決いたします。  まず松井政吉提出修正案について採決いたします。本修正案賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  28. 松前重義

    松前委員長 起立総員。よって本修正案は可決されました。  次に本修正案修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  29. 松前重義

    松前委員長 起立総員。よって本案修正議決せられました。  次に井手以誠君より本案に関する附帯決議の件について発言を求められておりますので、これを許します。井手以誠君
  30. 井手以誠

    井手委員 この際私はただいままで各委員から熱烈に要望された事柄に対して、附帯決議の動議を提出いたしたいと存じます。まず案文を朗読いたします。    附帯決議  政府は、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に当っては、左の各項の実施に努むべきである。 一、積立金運用については、地方還元趣旨を充分に徹底すること。 二、郵便局舎建設を図るため、来年度以降、毎年度積立金運用総額の百分の三を下らない金額を国に対して貸付けること。  右決議する。  以上が案文であります。先刻の総括的な質疑応答によって大体明確になって参りましたが、ただいま議決されました積立金運用の改正法律案に関連いたしまして、将来に関する重要な問題でございますので、附帯決議として取り扱っていただくよう、各位の御賛成をお願い申し上げる次第であります。
  31. 松前重義

    松前委員長 ただいま井手以誠君より提案されました附帯決議を、本案に付するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 松前重義

    松前委員長 御異議なきものと認め、さよう決定をいたしました。  なお本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願うことといたします。     —————————————
  33. 松前重義

    松前委員長 次に放送に関する件について調査を進めます。この際質疑通告がありますので、これを許します。竹内俊吉君。
  34. 竹内俊吉

    ○竹内委員 先般委員長からNHKの放送に関して、広告類似の放送があったという件の御質問があったのでありますが、その回答が委員長の手元に参っておりますか。参っておりましたら、それをお聞かせ願った上で質問をいたしたいと思います。
  35. 松前重義

    松前委員長 まだ参っておりませんから、竹内委員からあらためて御質問を願いたいと思います。
  36. 竹内俊吉

    ○竹内委員 それでは郵政当局にお尋ねしたいと思いますが、放送法の解釈の上からこの問題を一つ解明していただきたいと思うのであります。先般当委員会委員長から質問になりました件は、NHKの放送に関連する出版物、しかもその出版の責任は、全く法人としての人格を異にした者が出版した場合に、NHKがそれを放送でもよりの書店からお求め願いたいというような放送をした場合、それが現在の放送法に違反しないかどうかというお尋ねをして、その回答を次の委員会、つまりきょうお聞かせ願うということにしておったのでありますが、その点の御答弁をまず願って、それから進めたいと思います。
  37. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 電波監理局長より答弁いたします。まずこの事実の関係を申し上げます。テキストを放送によってアナウンスしている内容は大体次の通りであります。こうこういうテキストが出ました、必要により簡単に内容を紹介します、定価は一部○○円、送料は○○円となっております、テキストがお手に入らない場合は東京都千代田区内幸町日本放送協会テキスト係までお申し込み下さい、こういったようなのが放送内容でございます。第二にテキストは編集、監修は協会がやっておりまして、その発行だけを協会とラジオ・サービス・センターとの間の委託契約によって、ラジオ・サービス・センターがいたしている実情であります。以上の実情を考慮に入れまして判断いたしますと、協会が編集する各種のラジオ・テキストは、放送番組聴取上必要なものでありまして、それぞれの放送番組を効果的に聴取できるように、放送によってこれらテキストの普及をはかることは、業務上あるいは放送番組編集上、直接必要なことであります。放送業務の遂行と不可分の関係がある業務活動であると判断いたします。そういたしましてその発行までも協会で行うということは、当然かまわないと思うのでありますけれども、御承知のごとく出版普及という仕事はいろいろな困難な問題を含んでおりまして、放送協会みずからがこれを兼業的にやるということはいろいろな問題を含んでいるでありましようし、またなかなか困難なことであろうとも思うのであります。それでアナウンスの内容には、発行業者の名前をあげていないことでもあります。このような態様によりますところのテキストの紹介放送は、協会の放送業務と密接不可分のものでありますので、放送法の規定に違反するものではない、そう考えております。出版販売業者がこのために利益を得るということはありましょうが、しかしそれはバイ・プロダクトみたいなものでありまして、それを目的とするものではないと考えております。
  38. 竹内俊吉

    ○竹内委員 ただいまの御説明によりますと、それではこういうことですか。放送の普及上必要なことはしてよろしい、こういうことでありますが、その観点からするならば、たとい利益を与えるようなことがあっても違反にならない。つまりその普及度に関する必要性がどの程度かということで判断するのであって、その結果から見て広告であったかなかったかを判断するのではないのだ、こういう御意向ですか。
  39. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 結果から見て利益が少かったからというのではなくして、それが本来業者の利益をはかるためのそういう行いであるならば、それはよろしくないと考えております。その利益の大小によらない。けれどもあくまでこれは反射的に利益があった、このたびのラジオ・サービス・センターの件はそうであると思います。
  40. 竹内俊吉

    ○竹内委員 NHKの広告取扱い方針とか放送準則もありますが、これを読んでみますと、対価がなくても他人の営業に関する広告の放送はしない、禁止している、こういう意向であります。また放送法にも概括的な禁止事項がございます。今の郵政省の御見解によりますと、NHKが放送の普及に必要なものであれば、結果的に見て広告類似であっても、その普及の度合いから見て、その度合いの方の強ければ放送法には触れない、こういう考え方ですか。そのように聞えますがね。
  41. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 公共放送の目的を達成するために必要なアナウンスは、放送法違反ではないと考えます。
  42. 竹内俊吉

    ○竹内委員 そういうしゃくし定木なことじゃなくて、それはその通り法律に書いてあるからわかっているが、もっと具体的に言うとどういうことなんですか。  それでは私もう一例をあげて申し上げますが、最近五月の二十何日かに、東芝の螢光燈が値下げになったということを明らかにラジオ・ニュースで放送している。それは東芝の値下げによって、他の電気器具会社も螢光燈を値下げするであろう、というような値下げの一つの方向としてのニュースの中に、そういう社名をあげて放送している。これはどうですか。広告類似の放送ではありませんか。
  43. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 それは広告放送であろうと私は考えます。
  44. 竹内俊吉

    ○竹内委員 そうしますと今の東芝の螢光燈の値下げという意味は、物価の値下げということで、全体の経済問題として非常に意味があるという見解のもとで、NHKは放送したと思う。しかしながら結果的に見ると、きわめてこれは明瞭な広告放送の効果を上げた。これは結果論から見たあなたの御議論だと思う。今の御見解と前のNHKのテキストの御見解と同じではありませんか。結果的に見ては広告の目的なんです。もよりの書店でお買い下さいという目的なんです。そうしますとこの放送の動機ではなくして、むしろ結果がそういう広告効果を生んでおれば、これを広告類似の放送と見るのが至当ではありませんか。
  45. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 螢光燈の問題につきましては質問書が出ております。今検討中でありますが、さらに後刻にお答えしたいと思います。しかし明瞭に業者の名前をあげてやるというものであるならば、これは広告に類するものと考えて差しつかえない。しかしながら業者の名前をあげないで、たとえば科学技術の研究が行われて、よいものができたということを知らすことは、これは国民のために必要なことである、そういうものならばよろしいと思う。同様にラジオ・テキストというものが、放送協会の放送業務上必要とする場合、これが聴取者にとって大事なことであるならばやむを得ない。やむを得ないというか、当然これは行うべきだ、そう考えております。
  46. 竹内俊吉

    ○竹内委員 やむを得ないということは感情的にはわかるのだが、NHKの放送と商業放送との、放送法の第一条にもはっきり書いてある職責を明らかにするという意味からも、私はこういうまぎらわしい形になってきますと、放送法全体の解釈に非常に大きい、重大な影響を持つものだと思います。でありますから、これをもっと掘り下げて、NHKの性格というものまで実はお尋ねしたいのですが、きょうはそういう時間がないようですから、当面の問題だけを申し上げるのですが、今あなたのおっしゃった特定の会社の名前を言わなければよろしいという考え方ですけれども、NHKのテキストは一軒しか発行所はないのです。これは御承知の通りなんです。でありますから、それは発行所の名前を言わなくとも、一つの出版元の利益であることは明瞭であります。でありますから、そういう意味ではあのテキストの放送も何らか形を変えなければならぬものではないか。また螢光灯の問題につきましても、そのほかにも例をあげるとたくさんありますが、最近の——最近でもありません、ずっと前からですが、NHKのそういう放送の内容に関しては、広告類似のものが相当出てきている。これに対し郵政省は何らかの方法をとるべきではないかと考えるのですが、その点いかがですか。
  47. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 日本放送協会の公共放送と、一般商業放送の限界につきましては、私自身かねがね考えておる問題であります。今後さらに掘り下げまして、ただいまのお説のごとく十分検討いたしまして、バウンダリー等につきまして考え方を固めたいと考えております。
  48. 竹内俊吉

    ○竹内委員 ただいま局長から、放送に関してNHKと商業放送のあり方について真剣に考えたいという御発言がございましたので、ついでにあなたの考え方をもう少し伺っておきたいと思います。  放送法第一条をごらん願いたいと思いますが、その第一項第一号に「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」こういうふうに法律ははっきり明記しております。これは放送法における三大原則のうちの一つをここに明記しておるわけです。この場合の放送には、もちろんNHKも民間放送も区別なく一様に適用されるものと考えますが、その点いかがですか。
  49. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 今おっしゃいましたように、日本放送協会もいわゆる民間放送も同様にこの原則に当てはまると思うのであります。一人でも多くの国民を電波の恩恵に浴せしめるようにする任務がある、そのことを保障しなければならぬという意味に解釈しております。
  50. 竹内俊吉

    ○竹内委員 それでは、それに関連して放送法第二章日本放送協会の組織の個条の第七条に「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」こうありますが、この第一条第一項第一号と、第七条の日本放送協会に対する一つの義務を負わしたといいますか、その目的を限定した点との関連はどうお考えになりますか。
  51. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 第七条にかように定めてありますけれども日本放送協会をして、全部の任務を負わせることは困難かと存じます。従いましてこれを補うために、いわゆる民間放送が第一条の保障を得るように、ありとあらゆる努力をすることが必要であろう、こう考えております。
  52. 竹内俊吉

    ○竹内委員 もう一つこの点についてお聞きしたいのは、「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」こういうことは、日本放送協会に対して一つの義務を負わしたものと思いますが、その義務に関連して、郵政省は日本放送協会にあるいはこういうふうにラジオを拡張しろといったような指示権がございますか。
  53. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 そういう指示権はないと考えております。
  54. 竹内俊吉

    ○竹内委員 それではまだ聞きたいことがたくさんありますが、時間もないようでありますから、いずれの機会にしたいと思います。  実はこの前の委員会で資料を要求しまして、きょういただきました標準放送局に関する資料でありますが、そのことに関連して一点だけお尋ねしておきたい。御承知の通り放送局がどんどんふえて参るのに波の割合が限界に達しておるということは、その実情であろうと思う。そこでいよいよ明春はチャンネル・プランの改訂期になるわけでございますが、そのことに関連して、郵政省ではいろいろな御調査を進めておるように考えましたので、資料を要求したのです。この出てきた資料を見ますると、各放送局からの申請ないしは希望条件を取り上げただけで、郵政省自体としての、現在日本の放送の電波の状態はどういう障害があり、どうなっておるかというその調査がないように考えますが、郵政省自体の調査はないのですか。
  55. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 郵政省の考えは、この資料のうしろから二枚目に書いてあります。それをごらんいただきたいと思います。
  56. 竹内俊吉

    ○竹内委員 それでは現在外国電波等の障害で困っておるのは、あなた方の御調査では、この七局しかないという見解ですか。この資料にはそうなっておりますが……。
  57. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 外国電波の影響のひどいのを七つだけあげてあるのであります。その他は目下調査中であります。顕著な例をあげてあるので、なおほかにもいろいろあると思います。電波の測定はなかなか困難でございますので、鋭意続行中であります。
  58. 竹内俊吉

    ○竹内委員 この電波の周波数の割当についての基本的考え方を伺っておきたいのですが、非常に窮屈になってきた。しかもNHKを初め、民放の電波も相当多い。何らかの形において是正しなければ、この放送法にうたわれておる第一条第一項の目的あるいは第七条におけるNHKの目的を達するのに、非常に障害があるということは明瞭であります。この点について何をどういうふうに調整していくことを目標にして、次のチャンネル・プラン改訂に当るおつもりでありますか、その点を一つお聞きしたいと思います。
  59. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 全く私も御同感でございます。私就任早々一週間で、その点につきまして対策にいろいろ苦慮している次第であります。どうしたならばこのむずかしい状態を打開できるか、私自身ただいま明瞭に答えが出ません。先ほど申し上げました電波全般の測定だとか、あるいはそのいろいろの規制の問題もありますので、十分の調査を積みまして、そして慎重にこれを考慮して、なるべくこの事業の目的に沿うように努力したいつもりでございます。
  60. 松前重義

  61. 森本靖

    森本委員 今のNHKの例のテキストの問題、それからいわゆる類似広告放送という問題とかは、非常に重要な問題でありますので、せっかく現在放送事業に関する小委員会ができておりますので、その小委員会でこの問題については慎重に論議を重ねるようにしたいと私は思います。
  62. 齋藤憲三

    齋藤委員 ブースター・ステーションの問題ですが、ブースター・ステーションはテレビジョンのサービス・エリアを拡張するための緊急問題となっているわけでございます。あれは和歌山県の海南市ですか、あそこにあるブースター・ステーションの成績は割合にいいという話で、将来ブースター・ステーションによってテレビジョンのサービス・エリアを拡張できるという見通しもあるという話ですが、これは何か期限が切ってあるそうですが、そういう期限は、やはり一々そのブースター・ステーションの実態を調査して、存置すべきものは存置していく、効果のないものは切っていく、こういう構想でやっているのですか。簡単にお答え願いたい。
  63. 荘宏

    ○荘説明員 ただいま海南でやっておりますNHKのブースター・ステーションは、これはNHKといたしましていろいろ実験をやって、いろいろなデータをとるという目的で開設したものでございます。それでその実験には郵政省も一諸に参加いたしまして、データをとっております。実験局でございますので、初め許しますときに免許の有効期限をつけまして、これが七月の末に切れることになっております。それで現在NHKとしましても、郵政省としましても、まだ十分データが集まらないというわけで、それをしばらく延ばそうではないかということを相談しております。そういう状況でございます。
  64. 齋藤憲三

    齋藤委員 データが集まらないから延ばすというのですが、それは当然一ぺんブースター・ステーションをそこでやってみると、そのブースター・ステーションによってラジオの聴取者がふえてしまって、これをとるわけにいかないという状態に来ていて延ばすのじゃないか。データが集まらないから延ばしているので、データが集まればそれを切ってしまうという御意思ですか。私の聞いている模様は、ブースター・ステーションがあるためにたくさんテレビジョンの受像家がふえてしまって、現実の問題としても、このブースター・ステーションを除去するわけにいかないという状態にまでいっているというのですが、どうですか。
  65. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 そういう事情もございましょうが、実際は実験局としてこれを使って、今後資料を十分集めてどうするかをきめようという目的で、これをやっておるわけであります。そういう意味で実験局としての免許を今持っております。
  66. 齋藤憲三

    齋藤委員 それを延期することは間違いないのですね。データが集まらないから実験局としてさらに存続するということは間違いない、こういうのですか。
  67. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 それはその通り間違いないと思います。
  68. 齋藤憲三

    齋藤委員 この間私は伊豆山に行ったのですが、偶然にあそこでテレビを見たのです。まるで大雪の降っている中の受像です。ああいうところを一々調査をして、ブースター・ステーションでもって大雪を取ってしまって、鮮明な受像をするというようことを積極的にやる御意思があるかどうか。
  69. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 お答えします。それは電波監理局でなく、日本のテレビジョンの普及のためにそうしたいものだと思いますけれども、これは郵政省の事務ではございません。テレビジョンの技術サービスの一つの仕事であろうと思います。でありますから、放送協会、テレビジョン放送業者がやる、あるいはテレビジョン・セットの製造業者がサービスとしてやることだと思います。
  70. 齋藤憲三

    齋藤委員 今の御回答については疑問がありますが、時間がありませんから次会に譲ります。  ただこの際、委員長にもう一つお願いしておきたいのは、かつて電気通信委員会におきましてトランジスター・ダイオードの問題を取り上げられ、その原料としてゲルマニウムの積極的な生産製練が議題となりまして、これに対する決議案が作られまして、通産委員会に送り込まれ、通産委員会でもゲルマニウム増産に関する決議があげられたのであります。従って昭和二十九年度予算には、千五百万円のゲルマニウム製練抽出に関する予算が盛られまして、ゲルマニウム委員会ができて、この生産及び製練抽出が積極的に行われてきておるのは申すまでもないことと思うのでありますが、私が二、三日前に入手いたしました中部経済新聞に、これはどれだけの価値のある新聞かわかりませんが、そこに世界の寵児ゲルマニウムという見出しで、非常に大きな記事が出ておるのであります。あるいはこれは広告の記事かもしれませんが、これを読んでみますと、ゲルマニウムは電波の革命を起しておるというのみならず、医療界における革命を起しておるというのです。これはかつて電気通信委員会におきまして東大の木村健二郎博士と石炭綜合研究所長の淺井一彦氏がここへ来て、ゲルマニウムの話を聞いたときにそういう話が出たために、その当時の委員でありました塩原時三郎君が、特にゲルマニウム製練の増強に関する決議案の中に医療という字を入れたのであります。ところがこの新聞の記事を見ますと、不治の病気に対するゲルマニウムがまさに驚くべき効果を奏しつつあるという記事が載っておるのであります。もしこの記事がインチキ記事でありますれば、これはいかんともいたし方ございませんが、その当時われわれが聞きました東大の木村博士及び石炭綜合研究所の淺井所長の見解を思い出しまして、あながちこれをゲルマニウムの非常な人類に対する有効適切な効果のある面であるということを否定するわけにいかぬのです。委員長はゲルマニウムに対して非常に積極的な考えを持っておるのでありますから、これは非常におもしろいと申しますか、エレクトロニックス・インダストリーにも関係があるし、人類に対しても直接大きな影響があるとすれば、日本はゲルマニウムの生産国として十分伸び得る段階にあるようにも読まれるのでありますから、どうか一つ適当な機会にこの関係者を参考人としてお呼び出し下さいまして、その真相を聴取し得るような機会をお作り下さらんことを、委員長に切にお願いいたしたいと思うのであります。
  71. 松前重義

    松前委員長 お諮りいたしますが、ただいまゲルマニウムのお話もございましたし、また先ほど来竹内委員からの御質問にありましたNHKの広告放送類似の放送に関する問題、あるいはまたただいま電波がとまっておるかとも思われておるような緊迫状態を続けておりまする日本文化放送のストライキの問題、これらの問題につきましては、放送に関する小委員会においてすみやかに調査をいたすことにいたしたいと思いますが、いかがでありましょうか、     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 松前重義

    松前委員長 それでは放送に関する小委員会において、これらの問題を取り上げまして、すみやかに研究し、具体的な措置を講じたいと存ずる次第であります。  私は一言、大臣に伺いたいと思いますが、日本放送協会の外郭団体のごとくに見えますところのラジオ・サービス・センターなるもの、これが会計検査院より、いろいろ放送協会との間の関係につきまして矛盾を指摘せられたのであります。このラジオ・サービス・センターの存在につきまして、今日まで指摘せられたような姿に対して、また先ほど来広告放送類似の問題がこのラジオ・サービス・センターを中心として起っておりますから、この問題に対して概括的に大臣の御所見を伺いたいと思います。
  73. 松田竹千代

    松田国務大臣 先般も当委員会においても質疑応答のございましたラジオ・サービス・センターの問題につきましては、私は先般の森本委員の御質疑のございました後、まだ詳しい報告を受けておりませんが、当時の論議の点から考えましても、これは御質疑になりました点を十分に考慮に入れて、改むべき点は改めていかなければならぬというふに考えております。
  74. 松前重義

    松前委員長 ただいまの御答弁で満足であるというわけには参りませんけれども、こちらの小委員会でも問題になっておりますので、小委員会における研究等に待たなければなりませんが、政府におかれてもどうかこの点は慎重に対処せられんことを希望いたします。
  75. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 協会がラジオ・サービス・センターに対してとった支出方法は、違法でないかもしれませんけれども、必ずしも適当とは思いません。会計検査院の考えとわれわれは大体同じように考えております。
  76. 松前重義

    松前委員長 それでは今日はこの程度で散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後零時三十五分散会