○
前田(榮)
委員 私は
日本社会党を代表いたしまして、本案に対しますわが党の態度を明白にいたし、本
収支予算に
承認を与えることに
賛成をいたすものであります。
第一に申し上げたいのは、本
収支予算の中で、今も申されたように
給与の
改善が
予算案の中に明確に出ておらないということは、わが党の最も遺憾とするところであります。しかしながら一昨日の
質疑の中でもいろいろ御
意見があったようでありまして、従って実質的に
給与の
改善が行われるならば、わが党もしいて反対しようとはいたさないものであります。ただ
放送関係の
従業員諸君は、他の
一般公務員並びに
事業場等の
従業員とは違いまして、御承知のごとくいわば
知識労働者ともいうベき
立場にあります。社会的に
相当地位を認められなければならない
立場にあられる方がきわめて多いのでありまして、
一般給与のべースにこだわりますと、今後
従業員諸君の実質的な
生活向上とか
改善とかいうことが、きわめて不遇な
立場になることをおそれるものであります。今日のような、
放送事業が国際的にも国内的にも非常に重要な
仕事をいたしておる際におきましては、当然
給与の
改善を
事業の実質的な
方面から考えて、大いに行うべき時期ではないかと思うのであります。従って、いろいろ
質疑の中にありました
経費の
節約等についての
問題等も
十分考慮をされて、実質的な
賃金の全面的なべース・アップという
内容を持ったようなことに、
一つ当局の留意をお願いいたしたいのであります。その点が第一点であります。
第二点といたしましては、この
放送事業の
国際関係というものが非常に重要視されておる際におきまして、
政府は今四、五の
暫定予算を出されておりまして、三十年度の
一般予算の
内容がまだ明確になっておりませんが、
松田大臣は、一昨日の
質疑の中でも、
政府の
交付金は五千五百万円を下らないようにすることを言明されたそうでありますが、これは
松田大臣の
政治力にかけて、五千五百万円を上回るように
努力をいたしていただきたい。と同時に、このことが実現することをわれわれは条件に考えておるわけであります。従ってこの点について特に強い
希望を述べておく次第であります。ことに
国際放送、
大陸向けの
放送等について、今
協会の方でもいろいろ
改善しようとされておるようでありまするけれども、この
改善の中で、
電力を現在の十キロ
放送を五十キロにするということでありますが、かようなことでは現在の各国の
放送状態から考えましても、
日本の
放送が国際的な競争に十分たえ得られるか、こういうことを考えますると、われわれは百キロの大
電力に
改善すべきである、これを強く主張するものであります。この点は特に私が申すまでもなく、十分お考えになっておるとは思いまするが、福岡、松江、
北海道等のこういう
電力を必要とするところには、積極的に
日本の
放送が国際的に
十分成果が上げられるように
努力を願いたいのであります。
これらの点を特に
日本社会党といたしましては強い
希望を付して、
収支予算承認、その他の
案件を原案の
通りに
賛成するものであります。