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門司委員 今の
当局の
答弁は
答弁にならぬと思う。今日の国家
消防庁の存在の意義は、そういう問題について
消防法が現在のような形になっておるので、
法律その他を出す、あるいは補助の予算をとるというようなことを起案をし、そういう作業をするのが大体今日の
消防庁の仕事であると思う。それをするには、基礎的な
資料として、さっきから北山君から話されておるようなものが、一応
消防庁には集まっていなければならぬ、そういうものを集めないで、ただ漫然と今の
消防庁の建前から
考えておれば、結局さっき
お話のように、どうも草ぶき尾根が多いからトタン屋根に直そうというようなふうには話は進まぬと思います。もう少し
消防庁は実態というものの現実を前にして、みずから持っております権能を発揮することのために仕事をしてもらいたいと思う。今北山君が心配しておりますのは、たとえばせんだっての横浜の火事などは約百人を焼き殺しております。これは養老院に行っておった人であるからといっても、人であることに間違いないのであります。同時にこれは天寿を全うさせるための
一つの施設であります。そういうところにいる非常に気の毒な人が、
一つの火事で百人も焼け死んだという火事はないのであります。
もっとも天災地変の場合は別であります。そういう大きな問題が部分的に起っている。しかも火事の実情を見てみますと、水利が非常に悪い、あそこの場合は、ありったけのホースをつないで、五台か七台並ばなければ水が出なかったのでありまして、従って十台持っていっても結局は一台分の仕事しかしておらない、辛うじて横浜で持っているタンクを全能力をあげて動員して参りましても、道路が狭いために、
一つのタンクに積んできた水をかけてしまえば、自動車がすれ違うことが困難でありますから、一台々々減ったやつから減ったやつから水をとりに行って帰ってくるということで、何のことはないネズミが回りをぐるぐる回っているというようなことで十台のポンプが一台の役しかしない。従ってあそこに動員された三十台、四十台のポンプが実際には二台分か三台分しか働いていないというのが実情であります。
私は同僚諸君の御参考にも供したいと思いますので、横浜からこの
資料を取り寄せてもらいたい。あの実情がどうであったかという図解をしたのが横浜の
消防署にあります。今度の式場の問題も同じでありますが、今までただ単にそういう働きが十分でなかったから、こういうことができたのだということであるならば、やはり法規を変えていくという私は積極性がなければならぬと思う。ただ研究しているというだけでは私は済まぬと思う。それから同時に、これは私別に
当局を責めるわけではありませんが、
消防に関する件について
委員会がお聞きしようとしておりますので、少くとも今日
消防庁が持っております昨年度一年の火事に対する統計の
資料くらいはやはりお持ち願って、そして現在の
消防状態がこうであるというくらいの親切味があってもいいと私は思う。あなた方にないわけはない、あなた方にちゃんとそういう
資料はあるのであります。
資料があってそれをここに
提出されないで議論しているというようなことはきわめて不見識だと思う。もし
消防庁にほんとうに誠意があるなら、あなたの方でおこしらえになった
消防年表でありますか年鑑でありますか、あれをお持ち願って、そして同僚各位に一応御配付願えば日本の火災現状はわかるのであります。そしてその火災現状の中から、私
どもは火災をできるだけ少くすることのために努力するということが
委員会の義務でもあり、また
当局の任務だとも
考えておるのであります。従ってこの際
当局でこしらえている
資料をすみやかに出してもらいたい。そしてぜひ将来火災のないようにしてもらいたい。
もう
一つこの機会に私聞いておきたいと思いますことは、今
法律を改正することは
考えていないというような御
答弁でありましたが、これはさっき申し上げましたように非常に不見識である。ああいうものについてはやはり民間において当然やるべきことはやるという厳正な何らかの形で
立法化することが必要ではないかと私は思う。もし
経済的にそうした団体ができないというならば、防火施設として当該市町村な
ども優先的にそういうところには貯水槽を置くとか、そういう施設をすることが必要ではないか、それから火災の予防等につきましても、今日の都市計画の中に、やはり火災予防からくる建物自体に対する
考え方も、私はこの際織り込むべきであると思う。現在日本において行われております都市計画の状態は、
御存じのように道路の幅を広くするわけにはいかない、従って火災予防のために鉄筋コンクリートの建築をするために一定区域を区切って、
政府はこれに援助をしているはずである。しかしこの援助は都会の都心地だけでありまして、一般にはなかなか
適用されません。これはきまった地域だけであってなかなか一般にするわけには参りません。従ってこれらの
考え方をもう少し広げて、そうして道路が狭隘で火災が起ればどうにもしょうがないというようなところには、
一つの防火壁的の鉄筋コンクリートの建築物というふうなものがいれられるような、またいれるようなことを都市計画の中にも織り込んでいく、そういうことが容易に行われるようなことが私は
考えられるべきであると思う。飛び火な
どもありますけれ
ども、飛び火な
ども大きな鉄筋コンクリートの建物があればこれで防げるのであります。現実に熱海の火事がこれを物語っている。これはまん中辺にあった大きな建物が類焼を防いだということが事実であります。これらの例は非常にたくさんあると思います。それらに対する
当局者の態度を、もう少し明確にしておいてもらわないと、
当局は何をしているかわからぬ。
当局の怠慢だけで事が済めばいいが、しかし焼け出された者は災難であります。単に
当局の怠慢を責めているばかりではありません。私は
当局にもう少し慎重に
考えてもらって、
一つ消防法の改正なりあるいは
消防組織法に欠陥があるなら、これを改正していくということが必要ではないか、ことに
消防法の二十条でありますか、二十四条あたりに書いてあります――はっきり条文を覚えておりませんが、大体二十条台ぐらいだと私は記憶いたしております。この辺に書いてある民間のものをどういうふうに義務づけていくかというようなことの、法の改正が私はこの際必要ではないかというように
考えるが、こういう点について
当局はどういうふうにお
考えになりますか、もう一度一応御
答弁を願いたいと思います。