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1955-05-12 第22回国会 衆議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月十二日(木曜日)    午前十一時九分開議  出席委員    委員長 大矢 省三君    理事 安藤  覺君 理事 池田 清志君    理事 古井 喜實君 理事 鈴木 直人君    理事 前尾繁三郎君 理事 加賀田 進君    理事 門司  亮君       亀山 孝一君    木崎 茂男君       渡海元三郎君    徳田與吉郎君       丹羽 兵助君    青木  正君       熊谷 憲一君    山崎  厳君       吉田 重延君    川村 継義君       北山 愛郎君    五島 虎雄君       坂本 泰良君    西村 力弥君       中井徳次郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         総理府専務官         (自治庁行政部         長)      小林与三次君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政部         公務員課長)  松島 五郎君         参  考  人         (上山市長)  高橋熊次郎君         参  考  人         (前上山町長) 松本長兵衛君         参  考  人         (山形地方課         長)      平石 茂義君         参  考  人         (前上山市議会         議員)     小池九四郎君         参  考  人         (前上山市議会         議員)     大場 鉄男君         参  考  人         (前上山総務         課長)     加藤 辰造君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 五月九日  委員西村力弥辞任につき、その補欠として勝  間田清一君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員勝間田清一辞任につき、その補欠として  西村力弥君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 五月七日  消防施設強化促進補助費増額等に関する請願(  上林山榮吉君紹介)(第三四六号)  パチンコ機械制限緩和に関する請願春日一  幸君紹介)(第三七〇号)  大規模償却資産に対する固定資産税課税改正に  関する請願外一件(穗積七郎紹介)(第四〇  三号)  同(松井政吉紹介)(第四〇二号)  同外二件(小平忠紹介)(第四〇三号)  同外一件(牧野良三紹介)(第四〇四号)  同(志賀健次郎紹介)(第四〇五号)  同外一件(伊瀬幸太郎紹介)(第四〇六号)  同外一件(仲川房次郎紹介)(第四〇七号)  同外一件(八木一郎紹介)(第四〇八号)  同(中居英太郎紹介)(第四〇九号)  同外一件(春日一幸紹介)(第四一〇号)  同外一件(足立篤郎紹介)(第四一一号)  同外一件(佐竹晴紀紹介)(第四一二号)  同外一件(前田正男紹介)(第四一三号)  同(今澄勇紹介)(第四一四号)  同外四件(長谷川保紹介)(第四一五号)  同外二件(太田正孝紹介)(第四一六号)  同(小澤佐重喜紹介)(第四一七号)  同外六件(田中角榮紹介)(第四一八号)  同(八田貞義君外一名紹介)(第四一九号) 同月十日  消防施設強化促進補助費増額に関する請願(大  森玉木紹介)(第四六六号)  消防団員公務災害補償費国庫負担に関する請  願(大森玉木紹介)(第四六七号)  枕崎市の財政確立に関する請願原捨思君紹  介)(第四六八号)  大規模償却資産に対する固定資産税課税改正に  関する請願三宅正一紹介)(第四七〇号)  同(纐纈彌三君紹介)(第五五一号)  地方財政再建に関する請願助川良平紹介)  (第四八八号)  消防施設強化促進補助費増額等に関する請願(  中馬辰猪紹介)(第五四八号) を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  上山市における職員免職に関する問題につい  て参考人より実情聴取     ―――――――――――――
  2. 大矢省三

    大矢委員長 これから会議を開きます。  本日の議題は、公報で御通知申し上げましたように、山形県の上山市における合併に伴う職員免職に関する問題を調査するために、参考人に御出席を願ったわけであります。  本問題は、各方面における合併促進法に基いての町村合併に今後重大な影響もございまするし、その真相をよくきわめたいというのが趣旨でございます。  参考人には御多忙のところおいでを願ってありがとうございました。どうぞ実州を十分皆さんに簡潔に徹底されるように御説明を願いたいと存じます。たくさんの人が見えておられますので、できるだけ簡潔に、大体十五分くらい程度に願って、あと委員からいろいろの質疑がございます。こういうことにいたしたいと思います。なお委員の方に申し上げますが、実は高橋市長が病気のためにあまり長時間にわたっては困るというようなことでございます。診断書も出ておりますから、そのつもりでできるだけ簡潔にお願いしたい、かように思います。それでは一つ参考人から事情をお聞きすることにいたしたいと思います。一番最初に……。
  3. 前尾繁三郎

    前尾委員 その前に、参考人に来ていただいた趣旨は、委員長におかれましても御承知のように、国会はこの法律違反があるかどうかということをただすのじゃなしに、法律が不備であるかどうかという立法の参考にするという趣旨でありますから、その点を忘れぬように、また質問におきましても逸脱のないように運営をお願いしたいと思います。
  4. 大矢省三

    大矢委員長 前尾さんの御趣旨通りに、そういう意味で進めますが、参考人方々もそういう意味でできるだけ説明をお願いしたいと思います。  それでは先ほどの理事会の申し合せによりまして順序を決定いたしましたから、最初に現上山市長高橋さんにお願いいたします。
  5. 高橋熊次郎

    高橋参考人 今回山形上山市に起りました吏員整理の一端といたしまして、実数において二十三名でありますが、それを退職させた。それが地方公務員法の二十二条に準拠いたしたということは違法であると一部から抗議が出ております。これは町村合併促進法の二十四条の趣旨が、前の地方公務員法の二十二条の規定に優先すべきものなりといたされる論旨のごとく拝聴いたしております。しかしながらこれは私ども解釈によりますと、そうではないのであります。この促進法の二十四条という規定は、ただ訓示的規定であって、他の基本的法律を上回る優先的価値を持っておるというようなことでないと存じておりますので、二十二条の法規に基いて処置をいたしたのであります。  何がゆえにまず吏員整理を半年のしまいにおいて、いたさなければならなくなったかということは、皆様も御承知置きの通り合併それ自身が整理を要求しておるのだ。その整理には量的な整理も要求しておりましょう。また一面におきましては、質的整理も大いに要求されておるのでございます。いわんや都市の形を小さいながらもなしておった上山町は非常に長い、六百年の歴史を持っておりまする温泉場であります。その温泉場旧藩公の領地でありました五ヵ村を全部合併をいたして、そして合体併合をやったのが新上山市でございます。従って今までたまっておりましたる相当のマイナス、赤字がここで一時にまとまって新上山市の財政にころがってきたということは免れないのであります。その以前にまた二面において町村合併のために、東北地方はどこも同じようでありますが、飲み食いに非常に金がかかっております。いろいろな視察をしなければならぬために旅費に非常な経費を要しております。これらを合計いたしまして、相当の数字に上るものが赤字財政の一環として新上山市に繰り越されております。また近ごろの法制の改正等によりまして、どこの土地にも小学校、中学校高等学校というようなふうに次々と学校が建てられます。また火災のために復興しなければならぬというようなことで、だいぶ財政が大きく膨張いたしたままで繰り越されておる。しかして一億五千万円何がしの小さな財政の中にこういう赤字が二千万円、またそのほかに借財として繰り込めないものはひもつき財政の仕方として、今までの未納になったままに、一部分放置されておった納税というものが二十四年度分から、この収入の対象として繰り越されたのであります。こういう三千万円前後の赤字を一億五千万円の財政の中に持っておりまする新上山市であります。いなかのことでありまするから分野が非常に狭いのでありまして、これらの財政状態はなかなかこの処理に苦しんでおります。それで形の上におきましても、実質の上におきましても、市は第一番に財政整理をいたしておるのだ、なるべく経費の節減をはかっておるのだということを示しもしなければならず、その通り行わなければならぬ事情にあったのであります。それで合併趣旨にも含まれておると心得ております冗員整理、質的、量的の両面にわたって十分やることが、新市長に課されたる第一の義務なりとしてこれを取り上げたのでございます。しかして人事の問題でありますから慎重を期さなければならぬことはもちろんであります。市が始まって以来一ヵ月後に選挙が行われまして、私幸いにして新市長に当選いたしました。それより日に日にこれらの問題について苦しんでおり、研究を重ねておったのであります。その間には県の御当局の御意見も聞き、ことに法律解釈が初めははっきりしなかったものでありますから、これについて、すなわち地方公務員法の二十二条、合併促進法の二十四条、あるいは地方公務員法の二十八条というような関係法規について繰り返し質疑をして、またその間には県を通じ直接自治庁の方にも御意見を承わった。しこうしてこれよりほかに道がないというので、私どもは二十三名の人たち退職を求むるために地方公務員法の二十二条を採用いたしたのであります。しこうしてこれには半年の時日が限られておりますことは御承知通りであります。それが三月三十一日で切れるのであります。不幸にしてこの月は私どもはいろいろな大切な行事がございまして、なかなかゆっくりしたひまがなかったばかりでなく、町内に混乱を起すというようなことは極力避けなければならない事情にあったのであります。三月という月を申しますれば、ようやく赤字財政を三十年度予算編成まで持っていき、十二日から十日間にわたって予算編成市会を開くことに相なりまして、その間に新上山市は各村各町から集まりました旧議員の任期を一ヵ年延長しておるのであります。四万に足らざる三万七千四百幾らという人口を持っておる上山市が欠員二名を除いて百六名の議員を擁しておるのであります。四月一日より最も手当の高かった上山町にならって支給をするというようなことになっております場合に、それだけの数の議員を持っていくことがとうていできにくいということは、当然考えられるのであります。いわんやその場所も小さい。こういうようなことで、議員の数を法規通り三十名に減じなければならぬという世論が市の内外ともに高まっておったのであります。これが高潮に達しておって、そうしてそれを何とかきめなければならぬ。これで議員間に混乱を起したりしないように、混乱が起きたりすると、せっかくそれまで機運が高まったものが飛んでしまうという、危険がございました。一方において予算編成でこの予算を討議する市会を開いておる。一方において議員の年限を縮小する問題が迫っておる。これを決定する時期に達しておるというような種々の問題が集まって参ったのが三月の終りであります。そこでこれをまた地方公務員法の二十二条に準拠して処分をするということになれば、間髪を入れない早わざをやらなければならぬ。それでなくしても上山はなかなかめんどうな、いなかにしては珍しい政治的に混乱するところでございます。この土地には、本日も出ておられますが、共産党に籍を有せられる議員も加わっておられます。そういうようなことから非常にめんどうなのであります。この間に立って完全を期するということになりますと、どうしても二十二条の方法をもちまして、二十八条のごとき手ぬるい取扱いをせぬでも無理をすればきめ得るのである、法的には何らさしつかえないのだというように感じまして、私どもは二十二条によることといたしたのであります。しこうして一方にはどこにもございますが、ことにわが上山市におきましては、その周辺の村々の経済上の事情が非常に異なっておったのであります。二年間も昇給をストップしておったという村も一つございます。また比較的事業を多くやるとかその他の関係から、一年間に六回も上ったというような村もございます。旧上ノ山町は温泉場でもございますし、唯一の都会でもございますがために、資力も相当今まであったと目されておったのであります。そういうところから、俸給待遇もよかったように思われるのであります。そういうようなことから、一緒になってみると、非常なでこぼこが目立つのであります。これがために、公務員の勤労の成績がすこぶる上らない面も見出されるということが憂えられて参ったのであります。そこで一方で財政上の見地から、また行政上の能率をあげる見地から、冗員淘汰等をやらなければならないと同時に、職員間の俸給待遇でこぼこを是正する必要が、急に迫って参っておったのであります。これも二十二条の条項に基いてやった方が早いだろうというので、これに基きましてこれをいたした。ただこれが急いでやったものでありますから、法の解釈がいろいろまちまちでございました場合に、これを一ぺんにした方がよろしいというような解釈をとって、そうして一度にしたのでありますけれども、そうするとまた新規任用の、つまり条件つき採用というようなことは、さらに六ヵ月延びるような気もする。これはおもしろくないというようなことから、それもそうだというので、これはその実さえあがればよろしいのであるから、冗員淘汰とは違うのであるから、これはそのままやめにしたというか、破壊というと語弊がありましょうが、これをふいにいたしまして、そして辞令を撤回するというようなことにいたした方がよかろうということにきめまして、これを三月三十日に二つに分けまして――二十四名とときどき申しますのは二十三名の誤まりでございます。二十三名の退職人たち、これを午前十時半か十一時ごろに処置をいたしまして、そして午後から場所をかえて大ぜいの人を集めて、その際に辞令を渡すと同時にこの意味をよく述べまして、そうして他意あってやったのではない、でこぼこを直すことのみに重点を置いてやったのである。それであるから、疑いがあるというならば、その辞令に書いてもよろしいし、辞令を撤回してもよろしいのだ、でこぼこを直す実さえあがればいいんだ。百数十名のらち、わずか十名に足らざる人が降給されるのであるから、それはどうでもよろしいということにいたしておったのである。さらに私はその晩に会合がございまして上京いたしました。少し健康を痛めたりなんぞいたしまして五日の朝戻りましたために、五日の日にいろいろな方々と会い、しこうしてまたその公務員の御連中の、登録はいたしておりませんが合がございますが、その組合の幹部の連中に会いまして、その組合方々にいろいろ一時間ばかり話し合いをしまして、その要求はいれられないが、ただしその時分には二十四名と申しておりましたが、実際は二十三名、そのうちの一、二名の問題は何とかできるだろうが、そのほかはできない。それからそのでこぼこ是正の問題は、これは全部取り消す。それであるから、その辞令は全部きょうはここに置いて、われわれの手元に戻してもらいたい。二十三名の辞令と引き離してここに戻してもらいたいということをその時分に話をいたしまして、そしてそれを数えて取り分けたのでありますが、最後に至って代表の二名は、実はわれわれは総会を開いて、われわれはこれだけのことを申し入れをするというようなことで委託を受けておるのであるから、われわれ三名限りにおいて市長の言われたことを承諾してここで辞令を渡していったのでは済まないような気がする。それであるから、他の者と話し合いをずるまで待ってもらいたいというようなことも申されました。そのほかにいろいろの事項はむろんございますが、重要なる事項はこれだけと思います。二十四名と文書にうたっております二十三名に退職を求めました事件、それから九名ばかりを降給いたしまして、そうして六十何名を昇給いたしまして、でこぼこをならしたといい事実があるのであります。その方の二十二条でやった辞令は取り消したのである。そういうようなことがございますので、これは明らかにいたしておいた方がよかろうと思いまして、本日まず御報告を申し上げた次第であります。なお御質疑によりましてお答えをいたすことにいたしたいと思います。
  6. 大矢省三

    大矢委員長 それでは次に前上山総務課長加藤辰造君。
  7. 加藤辰造

    加藤参考人 私、三月三十一日まで総務課長をしておりました加藤ですが、ただいま市長よりいろいろ御説明がありましたけれども、それに対して私の実際の真相をこの機会に申し上げたい、かように考えます。  ちょうど三月二十九日でございます。午前中、助役酒井久三郎氏が、総務課長市長命令であるから、こういう手配をしてくれ。それは合併前の一町五ヵ村でありますけれども、ここにおられる前上山町長参与でありませんが、五ヵ村の村長さん方は、三月三十一日まで参与として非常勤の、市長の相談役ということに合併の当時決定になって、従来の町村俸給をもらっておったのであるます。そのほか助役収入役が十名おります。これは合併当初十月一日に一般職となりまして各支所支所長及び出納員、その十名のうち一名は農政課長になっておったのであります。この十名の方も全部合併当初の促進協議会決定によりまして、また協定書によって三月三十一日までの期限付採用でございました。採用辞令にも但し三月三十一日まで、最後に特に記載する、そうして各人から三月三十一日には退職するという誓書もとっておったのでございます。この参与と十名の前の特別職の方は三十一日には期限が切れますので、明日の午前十時までに市長室に集まるように手配する。あと一般職員、当時定員が二百二十六名、二十三名、そのほか臨時が三名ばかりおりましたが、それらの一般職は各支所小使一人を残して、あと全員市役所の分室の会議室に集まるようにということで命令を受けたので、直ちに私は支所の方は電話で手配をし、また役所内の関係におきましては全員回覧板各課ごとに渡してその通知をやったのでございます。その日は私いろいろ整理をしておりましたが、翌日午前十時になりまして、最初、前日手配をした前の村長方、それから特別職の十名の方が市長部屋の前の私のテーブルの前に集まられたので、市長さんの部屋に案内したり何かしておったのでございます。その際には私の考えとしましては、前の村長助役収入役は三月三十一日で期限が切れますので、何か市長からあいさつでもあるというつもりでおったのでございます。ところが参与と前の特別職の十名の方が集まったちょらどその瞬間、十時ちょっと遅れて十時半ごろになったのです。そのとき私の前に福祉事務所長をしておった鈴木光順君、衛生保健課長をしておる斉藤敏男君が参りまして、実は総務課長、私のところにこういう手紙が来たのだ、総務課長には来ないかということでございました。そこで私がテーブルの上を見たところが、市長から私あての書面があるのでございます。それを私は開いてみたところが、午前十時までに市長室に参集されたい、かような手紙でございました。そうしているらちにほかの課長あるいは係長、それから女の職員が六名おりますが、小使に至るまで二十数名がその市長室の前にどやどや参ったのでございます。何だか私も拍子抜けしたのでございますが、聞いてみたところが十時までに市長部屋に来いということだ。これは大したことができるのじゃないかということを私は直感したのであります。全部市長室に入ったのでありますけれども、狭い市長室でありますので、一度にできないから、一応市長室を退去してくれという秘書の富沢君の話で、市長部屋から、私どもは下ったのであります。そして最初村長さん方が市長さんから―辞令をもらったかどうか、私はよくわかりません。それから助役収入役も終って、一般職の者として私が一番先に市長部屋に呼ばれたのでございます。その際に市長部屋におられたのは市長助役だけでございまして、私が呼ばれたから参りましたところが、市長西洋紙四つ切りの紙切れを一枚持って立っておられて、あなたには今日までいろいろ御苦労をかけた、しかし世間のいろいろのうわさがひどいから、気の毒だが本日限り退職してもらいたい、かようなあいさつであったのでございます。私は、いや市民のうわさとか批判ということですか、と申し上げた。ところがそばにおられた助役が、実は加藤さん、あなたには気の毒なんだけれども、この際世間うわさが何とかかんとかということでございました。そこで、その理由をお聞きする、どういう批判とか、らわさであるかをお聞きしたいと申しましたけれども市長助役も一言のあいさつもなかったのでございます。そうしておるうちに私のうしろにぞろぞろと二十数名の者がおりますので、いずれこの辞令があれしてからお聞きしましょうということで私は下ったのでございます。そのあと、私はそこにいたわけでもありませんけれども、いろいろ状況を聞きますと、市長から単独に辞令をもらったのは私だけで、あと課長が三人ですか、一人は課長級として前に特別職固定資産評価委員をしておりました。この人は胃を九分の四ばかりとりまして、庄内病院に入院して手術をやった直後でございました。これは非常に重態で輸血をしなければならぬというので休んでおりましたので、その人には内容証明で、ただ一本の辞令郵送ということになったのでありますが、あとの係員などは五、六名ずつ呼ばれて市長から辞令を受け取っております。それからまた女の職員――下の方の主事補や雇はおりませんが、そういう女職員などには、まるで活動の割引券でも配付するようにただこれをやって渡した。一人女の会計をやっておる吉田キヨシという人物は、夜まで働いて、子供がいたが、特殊技能がないからということで、何らの通告も予告もなくやめさせるのはとんでもない話だ、私はこんな辞令などは受け取らぬと泣いて訴えたということを聞いております。かような関係であの当時だいぶ時間が遅れましたが、二時から一般職の人は二階に集まるわけですが、この辞令を全部終った瞬間に市長助役市役所から退庁されて山形に行かれたということでございます。そうして午後二時ごろ参りまして二階の会議室全員辞令を渡した。そのこともあとから私が聞いたのでありますが、今の百九十何名かの職員に私らと同じように九月三十一日で事務の都合により退職を命ずる、そうして四月一日にまた上山事務員を命ずる、そういう辞令を新たに出しております。それからまた市長権限でもない教育委員会職員にも同じように退職辞令採用辞令を渡しております、これは教育長に渡したのであります。それからこれは市長権限ではありません農業委員会職員にも退職採用辞令を渡したのであります。それをあとではっきり聞いて、これは間違いないのであります。そういうわけでどういう意図のもとに私どもやったか、その当時はわかりませんでしたけれどもあとで聞きますと地方公務員法の第二十二条の第二項を適用した、これは町村合併によってもとの村なり町なりが新しく市になった、法人格が違ったから、これは当然条件付採用だというふうにいえばいわれるかもしれませんが、これは合併当初から全然考えなかったのであります。ただ先ほど市長が言われたように、俸給でこぼこが非常にあった、それを直すにはというようなことで、あとでいろいろ話を聞いたこともありましたけれども、これは決してやるべきではないということも私ども考えておったのでございます。さような関係からその前にいろいろうわさになっておって、先ほど市長が言われましたように、過剰人員を整理して市の財政を幾らかでも軽減させたいという方針のもとにやられたということでございますけれども、それは私率直に申し上げますけれども、私ども二十四名、一人はあとで――これは労働基準法の関係です、単純労務者、小使と火葬場の火夫ですが、これは二十二条で一応切ったのでございますけれどもあとで労働基準監督署の方の調べによって、これは地公法の二十二条では切れない。労基法の何条だかはっきりわかりませんが、それによってこれは予告手当と休業手当というものを出さなければならぬということがはっきりしましたので、これは市長の方で撤回したのでございますが、二度切っております。一たん二十二条で切って、あとで予告手当を出してまた切っておるというような手続なんでございます。そういう関係もございます。また先ほど申しました私ども二十何名かの百を切った。私どもの一ヵ月の給料は二十三名で二十九万六千八百円でございます。それで四月一日付で私の後任の総務課長福祉事務所長農政課長の遠藤、これは三月三十一日に期限付採用でございますので、すぐ四月一日付で採用しておる。これは二、三日おくれましたけれども、新規の者を十人採用しております。それから五月 日が日曜でありますので、二日付でさらにまた五名を採用して、現在十八名を私どもあと採用しておる状況でございます。そのほかにまた支所長の五人はまだ欠員であります。課長が一人、出納員が四人欠員でありまして、十人だけはどうしても補充しなければならぬと思います。それから一般職の方もまた少くとも六、七名は最小限度必要です。さらに常備消防署長も欠員になっております。私ども二十何名か切ってどうしても二十七、八名の職員を入れなければならぬ現状でございます。そういう関係になっておりますが、市長はあらゆる機会において二十何名かを解雇して、三百万からの経費が節減できるということを申されておりますが、現実は決してそうではありません。かえって一ヵ月五万なんぼかの支出増を来たすことは明らかでございます。さらに先ほど市長ば十名内外と申されましたけれども、減俸したのは十六名でございます。それで三万円、最高五千円、最低四百円の減俸をやっております。そのかわり条例にも何にもないところの課長手当、係長手当というものを新規に四月一日付の辞令に書いて発令しております。それで退職者十六名で三万円節減できましたけれども課長手当、係長手当で一万三千円でございまして、一万七千円しかそこに浮かないというようなことで、そのほかでこぼこ調整に当りましては、これはまるっきり私から申せば問題になりません。非常に公平なことをやったと市長ばおっしゃるかもしれませんけれども、ある女の秘書のごときは千七百円を一度に上げて一万四百円にしております。それから私ども関係の人員整理事務に当った秘書の方なんかは、一万三千幾らのものに千五百円を昇給さしております。それから新規に雇った者、これは大学を出ても現在の給与令からしまして、とうていあり得ないことですが、初めて雇って九千六百円の給与を出しておる。それからでこぼこは下の方は非常におそかったのでございますが、六十幾名かに昇給さしたとさっきおっしゃいましたが、数ほそうかもしれませんけれども、低額給与者には上山の場合よくよく少い数でございます。そういうようなことから私どういう意図のもとにこういう整理をされたか、その点が不可解でなりません。特に市長はどこまでも二十二条は適正な措置だと言われますけれども、たといその二十三条を適用されても――今まで長く勤めた者は二十数年勤めた者もおります。私が一番短期間で三年四ヵ月でございます。一言の退職事由の話もなく、ただお前は世間うわさがきびしいとか、あるいは今度二十二条で退職してもらうことになったとか、子供がいるからとか、あるいは特殊技能がないからとかいう、ただ一言で二十数名を切るということは、これは私今まで役人生活三十年やりましたが、遺憾ながら追放になって四年ばかり遊びましたけれども、こういう問題を私いまだかつて聞いたこともありません。私はその日下の女の職員から、課長さんあなたは総務課長として、どうしてこういうことをやってくれたかとそのやめた所員から泣かれました。もちろん私は総務課長として、人事権は持っておりませんけれども、手続の関係事務取扱いは私どもの方でやるべきが当然でございます。しかし私は十二日の日に議会が始まりましてから二十三日まで、議会の方に専門についておりました。その間市長最初の日と委員会に一回、助役最初の日と委員会に二回ばかり、それから最後の日、それだけでございます。そういうことでこの人事の問題をどう取り扱ったか私詳しくは存じませんけれども、これは市長の自宅で、秘書あるいは前の村長であられた井上という方でございますが、これは参与で常勤みたいになっております。そういう方々市長さんの自宅でこれをやったのでございますので、まさかこんな大きな問題が出るとは私ども考えていなかったのでございます。さような関係から私は翌日地方課の方にも行き、こういうことは果して二十二条で切れるのかと言って訴えたのでございます。地方課長さんもおられますが、けさの新聞でびっくりしておるところだということまで言われておったのでございますが、実際の真相はさような関係になっております。  大体与えられた時間になりましたのでこれくらいにいたしますが、私といたしましてはとうていそのままで、何らの文句もなしに退職することはできなかった立場にありますので、かような今日の事態になったのでございます。  以上簡単に実情を申し上げまして、後刻御質問があればお答えいたします。
  8. 大矢省三

    大矢委員長 ちょっと高橋さんから、前の事実の点が違うそうですから、訂正されるそうです。
  9. 高橋熊次郎

    高橋参考人 今お述べ下さいましたうちで、たとえば農業委員会の人員だとか、あるいは教育委員会の人員だとか、そういうような特別な職務で独立しておることは御承知通りです。いかにも高橋がそんなことを知らないでやったかのごとくに外部に理解せしめるような目的をもってやられているようですが、そういうようなことはたくさんの牧のうち、その人たちの便宜のために打ち合せをして、こちらで印刷をしてやったので、決して市の判を押しているわけでも何でもないので、刷った紙なんです。その刷った紙をそれの辞令だなんと思って取り扱うなんというのはとんでもないことです。(発言する者あり)私の言うのは間違いありません。もし間違いがあるとすれば、事実をもって言ってごらんなさい。
  10. 大矢省三

    大矢委員長 高橋さん、あなたが先ほど述べられたことで訂正されればよろしいと言ったのだから、そういう参考人同士の議論のあるところは、一つあとにして、全部やってから聞きましょう。  それじゃ前の上山の町、長の松本さんにお願いいたします。
  11. 松本長兵衛

    ○松本参考人 私は合併前の上ノ山町の町長でございます。合併後は新しく市長ができますまで、市長職務代理をやっておったのでございます。私が参考人として本日ここへお呼び出しを受けましたのは、多分合併当時の町長であり、合併直後の市長職務執行者であったという関係で、当時の職員の身分の取扱いについて述べるようにという意味であろうと存じますので、そのことについて申し上げます。  合併につきましては、上ノ山町と近隣の五ヵ村が合併いたしまして、十月の一日に上山市が創設されたのでありますが、その創設の以前に、各町村から代表者を選びまして合併促進の協議会をこしらえたわけでございます。各町村から九名ないし七名ずつの協議会の委員を選定いたしまして、その協議会において合併促進協定書といいますいわゆる合併の基本方針を定めたのでございます。その基本方針である協定書には、一般職特別職と一通りにわけて規定をいたしたのでありますが、一般職につきましては、退職希望者を除き全員新市の職員として採用する。この場合、その者の現町村職員であった期間は、新市の職員としての期間に通算するということが書いてございます。これはもちろん合併促進法二十四条の規定によりまして、今までの町村職員退職希望者を除きましては全部新市の職員にそのまま横すべりをするという意味でございます。これにつきましては、多数の協議会委員のうちには何らの異議もなく、原文のまま決定をいたしたのでございます。従いまして、合併以前の町村におきましては、それらの職員に対して退職辞令も出しておりません。もちろん退職慰労金も退職金も出しておりません。さようなわけで、身分はもとの町村職員から新市の職員にそのまま移行をいたしました。私どもは当然合併促進法の第二十四条によってさように措置したのでございます。  以上まことに簡単でございますが、当時の状況を申し述べた次第であります。
  12. 大矢省三

    大矢委員長 それでは次に、山形県の地方課長平石茂義君にお願いいたします。
  13. 平石茂義

    ○平石参考人 県がこの問題につきまして関係した限りにおきましてお話を申し上げたいと思います。なおその後私どもで調査したこともございますので、その点もつけ加えて申し上げたいと思います。  上山市は昨年の十月一日にもとの上ノ山町と周辺の五ヵ村を合併しまして、新しく上山市として発足したのでございますが、その後市長選挙が行われまして現在の高橋市長さんが当選されたわけであります。その選挙の直後高橋さんが私のところへ来られまして、旧合併町村の中で合併直前に非常に無理な昇給をやった部落があって、職員を新上山市に引き継いだ場合に、職員の間の給与のでこぼこが非常に激しくて非常に問題がある。それからもう一つ、そのために、その村ではその村がもし合併しないでそのまま存続するということになりますと、期末手当も払えないような財政状態に陥ってしまって、何とも困ったものだ、そういうふうなお話がございましたので、さっそく私の方から財政係の係員をやりましてその問題を調査したわけでございます。私の方で調査したところ確かにその上山市になったもとの村におきまして、そういった事実があったわけであります。二十九年の三月から九月までに、普通の国の公務員の場合ですと、三月に昇給しますと、六ヵ月ですから九月一日に昇給するわけでありますが、その間に多い者は五回くらい、少い者で三回、もちろん二回の人もございますが、そういったような昇給がなされておったわけでございます。上山の旧村長さんにもその状況の説明なんかを求めましたが、そういった事実があったわけでございます。これに対しまして、大体予算の面で二百万円くらい、不足するという関係がわかったわけでございます。ところがその二百万円の財源不足につきましては、固定資産税の税率をその旧村だけは合併後二・五%に据え置いて、付近の村に課税することによって大体二年くらいで二百万くらいはカバーできるじゃないかというようなことにしてあったわけであります。係の方から高橋市長さんにもそういう意見を話しまして、一応了解をしたのでありますけれども、給与の是正という問題につきましては、なお問題が残されたわけであります。ちょうど私の方も年末年始で相当ごたごたいたしまして、この問題についてそれ以後深く検討していなかったのでございますが、たまたま三十年度の予算編成に当りまして、毎年県の地方課におきまして県下の各市町村から財政係の責任者を呼んで指導をやっております。これは町村の場合でありますと、出先機関の地方事務所でやりますが、市の場合は地方課が直接やることになっておりますので、二月の上旬に新しい市をも加えまして全部で九つの市の総務課長の参集を求めまして指導をやったわけであります。そこで一応そういった予算の問題が終った席上で、ここに参考人としておられます加藤上山総務課長から、実は私の方で給与のでこぼこがあって非常に困る、何とか一ついい方法はないものだろうかというお話があったわけであります。そういうお話が出ますと、ほかに新しい市になったものが四つありますが、その新しい市の総務課長からも、実は自分の方もそういった問題はあるのだ、何とか県の方でいい方法を考えてもらいたい、こういうふうなことでありました。私はそういった給与の是正をいかにするかという問題につきましては、そのときに十分検討しておったわけではございませんでしたので、自分の方の地方課でも十分検討していい方法を考えようということで別れたわけでございます。ただその場合に、重要な問題だから、特に吏員の問題については慎重にやっていただきたいというようなこともよく話したわけであります。その後私の方の行政係長におきましてそういった問題を検討しておったのでございますが、三月の初めになりまして、一応でこぼこ調整をやる場合にどういう点を調査するか、それから基準をどういうふうな点に置くか、法律上の措置はどんなものかというふうなことにつきまして、非常に基本的な点につきまして、考え方と申しますか、着眼点と申しますか、そういうものを四つの市長に送ったわけでございます。そのころちょうど県議会のまっ最中で、ことに町村合併の紛争が起っておりましたので、この上山市の給与の是正問題につきましてはあまり心にとめておりませんで、もっぱらその奔走に追おれておったわけでありますが、一応県議会が終りまして、町村合併の問題で三月の末に自治庁へ行くために上京しまして、山形市へ三月三十一日午前五時ころ着いたわけでありますが、そのときに駅で新聞を見て、上山市で免職が行われたという事実を知って非常に驚きまして、さっそく県庁に登庁したのでございます。その登庁した直後、今の参考人である加藤さんが来られて、実は自分は免職辞令をもらったということで話があったわけであります。私も驚きまして、その日の午後、上山市に電話連絡をしたのであります。たまたま高橋市長さんは上京して、おられませんので、酒井助役さんがおられまして、聞きますと、それは事実だということであった。私も電話では十分意を尽さないので、さっそくわれわれも事情を知りたいから来て説明してほしいと申しましたところ、四月一日午前十一時ごろに県庁に来られまして、話をしたわけであります。聞きましたところと、その後私の方で調査したところによりますと、現職員免職辞令が出された、そのうち三十四名を除く以外の者につきましては再採用がされて、その間の給与の調整も行われておる。三十四名につきましては、十一名は依願免職の形になっておるが、残りの二十三名についてはそうではなかった、こういう事実が判明したわけであります。
  14. 大矢省三

    大矢委員長 それでは前の市会議員大場鉄男君。できるだけ簡潔に。大体要領はわかりましたから。
  15. 大場鉄男

    ○大場参考人 私は通知を受けたのが十日のちょうど十時ころでございまして、その受ける前日まで、村の農業協同組合が不振の状態になり、事業の停止もやむを得ないような状態になったものですから、その会合に行って、山形新聞にお前は参考人として呼ばれそうだということが出ておったと聞いておったわけでございます。そうして十日に通知が来て、とるものもとりあえず参ったものですから、格別まとまった考え方とか、資料とか持ち合せてございませんので、ただ二、三今まで考えたことだけを申し上げてみたいと思います。  当時は、町村合併の目的は、御承知通り大ざっぱに見て二つほど強く頭に残っておるのであります。一つは地方自治の確立でございますか、それからもう一つは、規模の適正化をはかっていくのだ、規模の適正化の中には、人員の行政整理の問題もございましょうし、また今まで合併をやった各町村役場が市になった以上は、ある程度までいい人がその中に入って事務の能率をはかっていくのだ、それで住民の福祉が増進されるのだ、こういうふうにわれわれは考えておったのであります。私も町村合併の促進委員の一人になりまして、ここにおいでになる松本前町長さんなんかと御一緒にやったのでありますが、その際に松本さんは御病気で、あまり町村合併の協議会には御出席がなかったようです。そんなことからわれわれが協議会に臨み、また村長さんなんかの話なんかも聞いておって村の方々説明をするのは、村の人たちは、そうした大きい目的や何かの高遠な話をしたとしてもなかなかぴんと来ませんで、それでは具体的にどういうことをするのだ、こういうふうに聞きたがります。それで聞きたがる者にはそれに満足を与えなければいけませんから、それがために、一町五ヵ村を合併したら、ある程度まで人員の整理もできることになるではないか、しかもその中には経験のある、また学歴のある優秀な職員もふやしていけるでないか、そうしたことも大部分の人が説明しており、それがために町村合併もよほど進んだかに考えられます。  それからまたもう一つは、私たちの地方のことについての特殊の話でございますが、今度上山市になった場所は前に松平藩があった。それは過去のことだが、それが一つの扇のかなめのような地域になっているのでどうしても感情がまとまりやすい場所です。そうしたことから一町五ヵ村の合併ができ上ったのでありますが、ただその際に、上山人たちはどう考えておったか知らぬが、いわゆる在郷の人は、従来上ノ山というところは政争のずいぶん激しいところだ、それが相当有名になっているので、もしもそれに巻き込まれてやられたら困る、だから一町五ヵ村でなくて、一町を抜きにして、五ヵ村だけで合併をやろうじゃないかという話もしばしばあった。それは事実です。実にその点をおそれておったのです。ところが事実ここに多少現われてきたようなことになり、われわれは村の人と農業協同組合だ、実行組合だ、何だかんだとしょっちゅう会合がありますが、その際に今でもなおかつそうしたことを憂慮している事実があります。  それからまたもう一つは、この整理の問題については具体的な話が出ておりますから、時間の節約上そんなことは触れる必要もないでしょうが、その他に考えたことは、市財政とか今後の建設とか、そうした点を抜きにして、むしろ市当局が置き去りにされて、政治的に持っていってやっているようなことは苦々しく感じます。自治体ですから、そういうふうに大きな政治のうず巻きの中に巻き込まれてぐるぐる回してしまっては、地方の連中が気絶してしまうような状態になってしまいます。そうしたことは迷惑しごくなことであって、しかも議会の協議会なんかありました際に、何日でしたか、三月十一日でしたか、ちょっと忘れましたが、その際に議会の中までデモるような状態では、あまり思わしくないと思っております。冷静に、議会は議会で協議するなり運営するなり、やっていくべきだと自分は考えております。  昨晩もあまり寝ませんし、まとまった考えも出ませんので、思い浮んだまま雑駁なことを申し上げたわけです。
  16. 大矢省三

  17. 小池九四郎

    ○小池参考人 私は小池九四郎であります。  今回の問題は、今の参考人もおっしゃる通り、まとまった考えもなく、しかもはっきりした法的な考えといいますか、多分二十二条で切れるのだという考えは持っておるでしょうが、近代的な労働意識の感覚は何もなく、この法律さえあれば切れるのだという感覚でやったところにこの問題が起って、この問題が起ったがゆえに町をあげて今大問題になっておると私ども思うのです。私思いますのに、これはなぜ起ったか、結局今ここにいらっしゃる高橋市長の施政はどういう施政であるかということを分析いたしますと、はなはだ一言いいにくいことですが、封建的な上に連なる親分子分的な関係といいますか、そういう施政の性格、しかもはなはだしく近代的意識を欠いた施政の性格が当然の結果としてこの首切りを生んだ、こう私は見ているものであります。決して予算を節減するためにこれをやったのではない。今になって経費節減ということを言っておりますが、真に高橋氏が経費を節減せんとするためにやるならば、まず第一に三十年度の予算において定員減をしなければならない。ところが三十年度の予算においては市役所職員を現員現給、それに一号俸昇給の予算を組んでいるのであります。真に経費を節減せんとするならば、まずこれでは職員があまりに多いから、条例をもって職員定数を減ずる処置をとるべきではなかったか、それを一つもやっていない。この一点は高橋市長が今になって経費節減と言っているが、その当時はどうであったか、首切りが行われた際に私は市長がおりませんので助役に会いました。そうしたら助役は私にこういうことを言いました。今やらないともうやるときがないのだ、だからこれはばっさりとやったのだ、こういうことを言っております。またある課長は、名前を申してもいいのですが、農政課長が――これは私じかに聞いたことではありませんが、宣戦布告をすれば負けるから、真珠湾攻撃なんだということを言っております。これがこの首切りの正体を言っているものではないか、こう思うのです。この点について、ほんとうに人員が多かったら、なぜ高橋市長話し合いによってできないのか、全国のすべての町村は人員が多くて、それで悩んでいることは事実です。そして現実において整理をやられているが、その整理は二十二条という法律をもってやられているのではなく、話し合いの上にやられている。ところが高橋市長はえらいから、自分は二十二条を用いたのだとみずから言っております。それでこの三十二条を用いたことに対して川島長官より激励の言葉をいただいた、君大いにやれ、君だからやれるのだ、これは私は実に重大な問題だと思う。自治庁の長官がこういう問題に対して、大いにやれと激励したということは全国的な大問題である。これを許しておったならば大へんなことになると思うのです。  それからもう一つ予算処置のことを私言いますと、三十年度予算には、今度やめる――九月にやめるべき議員が四月二十日をもってやめたのです。これに対しては私も非常に賛成し、私は当時早期辞職の副委員長となってみんなに何とか納得させようとした。みんなやめたくない、やめればもう永久に議員という職にはありつけない、議員という職はいい職だ、酒も飲めるし、いばってもいられるし、なかなかやめにくいのをやめてくれという世論だから、私もその当時副員長として百方苦労して、四月二十日限りで総辞職をするという辞職決議をしたのであります。そのことによって今度五月十五日に選挙です。私も今度の選挙に立候補したのですが、このことは非常に重大だと思ってそっちをほっておいてこっちに来たのです。それで総辞職したからなかなか感心な議員だということで、その記念品代として一人五千円、合計五十三万円をやるといって予算に計上しているのです。  それからまだたくさんありますが、もう一つは警察後援会費というものを四十万予算に入れているのです。私は警察というものは国家が経費を持すべきであって、赤字財政に苦しむところの町村が後援会費なんてやるべきではない、こういうことを主張して、四十万の経費を二十万円に減らしました。それでもまだ二十万円あるのです。お隣の山形市においてはこれはゼロです。やっていない。そういうような節減しようと思えば節減される金はまだまだたくさんあります。もし私にその金はどこにあるか明示せよと言われれば、私は二時間ぐらいおひまをいただければ、ここの中から百万ほどはすぐ出せます。だからほんとうに予算処置において経費削減ということを、果して真剣に考えたのであろうかという点について、私は当時の議員として多大の疑問を抱くものであります。  それからもう一つ、じゃなぜこういう問題が発生したかといいますと、高橋市長は御存じのごとく上山においては皆大物市長――政治経験が四十年にわたり、しかもその政治経験の中から非常に清廉潔白と言われていますので、大物市長をもって名が高いのです。従ってそれに連なるところの高橋崇拝書も上山にたくさんいる。こういう一つの政治的な大きな存在であって、その前の市長選挙にさかのぼりますと、ここにいらっしゃる前町長ですが、この方は山形県の町村会長をし、なお全国の町村会の副会長をしたわけですが、その二人の方がこの市長選挙で激しい争いをやったわけです。片や現役の全国の町村会の副会長であり、現在の県の会長である。片や自他ともに許す大物、実につばぜり合いの大選挙戦をやったのです。その結果圧倒的な多数をもって自他ともに許すところの高橋氏が市長に就任したのであります。それで今度首切られたのは、偶然か故意かそれはわかりませんが、松本町長時代になった人が全部首切られている。課長、局長全部そうです。そしてその跡に入れられるといううわさのある人は  これはうわさで、実現した人もいますが、そこにいらっしゃる原田君、これは村山選挙のときに自分で村山知事の選挙のためにやめた人です。その当時県の社会課長をやめて村山知事の選挙をやった男ですが、選挙をやった。ところが案に相違して安孫子知事が勝って、村山知事が負けた。その方は実に優秀ですから、そのぐらいのことをやるりっぱな人間ですから、今度は総務課長です。こういうふうに、うわさされているのは皮肉にも高橋派の選挙と連なる人がうわさされている。たとえばその一つのうわさとして、今まで市会議長をしておったのが今度ある村の支所長をやる、こういううわさがある。そのうわさも根源はその人の奥さんから出た。今度市会議員に立たないことにした、なぜかというと、それは今度市長がそこの支所長に使ってくれることになったから、今度は立たないことにしたとその人の奥さんが村人に言っている。これはその村から広がっている。それはうわさですから、はっきりしたことはわかりませんが、こういうふうに一々教えてきますと、この問題は純粋に高橋市長経費節約という大乗的見地に立ってやったのであるか、あるいはそうでなく、自分の派をより多く埋めるためにやったのであるかという点に、町の人は非常なる疑問を持っているものであります。その点よくよく考えなければならぬ。私がこの首切りに対して反対している最も大きな理由は――私は実ははっきりしますが、産党の市会議員なんです。私は共産党だから反対するのではない。あまりにもこのときの首切りというものはひどい。そしてその影響というものは、たとえばクマ派が立てばトラ派を切り、トラ派が立てばクマ派を切るというような昔の政友、民政のようなやり方であってはいかぬ。やはり公務員というものはそういう政党的には関係なく、ほんとうに公務にいそしむような状態にしなければならない。それでなおかつ能率の上らなかった者とか、そうして年齢が相当な年齢で生活にも困らないというような場合に、納得の上にすべきだという観点に立って、私はこの首切りには反対だ、こう唱えているわけなので、高橋氏はどこまでも首切りは撤回しない、私がもし倒れたならばそのしかばねを越えてやれと言っているんですが、それならば高橋市長にも何とかこういうことは大乗的見地からおさめていただきたいと思って、私は選挙もありますけれども、それを離れてきたわけなんです。今まで何だか非常に市長に対してあまりにもぶしつけがましいことを言いましたけれども、私は何とかこの問題を円満におさめたい。たとえば二十二条をもって首が切られるとするならば、今からの町村合併はどうなるか、これは実は不安定で職員は黙っておれない、いかなる法規でも元来この職員の身分を守るためにあるのです。ところが二十二条の根本精神というものは、この職員採用するときの法規―あなた方は非常に専門家でいらっしゃるからそんなことを言っては失礼なんですが、職員採用する法規なんです。採用するとともに、このやろう首切ってくれましょうと言って採用する人はおそらくないのです。しかし採用した結果たまたまそれが日本の国籍でないとか、あるいはあまりにもこれはだめだというのは、やはりやむを得ず二十二条で六ヵ月たたないでやめてもらう、これがこの法規の精神であって、大市長たる者がこの法規の確かに一つの盲点を突いてやったということ、そうして上山に渦を巻いた、その渦を巻いたのはだれであるか、やはり市長自身であられるのではないか、そのすべての渦をおさめるところに政治生活四十年の大市長の貫録があるのではないかと私はこう思いまして、どうしてもこの二十二条の法規というものが優先するならば大問題になると私は考え、なおかっこの首切りというものは非常識きわまるものである、その非常識きわまるといえば近代的な、公務員を守るというその根本意識が高橋市長初め助役及びその一派の人々に欠けておるというのであります。その点について皆さんにとくと御審議をわずらわしたいと考えるのです。
  18. 大矢省三

    大矢委員長 以上で参考人の陳述は終りました。  それではこれで休憩します。一時半ジャストに開会しますから、そのつもりで……。    午後零時三十六分休憩      ――――◇―――――    午後二時二分開議
  19. 大矢省三

    大矢委員長 午後に引き続いて会議を開きます。  参考までに申しますが、政府側の出席は小林行政部長、松島公務員課長、それから川島自治庁長官が見えておりますが、大臣は何か本会議関係質問がありますから、それに出席せなければならぬというので、できるだけ間に合うように質問者もそのつもりでやっていただきたい。それから参考人の方にちょっと申し上げますが、衆議院規則によって委員の方から参考人に質問ができますけれども参考人から委員に質問ができぬことになっておりますから、あらかじめ御了承のほどを願っておきます。
  20. 西村力弥

    西村(力)委員 大臣が忙しいそうだから、そのことをさきに提案した北山君に大臣に対する質問をやってもらって、それからやったらいいだろうと思います。
  21. 大矢省三

    大矢委員長 それではさようにいたします。北山君。
  22. 北山愛郎

    ○北山委員 川島自治庁長官にお伺いします、この上山市の職員整理の問題は大臣も御承知だろうと思いますが、先ほどの参考人の話の中でも、高橋市長さんがこの職員の解職をやろうとしたその際に、高橋市長が川島長官からこれを激励されたというふうに言っておられる。こういうふうな話があったわけであります。これは非常に重大なことであると思いますのでお伺いしたいのですが、そういうふうな事実があったかどうか。高橋市長に対して今回のこの職員の解職について激励をしたというようなことがあったかどうか、まずその点についてお伺いします。
  23. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 大へんおくれておりまして申し訳ないのですが、ごく最近に地方財政計画を提出いたしまして御審査を願うことになっております。その地方財政計画の中に盛られておる一つの項目といたしまして、赤字地方団体の再建整備のために、どういたしましてもある程度の人員整理を必要といたしますので、六十億の起債を認めることになっております。そして六十億の起債を人員整理退職金に充てる、こういう方針をとっておる際でもございますので、自治庁といたしましてはあとう限り地方財政健全化のために、冗員がある場合にはこれを整理したい、こういう考えを持っております際に、せんだって高橋上山市長が私のところにお見えになりまして、整理計画のお話がありましたので、個々の内容、整理の仕方等についてはこれはお聞きもしておりませんし、また私ども内容に立ち入って一々干渉する事柄ではないのでありますけれども財政を健全化するためにある程度の人員を整理するということは必要だということで、賛成をいたしております。抽象的の一般的のそういう話でありまして、特に上山市についてこうとかああとかいう意見は申してはおりません。
  24. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると方法はどうでも、赤字克服のための行政整理そのものについて賛成だ。一体高橋市長からどういうような相談を受けて、具体的にどういうふうに答えられたのか。今のお話のようなことであれば、一般的な常識的な話であつて一向差しつかえがないと思うのですが、問題は高橋市長自治庁長官から激励をされたくらいだから、合法的で適法であるというように、一つの武器としてお話しになっておるように聞いておりますので、その点をもう少し具体的にお話しを願いたいのです。
  25. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 今度の上山市長がとられました処置が合法的であるか、あるいは非合法であるかということについては、市長と私の間には一切話が出ておりませんし、またそういう内容の報告も聞いておらぬのでありまして、とにかく先ほども申し上げました通り財政の健全化のためにはある程度の職員整理が必要なんだ。ところが職員整理というものは非常に困難でありまして、これをやり切って上山市の財政を健全化しよう、こういうことでありますから、私どもはかねて言われている地方一般のやり方と合致いたすものでありますから、大いに賛成はいたしたわけでありますが、こういう内容については一切聞いてもおりませんし、またこれに私どもタッチもいたしておりません。
  26. 北山愛郎

    ○北山委員 それでは次に関連してお伺いしますが、大臣はそういうふうな整理の際に、地方公務員法の第二十二条というものを適用することが適当であると考えておるかどうか。一体地方公務員法の二十二条というのは、これはそういうふうに人員整理のための規定であるのか、そのことをお伺いしたいのです。つまり二十二条をそういうふうな行政整理に利用するということが一体いいのか。二十二条の法の精神は一体そういうところにあるのか、そのことをお伺いしたい。
  27. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 実は法の解釈は私は全く知りません。上山市長と話したときも、そういう法律があることさえ知らなかったのでありまして、この解釈は一つ政府委員にお聞き取りを願います。私といたしてはそういう条文のあることさえ実は知らなかったわけであります。
  28. 小林与三次

    ○小林政府委員 条件付任用の規定でございますが、これは規定趣旨は御案内の通り新しく職員採用した場合に、職員が適格であるかどうか使ってみなければわからぬ、こういう趣旨でありまして、それで六ヵ月間使ってみた結果本式採用にする。こういう趣旨規定であることは明瞭でありますから、普通の行政整理等について、この規定を適用するという趣旨のものでないということだけは明瞭であると思います。
  29. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると行政整理を目的としてこの地方公務員法の第二十二条を利用するということは不適当だ、こういうふうに考えていいですか。
  30. 小林与三次

    ○小林政府委員 一般的な行政整理の際には、大体条件付採用規定は普通は適用のしようもないわけでありまして、大てい何年間も勤めておる人を整理するわけでありますから、今の条件付任用の規定趣旨は、今私がお話を申しましたような趣旨であるということは、これは国家公務員法の建前からいってそういうことだろうと思います。
  31. 北山愛郎

    ○北山委員 ただいまの政府委員の答弁というか、解釈ですね、これは川島長官も同じように考えておられるのですか。二十二条を、こういうふうな上山市の場合に限らず、職員整理に使うべきでないし、また法の条文の趣旨はそこにあるのではないんだ、要するに新規採用の場合に、ためしに使ってみて、そうしてその事務をやる能力があるかどうかを、ただその期間中ためすだけだ、こういうふうな趣旨である、従って行政整理にこれを利用するというようなことは適当でない、こういうふうな答弁に考えられるのですが、そういうふうに大臣もお考えになっておるかどうか。
  32. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 法律解釈でありますか、内閣のいかんとか、大臣のいかんによって変るべきものではないのでありまして、これは当然立法のときの精神を参酌して解釈しなければならぬと思うのでありますが、私は立法時代の精神を存じませんから、私としては何ともお答えができないのでありますが、政府委員から申し上げたことが立法の精神であるといたしますればその通りだ、かように御答弁する以外にないのであります。
  33. 北山愛郎

    ○北山委員 しかし御注意をしておきたいのは、自治庁というものは、地方団体の地方公務員法の取り扱いについて技術的な助言をしたり協力をする任務があるのですから、ただそういうふうな法律解釈の問題でなくて、やはり自治庁としての任務の問題だと思うのです。そういう態度でお答をいただきたいのです。  それから次にお伺いしますが、町村合併促進法の審議の際に、鈴木自治庁次長は、参議院でもって松澤委員の質問に算えて、この身分が引き継がれる。前の合併関係町村職員は引き継ぎ任用になるというようなことを当然のことに言っておられる。従って町村合併促進法の第二十四条というものは、その新しい合併町村職員に移るということはこれは引き継ぎであって、新規の任用でない、こういうふうに、その当時の町村合併促進法の二十四条審議の際には、参議院の委員会では質疑応答があったのです。それについては一体どういうふうに考えておるか、これは行政部長でもいいですが、お伺いしたいと思います。
  34. 小林与三次

    ○小林政府委員 私からお答えいたします。町村合併促進法二十四条は、今お話の通り町村合併の際には旧町村職員を建前として新町村に引き継ぐという趣旨でもって盛られたのでありまして、御承知通りその協議によって引き続き新しい町村職員としての身分を保有するように措置しなければならない、こういう規定が入っておるわけでございます。ただしかしこの趣旨は、今までの町村合併についての一般的な考え方は、合併によりまして旧町村に伴う法律関係が、職員の身分にしろ、条例にしろ、規則にしろ、みな消えて、新町村は新しい人格として発生する、こういう建前に一貫してなっておりますので、そこで職員の身分を、新しく採用するにしてでも、新団体が自由にやれるという一応理屈になっておるものですから、こういう趣旨規定がわざわざ合併促進のために入れられたのだと考えておるのでございます。それでありますから、そういうふうに引き続いて身分を引き継ぐような措置をすることが、促進法趣旨であろうと思います。しかしながら、この法律上の解釈といたしましては、この規定によって当然に身分が引き継がれる、こういうふうに解釈するのはいかがだろうか。新しい町村は新規採用するように――新規というとちょっと語弊がありますが、引き続き採用するようにしなくちゃならぬが、当然に身分が引き継ぐのだという趣旨には読みにくいと考えておるのでありまして、今参議院での質疑応答のお話がありましたが、われわれの理解するところでは、鈴木次長もそういう趣旨の答弁をしておるはずだと存ずるのであります。
  35. 北山愛郎

    ○北山委員 なるほど新しい団体にはなる。けれども、新しい団体というのは、前の市町村の仕事を承継してきておるのですから、そこで議員の方も承継するんだ、こういう答弁を鈴木次長がやっておるのです。だからして、なるほど形式上は辞令は新しく出すかもしれぬ、けれども、普通の場合の新規採用とは違うんじゃないかという点は、行政部長もそういうふうにお考えだと思うのですが、いかがですか。
  36. 小林与三次

    ○小林政府委員 それほお話の通りでありまして、法律上の団体の性格は変るかもしれぬが、仕事その他実態はみな引き継ぐわけでありますから、仕事を引き継げば人も同じような状態で引き継げとこういう趣旨でございますから、それは全然役場に関係なかった人を採用する場合と、従来の人を引き継ぐ場合と、事実上違うことは明瞭だろうと思います。
  37. 大矢省三

    大矢委員長 本会議がありますから、大臣に先に……。
  38. 北山愛郎

    ○北山委員 もう一言小林さんに聞いてみるんですが、地方公務員法のいわゆる条件付任用の場合と、公務員法にも同様な規定があるのですが、精神としては同じだろうと思いますが、いかがですか。
  39. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは精神は全然一緒だと思います。
  40. 北山愛郎

    ○北山委員 普通の国家公務員法の条件付任用の場合の、あれは何条でしたか、同じ規定解釈から言えば、それは新規の任用の場合である。従って、たとえばほかの地方公共団体に働いておる職員であるとか、そういう者を任用する場合には、精神から言えばそういう場合は入らないんだというふうな解釈を、学者というか、そういうふうな解釈をしておるようですが、それについてはどういうお考えですか。
  41. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは国家公務員法の解釈の問題になりますが、しかし似たようなことは府県と国家公務員との間に人事の交流もありまして、行ったり来たりいたしておりますが、そういう場合も、法律上の解釈としてはやはり新規採用、条件付任用の規定が働く、こういうふうに理解しておるのであります。その証拠というと語弊がありますが、いっか教員が異動する場合にわざわざ条件付任用の規定を省くという立法措置も国会でとられたことがありまして、これは同じ問題でありますが、解釈上は条件付任用とみなさざるを得ないから、そういう措置を特別に立法措置をもって講ぜられた、こういうふうに考えております。
  42. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると警察法の改正によって国の警察職員が府県の警察の職員になったという場合には、やはり条件付任用ですか。
  43. 小林与三次

    ○小林政府委員 あのときに何か特例を設けたかどうか、ちょっと今記憶はありませんが、かりに特例を設けてないとすれば、法律上の解釈からすればやはりそういうことになろうかと思います。
  44. 西村力弥

    西村(力)委員 大臣にちょっとお尋ねいたしますが、高橋市長が、大臣に会われたときに非常に激励されたということを地方に行って大きく宣伝されておるのですが、大臣の責任は相当重大だろうと私は思うわけです。あなたは、一般的な問題として赤字解消は賛成だ、こう平たい調子で言ったとおっしゃるが、受け取った方は、おれの主張は正しいと大臣が認証されたとこう受け取って、それで宣伝をされておるように思います。それでもし高橋市長が、地方公務員法二十二条によって、これは市町村合併に伴って人員を新しく採用した、すなわち条件付採用だという解釈によってやるんだ、こういう方法をはっきり示されたりするならば、大臣はそれでもやはり賛成なさったかどうか。そういうことならばそれはちょっと無理だ、こういうふうに考えられるか。それは仮定の問題になりますけれども、今に至って、もしそういう事情が明確であったならば、自分ほその方法に賛成するわけには参らなかった、こういう立場をとられるか、御答弁をお願いしたい。
  45. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 市長と私が会いましたときに、大いに激励されたということを市長が言っておるそうでありますが、これは主観の問題でありまして、高橋市長が激励されたと考えればあるいはそうかもしれませんが、私どもの話したことは先ほど申し上げた通り、地方財政の健全化、赤字解消のためには一般にある程度の人員整理は必要である、それをやることについては賛成だという意味でお話したのでありまして、その際に条件付任用なんというそういう具体的な話は一切出ておらぬわけであります。
  46. 西村力弥

    西村(力)委員 今は大臣もはっきりしているわけですね。だからそういう話が出たらそのときにはそれに対してもやはり大いに賛成だというか。結局今あなたにはその方法によってやられることに対して、自治体の立場に立って、ほんとうに自治行政が成長ずることを望んでおる。そのことに責任を持っていらっしゃる大臣として、こういう措置に対してどういう考えを持たれるか、それをお聞きしているのです。
  47. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 それは法律解釈のいかんでありまして、法律命令通りやれば正しくありますし、法律解釈と違ったことを市長がやっていれば、それはやり方が間違っている、こう申し上げる以外には言いようがないのであります。
  48. 西村力弥

    西村(力)委員 法律解釈はあなたは、私はわからない、事務当局から答弁させると言いますが、事務当局の見解としては、やはり引続き職員だ、純然たる新規採用の立場で地公法二十二条を適用するのは正しくないのだという解釈を下している。だからあなたはその立場の解釈に基いて、この措置は正しくない、こう今断定して下さるのか。憲法にまで規定されている地方自治を守る一つの責任のある立場からの発言だと思うのですが、そういう御見解を一つ発表してもらいたい。
  49. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 法律趣旨通り市長処置をすればそれは正しいし、法律規定された趣旨に反した処分をすればそれは間違った処分だ、こう考えておるわけであり達して、私は行政部長の解釈通りに考えております。
  50. 門司亮

    ○門司委員 今の話ですが、もう少し二十二条の解釈をはっきりさしておきたいと思います。前段の解釈は今の行政部長の解釈で正しいと思います。それでいいと思います。しかし後段の問題で疑惑が実はあるわけでありまして、二十二条に書いてあるが、それで首が切れないことはない、同町に新規採用になった形である、これは市が新しい法人格で生れたからそういう形が出てきておる、そこで首切ることは差しつかえない、こういう二つの問題がこんがらかって話がされておるようであります。だから非常に解釈がしにくくなっておるのであります。しかし本来の二十二条の解釈というのは、人員整理に用うべきものでは断じてありません。ないというのは――いかなる場合におきましても新規採用というものは必要定員であります。必要定員を採用する。しかしその採用の場合特に不適格者を除く一つの方法として二十二条があるのでありまして、従って新規採用の場合に全部そこに採用したという形が出て参りましても、それは一応上山市の必要人員としてそれを採用しておる。その中からピック・アップすることが二十二条ではできるという規定であります。これは断じて人員整理の対象になる条文ではないということを一つはっきりしておいていただきたい。私はそう解釈する、またそう解釈すべきだと考える。その点どうなんですか。
  51. 小林与三次

    ○小林政府委員 人員整理というのは定員を減らす、それに伴うて職員退職をしてもらうということなら、今お話の通りだろうと思います。ただ問題はそうではなしに人間を入れかえるとかなんとかという問題も、これを人員整理と見るか見ぬかという問題がありますが、今お話の通り二十二条の趣旨は先ほど申しました通り、新たに採用した者の適格性を見てそれを始末する、こういうことであることは明瞭でございます。そこでその場合に問題になり得るのが、一つの団体で新しく採用した場合と、つまり団体相互の間に異動があった、あるいは国との間に異動があったような場合にもそれはどういうふうに解釈、運用するか、こういう問題は私はあり得ると思うのです。そのときに前の団体に使っておったから、当然これは新しい団体で動きようがない、こういうことまでも言い切れるかどうか、そこのところは少し私は疑問が存するのじゃないかと思います。
  52. 門司亮

    ○門司委員 そういうことを言うから問題が起る。人員整理の場合には当然二十八条が出てくるはずです。二十二条を適用すべきじゃない。これがもしできるならば二十八条に何らかのただし書きがなければならないはずだが、地公法の二十八条には人員整理に使う条項がちゃんとはっきりと書いてある。従って二十二条は人員整理の条項に使うべきじゃないと私は思う。しかし今小林部長が言ったようなことがあり得るかもしれないので、町村合併促進法には二十四条にわざわざ訓示規定としてそれを阻止するということが書いてあります。これは私は町村合併促進法のらの――こういうこきあらかじめ私は予測したわけではありませんが、書かれておる一つの条項であります。これを突き進んで話をすると、訓示規定であるからといっておりますが、私はこの二つの法律関係というものは解釈がいかようであろうとも、二十二条は断じて人員整理にこれを乱用すべきではないという解釈の方が私は正しいと思う。もしこれが二十二条でできるというようなら、明らかに法の乱用であります。この点についてどう解釈されますか。
  53. 小林与三次

    ○小林政府委員 二十二条の規定趣旨につきましては私は門司委員とちっとも考えは異なっておらぬと思います。二十二条はいつも申し上げる通りでありまして、単なる行政整理のために使うということは二十二条の趣旨ではない、これは言えると思います。
  54. 西村力弥

    西村(力)委員 大臣はなかなか答弁をうまく逃げるようでありますが、町村合併は前内閣において合併促進会議ですか、そういうものを作って推進してきたわけであります。そのあとを継がれた民主党の鳩山内閣では合併を推進される意図があるかどうかということは、こういう合併に伴って人員整理を二十二条でやり得るという工合に考えてくるとするならば、今後の合併はストップする、あなたは政治家だから政治的な発言をとってもらいたいのでありますが、これはストップします。合併したところがみな十年や十五年も勤務した人が頭を下げて採用してもらったその六ヵ月間はためしに採用されておるというような身分にされてしまったら、合併というものは完全にストップする。鳩山内剛は合併をやめるといわれるならばそれでもよいでしょうけれども、継続されるならばこういう解釈は成り立ち得ない、地方自治法を伸張する責任の立場から、こういう立場ははっきりとらなければならぬじゃないかと思う。合併促進を今後とも継続して現内閣としてやるのだ、こういう見解をはっきり立てておられるならば、私が今申したような意見に対して御賛成が願えるだろうと思う。一つ御見解をお答え願いたい。
  55. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 市町村合併は地方の健全化のためにぜひ必要と考えますから、前内閣に引き継ぎましてこれを推進するつもりで、地方財政計画の中にもこれに関する費用を相当計上しております。ただ今の問題は法律解釈の問題でありまして、先ほど来申し上げておる通り上山市長のやったことが法律に違っておればこれは正しくないし、法律に合っておればこれは適当だ、こう認めなければ仕方がないのでありまして、法律解釈につきましては政府委員よりお答え申し上げた通りであります。
  56. 西村力弥

    西村(力)委員 政府委員から申し上げたということは、結局行政整理のために地公法二十二条は適用できないのだ、こういう解釈を認められるかどうか、これでいいですね。
  57. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 法律解釈でありますから、そのときの便宜で勝手に解釈できるものではないのでありまして、立法のときの趣旨、精神というもので解釈するのでありまして、ここで私が勝手に申し上げるのではないのでありますから、そういうふうに御了解願います。
  58. 北山愛郎

    ○北山委員 先ほどの質問を続けます。行政部長は、地公法の二十二条というのは、これは新規採用の場合の規定だというふうに先ほど来話されたのですが、そうすると、この町村合併による引き継ぎの場合、これもやはり新規採用であるという解釈なんですか。
  59. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは純粋な法律解釈の問題を申し上げたわけでありますが、法律はそういうふうに解釈せざるを得ないのではないか、こういうふうに存じておるのであります。
  60. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると、たとえば合併の際に、この場合退職手当を出しておらないのです。新規採用する者を、前の団体、しかも別個の団体であると称するものの、退職手当を支給しないでおいて、そうしてその部分も今度は引き継いでおいて、そうして身分においては新規採用だということになると、身分の保障というものは、この場合一体何によって行われておるのですか。
  61. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは、私は今純粋な法律解釈を申し上げたのであります。しかし二十二条の規定趣旨につきましては、繰返し申します通り、これはいわゆる単なる、ほんとうに新しくとった者を前提に置いておる規定であることは明らかだと思います。そこで今の問題は、結局今門司委員も申されました二十四条の規定を総合的に読んで、いわゆる合併などの場合にはどう理解した方がいいか、結局そういうことになるだろうと思うのであります。そこで、われわれの法律論をやれば、合併の場合だって二十二条の規定法律上働くと読まざるを得ない。しかしながら町村合併促進法では、特に二十四条の規定を設けて、合併の場合にはそのまま身分を引き継げ、こういう趣旨でありますから、そういう趣旨に従って運用する。しかしながら合併後、いろいろ人員を合理化するという問題もこれはあり得る。それだから、二十四条にわざわざ二項とか三項という規定を設けたのもそういう趣旨でございまして、そういうことも考えてはおりますが、二十二条をそのまま援用するということが適当かどうかということになれば、これは非常に議論がある、こういうふうにわれわれは考えておるのであります。
  62. 北山愛郎

    ○北山委員 しかし問題は、これは市町村合併促進法の第二十四条が必ず必要だというのではなくて、地公法の第二十二条の規定をこういう場合に一体適用すべきかどうかという問題だと思うのです。その二十二条の精神から言えば、この場合一体新規採用として扱うべきものかどうかの問題、たまたま二十四条があるから、なおさらこの場合は適用さるべきものではない。条件付任用ではない。こういうふうな一つの証拠である。しかしそれは、たとい町村合併促進法の二十四条なしでも、市町村合併によって、関係町村の協定によって引継ぎ任用をするときまったものは、それはそのことだけでも、もうすでに地公法第二十二条のいわゆる新規採用ではない、こういうような解釈をしなければこの条件付任用の規定趣旨に反する、これが正しい解釈だ、かように考えるのですが、どうですか。ただ、新しい団体であり、新しく辞令を出したから新規採用であるという形式論ではないのです。やはり二十四条の本旨は、条文は何かといえば、その人がどんな能力があるか六ヵ月の期間を置いてためすというだけのものなんです。これは国家公務員法の場合もそういう解釈になっておるのですから、そういう趣旨規定なんです。だからその規定趣旨を逸脱して、今のように実質的には引き継ぎであるという場合に適用することは法律の乱用であると思う。それはただ形式的な論理であって、そういう解釈は、自治庁のそうそうたる法律専門家としてとらない、適当でない、かように考えているのですが、もう一ぺん一つ。
  63. 小林与三次

    ○小林政府委員 御趣旨は私もよくわかりまして、気持ほおそらくかわらぬと思うのであります。二十二条の純粋な法律解釈を申し上げますと、これは合併の場合であろうがあるいは団体間の異動の場合であろうが、国と公共団体との間における異動の場合であろうが、一応二十二条の規定はこう読まざるを得ない。これは純粋の法律解釈を申し上げているのであります。かりに、しかしながらその場合に、市町村合併の場合は二十四条がなくても当然にそうではないかという御議論になりますと、私はそこは少し疑問だと思うのでありまして、現に合併すれば条例だってみんななくなってしまう。どういう条例を作くろうが新団体でこれは自由にできるわけでありまして、普通の議員だって参与だってみんなふっ飛ぶわけでありますが、議員につきましても特別の規定を置いてある。一般職員につきましてもこういう特殊な規定を置いて、引き継ぎ事務に伴うて一般の事務職員を引き継ぐ、こういう趣旨を明らかにいたしておるわけでありますから、運用はその趣旨に従ってすることが当然の法の精神だろうと思うのでございます。そこで、今のような場合に、二十二条をたてにとって、六ヵ月間はみんな条件付だ、どんなことでもできるというふうな動かし方をすれば、これは二十二条の規定の動かし方としては、促進法の精神からいっても必ずしも適当であるとは言えぬ、こういうことは私は同じふうに理解しておるのであります。ただちに法律違反と申し上げることはできませんが、趣旨としては適用の仕方が上手なやり方ではない、こういうことが当然に言えるだろうと私は思うのであります。
  64. 北山愛郎

    ○北山委員 このケースは、法律的にはいろいろ問題はあると思います。特に先ほどのお話にあったような特別職については、特別に期限付のやり方をとっているのだ、そうして一般の者には、それが新規採用であるとかそういうことは何らとっていないのです。そうしてみると、六ヵ月間という期限をつけた分については、これはやはりはっきりした一つの条件付の採用であるけれども、しかしそれをつけていないものは、反対に解釈するとこれは新規採用じゃない、ただ引き継ぎの身分承継だ。これは形式的には辞令は出すかもしれぬ。しかし普通の条理から考えてみて――職員の方から考えても、一般の世間の条理から考えても、これが特別六ヵ月という条件付であるというのならば、はっきりとした特別職の場合と同じような措置をとるべきであるし、この際にそっちの方はとっておいて、一般の方はとっておらぬようでありますが、そういうふうな取扱いの工合からみても、普通の新規採用とは認められない、かように思うのですが、いかがですか。
  65. 小林与三次

    ○小林政府委員 それは今議員規定等の例をとってお話になりましたが、逆に申しますと、規定の仕方からいたしましても、私のような解釈をとらざるを得ぬということを申し上げたいのであります。元来、職員をそのまま引き継ぐのなら、純粋に法律論からやれば、協議によって引き継ぐように措置しろというような問題でなしに、町村職員であった者は引き続き合併町村職員としての身分を有するとか、そういう式に明確になっておれば、これは一点の疑いを入れぬのであります。しかしながら、そうではなしに、二十四条のような趣旨規定をしたのは、やはり議員の場合と規定の仕方も違っておりますから、われわれのような解釈をとらざるを得ぬのであります。それは先ほどちょっと例に引きました通り、一般の行政職員の転任の場合におきましても、はっきりわざわざ特別に法律の改正をして条件付任用の規定を排除するよう明確に立法せられたのでありまして、そういうことから考えましても、法律解釈としてはわれわれのような解釈をとらざるを得ない。しかしあとは運用の問題でありまして、それならやってもいいか、こういうことになれば、それはそれぞれその法律趣旨に従って運用することが適当だ、こういうことは私は当然言えると思うのであります。
  66. 北山愛郎

    ○北山委員 それはむしろ逆だと思うのです。地公法の二十二条がそういう場合に発動するなんということは普通常識的に考えられない。だからしてもしもそういうふうな規定が活用できる、あるいは悪用できるということがわかっておれば、協議の際にそういうことをはっきりと立て分けをして書いたかもしれぬ。しかし普通われわれの常識からいっても、一般的にこの二十二条はそういう趣旨規定ではないのですから、その規定を利用するということをその当時考えていたとすれば、そればよほど悪知恵の発達した人なので、むしろ普通の常識的に関係町村が協議をする場合には、私は今の二十二条などは念頭になくて考えたに違いないと思うのです。それでもなお二十二条にそういう規定がはっきりしておればまだいいのですよ。だけれどもそれだって今われわれがこうやって質疑をしておるように、非常に疑問のある規定なんですから、それを前もってわかっておって協議の事項にはそういうふうにとられておらないということをたてにとって行政部長が言うのは、私はへ理屈だと思うのです。そればかりではなくて、この処置には、先ほど来お話があったように、それ以外にいろいろ法律的な欠陥があったわけです。まず全員退職辞令を出して、それから首切りの分だけを除いて復職の辞令を出したというようなやり方をとって、またあとでこれを撤回したというようなこともあり、あるいはまた単純労務者に対して首切りの通知を出したというようなことをやっておる。あるいは教育委員会の所管に属する人事までやりかけておるというような、非常に法律的に無知というか間違いをやっておる連中がやることですから、それで私はそういう小林行政部長がいうようなことをちゃんとわかっておってそういう協議をされたのではないと思うのですが、どうですか。
  67. 小林与三次

    ○小林政府委員 今おっしゃいました通りで、私は何もそれを予見してどうこうということを申し上げるわけではありませんが、まさか二十二条を適用されるとは、普通の人はだれも考えない、われわれももちろん思っておりません。ですから現に合併がたくさんありますけれども、こういう例というものは今までないわけでありますから、それですからその二十二条の規定の適用の仕方としては、私が繰り返し申します通り、これは適当だとは言い切れないということを申しておるわけであります。
  68. 北山愛郎

    ○北山委員 法律的なことを最初にお聞きしますが、そうしますとこういうことになりますか。二十二条というものはこういう際に利用する規定ではないのだ、だからこの処置全体として二十二条を適用するのは実質的な意味から言えば適当でない、さように自治庁は考えておるかどうか。
  69. 小林与三次

    ○小林政府委員 ですからこれは、法律解釈の問題から言えば、これはただちに違法だということは言い切れないが、法律の運用の仕方としてはいい方法だというふうなことは私はやはり言いにくい、こういうふうに考えております。
  70. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると悪いということになりますか。
  71. 小林与三次

    ○小林政府委員 適当だとは私も考えてはおりません。
  72. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると悪いということになれば、自治庁としてはどういう指導をなさるつもりですか。
  73. 小林与三次

    ○小林政府委員 これはしかし具体的な事件はもう終ってしまっておりまして、個々のケースについて自治庁としてどうこうしろというわけにはもちろん参りません。だから法律の一般の精神とか趣旨とかいうものは今申したようなところにあるということは明らかでありますから、そういう趣旨だけは明らかにしておいていいと思います。
  74. 北山愛郎

    ○北山委員 しかしよくお考え願いたいのは、自治庁法律解釈についてずいぶん自信のありそうなことを言っていますが、去年の国会でも、学生選挙権の問題についてやはりこの委員会相当問題になった、そのときに、自治庁解釈が正しいと言ってずいぶんがんばったはずです。ところがその後選挙制度調査会なにかにかかってやはり立法措置をする必要があるということになって、自治庁解釈したのとほまるで反対のような結果にならざるを得なかった。ああいう点を見ましても、私はこの自治庁法律解釈には多分の疑いを持つのですが、それは別としても、公務員法の運用についてはやはり自治庁としては責任があると思うのです。必要な助言をしなければならぬでしょうし、協力もしなければならぬでしょう。それをする場合に、単に法律解釈がどうだこうだという形式論理みたいなもので解釈をして、それで自治庁の仕事が済むかどうか。地方団体の問題であり、済んだ問題であるから、おれの方は関係ないのだと言えるかどうか。やはり地方公務員法というものが正しく運用されるということについて、自治庁としては仕事があるはずなんです。そういう立場から一つもっと地方公務員法を正しく運用されるために、責任を持った答弁をしていただきたい。
  75. 小林与三次

    ○小林政府委員 自治庁といたしましては、地方公務員法趣旨が最も適正に運営されることは、これはもう当然期待いたしておりますし、希望いたしておるわけであります。それでありますからかりに今の二十二条の問題なり、促進法規定の運用の問題なりにつきましては、私は今まで繰り返して申し上げましたような趣旨で行われることが適当な方策だろう、こういうふうには考えております。しかし今の上山市の問題についてこれは市長さんがやられましてすでに完結しておる処分につきまして、自治庁は一般的に技術的な勧告処分の権能はありますが、個々的に指示したり取り消したり、そういうことができませんので、それでその問題をどうこうという御趣旨だと、ただちにこれはいたしかねるが、しかし今の法律趣旨、運用の精神というものを明らかにすることは、今委員会で申し上げておる通りでありまして、それは当然はっきりさしてよろしい、こういうふうに存じておるのであります。
  76. 北山愛郎

    ○北山委員 それはしかしおかしいじゃないですか。地方公務員法について一定の解釈をとっておられるが、その解釈が正しいか正しくないかは自治庁が言っただけではきまらぬのですよ。少くとも自治庁は二十二条の場合は、この場合も新規任用として含むのだというような解釈をしておられる、これは一つの解釈にすぎないのです。法律解釈だけはできるが、それ以外の運営については何もできないといったような態度はおかしいんじゃないですか。解釈をするということ自体が、一つの措置なんですから、それを区別してやるということほおかしい。だから法律解釈を自分がやったら、おれの解釈は正しいのだというようなものではなくて、一つの解釈にしかすぎないのですよ。だからしてこの法の解釈というものをただ法律的に解釈するというにとどまらずして、この法の運営あるいは精神というものが生きていくような措置を何らかとらなければならぬと存じます。それなら二十二条というものはこういう場合にどんどんぽかぽか悪用されたのでは因るでしょう。困らないようにするのには、一体自治庁はどういうふうに考えるか、これを聞きたい。
  77. 小林与三次

    ○小林政府委員 法の解釈は今までよく申し上げておる通りであります。法の解釈はそうではあるが、そういう運用というものは適当だとは私は思わぬ。それは繰り返し申し上げておるのでありまして、今後こういう運用が行われぬように一般的に注意を喚起し、その趣旨を明らかにするということはわれわれとしても考えていい、こういうふうに存じておるのであります。
  78. 北山愛郎

    ○北山委員 どうもおかしい。法の解釈を一応しておいてそしてそれは適当でない、適当でないというのは一体どこから出てくるのです。法律上の基準があって出てくるのですか、何かはかから出てくるのですか。
  79. 小林与三次

    ○小林政府委員 これはさっきから繰り返していることになりますが、純粋に法律解釈すれば、これは一応新規採用解釈せざるを得ぬし、それからまた二十一条の規定も適用がないとは言い切れない。しかしながら今の合併したような場合におきましては、促進法にわざわざ規定を設けて、みんな身分をそのまま引き継ぐように措置する規定がありますから、そこでこういうような場合には二十二条の規定を適用してとやかくするということは、促進法規定趣旨から考えても適当だとは思われぬ。そういう趣旨のことを一般的に明らかにするということならば、自治庁としてこれは当然やってよろしい、こういうことを申し上げておるのであります。
  80. 門司亮

    ○門司委員 問題は、二十二条は人員整理の条項ではないということだけは、一つはっきりしておいていただきたい。二十二条は新規採用であろうと何であろうと、必要人員であるから新規採用しているのである。これは冗員でないということははっきりしている。当然継続して公務員にすべきであるが、ただその中で多少支障のある者があれば、これは解雇してもいいという便宜的な規定なんだ。地方公務員の人員整理規定は二十八条が適用されている。二十二条はどこまでも採用に関する規定であって、人員整理規定でないということは、自治庁ははっきり認めるでしょう。
  81. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは先ほどから申しました通り、二十二条はつまり法律上明らかに新規採用だとみなされるものについてのみの規定でございまして、一般のいわゆる行政整理という規定趣旨じゃない、これはもう明らかでございます。要するに個々人を相手にして二十二条を適用するわけでございます。
  82. 五島虎雄

    ○五島委員 だから二十二条の解釈についてと、それからこの問題に関連して促進法の二十四条と地公法の二十二条は、この具体的な問題についてどちらが優先するかということをはっきりしてもらったらよろしいのじゃないかと思います。ですからこの場合の解釈については、促進法の二十四条が優先するのだという解釈を、はっきりしてもらったらよろしいと思います。
  83. 小林与三次

    ○小林政府委員 これがどちらが優先するかというお尋ねでございますが、これはどちらが優先だという解釈は起らぬと思います。つまり二十二条は何も二月や三月で首を切れという趣旨規定でないことは明らかであります。しかしその場合にも団体の職員に入ったものにつきましては、法律解釈としては二十二条はやはり働くものと読まざるを得ない、こういうことを申し上げているわけであります。
  84. 西村力弥

    西村(力)委員 町村合併促進法の二十四条を入れた場合に、こういう非常識なことが行われるということをおそれて入れたわけです。これが完全に地公法二十二条を排除するに至らないという解釈をとられますが、吏員の身分は積極的に保護するという趣旨をはっきりこの条項はうたっている。それで完全に排除するまでには、どこにいってその拘束性を持つかといいますと、合併の際の協定が執行者を拘束しているのであり、そこまでいって初めてはっきりしてくる。しかも合併促進の協定を作る場合、普通採用という場合には、二十四条の規定に基き引き継ぐものとして採用するのであって、もし二十二条の適用を排除するまでに至らないというわずかの部分があるとするならば、それは別にその点を書かなければならぬだろうと思う。それで上山協定書にも、この身分についても一般職として採用すると言いながらも期限を切っている。一般職については希望退職者を除いて全員採用するとあるが、条件付採用にするならばそこにむしろただし書きを入れなければならぬ。これを入れない場合においては二十四条の精神が完全に尊重されておるのだ、こういう解釈をするのが正しいと思います。それが執行者を拘束するのだと解釈していかなければならぬ。先ほど松本前町長のお話によりますと、吏員の身分は不安定なままに採用するというのではなくて、十四年とか十五年とかに続いていく、こういう形に採用するのだ、そういう趣旨であの協定を結んだと言っておられる。だからこれは新市長である高橋氏を拘束していると解釈せざるを得ない。この件に関しては、小池参考人、大場参考人も当時合併のことに参画せられたと思うのですが、お二人からもその点についてお聞きしたいわけです。
  85. 中井徳次郎

    ○中井委員 議事進行について。大臣が見えておりますので、ちょっとお尋ねいたしたいのですが、予算が出てからずいぶんだつのですけれども、この地方行政委員会には、予算関係の法案は正式にいまだ一件も出ておらぬ。大体私ども新聞などで見ているところでは、地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案、地方財政再建促進特別措置法案、地方税法の一部を改正する法律案、入場譲与税法の一部を改正する法律案、地方道路譲与税法案、こういうふうに予算関係するものでもずいぶんあるのです。この問題はいつでも大へん問題になりまして、予算は通ったが法律案が通らないというので、地方税が現実の面では取れなかったというようなことがあります。特に入場税なんかにおいてそれがあったように記憶するのでありますが、地方行政委員会を二、三回開きましたけれども、ちっとも関連の法案が出てこないので私どもまるで待機の形であります。案をお出しになるときこういうようにおくれては、とうてい六月一ぱいであげるというようなことは考えられないのでありますが、どうなんでしょう。おそくお出しになって早くやれ早くやれと言われてもなかなかできはしません。今内閣としてどういう程度でありますか。できるだけ早く出してもらいたいと思いますので、議事進行に関して、ちょっとお尋ねをする次第であります。
  86. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 提案がおくれてまことに申しわけありませんが、地方税法に関する案件は一括しまして明日の閣議で決定して、直ちに提案する準備ができております。それから地方道路譲与税法案はきょうこちらに提出になったそうであります。その他の法案につきましては、各省との調整もありますので多少おくれておりますけれども、なるべく早く各省間の話し合いをつけまして提出をして御審議を願うように努力いたします。
  87. 中井徳次郎

    ○中井委員 今大臣からそういう話があったわけでありますが、委員長の方におかれましても、政府を督励されて、ぜひ早く出されるように運営されたいと思います。この委員会の内容は非常に多岐にわたっておりますから、そう簡単に一週間や二週間で通せといっても、現実の問題としてとうていできない、かように思います。従って政府においても、おくれることは覚悟をしてもらわなければどうにもならないと思いますので、そのこともつけ加えまして委員長に要望をいたします。
  88. 大矢省三

    大矢委員長 承知いたしました。  それでは、先ほど西村君から質問のありましたその当時の協議会の模様を、小池、大場両君から御説明願いたいと思います。
  89. 小池九四郎

    ○小池参考人 私は、その当時上山町会におりました。町村合併についてどうして促進をするかということで、各町村から委員を出してそれで案をきめようというので、私ども上山町から促進委員として出ておりましたので、その当時の様子は私はよく知っておるのであります。大体われわれの考えといたしましては、とにかく町村合併をするなんということはうまくない、これは何にもならないことなんだ、こう考えて、上山町は合併したくないという考えを持っておったのです。ところが地方課長が来て、今合併しないと、あたかもすばらしい損失を招くように、ある一面からいうと……(西村(力)委員「要点だけでけっこうです」と呼ぶ)要点だけ申し上げますが、それで無理無理やったわけなんです。そして、することにした。ところがそのとき、これは大切なんですが、この町村合併というのはAプラスBプラスCイコール性格の違ったものではなくして、AプラスBプラスCイコールそれを包含したものだ、こう考えることが妥当だということで、学校の起債あるものは学校の起債も全部そのまま町村合併においてはのんだわけです。その当時の町村でやっておったプラス、マイナス面は全部そのままのんでできたものなんです。それで、職員の身分に関しましては、特別職もその希望によって一般職とすることができるというのが、特別職に対する一つの条項です。その次には、一般職職員は引き継ぐというのが条項なんです。それで職員の身分関係というものを守った。そのとき私が特に発言したのです。すなわち、今までの村長助役収入役特別職であるにかかわらず、他の町村を見ると、一般職としてすわり込んで知らぬ顔をしておる。このことは特別職という観点から見て非常に不当であるというので、一般職はずっと守られるが、特別職はそうされた日には困るというので、特にここにいらっしゃるその当時の職務執行者松本氏が、この方の採用だけは期限付採用ときめたのであります。そのとき実は全員協議会を開いたわけです。松本さんはそのときの促進委員長なんですが、私も皆さんの考え方によって、その三役だけは三月三十一日限りの期限付採用をいたします、こういうことをはっきり明示しておるのです。それから他の一般職については、ずっと身分が引き継がれるのであるという観点に基いて、たとえば他の起債を引き継ぐというような観点に基いてわれわれは引き継いだわけなんです。そして、もしこれを行政整理するならば、二十三条の新規採用法律でなく話し合いでできる、もし話し合いができないときには、行政整理を目的とする二十八条の法律でできる。ところが妙にこれだけを研究して、これこそは伝家の宝刀だと抜いたわけです。ですから、われわれもあぜんとしてしまったのです。二十二条でこれをやられるということも考えていないし、そのまま引き継ぐのだという全部の人の考え方によって引き継いだわけなんです。それでその後四月八日でしたか、この問題は重大問題だからというので、全員協議会を開きました。その結果全員協議会では、二十二条で首切りするのは不当だというので、市長に撤回の申し入れをやっております。
  90. 大矢省三

    大矢委員長 もう一人、大場参考人
  91. 大場鉄男

    ○大場参考人 簡単に申し上げますが、私どもとしては、あの当時、町村合併という一つの形を作るためには、少々無理をしても、極端に言いますと、総花的にでも、できるだけ摩擦を防いで仕上げをするという形に持っていく、まとまるためにはそれもやむを得ない措置と考えておったわけです。そのあとには何らかの、たとえば今度も問題になっているような行政整理についても、当時、それをしなければほんとうの町村合併の仕上げはできないと思っておったわけです。
  92. 西村力弥

    西村(力)委員 大場参考人にもう一つお尋ねしますが、あなたは合併促進委員という立場でこの協定に参加せられ、また、どの村でしたか、村会議員という立場で協定書を作られた、こういう場合に、正式採用の者は、合併して新採用になったとたんに条件付採用に移るのだ、こういう理解のもとに、一般職の者は、退職希望者を除いて全員採用するという協定書を作ったのか、そういう点を明確にしてもらいたい。
  93. 大場鉄男

    ○大場参考人 ただいま申し上げたように、そのときは、やむを得ざる措置として総花的にやっていくのだ、あとはすっきりした本来の姿に立ち直る際に直すべきだというふうに考えて賛成しておったわけです。
  94. 西村力弥

    西村(力)委員 そうしますと、引き続き職員として、正式な採用の形そのままで新市の吏員に引き継がれていくのだ、この協定書はさような趣旨だという工合に了解なさっておったわけですね。それでよろしいですね。
  95. 大場鉄男

    ○大場参考人 それで今度の措置はやむを得ざる措置、妥当な措置だと思っております。
  96. 西村力弥

    西村(力)委員 私の聞くことにどうもピントが合わないようですが、今の妥当だというのは、首切りが妥当だという考えかどうかわかりませんが、あなたが協定書を議決される場合において、十月一日からはっきりと条件付採用に移るという形になるのだということを承認して、この協定書を結んだのか、承認したのかということです。そういうことは全然考えないで、当然正式採用のままにおいて継続されるのだという了解のもとにおいてこの協定書を結んだのか、こういうふうに私はあなたの答弁を期待するわけです。これほそうだろうと思うのですが、その点を答弁してもらいたい。
  97. 大場鉄男

    ○大場参考人 先ほどから申し上げたように、それほどまですっきりと何かをやっているわけではないのです。実際の問題は、大局的に見てこうあるべきだが、事務的なことはほとんど執行者にまかして進んでおるというような私たちの考え方ですから、あまりこまかく申し上げられないのです。
  98. 西村力弥

    西村(力)委員 それでは、私の申した通りの立場で承認せられておったという工合に私は理解したいのでございますが、その点について行政部長の考えを聞きたいのです。先ほどから、ほんとうに形式的な法解釈なんかもときどきなさるようでございますが、私が当初申しましたように、二十四条というのは、積極的に吏員の身分を守るという立場で作られたのだが、それは二十二条の適用を完全に排除するまでには至らないのだ、幾らか残っているのだと、そのことだけを強調されるようだが、そういうことを、二十四条の裏づけによって、さように執行者を拘束するのが協定書である。協定書退職希望者を除いて全員採用すると書いたならば、これは二十四条の精神が完全に盛り込まれているのだから、正式採用の名において吏員に採用されておる。もしそれを二十二条の適用を実際に合併に伴ってやろうとすれば、むしろその協定書一般職の取扱いの条項に沿うところだ、こういう解釈、これを自治庁は正しいと見ておるかどうか、それはいかがでございますか。
  99. 小林与三次

    ○小林政府委員 この協定書、私今見ておりますが、だから協定書はおそらく促進法と同じ趣旨でありまして、ともかくも従前の職員は、その際退職を希望する者を除いては、みんな新市の職員として採用する、こういうふうに明瞭に書いてあるのであります。でありますから、みんなともかく合併の際は全部引き継ぐ、こういう趣旨を明らかにいたしたのであります。あとは二十二条の法律解釈がそういう場合どう適用あるかという問題だろうと思うのであります。この協定書をお作りになったときは二十二条を頭に入れてお作りになったとは私は思えない。そんなことを一々お考えになったわけじゃない。ともかく職員は全部引き継ぐ、こういう御趣旨でおやりになったに違いない、こういうふうに存ぜられます。しかしそれが法律的にどういうことになるかという法律解釈をやれば、二十二条の適用は除外するんだという解釈は、これはむずかしいだろう、これは解釈だけを申し上げますが、そういうことを申し上げておるわけであります。そこでさらにそんなら二十二条は適用になるかもしれぬが、全体に職員の合理化の必要がかりにあったとして、その必要の有無にかかわらず、二十二条をすぐに振り上げた方がいいか悪いかということになれば、それは適当であるまい、こういうことを私は考えておるわけであります。
  100. 門司亮

    ○門司委員 もう一つ行政部長に聞いておきたい。これはあと市長さんによく聞かなければならぬ問題ですけれども、その前に小林君にちょっと聞いておきたい。それはこういうことなんです。先ほどから二十二条は人員整理の条項でないということは一応はっきりしておる。私はそう解釈する、またそうあるべきだ。そこで問題は人員整理の問題が大きくうたわれておるからこういう問題が出た。市長さんがお出しになったこれの中には、整理という文字が使ってあります。これだけ市の財産が浮いたということが市の公報に出ておるから間違いないと思います。明らかに人員整理だ。従って二十二条を適用したということは市長さんの行き過ぎだということははっきりする。これはおおい隠すことのできない事実だと思う。それで問題になるのは、法的の解釈に少しあいまいなところがあるようだから、もう少しはっきりしておきたいと思いますことは、この場合前職員は、この協定書に基いて、そうしてやはり市町村から退職手当なり何なりもらっておる。そして前の町村との身分関係がすっかり切れておるということが、前提条件にならなければ、二十二条でこれを考えるわけにいかないんじゃないか。この協定書の中には身分はずっと続くと書いてある。そして新採用するかしないかということは何も書いてない。この協定書の中に二つありますが、市長さんの方から出されたと思われる山形県の上山市と書いたものの中の市建設計画協定書資料(四)と書いて、職員の身分の取り扱いの項で、退職希望者を除き、全員新市の職員として採用する、これだけしか書いてない。ところが私どもの手元にある資料を見ますと、「職員の身分取扱等」とあって、その先に「一般職職員」とあり「退職希望者を除き、全員新市の職員として採用する。」この文句は市長さんのお出しになったのにも書いてある。ところがその先の「この場合、そのものの現町村職員であった期間は新市の職員としての期間に通算する。」こう書いてある。これははっきりこう書いてある。そうするとこれは吏員の恩給その他もそれで通算することになっておる。従って身分関係は一応切れてない、前の身分関係は続いておると一応解釈せざるを得ない、続けることができると書いてある。そこでその次にもう一つ書いてある。退職手当と番いて「合併の日に退職する職員に対する退職手当は現町村において支給する。」その次にロと書いて、「引続き新市の職員となる者に対しては、現町村職員の身分を失うこととなるが、この場合は退職手当は支給しない。新市の職員となった後、その職を辞した際は前後の勤続期間を通算して新市において支給する。」こう書いてあります。協定書にはこういうふうにたくさん書いてある。そして身分というものが一応継承されております。ところが部長の解釈はそれがすっかり切れた解釈。新しい採用だからこれでいいんだ。この場合は身分は必ずしも新しくなっていない。継続した身分がつながってきておる。従って部長のような解釈だとそういうことになる。これをなぜ明確にしなかったか。明確にすればそのような問題が出てくる。全職員退職させて、全部退職金を支給して新しく採用するならばこの解釈が出てくる。しかし片方において身分が継続されることが協定書に書いてある。そうすると必ずしも今の行政部長の意見というものは当らないのじゃないか、そう割り切った法的解釈では済まされないというふうに考えられる。この点の解釈はどうなりますか。
  101. 小林与三次

    ○小林政府委員 それでは重ねて私の考えを申し上げたいと思います。協定書は今門司委員のおっしゃいました通り書いてございます。これはまた純法律論をやるからとおしかりを受けるかもしれませんが、わざわざこういうふうに採用するとか、通算するとか、支給しないということを、つまり協定できめなかったならば、法律的にどうなるかといえば、みんな一応断絶してしまう、こう言わざるを得ないのでありまして、それをこの関係町村話し合いによって、しからば新町村において引き続きそういうふうにしよう、あるいは他町村において処置をしない、こういうことを約束して、これによって新町村では採用もすれば期間通算の条例も出す。そのかわりに新町村に入ってかりにやめることがあれば、昔から通算した期間を基礎にして退職金も出す、こういう建前にしてあることは間違いないのであります。この協定書はそうでありますが、今度は地方公務員法二十二条の法律上の適用というものは、その採用された職員について一体どうなるか、こういうことだろうと思うのです。それで純法律的にいえば、協定書はその通り事実上みんなやるようになっておるが、法律解釈からいえばこれは二十二条の適用がある、こう言わざるを得ないのじゃないか。そういうことを実は申し上げておるのでありまして、これは協定のいかんにかかわらず法律解釈の問題でありますから、そうならざるを得ない。しかしながら関係町村におきましては引き続き職員として採用して、従来通りの扱いをしようということを、関係町村の条例でおきめになったのでありますから、この趣旨に従って新町村が事を行われるということがしごく当然であろうと思うのであります。それにいたしましても採用することと書いてあるから、未来永劫に任用していなくてはならないか、これはまた別問題で、新町村は新町村事情に応じて、職員の更迭をはかることもあり得るだろうと思うのであります。どういう手続、方法でやるかということが、また問題になってくるのじゃないだろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
  102. 門司亮

    ○門司委員 そうこんがらがして話をするから、だんだんわからなくなってくる。私ははっきりしていないのじゃないかと考えています。今部長は協定だというが、この協定は明らかに法律に基く協定なんです。単なる申し合せじゃないということです。ところがその無視することのできない協定の中に、こういうふうにはっきり書いてあって、身分というものがはっきり切れておらない。つながったような、つながらぬようなことで、これは協定だからこういうものが出ておる。そうすると二十二条の適用というものは、この際私はここに法自体の精神が、人員整理に適用すべきでないという精神であることに間違いないということと同時に、こういうあわせて協定書に基く採用をしておるものに、二十二条を人員整理として適用したということは、これは明らかに法の乱用であると考える。これはどろぼうにも三分の理ありというので理屈はあります。法律をそのまま見たのだからということで、ほかの法律は知らなかった、おれはこの法律だけを見てやったんだといえばこれはそうかもしれない。しかしほかの法律があったのを知らなかったとは、この場合市が協定しているのだから言えないと思う。だから今の小林部長の言い分はあまりにも二十二条と協定を離した一つのものの考え方であって、この問題の解決のかぎにはなかなかなりがたいように思います。解決のかぎになるという一つの法律だけの解釈からいけば、何度も申し上げたように人員整理の対象としての法律ではないということだけははっきりしておる。さらにこれが事実問題として出てきた場合のこういう協定書があるにもかかわらず、これを市長は人員整理としてちゃんとここに書かれておる。そうしてそれによって三百何十万かのものが浮くから、従って首切ったんだ。そうするとこの三百何十万が浮くから首切ったというのは明らかに人員整理だ。これは条件付採用ではないということです。条件付採用の場合はそんなことは私は考えられないと思う。条件付採用をするということは必要人員を採用したということですから、決して冗員を六ヵ月ただ飯を食わせておるということはどこにもないと思う。それだけの人員が必要だから雇い入れたが、その中でピックアップをする者があったから、こういう結果になったというだけのことである。従ってこれは人員整理の口実にはならぬと思う。だから実際的の問題においても市長のとられた処置というものは明らかに――私が何度も繰り返して申し上げておりますように、法の一つの乱用だと私は考えるが、こういうように部長はお考えになるかどうか。
  103. 小林与三次

    ○小林政府委員 重ねてお答えいたしたいと思いますが、私は今申しました通り、この協定も法律に基く協定でありまして、この協定の趣旨に従って新町村が運営をやるべきであるということは、これはしごく当然の話でございます。それでありますからこの協定に従って新市の職員として採用をすれば期間の通算もやる、退職金等もこの規定に従ってやる扱いを新市としておきめになったのであります。だからこの点は間違いのない事実であります。そこでさらに現在の問題はそういうことをおやりになって協定を一応お守りになりましたが、そのうちの一部の職員について機構、組織を合理化するという見地から退職を求められた、その退職を求められるに当って、公務員法の二十二条の規定をお使いになった、こういうのは事実だろうと思うのであります。そこで私の考えでは公務員法二十二条は純粋の法律論から言えば協定はこの通りであるし、促進法はその通りであるが、一応法律的には団体が違ったものと見ざるを得ぬ限りは二十二条の規定は当てはまると解釈せざるを得ない。しかしながら二十二条の規定をたてにとって、こういう形で事が行われている場合に、機構、人員の合理化をはかるということが、それが適当かどうかということになれば、これは議論が大いにあり得る、そういうことを重ねて申し上げておるわけでございます。
  104. 門司亮

    ○門司委員 今の最後の問題ですが、議論が大いにあり得るということをはっきりしたいと思う。だから問題はそこにあるのです。法律だけを解釈していけば、あるいはさっき私が話したように、ほかの法律は知らなかった、おれはこの法律だけを知っておったからこれを見てやったんだと言われれば、それはそういうことになるかもしれない。今部長のお話のように肯定さるべきものでないというふうに解釈するのが私は正しいと考える、そういう私ども解釈が正しいかどうかということを、もう一度重ねてお伺いします。
  105. 小林与三次

    ○小林政府委員 そこで解釈法律解釈の問題ですから、私は今まで繰り返し申し上げたような解釈をとらざるを得ない、これはわれわれはそういうふうに考えておるのであります。しかしながらそうだからといって法律を運用するに当っては、それは今申しましたほかの条文もあるけれども、ほかの協定もある、そういう趣旨に従って運用することが適当じゃないだろうか、こういうことを申し上げるわけでございます。それともう一つからんでいるのは、それならば機構や人員の合理化そのものが、これは適当か不適当かということになれば、これは参考人の間におかれても、それぞれその必要を述べておられる方もおられるのでありまして、これはそれぞれ市の実情に従って判断するより仕方がないのでありまして、それに従って市長さんが責任をもって事をお考えになる場合に、やり方について二十二条を即座に持ってこられたということは、これは私は必ずしも適当じゃなかったと、こういうふうに解釈し理解しておるのであります。
  106. 北山愛郎

    ○北山委員 ちょっと参考までに聞いておきますが、この合併の際の協定に基いて、町村合併促進法の第二十四条に基いて採用したのですね、それは認めるわけですね、そうすると町村合併促進法第二十四条の規定によって、この上山市の合併協定に基いて辞令を交付した行為というものは、これは職員の身分を保有せしめた行為である、こう考えていいですか。
  107. 小林与三次

    ○小林政府委員 身分を保有せしめたという気持は、ちょっと私にはわからぬのです。要するに新市の職員の地位を与えた、これはもう間違いないことであります。この協定にも書いてあります通り町村の身分はなくなる、新市の職員として採用する、この協定通りだろうと思います。
  108. 北山愛郎

    ○北山委員 その協定なるものは町村合併促進法の第二十四条の規定に従って、その協定ができる、そうしてそれによって発令をされたとするならば、町村合併促進法二十四条だけの規定では、なるほど訓示的規定である、しかし現実にそれに基いた行為をしているのです。従って合併前の町村職員に、新しい市の職員の身分を保有させる行為をやった、こういうふうに解釈していいですか。
  109. 小林与三次

    ○小林政府委員 その通りであろうと思います。つまり二十四条の規定があって、その規定に基いて、協議によって身分を保有するように措置しろということで協定をお作りになって、この協定の履行として、新市発足の日に全職員を新市の職員として採用された、こういうことだろうと思います。
  110. 北山愛郎

    ○北山委員 それはただ採用という言葉を使っているけれども、やはり町村合併促進法第二十四条に規定するその採用は、引き続き身分を保有するという行為だ、そう解釈すべきではないかと思うのです。
  111. 小林与三次

    ○小林政府委員 それはその通りだろうと思います。二十四条に書いてある通りのことを実現された、こういうことだろうと思います。
  112. 北山愛郎

    ○北山委員 そうするとその行為によって発令を受けた者は、新しい上山市の職員たるの身分を保有した、その協定に基く行為によって保有した、しかもその根源になるのは町村合併促進法第二十四条の訓示的規定によって、そういう行為を上山市がやった、正式に職員として採用したのだと、こう考えるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
  113. 小林与三次

    ○小林政府委員 身分を保有するようにしたということは、これはもう間違いない。書いてある通りであります。しかしながら、私の申し上げますのは、そのときに地方公務員法の適用は一体どうなるかという、地方公務員法解釈問題になるだろうと思います。そうなれば、その地方公務員法においては、団体が変ったものと考えておる場合には、これは新規採用だというふうに解釈せざるを得ない、こういうことを申し上げたわけです。
  114. 北山愛郎

    ○北山委員 しかし二十二条というのは、いわゆる条件付任用で、六ヵ月たたなければ正式の身分を得ないような非常に不安定な形に、ある期間は置かれておるのであって、ほんとうの職員の身分というものは、その試用期間というものは持っておらない。そこに瑕疵がある、不安定な状態に置かれる、そういう規定なんだろうと思う。二十四条の方は、今のお話の通りこの場合は、町村合促併進法二十四条の規定に従い、それに基いた協定に従って上山市というものが正式に職員たるの身分を与えたのですから、この公務員法の二十二条の規定からははずれているのだ、その場合は、そういうふうな解釈は私は成り立つと思うのですがどうですか。そうでないと二十四条が意味をなさないことになる。それはなるほど規定としては訓示的規定です。しかしその訓示的規定に従って関係団体が協議をし、その協議に基いて、新しい上山市がそういう身分を与えたのだから、新しい市の職員としての身分は確定しておる。条件付でも何でもないのです。だからその際は地方公務員法の二十二条とは一つの特別法的な関係において、しかもその行為が実行されたのだから、地方公務員法二十二条のいわゆる採用と、言葉は同じであっても違うのだ、そういう解釈をするのが正しいのではないですか、どうですか。
  115. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは繰り返して申し上げることになってしまいますが、私は職員の身分を持つようには必ずしも、その点はやっておるというのです。あと地方公務員法法律解釈の問題にならざるを得ないのでありまして、地方公務員法解釈ということになれば、先ほど教育公務員特例法の問題を申し上げました通りに、特別の規定があって二十二条の適用を排除するというふうにでも書かなければ、地方公務員法の現行法の解釈としては一応この規定が働くものと読まざるを得ない、こういうふに考えておるわけであります。
  116. 北山愛郎

    ○北山委員 その際に町村合併促進法第二十四条というのは、規定の上では排除されているのです。ただ訓示的な規定であるから、はっきりとした除外例じゃないと言われるのですが、その規定に基いた行為そのものは、実現された行為としては地公法の二十二条から除外された、こういうふうに解釈すべきがほんとうだと思う。また国家公務員の場合を言えば、国家公務員の場合には、たしか人事院の規則に従って、現にほかの地方公共団体の職員である者を採用する場合には、指令をすればいわゆる条件付の任用でなくできるわけなんです。そういう今のこの協定に基いて、しかも町村合併促進法第二十四条に基いて発令したという行為がそれに該当する。これは同じような関係に立つ。ただ地公法の場合には国家公務員のようなはっきりとした規定がないから、人事院規則のようなものがないからあれですが、精神においては同じだと思う。ちょうど人事院規則によって、現に他の公共団体に勤めている者を採用する場合には指令をすれば、この条件付採用でなくなる、そういう規定がある。ちょうど今のような行為がそれに当る。要するに町村合併促進法の二十四条に基きできた協定に基いて新しい上山市が発令をしたのだから、それは指令したも同じことだ。従って現に地方公共団体の職にあった職員なんだから、二十二条の精神には一向関係ないわけで、試用する必要はない。今までも勤めて、ちゃんとやっている職員ですから、それを採用するのだから差しつかえない。ちょうど国家公務員の場合のその規定に該当する行為がこれに当るとも、私は精神上解釈できると思うのです。そういうふうに解していくのが法律解釈上は妥当なんであって、ただ採用という言葉だけにとらわれて、そうして形式的に解釈するというのは地公法二十二条のほんとうの解釈ではない、こういうふうに思うのですが、その点どうですか。
  117. 小林与三次

    ○小林政府委員 今国家公務員法のお話がありましたが、国家公務員法には明らかに人事院の指令できめれば条件付任用でないという場合を規定いたしておるわけであります。地公法にはそれに類する規定が実はないのであります。地公法にかりにあるとすれば、私はやはり法律か、少くとも政令か、一般的な規定としてこれを置くべきものだろうと思うのでありまして、これは個々の町村の意思いかんによって変る問題ではないだろうと私は思うのであります。それでともかくも二十二条は、それにつきまして何ら規定を設けておらない。地方公務員法には特別の規定というものは一つもない。それでただ、あとは協定なり促進法なりで、ともかくも合併を機会に首を切るようなことがあってはいかぬから、みな身分を引き継げということをはっきり趣旨といたしておるのでありまして、それに基いて新規――新規ということは語弊がありますが、要するに採用をして、身分を引き続いて保有させておる、こういうことだけは間違いないのでありますが、その場合に今の地公法の適用をやる場合にどういうふうになるだろうか、こういうことになりまして、そういう合併したような場合に二十二条をたてにとるというようなことは二十二条の趣旨ではないということを、私は繰り返して申しております。しかしながらそれだからといって、二十二条と関係はない。それならどの規定が働くのだということになりますと、これはどうも全く形式論だとおしかりを受けますが、一応法律解釈としては、ほかに続みようがないのじゃないか。読みようがないとあきらめて率直に申しますが、そういうふうに考えておるわけであります。
  118. 北山愛郎

    ○北山委員 そういうふうな解釈はきわめて残念ですが、地公法の二十二条を解釈する場合にも、そういうふうなこまかい規定がないとすれば、その規定意味解釈する場合に、あるいは適用する場合には、国家公務員法における趣旨とか、あるいはその規定というものを参考にして解釈するのが正しいのじゃないか、その規定の精神は同じなんですから。ところが国家公務員法の方には人事院規則でもって、現にほかの公共団体に勤めておった者を採用する場合には指令をすれば条件付採用でなくてもいい、こういう規定があるのですから、もようどそれに当るものが、町村合併促進法の場合においては、町村合併促進法の二十四条であり、それに基いた現実の行為があったのだ、それに基いて身分を保有させるという行為を新しい上山市がやっておるのです。その辞令を出したという行為は、それに基いた行為なんです。従ってこれは確実に、完全に新しい市の職員の身分を与えられた。条件付でも何でもない、こう解釈するのが当然だと思うのです。それは普通の条例から見たって、二十二条の法の趣旨から見たって、それをそうでなく解釈ができるのだというようなことは、いわゆる形式論理であって、これは三百代言の法律解釈です。どうですか。
  119. 小林与三次

    ○小林政府委員 形式の議論で申しわけないかもしれませんが、つまり採用するかせぬかという問題が一つ、採用した場合に、それは地方公務員法上どういう身分になるか、こういう二つの問題があるのでありまして、そこでともかくも採用するかせぬかは、普通の合併の場合はみな新しい町村になるのでありますから、本来ならこれは自由だといってもいいのです。これも形式的になります。それだから条例でも何でもみな吹っ飛んでしまう。しかしながらこれはともかくも全員採用しろ、こういうことがまず基本的にはっきりしたのが合併促進法だろうと思うのであります。その場合に、そうなら、それは地方公務員法でどういう規定になるだろうか、こういうことになると、三百代言という気持ばありませんが、地公法を公平に見れば、そう解釈せざるを得ぬじゃないか。それ以外には読みようがないじゃないか。無理に読んでおるわけでも何でもないのでありまして、そういうふうに考える。しかしながら、それなら合併の場合に二十二条を適用して、六ヵ月以内に何をやって弔いいというふうなことが、一体正しい行政の運営か、適当な措置かといえば、私はそれは必ずしもそうではないと思うのでありまして、それはそういうことのないように行われることを衷心希望いたしております。現在一般的にもそういうふうに行なっておるわけであります。
  120. 大矢省三

    大矢委員長 先ほど申したように、市長が健康があまりすぐれないそうですから、市長に質問があれば、それから先にやって下さい。
  121. 門司亮

    ○門司委員 私は市長さんにちょっとお聞きするのですが、市長さんでも加藤さんでもどちらでもよろしゅうございますが、こういう問題の発生した原因は、私はいろいろあると思いますけれども、事実問題について聞いておきたいのですが、身分の切りかえのときに職員全体にこういうことがあらかじめ予告されておったかどうか。新規採用の場合を適用するということなら、当然、お前たちは新規採用だぞということが身分関係においても、おのずから明確でなければならなかったと思うのですが、そのことが全職員に予告されておったかどうか、これを一つのお聞きしておきたい。
  122. 高橋熊次郎

    高橋参考人 そんなようなことは、おそらくは私は、地方ではどこの場所でもほとんど行われていないと思っております。法律というものはみな完全にわれわれの行動をよくしていくのだ、政府が奨励する仕事であるから、町村合併をする以上は、われわれの町村のためになるようにしようとすることについては、便宜なように法律ができ上っているだろうと思っておりますから、当局者として従業員にそんなことをあらためて申す必要も何もその当時はなかったのじゃないかと思うのであります。
  123. 門司亮

    ○門司委員 私は市長が六ヵ月後にこういう権利を発動されるなら、市長の職務として当然――従業員がそこの市に使われるか使われないかということは一つの働く権利です。しかもその権利を抑制する――抑制するというような言葉は悪うございますが、協定書の中には、当日までに希望のない者はやめてもいいという規定が設けられている。そういたしますと、もし現在行われた市長の行為に対して、市長は当然新しく採用したものと解釈されるならば、お前たちは新しく採用したのだぞということが、市長の口からあってしかるべきだと思う。これは法律を適用されるあなた方に責任があると思う。適用を受ける方にもあるいはそのくらいのことはわかっていそうなものだという議論があるかもしれませんが、その議論は通らぬと思う。市長から、法の二十二条によって当然君は採用するのだというようなことがあらかじめ言われていなければならぬと思う。この処置がとられているかどうかを聞いておるのです。
  124. 高橋熊次郎

    高橋参考人 そういう措置はとっておりません。しかしながら私は当初の市長ではありません。当初の市長というのは、御承知通り町村合併になって一ヵ月間は代理者で市長を勤めて、松本君がそのままやっておりました。そうして市長選挙によって十一月一日から新しく市長になった次第でありますが、初めはどういう処置をとったかということは、私が先に答弁するのは行き過ぎだと思っております。
  125. 門司亮

    ○門司委員 行き過きだというお話でございますから松本さんにお聞きしますが、前町長は、新しく採用されました場合に――もっとも新しく採用になったといったところで、問題は今の小林君の法律解釈からい、けば、市になったときの市長ですね。だから前の町長さんは代理者なのですね。そう解釈すべきですね。選挙されていないから市長ではないということですね。市はできたが、しかし代理者であって正しい市長ではない……。
  126. 高橋熊次郎

    高橋参考人 市長事務取扱い。
  127. 門司亮

    ○門司委員 そこで一応聞いておきたいと思いますことは、もし当該被害者――被害者という、言葉もどうかと思いますが、関係者である加藤さんの方にお聞きした方が早いと思いますが、総務課長として加藤さんは、市に引き継がれるときにそういう予告を受けられておったかどうかをお聞きします。
  128. 加藤辰造

    加藤参考人 その点、私からお答え申し上げたいと思います。実は私、町村合併事務につきまして関係一町五ヵ村の専任の事務をやるものを町長から委嘱されましてやったので、私がその事務局長として責任を持たされたのであります。従ってただいま問題になっております協定書、それも大体私が起案をしたものでございまして、今御質問のような点につきましては、先ほど松本前町長さんからも申されましたように、新規の採用とか条件付の採用というようなことは、毛頭どなたも考えた人もおりませんし、その当時地方事務所、それから地方課におかれましても、そういう点は全然触れておらぬのでございます。私どもとしましては、これが六ヵ月後において、条件付採用だから、ときとしたら人員整理をされる、今のような二十二条で解職されるというようなことは、全然これは考えもしないことでございます。それと協定書このものは、私ども事務に当った者は格別としまして、町村長方々、それから合併促進協議会の各代表の議員方々もよく御承知のように、この関係は、県の方から町村合併事務取扱要綱というものが、印刷物で各町村に一冊ずつ渡されたのであります。その内容におきまして、当時私ども県の方から渡された書類に準拠し、また地方事務所の方からこの協定書の準則が渡されたのでございます。その準則に従って書いたので、新たに採用するということじゃなく、引き続き採用するとどうして入れなかったかということが、今まで非常に問題になったのでございますが、これは私どももいろいろ考えなければならなかったかもしれませんけれども、大体県の準則と、それからその取扱要綱に準拠して、同じ字句を使っておるのでございます。その県の方から渡された要綱を私どもも一冊持っておりましたが、それはこの行政処分の取り消しのために、山形地裁の方に訴状を出しておりますので、その証拠としてその印刷物は添付しておりますが、そのかわりにそれを写したものを私ども持っておりますけれども、この内容においては、県の方から指導された要綱と、それから地方事務所の方から、合併された各地の計画の基本になるような協定書、その案を何遍となく私ども参考にもらったのでございます。それに基いてやったもので、上山市の発足と同時に、われわれは条件付採用だ、その六ヵ月間にはいつでも首切られるというようなことは、だれ一人考えていなかった事実でございます。
  129. 門司亮

    ○門司委員 大体わかりました。結局職員諸君は、そういうことの適用を受けるというようなことは考えていなかったと同時に、起案をした人もそういうことを考えていなかったので、私はむろん職員はそういうことを予知していなかったと思う。従って市長解釈は――かわられたと、言われておりますが、一方的の解釈だというふうに、この際われわれは解釈することがいいのではないかと考える。しかしこの点について市長はどうお考えになりますか。
  130. 高橋熊次郎

    高橋参考人 ただいまの御質問ですが、一方的の考えと申しますけれども、私は使用人の立場も考えておりまするが、一方において市長という立場でもって、全力をあげて、いかにりっぱな市政をしいていくかということをまじめに考えておるのであります。そうする時分に、無用な不適当な人はかわってもらわなければならぬ、やめてもらわなければならぬということになって、どういうふうにしようかということについては、加藤氏は東京にも参っております。また加藤その当時の課長は、県にも行って、しばしばそのことを地方課と打ち合せをいたしまして、地方課にこうこういう方法がある、二十二条の方法をよくわきまえて、そうして参っておるのであります。だからその二十二条でもって処分されてたまげたのは、とんでもないことです。そんなことは市会においても堂々と答弁をして、市会議員を啓蒙されておるのですから、そんなことはうそです。そういうことを一つ頭においていただいて、私が二十二条というもので、この法律によっていかなければならぬというのは、二十四条は、町村合併をする時分に身分が切れてしまってはいけないから前の縁故で引きずってきて、そうして身分をつなぐ、それだけを二十四条でやって、あとは二十二条でやるべきだと私は考えたのです。諸君はお笑いになっても仕方がない。それを私は考えた。これによって処置するのが当然だと考え、またそういう法の解釈について、私どもは地方におけるあらゆる機関を通じ、中央等にもいろいろな伺いを立てていただいて、そうして自分はそういう観念をこしらえて、それに専心いたしたのであります。しこうしてその結果として市民の大部分は喜んでおります。決して諸君が聞かれているように、市民は恨んでいるのなんだのというようなことは、うそであります。
  131. 門司亮

    ○門司委員 今の市長さんのお話でございますが、お年を召しておいでになりますので感情も高ぶるかと思いますが、この問題は、法律を審議いたしますわれわれにとりましては、きわめて重大な問題であります。新しいケースとして生れておりますので、将来こういうことが町村合併の支障になってはならないという私も心配を持っておりますので、実は御苦労をお願いしておるのでがざいますから、一つそういう点を十分了承して話していただきたいと思います。  それで今の市長さんのお話でございますが、市長さんもすでにお聞きになっておりますように、二十二条は人員整理に適用すべきものではない、人員の採用の場合に適用すべき法律であるということが、大体今まで小林さんのお話でもほぼきまっておる。そうなって参りますと、今の市長さんの御解釈の中にも、二十四条と二十二条と言われますけれども、二十四条と二十二条というのは法律は全然別な法律でありまして、二十四条といわれておるのは町村合併促進法の二十四条だと思います。この法律で身分を引き継げ、また引き継がなければならないようにちゃんと協定ができております。この協定をされたということ自身が、もし今の市長さんのようなお考えであるとするならば、この身分の引き継ぎというのは一体何を意味するかということであります。これは身分の引き継ぎではありません。現員採用じゃありません。採用というのは、本採用になったときに初めて採用という言葉がはっきり使えるのでありまして、法の二十二条を読んでごらんなさい。そうは書いてないと思います。二十二条の中には、職員を雇う場合には一応試験の期間として六ヵ月間を置くということは明確に書いてあります。その上において初めて新しい職員採用するのであります。これは試験の期間であることに私は間違いないと解釈しております。また条文はそういうことになっております。採用の場合にはという言葉がやはり使ってある。だから今の市長さんのお考えは少し考え違いをなさっておるのではないかというように私は考える。それでしかも、もし市長さんがそういうお考えであるとするならば、率直に私は聞いておきたいと思いますが、この整理を人員整理とお考えになっておるのかどうか。私は念のためにはっきり申し上げておきますが、あなたのお書きになっております、私の手元にありますあなたがお出しになった書類、これに明らかに市職員整理について、こう書いてあります。二十二条の適用は整理じゃありません。これは不適当であるから採用しないという規定であって、人員整理じゃありません。この期間中はまだ試験期間でありまして、木採用になっておらない。従って市の職員たるのはっきりした身分を持っておりません。ところがここには明らかに「市職員」と書いて、市職員たるの身分を持った者を整理したということがはっきり書いてある。そういたしますと、二十二条の適用を市長さんがおやりになったということは、市長さんの考え違いではなかったか、こう私は解釈するのだが、市長さんはそうお考えになりませんか。
  132. 高橋熊次郎

    高橋参考人 ただいまのあれは、その提出した書類はかつての市会の速記をそこであげたのであります。どういう名題で出しましたか、ちょっと私は記憶しておらないのであります。だれが出そうが、市長の名義が出せば私が書いたと同一でありますから、あるいは整理であるという文字を使ったかもしれません。私はそういう文字を使ったといたしましても、法律上でこれは整理にのみ使われるのだとか採用にのみ使われるのだとかいう、そんな狭義に法律解釈する必要はないと私どもは思っておりますし、私ども法律解釈いたしておる間は、そんなに小さくは解釈はいたしておらなかったのであります。それですから、この法律にあります文句で律し得られるものはそれによっていくのだ。促進法の二十四条は身分である、こちらの方の二十二条は新規採用だけに用いるのだというようなことには、もっと明細に書いておかない以上は、そういう理屈は私どもにはわからぬのであります。それでありまして、どっちともこの利用ができるのでありまして、促進法の二十四条というものは、古い市町村から新しい市に引き継ぐまでの間はそれにより、将来処分するときの身分、待遇というようなことを計算する時分にはその方法を用いていくのだ、前からも通算していくのだ。しかしながら新採用の基本であるところの二十二条というものはどこまでも生きていくのだ。それですから六ヵ月の間はその二十二条によってわれわれは仕事をしていかなければならぬ。六ヵ月以上は今度はまた別であるが、六ヵ月以内はその二十二条で私どもは動いていかなければならぬ、こう解釈をいたしております。
  133. 門司亮

    ○門司委員 その解釈は、市長さんは私どもの先輩として法律は非常に詳しいと思いますけれども、もう少し条文を読んでいただきたいと思うのです。二十二条にはこう書いてあります。前段に「条件附採用及び臨時的任用」と書いて、これは明らかに任用、採用規定であることは私は間違いがないと思う。これには何らの解釈を与えるという規定はどこにもない。今市長さんはいかにもわれわれが狭義に解釈をするからけしからぬというおしかりの言葉と、私どもは拝聴いたしますが、私どもの先輩として私はもう少し法律の内容をごらん願いたいと思う。法律には明らかに任用、採用の条項として明文が書いてあります。そうして解職の場合は二十八条とか、あるいはその前の二十何条でありますとか、いろいろ身分に関係することはここに書いてあります。分限及び懲戒の基準は二十七条であり、さらに二十八条がそれを受けた法律ということにずっとなっております。おのずから法律には、その条文の適用範囲というようなもの、条文の精神というようなものがまくら書きに書いてあります。そう書いて参りますると、私どもの二十二条の解釈というものは、採用規定であるという解釈が正しいと思う。法律を字の通り読んでごらんなさい。あなたは字の通り読んだというが、字の通り解釈してごらんなさい、どうしてこれが解職の規定であるか。だから私はさよう申し上げておる。だから私は市長さんのお考えは実は考え違いではなかったかということを聞いておるのであります。
  134. 高橋熊次郎

    高橋参考人 ただいま御丁寧なお尋ねにあったのですが、私は法律の字句について詮議をしたことを申し上げているのではないのであります。この法律を基準にして、そうして市政をやるに適するものはこの条項である、またあの条項であるというようなことで言ったのである、こういうことを申し上げておるのであります。私はもとより法律の専門家ではございません。それで、私どもは多年皆様にごやっかいになって議会生活をいたしまして、七回当選をさせていただいたのです。しかして今日市長を勤めさせていただいておるのでございます。しかしながら法律というものはそうそっちへこっちへ字句に拘泥をしなければならないような、そんなものじゃないのじゃないかということを申し上げておるのであります。もちろん法律に書いてないこと、そうじゃないということを――右に向けというやつを左の方に向けてもいいんだなどということを言っているのじゃないのです。同じ右の方に向いておるものならば、その方面に一尺や二尺の違いがあっても右の方に向いていけるじゃないか、こういうことを言っておるのであります。いわんやこの法律は、ただいまいろいろなお話がありましたが、どちらにでも解釈ができるんだと私は思うのです。二十二条というものを私どもはそうとって、そうして今度退職を一部の人にしてもらうに、これが適するということを考えてやったのである、こういうことなんであります。それで今度ともかく整理とかなんとか申しまするのは、今度の町村合併というものは、規模を適正にいたさなければならぬというようなことをうたっておりまして、そうしてその中にはむろん活動的にするにはその人員の物的あるいは質的の整理調整をはかっていくということを、まず第一にやらなければならぬと、普通の常識を持っている地方のものはみな考えておるのであります。中央においでになる方は、またもっと大きな方面から見ておいでになりましょうが、地方の方でほそう考えておるのであります。そうするには、たくさん方々から集まってきた人々でありますから、どこへやっても、今まで何年地方行政事務に携わったからそれが完全に勤められるなんというものではございません。それにその履歴を少し見てごらんなさいまし。履歴を見ますと、ずいぶんずさんな履歴の人が相当上級に達するものですから、その指導の任に当るになかなかめんどうだというようなことがあるのです。しかしながらこれは一様には申し上げられません。学歴などによらずして、ずいぶん自分で勉強してやっている方も中にはあるのであります。それですけれども、中にはそうでない人たち相当にあるのであって、これを何とか入れかえもしなければならぬ、こういうようなことを考えまして、そうしてこれもすみやかにやらなければならぬというようなことで、この二十二条によって私どもは処理をいたしました。これが適当であると誠心誠意考えてやったのでありまして、これが高橋は間違ったから罰するといわれれば、それはやむを得ないことだと私は思っております。
  135. 門司亮

    ○門司委員 市長さんの気持はよくわかります。何とかしなければならなかったという気持はわれわれもよくわかりますけれども、しかし取扱いの上においては、気持がそうでありましてもおのずからものには順序と、それからもう一つは、こういう公けの機関でございますから、先ほど市長さんは使用人というようなお言葉をお使いになりましたけれども、これは決して使用人ではございませんで、明らかに地方公務員という身分を持っておりまして、市長さんの使用人でないということは事実であります。使用人というような考え方でやられては迷惑でありますが、そういうことはあまり強く責めません。しかし私どもが考えておりますのは、先ほど来申し上げましたように、二十二条の規定というものは、あくまでも任用規定でありまして、第三章第二節の任用という規定の中に二十二条が入っておりますから、人員整理等に使う条項ではないことは法律上おのずからはっきりいたしております。私はこう解釈すべきだと思います。ところがたまたま市長さんがお出しになっている書類にずっと書いてありまして、朗読してもよろしゅうございますけれども、朗読すると長くなりますからいたしませんが、市職員整理についてという見出しで、市長高橋熊次郎とありまして、たくさん書いてあります。その最後にこういうことが書いてあります。「更にこの度の行政整理の結果、本俸のみを見ても年間約百二十万円の人件費の節約が見込まれ、更に諸手当(扶養手当、勤務手当、期末手当等)を加えれば、少くとも年間百五十万円の節約が期待される。更に旧町村助役収入役の本俸を加えれば本俸のみを見て年間約三百六、七十万円の節約額である事を附言しておきます。」と、こう付言してあります。この付言の冒頭に「更にこの度の行政整理の結果、」と明らかに書いてあります。従ってわれわれはあくまでもこれを行政整理と見ておるのであります。行政整理を行おうとするならば、やはり法の第五節に属しまする二十七条ないし二十九条が当然適用さるべきであって、二十二条は行政整理に適用すべき条項でないということを、私は繰り返して言う者であります。今申し上げましたことにもし市長さんが御疑念があるならば、御老齢でおいでになるからはなはだ御迷惑でありますが、一応法律をごらんを願えばよくわかると思いますが、法律には明らかに任用規定の中にちゃんとこれが書かれてあります。第三巌の職員に通用される基準という条項からずっと始まっておりまして、第二節任用という文字が十五条からずっとつながって、そしてこれが二十二条の第七項で終っております。従ってこれが行政整理の結果という言葉をお使いになっており、もし今の市長さんのようなお気持であるとするならば、これはどうしても二十八条でおやりになることが至当だとお考えにならないかどうかをあわせてお聞きしておきます。
  136. 高橋熊次郎

    高橋参考人 ただいまのお尋ねでありますが、その演説は草稿も何もなしに――私は東京から帰りまして、その朝に市の全員協議会が開かれておったのでありまして、それに出席せよというので、私ばこちらにも会合があって日帰りで帰りました。そうして出て参って、草稿なしにずっとしゃべったのでありますから、その中に字句等で取扱いが粗末であったかもしれませんが、その趣旨だけは取りまとめたつもりでありますから、どうかさようにその辺のことを御理解を願って読んでいただきたいと思います。
  137. 門司亮

    ○門司委員 私はこれであまり押し問答はいたしませんが、趣旨といいますその趣旨がどっちの趣旨だかわかりません。市長さんがどうしても行政整理のような趣旨で町の経費の節約をはかるという趣旨であるのか、あるいは二十二条を適用することが適法だと考えたという趣旨であったのか、どっちの趣旨ですか。
  138. 高橋熊次郎

    高橋参考人 私は人を処理するという場合には、三月三十一日の六ヵ月の期間内は二十二条によるべきものであるということを考えて、それでやったのであります。
  139. 門司亮

    ○門司委員 そこで私が先ほどから市長さんに申し上げておりますように、私ども解釈としてはあくまでも任用規定であって、人員整理規定ではないという解釈が正しいと思う。これは全体のいわゆる働いております公務員の諸君に、条件付の採用であるということが徹底しておったかということを、先ほどお聞きしましたけれども、徹底しておらないということです。おそらく二十二条が適用される場合、新規採用の場合にはあらかじめ新規採用する人にはそういうことが予告され、また新規採用の諸君にそれを了承の上で任用という条項に当てはまる処置がとらるべきであるということだ。それと同時にこの二十二条の規定というのは、これによって首を切るという規定ではございません。任用等の中にこれを含めたということは、任用は一応よかろうといって市役所採用した場合に、それを何でもかでも使わなければいかぬというのでは困るから、六ヵ月といういわゆるその者の身分の調査をしなければならない、履歴書が正しいかどうかということを調査しなければならない。同時にその本人の能力も一応たださなければならぬというので、任用の諸条件についての期間をこの条文は与えておるのであります。ですからこの条文は、あくまでもあなたがお考えになっておるような、人員整理に当てはめて使うものではないという解釈は正しいと考える、また法律はそうなっておる。従って市長さんにお聞きしておるのは、市長さんは二十二条が正しいとお考えになっておるように私は今察知いたしますが、その二十二条の市長解釈は誤っておられるのではないかということを実は聞いておるのであります。
  140. 高橋熊次郎

    高橋参考人 私は六ヵ月の期間は試用期間だ。それであるから六ヵ月の間に良好なる成績でその職務を遂行したならば正式採用となるのだ。それでなければ正式採用とならないのだ。なるということの反対はならない、こういうことに私は解釈をいたしたのであります。
  141. 門司亮

    ○門司委員 どうもそこがわからぬのです。市長さんの任用の解釈はそれでいいと思います。しかしあなたのおとりになった処置は、人員整理と書いてある。人員の整理というのは規定があって、整理する場合と任用とは非常に大きな開きがある。二十二条の規定はかりに六カ月雇っておるのであって、本格採用でも何でもない。これでは人員整理とか何とかいうことはできません。人員整理の場合には、第五節以下に書いてあるものが人員整理に当てはまる規定ではないかと思う。ここにはいわゆる職種がかわったとか、あるいは予算で人間が減されるとかいうような万やむを得ざる処置について、人員整理を当然行うということが五節以下に書いてあるのでありまして、あなたのお考えになっている人員整理は二十二条の規定でおやりになれるのだというお考えは誤りだと思う。これはどこまでも試験的に採用しているものをやるのである。だからもしあなたが今お考えになっておることが正しいとするなら、こういう問題は起りません。起る道理がない。これはあらかじめお前たちは新規採用だから受け継ぐのではないのだ、同時に市長さんは予算が浮くとか浮かないとか言われましたが、その人たちばそんなに予算を食っているわけではありません。六ヵ月の試験的採用であって、年間予算がここで節約されるとは考えられません。だからその点を市長さんにお聞きしておるのであります。
  142. 高橋熊次郎

    高橋参考人 非常に大きな問題というわけではなくして、十分の一くらいの人間を退職せしめたのであります。そういうようなことでありますから、あるいは整理ということは便宜上使っておったかとも思うのです。そういってもよかろうし、法律上でいわなければならないということになれば、二十二条によって、こういうぐあいで正式採用にならなかったというような言い方もしなければならぬだろうと思いますけれども、別に私どもはこの忙しい市政におきまして、そういう文句の区別をしなくても十分市民にもわかってもらえる、上局にもわかってもらえる、こういうことを考えたものでありますから、そういうことについて注意を深く払わなかったのでありますが、そういうものは法律に間違いがあるから、それをよく研究して訂正しておいたらよかろうという御忠告ならば、またよく考えてみたいと思います。
  143. 加賀田進

    ○加賀田委員 市長にちょっとお尋ねしたいのでありますが、門司委員の言った人員整理と二十二条との問題の話からいろいろ矛盾が起ってきていると思う。今市長の方では二十二条適用でいわゆる条件付採用であって、六ヵ月間終ったらその間で成績の悪いものは当然これはやめてもらわなければならぬ、こういう発言があったのでありますが、聞くところによりますと三月三十一日付で二百何名の職員全部に免職辞令が渡っているということを聞いているのでありますが、もし二十二条の適用の上に立ってこれがなされたとすれば、その間職務に良好な成績を遂行したときに正式に任用になる。逆に成績が悪いということになりますと、全員の二百何名の職員が成績が悪いということになり、そういう意味でなされたかどうかということをお伺いしたい。
  144. 高橋熊次郎

    高橋参考人 それはその当時は多少そういう考えもいたしたのでありまするけれども、しかしながらそのうちにはそうとがむべきものはないのであって、それだからそういうような全員に対してそういうことをやるのはおもしろくない。それであるからそれは取り消す意思があるというようなことをそれと同時に申しまして、またその代表と会いますときには、取り消したから云々ということを先ほど私は第一回にここで申し述べた際にその事実を申し上げておいたのでありまするから、これは取り消したのであります。
  145. 加賀田進

    ○加賀田委員 それはいつ取り消されたかしりませんけれども、もう一つ問題になるのは、その問題が事後取り消されたとしてもあらためてこの問題が、採用辞令を出したとするならば、この採用辞令に基いてまた今度は現在条件付の任用ということになれば、六ヵ月は不安定が継続するというこの二十二条を適用されると起って参りますが、そういう場合に問題もあるので、いわゆる二百何名が全部そういう勤務成績が悪いという観点の上に立って二十二条を適用して出されたのか。あるいはそうでなくして二十六名ですか、いわゆる免職された人を対象とする一つの手段としてそういうことがなされたのか、その点を一つ明確にしていただきたいと思います。
  146. 高橋熊次郎

    高橋参考人 二十四名とは全然異なっております。そういうことはたびたびその人々にも申しておりますが、その人々にもこれは繰り返すのではない。これをまた六ヵ月繰り返されるというような疑いがあるということならば、そういうことは何か書面に書いてもよろしい。しかしながら事実でこぼこをならすのであるから、どうしてもならせないから、この恒久のでこぼこを直すためにやる仕事であるから、それさえ直るということの見込みがつけばこれは取り消してよろしい。こういう気持であるということをその時分に言っておいた。私はその晩に上京するものですからそれ以上のことは言えませんでしたが、上京して私こちらで工合悪くて一、二日遅れて帰って参りまして、その連中の代表者に会いまして、その場合に取り消したからということを通告し、その辞令を全部こちらへもらいたい。それで二十三名分でしたか、その分だけをとっておいて、あとの分は返せというので、それを持って自分の部屋に行ってより分け始めたわけです。そうしてやったのでありますけれども、先ほど申し上げたのでありますが、それは自分たちも総会で決議をしたのであるから、どうも三人だけの考えでは渡せないから、いずれまた相談の上にしなければならないというので、お返しするのはきょうでなくしてもらいたいという、それはけっこうで、別に何も急ぐわけではない、しかしながら無効なものは無効であるから、こいつをいつまでも持っているわけはないのだから、それはこっちへ返してもらいたいということを申したということを先ほど申した。
  147. 西村力弥

    西村(力)委員 政界の大先輩に対しましてあるいは失礼に当ることになるかもしれませんが、その場合には平に御寛容のほどをお願い申し上げたいのですが、やはり長いこと政界の重鎮としてあられましたために、先ほどはしなくも出た使用人という言葉が示すような工合の考え方が相当あるんじゃないかと思われるわけなんです。市民のためにと、かように考えることは、まことにけっこうでございまするが、市民のためならばその代表機関である市会の意思というものはやはり尊重されるのが一番じゃないか。それで私のお聞きしたいのは、市会が責任持って作り上げた協定書というものを十分に尊重するという立場は今までもとられ、今後もとられていかなければならない。はっきり尊重なさるという、こういう御言明を賜わりたいとともに、この整理をやる場合に、この協定書一般職の身分取扱いに関しては、どういう趣旨で作られたのかということを当事者におただしになられましたかどうか。もしただされていないとするならば、この協定というものを尊重した、あるいは市民の意思を尊重したという工合にはならぬじゃないか、かように私は考えざるを得ないわけなんであります。その点について御答弁をお願い申し上げたいと思います。
  148. 高橋熊次郎

    高橋参考人 市会の決議等について、また意思等についてこれを重しとしなければならぬということはむろんであります。あなたおっしゃるのはこの前の市の決議でなくして、市の全員協議会の決議文を申されるんじゃないか。その市の全員協議会の決議文を、市会の名をもってという文字を決議文に書かれたり市会議長なにがしなんというのを書かれたのは、私はこれはのむわけにはいかない。これは悪く言うと高橋が何でもかんでも法律を悪用した悪用したと言われるから、同じような論法をもって言うと、これはやはり悪用したとか要用したとかいうようなことになるのだろう、それだからこういうものは効力がないものと思われるわけであるし、その内容等については私はこれをお受けするわけにはいかない、この時分にはそう申した、そのことをおっしゃるのじゃないのでしょうか。
  149. 西村力弥

    西村(力)委員 私が言うのはそれとちょっと違いまして、協定書です。これははっきり新執行者である高橋市長さんを拘束するものである、それを尊重される立場がほんとうに市民に忠実なるゆえんである、こう私ば思うのです。だからその協定書趣旨について、二十二条の適用においてやろうとする場合にどういう趣旨でこれをやったのか、こういうことをただされたかどうか。
  150. 高橋熊次郎

    高橋参考人 いや失礼しました。私はその問題がよく問題になったものですからつい失礼しました。その協定書というのが先に作られたのでありますが、その協定書の問題だって、法律によって二十四条を書きかえたようなことだと思うのであります。それですからそれはそれで重んじております。しかしながらそれと二十二条の適用は違うということだけ申し上げておきます。
  151. 西村力弥

    西村(力)委員 合併されるについては、それぞれの自治団体がいろんな困難とか障害を排除して合体する。その際に行われる協定というものは相当重要なものであると思うのです。これが軽視されたなら、あるいは合併以後においては相当に摩擦が出て、せっかくの合併がおもしろくない結果が出るということも考えざるを得ない。あくまでも協定書というものは尊重されなければならない。それであるのにかかわらず、ただ御自分だけの御見解で、この協定書を自己流に解釈されてやるということはあまりに合併の重大性という問題、あるいは新しく市民になられたすべての住民の意思というものが表象されている協定書というものを尊重される立場ではないじゃないか、かように私は思うのです。その点はまことに遺憾に思うわけなんです。  それで松本参考人にお尋ねしまするが、先ほども陳述があったと思うのですが、当時の協定書を取りまとめられる責任者としまして、はっきりこの身分というものは従来の正式採用のまま継続するんだ、こういう理解のもとになされたのだ、絶対に条件付採用に落す、こういうようなことではないんだ、こういう理解のもとになされたということをあなたは明確におっしゃることができるかどうか。
  152. 松本長兵衛

    ○松本参考人 先ほどの陳述にも申し上げました通り合併いたしますにつきましては、それぞれの町村の吏員の身分を保障するという例の促進法二十四条によりましてこの協議の協定書を作ったのであります。従いまして、各町村職員はそのまま市に移行するのでありまして、新たに採用するわけでもなければ、条件付でも期限付でもないものだ、そのまま市に移行するものと解釈しておったのであります。なおこのごろになりまして法律解釈のめんどうなことを痛感をいたしたのであります。その当時は、地方公務員法二十二条がこれに関連するというようなことは考えにもなかったわけであります。全部促進法によって合併するならば促進法が優先するんだ。人口十万以上の都市で促進法によらない合併は違いますが、促進法にのっとって合併したものは当然促進法が優先するものである、さように考えておったのでございます。
  153. 大矢省三

    大矢委員長 市長さんは先ほど来病気だと、言われております。大体質疑は終ったんじゃないですか、市長さんだけは帰っていただいたら……。
  154. 西村力弥

    西村(力)委員 そうしますと、松本参考人合併当時の責任者あるいは合併促進委員として努力せられた小池参考人、大場参考人、すべての人々は、決して自分は条件付採用という工合に落されることなく、継続したものとして引き継いで採用されるんだという理解のもとにその協定書を結ばれた。だからやはり新執行者はその協定書に忠実であるべきではないか、これがほんとうに市民に対するゆえんではないか、かように思うわけなんです。そういう立場ではっきり新執行者を拘来する協定書に基いて今回の問題は善処するというような工合な方法をとられることが自治団体の首長として当然なる立場であるんじゃないかと私は思うのであります。
  155. 高橋熊次郎

    高橋参考人 自治団体というものは非常に活発に動きまするし、時代に即応して動く一つの機動体ともみなされるような活発な動き方をしておる団体であることは御承知通りであります。それでありまするから、その最初の場合にそうでありましても、その後の、ことに人員などというものは、働き振りがどんな働きでも、仕事を思うようにしなくてもそれでよろしいということを許されるならばそれでよろしいのです。そういうことを許されない場合には思い切ってやらなきゃならぬ。そういう場合には、先でこしらえた書類であるから、あくまでこれを厳守していかなければならぬなどという義務は、市長にはないと私は心得ております。
  156. 西村力弥

    西村(力)委員 今は一般工場の労働者でも、そう簡単にむちゃくちゃに首を切るなんということはあまり正当性を持たない考え方になっているのです。ことに公務員の場合においては、そういう身分の安定性というものは、相当程度厚くこれを保護していかなければならない。単なる一個人の使用人であるがごとく、一笑一顰によって首がふらふらするというぐあいにしておったとするならば、この公務員は大衆の奉仕者ではなくて、権力を持つ一個人に対する奉仕者というぐあいになってしまう。こういうことは公共団体においては許さるべきことでない、私はかように思うわけなのです。今御自分の立場をいろいろ申されておるのでございまするが、一体この人員整理はいつからお考えになったか。
  157. 高橋熊次郎

    高橋参考人 就職すると同時に考えておりました。
  158. 西村力弥

    西村(力)委員 それでありまするならば、三十年度の予算を提出し、それの議会の承認を求める場合においては、かくかくの人員は必要だ、市政をやるために必要だ、こういう自信のもとに、確信のもとに提出されたのでございまするから、そのときには人員整理ということは、その予算面においては何ら意思表示されてない。市会をたぶらかすもはなはだしいことに相なるのではないか、かように思う。
  159. 高橋熊次郎

    高橋参考人 国会でも私どもは同じことだと思うのですが、数字のはっきりしないというようなものは、そうたやすく発表をしたり、また市会などに諮ったりするということはできまいと私どもは考えておるのです。少しそういう方面は憶病であったかもしれませんけれども、はっきりしないものに対して、発表などはいたしたくないと私は考えております。
  160. 西村力弥

    西村(力)委員 そういうことをいろいろ論議しても、結論にはあまり影響ないかと思うのですが、とにかく十一月からそのことを予想して計画せられたならば、何がゆえに抜き打ちにやるか。人情市政を最も大きな看板とされ、われわれもそれを信じている高橋市長さんが、何がゆえに抜き打ちにやるか。あまりにそれは市長さんの経歴に対して残念な結果をもたらしたのじゃないか、私はさように思うのです。真珠湾攻撃の精神でやるというようなことを今やられたのじゃかなわない。もっと人情をもってやられるべきではなかったか。そのためにも、私は協定書というものに忠実に従うという精神をどうして貫かれなかったか。まことにその点残念なのでございますが、その点に対しては答弁を求めません。  一体自治庁行政部長は、あとになるとしかしながら、しかしながらと申しますが、あなたが言うそういう正しいという解釈が出ると困るから、町村合併促進法の二十四条を入れたのですよ。それははっきりしているじゃありませんか。あの二十四条が完全な拘束規定じゃない、訓示規定であるにしても、これに基いた方向としては、常に引き継ぎ職員として身分は保全されなければならぬということが原則なんです。原則でないごく一部の場合があり得るかもしれませんが、その二十四条というものの原則をやはり貫いていく。それが協定書に現われているのだから、それはやはり協定書によって新執行者は拘束されて、二十二条の規定協定書によって否定されている、こう解釈しなければならない。そう解釈していかなければ、あの二十四条というものは死文になってしまう。それは何も意味がないことになってしまう。そうして、ずっと成規に採用になってきた者が、がたっと新規採用に落された。これでも身分の継続ということは言い得ない。どうです行政部長、その見解をはっきりしてもらいたい。私の言いたいのは、身分の継続というものは、正式の採用がそのままの姿でいくのだ、そうすべきであるということを、二十四条によって原則をきめている。その原則をそのまま生かされたのが協定書なんだ。だからその協定書が新執行者を拘束する。運用上好ましくないというのではなく、この協定書は二十四条の裏づけを持っているのだから、二十二条の適用を排してきているのだというぐあいに解釈しなければならない。私は町村合併促進法制定の趣旨から、はっきりさような解釈を立てるべきだと思うが、部長の見解を明確にしてもらいたい。
  161. 大矢省三

    大矢委員長 高橋参考人から公述の訂正があるそうですから……。
  162. 高橋熊次郎

    高橋参考人 私先ほど公務員を使用人というような言葉を使ったそうですが、指摘されるまで少しもわからなかったのであります。やはり昔の悪いくせが残っておるのかもしれないと思っておりますが、そういうことは非常なあやまちであります。これは公務員と訂正をいたします。どうぞお許しを願います。
  163. 坂本泰良

    ○坂本委員 関連して。ちょっと市長さんにお聞きしたいのですが、法はやはり正しく守らなければならぬ、従ってその解釈も正しくしなければならない、そう思うのです。従ってこの地方公務員法も、それから町村合併促進法も、やはりこれは従来一般公務員というものが、すべての奉仕者として地位の安定を得てそこに奉仕をしているわけなのですから、その身分の取扱いにつきましては、慎重にやらなければならない、そういう法の考え方に立つわけです。そこでこの新市建設計画協定書の四の一の身分の取扱いという条項は、町村合併促進法の第二十四条の趣旨に基いてできておると思う。従いまして、上山前町長の話がありましたように、この協定書によると、一般職職員全員新市職員として採用される。この採用されるというのは、その地位そのものがずっと新市に移行するのだ、こういう法の考え方に立たなければならぬと思う。そういたしますと、市に移行するという上山前町長の言葉もございましたが、これば新たな者を採用するのじゃなくて、やはり引き続いてその職を行わしめる、こういうふうに解決しなければならぬと思うわけです。そういたしますと、十月一日の新市の発足と同時に、この一般職は新市の職員として採用になったものだ。多少の条件はあると思いますが……。従いまして、そう考えますると、この引き継ぎを受けた一般職に対するところの処分の問題、この問題は、やはり二十二条でなくて二十七条以下でこれを処置しなければならない。それが法の正しは解釈であり、これを適用しなければならぬと思います。それを本件におきましては、二十二条で処置をされた。これは明らかに法の適用を誤まったものじゃないか、こういうふうに考えるわけなのです。これは単に市長さんが、さっきからいろいろと申されました信念の問題、あるいは新市をいかに運用しようかというその熱意は熱意として、やはりその熱意を発揮されるのには、正しい法の適用をしなければならぬ。そういうふうな考え方に立ちますと、この協定書促進法の二十四条をにらみ合せますると、やはり二十七条以下を適用してやらなければならぬ。それをやらずに、二十二条の新規採用の点を適用されたのは、明らかにこれは法の適用を誤まったのじゃないか。こういうふうに考えますが、その点について一言御意見をお聞きしておきたい。
  164. 高橋熊次郎

    高橋参考人 それは先ほどから再々お話がありましたが、促進法の二十四条の解釈は引き継ぎでないという解釈をいたしておるのであります。それで採用であると私ども解釈いたしておりますし、今度は二十二条に移って参って、六ヵ月の期間の間はその二十二条でやるので、引き続きという意味解釈するのではない、中断はしているのだ、だからこれは中断したままでおいてはいかぬぞ、それであとからこれはみんなこっちの方へ引き継いでもらわなければならぬし、また恩給だとかあるいは退職手当は従来の町村で働いた部分も計算に入れなければならぬぞということを訓示的に教えたもので、それを引き継いでこしらえた先のものであって、今度今の町で作りました条例等もそれに基いたので、その先の運営上においてどういう解釈をしていかなければならぬか、どういう法律を適用していかなければならぬかということを決して差しとめたものじゃないと私ども解釈をして動いておったのであります。
  165. 坂本泰良

    ○坂本委員 その点についてわれわれはこの法の解釈上非常に疑問があるわけであります。と申しますのは、第一は、解釈の問題とは離れましても、今市長の言われたような点で市町村合併協定書並びに促進法の二十四条を解するならば、われわれは今後また町村合併を多数やらなければならない場合において非常な混乱を生ずる。というのは、一般職関係の取扱いについて、この上山市に行われたようなことが行われるということになれば、今後の町村合併について重大な支障を来たすのではないか、こういうふうに考えられるものですから、この法の正しい適用についてわれわれはこの上山市の問題を重視しておるわけなのです。でありますから、二十四条の精神に基いて協定書がありますれば、やはりそれは守らなければならない、その上に立ってやはり地方公務員法の適用も、解釈もしていかなければならぬじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。そういたしますと一応二十四条と協定書でやってもそれから先はかまわないのだ、こういうものでなくて、新市についてはやはり協定書あるいは町村合併促進法が乗り移っておるのでありますから、それを無視してやることはできぬのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。その点について、地方公務員法の二十二条の解釈は、この町村合併の場合にはやはり持ってくるべきものでない。これに異論を言うようではこの法の解釈、適用を誤まっているものである、こういうふうに考えるわけですが、きょういろいろ質疑された上に立たれても、まだ二十二条でかまわないという考えでおられるかどうか、一言だけ承わりたいと思います。
  166. 高橋熊次郎

    高橋参考人 非常に頑固なようでありますけれども、私の信念は変っておりません。ただいまの二十二条と促進法の二十四条の関係は、私ども解釈した通りで進みたいと思っております。
  167. 坂本泰良

    ○坂本委員 私はこれ以上討論しません。この問題については訴訟が起っておりますから判決で決定されると思うのですが、われわれ地方行政委員といたしましては、この上山市だけの問題でなくして、正しい法の適用ということを中心としておるのですから、その信念が変らない以上は、これは判決によって決定するよりほかないと思います。
  168. 北山愛郎

    ○北山委員 関連して。ただいまのお話の中に、この場合は引き継ぎでないと考えておるというお話がありました。参考までに申し上げておきたいのですが、一昨年の七月に参議院で町村合併促進法の審議をした場合、政府委員であった鈴木自治庁次長はこう答弁しておるのです。この第二十四条の問題について「これは合併の際の一般原則によりまして、合併町村は被合併町村事務を承継するという原則から、さような職員等につきましても当然にこれを承継するというふうに、従来とも各市町村におきましては扱っておるのであります。その考え方はやはりこの場合におきましても同様に遵守されるものと考える次第でございます。」と、同じような趣旨のことを当時の政府委員が答弁して、解釈として一つの基準になっておるわけなんです。従って何もそういうことは関係のない新規な採用であるというふうなことは、その当時の審議の状況から考えましても、われわれとしてはどうしても納得がいかない点である。促進法の第二十四条審議の際に、そういうふうな政府の答弁があるということを一つ含んでおいていただきたい。その上でものをお考え願いたいと思うのです。  これに関連してなお行政部長に一点だけお伺いしておきます。これは法律的に見て、先ほど来私は非常にいろいろな疑問が起ってくるのですが、もしもこの採用という言葉にとらわれて、あらゆる合併の際においてもやはり第二十二条が適用される、こういうふうに考えますと、合併によってできた新市町村職員というものは、全部新採用職員になってしまうのです。課長とか係長とかいう名前がついておっても、市長助役は別として、それ以外は全部試験的に採用された、まだ身分の確定しておらない職員によって新しい市町村の仕事が半年も行われるという状態になる。常識的に考えて、試験的に採用された職員でもって市の仕事がどんどん行われ、あるいは試験的に採用された者がぽかっと初めから課長になって重要な市の仕事をやっている、そんなことは考えられないのです。そういうことを考えていくならば、これは単に二十二条の採用という言葉にとらわれて、こういう合併の場合においても適用があるのだという解釈から私はいろいろなまずいことが生れてくると思う。従って先ほど来のその他の点においても私はいろいろ根拠があると思うのですが、そういうふうな事態になると思うのですけれども、一体それでもいいというお考えですか。
  169. 高橋熊次郎

    高橋参考人 先ほどのお話で、法律のできます時分に政府委員から引き継ぎの問題についてお話があったそうでありますが、私またこの政府の方の人たちからも、書いたもので、引き継ぎと見るものじゃないという反対のことを見せられておるのであります。それでいろいろそれらについてはまた議論があるのかとも思っておりますが、私は引き継ぎでないと確信をいたしております。これだけを申し上げておきます。
  170. 大矢省三

    大矢委員長 それでは市長さんはいいですね。どうも御苦労さまでした。
  171. 西村力弥

    西村(力)委員 答弁の前に私も一つ申しておきたいのですが、十六国会で床次委員が修正案の提案理由の説明をした場合の速記録がある、これには「町村吏員、関係職員の身分取扱いに対しましては、積極的にその職員を保護し、引続き町村職員としましてその身分を保有することに対しましては、それぞれの保護の規定があるのであります」こういうぐあいにはっきり申しておるのです。これは議員立法で制定せられたものでありまして、このように提案の趣旨説明が申されたということも十分に考慮しなければならぬではないか、これを法律が出たとたんに自己流の解釈によってやられるのでは、立法府としてはその権威を侵害されることになるのではないか、その点も十分に考えてもらいたい。そのような立場から一つ答弁を願いたい。
  172. 小林与三次

    ○小林政府委員 今委員会の速記録のお話を承わったのでございますが、それで合併の際にはこれはほっておけば新町村は、つまり条例であろうが人事であろうが全く自由だという、一応その新町村だという法律上の解釈で従来ずっと参っておるのであります。しかしながらそれはだれが考えても適当ではない、行政はずっと継続していかなくちゃならぬし、いろいろな財産その他だって当然承継すべきものでありますから、それで特別に前のものを引き継ぐという建前の規定をいろいろ設けて、職員につきましても、ほっておけば新しく採用するか採用しないかは自由だという理屈があるが、そういうことならばこれは合併趣旨にも合わぬし、また実態にも合わぬ。そこで従前通り引き続いて町村に全部採用するように措置しろ、こういうことにこれはなっておるのでありまして、すこぶる当然の措置だろうと思うのであります。条例なども、それなら当然に前の条例が生きるかといえば、そうはならぬのでございます。新町村でこれはあらためて作るのでありますが、その場合でも通常は従前の条例をすぐに変更するのは適当でないので、従前の条例をとりあえずそのまま施行し得る道を開いてありまして、あとは新しい議会でまた適当に調整できるという建前にもなっておるわけでございます。そういう意味で、職員につきましても引き続いて使って職員として採用する、こういうように措置しろということにこれはなっておるので、その通りみな協議に基きまして、どこの町村だって協議の場合は必ずそういう協議をいたしまして、そしてどこでもみなまずそのままの条件でのんで通常採用いたしておるのでございます。そこでその場合の採用するということは促進法規定に基いて当りまえでありますが、そのときにしからば地方公務員法では一体どういうふうに読むのか、つまり何の任命行為もなしに当然に新しい町村職員になるのではないのでありまして、やはり新しい町村は協議をやり、協議に基いてそれぞれ採用の措置をする、こういうことになりまして、そうなりますと、さっきから繰り返し議論になっておりますが、地方公務員法の二十二条の解釈に結局なりまして、地方公務員法の二十二条は御承知通りこれは採用に関する規定であります。まことにその通りでありますが、それには職員採用というものは、「臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き、職員採用は、すべて条件付のものとし、」云々という規定があるのであります。それ以外に採用に関する規定というのは地方公務員法には見当らないのであります。そこで新町村において採用の形をとらざるを得ない。採用しておるとすれば、地方公務員法では一体どう読むか、こういうことになれば、これは二十二条の適用を特別に排除しておらないからこう読まざるを得ないじゃないか、こういうことを言う気がいたすわけであります。しかしながら促進法が引き続いてやれということは、何も採用してとたんに首を切れという趣旨でないことは明瞭なので、従来通り使っていく、それは新町村になれば新町村としてそれぞれ組織機構というものの合理化は逐次はかるべきだろうと思いますが、それはあとの問題として考えておるのだろうと思うのであります。そこでその後の問題として、今の上山のような場合の職員整理と申しますか、それは別として、ある数の人を解職したのでありますが、その解職したのは二十二条によっては、これは採用規定でありますから、もちろんできない。しておるのはおそらく二十七条なり二十八条なりという規定が働くか働かぬかという問題になりまして、ただ二十八条には御承知通り条件付採用期間中の職員については、この規定の適用がない、こういう規定がありまして、その規定を今利用されて実は解職をやられた、こういう結論になっておるのであります。そこでわれわれの考えといたしましては、一応は法律上は二十二条と読まざるを得ないが、しかしながら合併の場合に、促進法趣旨からいっても、直ちに条件付任用期間中の者には分限の適用がないからということを理由にして、これによって解職措置をするということは、私は法の運用としては適当ではないじゃないか、こういうことを繰り返し申しておるわけでありまして、私はこれは正直申しまして、新しく合併するすべての町村に、もしまだ十分理解がいっておらぬとすれば、そういう趣旨は徹底させることが適当だろうと思うのであります。今までずいぶん町村合併はあるけれども、現にそういうことを疑ったところがあるかといえば、どこもこれは問題になっておらぬのであります。問題になっておらぬということは、何も、二十二条があるから、その間に首を切ってしまえということをだれも考えておるわけじゃないのであります。しかし新市町村はその後それぞれ適当な方法で人員の合理化をはかっておるところもきわめて多いのでありますが、そこのところのやり方が、私は正直申してやはり必ずしも適当でなかった、こういうことになると思うのであります。そういう意味できょうこの席でもいろいろ御議論がありましたし、そういう趣旨が、かりになおかつ誤解が非常にあって危なっかしいということになれば私はそういう趣旨をもう少し市町村に、これはまたほんとうに念のためになりますが、なお趣旨を徹底させて、誤解のないようにこの解釈運動をやるようにということをやることに、いささかもやぶさかである気は実はないのでございます。
  173. 坂本泰良

    ○坂本委員 今のお話しは、本筋のようなことも言われるし、あとからは何だかわからぬようにしてはっきりしないのですが、結局町村合併促進法の二十四条は、これは新規採用だ、条件付の採用だというように解せざるを得ないというふうに聞き取れるが、その点どうですか。
  174. 小林与三次

    ○小林政府委員 二十四条は、今の公務員法に対する特例を書いてあるのじゃないのでありまして、要するに新町村は旧来使っておった町村職員を、そのまま新町村として引き続いて使うようにしろ、こういう趣旨だろうと私は思うのであります。同じ状態で全部採用しろ、こういう規定だろうと読まざるを符ないのです。そこでどうしたって採用行為というものが新町村においてとられざるを符ないのであります。そこで採るようにしろということを法律が特別に規定したのでありまして、これは採らなかったら、訓示的規定だとかりに言ったって、二十四条の規定に違反しておるといわざるを得ないのであります。全部採った場合に、その採った職員というものは、これは採用と見ざるを得ないが、地方公務員法では一体どの条文が当てはまるのだろうか、こういうことになりますと、法律解釈からいえば、地方公務員法の二十二条で、すべての職員採用は、特定の者を除いてはこれは条件付だ、こういうふうに規定いたしておりますので、この場合もそうだといわざるを得ないのじゃないか、これだけのことなのでございます。
  175. 坂本泰良

    ○坂本委員 そういうふうに解しますと、市の仕事には一定の資格が要る場合があるのですね。たとえば税務関係なんかは、資格がなければ条件付の職員ではできない場合があるでしょう。そういう問題はあなたのような解釈でいけばどういうふうにしてやるのですか。
  176. 小林与三次

    ○小林政府委員 資格の問題は、条件付であるかないかということと私は関係がないと思います。でありますから、先ほどもお話がありましたけれども、部長であろうが課長であろうが、かりにわれわれがやめて府県へ入ったという例をとれば、すぐにかりに部、長になったって、これはそのまま部長としての職務を適法に行えるのであります。しかしながら法律解釈からいえば、それはやはり条件付採用だ、二十二条の規定を免れない、こういうことになるだろうと存ずるのであります。
  177. 坂本泰良

    ○坂本委員 その点がちょっとまだ理解いかぬのですけれども、二十二条の試験期間ということになれば、税務吏員なんかは正式採用の吏員でなければ税務関係は職務がとれないですね。そういう点矛盾が生ずるから、あなたのように二十二条じゃいかぬというふうになるのじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
  178. 小林与三次

    ○小林政府委員 今税務吏員のお話が出ましたが、私はここに条文は持っておりませんが、条件付であるかないかということと、私は実は関係がないのじゃないかと理解しています。従来国家公務員につきましては、御承知通り昇任でもみんな条件付だという考え方、現在でもその通りであります。たとえば係長が課長に、課長が局長になった、これはみんな条件付昇任だというふうな解釈になっております。しかし、仕事だとか資格については全然影響がないのであります。そういう考え方、立法の建前がいいか悪いか、これは私らも意見を持っておりますが、ともかく法律上はそう理解せざるを得ないのでございます。
  179. 西村力弥

    西村(力)委員 とにかく二十四条で引き続き新市町村職員としての身分を保有しなければならないということは、結局身分というものを――正式採用であったのを条件付に落して、身分が引き継がれたと一体考えられるかどうか。身分というものはがったり変っているじゃないか。そういうことは認められないじゃないか。身分を保有するということは、同じ立場の身分の保有なんです。たとえば新規採用、こういうふうになって身分が保有されたなんて解釈は成り立つものではない。これは身分の変更が大きいことになる。正式採用から条件付採用になったら、そういう場合になってもこれは身分の変更がないと解釈されるのか、その点はどうですか。
  180. 小林与三次

    ○小林政府委員 ですから、それは身分がつまり前の町村職員からあと町村職員、ここのところがすでに変っておると思います。前の町村の場合は正式であるが、新しい場合は条件付になるのはおかしいじゃないか、これはそういう理屈が私は成り立つと思うのです。それは今、交流の場合などはおかしいじゃないか、同じ学校であって、甲の学校におった者が乙の学校に転任して条件付になるのはおかしいじゃないかという議論は成り立つと思います。しかし法律はそう読まざるを得ないから、わざわざ特例法を設けて直そう、こういう点でありまして、われわれといたしましても、単なる転任とかそういう場合に、条件付という制度がいいか悪いか、いろいろ議論はあります。私自身もこれについては意見を持っておりますが、しかしながら、現行法の解釈としては、これはすべての採用についてそういう建前をとっている以上は、これはそう読む以外に読みようがないじゃないか、こういうふうに考えるのであります。それですからあとは、その条件付採用中はどんな措置をしょうが、分限の規定がないからというような措置をとることがいいか悪いかということになれば、これば大いに適当でないという議論が私は十分に成り立つだろう、こういうふうに存ずるのであります。
  181. 西村力弥

    西村(力)委員 私が言うのは、正式採用合併に伴って条件付採用になるということが身分の大転換だ、こういうことなんです。そういう解釈なんです。そうすれば、二十四条の精神というのは全然くまれていない。完全に没却されておるのじゃないか。先ほどの高橋市長のお話では、条件付にせよ何にせよ一応採用したから、それで一般職協定書には忠実であった、それでおしまいなんだ、こういうことを言っておるのだが、そんなことはとんでもない話だ。正式採用があった者が条件付採用になった、これは身分の大転換です。二十四条の規定に相反する、協定書にはっきり反するのじゃないか、こういうことになる。大転換になるかどうか。そういう解釈で言えば二十四条に違反しないかということであります。
  182. 小林与三次

    ○小林政府委員 それは今申しました通り協定書は引き続いてそのまま職員として同じ状態で使っていこう、そういう趣旨であろうと思います。それでありますから、そういう協定書趣旨に違反してというか、違うようなことをして、入ったとたんに整理するとか首を切るとかいうことがいいか悪いかということの議論は、私は然にあり得ると思います。そういうことが協定の精神の問題として残ると思うのであります。しかしながら、今の問題はそういうふうに採用になった場合に、つまり法律上の解釈として一体どうなるか。実質的に、お話の通り正式から条件付ということになれば、これはやはり質的な大きな変革であることは私は間違いないだろうと思うのであります。しかしながらその場合に、地方公務員法規定解釈としては一体どう読めるか。まさしくそういうものを除こうとするのならば、先ほど申しましたような、教育公務員特例法のような特殊の措置をとるとか何かしなかったら、それはできぬじゃないか。そのことを法律解釈からいえば、法神的に不能だというためには、そういう措置が要るのじゃないだろうか、こういうことを実は申し上げておるのであります。そこでそういう点はつまり法律解釈の問題にもならざるを得ぬじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。
  183. 西村力弥

    西村(力)委員 大転換だということは認めたようですが、二十四条は完全に拘束しない、訓示規定だといいましても、その原則は、先ほど言ったが、引き続き職員という姿は、身分の転換を行わないで、正式採用のままでいくのだ、こういうことを原則にしている。しかし協定によってはその原則をくずすことも可能である余裕を一応残しているだけだ。原則はあくまでも正式採用でいくべきだ、こういう原則なのだ。それに基いて協定書もはっきりそういう趣旨で作られているのだから、その協定君が二十四条を裏づけとして新施行者を拘束するという工合になってくる。ここにいったときには、もう地方公務員法二十二条の解釈は出てこなくなる。町村合併促進法の二十四条だけの、ここにとどまっておれば別ですが、協定井までいったときには、その協定書がはっきり最後の断を、町村の自治体の首長の執行権限に制限を与えているのだ、だから二十二条を云々することは、ここにおいてはっきりとできなくなっている、こう解釈しなければいかぬだろうと私は思う。それでもやはり二十二条によるのでしょうか。
  184. 坂本泰良

    ○坂本委員 今の質問に関連して……。地方公務員法の二十二条の規定がありますが、しかしながら本質上からいけば、町村合併の場合にはまず新規採用になるから、二十二条にこなければならぬ。ところが、町村合併促進法は一般法である公務員法の特別法ですから、この二十二条を排除するために二十四条の規定がここに促進法で定められておるのです。そこでこの二十四条に基いて協定書があって、そして全員新市の職員として採用する。こうなったから、二十二条を排除して、町村合併促進法の二十四条によって、協定書によってすでに全員新市の職員になってしまったのだ、従ってこの全員新市の職員になってしまったものが、地方公務員として降任とかあるいは退任する場合、こういうような場合には、やはり二十七条以下によらなければならぬ、促進法の二十四条は地公法の二十二条を排除する特別規定である、こういうふうに私は解するのです。あなたは逆に、二十四条でこうなったら、これは地方公務員法解釈上臨時採用と見ざるを得ないから、二十二条が適用になるのだ、ほかに適用する法律がないとおっしゃる、それはないはずです。二十二条を排除するのが、特別法である町村合併促進法の二十四条になるわけです。ですから、この二十四条と、協定書によって身分を取縛したところの市吏員の身分については、二十七条以下でなければ絶対処理できない、これはこの解釈運用上こうならざるを得ないと思うのですが、どうです。今の西村君のあれと関連するから……。
  185. 小林与三次

    ○小林政府委員 そこのところが少しわれわれと気持の相違があるのでありまして……。
  186. 坂本泰良

    ○坂本委員 気持ではない。法律解釈問題だ。
  187. 小林与三次

    ○小林政府委員 もちろんその通りでありますが、つまり二十四条は職員を引き続いて使えというところに……。
  188. 坂本泰良

    ○坂本委員 その前に特別法かどうか。
  189. 小林与三次

    ○小林政府委員 それはもちろん特別法でありますが、特別法と一般法との関係と申しましても、条件付任用についての特別法だとは読みようがないじゃないか、われわれの考えほそういうふうに申し上げる。つまり採用は必ずしなければいかぬ。
  190. 坂本泰良

    ○坂本委員 法律家らしい解釈をしなければいかぬ。
  191. 小林与三次

    ○小林政府委員 いや、法律解釈をしておるわけでありますが、二十四条の精神も、この書いてある通りを読めば、引き続いて身分を保つように措置をしろという規定で、法律上当然旧町村職員が新市の職員になるというふうには書いてないわけです。これはまた形式論になりますが、たとえば議員につきましては引き続いてそのまま身分が続くというふうに書いてありまして、何の措置も要らずに、協議をやれば一年以内身分が引き続くわけであります。ところが職員の場合はそうではなしに、引き続いて職員になるように措置をしろということが書いてありまして、どうしても新しい任命行為をやらざるを得ないわけです。新しい任命行為をやることを義務づけておるわけです。また任命行為をやるように協定でも書いてあるわけでありまして、退職希望者を除き、全員新市の職員として採用する、ここに意味があるのです。当然に首を切らずに特別の者以外はみな採用する、ここに意味があると思うのです。そこで採用すればもちろん新市の職員になることは当然でありまして、条件付であろうが何であろうが職員であることは間違いないのでありますから、当然新市の職員になる。そこまではわれわれもちっとも考えがどうこうあるわけではありません。そこでその職員になった場合に、その職員というものは地方公務員法の上においては一体どの規定が当てはまるのだろうか、こういう議論になるのではないかと私は思います。そういたしますと、地方公務員法では、すべての職員採用というものは、非常勤とか何とかいう場合を除いて、条件付である、こういうふうに書いてあって、これ以外の規定というものがない。これについての特別規定というものがないのですから、こうだと読むよりほかにしょうがないのじゃないか。私は純粋の法律解釈だけを申し上げますと、そういうことにならざるを得ないというふうに理解いたしておるわけであります。
  192. 門司亮

    ○門司委員 私は、法律をそのままずっと読めばそういうことが言えるかもしれないと思うが、しかし二十四条はそのことを協定にゆだねているのだ。従って、特別法のほんとうの最後の仕上げというものは協定にゆだねておる。これがもし協定にゆだねないで、成文化しておればむろんこういう問題は起らなかった。しかし成文化することについては、たとえばそれを全部やめさせるとか、全部採用するとかいうことを成文化すればそれでいいのかもしれないが、町村合併というものは、やはりそういうものを一つの機会に退職する者もあるだろうし、現実問題としていろいろな問題がそこに出てくると思うのです。従って、法律の建前からいえば当然政令か何かに譲るべきものだと考えられるが、しかし町村合併促進法はこれを協定に譲っておるので、法の精神はどこまでも二十四条の方が二十二条よりも優先するというものの考え方の方が私は正しいと思う。ただ成文化されていないからあなた方のような解釈が出てくるので、法の取扱いとしては当然二十四条の方が優先するのだという考え方の方が正しいと思う。だからこれは協定に譲っているということが抜けているので―抜けているという言葉が当るかどうかはわからないが、やはりものがものだけに協定に譲ったので、私はこういう問題でなければ当然成文化しただろうと思う。それは、今までの速記録を読んでもそういうふうに解釈されるように書いてあるし、また私がこういう問題はどうかと聞いたときに、鈴木君もさっき北山君が読んだような答弁をしておる。これは、事態を法律が一切をきわんとするような筋合いのものではないので、あくまでもこういうものについては協定に譲るべきであるという建前の上からできた法律であって、そう部長の言うような四角四面に法律解釈するべきでないと私は思うのです。従って、繰り返していえばこれは二十四条は優先するというものの考え方で処置することがやはり正しいのだ、そのために、なお字句の中にも「引き続きという文字を二十四条で使っているわけで、私としてはこう考えるべきだと思います。  もう一つ聞いておきたいことは、この協定書の中に引き続きという文字が使われていないで、ただ新しい市の職員としてということしか書いてない。二十四条に「引き続き」という文字を書いておって協定書の中に書いてない。ところが先ほどからいきさつを聞いてみると、こういう協定書を書いたのは県の指示であった、こういうお話です。これば自治庁はこういうふうに指示しているのですか。県の指示というのは、自治庁のした指示ですか。
  193. 小林与三次

    ○小林政府委員 お尋ねでございますが、こういう趣旨の通牒を流した記憶は私にはございません。しかし私は、「引き続き」という字があるかないかによって、この協定書に影響があろうとは思いません。かりになくても、退職希望者を除き全員新市の職員として採用するという協定番ですから、新市発足の日に全員新市の職員として採用しているに違いないから、当然引き続いて新市の職員になっておると思うのであります。ですからその点は、この字句がかりにあろうとなかろうと同じ趣旨と考えて私はよいと思うのであります。  そこでもう一つ、問題はその二十四条が特別であるかないか、これはいろいろ御議論がありますが、私は、促進法二十四条は、いかなる合併町村においても当然適用があるということは一点の疑いも持っておりません。ただその場合に、この二十四条が二十二条に対する特例と読むべきかどうかという点に、一つの議論の分かれ目があるのじゃないかと思うのであります。そこで二十四条は、希望退職者以外は全巌協議によって新市に引き継げ、これはもう明瞭であります。そこで、今度のような協定ができて、退職希望者だけを除いて全員引き継いでおるのでありますから、その点は問題は一つもないのであります。ただ、その全員引き継ぎが、引き継ぐときにはどうせ新市の職員として採用せざるを得ないのでありまして、辞令を用いずに当然その身分になる、何らの行為なしに当然に新市の職員になるというようには、促進法もそこまで規定いたしておりませんから、どうしても採用行為というものがいるのじゃないか、採用行為がいるとすれば、その採用については、地方公務員法についての規定に別の例外規定を設けておらぬから、これはどうしてもそう読むよりほかにしかたがないじゃないか、それ以外に読みようがないじゃないかという程度で、われわれはそう理解せざるを得ない、実はそう申し上げておるのであります。
  194. 坂本泰良

    ○坂本委員 くどいようですが、基本的には、地方公務員法規定の二十二条を二十四条が特別規定として排除するかせぬかが問題だろうと思うのです。私は町村合併促進法という特別法を作ったのは、この上山市の事件みたような公務員に対する首切りその他ができないようにこの二十四条の規定を作った、ですから、この「引き続き」というのは身分までもそのまま引き継ぐというふうに解釈するのが自然の解釈であり、正当な解釈であると思うのです。ですから、この引き継ぎの採用について、新規採用という解釈で二十二条を逆に持ってくるということは、私は町村合併促進法の特別法である本質から、そういう解釈をすべきものじゃないと考えるのです。上山市の問題は、十月一日で町村の吏員は新市の吏員に身分も地位もそのまま引き継がれたのだから、その身分をずっと引き継いで、新規採用と見るべきものじゃない、こう解すると、二十二条は、もうさっきの本質論からも排除されておるし、そういう解釈の上に立てば二十二条の新規採用を持ってくるべきものじゃない。従ってこの身分云々の場合は二十七条を持っていかざるを得ないのじゃないかと解するのです。だから、ほかに法律がないから二十二条を持ってこざるを得ないのじゃないかというのは――二十二条を排除するのが促進法の二十四条だ、これば特別法だ、こういう考えの上に立つからそうなるのであって、あなたの御意見は、この特別法であるということを無視して、そしてないから二十二条を持ってこなければならないのではないかということになるのであって、そういう解釈はすべきでない、私ほこう思うのですが、その点はどうですか。
  195. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは重ね童ねの問題でありますが、私はつまり二十四条は二十二条に対する特別法だというふうには読みにくいのではないかと思うのです。と申しますのは、かりにこういう規定がなければ、そもそも旧町村職員採用するかせぬかが一切自由になってしまう、おれはもうあれは採らないということになってしまって、職員の地位も、身分も、仕事の継続性も阻害される、それが困るから、ともかくも全職員を協議によって引き継ぐようにしろ、その協議次第によっては希望退職者も出ましょうし、その際やめる者もありますから、先ほど門司委員のおっしゃいましたように協議にまかせまして、具体的のとりきめは関係町村にまかしておるわけであります。ともかくもその協議によって全町村を引き継ぐようにしろというのが二十四条ではないだろうか。そこで新しく採るか採らぬかということは、地方公務員法にはそんな規定は全然関係のない規定で、具体的の任用の規定でありますから、要するに新町村で新町村職員として採用した場合に、公務員法上の適用は一体どういうことになるのだろうか、こういうことになるのではないだろうかと私は思うのであります。そうなると、今の二十二条の規定を排除して任用の地位を定めるとかなんとかいう規定が特別にない限りは、どうしても一応二十二条の規定が働いてくると見ざるを得ないのではないか、だから両方の規定が、つまり別の問題で、必ず採用しろという規定採用した場合の職員採用というものは特別の場合以外には条件付だ、こういうふうに二段になってくるものと――われわれの解釈があるいけ間違っておるのかもしれませんが、われわれとしてはそういう以外には読みようがない、こういうふうに理解いたしておるのでございます。
  196. 坂本泰良

    ○坂本委員 今説明もあったように、やはり引き継がなければ事務の支障を来たしたり、いろいろの支障を来たすから、採用という名前は使っているけれども実は引き継ぎなんです。だから仕事の利用の面だけでなく、やはり町村公務員の身分そのものも引継いでいくのだというのが、少くとも二十四条の精神ではないかと思うのです。だからそれからいけば二十二条も新規採用というふうには私ほ考えられぬのです。これはどうせ水かけ論ですからもうやめます。
  197. 西村力弥

    西村(力)委員 部長は一生懸命いろいろ解釈しているようですが、しかし現実に合併した町村は自分たちの自治体の権能として協定を結んでおるのです。この協定書においては身分取扱いは条件付で引き落すのだというのではなくて、正式採用のその姿のままに引き継いでいくという協定を結んでおる、その協定は尊重されなければならない、その協定そのままが新執行者を拘来するものである。その協定がある限りにおいては、その協定によって自治体の権能でやっているのですから、二十二条を排除することはできるわけだ、こういうことがはっきり言えるだろうと思うのですが、どうですか。
  198. 小林与三次

    ○小林政府委員 私は協定も先ほどから読んでおるのでありますが、協定に書いてあるのは退職希望者を除く全員を新市の職員として採用する。要するに特定の人以外はみんな採るのだということは明瞭に書いてあります。その趣旨はおそらく関係町村も引き続いて職。として使っていく。しかし機構の合理化とか、簡素化という問題はとりあえずこの問題ではない、新市の問題として残されております。そういう新しい新市の方針がきまらぬ以上は、引き継いでやっていくというのが協定の趣旨に違いないと思うのであります。ですから、この協定の趣旨からいえば、特別の事情ある以外は引き続いて使っていくという趣旨であろうと思います。これは関係者の意思によってそんたくする以外に手はありませんが、私はそうだろうと思う。そこで今の二十二条の問題、首を切るか切らぬかという問題は、その協定の精神に従って当然やるべき問題でありまして、一部の参考人の方から、合併したら簡素化はできるだけ早くやりたいという意思もあったようでありますが、要するに引き続いて採用した者をどういう形で使っていくかという問題は、私は協定の精神の問題として残るだろうと思うのです。ところが地方公務員法二十二条の問題はそういうものとかかわりなく、新市の職。となった者については地方公務員法のどういう規定が働くかということの問題ではないだろうか。先ほどからいろいろ議論のあります通り、何も二十二条というのはこれを馘首したりする規定でも何でもないのでありまして、採用の形というか、条件の規定だけでありますから、その規定がこういう形で新市の職員採用された場合には、一体どう働くのかという法律解釈の問題になるのではないだろうか。そこのところが少しわれわれの理解しているところと気持が一致しないようでございますが、われわれほどうも法律としてはそういうふうに解釈をすべきではないだろうかと解釈しているわけでございます。
  199. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうすると、今のように法律解釈を持っていけば、町村合併をした場合において二十二条を乱用し、悪用して、地方公務員を首切る。ことに町村合併をやると、町長、村長の選挙をやる。その選挙のしこりがあって、どんどん首を切る、乱用をされる、そういうことを考えますと、あなたの方のそういう御解釈で今後町村合併がスムーズにいくかどうか、それでいいかどうか伺っておきたい。
  200. 小林与三次

    ○小林政府委員 この点も繰り返し前から申しました通り法律上はそうなるが、二十二条を援用して直ちに合併後一月か二月でどうこうするというようなやり方は、促進法趣旨からいっても、この協定の精神からいっても、それは適当ではないだろう。そういうことをやる趣旨でこの協定ができているわけでも何でもないだろう、こういうふうに存ずるのであります。それでありますから、現実にそんな二十二条を援用して問題を起したことがあるかといえば、合併は全体の八十何パーセントといっておりますけれども、今までほとんど例を見ないのでありまして、今後といえどもそういう妙な形で事が動くということは、それはなかなかないとは存じますが、なお必要があればこういう趣旨の運用につきまして誤解がないように、われわれとしてできるだけ力をいたしたいと考えているわけであります。
  201. 川村継義

    ○川村(継)委員 今のあなたの考えでいけば、それを適用することは不適当であるという希望意見を申されておりますけれども、実際市町村の執行者が今のあなたのような解釈で押し進めていったならばどういう結果になるか。町村合併促進の問題とからんで大きな問題だと思うのですが、いかがなものでございましょうか。
  202. 小林与三次

    ○小林政府委員 それは私の考え通りにやらずに、みんなが乱用してかりにめちゃをやったらどうなるかということになれば――これはもしかりにそういうことがあったとすれば、それは非常に遺憾なことと言わざるを得ないと思いますが、この法の趣旨の乱用というか、誤用というか、そういうものがないように、これは私は十分に留意しなければならないし、注意もしなくてはならぬと思うのであります。ただ今の問題は法律解釈の議論になっておるものですから、われわれの解釈としてはそう解釈せざるを得ない。しかしながら解釈がそうだからといって、そういうことでどうこうやるということは私は適当だとは思えない。ましてや――あとから市長さんが取り消されたと思いますが、全員条件付という解釈だということになりますと、これはだれが考えても法の解釈としてはそれでいいのですということは、私はやはりなかなか言えないことだるそういうふうに存じております。
  203. 川村継義

    ○川村(継)委員 遺憾なことだという言葉がありましたが、ただ遺憾なことでは済まされない問題が起きるのじゃないかと思います。自治庁としてこの点責任が持てるのですか。いま一つは、あなたの御解釈を進めて行くと、現在問題になっている上山市長がとった行為は、ある程度是認されるようなことになるのじゃないか、いかがですか。
  204. 小林与三次

    ○小林政府委員 私は法律解釈を実は申し上げておるのであります。自治庁といたしましては、法律解釈と通用の趣旨というものを区別して申し上げておるわけでありまして、解釈としてはそう解釈せざるを得ないであろう。しかしながらかくのごときことがあるということは、はなはだおもしろくないのでありますから、こういうことのないように十分われわれとしてもできるだけの力はいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  205. 川村継義

    ○川村(継)委員 それでは運用の面からいくのですが、今問題になっている上山市長がとった態度に対して、自治庁としてはどういうふうに態度を表明される御意向ですか。
  206. 小林与三次

    ○小林政府委員 けさ以来からいろいろ議論になっておるのは、結局われわれの見解だということになりますが、具体的の済んだ処分に対して取り消せとか、こうしろとかいうことは自治庁としては職務上できません。しかし一般的に法律解釈の運用の趣旨というものを全国にそれぞれ明らかにするということは、今の公務員法上から事実上の助言を与えるということを許されているから、そういうことは私は十分にやり得る、こういうふうに考えておるわけであります。
  207. 西村力弥

    西村(力)委員 協定書にある採用というのは、地公法の二十二条が適用になるのだというお話ですが、これは先ほどお話がありましたように、二十四条で採用するということが裏づけになっておる協定書であるということを十分に考えていかなければならない。それでありますから、この協定書はやはり地公法の二十二条の適用を排除する、これだけの力を持つんだ、かように解釈をしなければならない。採用という部分的なことだけを取り上げて、それが合併促進法の二十四条の裏づけを持った採用だということを一連のように解釈しないから、そういう解釈が成り立つのじゃないかというように思うのですが、そういう解釈は決して正しい解釈ではないと私は思うのです。単なる片々たる法律解釈であろうと思うのです。  それとともにもう一つ今川村君からいろいろありましたが、現実に事実行為としてできた上山の問題を、これはどうにもしようがない、こう言いますが、それを投げ捨てておいて今度訓示的なものを出しても、これはやればやれるのだというところが出ないとは保証できないのです。だから現実に起きておるこの問題を適当に自治庁において指導、善処しなければ、その後において行われた指示やなんかは全然効力を持たない。だから私はこの上山の問題として発生したことに対しても、自治庁は明確なる意思表示をやっていくべきである、こう思う。その二点について御答弁願いたい。
  208. 小林与三次

    ○小林政府委員 今お話でございますが、われわれといたしましては、法律解釈、運用は、われわれのように理解をしておって、そういうふうに運用されるようにこれはもちろん衷心から希望いたしておりますが、すべての町村がそれに必ず従うか、こういうことになれば、われわれ自身もそうだということは言い切るわけには参らないと思うのであります。またそういうものをきかせるだけの法的な地位、権能もわれわれには与えられておらないのでありまして、自治庁といたしましても、自治庁としてできるだけのことで法律解釈、逆用が適切に行われるようにはいたしたいという念願を持っておるのであります。特に先ほどもお話がありました通り地方公務員法にもそうした意味の技術的な処分についての権限もありますし、そうした規定も活用して、結果ができるだけ正しく妥当に行われるようには、われわれとしても一般的にいたしたいと考えておるのであります。
  209. 西村力弥

    西村(力)委員 幾ら言ってもなんですが、とにかく協定書で身分は継続されることになっておるのですから、それに変な解釈をさせなくてもいいのではないか。協定書において正式に採用するのだ、こういうように自治体がやった以上、それが二十二条でやられるのだという解釈をやる必要はないと思うのですが、どうですか。一体あなた方のような解釈をしていくと、日常茶飯事のこととして行われてもやむを得ないことになるのではないか。それでは自治庁ではなく、単なる三百代言というお話があったが、そんな工合に印象づけられてしまう。自治体が協定書を作ったのであるから、それを忠実にやるべきである、こうはっきりおっしゃることはできませんか。
  210. 小林与三次

    ○小林政府委員 それは法律解釈の問題でありますから、われわれ法律解釈するものとしては、これは解釈が間違っておるかどうかということについていろいろ意見がありますが、われわれといたしましては、ことさらに少しでも妥当になるよう可能な限りあらゆる解釈をいたしたいという気はもちろん持っておるのであります。しかしながら今の場合は、法律解釈としてそうだということを言い切ることは少し無理があるだろう、こういうふうに実は考えておるのであります。それで協定書の話がしばしば出ますが、協定書そのものの解釈をここで私がやろうとほ思いませんが、協定書というのは結局二十四条に許された範囲でできるのであって、二十四条ではそこまで書き変えておるものと読むのはやはりむずかしいのではないか、こういうふうに実は考えるのであります。これにつきましては、何もこの問題が今だけでなくて、ずいぶんいろいろわれわれも議論もし、研究もし、そのための委員会あたりの速記録もいろいろ調べてみましたが、結局どうもこの解釈の限界はこの程度ではないであろうか。きわめて御不満足だろうと思いますが、われわれとしてはどうもそれ以外に読みようがないのではないかというふうに考えておるわけなのであります。
  211. 門司亮

    ○門司委員 念のために松本さんに聞いておきますが、十月一日に新しく採用したのだという、いわゆる格下げをしないで発令をされたというように聞いておりますが、その通りでございますか。
  212. 松本長兵衛

    ○松本参考人 旧町村では解職の辞令は出さなかったのですが、新しく市ができまして、十月一日に上山事務吏員を命ずるという辞令を出しております。
  213. 門司亮

    ○門司委員 小林君に聞くのだが、そういう発令がされておる。前の解職の辞令が出てないということになれば、明らかにこれは身分が引き継がれたものとしか解釈ができないのです。その場合にも二十二条が適用になるかということです。どうですか。
  214. 小林与三次

    ○小林政府委員 前の旧町村が廃止になって新市ができるのでありますから、旧町村がなくなれば当然に旧町村の身分関係は消滅する。ただ新しい市の職員になるためにはやはり措置がいるのじゃないか、それが今の辞令の問題だろうと思います。そういう解釈に従ってわれわれ考えておる。新市の職員になるために採用行為が行われる。つまりその職員採用というものが、どうも地方公務員法が動いてくるというふうに読まざるを得ぬのじゃないか、こういうように考えておるわけなんです。
  215. 門司亮

    ○門司委員 問題はそこにあるのであって、当然前の町村辞令を出す必要はない、町村が消滅する、身分関係も消滅する、しかし二十四条で引き続いて使うという解釈になる、従って引き続いて使うという解釈の上に立った十月一日の辞令でなければならぬと私はこう解釈するのですが、その解釈は違っておりますか。
  216. 小林与三次

    ○小林政府委員 そこなんですが、普通の転任の場合だって、こちらの団体からこちらの団体に当然つなぐように、普通みな私は転任の発令はやるだろうと思うのです。今の旧市がなくなって新市の職員に発令した場合とその点は形から見れば結局同じ問題だろうと思うのです。そこで恩給その他はみな引き続いて通算するという規定が働く場合がこれはありますが、しかしながらその場合でも、新任命権者による任命行為は、国家公務員法なり地方公務員法なりではやはり採用ということになりまして、採用に違いないのですから、その採用は今いう非常勤とか特別の場合以外は条件付とする、そう無制限に書いてあるから、どうもやはりそういうことになるのじゃないだろうか、こういうわけであります。
  217. 門司亮

    ○門司委員 すると自治法との関連が出てくると思うのだが、自治法の中には、明らかに市の執行する、いわゆる町村自治体の執行する専務の順位が書いてあります。その場合に、法律的の解釈でなく仮定の問題として一応考えてもらいたいのだが、その場合に自治法に定めた責任者の代理行為は、一体この職員でできるかどうか。この場合は全員そうですからこれを聞くのです。いわゆる特別職を除いたものは全員そうなんです。自治法の規定の中には、市長いなかったらだれが代理をする、助役いなかった場合にはだれが代理をすると書いてある。この規定とどういう関係を持ちますか。
  218. 小林与三次

    ○小林政府委員 それはどうせ新しい市が生まれるのですから、市長助役もおりませんし、先ほどお話ありましたように、自治法の施行令の何条ですか、市長の職務執行者が町村関係者の中から選ばれる、こういうことになります。そこで関係町村の職務執行者がかりに故障があった場合に、一体どうなるかという問題だろうと思いますが、それはそれぞれの職務執行者の行為はだれがやるというその手続に従って順番にいくだけでありまして、それは何部長にやるか何課長にやるかは、それぞれ定むるところによって動くのじゃないだろうかと考えております。
  219. 門司亮

    ○門司委員 その場合の解釈ですが、かりに条件付採用ですから、従って本採用と同じ権限を持ち得るかどうかということですね。
  220. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは全然条件付かどうかということと私は関係がないと思っております。これは先ほども少し議論が出ましたが、かりに地方の部長が自治庁課長なり次長なりになっていても条件付です。条件付ですが、次長が事故あるときは何とか部長がその事務を代理するという一般規定があれば、次長に故障があればその部長はその職務の執行が当然できるものと考えております。
  221. 門司亮

    ○門司委員 よろしゅうございます。その点が私ははっきりわからぬのですが、条件付採用というのは木採用でないということですね。言いかえれば、本採用でないということの解釈は、条件付採用の間は、身分として恩給その他の関係は引き継がれるようになっておりますか、なっていないでしょう。
  222. 小林与三次

    ○小林政府委員 それはみな引き継がれます。
  223. 門司亮

    ○門司委員 引き継がれる。新規採用の場合はそれが加算されていますか。
  224. 松島五郎

    ○松島説明員 恩給、退職手当等の在職期間には全部計算されます。
  225. 門司亮

    ○門司委員 そこまでは大体わかりましたが、先ほど申し上げましたように、この場合事実上そういう発令がされておって、本人ばやはり新規採用されたものだという考え方を持っているわけです。それはさっき市長と水かけ論になったのだが、そういう行為は明らかに一方的な行為と私はさっき言ったのだが、私は現在一方的な行為だと思う。当然新規採用なら新規採用という形で採用し、それから二十二条によって適用されるのだということが、やはり一応相手方に通告をされて、それが納得されていなければならなかったわけです。採用の条件ですね。そこまで法律に書いていませんが、採用の条件としては当然そういうことが処置としてとらるべきだと思う。その処置がとられていないからこういう問題が起った。その処置最初からとられておれば、こういう問題は起らなかった。皆が条件つき採用だと心得ていて、それでようございます、ということになっておれば、こういう問題は起らなかった。ところが町村合併促進法の中では、引き続いて任用せよと書いてある。従って十月一日に皆一応辞令を出した。辞令を出したということば、実は二十二条の辞令だったんだということが結局あとからわかって、今になって問題になった。だから一方的なそういう行為が、一体あなたの方のお考えとしては有効であるかどうか。
  226. 小林与三次

    ○小林政府委員 辞令はもう常に二十二条の辞令だぞというふうなのはありようがないのでありまして、皆地方事務吏員とか技術吏員とかあるいは課長だとかいう、普通の辞令が出るわけであります。われわれの採用の場合も同様でありますが、その場合も一々、お前は六ヵ月はどうだという注意は実は受けておりません。これは明らかに不親切だといえば不親切でありますが、法律にそうなっておるから当然そうだとこう読ましておるだろうと思います。そこでただ条件付かどうかという違いは、どこが違うかといえば、職務の権限も違わなければ、いろいろな加算も一つも違わない。ただ今の分限の規定が働くか働かぬかというこの一点だけなんです。それ以外は普通の辞令でも何でも、これは全部一緒だと思います。そこで明らかに今のような誤解のあるような場合に、注意しなかったということは、まあ不親切だといえば不親切だと思いますが、私は通常一々そういうことをやっておらぬのが多いのじゃないだろうかと思うのであります。これはちょっと例が別になりますが、たとえば選挙犯罪をやったときに、選挙権がなくなる。そのなくなったのを裁判官がときどき忘れて、今度いろいろ事件が起った。ああいうような例がいいか悪いかは別問題でありますが、純粋に法律上の効果からいえば、やはりそういうことになるといわざるを得ぬのじゃないだろうかと思っているわけであります。不親切だといえばそれは不親切だということになるかと思います。
  227. 大矢省三

    大矢委員長 坂木君。
  228. 坂本泰良

    ○坂本委員 二十二条を、かりに今自治庁の方の言うような解釈の上に立っても、本件は朝からいろいろ参考人の話を聞いていたのですが、明らかに人員整理をするために、この二十二条を適用しておるわけです。この点は読む読まぬにかかわらず、自治庁のような解釈をすれば、明らかに二十二条の乱用だと思うのです。この点に対して、この乱用をしておる上山市の二十数名の者に対する考え方は、自治庁あるいは県庁としては、このままでいいと思うのですか。何とかこれに善処してやろうという考えがあるのですか。その点を聞いておきたい。
  229. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは具体的の問題になりますけれども、これにつきまして、市長もおられませんが、けさから繰り返し申しておったように、われわれといたしましては、このやり方は私は適当だとは考えないのであります。具体的のその人員の合理化そのものがいいか悪いか、適不適という問題ば別にいたしまして、かりにそういうことをやる必要があったといたしましても、わざわざ条件付任用期間中だということを理由にしてやったということは、適当な措置ではないのでありまして、そうならそうで、それぞれの方法を使って、ほかにやり方があったのじゃないだろうか、私はそういう気がいたしておるのであります。その点は市長さん自身も、われわれの答弁で十分お気づきだろうと私は思っておるのであります。
  230. 坂本泰良

    ○坂本委員 それで、善後措置を考えておるかどうか。
  231. 小林与三次

    ○小林政府委員 善後措置ということになりますと、これは結局市長の責任においてやったことでありまして、自治庁といたしまして、これを取り消さしたり是正を命じたりするということはできませんのです。だからはなはだこのやった処置は適当だと認めがたいということは、われわれとしては言えますけれども、これをどうこうしろということは、われわれの今の立場、地位の上からいって言うことができない。これは非常に遺憾なことでありますけれども、われわれとしては何ともとやかく申すことができないと存じておるのであります。
  232. 大矢省三

    大矢委員長 ちょっと私から尋ねますが、坂木君に答弁がなかったとうですが、二十四条が、二十二条の特例ないし合併の問題がこの問題になっているのだから、優先するかせぬか、あるいは排除規定じゃないか、こういう点に対してはっきりしていないから、これを明らかにしてもらいたい。この問題は一般問題と違って合併によって起きた問題ですから……。
  233. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは私が繰り返し申したつもりですが、二十二条に対する排除規定というようには読めぬのじゃないか。つまり全然二十二条の特例として設けられているならそれはそれでいいのですが、二十四条はそこまでの規定だと読めないのじゃないか。だから二十四条はすべての町村合併に当然適用があります。しかしながら二十二条は別の面を規定していると読まざるを得ないではないか。二十二条の規定も働く、そういうふうに読まざるを得ないというのがわれわれの解釈なのです。
  234. 小池九四郎

    ○小池参考人 公述に補足して申し上げます。当時これほど重大な問題が発生するのに、すなわち公務員を二十四条の法律でとっておいて二十二条の首の座に載せた。それは市長の意思において切り捨てごめんができるのだ、こういう一応の解釈になりますならば、なぜそういう重大なものをわれわれの合併のときに県が示してくれなかったか。そのくらいだったらたとえば退職金の問題なら退職金の問題はこうなるのだということを、親切になぜ教えてくれなかったか。合併をやれという点については実に熱意がある。しかも自分の自治庁職員――市役所職員自治庁職員だと思うのですよ、自治庁の管轄下にある職責が現実に上山市の、時代感覚ズレした、みずからえらいと考えているところの市長によって二十二条の切り捨てごめん、しかもこれでやられれば今まで二十数年黙々と働いて来たことは、一朝にして何もなく切り捨てられる。たとえば一例を申し上げますと加藤総務部長――あのときは総務部長といったのですが、その合併当時から夜も寝ないで、あのすべての案を作ったのは加藤総務部長なのです。これは身を削るほどにしてやったのです。それからその次の問題としては三十年度の予算関係において、やはり総務部長として夜も寝ないでやった。そしてその当時は上山市会において予算に対してほとんど市会議員の矢面に立っていたのが加藤総務部長です。われわれからみますと、少くとも加藤総務課長は最もよく働いた。指弾があるというのは加藤総務課長はかつて警察署長をしておってパージになった。それで民間におった。それを市の職員に使ったときに僕は野党としてその問題について指弾してきたのです。そのときの非難はありますが、少くとも合併当時からの加藤総務課長の業績に至っては、議員のすべてが頭を下げていることである。にもかかわらず二十二条の規定によりますと成績不良なりとしてこれを断定されている。しかも冷酷にもこういうことを行政部長は仕方がないのだと言う。実に官僚的なのです。これが国家の行政部長かと僕は初めて見たのだが、全くこれじゃ日本の国はよくならぬと思いますよ。一度でも救ってやろうという――この法律の冷酷なる解釈のみをしている。これでいいのかということを私は思うのです。それだったらなぜ初めにもう身分が消滅するのだ、退職金の問題から何から出して、今度は新規採用になるのだから、六カ月間今度の市長によって君たちの身分は不安定であって、切られるときは切られるのだと言えばいい。なぜわれわれの方にそれからすべての職員に害わなかったか。それならばわれわれはあの当時の精神としてこういうことはやってはいけないんだということを、その当時いかなる市長が来ようとも言えたと思う。ところが上山においてば選挙からすばらしいところの党派的な考えを持っていて、現に―――――――――――――――――そういうように感覚ズレした市長が出、村長、町長が出れば悪用される危険性のある法律です。それを単なる一片の冷たい解釈をして、なぜ自分の部下であるところの市役所及び市町村職員を守ってくれないか。あなた方はそれを守るためにあるのであって、法律の番人としてあるのではないと思う。私がなぜこういうことを言うかというと、私の選挙はあさってに迫っているにもかかわらず、その選挙を投げて何とかして職員のために有利な解釈をしたいと思って来ているのです。ところがこの冷たき考え方に対しては、実に僕は義憤を感じないではいられない。何とかしてここにいらっしゃる皆さんとともにこれを救ってくれようという一片の何もない、もう二十二条の首の座だ、なんともしようがない。実にあなた方のそういう解釈で、そんな指導をしたのですか。ただ促進をやれやれとわれわれをおだてて、法律を知らないわれわれをおだてて促准させておいて、今度町村合併になったから、まずやれやれと思って、新しい市役所職員になったところへ今度は二十二条の首の座。しかも公務員法というものは二十二条の解釈によれば守られているんですよ。それを斬り捨てごめんだ。私がどう悪いことをしたのかと言う権利さえも昭和三十年の現在にないような、そういう状態をなぜあなた方は守ってくれないのですか。僕はそう参考人として書いたい。これはあなた方の解釈一つです。法というものは人を生かすものである。あなた方は法律の番人でない。法というものは人を生かすものである。この法律はこう解釈すれば生きるのだというときには、これを少しぐらい間違っておっても、その個人の利益をはかるための法律解釈をしてくれてこそ僕は法律の判官だと思う。最もドンキホーテ的な市長、もう市長は実に自信満々です。それを助くるような法律解釈をして、それで新しき国家の形成をなどと言われるかどうか。僕は行政部長に単なる法の番人としてでなくして、ほんとうに職員を守る上の法ということを考えていただきたい。ほんとうに私は心からお願いするものであります。
  235. 門司亮

    ○門司委員 きょうの大体結論をある程度つけておきたいと考えております。問題は今参考人から話されましたいろいろな問題がありまして、今までの自治庁の話を総合して参りますと、結局結論的には自治庁の二十四条の適用というものが単なる申しわけ程度のものであって、法律的にほとんど効果のないような結論になると私は思います。この点は非常にわれわれとしては遺憾に考えておりますが、いずれあとの問題としても残されると思います。ただこの際はっきり聞いておきたいと思いますことは、今回の上山市の事件というものについては、法律自治庁としてこれに指図をすることはできないが、自治庁の考え方としては、二十二条の適用は全面的に妥当性がないという考え方であるということに大体結論づけてよろしゅうございますか。
  236. 小林与三次

    ○小林政府委員 結論だけを申し上げますれば、こういう合併の際に二十二条をとやかくいってどうこうするということは適当でない、私はこういうふうに考えます。
  237. 坂本泰良

    ○坂本委員 自治庁としては、これは県もそうですが、促進々々といって促進を推し進めてやって来た責任もあるから妥当でないことは、今仰せられた通りですから、こういう妥当でないものは一応撤回して、そしてもっと善処しろ、これは法の規定がなくても、やはり自治庁としてそれくらいのことはできると思うのです。その勧告をやる気があるかどうか、その点をお聞きしたい。
  238. 小林与三次

    ○小林政府委員 これは自治庁の立場といたしましては、もし今の法律解釈、運用について一般的に今中しましたような趣旨を明らかにして、地方に誤解のないように、誤まりのないようにするように、技術的な助言を与えるということはできると私は思います。委員方々の御意見もありますから、これはわれわれの方で念のためそういう措置をとっていいんじゃないか。これは上司とも相談する必要がありますが、私は一般的にこれが非常に誤まりがあっていいということになれば大へんでありますから、その趣旨だけは明らかにいたしたいと存じております。
  239. 坂本泰良

    ○坂本委員 それで県の地方課長は、この町村合併促進には最も関心を持って現場にも行かれ、いろいろ指導されたことだと思うのです。ところがまさかこういう二十二条の問題で、二十数名も大量に首を切ろうということは、予想もしていなかったと思うのですが、これが新市長によって二十二条を乱用してこういうふうにしてやったわけですね。こういう点についてやはり町村合併を促進した責任上、もっと考え直してやれぬかという、県としての勧告をやられる意思があるかどうか、そこを承わりたい。
  240. 平石茂義

    ○平石参考人 三月三十一日に、それから四月一日にもそういったことを指摘して助役に話したのです。ところが助役の方では、市長がいないから問題にならない、帰って来てから十分に相談する、ただ方法論で誤まっておるのであるならば訂正するにやぶさかではない、そういうふうな回答でありました。市長が東京から帰られて相談されたようでありますけれども市長の方からも私の方に、自分としては変更する意思がない、あくまでも信念を通していくんだ、そういうふうな非常に強いあれがあったわけであります。私どもはそのときも、そういうことはあまり好ましい方法じゃないんだから、何とか考えられないもんだろうかということを言ったのでありますが、それが半分以上拒否されたわけであります。その後も県としても、とにかく円満にこの問題をおさめなければならぬという気持は持っております。私も総務部長といつも相談しておるわけであります。いずれにいたしましても市当局の態度がそういうことでございまして、われわれとしても非常に困ったことだと思っておるわけであります。なお今後のことにつきましてはできるだけ早く円満に解決するということは念願しておるところでありますから、よく市長とも相談いたしましてやりたいと思います。
  241. 西村力弥

    西村(力)委員 先ほど門司委員から結論めいたことが出まして、一般的な問題として自治庁は方針を通達する、こういうことでありましたが、現実に起きている上山の問題についてははっきりしていかなければならぬ。これは一般的な問題に通ずるものである。これをこのままにしておくことはできない。それをやるべきだと思う。しかもその際に関係町村が相互に協定した協定書趣旨というもの、これは全面的に尊重されなければならない問題だ、こういう指導を十分にやってもらわなければならぬ。はっきり各参考人意見を徴しますと、その協定書においては決して臨時を条件に採用したのではない、正式採用の姿のままにおいて採用したのだ、こういうことを言って明瞭なんです。その協定書を十分尊重しなければならぬ、こういう趣旨を加えるべきである。自治庁においてはそういう方法をぜひとるべきだと思うが、いかがですか。
  242. 小林与三次

    ○小林政府委員 重ねてこのお尋ねでございますが、私は今の自治法の建前からいっても、公務員法の建前からいっても、具体的に行われた処分について総理大臣なり自治庁長官なりが、これについてとやかく言うということは少し行き過ぎではないだろうか、その運営の適正化、合理化について一般的に出すということで、この際はお許しを願いたいと思うのであります。しかしそれぞれ市長さんにも先ほどからわれわれもお話を聞いておりますから、おそらく機会があれば口で申し上げることにはやぶさかではありませんが、自治庁としてどうこうということは、少し今の自治法の建前からいって私は差し控えた方が適当ではないだろうかと存ずるのであります。協定書の問題ばわれわれといたしましては、これはこういう問題だけでなしに、合併の協定がよく合併後とたんにどうこうなるという議論がときどき全国にありまして、これは私は協定を一たび作った以上は、協定の趣旨というものを守っていくというのが新しい市町村の当然の責務だろうと思うのであります。しかしながらそれらのことにつきまして私は誤解があってもいかぬと思うのでありますが、ただ、今の引き続いて採用するという問題で、二十二条の適用をやったのがよかったか悪かったかという問題が一つと、もう一つ実態的に職員機構を合理化するためにある程度職員退職を求めなくてはならぬという実態問題の適否と、両方問題がからんでおるのじゃないかと私は思うのでありまして、そこのところがこんがらかると事がはなはだめんどうになるのでありますが、われわれといたしましてはそういう合併すればある程度過剰人員もやがては出てくるだろうと思うのでありまして、そういう場合に適当な方法でしかるべく適正化されるということは、これは私は先ほど自治庁長官が申された通り当然行われてしかるべきものだと思うのであります。ただかりに今の場合がそれに当るか当らぬか、具体的な問題としてわれわれわかりませんが、ただかりにそうしたとしても今のような二十二条の規定を適用するということ、ここに問題があるのでありまして、これはわれわれは趣旨といたしましてはそうすべきではないということだけは、強くその趣旨を明らかにしていきたい、今の合併協定書趣旨もそういうことにあったのではないだろうか、そこはよくわかりませんけれども、そういうことだけを明らかにいたしたいと思っておるのであります。
  243. 西村力弥

    西村(力)委員 そうしますと事実問題として、この上山の問題については特定の上山市だけに勧告をやるということは、ちょっと行き過ぎだというようなことですが、折を見て当事者を呼んで、自治庁としての指導的な話し合いを十分にやる、これははっきり確約するのですね。
  244. 小林与三次

    ○小林政府委員 実はこの問題があってからわれわれもいろいろ気になりまして、県の課長さんにも来てもらうし、市の責任者にも来てもらっていろいろ事情を聞いて、ともかくも事柄をなるべくすみやかに円満に解決しなければいけないのであります。単なる法律解釈の問題もあるかもしれませんが、それ以上に事態そのものを具体的に妥当に解決するということが、私は必要だろうと思うのでありまして、そういう趣旨のことは今後も十分意を用いていきたいと存じております。
  245. 門司亮

    ○門司委員 さっき一応話はついていると思うけれども、念のためにもう一つ申し上げておきたい。われわれの言っている気持はこういうことなんです。あなたの方の解釈はずっと聞いていると何回聞いても同じことだが、二十二条で首を切れるという解釈だけを言っておるのだが、それはその通りだと思う。しかし今度の上山市の問題というのはそれとは違うということなんです。人員整理を二十二条でやって、これが適当かどうかということが問題です。人員整理をやるということなら、これは二十七条ないし二十八条でなければやれぬ。二十二条の人員整理は人員整理にならぬ。採用の基準には適用されるかもしれませんけれども、人員整理ということにはならぬということです。市長はあくまでも人員整理だと言っている。これは書いたものではっきりしている。これは結局処置を誤まったということだけは、はっきり言えると思う。それに対する勧告はできるでしょう。今回の上山市の取扱いは間違っているということ、これは自治庁でもはっきり言えると思う。勧告ができるかできないかということは別問題として、これははっきり言えると思う。
  246. 小林与三次

    ○小林政府委員 それも先ほど申し上げておった通りでありますが、つまり二十二条は今おっしゃいました採用規定ですから、二十二条で首を切れるという規定ではさらさらないわけであります。具体的の人をやめさせる場合に、条件付の期間の場合には、今の規定の適用があるというだけの話でありまして、ほんとうの行政整理ならばやっぱり定数条例も直す、あるいは機構も縮小する、そういうことをはっきりさせて、そうして逐次実情に応じてやっていくという措置の方が、当然考えらるべき措置であろう、こういうふうに私は考えておるわけです。
  247. 門司亮

    ○門司委員 最後の点なんだが、もう少しはっきりしておきたい。当然そう処置されるべきでなく、処置すべきものでないということなんだが、要するに上山市の今度起った問題というのは、市長がいろいろ陳述したように――いくら言っても市長さん改めないのだけれども、あくまでも経費の節約その他のためにこういう処置をとらなければならなかったということは私は考えられる。そうするとどこまでも人員整理なんだ。人員整理を主眼とした今回の処置に任用規定を使ったということは法の乱用であると私は考える。そうとしか解釈できない。自治庁最初ほそうだという御答弁があったから、あらためてもう一度確認しておきたいと思うが、それに間違いないかどうか。
  248. 小林与三次

    ○小林政府委員 今の合併のあったような場合に、二十二条の規定による条件付任用期間中だということを理由にして、かりに人員整理なら整理をやろうということは、私は適当であるとは思わぬ、この程度ははっきり申し上げてよいと思うのです。
  249. 大矢省三

    大矢委員長 私からも最後に一点尋ねますが、きょうの参考人意見を聞くと、今度の町村合併で協定された条件が現職の市長によって無視された、こういうことです。無視されたことに対して、監督庁の自治庁としては無視されておらぬというのか、おれば勧告するというのか、どうなんですか。
  250. 小林与三次

    ○小林政府委員 今の協定が無視されたかされぬかという問題も、先ほど申しました通り合併したら、あとは人員を合理化してもよいのだ、すべきだという御趣旨のことも参考人からありまして、そういう問題が一つと、かりにその必要があった場合に、そのやり方として、今のようなやり方がいいか悪いか。市長はそれ以外に方法がなかったのだとおっしゃったわけですが、私はそのやり方として、あの規定を利用するということは適当ではない、こういうことは申したい。それならあれを直せとかどうしろとか取り消せということは、今自治庁側でもそういう力はございませんから、できないが、規定趣旨、運用の問題として、こういうものはこう運用すべきものであって、誤まりのないようにしろというような一般的なことはやってよいのではないだろうか、こういうふうに考えるわけです。
  251. 西村力弥

    西村(力)委員 今本会議で川島自治庁、長官が富士山麓の射撃問題で質問を受けておるわけですが、一応この処置については、事後処置というか善後処置というか、大臣の見解をはっきり聞かしてもらわなければいかぬと思いますので、暫時休憩して、そうして長官か解放されたらというか、本会議から御用済みになったら、こっちへ来てもらって、この問題の最後的な自治庁の態度というものをはっきりしてもらわなければならぬと思う。一つそのように委員長お取り計らい願いたい。
  252. 大矢省三

    大矢委員長 休憩しても、すぐ人が集まらなければ仕方がないのですが、次の機会もあることですから、大臣にはそのときに来てもらったらどうですか。
  253. 西村力弥

    西村(力)委員 その機会もおありでございましょうけれども、やはり関係者がおるときに最後的な結論まで持っていくということが一番よいのじゃないかと思いますし、事実この問題は、御承知通り三月三十一日に起きた問題です。このことはわれわれが作った町村合併促進法二十四条を無視し、あるいは地公法二十二条を極端に悪用し、こういう方法で行われた問題であるから、当駅早急に国会において取り上げらるべき問題であったわけです。ところが選挙によって日が延びまして今日に至っておる。切られた人々の立場も考え、やはりこれは早急にやっていかなければならぬのじゃないかと思いますので、本日自治庁長官の出席を待って、相当進んだ決定的なところまで持っていくことが正しいのではないか、こういう気持を持つわけです。
  254. 大矢省三

    大矢委員長 それでは暫時休憩して、できるだけ希望に沿うように取り計らいます。  暫時休憩いたします。    午後六時十七分休憩      ――――◇―――――    午後六時四十九分開議
  255. 大矢省三

    大矢委員長 それでは休憩前に引き続き会議を開きます。  散会前に参考人各位に一言お礼を申し上げます。御多忙の中をわざわざ長峰岡にわたって本問題について御出席願ったことを、深く感謝いたします。どうも御苦労さまでございました。  なお前の晦橋市長の公述に対して加藤参考人から訂正したいという発言がありますから、これを許します。
  256. 加藤辰造

    加藤参考人 先ほど高橋市長の、この二十二条の適用については総務課長が県の地方課なりまた自治庁に行ってこのことをやっていいということを確かめてきたのだ。――今そのことについて先ほどの発言はみなうそであるということを市長が言われたのですが、そのことについて市長の発言はまるっきりでたらめだということを申し上げたいと思います。市長が先ほど言われた問題は、十二月の二十三日の市会できょう見えておる小池参考人市長に質問された場合に、財政などの関係説明されたのですが、それと同時に最後に小池議員が私に、でこぼこ調整の問題について総務課長お答えを願いたいということを言われましたので、私ははっきりとその点を説明しております。しかし私がその説明の内容に、私は県の地方課に行ってでこぼこ調整のために二十二条のことについて聞いたことば全然ありません。それから自治庁に行ったことも全然ないことです。ただ一月二十三日から三日間地方交付税の問題で講習会がありましたので、その際には元の市長会館ですか、あそこに来たのですけれども、この問題については自治庁には一切足を入れたこともありません。ただ質問された内容について、私は最初から市長の秘書が地方課に行って聞いてきたところによればということを前提にして申し上げたと思います。それは、でこぼこ調整は二十二条でやれないこともないが、これは決してやるべきものじゃない、無理すべきものじゃないということをはっきり答えておりますので、その点は、先ほど市長の言われたことはまるっきり――私がうそじゃなく、市長の言われたことがこれははっきりしたうそでありますので、その点を私から市長の発言を取り消すというか、訂正していただきたいと思います。これは速記録でありますので、必要とありますれば私これを差し出していきたいと思います。
  257. 大矢省三

    大矢委員長 それでは速記録を残すことにいたしたいと思います。それはこちらにいただいてもよろしゅうございますか。
  258. 加藤辰造

    加藤参考人 差しつかえありません。
  259. 大矢省三

    大矢委員長 それじゃその速記録を残すことにいたします。
  260. 坂本泰良

    ○坂本委員 本日川島自治庁長官がここに来ないのはまことに遺憾であります。われわれは川島長官の前において、本日わざわざおいで下さった参考人のおられるところで、この上山市の不当人員整理の首切りの問題について、自治庁としての処置を要望すべくここに再開されたのでありますが、川島長官がいないのはまことに遺憾であります。われわれは地方公務員法二十二条におけるあの自治庁解釈は、町村合併促進法趣旨にも反し、また町村合併促進法に基く町村合併の際におきまして、かような二十二条を乱用しまして人員整理をやるということは、明らかに法の違反である。この点は当委員会としてもはっきりしておかねばならないと存ずる次第であります。従いまして、明日でも委員会を開いて、川島自治庁長官にここに出席してもらいまして、その点を委員会としてはっきりしておくことが、われわれの責任であるとも思いますので、さよう委員長にお取り計らい願いたいことを要望いたします。
  261. 大矢省三

    大矢委員長 できるだけ御趣旨に沿いたいと思います。なお理事諸君とよく相談して、明日でも開きたいと思います。
  262. 小池九四郎

    ○小池参考人 私も訂正をお願いしたいと思います。訂正の第一点は、―――――――――――――――という点を速記録から消していただきたい、その点が一つ。第二点は、法律があるのをみんなが知らないのは地方課の指導が悪い、と言ったが、私はこの法律を知っておった。この二十二条と二十四条の法律を私ははっきり知っておって、二十四条が優先するという考えに基いて町村合併をやったという点です。なぜかと申しますと、その証拠は協議会のときに加藤君にただしているのです。その点であります。
  263. 大矢省三

    大矢委員長 それでは散会いたします。    午後六時五十八分散会