運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-03-26 第22回国会 衆議院 地方行政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年三月二十五日       安藤  覺君    床次 徳二君       古井 喜實君    鈴木 直人君       前尾繁三郎君    加賀田 進君       門司  亮君が理事に当選した。     ————————————— 昭和三十年三月二十六日(土曜日)     午前十一時十三分開議  出席委員    委員長 大矢 省三君    理事 安藤  覺君 理事 床次 徳二君    理事 古井 喜實君 理事 鈴木 直人君    理事 加賀田 進君       池田 清志君    亀山 孝一君       渡海元三郎君    長谷川四郎君       山崎  巖君    吉田 重延君       勝間田清一君    川村 継義君       北山 愛郎君    坂本 泰良君  出席国務大臣         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         自治政務次官  永田 亮一君  委員外出席者         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      小林与三次君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奧野 誠亮君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 本日の会議に附した案件  参考人招致に関する件  地方財政に関する件  町村合併促進状況に関する件     —————————————
  2. 大矢省三

    大矢委員長 これより会議を開きます。  この際御報告申し上げます。昨二十五日委員長より提出いたしました国政調査承認要求に対しまして、同日議長から承認がありましたので、この点御報告を申し上げます。  川島国務大臣から発言の申し出がありますからこれを許すことにいたします。川島国務大臣
  3. 川島正次郎

    川島国務大臣 このたび自治庁長官に就任をいたしました。どうぞ御鞭撻を願います、残存行き詰まっておりまする地方財政府開のためにいろいろ施策を要する時期でもあります。御協力のほどをお願い申し上げてごあいさつにかえます。
  4. 大矢省三

    大矢委員長 永田政務次官からも発言を求められておりまするからこれを許します。永田政府委員
  5. 永田亮一

    永田政府委員 私兵庫県の淡路島から出ております永田亮一でございます。このたびはからずも自治庁政務次官を拝命いたしまして、まことに光栄に存じておる次第でございます。ただ私は地方自治の問題はまことにしろうとでございまして、これから皆様方の御指導によりまして勉強いたしたいと思っております。どうぞよろしく御指導のほどお願い申し上げます。     —————————————
  6. 大矢省三

    大矢委員長 本日は昨日の理事会の申し合せに従いまして、地方財政に関する件について調査を進めます。昭和三十年度自治庁関係暫定予算並びに昭和三十年度地方財政計画について政府より説明を聴取することといたします。川島自治庁長官
  7. 川島正次郎

    川島国務大臣 今回は政府から四、五両月分暫定予算を提出しまして御審議を願っておるのでありまするが、むろんこれにつきまして地方財政にも相当大きな影響があるのでございます。まずその一つとしまして、明年度における地方財政事情に対処するため必要と考えられまする地方行財政制度改革等の実施がこれがため相当おくれることに相なります。第二といたしましては、暫定予算においては年間予算に比しまして、国庫支出金が割少でありますために、地方団体金繰りが窮屈となるのでございます。政府といたしましては、現下地方財政の現況にかんがみまして、地方交付税はもとより義務教育費国庫負担金生活保護費災害復旧事業費失業対策事業費など、国庫支出金のうち、地方団体において必要と考えられますものにつきましては、可及的に多額の国庫補助負担金暫定予算に計上いたすことといたしまして、地方財政運営上の困難を極力減少する措置をとったのでございます。地方財政収支上は、四、五月におきましてはなお一般会計において九十七億円程度資金不足牛ずる見込みでありますので、公営企業資金不足等ともあわせまして、可及的に政府資金による融資を考慮いたしまして、地方財政の運営に遺憾なきを期しておる次第でございます。  なお、三十年度地方財政の骨格につきましては、なお国家予算編成がきまりませんので、これとにらみ合せていろいろ事務的に進めておる程度でございまして、ここではっきりいかなる政策を打ち出すかについては申し上げる段階には立ち至ってないのでございまするが、現下地方財政状況にかんがみまして、明年度地方財政計画を立つるに当りまして、一つは過去における赤字整理、第二には地方財政赤字を発生したその原因を解消すること、第三は合併市町村財政的の基盤を育成する、この三つを根本方針といたしまして地方財政計画を立てたい、かように考えております。明年度におきましては、七十二万に上る就学児童増加に伴う経費、新警察制度が平年度化しますためにふえる経費公債費社会保障関係経費など、当然増加を予想せられる経費相当にございます。そのまた半面におきましては入場譲与税減収揮発油譲与税の廃止、個人事業税基礎控除額の引き上げ、固定資産税の税率の引き下げなど制度改革の平年度化に伴う租税の減収も予想されまして、歳入歳出の均衡を得るためには経費合理化でありますとか、地方財源充実などについても、相当思い切った措置をとることが必要ではないかと考えるのであります。これがためには、まずかねて問題となっております地方財政再建促進特別措置法とでもいうべき法律の制定をいたしまして、赤字のたな上げを行いますほかに、地方財政行政制度も根本的に改正をいたしまして、地方行政機構簡素化合理化して経費の節約をはかる、地方道路税を創設いたしまして、自主財源充実をはかる、また国庫負担金合理化して地方負担を軽減、合理化すること、その他地方財政計画を是正して、地方財政需要堅実化をはかるなどのいろいろの措置をとることが必要だと考えております。  三十年度予算編成と並行しまして、ただいま事務当局同士で折衝を進めておりまして、まだ結論には到達いたしておりませんが、私どもは熱意をもちまして今申し上げたいろいろな施策を実行いたしたい、かように考えておりますから、何とぞ御協力のほどをお願い申し上げます。  なおお手元に配りました昭和三十年度第一・四半期地方財政収支計画につきましては、自治庁財政部長から御説明を申し上げます。
  8. 後藤博

    後藤説明員 お手元に御配付いたしました三十年度一・四半期地方財政収支計画につきまして簡単に御説明申し上げます。  国の四、五月の暫定予算に伴いまして歳出歳入とも国の暫定予算閣議決定に基いた数字基礎にいたしておりますが、地方団体の現案の財政事情というものと一財政計画とは多少異なっておりますので、できるだけ近い決算をとりまして、二十八年度決算数字基礎にいたしたものが相当ございます。従って財政需要現実財政需要をできるだけ捕捉するのに努めたわけでございます。もう一つ申し上げますと、四、五月だけでありませんで、一・四半期の六月まで作りましたのは、資金関係を六月ごろまで見通しておきたいと思いまして、大体六月までの計画を作ったわけであります。  歳出の方から申し上げますと、給与費でありますが、給与費は基本給は二十八年の決算基礎にいたしまして、その上に昇給分を加えて推計をいたした数字であります。四月が二百四十九億、五月も同様であります。六月も同様であります。  期末手当等給与関係経費、これは期末手当は六月に出ますので、六月の方にふくれておりまして、四、五月は期末手当以外の手当であります。四十一億九千万円で計二百九十億九千万円、これが四月であります。  それから国庫補助金を伴う経費でありますが、これは生活保護の国の補助が三カ月分出ますので、それを基礎にいたしまして三十三億二千万円というのが一カ月分に当るのでありますが、二カ月分を前渡しをしてもらうということで、経費の支払いの関係から、二カ月分を四月に出してもらわなければ困りますので、そういうことで四月だけは二カ月分を組んでおります。  その他児童保護一般公共職業補導その他の財政需要三十五億一千九百万円を見込んでおる、これは各月の一カ月分増を含んでおります。  それからその他諸費でありますが、これは旅費、物件費月別の額の大体九〇%を見込んでおります。この中に警察児童生徒の増、奄美大島費用、繰り上げ選挙の費用等を入れております。  それから次の恩給の費でありますが、恩給費の支給は大体一年に四回払っておりまして、四月、七月、十月、一月に払っております。その前期分四月に払いますものは三月までのものを四月に払うわけでありますので、これは四十八億三千五百万円、五月は支払期でのありませんので抜かしております。  その次の公債費は二十七、八年度公募公債分元利支払額だけを見ております。  それから臨時的経費の中で継続的経費は、これも国の補助事業とにらみまして緊急就労対策事業鉱害復旧事業、その他は継続費の大体十二分の一ずつを増しております、四億七千五百万円を見込んでおります。  それから災害復旧費は国の暫定予算に伴って行いますところの事業費を含んでおります。  それから次の単独継続的経費でありますが、これは二十九年度単独継続分より推定をいたしましてこの額を出したわけであります。それから災害復旧費は、これも二十九年度災害復旧費から推定をいたしております。それからその他は、これは生徒増に伴う学校建築を見込んでおります。  それから臨時的経費児童生徒増に伴う経費は、児童生徒増に伴う机とかいすとかの物件費を含んでおります。四月、五月で組んで、六月からはございません。  それからその次の失対事業は国の補助費負担資材費超過負担額を含めて計上いたしております。  合せまして四月が七百六億三千三百万円の歳出があるわけであります。五月は六百十二億八千七百万円、合せまして千三百十九億二千万円の歳出があるわけであります。  それから歳入でありますが、歳入のうち地方税は二十九年度月別の実績を基礎といたしまして、四月、五月それぞれ地方税の納期に応じての歳入を見込んだのであります。  それから地方交付税は第一期分を四月に出すことに法律でなっておりますので、その関係地方交付税を四月分に計上いたしました。この基礎法人税所得税、酒税の総額は六千三百十億、その二二%一千三百八十八億、それの普通交付税分の九二%に当りますもの、九二%のさらに四分の一、こういう計算で三百十九億三千万円の歳入を計上いたしたのであります。  それから地方譲与税地方債は四、五月がございませんで、それぞれ六月に見込んでおります。地方債がございませんのは、四月、五月は二十九年度地方債を消化することになっておりますので、三十年度地方債は六月以降になる、こういうことで、これは実際そういうふうになっておりますので、あえて計上しなかったのであります。  それから国庫補助金でありますが、経営系統国庫補助金、これは義務教育費生活保護費児童福祉公共職業補導等経営系統国庫補助金二百二億九千四百万円を計上いたしております。これは国の暫定予算と同じであります。  それから臨時系統は、一般の方は、歳出で申しましたように緊急就労対策事業失業対策事業鉱害復旧事業等に伴う国庫補助金であります。災害も、やはり歳出の方で申しました災害復旧費補助金を見込んだわけであります。  次の雑収入は、二十九年度財政計画により推計いたしまして、同じ額の月別額の一カ月分を計上したわけであります。歳入は四月で七百九十八億五千百万円、五月で四百六十七億一千二百万円、トータルで申しますと、千二百六十五億六千三百万円に相なります。  歳出との開きがございますので、これをそのまま計を出しますと、単一団体でございませんので、数字が相殺されまして、ほんとうの数字が出ませんから、県、市町村、それぞれ交付団体と不交付団体とにわけまして計を出しております。  一番下の差引財源不足額の欄を見ていただきたいと思います。四月は交付団体交付税の参ります団体は、県、市町村とも大体歳入の方が多くなりまして、資金の要請はあまり必要でない、こういうことになります。ところが不交付団体に参りますと、県の不交付団体が二十一億七千万円だけ資金が足りない、こういうことに相なるのであります。それから五月になりますと、交付団体の方は資金が足りなくなって参ります。県で百五十九億九千四百万円、市町村で三十二億五千六百万円、合せて百九十二億五千万円足りなくなって参ります。交付税の参りません団体の方は、逆に歳入の方が余ってくる、こういう結果になります。四月、五月を合せて参りますと、小計の欄の計の欄でありますが、県で七十九億八千七百万円の資金が足りない、市町村で、交付団体分で十六億九千四百万円足りない、不交付団体で四十三億二千四百万円余る、こういうことになります。総計で九十六億八千百万円足りない、こういうことになっておるのであります。従って四月、五月合せますと、九十六億八千百万円、この程度資金需要がある、こうのいうことに相なるのであります。この暫定予算基礎にいたしますと、私ども大まかに申しまして、三十年度の四月、五月分につきましては、百億程度資金が必要である、その資金を出してもらいたい、こういうことを大蔵省の方に申しております。それからの三十年の五月は、同時に二十九年度出納閉鎖期間であります。従って二十九年度資金需要もこの中に別に入ってくるわけであります。そういうものが、大まかに申しまして大体二百億程度ありはしないか、こうのいうふうに考えております。  そのほかで必要な資金と申しますと、公営事業の電気とか水道とかの継続事業のにいります起債前借り金が四、五十億要りはしないか。合せて大体三百四、五十億の資金需要がありはしないか、こういうふうに私ども考えております。計算的にはそうなるのでありますが、毎年年度の当初にいろいろな資金需要がございます。それを、過去の例をとって参りますと、昨年は暫定予算ではございませんでしたけれども交付税交付は五月になりまして、四月非常に資金に困ったのであります。昨年四月、五月の国の資金は約百三十億ぐらい出ておりまして、それで大体去年の年度当初はまかなっておったのであります。ことしも大体その額を下らない額を一応考えてもらいたいということを大蔵省の方に申しております。大体昨年の四、五月の放出された資金ぐらいのものはことしも出そう、その後の情勢によってはさらに加えてもよろしい、こういうことに話がついておりますので、大体現在の見通しでは資金手当もある程度できるのではないか、かように考えておる次第、であります。第一・四半期財政収支計画及び資金計画について、簡単に御説明申し上げた次第であります。
  9. 大矢省三

    大矢委員長 ただいまの説明について、質疑の通告がございます。これを許します。北山愛郎君。
  10. 北山愛郎

    北山委員 最初委員会に当りまして、新しい自治庁長官から、いろいろ地方財政の問題を中心としてお考えを承わったのでありますが、今山積している地方財政なり、あるいは地方行政の問題についていろいろお伺いしたいと思います。当面する問題について二、三この際御質問申し上げます。  まず最初に、今財政部長からお話しがあったところの、この年度末あるいは年度当初の財政調整資金でございますが、今の御説明によれば、三百五十億ぐらい要るのだ、しかし、実際は昨年と同じように百三十億ぐらいで間に合うというような御説明ですが、百三十億というのは、年度融資といいますか、それであらて、年度当初の融資はまた別に考えられるのであろが、三百四、五十億の金がいるという際に、百三十億で間に合うというのはどういうことであるか、ちょっと疑問でありますから、その点をまずお伺いをいたします。
  11. 後藤博

    後藤説明員 先ほど申しましたように、四月、五月の暫定計画では、大体百億ぐらいの資金があればよろしいというふうに考えております。資金需要というのは、計算して一応出しましても、必ずしも政府資金手当を必要としない場合もございまするし、その友払い計画をどうするかということで非常に変ってくるのであります。一応百億と見ておりますが、三十年度とのつなぎの問題は別にありまするので、昨年よりもことしの方が多少条件がいいのではないかと思います。というのは、昨年は、先ほど申しましたように、交付税が五月になりまして、四月は大きなものがなかったわけであります。従って、交付団体自体が昨年はまた非常に困ったのであります。ですから、四月は不交付団体の方はよくて、交付団体の方が悪い、こういう状況でありまするので、昨年ほど資金が四月に要らないのではないかというのが一つあります。昨年そういう状況でありましても、四月、五月は百三十億ぐらいで大体よかったのじゃないかと思いまするので、私は、百三十億というのは最小限度百三十億は必要である、それを上回る資金を出してもらいたいという要求大蔵省にいたしておりますが、これは、来年の資金計画はどういうふうにするかきまっておりませんので、はっきりわかりません。それから、国の政府資金状況によってもわかりません。最近の運用部計画では来年の調整資金、つまり一時借り入れに充てるべきものの総額は九十億くらいしかございません。その九十億のうちどのくらいが地方団体で借りられるかわかりません。また簡保の方も余裕金としては五十億くらいしかない、こういうことを申しております。従って、これは他の方法によってふやすことは可能のようでございますが、百四、五十億というのが、私は一応現在のところのめどじゃないか、こういうふうに考えて、一応昨年の額を下らない資金措置をしてもらいたい、その後町議が伸びたり、簡保会計余裕ができる可能性があれば、その分はさらに加えて増してもらいたい、こういうふうに申し上げておるのであります。従って百三十億と三百五十億との中間の数字でもって資金措置が実際になされることに相なると思います。これは資金需要をこまかく検討して参らなければわからぬのであります。それから国の方の原資の状況ともからみ合いまするので、一応の相談はさような相談をいたしておるのであります。
  12. 北山愛郎

    北山委員 私の心配するのはむしろ二十九年度のおしまいまで、いわゆる現状においてすでに地方団体金繰りに非常に困っている。やはり最近においても給料を払えないというような団体が多数あるわけです。そういうふうなしりが、この年度末の切りかえの際に現われて、さらにひどくなってきはしないか。現在この地方団体地方金融機関から相当額短期融資を受けておるはずであります。これが年度末の決済の際にやはり資金が新しく要るのではないか。従ってお伺いをしたいのは、現在地方団体地方金融機関からどのくらいの短期融資を受けており、これがこの年度末においてどういうふうな処置をしなければならぬか。そういうふうな調査があればそれを一つお聞かせを願いたい。そういうふうな大きな資金需要が出てくるために、今のような百三十億程度では間に合わないのじゃないか。いろいろな地方団体のやりくりが——ここで年度末に決済を迫られるわけでありますから、そういう点が私は一番心配だと思います。
  13. 後藤博

    後藤説明員 地方銀行地方団体に対する資金がどのくらい出ておるか、私どもも日本銀行その他銀行協会等にいろいろ聞いておるのでありますが、なかなかはっきりいたしません。一番最近の私が聞いております数字は、三月の初めごろじゃなかったかと思いますが、そのときの数によりますと、大体五百億くらいの資金が出ております。そのうちで起債前借り格好の心のが百四、五十億あるようであります。従って三百五十億から四百億程度のものが、運転資金のような格好で出ております。これはある程度は、税の徴収その他によって年度末に返って参るものもございます。従って年度を越すのがどの程度であるか、ちょっと私どもも見当がつきかねておるのであります。二百億前後じゃないかという気はしておるのでございますけれども、はっきり私ども捕捉しかねております。これは政府資金を借りたものを銀行から借りて返済をして、さらに年度を改めて四月に入りまして政府資金を借りて銀行の方へ返していく、こういうふうにして、ころころ回しておりますもの一ですから、はっきりした数字がつかみがねておるのであります。大体三百億内外の運転資金的な借り入れが三月にはあるというふうに私ども考えております。
  14. 北山愛郎

    北山委員 その点が私は一番問題だと思うのです。その年度の切りかえを運転資金の一時借り入れによってまかなっておるという状態はよくないことではあるにしても、現実の問題としては、これは年度当初において地方財政金繰り上非常に苦しめる問題でありますから、なおそれらの点については十分御調査をしていただきたい。要するに政府が昨年来中央からの財政資金をできるだけ圧縮をしたために、地方団体地方金融機関に依存するというような傾向が強くなっておりますので、なお計数的に御調査を願って、あとでまたお知らせを願いたいと思います。  次に今度の暫定の第一・四半期地方財政計画の問題でありますが、これを見まして一番心配に思いますのは、補助金整理ということについての方針が確立をされておらない。従ってこの財政計画の中には補助金関係する公共事業がほとんど載せられておらぬように見られます。これは再々鳩山内閣補助金を大幅に整理をするということを発表しておりますその結果がこういうふうな形で現われておると思うのでありますが、地方団体からいえば、一応府県においても予算を組んでおるわけであります。公共事業もある程度の目標を立て、継続事業などについても補助金があるものとして予算を作っておる。ところが国の方針がきまらないので、おそらく第一・四半期公共事業等補助事業が、できないということになるわけであります。これは地方財政という面だけでなくて、地方団体仕事の上に大きな影響のある問題であり、また地方失業対策を一方でやっておきながら、公共事業をストップさせる、これが労働関係にも大きな影響があるし、また地方の産業あるいは金融というふうな面にも影響があると思うのです。従って一体補助金制度というものをどの範囲でおやりになるのであるか、公共事業食糧増産関係事業についても大幅に整理をされると言っておられますが、これらの内容はどういうものであるか、あるいは大蔵省等との交渉があれば、その内容について一つお知らせ願いたいと思うのです。
  15. 川島正次郎

    川島国務大臣 補助金制度につきましては、大規模にこれを圧縮したいという考えを持っておりまして、いろいろ調査をいたしておるのであります。事務当局同士では交渉もいたしておるのですけれども、まだ結論には達していない模様でありまして、三十年度の本予算を作るまでには、むろんはっきりさせるのでありますが、その点につきましては今日何ともお答えができない程度でございますから、さように御了承願いたいのであります。
  16. 後藤博

    後藤説明員 ちょっと補足いたします。先ほどの御質問でありますが、暫定計画の中の歳出の方には、継続事業等につきましては入れております。歳入の方は国の予算基礎にして入れております。その間の差額はやはり資金でもってつなぐ、私の方はこういう考え方に立っておりますので、歳出の方には継続費的なものが入っております。
  17. 北山愛郎

    北山委員 財政計画はそうなっておりましても、地方団体としては補助金がくるのかこないのかわからなければ仕事ができません。そこで私どもこれは重大な問題だと思うのですが、一体自治庁の長官としてはこの補助金整理についてはどうお考えになっておるか、どういう態度で大蔵省と折衝されるお考えであるか、これをお伺いしたいのです。ただ大幅に整理をする、するといっても、これは来年度補助金整理するという問題ならばその程度でもいいと思うのですが、新年度というのは数日あとに控えておるのですから、地方団体は今までと同じように一体事業ができるか、河川の事業、道路の事業天、あるいは住宅についても同じであります。そういうような地方団体の、ことに府県の仕事の根幹をなしておる公共事業というようなもの、食糧増産対策事業、そういうようなものがストップになるということは大きな問題であります。従って漠然とした、大幅に整理をするというようなことではなくて、自治庁としては一体具体的にどれとどれの補助金整理するのであるか、あるいはどういう態度であるかというようなことがきまっていなければならぬと思うのですが、それをお伺いしたい。
  18. 川島正次郎

    川島国務大臣 今の御質問でありますが、率直に言って、まだどの補助金をどういうふうに圧縮するかということは全くきまっておりません。これは政府部内でもきまっておらぬのでありまして、ことに今御指摘の農業関係補助金などをどう扱うかということについては、急速にこれを考究しまして、関係各省と折衝して三十年度予算に盛り込もう、こういう段階であります。
  19. 北山愛郎

    北山委員 しかし今申し上げた通り、これはもうすぐの問題ですし、新年度はもう始まるのですから、しかも公共事業というのは必ずしも物件費ばかりではないので、公共事業関係の人員も地方団体相当かかえておるはずなのです。そうして事業の方は補助金の見通しがつかなければストップだということで、四月、五月あるいは六月というふうに一番事業が、できる時期に、そういうふうな大事な事業をストップをさせる、そうしておいて人員だけは地方団体がかかえ込んでおるというようなことでは、非常に不経済でもあり、あるいは今までの事業に混乱を来たすことになるわけですから、一体いつごろそれがきまるのでしょうか、もう今すぐきめなければならぬ段階であると私は思うのです。ただ、よほど前から放送だけをして、新聞で何回も何回も補助金整理をすると言っておきながら、その内容等についてまだきまっておらぬということは、私は政府の怠慢だと思うのです。その点いつごろ一体どういうふうな段階で折衝なさるのであるか、それを明らかにしていただきたい。
  20. 川島正次郎

    川島国務大臣 ただいま政府方針といたしましては、なるべく早い機会、少くとも十二、三日には本予算を提出するということでもって編さんを急いでおるわけであります。しかし大蔵省が原案を作りまして、各関係官庁に内示をいたしまして、それから本格的な折衝に入るのでありますが、まだ大蔵省から各省に内示がございませんので、私どもとしては大蔵省がどういう程度補助金を削減するかということは申し上げられないのでありますが、なるべく地方財政に迷惑を及ばさないようにいたしたいということは自治庁としては考えております。ただ、今もってきまらないのは怠慢じゃないかと仰せられましても、全く三十年度予算もきまらないのでありますから、それまでひとつお待ち願いませんと、何ともここで明白な答弁はいたしかねるわけであります。
  21. 北山愛郎

    北山委員 この問題は予算委員会等でも、おそらく追及されるだろううと思いますが、一体補助金としての問題だけでなしに、ただ地方財政収支が合えばいいといろのではなくて、そういうことのために一体河川なり道路なり食糧増産なりそういう事業が、補助金が減っただけ圧縮されることは事実でありますから、そうなると川島国務大臣としては、そういう種類の補助金の圧縮によって地方団体事業がそれだけ縮小されるということについては、一体御賛成でございましょうか、どうであるかを承わりたい。
  22. 川島正次郎

    川島国務大臣 国の予算が圧縮されましても、継続事業などでどうしてもやらなければならぬ仕事相当あるのでございます。こういう点はあるいは一時地方の財源に振りかえるということも必要が起ってくるのじゃないかと思います。この辺は地方事業が全く廃されることのないようにいろいろ考えてみたい、こう考えております。
  23. 北山愛郎

    北山委員 そう致しますと、要するに事業の圧縮はしたくないが、これはどうしてもやらなければならぬ仕事があるのだから、縮小したくないが、しかし補助金は減らすかもしれないということになれば、これは補助金整理によって地方財政負担が減るのではなくて、逆にふえると考えられるのですが、その財源をどういうふうにいたしますか。要するに補助金整理というものは、大蔵省方面の放送によれば、補助金に伴う地方の負掛があるから、それがまた減ってくるのだというような解釈をしておられる。ところが今の大臣のお話のように、これは必要な事業であるから、国が負担しようとも地方負担しようともやらなければならぬ。その際国の補助金の方は整理するということであれば、それだけやらなければならぬ事業地方団体負担しなければならぬ、結局地方財政負担がふえることになるのです。そういうふうに解釈していいが。一財源の問題は別としましても、そういうふうな結果になると大臣はお考えになっておるか、その点を確かめておきたい。
  24. 川島正次郎

    川島国務大臣 やはりどうしても必要な事業はやらなければならぬのでありますからして、地方債でまかなうということが生じ得るわけであります。一般地方財政の緊縮をはかりましても、やはり事業としてはやらなければならぬ面もありますからして、総体においては財政の膨脹をしないようにいたして、事業は遂行する、こういうことをお互いに勘案していく以外には仕方がないのじゃないかと思います。今の補助金の問題からいえば、事業を廃止しないものはやはり地方債でまかなう、こういう結果が出てくるのだと、かように私ども考えております。
  25. 北山愛郎

    北山委員 まだいろいろ問題はございますが、ほかの方もおるようですから、最後に地方財政赤字克服についていろいろお考え伺いましたが、その中になかったのですが、これは前の西田長官の際に世間には発表されておる寄付金の問題です。地方団体が法令の義務のない寄付金であるとか負担金というものを二百数十億も負担しており、それが地方財政を非常に圧迫しておる。要するに国の負担すべき国の施設に対して、地元の市町村が寄付をさせられておるというふうなことが非常に多いわけであります。これは自治庁の方としても調査をして、そしてこれを禁止する、制限するという措置をとるというように前の西田長官は言明せられておるのですが、そういうことをとの国会で川島新長官は立法措置か何かでもって具体化をされるお考えがあるかどうか、これを確かめておきたい。
  26. 川島正次郎

    川島国務大臣 ただいまの御質問は、西田前長官からもいろいろ私は事務引き継ぎで伺っております。ぜひ同じような意見を踏襲したいと思います。従いましてできますならば、この国会へそのような措置をとる提案をいたしまして御審議を願いたい、かように考えております。
  27. 大矢省三

  28. 鈴木直人

    鈴木(直)委員 三十年度の本予算を組む場合に当然当面してくる問題であると思いますが、先ほどの補助金整理の問題であります。大体さきのお話で了解は得ているのでありますが、たとえば継続事業があり、本三十年度はもう二年目になっており、三年計画で完成するというようなものがあるはずであります。その際に国が三分の一を負担し県が三分の一を負担し、町村が三分の一を負担するということで進められているといたします。そうすると二十九年度においては国が三分の一を負担いたしておりますから、県においても三分の一、町村においても三分の一でやってきた。ところが三十年度になると、国の三分の一がなくなってきたというような場合に、事業はやらなければならぬのだからやっていく。そういう場合に国から補助されなくなったその三分の一をどんなふうにして財政措置をするか。それは当然町村か県がやらなければならないということになるわけです。そこで今の大臣の話では、地方債で三分の一を県か町村かどっちかに負担さしてやっていくといようなお話もありました。しかしながら地方債も一定のワクがあります。従って予算の中にワクがきめられておるはずでありまして、そのワクですら非常に今不足して困っておるという状態であるから、その三分の一を地方債のワクの中に入れるということができるのであるかどうかという問題も出てくると思います。そういうようなことになりますと、当然県の赤字がより以上多くなってくる。それは行政整理か何かで経費合理化してそれを浮かすのだという大臣のお話でありましたが、それもおやりになるつもりであるかどうか、非常に困難な問題だと私は思うのです。従って国が補助というのではなくて、国が分担するということは県においても町村においても非常な財政上の問題になっておるのであって、どこの県においても、どこの町村においても国が分担しているところを減らされるということは大へんなつらい思いなんであります。従って国は単に国費を減すのだ、一兆億の中にそれを圧縮するのだという国だけの問題で町村をいじめ、あるいは県をいじめ、そしてお前たちは勝手にやれというのは、大蔵省ならそれでいいと思うのです。自治庁は三分の一なくされたものを、どういうふうにしてそれを県なり町村なりにうまく当てはめて行くかということが、自治庁長官仕事になってくるので、その方面の重圧はみな自治庁長官にくるのである。従って国の費用を一億の範囲内にそれをちぢめるようにということだけのために、国の補助金をなくするという方針は、私はとるべきものではないというように考えておるのであります。今度十何日かまでに国の予算をきめるということである。しかもこの暫定予算を見ると、歳入の方には国の補助は入っていない。歳出は国の補助が組まれたものとしてここに計上されておるという今の財政部長説明だと、そこの欠陥はどうしても自治庁において何らかの措置をしなければならぬということになると思うのです。従ってこの歳入にただ国の補助金をなくするのだという政府か、民主党の方針か知りませんがそういうものをうのみにして、町村の財政に苦痛を与えるということは、その点まで解決しなければ、やはりとるべき政策ではない。であるからその面も同時に解決するならば、そういう大方針はとってもいいが、県なり町村のなくなった国の三分の一の補助を、どういうふうにしてやっていこうという対策も同時に講じて、そして補助金をなくするという予算を組んでもらいたいと思うのです。そうでなければ、先ほどの質問のように事業をやらないということになる以外に道はないのです。あるいは三分の一にするとか、あるいは二分の一でおさめるという以外にないのです。ですから現実の問題はそういうようにぶつかってくるのでありますから、今三分の一の補助を国がなくしたという場合に、地方財政当局としてどんなふうにするかということを、もう一度大臣でなくてもだれでもいいのですから、よくわかる人に御説明をしていただきたいと思います。
  29. 川島正次郎

    川島国務大臣 ただいまのお話ごもっともでありまして、国の財政を圧縮した犠牲になりまして地方財政が膨張いたしますのでは、せっかく私どもがこれからやらうと考えておる地方財政の再建整備はできないのでありますから、できるだけそういう事態に立ち至らぬように大蔵省と折衝を続けてもおりますし、なおこれを継続するつもりでおります。ただどうしても補助金が減った事業について、当該府県から見ればこれは絶対必要だというような場合には、やむを得ず地方債でまかなうこともあり得るということを先ほど申し上げたわけでありまして、私ども地方財政をあずかっておるものといたしましては、そういう事態が起ることは決して希望いたしておるわけではありませんので、これから財政当局と十分折衝をいたしまして、地方事業の遂行にさしつかえないようにいたすつもりでおりますから御了承を願いたいと思うのであります。
  30. 鈴木直人

    鈴木(直)委員 ただいまの大臣の説明よくわかりますが、すでにこの四月と五月の暫定予算の中にそれが含まれているということなんでありますが、これは地方財政計画であるのですけれども、国の方面の暫定予算においてはそれを削減されているようになって提出されているのですか、どうですか、それをお聞きしておきたいと思います。
  31. 後藤博

    後藤説明員 先ほど御説明申し上げましたように、国の方では継続的な事業につきまして特殊なものだけ組んでおります。先ほど申し上げましたように緊急就労対策事業とか鉱害復旧等の特殊なものだけを組んでおります。しかし地方歳出としてはそれ以外に従来からやっております継続事業のさらに施行があるわけであります。そういうものは私の方といたしましては歳出の方には載せております。大体五月末までに支払いを終ることにする、こういう計画にいたしております。歳入の方は補助負担金がございませんので、載せておりません。従ってその差額は資金需用として出てくるというふうに先ほど申し上げたのであります。それから先ほどもお話がございましたように、補助金の削減をした場合でもやはり必要な事務が残るわけであります。その必要な事務をどうするかということでありますが、ただ補助金の食いっぱなしでは困る、やはり所要財源の振りかえをしてもらいたい。その振りかえの方法は自主財源をふやす方法によるか、臨時事業でありますれば臨時的な歳入として、地方債増加ということは考えられるのありますが、そういうふうな措置を講じて、そうでないものについては事務の廃止だとか、停止の法律的処置で講じてもらわなければ地方団体としては困る、こう考えて、ただいま折衝しておるのであります。
  32. 大矢省三

    大矢委員長 他にございませんか。
  33. 鈴木直人

    鈴木(直)委員 補助金という名前があるのですが、この国の分担金というような名前のものもあるのです。従って補助金と概括的に言うものには、国の分担金というものが入っているかどうか、それぞれの事業についてすでに法律がありまして、国は幾ら負担する、何は幾ら負担する、たとえば生活保護費などそうなっているのですが、主として法律にあるものは法律を改正して、それをなくするのであるかという点が一つ。もう一つは農林省関係などの予算においては、法律に規定しないで政府負担金をなくするとか、なくしないとかということは、政府当局だけでやれるものもある。従って農林省関係などそれが非常に多いのじゃないかと思うのであります。そういうものまで勝手に切られると非常に困ると思う。法律関係は国会に来ますから国会において審議もされると思いますが、予算を伴うものについてはその法律は非常に力が弱いのですから、予算が通れば大蔵委員会においてもそれを通さなければならぬということになるのであって、必ずしも法律になっているから非常に強いとは言えないのですけれども、特に法律によらないで、予算の中だけにそれがあるようなものについてのみ考えておられるのか、その点もお聞きしておきたい。
  34. 後藤博

    後藤説明員 私ども補助金と申しましても、負担金と、いわゆる奨励的補助金と合せたものを普通に補助金と申しておるので申し上げたのでありまして、もちろんおっしやる通り負担金の分もありますが、従って負担金のものにつきましてはこれは簡単に通すわけはない、これは法律の改正までいく、こういうことになるのでありまして、従って奨励的補助金には予算だけあって法律はない、全然ないことはありませんけれども補助することができるというような格好で、法律に書いているものがございます。そういうものとはやはり分けて考える必要があると思うのであります。従って概括して先ほど申し上げたように財源振りかえを必要とするところの事業と、そうでない法律または行政措置で事務の停止または廃止をすることによって問題を片ずけられるものと、私どもは二つあると考えます。昨年の補助金整理のように、補助率を改訂するような措置を講じますると、御心配になるような地方負担だけがふえて、国だけがいい顔をする、こういうことになりまするので、昨年のような補助金の率を変更したり、補助金のもとになる補助基本額を下げるようなことをしてもらっては困る、こういうことを私どもはあわせて申しておるのであります。
  35. 北山愛郎

    北山委員 補助金整理に関連して財源の問題がございましたから、この際伺っておきたいのでありますが、地方税についてどういうふうなお考えを持っておられるか。これは昨年の九月の二十三日に自治庁がお作りになった昭和三十年度地方財政計画概算案、それによると、昭和三十年度においては地方税の大幅な増収を計画されておる。それは四百七十二億、地方道路税が三十七億、道府県民税の増収が二百二億、市町村民税の増収が二十億、たばこ消費税の増収が百五十二億、固定資産税の増収が六十億というような、非常に大幅な地方税の増収を考えておる。この中でたばこ消費税の増収というのは、国の専売益金の振りかえというような格好になるでしょうが、それにしても三百二、三十億の増税になるわけであります。これは昨年の九月に出されたものでありますが、新しい鳩山内閣においては、やはりこのような方法でもって、今のいろいろな財源というものを地方税の大幅な増税によってまかなう考え方を持っておるかどうか、その点を承わりたいのです。ことに今度の選挙一でも公約されました国税の減税、これが非常に表面に出て宣伝されましたが、陰の方では地方税のこのような大幅な増徴になるわけであります。従って減税ではなくて、逆に差引勘定しますと相当額の増税になる、こういうふうな結果になるのじゃないかと思いますが、この昨年の九月に出されましたような、今申し上げたような地方税の増収を、自治庁長官はお考えになっておるかどうか、その点をこの際承わっておきたいのであります。
  36. 川島正次郎

    川島国務大臣 昨年の五月の国会で、地方制度調査会、税制調査会の答申に基いた大幅な地方税法の改正案が通過いたしております。その後この実績にかんがみまして、若干地方税法を改正する必要があるということは考えておるのでありまするが、今御指摘になりました大幅値上げの各項目は、吉田内閣時代に考えておった案でございまして、鳩山内閣になりましてからは、そういうことはまだ考えておりません。国税の方面を減税して、これを地方税において膨脹させて国民生活圧迫というようなことは、毛頭やるべきものではございませんので、この点は十分慎重に考究いたしまして、地方税法の改正の処置をいたしたい、こう考えております。
  37. 北山愛郎

    北山委員 大へんはっきりしたお答えではありますが、そうしますと、鳩山内閣においては地方税の増収はやらない方針で進むということでございますか。何しろ三百何十億ということになれば、地方税総額の約一〇%の増税であります。御承知のように、昭和二十九年度はすでに二十八年度に比べて約一割の増税をしている。さらにまた三十年度も一割というように、国税の方はストップ状態であるのに、地方税はどんどん毎年々々一割くらいずつ増税しているということは、要するに減税ということを表面に掲げて、実際地方税の面で国民負担をふやしているのだ、ごまかしである、こういうふうに私どもは今までも考えておるのです。しかも先ほど来お話があったように、補助金等の公共事業あるいは食糧増産等に対する補助金整理によって、事業の縮小はどうしてもやむを得ないという結果になるとすれば、鳩山内閣のもとでは地方団体仕事はできない、税金は高くなる、こういう結果になるのでありまして、私どもとしては国税におけると同様、地方税もまた絶対に増税してはならない、かように考ているのでありますが、地方税についても増税をしないで進む方針であるかどうかということを、重ねて長官からお伺いしておきたい。
  38. 川島正次郎

    川島国務大臣 増税の意味での地方税法の改正は、ただいまのところ考えておりません。先ほど申し上げましたように、昨年の地方税法改正の実施の結果を見まして、事務的に考えて改正を要すという点があるのでございまして、この点については考慮いたしておりますけれども、増税をして国民の負担を増すという意味で、地方税法を改正することは全く考えておりませんから、御了解を願っておきます。
  39. 北山愛郎

    北山委員 大へんけっこうですが、伝えられるところによると、たとえば道府県民税のごときは明らかな増税の改正、こういうことが伝えられているのです。ですからそういう道府県民税の増税は、税法の上でももちろんやらないというように了解してよろしゅうございますか。これは税務部長からもお伺いしたいのですが、それで差しつかえありませんか。
  40. 奧野誠亮

    ○奧野説明員 具体的な問題は、今後なお研究してみなければならないことだと思うのでございますけれども、何といいましても、昭和三十年度地方財源の所要額が幾ばくに上るか、このことはまた昭和三十年度の国の予算が確定して参りませんと、行政の規模も確定して参りませんので、従って地方財源所要額の総額を、はっきり見定めることが困難だと思うのでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、ただいま自治庁長官からお話になりましたように、国民の租税負担を、国税、地方税全体を通じて考えた場合に、これを過重して参るようなことは好ましくない。これが一つの大方針でございますので、この方針の線に沿いながら、税制改正問題を考えていかなければならない、かように思っているわけでございます。
  41. 北山愛郎

    北山委員 先ほどの大臣のお話では、増税をしないというお話でありますから、そのように了解いたしますが、特に税務部長に対しては、道府県民税なんかの増税については、昨年道府県民税というものが新しく設置されたときに、新税を作れば必ず増税になる危険があるのだということをわれわれは指摘したところが、そんなことはないというふうに部長さんは答弁されたはずであります。ところが昨年の九月に出されました中には、果してその言明されたあとまだ半年くらいしかならないのに、道府県民税を二百二億というような大幅な増税を考えているということを考えてみますと、この九月の、今申し上げた前の吉田内閣当時の内部的な計画というものは、私どもが指摘したような危険をもうすでに含んでいると考えますので、今後鳩山内閣においては、先ほどの長官の御方針のように、国税におけると同じように、地方税についても負担をふやさないという方針で進んでいただきたい。これを要望いたしておきます。
  42. 奧野誠亮

    ○奧野説明員 これは前内閣時代の問題でございますけれども、一応来年度地方財政収支を見通しまして、財源不足である場合には、こういうような増税措置もあえてせざるを得ない。しかしかりに地方税で増税せざるを得ない場合には、反面国税の面において軽減してもらいたい、こういうような考え基礎に立っておったわけでございますし、そういうことは当時お配りした刷りものでも御承知いただけると思うのでございます。それにもまして行政規模全体の縮減をはかり得るならば、地方財源の使用額も減ってくるから、従って増税措置も取り上げることも可能になるのだ、こういうことを明らかにしておったことを御了承願いたいと思います。
  43. 北山愛郎

    北山委員 それは事務当局のお考えでありまして、民主党鳩山内閣においては国税の減税があれば地方税の増税はしてもさしつかえないというような公約を総選挙の際にやったはずはないはずであります。従ってそれは内部的な御説明であって、私は先ほどの長官のようにやはり国税の減税といって天下に宣伝をされたのが、実は地方税の方では増税だということでは、これは今の鳩山内閣もまた吉田内閣と同じような性格のものである、インチキである、こう言わざるを得ないのでありますからして、その点についての公約というものははっきり守っていただきたい、これを要望いたしておきます。
  44. 川村継義

    ○川村(継)委員 後藤説明員一つお尋ねしておきたいと思いますが、この財政計画の中に給与関係増加上額は見ていないようですが、その理由は何ですか。
  45. 後藤博

    後藤説明員 給与のうちで基本給につきましては二・五%の昇給を見ております。ただここに見ておりませんものは、児童生徒増加に伴う教員の増員につきましてはっきりきまっておりません。これは半額国庫負担ということになっておりますが、文部省の方と大蔵省の方との予算折衝でも何人教員をふやす、その負担額がどうというものはきまっておりません。従ってその方は一応確定しておりませんので算入していないということを備考に書いておいたわけであります。
  46. 川村継義

    ○川村(継)委員 それでは増員計画がはっきりして参ったら当然それも見込んだ計画に立て直されるわけですが、この増員計画ができていないということは大へんおかしいと思うのです。当然四月からそういう増員に伴う給与の支払い等が行われておりますから、もしもそれがはっきりしたら四月にさかのぼってちゃんとそれを計画するということは間違いなく行われるものですか。
  47. 後藤博

    後藤説明員 増員数が確定いたしますれば、それを算入したものにいたしたいと考えております。義務教育費国庫負担分は第一・四半期三カ月分が出るわけであります。従って四、五月の関係から申しますれば一応現在出せますところの三カ月分で間に合うわけでありまして、六月に不足するという格好になって参ります。従って六月の暫定予算のときにははっきりした数字をその中に盛ってやはり財源補てんを考えてやる必要があると私ども考えております。
  48. 大矢省三

    大矢委員長 他に質疑はございませんか。——ないようでございます。     —————————————
  49. 大矢省三

    大矢委員長 次に日程を追加しまして、町村合併促進に関する問題について調査を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 大矢省三

    大矢委員長 御異議ないようでありますから、町村合併に関する問題の調査をいたすことにいたします。小林行政部長から現在までの町村合併促進状況、当面のいろいろの問題についての説明を聴取することといたします。
  51. 小林与三次

    ○小林説明員 実はもう少しいい資料を差し上げたいと思っておったのですが、ちょっと急でございますしたので、手元にあったものだけをとりあえず持って参りまして、最近までにおける進捗状況と、現在の段階においての問題を御説明申し上げたいと思います。  実はお配りいたしましたのは、この三月一日現在における合併進捗の状況でございまして、今日の状況では全く実は状況が変っております。ちょうどこの三月一日以後、三月三十一日、四月一日、あるいは四月三日と、地方選挙前に合併を施行しようという件数が一非常に多いのでございまして、現在その処理に忙殺されておる状況でございます。それでございますから、その押えた数字で近々に一つまとまった結果を御説明申し上げようと思うのでございます。  この三月一日の資料によりますと、大体ごらん願えばわかりますが、欄を四つ設けてございまして、そのうち三番目の欄が二十八年度から九年度にかけての計画で、二十九年度中に大体、達成したいという目標の数字でございます。これによりますと、一番下に合計が出ておりますが、二十九年度中に減少町村五千四十七、全体の目標の八〇%達成したいという考えでおりましたところ、三月一日では三千五百三十八で、その目標の七〇%を達成しておる数字になっております。これを三カ年間の全体の総合併計画というものから比較したのが第四欄でございまして、それでは全体を一〇〇%として、六千二百余りの減少計画に対しまして三千五百で、五六%を達成いたしておるのでございます。ところが今申しました通り、大体地方選挙前に行われるのが千は突破しておるでありましょう、おそらく千二、三百になるだろうと今想像をいたしておりますが、そうしますと、大体今年度計画で、あります五千減少の数に近い数字が出て、全体としておおむね八〇%の数字に達するのではないかと存じております。それで、ただ相変らず県によりまして多少の遅速がございまして、三月一日現在でも、もうすでに年度の目標を一〇〇%以上突破いたしておるという県が一、二あるのであります。たとえば山形は全体の計画のもう九七%に達しております。栃木も八五%、富山は全体の九〇%、こういう数字が出ておるのであります。一番下の鹿児島は一〇八%でありますが、これは御案内のように、鹿児島は非常に大きな町村が昔からありまして、ほとんど合併を必要とする町村が少かったのでパーセンテージからいえば非常に大きいのであります。合併の数はそれほどございません。しかしながらこの数字も全く変りましておそらく九〇%を突破する府県が相当出るだけでなしに、大体一〇〇%に近い数字が出る府県もあるのではないかと考えておるのでございます。その他の一般の府県でも、一番少いものでも五、六〇%に達するだろう、こういう状況でございます。その資料は集計でき次第直ちにお配りいたしたいと存ずるのでございます。ただ地方選挙前に大体そういう計画通りの目標を達成すると思うのであります。最近いろいろ新聞などでもごらんになって問題が多少あるのでございますが、相変らずこの合併の問題では、合併の方向と機運はできておりますが、具体的にどの町村と合併すべきかということについての方向がきまらないものがかなりあります。それからやはり一部の富裕町村とかその他町村内の事情で合併そのものに踏み切りのつかない町村も多少あるようでございます。しかしながら今度の選挙が終ってその後どうなるかということにつきましていろいろ見通しがございますが、選挙の結果問題が確定するものも少くなく、それから選挙の結果多少問題がおくれるというものも正直に申して、あるだろうと思うのでございます。それと、最近は府県間の境界変更がだんだん問題に上ってきておりまして、きわめて円満に話のついた事例もありますが、話がつかないで多少こじれておるものもあるのであります。話のついた事例といたしましては、最近岐阜県と愛知県との県界にわたりまして町村が分割されて境界変更をした事例がありましたが、これは両県でも円満に話がついて、この問題は解決しておるのであります。もう一つの例は、静岡と神奈川との間に問題がありまして、これは地元でもなかなか円満な解決がつかないので、円満な解決をはかるために、最近町村合併法の施行令の改正をきのう閣議できめていただきまして、前から自治法に自治紛争調停委員の制度というものがあって、府県間の紛争については必要な調停をはかり得る道が開いておりますので、初めてその制度を活用してその解決をはかろうというような措置考えておる事例もございます。その他県内の問題といたしましては、それぞれ県当局の方におきまして御指導を願っておるのでありますが、県の考え方と地元の市町村考え方と食い違うというような事例も——これは少いのでありますが、多少出て来る場合が予想されるのでありまして、そういうものにつきましては、促進法で総理大臣に審査請求の道が開かれておりまして、そういう審査の請求を求めて来るものも多少あるのじゃないかそう多くはありませんが、そういうものも想像されております。われわれのところへ正式に来ておるのはそうありませんが、そういうものも間々出て参りまして、そうした問題につきましては、自治庁といたしましてよく地方の実情に即して適切な解決をはからねばならない、こういうふうに存じておるのでございます。大体の大ざっぱな概況は以上の通りでございます。
  52. 大矢省三

    大矢委員長 ただいままでの説明に対して何か質疑はございませんか。
  53. 坂本泰良

    ○坂本委員 三点ばかり聞きたいのですが、円満に行かないようなところが現在どれくらいあるか。それから審査請求を求めておるところがどれくらいあるか、これが第二。第三にこの町村合併に対して村民の意思とそれから町村議会の意思が食い違ってむしろ旗なんかを立てて非常な刑事問題にまで発展しておるものがあることをわれわれ二、三聞いておるのですが、そういう点について調査をしておられるかどうか、調査をしておられるならば、そういうケースがどれくらいあるか、この三つをお聞きしたい。
  54. 小林与三次

    ○小林説明員 これは大体統計的な数字の問題でございますが、実は数字のあるものとないものとございまして、審査の請求のあるものはわれわれのところに正式に書類が参ってたるわけでございますが、これは現在までに来ておるのが二件ございます。その二件は最近参ったのでありまして、それに基いて審査を開始することにしております。それから一般的に円満に行かないというのは、要するに話がスムーズにまとまっておらないという問題と、最後にお話の通り非常に大議論になる問題と両方あるだろうと思っておりますが、今申しました通り大体できるところは地方選挙までに片づいておるのでありますが、それまでに片づかなかったのは、まだ話が十分熟しておらないものだと想像されるのであります。これが大体全体として計画が今のところ八〇%でございますから、あとのまだ十分話が熟しておらないものが自余の数字になるのだろうと存じております。それとともに、特に町村の方では議決したけれども、一部の町村民の間に反対が起ってしばしば新聞をにぎわしておるような事件は御承知の通り必ずしも少くないわけでありまして、今正確な数字手元にございませんが、やはり各県で数件はみなあるだろうと存じております。そのうちで極端なのはそういうむしろ旗事件になったり、特にもっと行き過ぎた事態を現出しておるものもございますが、今手元に正確な資料がございませんから、わかりましたら御報告を申し上げたいと存じております。この点がわれわれといたしましては一番憂慮いたしている問題でございまして、合併はあくまでも地方民の意思を基礎にしてすべきものでございますが、地方民の意思を代表しているのは町村議会でございまして町村議会の内部においてもすべての者の意思がまとまることを欲しておるのでありますが、全会一致で行くものばかりでもないのでありまして、やはり一部の反対の例が少くないのであります。われわれの方でも全会一致一で行ったものと、そうでないものとの統計を今まとめさしておりまして、そういう事例もまとまったものを申し上げたいと思います。そのうちで全会一致でないものの例の大半は地域的に意見が対立している場合でございます。つまりたいていの者は向うの村へ行きたいが、一部の者はこちらの村なり町に行きたい、こういう問題の場合が多いのでございまして、それにつきましては、われわれはむしろその土地の実態に即して、部落の地理的、社会的、経済的な事情で、むしろ分村さした方が住民の実際の事情に合うものなら、あまり村を割らないという感じにこだわらないで必要な分村をやったらいいじゃないか、こういうのがわれわれの気持でございまして、それで従来も促進法はそういう趣旨の改正が何度かなされておりまして、今日は大体その趣旨が徹底をいたしまして、事前に円満に分村が行われておる例が非常に多くなっております。それから事後においても、とりあえずまとまってあとから実情に即して分村しよう、必要ならば知事の勧告権によってやろう、こういう情勢でありまして、そういう地域的な対立の問題は、私はおおむね円満な妥結を見得るものだと考えているのでございます。そうでなしに今度は、もう一つは村議会自身の空気と住民の意向とが必ずしも一致しないという形のものも、これは正直に申してあるのでございます。しかしわれわれの見るところでは、大体村民の意向というものは村会に反映いたしておるのでありますが、村議会自身が村民と遊離しているというようなことがかりにあれば、いろいろ住民の村議会会に対するコントロールの権限がありますので、そういうものでまず土台が一致されることが根本でございますが、それとともに村当局自身ももう少し委曲を尽して村民の理解納得の手段を講ずればいいものを、やや急いで、あるいは抜き打ち的と言っては語弊があるかもしれませんが、速急に事を運び過ぎるという事例で問題をこじらしているものがあるのでありまして、これはわれわれといたしましてはなはだ遺憾でありまして、そういうことのないように十分注意をさしているのでございますが、なおそういう事例があり得るのでございます。これにつきましては県当局の方で実際問題を処理するときに、それぞれ慎重に指導善処願うように、こちらからも耳に入った問題があれば県の方にも善処をお願いしている次第でございます。
  55. 坂本泰良

    ○坂本委員 大体今の説明でわかりましたが、最後の市町村議会の意思といっても、これはもうすでに四年前に選ばれたもので、相当町村民から離れている。そういうような関係で、あなたがその市町村の決定を実行せんとするので、村民大衆との衝突が起って暴力行為とかいろいろな罪名でぶち込まれているのがたくさんあると思うのですが、そういう点についての調査をやっておられるかどうか。調査をやっておられるならばどれくらいやっておるか。またそれに対して自治庁としてはどういう指導をしておられるか、この点を承わりたい。
  56. 小林与三次

    ○小林説明員 それについての正確な統計的な資料は手元に今ございませんが、これはわれわれの方でも関心を持っておりまして、たいていそういう問題はわれわれの耳にも入っております。そういう数字をとりまとめまして御報告申し上げたいと思いますが、そういう場合には、われわれといたしましてはやはり村議会は当然合法的な代表機関と認めなくてはならぬが、ややそういう村民の気持と食い違っている場合もありますので、時期をあせらずに十分村民に周知の方法を講じてやるように実は厳重に申し上げておるのであります。特に今度の選挙後に残るものはそういうものが非常に多いだろうと思います。それで今度の選挙は、われわれとしてはあまり合併を種に選挙をされてはかなわぬという気持もありますけれども、おそらくはそれによって村民の正しい批判とか意見というものがたいていの町村議会に現われるだろうと存じておるのでありまして、そういう問題のあるところにおきましては、もちろんその選挙の帰趨を見て、そして新しい町村民の意思を基礎にして事柄が進むということも、実は期待しておるものもあるのでございます。数字的な資料はとりまとめ次第御報告申し上げます。
  57. 大矢省三

    大矢委員長 それではこの際、町村合併に対していろいろ問題の起きておる町村についてその実情を調査したいと思いますので、特にモデル。ケース、として愛知県の県下における合併の問題について参考人を呼び、その意見を聴取したいと思います。その期日、人数、氏名等については委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 坂本泰良

    ○坂本委員 異議はありませんが、なるべく合併する方、それからせられる方、問題の起っておる関係はなるべく公平に呼ぶようにお願いしたいと思います。
  59. 大矢省三

    大矢委員長 今の坂本君の御意見のように、関係のある町村、市、府県からできるだけ実情を調査することにいたしたいと思います。
  60. 鈴木直人

    鈴木(直)委員 それは合併が促進されることが目的ですか、あるいは促進されないような結果になってもいいというのですか。委員長は呼んだ場合の結論についてどういう見通しを持っておられるわけですか。
  61. 大矢省三

    大矢委員長 これはまだ実情を聞かなければわからないのですが、町村合併を促進する法律ができて促進しておるので、私ども考えとしては、できるだけスムーズに住民の意思が反映するようにという心持は持っております。しかし実情がどうなっておるかわかりませんので、その意味で参考人の意見を聴取したいと思っております。
  62. 鈴木直人

    鈴木(直)委員 おそらく合併したいという立場といやだという立場を呼ぶのだろうと用心いますが、そういう場合にあらかじめ、実情に沿うように県当局とか自治庁方面と理事の間、でも相談をして、目的がどちらであってもそういうふうにしなければならぬのではないかというふうに考えておりますので、参考のために申し上げます。
  63. 大矢省三

    大矢委員長 今御意見のありましたように、自治庁の方でできるだけ善処してもらうようにして、とりあえず問題の起きておるところの愛知県に対して、関係ある参考人の意見を聴取したいと思いますので、その手続等については御一任を願いたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 大矢省三

    大矢委員長 それではさよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。なお次会は公報をもってお知らせいたします。     午後零時四十九分散会